(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と(メタ)アクリル酸単位を有する少なくとも1種の増粘性ポリマーとの重合により得られるコポリマーをベースとする染料組成物及びそれを使用してケラチン繊維を染色するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20220920BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/06
(21)【出願番号】P 2020503366
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(86)【国際出願番号】 EP2018061581
(87)【国際公開番号】W WO2018206456
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2019-10-02
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド・セネカ
(72)【発明者】
【氏名】デルフィーヌ・シャリエ
(72)【発明者】
【氏名】ソフィ・ボドラン
(72)【発明者】
【氏名】マライフォーネ・サナニコーン
(72)【発明者】
【氏名】シャルロット・ドロスタル
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-015421(JP,A)
【文献】特開2006-070030(JP,A)
【文献】特表2004-505902(JP,A)
【文献】特表平07-509004(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0013785(US,A1)
【文献】特表平10-502945(JP,A)
【文献】特開平10-203919(JP,A)
【文献】特開平07-069849(JP,A)
【文献】特開2005-008636(JP,A)
【文献】国際公開第2009/049746(WO,A2)
【文献】仏国特許出願公開第02750601(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0226838(US,A1)
【文献】特表2007-511551(JP,A)
【文献】特開2005-289994(JP,A)
【文献】Glue Hydrating Strong Hold Gel, ID:4206515,Mintel GNDP [online],2016年08月,https://portal.mintel.com
【文献】Manga Look Hair Gel, ID:353514,Mintel GNPD [online],2005年04月,https://portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維を染色するための方法であって、
(i)少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られる1種又は複数種のコポリマー、(ii)(メタ)アクリル酸単位を有する1種又は複数種の増粘性ポリマー、及び(iii)1種又は複数種の顔料
を含む
組成物が、前記ケラチン繊維に適用される、
方法。
【請求項2】
前記少なくとも1種のクロトン酸誘導体は、クロトン酸エステル又はアミドから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の
方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種のクロトン酸誘導体は、式CH
3CH=CHCOOR’1(ここでR’1は、1~30個の炭素原子を含み、-OH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(アルコキシ)、-CN、-X(ハロゲン)から選択される1種又は複数種の官能基を含む又は含まない、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和の、芳香族(アリール、アラルキル、又はアルキルアリール)又は非芳香族である、炭素系鎖を表す)のクロトン酸エステルから選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種のクロトン酸誘導体は、式CH
3CH=CHCONR’2R”2(ここでR’2及びR”2は、同一であっても異なっていてもよく、水素を表すか、又は1~30個の炭素原子を含み、-OH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(アルコキシ)、-CN、-X(ハロゲン)から選択される1若しくは複数の官能基を含む又は含まない、直鎖、分岐、若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の、芳香族又は非芳香族である、炭素系鎖を表す)のクロトン酸アミドから選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項5】
前記ビニルエステルモノマーは、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート(又はブタノエート)、ビニルエチルヘキサノエート、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルシクロヘキサノエート、ビニルベンゾエート、ビニル4-tert-ブチルベンゾエート、及びビニルトリフルオロアセテートから選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項6】
