(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】取り次ぎ装置及び取り次ぎ装置を使用して単位商品を出力するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
B65G1/04 503
B65G1/04 519
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020178255
(22)【出願日】2020-10-23
(62)【分割の表示】P 2017533426の分割
【原出願日】2016-01-07
【審査請求日】2020-11-04
(32)【優先日】2015-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘレンブラント,クリストフ
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-086974(JP,A)
【文献】特表2008-519743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数種の単位商品のための取り次ぎ装置であって、
上下に配設された複数の水平棚表面(11)を備える少なくとも1つの第1棚を有する少なくとも1つの第1棚列(10)であって、第1棚列(10)の各々は水平面内に延在する、少なくとも1つの第1棚列(10)と、
上下に配設された複数の棚表面(21)を備える少なくとも1つの第2棚を有する少なくとも1つの第2棚列(20)であって、第2棚列(20)の各々は水平面内に延在する、少なくとも1つの第2棚列(20)と、
前記第1棚列(10)と前記第2棚列(20)との間に形成された通路(30)であって、通路(30)の中で、動作ユニット(40)が水平及び垂直に進むことが可能である、通路(30)と、
前記単位商品を受入れる外側エリアから前記動作ユニット(40)が設けられている位置に向けて単位商品を移動させるための少なくとも1つの入力装置(60,61)であって、少なくとも1つの入力装置(60,61)から前記動作ユニットが単位商品を除去できる、少なくとも1つの入力装置(60,61)と、
前記第2棚列(20)から単位商品を出力するための少なくとも1つの出力装置(70)と、
補助出力経路に沿って、前記動作ユニット(40)によって保持された単位商品を出力するための少なくとも1つの補助出力装置(80)と、
を備え、
前記単位商品を種類別に保管するための複数の並列保管シャフト(22,22’)が前記第2棚列の各棚表面(21)上に形成され、前記保管シャフトの各々は、シャフト端部(24)でゲート(23)を備え、前記ゲートは、前記保管シャフト(22,22’)の中に置かれている単位商品を保持すると共に解放し、前記単位商品は、前記出力装置(70)を経由して、主出力経路に沿って、前記シャフトから出力されることが可能であり、
前記動作ユニット(40)は、単位商品を前記水平棚表面(11)の上に入力するための、及び/又は単位商品を前記水平棚表面(11)から出力するための、並びに前記単位商品を前記保管シャフト(22,22’)の中に詰めるための、把持装置(50)を備え、且つ、
制御ユニット(90)は、前記動作ユニット(40)に結合され、前記制御ユニットは、単位商品を入力すると共に出力要求を通じて出力するために前記動作ユニット(40)を制御し、前記制御ユニットは、前記動作ユニットが制御可能であるように設計され、ここで制御可能であるというのは、前記水平棚表面(11)から列になって置かれている同一の単位商品を前記出力要求に対応した数だけ除去し、これら除去された同一の単位商品を、前記保管シャフト(22)の中、又は前記補助出力装置(80)の中、若しくは前記保管シャフト(22)
および前記補助出力装置(80
)の中に置くことのいずれかを前記出力要求の数に基づいて行うことに対してであり、並びに、前記水平棚表面(11)の上に位置する1つ以上の前記保管シャフト(22)に置かれているものと異なる種類の前記単位商品を前記出力要求に応じた数だけ出力し、これらの単位商品を前記補助出力装置(80)へ移送することに対してであることを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の取り次ぎ装置であって、
前記制御ユニット(90)は、前記保管シャフト(22)に保管済みの前記同一の単位商品の数が前記出力要求に応じた数より小さい場合に、前記同一の単位商品を前記水平棚表面(11)から前記補助出力装置(80)へ移送するように前記動作ユニット(40)を制御することを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の取り次ぎ装置であって、
前記第2棚列(20)の前記棚表面(21)は、前記通路(30)から
離れるにしたがって下方に
向けて傾斜するように設計されることを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の取り次ぎ装置であって、
前記把持装置(50)は、向かい合う負荷縁部(52,53)を有する水平保持表面(
51)と、単位商品を前記水平棚表面(11)の上に入力すると共に単位商品を前記水平
棚表面(11)から出力するための把持部(54a,54b)と、単位商品を前記保持表
面の上に押し込むための押し込み装置(55)とを備え、単位商品のための輸送経路は、
前記負荷縁部(52,53)の間に形成され、且つ前記保持表面(51)は、前記通路(
30)の幅全体を横切ることを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の取り次ぎ装置であって、
前記押し込み装置(55)は、前記保持表面(51)上で反対方向に単位商品を移動さ
せるための、2つの押し込み手段(55a,55b)を備えることを特徴とする、取り次
ぎ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の取り次ぎ装置であって、
前記押し込み手段(55a,55b)は、前記保持表面(51)の切り込み(51a)
