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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】人形玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/00 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
A63H3/00 U
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020089064
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021183026
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-06-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】高橋 力也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-016683(JP,A)
【文献】特開2016-064131(JP,A)
【文献】特開2009-004345(JP,A)
【文献】特開2009-090064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0258683(US,A1)
【文献】「RG ガンダムベース限定 RX-0 ユニコーンガンダム(デストロイモード)Ver.TWC(LIGHTING MODEL) レビュー」,ガンプラの山を崩せ [online],2019年06月02日,[2021年5月18日検索] , インターネット<URL: http://schizophonic9.com/re5/rg_unicornlighting.html>
【文献】「RG RX-0 ユニコーンガンダム(デストロイモード)Ver.TWC(LIGHTING MODEL)が登場!」,アキバ総研 [online],2019年02月06日,[2021年5月18日検索], インターネット<URL: https://akiba-souken.com/article/38391/>
【文献】「PGエクシア」,ガンプラの山を崩せ [online],2017年12月06日,[2021年5月18日検索], インターネット<URL: http://schizophonic9.blog103.fc2.com/blog-entry-3263.html>
【文献】「GN粒子の発光演出を再現!「PG 1/60 ガンダムエクシア」12月2日発売決定!」,GUNDAM.INFO [online],2017年09月29日,[2021年5月18日検索], インターネット<URL: https://www.gundam.info/news/gunpla/news_gunpla_20170929_18866p.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形玩具の内部に配置される発光演出ユニットが内部に配置された人形玩具であって、
前記発光演出ユニットは、
配線が施されたフレキシブルプリント基板と、
フレキシブルプリント基板の配線上に配置された複数の発光体ユニットと、
を備え、
前記複数の発光体ユニットのそれぞれは、第1の色の第1のLEDと第2の色の第2のLEDとを備え、前記第1のLEDと前記第2のLEDとは極性が反転されて並列に前記配線に接続され、電源から前記配線に流れる電流の方向が制御されると、前記電流の方向が第1の方向において前記第1のLEDが発光し、前記電流の方向が前記第1の方向とは反対の第2の方向において前記第2のLEDが発光し、
前記複数の発光体ユニットは前記配線により直列に接続されており、
前記人形玩具は、
前記第1のLED又は前記第2のLEDからの直接の光により発光する第1の面発光部材と、
前記第1のLED又は前記第2のLEDからの光が遮光部材に覆われた光透過部材を介して伝達されて発光する第2の面発光部材と
を含み、
前記フレキシブルプリント基板上の前記配線の数は2本であり、各配線間の幅は少なくとも0.3mmを有し、
前記第1の色と前記第2の色とは異なる色である、人形玩具。
【請求項2】