前記コポリマーは、クロトン酸、ビニルアセテート、及びビニルプロピオネートの重合により得られるコポリマー、クロトン酸、ビニルアセテート、及びビニルネオデカノエートの重合により得られるコポリマー、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項7】
前記コポリマーは、クロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオデカノエートターポリマーであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項8】
前記コポリマーは、他のモノマーも含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項9】
少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも2種のビニルエステルモノマーとの重合により得られる前記クロトン酸コポリマーは、前記組成物の質量に対し0.05質量%~15質量%の範囲の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項10】
前記(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、架橋されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項11】
前記(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、アクリル酸単位を有する架橋されている増粘性ポリマーであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項12】
前記(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、最終組成物の総質量に対し、0.001質量%~20質量%を占める総量で存在することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項13】
前記組成物が、30℃及び大気圧下に液体であるシリコーン及び非シリコーン脂肪質物質から選択される、1種又は複数種の脂肪質物質を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも1種のビニルエステルモノマーとの重合により得られる少なくとも1種のコポリマー、(メタ)アクリル酸単位を有する少なくとも1種の増粘性ポリマー、及び少なくとも1種の顔料を含む、ケラチン繊維を染色するための組成物、並びに前記組成物を用いた染色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維の染色分野において、非永久的な染色を行うため直接染料若しくは顔料又は永久的な染色を行うための染料プレカーサーを用いる様々な技法によりケラチン繊維を染色することは既に知られている。
【0003】
毛髪を染色する方法は基本的に3種類ある:
a)「永久」染毛:その作用は、本来の色を大幅に修正することが可能であり、毛髪繊維に浸透し、酸化縮合過程を介して色素を生成する酸化染料を使用する;
b)非永久的、半永久的、又は直接染毛:酸化縮合過程を用いず、4~5回のシャンプー洗浄に耐える。これは、直接染料を含む染料組成物でケラチン繊維を染色することから構成され、この染料はケラチン繊維と親和性を有する有色の着色性分子である;
c)一時染毛:毛髪本来の色を修正し、1回目のシャンプー洗浄から次のシャンプー洗浄まで残存し、既に得られている色合いを増強又は補正する役割を果たす。これは「メーキャップ」方法と例えることもできる。
【0004】
最後に挙げた種類の染色は、アゾ、トリフェニルメタン、アジン、インドアミン(indoamine)、又はアントラキノンの性質を有する1種又は複数種の染料を高分子鎖上にグラフトさせることにより生成する有色ポリマーを使用して実施することが知られている。このような有色ポリマーは、特に、着色された色の均一性及びその耐性に関しては完全に満足できるものではなく、その製造、特に再現性に関連する問題に関しては言うまでもない。
【0005】
他の染色方法は顔料を使用することから構成される。具体的には、ケラチン繊維の表面で顔料を使用すると、一般に、表面の顔料が繊維本来の色を覆い隠すため、暗い色の毛髪の見た目に色を付けることが可能である。ケラチン繊維を染色するための顔料の使用は、例えば、特許出願である(特許文献1)に記載されている。この組成物がケラチン繊維に適用されると、組成物は色移り、即ち、これらが接触する可能性のある特定の支持体、特に、衣服や皮膚に少なくとも一部が付着し、染みを残すという欠点がある。そのため、適用した皮膜の持続性が幾分劣ることになり、組成物の適用を定期的に繰り返すことが必要になる。更に、このような許容できない染みが現れることから、特定の人がこの種類の染色を敬遠する場合がある。
【0006】
毛髪を一時的に染色及び/又はメーキャップするための組成物を用いると、毛髪が美容的に劣り、及び/又は不自然になる可能性があり、このように染色された毛髪は、特に、柔軟性、及び/又はしなやかさ、及び/又は1本1本のばらけ易さ(individualization)が失われる場合がある。
【0007】