の中で、及び前記表面の下で移動され得ることを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の取り次ぎ装置であって、
押し込み手段(55a,55b)は、負荷縁部(52,53)を越えて移動され得る押
し込み指部(56a,56b)を備えることを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の取り次ぎ装置であって、
前記第2棚列(20)の傾斜した棚表面(21)は、高さを変える保管シャフト(22
,22’)が形成されるように配置されることを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の取り次ぎ装置であって、
前記補助出力装置(80)は、前記第2棚列(20)の棚表面(21)上に形成される
ことを特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の取り次ぎ装置であって、
前記補助出力装置(80)は、ゲートを持たない保管シャフトとして設計されることを
特徴とする、取り次ぎ装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の取り次ぎ装置から単位商品を出力するためのプロセスであって、
前記制御
ユニットは、出力されるべき前記少なくとも1つの単位商品が、シャフト商品(6)であるか否か、又は棚商品(7)であるか否かを決定し、前記決定は、出力要求に反応して生じ、
前記商品が棚商品である場合、前記出力要求に対応する数の単位商品が、前記動作ユニ
ットによって掴まれ、且つ前記補助出力装置へ移送され、
前記商品がシャフト商品である場合、前記決定は、前記保管シャフトの中に、対応する
数の単位商品が依然として保管されているかどうかによってなされ、且つ、
対応する数のものが前記保管シャフトの中に保管されている場合、前記出力要求に対
応する数の単位商品が、前記出力装置の上に出力され、且つ、それによって、前記取り次
ぎ装置から外へ移動され、又は、
対応する数のものが前記保管シャフトの中に保管されていない場合、水平棚表面上に
保管され、且つ前記出力要求に対応する複数の単位商品が、前記動作ユニットによって掴
まれ、そして、
前記出力要求に対応する数の単位商品が、出力されることを特徴とする、プロセス。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセスであって、
前記出力要求に対応する数のものが前記保管シャフトの中に保管されていない
場合における前記水平棚表面上に保管された前記単位商品は、
前記動作ユニットを前記補助出力装置まで移動させ、
前記出力要求に対応する数の単位商品を前記補助出力装置へ移送し、且つ前記単位商品
を出力することによって、
出力されることを特徴とする、プロセス。
【請求項13】
請求項11に記載のプロセスであって、
前記出力要求に対応する数のものが前記保管シャフトの中に保管されていない
場合における前記水平棚表面上に保管された前記単位商品は、
前記動作ユニットを保管シャフトへ移動させ、
前記保管シャフトの中の全ての単位商品を移送し、
前記出力要求に対応する数の単位商品が、前記出力装置の上に出力され得るように
、
傾斜した保管シャフト又は複数のシャフトのゲートを作動させることによって、
出力されることを特徴とする、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単位商品、特に医薬品パッケージのための取り次ぎ装置、及び本発明による取り次ぎ装置を使用して単位商品を出力するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動化された取り次ぎ機器は、薬局においてしばしば使用されるが、その目的は、スペースが節約される方法で医薬品パッケージを保管することである。薬局に適用可能な既知の取り次ぎ装置では、医薬品パッケージは、無秩序に保管される。換言すれば、医薬品パッケージは、装置の中の予め決められた保管スペースに保管されるのではなく、むしろ適切な量のスペースを有する保管スペースに保管される。この方法では、余分な空き体積を避けることが可能であり、且つ表面エリアの1m2あたりに保管される医薬品パッケージ
の数を、かなり増加させることが可能である。このシステムによって動作する取り次ぎ装置は、保管スペースを最適に割り当てる複雑な保管システムを含む。しかしながら、このようなやり方で動作する取り次ぎ装置は、非常に高い出力頻度(換言すれば、単位時間あたりの医薬品パッケージ)を有する医薬品分配センタ又は大きな薬局に対しては不適切であり、その理由は、無秩序に保管された医薬品パッケージを、十分速く出力できないからである。
【0003】
それ故に、非常に高い出力頻度がある場合、使用される取り次ぎシステムは、いわゆるシャフトシステムを有するものであり、そのシステムでは、医薬品が選択的に保管される。各保管シャフトは、自身の下方端部に、動作ユニットによって制御可能なゲートを有し、そのゲートは、1つ以上の医薬品パッケージが、保管シャフトから放出されることを可能にする。選択的保管シャフトを有する取り次ぎ装置を使用して保管することが可能である異なる医薬品の数は、多くても選択的保管シャフトの数に対応する。そのような取り次ぎ装置の例は、特許文献1に開示されている。
【0004】
しかしながら、保管シャフトを使用する取り次ぎ装置の不利な点は、もしある種のパッケージをシャフトの中に保管できない場合、医薬品パッケージを保管シャフトの中に保管できないということである。ここである種のパッケージとは、例えば、特別な形状のパッケージ、若しくは冷却される必要があるパッケージ、又は頻繁には調剤されないため、選択的シャフトの中での保管が意味をなさないようなパッケージである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、保管シャフトを使用し、且つ医薬品パッケージを保管すると共に出力することが可能である、取り次ぎ装置を提供することである。ここでの医薬品は、保管シャフトと両立できないもの、又は保管シャフトの中に保管される医薬品パッケージの出力頻度よりも大幅に低い出力頻度を有するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の取り次ぎ装置によって達成される。本発明による取り次ぎ装置は、少なくとも1つの第1棚を有する少なくとも1つの第1棚列と、少なくとも1