前記複数の発光体ユニットのうちの少なくとも1つは、第3の色の第3のLEDと第4の色の第4のLEDとを備え、前記第3の色及び前記第4の色は、前記第1の色及び前記第2の色の少なくともいずれかとは異なる色である、請求項1記載の人形玩具。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント基板は、前記人形玩具の腕に配置される部分と、前記人形玩具の肢に配置される部分とが、それぞれ前記人形玩具の胴体内に配置される部分に接続されて構成されている、請求項1または2に記載の人形玩具。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント基板の幅は4mmである、請求項1からのいずれか1項に記載の人形玩具。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント基板の配線と接続されたコネクタを更に備え、
前記コネクタを介して、前記電源と、前記電源から前記配線に流れる電流の方向を制御する制御部とに接続される請求項1からのいずれか1項に記載の人形玩具。
【請求項6】
前記フレキシブルプリント基板を前記人形玩具の内部に配置することにより、前記複数の発光体ユニットのそれぞれが前記人形玩具の所定の部位に固定される、請求項1に記載の人形玩具。
【請求項7】
前記複数の発光体ユニットの少なくとも1つが、前記人形玩具の少なくとも1つの肢部の内部に配置され、前記肢部の所定の位置を発光させる、請求項に記載の人形玩具。
【請求項8】
前記肢部は屈曲可能な関節機構を有し、前記フレキシブルプリント基板は前記関節機構を通過するように前記肢部の内部に配置される、請求項に記載の人形玩具。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント基板は前記人形玩具の胴体の内部から、少なくとも1つの肢部の内部に跨って配置されている、請求項1からのいずれか1項に記載の人形玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人形玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプラモデル(登録商標)と呼ばれるような組み立て模型や人形玩具の部品(パーツ)には、模型や人形玩具を装飾するための発光部品がある。
【0003】
特許文献1は、球状の中空体に複数個の貫通孔を放射状に設けた基体と、この基体の貫通孔に着脱可能な発光体からなる装飾部材とを組み合わせた玩具を開示する。当該玩具は、基体と着色体または基体と発光体を組み合わせることにより、装飾用あるいは遊具用として使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-047458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
模型や人形玩具の特定部位の色を時間的に変化させるような演出的効果を簡易な構成で実現することが望まれており、本願発明はそのための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、人形玩具の内部に配置される発光演出ユニットであって、
配線が施されたフレキシブルプリント基板と、
フレキシブルプリント基板の配線上に配置された複数の発光体ユニットと、
を備え、
前記複数の発光体ユニットのそれぞれは、第1の色の第1のLEDと第2の色の第2のLEDとを備え、前記第1のLEDと前記第2のLEDとは極性が反転されて並列に前記配線に接続され、電源から前記配線に流れる電流の方向が制御されると、前記電流の方向が第1の方向において前記第1のLEDが発光し、前記電流の方向が前記第1の方向とは反対の第2の方向において前記第2のLEDが発光し、
前記複数の発光体ユニットは前記配線により直列に接続されている。
また、本発明は、人形玩具の内部に配置される発光演出ユニットが内部に配置された人形玩具であって、
前記発光演出ユニットは、
配線が施されたフレキシブルプリント基板と、
フレキシブルプリント基板の配線上に配置された複数の発光体ユニットと、
を備え、
前記複数の発光体ユニットのそれぞれは、第1の色の第1のLEDと第2の色の第2のLEDとを備え、前記第1のLEDと前記第2のLEDとは極性が反転されて並列に前記配線に接続され、電源から前記配線に流れる電流の方向が制御されると、前記電流の方向が第1の方向において前記第1のLEDが発光し、前記電流の方向が前記第1の方向とは反対の第2の方向において前記第2のLEDが発光し、
前記複数の発光体ユニットは前記配線により直列に接続されており、
前記人形玩具は、
前記第1のLED又は前記第2のLEDからの直接の光により発光する第1の面発光部材と、
前記第1のLED又は前記第2のLEDからの光が遮光部材に覆われた光透過部材を介して伝達されて発光する第2の面発光部材とを含み、
前記フレキシブルプリント基板上の前記配線の数は2本であり、各配線間の幅は少なくとも0.3mmを有し、
前記第1の色と前記第2の色とは異なる色である