したがって、前記組成物が接触する皮膚(特に、手及び顔)及び/又は衣服等の支持体上に少なくとも一部が付着することがない、色移りし難い堆積物を形成するという利点を有する、ケラチン物質、特に毛髪を一時的に染色するための組成物を得ることが依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ケラチン繊維を劣化させず、柔軟性及びしなやかさ等のその化粧特性を損なわず、毛髪の1本1本を確実にばらけ易いままに維持し、ゴワつき(coarse feel)を生じさせず、それと同時に、色移りし難い性質を有する組成物を提供することに関する。更に本発明による組成物は、良好な作業品質を有し、例えば、垂れずに適用すること及び局在化させることが容易である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は本発明により達成される。その主題の1つは、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を染色するための組成物であって、少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られる少なくとも1種のコポリマー、(メタ)アクリル酸単位を有する少なくとも1種の増粘性ポリマー、及び少なくとも1種の顔料を含む、組成物にある。
【0011】
更に、顔料又は真珠光沢剤が水性ゲル中に存在すると製品の安定性に問題が生じる可能性がある。その原因は、このような顔料及び/又は真珠光沢剤は最終組成物中に溶解しない固体粒子であることにある。その結果として、これらは前記組成物の安定性を妨げがちである。
【0012】
予期せぬことに、本出願人らは、少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られる少なくとも1種のコポリマー、(メタ)アクリル酸単位を有する少なくとも1種の増粘性ポリマーを含むケラチン繊維染料組成物により、顔料及び/又は真珠光沢剤を含む水性ゲルを製造することが可能になり、更にこれらのゲルは均質且つ安定であり、指又は他の任意の支持体で容易に適用することが可能であることを見出した。
【0013】
本発明の他の主題は、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を染色するための方法であって、前記繊維に上に定義した組成物を適用することを含む、方法にある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
「少なくとも1種の」という語は「1種又は複数種の」を意味する。
【0015】
「~を含む」という語は、特段の指定がない限り「少なくとも1種の~を含む」を意味する。
【0016】
したがって本発明の主題の1つは、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を染色するための組成物であって、(i)少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られる1種又は複数種のコポリマー、(ii)(メタ)アクリル酸単位を有する1種又は複数種の増粘性ポリマー、及び(iii)1種又は複数種の顔料を含む組成物にある。
【0017】
染料組成物
本発明による組成物は、好ましくは、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を染色するための化粧用組成物である。
【0018】
本発明による組成物を用いることにより、毛髪1本1本のばらけ易さに加えて、色移りし難さも向上させることが可能になることが認められた。更にこの繊維は、より滑らかな感触を呈し、より柔軟性が高く、よりしなやかであり、絡まりがより解けやすい。更に本組成物により、容易な適用及び局所的な適用を行うのに適した粘度を有する滑らかで光沢のあるゲルを得ることが可能になる。
【0019】
クロトン酸コポリマー
本発明による組成物は、少なくとも1種のクロトン酸モノマー又はクロトン酸誘導体と少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られる少なくとも1種のコポリマーを含む。
【0020】
本発明によるコポリマーは、少なくとも1種のクロトン酸モノマーと少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られるコポリマーから選択される。
【0021】
「クロトン酸誘導体」という語は、好ましくは、クロトン酸エステル又はクロトン酸アミドを意味する。
【0022】
「クロトン酸誘導体」という語は、好ましくは、クロトン酸エステル又はアミド、特に:
-(i)式CH3CH=CHCOOR’1(ここでR’1は、1~30個の炭素原子を含み、任意選択で-OH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(アルコキシ)、-CN、-X(ハロゲン、特に、Cl、F、Br、又はI)から選択される1つ又は複数の官能基を含む、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和の、任意選択で芳香族(アリール、アラルキル、又はアルキルアリール)である、炭素系鎖、特に炭化水素系(アルキル)鎖を表す)で表されるクロトン酸エステル;例えば、メチルクロトネート及びエチルクロトネートを挙げることができる;
-(ii)式CH3CH=CHCONR’2R”2(ここでR’2及びR”2は、同一であっても異なっていてもよく、水素を表すか、又は、1~30個の炭素原子を含み、任意選択でOH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(アルコキシ)、-CN、-X(ハロゲン、特に、Cl、F、Br、又はI)から選択される1若しくは複数の官能基を含む、直鎖、分岐、若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の、任意選択で芳香族である、炭素系鎖、特に炭化水素系(アルキル)鎖を表す)で表されるクロトン酸アミド;
を意味する。
【0023】