つの第2棚を有する少なくとも1つの第2棚列とを備える。第1棚は、上下に配設された複数の棚表面を有し、前記棚表面の各々は、水平面内に延在する。第2棚は、上下に配設された複数の棚表面を有し、前記第2棚表面の各々は、1つの面内に延在する。取り次ぎ装置が、1つの棚列あたり、複数の棚を備える場合、棚の全ては同一であるように設計することが可能であるが、しかし、例えば、異なる距離によって分離された棚表面を有する異なる棚が、取り付けられることもまた可能である。
【0008】
第1棚列と第2棚列との間に通路が形成され、水平及び垂直に移動可能な動作ユニットが、対応する案内手段において通路の中に配設される。通路は、棚表面の端部(負荷縁部)によって画定され、前記端部は、通常、各棚列に対する垂直平面の中に位置し、その結果、対向する棚列の平面は、互いに対して平行に延びる。
【0009】
本発明による取り次ぎ装置は、取り次ぎ装置の中に単位商品を移動させるための少なくとも1つの入力装置と、入力装置から単位商品を除去することが可能である動作ユニットと、とりわけ第2棚列から単位商品を出力することが可能である少なくとも1つの出力装置と、動作ユニットによって取り上げられた単位商品を、補助出力経路に沿って出力することが可能である少なくとも1つの補助出力装置とを更に備え、そこでは複数の平行な保管シャフトが、第2棚列の各棚表面上に形成され、保管シャフトの各々は、そのそれぞれの端部において、保管シャフトの中に置かれている単位商品を保持すると共に解放するためのゲートを有し、且つ前記シャフトから、単位商品を、出力装置を経由して、主出力経路に沿って出力することが可能である。
【0010】
本発明による取り次ぎ装置の動作ユニットは、単位商品を水平棚表面の上へ入力する、且つ/又は単位商品を水平棚表面から出力すると共に、保管シャフトの中に単位商品を詰めるための、又は補助出力装置の上に商品を決まったルートで送るための把持装置を備え、これに加えて、動作ユニットに結合された制御器を備えるが、ここで制御器は、単位商品を入力すると共に出力することにおいて、動作ユニットを制御する。本発明によれば、制御ユニットは、次の目的に対して制御可能であるように設計される。その目的とは、動作ユニットが、列になって置かれている同一の単位商品を水平棚表面から出力すること、及び水平棚表面上に位置する1つ以上の単位商品を出力すると共に、これらの単位商品を補助出力装置へ移送することである。
【0011】
従って、本発明による取り次ぎ装置では、二種類の保管スペース、即ち、第2保管棚列の保管棚と第1棚列の水平棚表面が組み合わされる。高い出力頻度を有する医薬品パッケージは、保管シャフトの中で種類別に保管される。保管シャフトの中に保管されるべき医薬品パッケージの余分な供給品(換言すれば、保管シャフトに位置する単位商品に追加されるある量)は、水平棚表面上に置くことが可能であり、又は、保管シャフトの中に保管できない、若しくは出力できない医薬品パッケージは、それによって、水平棚表面上に置くことが可能である。更に、水平棚表面上に位置する又は保管することが可能な医薬品パッケージは、それらの出力頻度が保管シャフトに保管するには低すぎるものか、それらの重量が重すぎるものか、又は寸法に基づいて利用できる保管シャフトが存在しないものである。
【0012】
高い出力頻度を有する単位商品は、保管シャフトを経由して出力される。しかしながら、保管シャフトを経由して出力できない単位商品、又は低い出力頻度のために、傾斜したシャフトの中に保管されない商品を出力することを可能にするために、本発明による装置は補助出力装置を備え、その補助出力装置には、前記単位商品を、動作ユニットを使用して送り込むことが可能である。単位商品は、その後、この補助出力装置を経由して、補助出力経路に沿って、取り次ぎ装置から外に移動される。
【0013】
本発明による取り次ぎ装置は、従って、(保管シャフトにおいて)高い出力頻度を有する単位商品(医薬品パッケージ)を、保管すると共に出力することを可能にし、それと同時に、低い出力頻度を有する単位商品、又は単一の取り次ぎ装置において、傾斜した保管シャフトを使用して一緒に出力できない商品を、取り次ぎ装置の出力速度を減少させることなく、出力することを可能にする。高い出力頻度を有する単位商品は、保管シャフトを用いて出力することが可能であり、ここで保管シャフトの各々は、ゲートを備えており、これと同時に、水平棚表面上に保管された単位商品は、動作ユニットを使用して、補助出力装置を経由して出力することが可能である。
【0014】
シャフトの中に(及び、必要ならば、余分な供給品として水平棚表面上に)保管される単位商品は、ここでは「シャフト商品」と呼ばれる。上で述べた条件の故に、水平棚表面上に保管される単位商品は、「棚商品」と呼ばれる。本発明は、主として、医薬品パッケージに関連して説明される。しかしながら、他の種類の単位商品も、本発明による取り次ぎ装置を使用して処理することが可能である。
【0015】
ゲートを解放すると共に、(例えば、シャフトが水平である場合)保管シャフトに関連付けられた適切な装置を使用して、単位商品をシャフトから外へ移動させることによって、単位商品は、保管シャフトから出力される。
【0016】
取り次ぎ装置の好ましい実施形態において、第2棚列の棚表面は、傾斜部において通路から下方に離れるように設計される。換言すれば、保管シャフトは、傾斜した保管シャフトとして設計される。これによって、保管シャフトに関連付けられたゲートを単に開くことによって、単位商品を出力することが可能になる。保管シャフトの傾斜による重力によって、単位商品は、保管シャフトから外へ落下し、そして出力装置の上に落ちる。他の実施形態において、第2棚列は、棚を水平棚表面と組み合わせると共に、棚を傾斜した棚表面と組み合わせる。
【0017】