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、模型の特定部位の色を時間的に変化させるような演出的効果を簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に対応する回路図の一例を示す図。
図2】実施形態に対応するフレキシブルプリント基板の構成の一例を示す図。
図3】実施形態に対応するLEDの発光制御の一例を示す図。
図4】実施形態に対応する模型部品の構成例の一例を示す図。
図5】実施形態に対応する模型部品の構成例の他の一例を示す図。
図6】実施形態に対応する模型部品の断面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。また、各図において、紙面に対する上下左右方向を、本実施形態における部品(またはパーツ)の上下左右方向として、本文中の説明の際に用いることとする。
【0010】
まず、本実施形態に対応する発光演出ユニットを構成する発光回路の回路図を図1に示す。当該発光回路は、複数色のLED等の発光体をフレキシブルプリント基板(FPC)の配線上に配置することにより構成することができる。フレキシブルプリント基板上の発光体を模型や人形玩具(以下、総称して模型という)の任意の部位に配置することで、模型の特定部位を発光させることができる。
【0011】
図1に示す回路図は、発光回路を簡略的に示したものである。また、発光体の数はあくまで例示のため限定的に示しているが、より多く数の発光体をフレキシブルプリント基板上に配置することができる。
【0012】
図1において発光回路10は、電源100と、電流方向制御回路110、制御部120、発光体ユニット130を含むように構成される。電源100は、発光回路10が動作するための電源を供給する。電流方向制御回路110は、発光体ユニット130に流れる電流の方向を第1の方向と、第1の方向とは反対の第2の方向とで切り替える切替回路であり、制御部120からの制御信号に応じて動作する。制御部120は、電流方向制御回路110の動作を制御するための制御信号を供給する。制御部120はマイコンにより構成することができ、例えば一定の時間間隔において、電流の流れる方向が第1の方向と第2の方向とで切り替わるように、電流方向制御回路110へ供給する制御信号を切り替える。
【0013】
発光体ユニット130は、2つの色の異なるLEDから構成され、第1の方向が順方向となる組の第1のLEDと、第2の方向が順方向となる組の第2のLEDとが並列に配置されてなる。換言すると、発光体ユニット130において、第1のLEDと第2のLEDとは極性が反転されて並列に接続されている。また、第1のLEDと第2のLEDとは発光色が異なり、例えば、第1のLEDを赤とすると第2のLEDを緑とすることができる。
【0014】
色の組み合わせは、上記に限定されるものではなく、任意の色の組合せとすることができる。また、部位によって、組み合わせる色を異ならせてもよい。例えば、模型の腕や足の部分は赤と緑の組合せとし、胴体や頭の部分を赤と青の組合せとしてもよい。また、一部の発光体ユニット130は同色のLEDの組合せとしてもよい。その場合、一部の部位においては発光色が変化しないこととなる。例えば模型の頭部等において、発光色を同一に維持するようにしてもよい。
【0015】
また、発光体ユニット130は、複数のユニットが直列に接続されている。これにより、1つの電流方向制御回路110により、模型全体について発光体ユニット130の発光を制御することができる。
【0016】
入力部140は、例えば模型に設けられたスイッチやボタン等の操作入力部であり、制御部120は、入力部140からの入力に従って、発光体ユニット130の発光態様を切り替えてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態に対応する発光演出ユニットの構成要素であるフレキシブルプリント基板の構成の一例を示す図である。フレキシブルプリント基板200には、内部に配線201がめぐらされており、配線201がベースフィルムとカバーレイにより覆われている。配線201上には、任意の位置に発光体ユニット130が設置されている。図2に示す例では、配線201は全体として1本の配線を構成しており、正極端子202と負極端子203に電流方向制御回路110が接続されて、配線201を流れる電流の向きが第1の向きと第2の向きで切り替えられる。
【0018】
発光体ユニット130は、フレキシブルプリント基板200の表面側に配置され、配線201と発光体ユニット130のLEDが接続されている。例えば、点線で囲んだ領域に示すように、赤色LEDの陽極と、緑色LEDの陰極とが配線201の正極側に接続され、負極側には赤色LEDの陰極と、緑色LEDの陽極とが接続されている。