「クロトン酸誘導体」という語は、好ましくは、クロトン酸エステル又はアミド、特に:
-(i)式CH3CH=CHCOOR’1(ここでR’1は、1~30個の炭素原子を含み、任意選択で-OH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(例えば、アルコキシ)、-CN、-X(例えば、ハロゲン、特に、Cl、F、Br、又はI)から選択される1つ又は複数の官能基を含む、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和の、任意選択でアリール、アラルキル、又はアルキルアリール等の芳香族である、炭素系鎖、特に炭化水素系鎖、例えば、アルキルを表す)で表されるクロトン酸エステル;例えば、メチルクロトネート及びエチルクロトネートを挙げることができる;
-(ii)式CH3CH=CHCONR’2R”2(ここでR’2及びR”2は、同一であっても異なっていてもよく、水素を表すか、又は、1~30個の炭素原子を含み、任意選択で-OH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(例えば、アルコキシ)、-CN、-X(例えば、ハロゲン、特に、Cl、F、Br、又はIである)から選択される1若しくは複数の官能基を含む、直鎖、分岐、若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の、任意選択で芳香族である、炭素系鎖、特に炭化水素系鎖、例えば、アルキルを表す)で表されるクロトン酸アミド;
を意味する。
【0024】
ビニルエステルモノマーは、式CH2=CH-OCO-R’3(ここでR’3は、1~30個の炭素原子を含み、任意選択で-OH、-OR’(ここでR’は、C1~C6アルキルである)(アルコキシ)、-CN、-X(ハロゲン、特に、Cl、F、Br、又はI)から選択される1つ又は複数の官能基を含む、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和の、任意選択で芳香族である、炭素系鎖、特に炭化水素系鎖を表す)で表される化合物から選択することができる。
【0025】
特に、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート(又はブタノエート)、ビニルエチルヘキサノエート、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルシクロヘキサノエート、ビニルベンゾエート、ビニル4-tert-ブチルベンゾエート、及びビニルトリフルオロアセテートを挙げることができる。
【0026】
コポリマーは、少なくとも1種のクロトン酸モノマーと少なくとも2種の異なるビニルエステルモノマーとの重合により得られるコポリマーから選択され、前記ビニルエステルモノマーは、好ましくは、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート(又はブタノエート)、ビニルエチルヘキサノエート、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルシクロヘキサノエート、ビニルベンゾエート、ビニル-4-tert-ブチルベンゾエート、及びビニルトリフルオロアセテートから、好ましくは、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、及びビニルネオデカノエートから、更に良好には、ビニルアセテート及びビニルネオデカノエートから選択される。
【0027】
より詳細には、本発明によるコポリマーは、クロトン酸、ビニルアセテート、及びビニルプロピオネートの重合により得られるコポリマー、クロトン酸、ビニルアセテート、及びビニルネオデカノエートの重合により得られるコポリマー、並びにこれらの混合物から選択される。
【0028】
特定の実施形態によれば、本発明による組成物のコポリマーは、クロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオデカノエートターポリマーである。
【0029】
本発明によるコポリマーは、任意選択で、他のモノマー、例えば、アリル若しくはメタアリルエステル、又はビニルエーテルを含むことができる。これらのポリマーは、任意選択でグラフト化又は架橋することができる。
【0030】
この種のポリマーは、特に、仏国特許第1222944号明細書、仏国特許第1580545号明細書、仏国特許第2265782号明細書、仏国特許第2265781号明細書、仏国特許第1564110号明細書、及び仏国特許第2439798号明細書に記載されている。この分類に含まれる市販品は、Akzo Nobel社から販売されている製品であるResyn(登録商標)28-2930及び28-1310(それぞれのINCI名:(VA/クロトネート/ビニルデカノエート)コポリマー(VA/crotonates/vinyl decanoate copolymer)及び(VA/クロトネート)コポリマー(VA/crotonates copolymer))である。BASF社から販売されている製品であるLuviset(登録商標)CA66、Clariant社から販売されている製品であるAristoflex(登録商標)A60(INCI名:(VA/クロトネート)コポリマー(VA/crotonates copolymer))、及びChimex社から販売されている製品であるMexomere(登録商標)PW又はPAM(INCI名:(VA/ビニルブチルベンゾエート/クロトネート)コポリマー(VA/vinyl butyl benzoate/crotonates copolymer))も挙げることができる。
【0031】