既に注意したように、通路は、第1棚列と第2棚列との間に形成され、そこでは動作ユニットは、通路の中で水平に移動可能であり、且つ対応する案内手段の上で垂直に移動可能である。水平棚表面から(傾斜した)保管シャフトへ単位商品を容易且つ迅速に移動させるために、即ち、余分な供給品から、単位商品が最終的に出力される保管場所へ単位商品を移動させるために、好ましい実施形態は、次のことを提供する。即ち、動作ユニットの把持装置は、対向する負荷縁部を有する水平保持表面と、水平棚表面の上に入力する、及び水平棚表面から出力するための把持部と、保持表面の上に単位商品を押し込むための押し込み装置とを有し、そこでは単位商品のための輸送経路が負荷縁部の間に形成され、且つ保持表面は通路の幅全体にわたって延在し、その結果、保持表面の負荷縁部は、水平棚表面又はシャフトの負荷縁部に揃い、それによって、単位商品は、水平棚表面の上に、又は水平棚表面から移動する、又は、保持表面から、シャフトの中に移動することが可能であり、その際、保持表面を移動させることはない。これは、保持表面の幅を、通路の幅に揃えることによって達成される。換言すれば、保持表面の負荷縁部と棚列の端部/負荷縁部との間の距離を、負荷縁部の間のギャップの中に単位商品を無理に押し込むことができないほど小さく保つことによって、しかし動作ユニットが通路の中で自由に移動できないほどには小さくないように保つことによって達成される(幾つかの棚表面は、他の棚表面よりも、通路の中にわずかに広く延在できることに留意されたい)。
【0018】
従って、本発明による実施形態では、同じ負荷縁部を越えて保管シャフトへ単位商品を送り込むために、単位商品を保持表面へ移動させた後に、把持装置を水平旋回軸の周りに旋回させる必要はない。本発明による実施形態では、商品が把持部を経由して保持表面へ移動された後、押し込み装置を使用して、単位商品をシャフトへ移動することが可能になる。この目的のために、本発明によれば、輸送経路は、保持表面の負荷縁部の間に設けら
れる。本発明による実施形態では、それによって、単位商品を、水平棚表面から保管シャフトまで、又は補助出力装置まで、非常に迅速に送り込むことが可能になる。
【0019】
時折、例えば、単位商品が最終的に出力される保管シャフトにより近い商品を移動するために、保管シャフトの中に保管された単位商品に対する余分な供給品として、水平棚表面の上に保管された単位商品を移送することは望ましいであろう。保持表面から水平棚表面までの単位商品の移動を支援するために、好ましい実施形態は、次のことを提供する。即ち、押し込み装置は、反対方向にある保持表面から、例えば、ある場合には、保管シャフトまで、及び他の場合には、水平棚表面の上まで、単位商品を移動させるための2つの押し込み手段を備える。
【0020】
特に単純な構造を有する一実施形態において、把持装置の押し込み手段は、保持表面の切り込みの中で、且つ切り込みよりも下に、移動することが可能である。この好ましい実施形態において、押し込み手段は、把持装置上のある点に配設され、且つその点で移動可能であり、ここで把持装置は、その他の点では、他の構成要素が無い。把持部は、通常、(もし把持部が顎型の把持部である場合)保持表面の側面に位置し、その結果、把持装置の個々の構成部品の良好な分布が、本発明による実施形態によって達成される。
【0021】
押し込み手段は、保持表面上に位置する単位商品を、保管シャフト及びその他の場所へ送り込むために使用される。傾斜した保管シャフトにおいては、単位商品は、ゲートまで又は、重力の力によって保管シャフトの中に既に位置する単位商品まで、滑り下りる。単位商品が、重力の力によって傾斜した保管シャフトの中へ滑ることを保証するために、特に、非常に小さな且つ/又は軽い単位商品の場合、好ましい実施形態は、次のことを提供する。即ち、押し込み手段は、押し込み指部を備え、この押し込み指部は、負荷縁部を越えて移動させることが可能である。このことは、単位商品を保持表面から傾斜した保管シャフトまで移動させる場合、単位商品の重力中心が、負荷縁部を越えて移動され、その結果、単位商品は、傾斜した保管シャフトまで滑り下りることを保証する。
【0022】
異なる寸法の単位商品が保管されることを可能にするため、好ましい実施形態は、次のことを提供する。即ち、第2棚列の傾斜した棚表面は、異なる高さの保管シャフトが形成されるように構成される。
【0023】
補助出力装置を使用して出力される単位商品は、(例えば、形状のために)傾斜した保管シャフトを使用して出力されないもの、又は出力頻度が非常に低いため、保管シャフトの中に保管することが意味をなさないようなもの、のいずれかであり得る。補助出力装置は、例えば、第2棚列に隣接した滑り台として設計することが可能である。単位商品は、動作ユニットから、実際の出力装置まで導かれるか、又は取り次ぎ装置から外へ導かれることが可能である。しかしながら、補助出力装置の設計の複雑さを可能な限り低く保つために、好ましい実施形態では、補助出力装置は、第2棚列の棚表面上に形成される。この好ましい実施形態では、それ故に、棚表面の一部は、保管シャフトとして提供されず、むしろ補助出力装置は、このエリアの中に形成される。この実施形態では、補助出力装置は、それ故に、スタンドアロンの構成要素によってではなく、現存する構成要素によって具体化される。この点において、特に好ましい実施形態では、補助出力装置は、ゲートを持たない傾斜した保管シャフトとして設計される。
【0024】
本発明の目的は、特許請求項10に記載のプロセスによって、更に達成される。本発明によれば、取り次ぎ装置の制御ユニットによる、1つ以上の単位商品に対する出力要求(ある数の単位商品を出力するための要求)に反応して、出力されるべき少なくとも1つの単位商品が、シャフト商品であるか否か、又は棚商品であるか否かについて決定がなされる。出力要求は、当業者にとっては既知である経路を通して、例えば、ケーブル接続又は
無線ネットワーク接続によって、制御ユニットへ送信することが可能である。
【0025】