【0019】
フレキシブルプリント基板200には、模型の部位に固定するための係合孔204が設けられており、当該係合孔204の孔を通して部位を結合することにより、フレキシブルプリント基板200の位置を固定することができる。また、フレキシブルプリント基板200は、任意に折り曲げることができるので、人形玩具や模型のパーツの形に合わせて折り曲げたり、撓ませたりして取り付けることができる。
【0020】
また、図2に示す例では、一点鎖線で区切って示すように、フレキシブルプリント基板200は、肢部、肩・腕部、胴体・腰部に分割される。フレキシブルプリント基板200は胴体・腰部と肩・腕部が接続されており、また、胴体・腰部と肢部(脚部)とが接続されている。これにより、フレキシブルプリント基板200は、胴体・腰部から肩を介して腕に跨って配置されると共に、胴体・腰部から肢部に跨って配置されることになる。
【0021】
フレキシブルプリント基板200は、首、肩、肘、腰、膝等の関節部分を構成するパーツの内部を貫通、或いは、通過して配置される。そのため、フレキシブルプリント基板200の幅はできるだけ細いことが望ましく、配線数を減らすことが必要となっている。本実施形態では、フレキシブルプリント基板200上の配線数を2本とすることができるので、最小限の配線数でフレキシブルプリント基板200を構成することができる。一例として、フレキシブルプリント基板の配線部分の幅は、最も狭いところで例えば4mmである。但し、配線部分の幅は、模型や人形玩具の大きさに応じて最狭幅が異なるものであり、4mmより広くてもよい。或いは、4mmよりも狭くてもよい。ただし、各配線の幅は1mm、また、各配線間の幅は0.3~0.5mmは確保することが、ノイズの抑制のためには望ましい。
【0022】
次に、図3を参照して、制御部120による発光体ユニット130の発光制御について説明する。制御部120においては、発光体ユニット130に電流方向制御回路を通じて供給する電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御することができる。図3では、制御の一例を示すが、グラフの縦軸は、LEDの輝度を、デューティ比で単位時間当たりの電圧パルスがオンになっている比率(単位:%)により示す。赤色LEDと緑色LEDとはいずれも、最初の約3秒で、デューティ比を0%から90%まで上昇させることで、消灯状態から輝度を上げている。
【0023】
その後、デューティ比が90%まで達したら、約3秒かけて一旦50%まで落とし、輝度を下げる。その後は50%から90%を約6秒周期で4回繰り返し、それに応じて輝度を上下させている。演出終わりの最後の約3秒で50%から0%に落とすことで、徐々に輝度を下げ、消灯する。赤色LEDと緑色LEDとは交互に点灯され、上記の制御を繰り返す。赤色LEDと緑色LEDとの切り替わりの間隔は、例えば10秒程度とすることができるが、より短くても、より長くてもよい。
【0024】
上記の制御方法は一例にすぎず、これ以外の方法によりデューティ比を制御したり、点灯時間を制御したりすることができる。また入力部140からの操作入力に応じて、赤色LEDまたは緑色LEDを切り替えて点灯してもよい。また、入力部140には複数のボタンが用意され、操作されたボタンの種類に応じて、異なるデューティ比や発光時間により発光体ユニット130を発光させてもよい。また、入力部140のスイッチは例えば、関節部に配置されており、関節を動かすことによってスイッチがオンされてもよい。例えば腕関節に配置された腕を振り上げるポーズを取った時にスイッチが入るようにしてもよい。
【0025】
また、模型を第1の態様から第2の態様に手動または自動で変形が可能とし、第1の態様においては発光体ユニット130が隠されているが、第2の態様においては発光体ユニット130が露出されるように構成してもよい。その場合、第1の態様においては、発光体ユニット130を覆うパーツの一部或いは全体を遮光性部材で構成してもよい。遮光性部材は、例えば、光を吸収する色の成形パーツを用いたり、反射シールを貼ったりする等して構成してもよい。
【0026】
本実施形態において、フレキシブルプリント基板200は、模型の内部、具体的には胴体や腕に跨って、また、関節部(例えば、肘関節や膝関節)を通過するように配置される。これにより、フレキシブルプリント基板200に配置された発光体ユニット130を模型の所定の位置に配置させることができる。以下、配置の具体例を図4から図6を参照して説明する。
【0027】