本発明によるクロトン酸又はクロトン酸誘導体のコポリマーの総量は、組成物の質量に対し、0.05質量%~15質量%の範囲、好ましくは、組成物の質量に対し0.1質量%~10質量%の範囲、好ましくは組成物の質量に対し1質量%~5質量%の範囲とすることができる。
【0032】
(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマー
本発明による組成物は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸単位を有する少なくとも1種の増粘性ポリマーを含む。本発明によるアクリル酸及び/又はメタクリル酸単位を有するポリマーは架橋されていてもよい。好ましくは、本発明によるアクリル酸及び/又はメタクリル酸単位を有するポリマーは架橋されている。
【0033】
本発明による「増粘性ポリマー」という語は、0.05質量%の濃度で存在する場合、それを導入した組成物の粘度(室温(25℃)及び大気圧下、剪断速度1s-1)を少なくとも20cps、好ましくは少なくとも50cps上昇させるポリマーを指す(この粘度は、Haake R600レオメータ等のコーン/プレート型粘度計を用いて測定することができる)。
【0034】
上に述べたように、組成物は、(メタ)アクリル酸単位を有する1種又は複数種の増粘性ポリマーを含む。(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、任意選択で塩形態とすることができる。
【0035】
特に、アクリル酸又はメタクリル酸単位は、アルカリ金属又はアンモニウムアクリレート又はメタクリレート形態とすることができる。
【0036】
本発明による(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、アニオン性又は両性とすることができ、好ましくはアニオン性である。
【0037】
(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、特に、次に示すものから選択される:
(a)会合性アクリル系ポリマー;
(b)好ましくは架橋されているアクリル酸ホモポリマー;
(c)架橋されている(メタ)アクリル酸と(C1~C6)アルキルアクリレートとのコポリマー;
(d)アンモニウムアクリレートホモポリマー又はアンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのコポリマー。
【0038】
本発明による「会合性ポリマー」という語は、親水性単位及び疎水性単位の両方を含む、特に、少なくとも1個のC8~C30脂肪族鎖と少なくとも1個の親水性単位とを含む、両性ポリマーを意味する。
【0039】
好ましくは、組成物は、好ましくは架橋されているアクリル酸ホモポリマーを含む。この種のポリマーは、INCI名:カルボマー(Carbomer)を有する。
【0040】
a)会合性アクリル系ポリマー;
使用可能な本発明による(メタ)アクリル酸単位を有する会合性アクリル系ポリマーは、次に示すものから選択される:
(i)少なくとも1種の親水性単位及び少なくとも1種の脂肪族鎖単位を含む(メタ)アクリル酸単位を有するアニオン性両親媒性ポリマー;
(ii)少なくとも1種の親水性単位及び10~30個の炭素原子を含む少なくとも1種の脂肪族鎖単位を含む、(メタ)アクリル酸単位を有する両性両親媒性ポリマー。
【0041】
特に、(メタ)アクリル酸単位を有する会合性ポリマーは、次に示すものから選択することができる:
(メタ)アクリル酸型の少なくとも1種の親水性単位と不飽和カルボン酸型の(C10~C30)アルキルエステル型の少なくとも1種の疎水性単位とを含むアニオン性両親媒性ポリマー;
少なくとも1種の脂肪族鎖を含む(メタ)アクリル酸型の少なくとも1種の親水性単位を含む両性両親媒性ポリマー、例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/C10~C30アルキルメタクリレート(アルキル基は好ましくはステアリル基である)のコポリマー。
【0042】
b)好ましくは架橋されているアクリル酸ホモポリマー;
このポリマーは、特に、ペンタエリスリトールアリルエーテル、スクロースアリルエーテル、又はプロピレンアリルエーテルから選択される架橋剤で架橋することができる。この種のポリマーは、INCI名:カルボマー(Carbomer)を有する。例えば、Lubrizol社からCarbopol 980若しくは981、若しくはCarbopol Ultrez 10の名称で、又は3V社からSynthalen K若しくはSynthalen L若しくはSynthalen Mの名称で販売されているポリマーを利用することができる。
【0043】
c)架橋されている(メタ)アクリル酸と(C1~C6)アルキルアクリレートとのコポリマー;
架橋された(メタ)アクリル酸とC1~C6アルキルアクリレートとのコポリマーの中でも、Coatex社からViscoatex 538Cの名称で販売されている製品である、メタクリル酸とエチルアクリレートとの架橋されたコポリマーの水性分散液(活性物質38%含有)、又はRoehm & Haas社からAculyn 33の名称で販売されている製品である、アクリル酸とエチルアクリレートとの架橋されたコポリマーの水性分散液(活性物質28%含有)を挙げることができる。より詳細には、Noveon社からCarbopol Aqua SF-1の名称で製造及び販売されている、30%水性分散液形態にある架橋されたメタクリル酸/エチルアクリレートコポリマーを挙げることができる。
【0044】
d)アンモニウムアクリレートホモポリマー又はアンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのコポリマー;