出力されるべき少なくとも1つの単位商品が、シャフト商品であるか否か、又は棚商品であるか否かについての決定がなされた後、もしそれが棚商品である場合、出力要求に対応する数の単位商品が、動作ユニットによって集められ、且つ補助出力装置へ移送される。この目的のために、対応する数の単位商品は、動作ユニットの把持部を使用して保持表面に移動され、且つ、その後、単位商品を出力する補助出力装置へ移送されるか、又は出力が、取り次ぎ装置の実際の出力装置を経由する場合もある。代わりに、取り次ぎ装置はまた、補助出力装置が除去ポイントで終点となるように構成することが可能である。換言すれば、出力が、実際の出力装置の任意の中間的切り替え無しで実行されるように、取次ぎ装置を構成することが可能である。ただ1つの単位商品、又は複数の単位商品(この場合、棚商品)は、出力要求に従って出力することが可能であり、そこでは出力は、取り次ぎ装置の正確な構成に依存して、連続して起こる、又は平行して起こることが可能である。もしただ1つの動作ユニットが存在する場合、各単位商品が個々に出力されるか、又は最初に全ての単位商品が(必要ならば、異なる水平棚表面から)保持表面まで移動されるか、のいずれかが起こり、その後、保持表面から補助出力装置へ、一緒に移送される。
【0026】
もし出力されるべき単位商品が、シャフト商品である場合(換言すれば、保管シャフトの中に普通に保管される単位商品である場合)本発明によれば、出力要求に対応する数の単位商品が、保管シャフトの中に保管されているかどうかについて、最初に決定がなされる。もしそうであれば、出力要求に対応する数の単位商品が、出力装置の上に出力され、且つ、そこから装置の外へ出力されるが、この出力は、単位商品が保管される保管シャフト(複数可)のゲート(複数可)を作動させることによって、及び、必要ならば、保管シャフトの外へ単位商品を移動させるための対応する装置を作動させることによって行われる。
【0027】
出力要求に対応する数の単位商品が保管シャフトの中に保管されていない場合については、水平棚表面の上に保管された複数の単位商品(余分な供給品からの商品)は、動作ユニットによって掴まれ、且つ出力要求に対応する数の単位商品が出力される。
【0028】
複数の単位商品は、正確に、要求される数の単位商品であり得、これらが、その後、出力される。しかしながら、要求される数よりも多い単位商品は、余分な供給品から除外することが可能である。要求される単位商品が出力され、且つ余分な単位商品が、続いて起こる出力要求のために、保管シャフトへ移動される。
【0029】
要求される数の単位商品が、保管シャフトの中で部分的にのみ利用可能であるというのは、あり得ることであり、そして、この場合、保管シャフトの中で依然として利用可能である、要求される単位商品の部分は、シャフトを使用して出力し、そして残りの部分は、水平棚表面から除去し、且つ出力することが可能である。
【0030】
保管シャフトの中に保管されていない単位商品は、動作ユニットを補助出力装置まで移動させると共に、出力要求に対応する数の単位商品を補助出力装置へ移送し、且つそれらを出力することによって、出力される。
【0031】
代わりに、保管シャフトの中に保管されていない単位商品は、動作ユニットを保管シャフトまで移動し、全ての単位商品を保管シャフトへ移送し、且つ傾斜した保管シャフトのゲートを作動させることによって出力されるが、それによって、出力要求に対応する数の単位商品を、(傾斜した保管シャフトに対する重力の力によって、又は水平保管シャフトのための対応する装置を使用することによって)出力することが可能である。更に想像できることであるが、もし保管シャフトの中に保管された単位商品の数が、出力要求に対応
しない場合、出力要求に対応する複数の単位商品が、動作ユニットを使用して、水平棚表面から(余分な供給品から)除去され、出力要求に対応する数の単位商品が、(補助出力装置を使用して、又は保管シャフトを使用して)出力され、且つ把持装置の保持表面上に依然として位置する単位商品は、傾斜した保管シャフトへ移動される。この場合、要求される単位商品は、1つのことに対して出力され、且つ、加えて、他の単位商品は、傾斜した保管場所に置かれる。入力装置は、次のように設計される。即ち、保管シャフトを満たすために、複数の同一の単位商品が、互いに隣接して配置され得るように設計される。即ち、入力装置は、通常の単位商品よりも大幅に広い(通常の単位商品の幅の5~8倍である)。代わりに、単位商品はまた、特に棚商品が入力される場合、入力装置上に個々に置くことが可能である。
【0032】
以下では、本発明による装置及びプロセスが、添付図面を参照しながら、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による取り次ぎ装置の第1実施形態の斜視図である。
【
図9】傾斜した保管シャフトの下部エリアの詳細図である。
【
図10】本発明による取り次ぎ装置の第2実施形態の斜視図である。
【
図11】保管シャフトの近くの、第2実施形態の詳細図である。
【
図12a-b】本発明による取り次ぎ装置の概略図であり、本発明によるプロセスの様々な実施形態の1つを説明する図である。
【
図13a-b】本発明による取り次ぎ装置の概略図であり、本発明によるプロセスの様々な実施形態の1つを説明する図である。
【
図14a-b】本発明による取り次ぎ装置の概略図であり、本発明によるプロセスの様々な実施形態の1つを説明する図である。
【
図15a-b】本発明による取り次ぎ装置の概略図であり、本発明によるプロセスの様々な実施形態の1つを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明による取り次ぎ装置1の斜視図を示し、そこでは、枠組構造2のほとんど及び外部パネル3のほとんどのような、幾つかの重要でない要素は省かれている。取り次ぎ装置1は、複数の棚を有する第1棚列10を備え、第1棚列10の各々は、水平面内に延在する、上下に配設された複数の棚表面11を備える(そこでは、1つの棚表面11だけが
図1に示され、他の棚表面は、示された棚表面の上方に配設される)。第1棚列10の個々の棚は、棚壁12及び、上で述べたような複数の棚表面11によって形成される。図示された実施形態では、棚表面の全ての端縁部(負荷縁部)は、垂直平面内に位置し、即ち、全ての棚表面は、取り次ぎ装置の中まで均等に延在する。
【0035】