図4は模型の胴体・腰部に配置される例を示している。フレキシブルプリント基板のパーツ401は、クリアパーツ402内に配置され、両端のLEDの発光光は、クリアパーツ402を通過して外部に照射される。クリアパーツ402は、所定の色の透明のABS樹脂からなる部材であって光を透過する。クリアパーツ402には上からパーツ403がかぶせられるが、パーツ403は光を透過しないポリスチレンにより構成されている。但し、このような光を透過しないパーツの形成材料としては、ポリスチレン以外の他の材質(ポリエチレン、ABS等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属等)の利用を排除するものではない。よって、パーツ401に配置されたLEDからの発光光は図の下向きに照射されることになる。フレキシブルプリント基板の配線部404は、パーツ405の開口部を通って、模型の他の部位に延びる。このようにして、フレキシブルプリント基板200の配線は、模型のパーツ内を通って、模型内(例えば、肢部)に配置される。
【0028】
パーツ406は、フレキシブルプリント基板200を外部の機器や電源パーツと接続するためのコネクタである。図1に示す電流方向制御回路110、電源100、制御部120、入力部140等と接続するために用いることができる。本実施形態において、電流方向制御回路110、電源100、制御部120、入力部140は、模型を設置するベース内に電池ボックスとして配置され、所定の配線によりコネクタと接続されるものとする。しかし、当該実施形態はあくまで一例であって、模型の内部に電流方向制御回路110、電源100、制御部120、入力部140の全てを搭載してもよいし、そのうちの少なくとも一部、例えば電流方向制御回路110のみ、電流方向制御回路110と制御部120と入力部140を搭載し、残りの部分を設置用のベース内に配置してもよい。
【0029】
次に図5は模型の脚部の構成の一例を示している。フレキシブルプリント基板のLEDが配置されたパーツ501は、面発光パーツ502の内側に配置される。面発光パーツは、素材としてGP(ハイインパクトPS)からなり、素材は乳白色を有している。上述のクリアパーツ402は透けるような透明色で構成されていたが、これに対して面発光パーツは、あえてすりガラスのような乳白色、或いは、半透明にして光を逃がさないようにして光を拡散し発光面全体が均一な光り方をするようにしている。
【0030】
面発光パーツ502の外側には、光を透過しない遮光パーツ503が配置されており、遮光パーツ503により面発光パーツ502が隠蔽された状態から、面発光パーツ502が部分的に露出するように遮光パーツ503の位置をずらすことが可能なように、他のパーツとの組み合わせにおいて構成されている。遮光パーツ503の位置をずらすための機構は、一般的な機構であるため説明を省略する。これにより、LEDの点灯により発生した光を、面発光パーツ502を介して遮光パーツ503の隙間から確認することができる。
【0031】
上記ではLEDからの光を面発光パーツが直接に受ける場合を記載したが、図6の例示的な断面図に示すようにクリアパーツを介して面発光パーツで光を拡散するようにしてもよい。図6においては、LED601からの発光光はクリアパーツ602及び603を介して、面発光パーツ605に伝達され拡散される。クリアパーツの外側は光を透過しない遮光パーツ604により覆われているため、光は左右方向には拡散せず、パーツ605の方向に伝達される。このようにしてクリアパーツを介することにより、クリアパーツの大きさや厚みに応じて、さらには遮光パーツとの組み合わせにより、光の拡散方向や範囲を調節することができる。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、配線に流れる電流の方向を制御することにより複数の異なる発光色のLEDを交互に、或いは、選択的に発光させることが可能となる。例示の実施形態においては、第1の方向に電流が流れている場合に、赤色LEDが発光し、第1の方向とは逆方向の第2の方向に電流が流れている場合に緑色LEDが発光する。
【0033】
本実施形態においては、異なる発光色のLEDを並列に逆方向に接続することで、配線本数を最小限とすることが可能とする。これにより、フレキシブルプリント基板の幅も最小限とすることが可能となり、模型のパーツの内部を通して任意の位置にLEDを配置して、光による演出を行うことが可能となる。
【0034】
また、本実施形態においては、光源である発光体(LED)と、光を透過する透明のパーツと、光を拡散する面発光パーツとを組み合わせることにより、光源からの光を模型の任意の位置に伝達し、拡散させることを可能とする。
【0035】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6