アンモニウムアクリレートホモポリマーの中でも、Hoechst社からMicrosap PAS 5193の名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0045】
アンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのコポリマーの中でも、Hoechst社からBozepol C Nouveauの名称で販売されている製品又はPAS 5193の名称で販売されている製品(これらは仏国特許第2416723号明細書、米国特許第2798053号明細書、及び米国特許第2923692号明細書において記載及び調製されている)挙げることができる。
【0046】
本発明の特定の実施形態によれば、組成物は、少なくとも1種の架橋されているアクリル酸及び/又はメタクリル酸増粘性ポリマーを含む。
【0047】
本発明の特定の実施形態によれば、組成物は、架橋されているアクリル酸ホモポリマーから選択される、(メタ)アクリル酸単位を有する少なくとも1種の増粘性ポリマーを含む。
【0048】
本発明によれば、(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーは、最終組成物の総質量に対し0.001質量%~20質量%、好ましくは0.01質量%~10質量%、より詳細には0.1質量%~5質量%、より良好には0.4質量%~2質量%を占めることができる。
【0049】
好ましくは、本発明によるクロトン酸又はクロトン酸誘導体のコポリマーの総量対(メタ)アクリル酸単位を有する増粘性ポリマーの総量の質量比は、0.1~15、より優先的には1~10、より良好には2~8の範囲にある。
【0050】
顔料
組成物は1種又は複数種の顔料を含む。
【0051】
「顔料」という語は、それらが存在する組成物に不溶な任意の形状を有する白色又は有色の粒子を意味すると理解される。
【0052】
使用可能な顔料は、特に、当該技術分野において知られている有機及び/又は無機顔料、特に、Kirk-Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology and in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistryに記載されているものから選択される。
【0053】
これらは、天然物質であっても、天然物質由来のものであっても、それ以外のものであってもよい。
【0054】
これらの顔料は、顔料粉末形態又は顔料ペースト形態とすることができる。これらは被覆されていても無被覆であってもよい。
【0055】
顔料は、例えば、無機顔料、有機顔料、レーキ、特殊効果を有する顔料、例えば、真珠光沢剤又は光輝フレーク(glitter flake)、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0056】
顔料は無機顔料とすることができる。「無機顔料」という語は、Ullmann’s encyclopediaの無機顔料に関する章の定義を満たす任意の顔料を意味する。本発明において使用される無機顔料の中でも、オーカー、例えば、レッドオーカー(クレー(特にカオリナイト)及び水酸化鉄(例えば赤鉄鉱))、ブラウンオーカー(クレー(特にカオリナイト)及び褐鉄鉱)、又はイエローオーカー(クレー(特にカオリナイト)及び針鉄鉱);任意選択で表面処理されている二酸化チタン;酸化ジルコニウム又は酸化セリウム;亜鉛、(黒色、黄色、又は赤色)鉄、又は酸化クロム;マンガンバイオレット、群青、クロムハイドレート、及びフェリックブルー(ferric blue);又は金属粉、例えば、アルミニウム粉又は銅粉を挙げることができる。
【0057】
それらが使用される条件下において、組成物に色又は白色度が付与されるのであれば、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)のカーボネート、二酸化ケイ素、石英に加えて、化粧用組成物中に不活性フィラーとして使用される他の任意の化合物も挙げることができる。
【0058】
顔料は有機顔料であってもよい。「有機顔料」という語は、Ullmann’s encyclopediaの有機顔料に関する章の定義を満たす任意の顔料を意味する。
【0059】
有機顔料は、特に、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、ピレン、キノリン、アントラキノン、トリフェニルメタン、フルオラン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン、及びキノフタロン化合物から選択することができる。
【0060】
組成物に不溶であり、化粧品分野において標準的な無機又は有機化合物も、これらの化合物が使用される条件下において組成物に色又は白色度を付与するのであれば、使用することができる(例えば、グアニンは、組成物の屈折率によっては顔料となる)。
【0061】
特に、白色又は有色有機顔料は、カーマイン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、カラーインデックスにおいてCI 42090、69800、69825、73000、74100、74160の参照番号(reference)に分類される青色顔料、カラーインデックスにおいてCI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、47005の参照番号に分類される黄色顔料、カラーインデックスにおいてCI 61565、61570、74260の参照番号に分類される緑色顔料、カラーインデックスにおいてCI 11725、15510、45370、71105の参照番号に分類される橙色顔料、カラーインデックスにおいてCI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470の参照番号に分類される赤色顔料、仏国特許第2679771号明細書に記載されているインドール又はフェノール性誘導体の酸化重合により得られる顔料から選択することができる。