図1に示された取り次ぎ装置の実施形態は、2つの入力装置60、61を備え、これらの入力装置は、この実施形態において、搬送ベルトとして設計され、且つ第1棚列に統合される。即ち、2つの入力装置60、61の上方及び下方には棚が設けられ、これらの棚は、水平棚表面11を備える。入力装置は、自身の装置が、(装置の幅のために)上述の垂直平面と同じ高さで終点となるように、配設されると共に寸法取りされる。入力装置及
び棚表面の対応する配置によって、入力装置から単位商品を除去し、且つ棚表面上に単位商品を置くことが、特に容易になる。
【0036】
第1棚列10の向かい側には第2棚列20があり、第2棚列20は、傾斜した棚表面21を有する複数の棚を備え、図示された実施形態では、簡単のために、1つの傾斜した表面21だけが示されている。図示された実施形態では、取り次ぎ装置に調整された、傾斜した棚表面の端縁部(負荷縁部)はまた、垂直平面で終点となり、そこでは、この平面は、水平棚表面の端縁部によって画定される平面に対して、平行に延びる。
【0037】
複数の保管シャフト22が、各棚表面21上に形成され、各シャフトは、保管シャフト22の中に置かれている単位商品を保持すると共に解放するための、シャフトの下方端部24にあるゲート23を有する(ゲートは、
図1に示されていない制御ユニットに結合される)。傾斜した棚表面の下方には出力装置70があり、傾斜した保管シャフトのゲートが作動されると、出力装置70の上に、傾斜した保管シャフトに位置する単位商品が落下し、且つ、このことによって、要求される単位商品が、取り次ぎ装置の外へ移動される。
図1に示された実施形態では、出力装置70はまた、搬送ベルトとして設計される。
【0038】
第1棚列10と第2棚列20との間には通路30があり、通路30の幅は、2つの垂直平面の間の距離によって画定され、且つ通路30の中に、動作ユニット40が、対応する案内手段において、水平及び垂直に進むことが可能である。そこでは、
図1において、特に動作ユニット40の水平案内手段41を見ることができる。
【0039】
本発明による取り次ぎ装置1は、補助出力装置80を更に備え、補助出力装置80は、単位商品、特に傾斜した保管シャフトに保管されない単位商品を出力することを可能にする。ここで傾斜した保管シャフトに保管されない理由は、(例えば、形状のために)商品をシャフトの中に保管できない、又は、商品がほとんど出力されない、若しくは要求されないため、傾斜した保管シャフトの中にこれらの単位商品を入力することは意味をなさないためである。ここで意味をなさないのは、シャフトが頻繁に要求される単位商品によって占有されることの方が、より良いからである。図示された実施形態では、補助出力装置80は、傾斜した棚表面21上に形成され、実際に、保管シャフトとして設計されるが、その下方端部はゲートを有さない。もし単位商品が、補助出力装置80を経由して出力される場合、商品は、動作ユニット40(これは、以下でより詳しく説明される)によって、水平棚表面11から除去され、且つ補助出力装置80へ送り込まれ、補助出力装置80に沿って、単位商品は、出力装置70上に滑って移動する。代替的実施形態において、補助出力装置はまた、例えば「スタンドアロン」構成要素として、第2棚列に隣接して配設することが可能である。このことは、次のような場合に不可欠である。即ち、保管され、且つ補助出力装置を経由して出力される単位商品が、その配置のために、傾斜した棚表面の間で出力されるのを妨げるような寸法を有する場合である。
【0040】
図2は、
図1に示された実施形態の断面図であり、この図では、取り次ぎ装置の上半分が省かれている。この断面図では、特に、第1棚列の水平棚表面11の配置を見ることができる。水平棚表面11の端部及び出力装置60、61の側面は、全て1つの平面内にあることが、更に明らかである。この図で見ることができるように、各出力装置60、61は、入力装置上に置かれている単位商品に関するデータ(単位商品の寸法、単位商品の同一性、単位商品の数など)を決定するための、関連識別装置100を備える。更に見てとれることであるが、各入力装置61、60は、取り次ぎ装置の先導面を超えて突出する外側エリア62を備え、外側エリア62の上には、入力されるべき単位商品が、入力のために置かれる。そこでの通常プロセスは、複数の同一の単位商品が置かれるようなものである。同一の単一商品は、入力装置を使用して、取り次ぎ装置の中に移動される。取り次ぎ装置においては、もし商品が同一の単位商品であり、且つ傾斜した保管シャフト又は水平
棚保管部11へ送り込まれる場合、商品は、動作ユニットによって、入力装置から一緒に除去される。
【0041】
この図では、例として、少数の単一商品だけが示されている。水平棚表面上には、少数の棚タイプの単位商品7が配置されている。4つの棚タイプの単位商品6が、上部入力装置の上に示されている。ここで、特にシャフトを、入力装置の上に、いかにして有利に置くかを見ることができる。即ち、同一の商品は全て1つの列にあり、その結果として、全ての4つの単位商品を、動作ユニットによって掴み、且つ同時に、予め決められた傾斜した保管シャフトへ移動させることが可能である。
【0042】
図3は、
図1で既に示された実施形態の代わりとなる斜視図を示し、この図は別の側から取り次ぎ装置を示している。他の点では、
図1及び
図3による図の間に違いはない。
【0043】
図4は、本発明による取り次ぎ装置の実施形態の背面図であり、外部パネルは省かれた状態で、取り次ぎ装置の内部が見えている。2つの棚列10、20が、互いに向かい合って配設されているのを見ることができ、簡単のため、第2棚列20の1つの棚表面21だけが示されている。第1棚列と第2棚列との間に通路30が形成され、通路30の中で、動作ユニット40が水平及び垂直に進むことが可能であり、この図は、特に動作ユニットのための垂直案内手段42を示す。動作ユニット40は、とりわけ、把持装置50を備え、把持装置50は、背面図で容易に見ることができる。把持装置は、通路30を完全に横切り、それによって、第1棚列と第2棚列との間の距離を横切ることが可能である(もちろん、通路における運動の自由度を保証しながら)。この描写で容易に見ることができるように、第2棚列20の傾斜した棚表面21は、通路から出力装置70まで外側に離れるように傾斜している。この描写では、把持装置50を使用して、入力装置60及び61の両方へのアクセスが可能であることも見られる。水平棚表面11及び、入力装置60及び61は、同じ垂直平面に対して上に延在する。同じことが、傾斜した棚表面21の全てに当てはまる。
【0044】
図5は、本発明による取り次ぎ装置の正面図である。この正面図で見ることができるように、入力装置60、61は両方とも、表示ユニット110の下方で、上下に配設される。表示ユニット110を使用して、取り次ぎ装置についての様々な種類の情報を表示することが可能であり、且つ表示ユニット110は、入力装置(図示せず)に結合される。入力装置60、61の下方には制御ユニット90があり、制御ユニット90は、取り次ぎ装置のパネル3の一部によって覆われる。制御ユニット90は、とりわけ、入力装置、出力装置、表示ユニット、及び動作ユニット40に結合される。
【0045】
ドア開口部4が、取り次ぎ装置の正面側に設けられるが、ドア開口部4は、障害の場合又はメンテナンス目的のために、取り次ぎ装置に入るためのものである。取り次ぎ装置の正面側には別の開口部5が設けられるが、開口部5を通って、出力装置70の一部が延在する。換言すれば、開放部5を通って、単位商品が、取り次ぎ装置から外へ移動される。
【0046】
図6は、以前の図で既に示された、本発明による取り次ぎ装置の実施形態の側面図を示す。この描写もまた、重要でない構成要素を省いている。背面が示された第1棚列において、この描写では、水平棚表面11を有する2つの棚が並んで配設される。個々の棚表面の間の距離は、棚の範囲内で変更さえも可能であることが見てとれる。入力装置61、60及び出力装置70は両方とも、装置の正面側を超えて外に延在し、除去エリア71及び2つの保持エリア62、63で終点となることが見られる。
【0047】
図7は、第1(右)棚列と第2(左)棚列との間の把持装置の配置と同様に、動作ユニット40の把持装置50の詳細図を示し、棚列の棚表面11、21が見られる。動作ユニ
ットの把持装置50は保持表面51を備え、保持表面51は、図示された実施形態において単純な保持テーブルの形をしている。保持表面の向かい合う端部には、2つの負荷縁部52、53が配設され、負荷縁部は、第1棚列及び第2棚列のそれぞれの棚表面11、21の端縁部/負荷縁部のちょうど前で終点となる。換言すれば、第1棚列及び第2棚列の間の通路30は、ほぼ完全に横切られるが、しかし通路における動作ユニットの運動の自由度は維持されている。保持テーブル及び保持表面の対応する構成によって、単位商品を水平棚表面から除去し、且つこれらの商品を、保持表面の上で、又は保持表面を越えて、傾斜したシャフト22まで直接押し込むことが可能になる。その際、保持テーブルまたは把持装置を、棚列の1つまで移動させる必要はない。
【0048】
単位商品を除去すると共に移動させるために、把持装置50は把持部54を備える。把持部54は、図示された実施形態における2つの把持顎54a、54bを有する顎タイプの把持部として設計され、そこでは把持部の2つの把持顎54bの少なくとも1つは旋回可能であり、その結果として、単位商品は、把持顎54a、54bの間に留めることが可能であり、且つ、それによって、水平棚表面11から、把持装置の保持表面51の上に引っぱられる。この目的のために、把持部は、把持顎を棚の中に押し込むことが可能なように設計され、そこでは、棚の中への挿入深さは、いくつの単位商品が、対応する棚表面から除去されるべきかに依存する。
【0049】
単位商品を保持表面51から傾斜した保管シャフト22まで移動させるために、把持装置50は、図示された実施形態における押し込み装置55を備える。押し込み装置は、2つの押し込み部55a、55bを備え、これらの押し込み部は、保持表面の切り込み51aの中で移動可能である。更に、図示された実施形態における押し込み部55a、55bは、それらが保持表面の平面の下で移動され得るように配設される。押し込み部55aで見ることができるように、押し込み部は、押し込み指部56a、56bを備え、これらの指部は、それぞれの負荷縁部を越えて移動され得る。押し込み指部56a(これは、負荷縁部52に関連付けられる)を参照すると、これは、押し込み指部が負荷縁部52を越えて移動され得ることを意味する。このことは特に重要である。その理由は、単位商品を、水平棚の上に押し込むことが可能であり、その結果として、商品は、水平棚表面の前方負荷縁部11aを越えて突出しないからである。
【0050】
押し込み部55bに関してあるが、これは負荷縁部53に関連付けられ、負荷縁部53は、今度は第2棚列に関連付けられ、負荷縁部53を越えて移動させることが可能な押し込み指部56bは、保持表面51上に置かれている単位商品を保管シャフトに押し込むことが可能であり、それによって、単位商品の重力中心は、傾斜した棚表面21の負荷縁部53を越えて押し込まれ、その結果として、単位商品は、重力の力によって、傾斜した保管シャフトの中をゲート(この描写では示されない)まで、又は保管シャフトの中で既に位置する単位商品まで、確実に滑る。
【0051】
図8は、把持装置50の別の詳細図を示す。この図で、特に認識できるのは、押し込み部55a、55bが保持表面51における切り込み51aの内部で移動できることである。この描写では、押し込み部55aの押し込み指部56aは、負荷縁部52を越えて移動可能であることが更に見てとれる。
【0052】
図8では、動作ユニットの把持装置50は、単位商品が入力装置60から除去され得るような方法で配置される。そうするために、押し込み部55a、55bは、もちろん、保持表面の平面の下で移動されなければならない。
図8における押し込み部の配置及び描写は、単に例証目的のものであり、押し込み部は、取り次ぎ装置が動作している間、位置決めされない。
【0053】
図9は、傾斜した棚表面21上に形成された、複数の傾斜した保管シャフト22の詳細図を示す。個々の保管シャフト22は、分離壁25によって、互いに分離されており、分離壁25は、傾斜した棚表面21上で互いに対して平行に配設される。傾斜した保管シャフト22の各々の下方端部にはゲート23があり、このゲート23によって、個々の単位商品を、傾斜した保管シャフトから外へ出力することが可能になる。保管シャフトから出力される単位商品は、傾斜した保管シャフト及び出力装置70の配置のおかげで、出力装置70の上に落下し、且つ、それによって、取り次ぎ装置の正面側にある開口部を通って出力される。
【0054】
また、図示された傾斜した棚表面21上には、補助出力装置80が配設され、補助出力装置80を経由して、特に棚商品を水平棚表面から出力することが可能である。代替的実施形態において、補助出力装置はまた、2つ以上の保管シャフト幅を備えるか、又は、例えば、別の構成要素として、第2棚列に隣接して配設することが可能である。ここに示されるような補助出力装置は、受動的出力装置であり、換言すれば、単位商品は、出力装置自体による運動を経由して、移動されるわけではない。代わりに、補助出力装置はまた、能動的出力装置として構成することが可能であり、これは、例えば、必要ならば、取り次ぎ装置から外へ直接導くことが可能な搬送ベルトとしての装置である。
【0055】
図10は、第2実施形態の斜視図を示し、この実施形態においては、水平保管シャフト22’が使用される。他の構成要素は、実質的に第1実施形態の構成要素に対応し、そのため、詳細な説明を提供する必要は無い。
図11は、第2実施形態の第2棚列20の棚の棚表面の詳細図を示し、そこでは棚表面21は、水平となるように設計される。棚表面の端部24にはゲート23があり、ゲート23は、各保管シャフト22’に関連付けられるが、各保管シャフト22’は、制御ユニットを経由して別々に動作させることが可能である。
【0056】
この実施形態では、第2棚列20は、保管シャフト22’の中の単位商品を移動させるための搬送装置25を備える。図示された実施形態では、搬送装置25は、保管シャフトの表面の下にある搬送ベルトとして設計され、そこでは保管シャフトの表面は切り込みを有し、この切り込みを通して、搬送装置の一区画は少なくとも複数の区画に広がり、その結果として、保管された単位商品と搬送装置との間に接触が生じる。もし単位商品が出力される場合、ゲート23(又は複数のゲート)が開放され、且つ搬送装置が作動される。搬送装置は、棚表面の全ての保管シャフトに対して作用するが、しかし開放されないゲートを有する保管シャフトがある場合、単位商品は、単にゲートに対して近づくように移動するが、しかし出力されない。
【0057】
また、単位商品を出力するための、当業者にとっては既知である他のプロセスが存在する。例えば、各保管シャフトに搬送装置を割り当てることが可能であるが、その搬送装置は押し込み部として設計することが可能であり、換言すれば、単位商品はシャフトから外へ押し出される。
【0058】
以下では、
図12a、
図12bから
図15a、
図15bを参照しながら、本発明によるプロセスの幾つかの実施形態が説明されるが、これらの図の各々は、異なるそれぞれのプロセスステップを概略的に示している。図は非常に単純化され、且つ本質的な特徴だけが、図示されると共に説明される。
【0059】
図12a及び
図12bは、プロセスの第1実施形態の2つの段階を示す。本発明によれば、制御ユニットは、先ず、出力されるべき少なくとも1つの単位商品が、シャフト商品であるか否か、又は棚商品であるか否かを決定するが、前記決定は、出力要求に反応して生じる。典型的な実施形態では、水平棚表面11”上に保管された棚商品7が、出力要求
を介して、要求される。把持装置50は、その後、水平棚表面11”へ移動される。把持装置50が正しく位置決めされるや否や、問題の単位商品が掴まれ、且つ保持表面へ移送される。把持装置は、補助出力装置80へ移動され、且つ、把持装置50が正しく位置決めされるや否や、単位商品7は、補助出力装置80の上に押し込まれ、且つそこから出力装置70へ進み、出力装置70は、単位商品を取り次ぎ装置から外へ移動させる。
【0060】
図13a及び
図13bに示された実施形態では、出力要求は、4つのシャフト商品に対するものである。この種類の単位商品は、通常、傾斜したシャフト22’の中に保管される。しかしながら、制御ユニットは、1つの単位商品6’だけが、傾斜したシャフト22’の中に存在することを既に決定している。把持装置は、その後、棚表面11’へ移動され、そこで、出力要求を満足する4つの単位商品が、余分な供給品として保管される。全ての4つの単位商品6’が、把持装置によって掴まれる。傾斜した保管シャフト22’の中には、1つの単位商品6’だけが存在することが決定されたので、しかし出力要求は4つの単位商品に対するものであり、把持装置50は、補助出力装置80まで移動し、且つ把持装置50の上に位置する全ての単位商品6’が、補助出力装置80及び出力装置70を使用して出力される。
【0061】
図14a及び
図14bに示された実施形態では、出力要求は、通常は傾斜した保管シャフト22’の中に保管される2つの単位商品に対するものである。しかしながら、制御ユニットは、傾斜した保管シャフト22’が空であることを、既に決定している。出力要求を満足する4つの単位商品6は、把持装置50を使用して、水平棚表面11’から除去される。その後、把持装置は、傾斜した保管シャフト22’の前へ移動され、且つ把持装置50上に置かれている全ての単位商品6は、傾斜したシャフト22’へ移動される。しかしながら、出力要求は2つの単位商品6だけを含んだため、2つの単位商品だけが出力され、且つ他の2つの商品は、傾斜した保管シャフト22’の中に止まる。
【0062】
図15a及び
図15bに示された代替的実施形態では、2つの単位商品が再び要求され、且つ出力要求を満足する単位商品は、傾斜した保管シャフト22’の中には無いことが、再び決定される。その後、4つの単位商品6が、把持装置50を使用して、水平棚表面11’から掴まれる。しかしながら、以前の典型的な実施形態と対照的に、把持装置は、先ず補助装置80へ移動され、且つ把持装置50の上に位置する4つの単位商品の2つが、補助出力装置を使用して出力される。残りの2つの単位商品を有する把持装置50は、傾斜した保管シャフト22’へ移動され、且つ残りの2つの単位商品は、傾斜した保管シャフトへ移動され、そこで残りの2つの単位商品は、次の対応する出力要求があるまで止まる。
【0063】
使用される、本発明によるプロセスの変形例は、動作装置上の負荷、及び保管状況に依存する。各場合において、現在の出力要求に対して、最適な出力変化が、制御ユニットによって決定される。