【0062】
有機顔料の顔料ペーストの例として、Hoechst社から次に示す名称で販売されている製品等も挙げることができる:
-Cosmenyl Yellow 10G:ピグメントイエロー3(CI 11710);
-Cosmenyl Yellow G:ピグメントイエロー1(CI 11680);
-Cosmenyl Orange GR:ピグメントオレンジ43(CI 71105);
-Cosmenyl Red R:ピグメントレッド4(CI 12085);
-Carmine Cosmenyl FB:ピグメントレッド5(CI 12490);
-Cosmenyl Violet RL:ピグメントバイオレット23(CI 51319);
-Cosmenyl Blue A2R:ピグメントブルー15.1(CI 74160);
-Cosmenyl Green GG:ピグメントグリーン7(CI 74260);
-Cosmenyl Black R:ピグメントブラック7(CI 77266)。
【0063】
本発明による顔料はまた、欧州特許第1184426号明細書に記載されているように複合顔料の形態とすることもできる。これらの複合顔料は、特に、無機物質の芯物質と、有機顔料を芯物質に結合させる少なくとも1種の結合剤と、芯物質の少なくとも一部を覆う少なくとも1種の有機顔料とを含む粒子から構成されるものとすることができる。
【0064】
有機顔料はレーキとすることもできる。「レーキ」という語は、不溶粒子上に吸着され、こうして得られた集合体が使用中不溶なままとなる、染料を意味する。
【0065】
染料をその上に吸着させる無機基材は、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート又はカルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムである。
【0066】
染料の中でもカルミン酸を挙げることができる。次に示す名称で知られる染料も挙げることができる:D&C Red 21(CI 45380)、D&C Orange 5(CI 45370)、D&C Red 27(CI 45410)、D&C Orange 10(CI 45425)、D&C Red 3(CI 45430)、D&C Red 4(CI 15510)、D&C Red 33(CI 17200)、D&C Yellow 5(CI 19140)、D&C Yellow 6(CI 15985)、D&C Green(CI 61570)、D&C Yellow 10(CI 77002)、D&C Green 3(CI 42053)、D&C Blue 1(CI 42090)。
【0067】
レーキの例として、次に示す名称で知られる製品を挙げることができる:D&C Red 7(CI 15850:1)。
【0068】
顔料は、特殊効果を有する顔料とすることもできる。「特殊効果を有する顔料」という語は、一般に、均一でなく、観測条件(光、温度、観測角等)に応じて変化する有色の外観(特定の色合い、特定の精彩(vivacity)、及び特定の輝度を特徴とする)を生み出す顔料を意味する。したがってこれらは、不透明、半透明、又は透明の均一な色合いを呈する標準的な有色顔料とは異なる。
【0069】
幾つかの種類の特殊効果を有する顔料が存在する:低屈折率を有するもの、例えば、蛍光又はフォトクロミック顔料、及びより高い屈折率を有するもの、例えば、真珠光沢剤、干渉顔料、又は光輝フレーク。
【0070】
特殊効果を有する顔料の例として、真珠光沢顔料、例えば、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母、有色真珠光沢顔料、例えば、チタン及び酸化鉄で被覆された雲母、酸化鉄で被覆された雲母、チタン及び特にフェリックブルー又は酸化クロムで被覆された雲母、チタン及び上に述べた種類の有機顔料で被覆された雲母に加えて、オキシ塩化ビスマスをベースとする真珠光沢顔料を挙げることができる。真珠光沢顔料として、Engelhardから販売されているCellini真珠光沢剤(雲母-TiO2-レーキ)、Eckartから販売されているPrestige(雲母-TiO2)、Eckartから販売されているPrestige Bronze(雲母-Fe2O3)、及びMerckから販売されているColorona(雲母-TiO2-Fe2O3)を挙げることができる。
【0071】
金色真珠光沢剤、特に、Engelhard社からBrilliant Gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle Gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)、及びMonarch Gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されているもの;青銅色真珠光沢剤、特に、Merck社からBronze Fine(17384)(Colorona)及びBronze(17353)(Colorona)の名称で、並びにEngelhard社からSuper Bronze(Cloisonne)の名称で販売されているもの;橙色真珠光沢剤、特に、Engelhard社からOrange 363C(Cloisonne)及びOrange MCR 101(Cosmica)の名称で、並びにMerck社からPassion Orange(Colorona)及びMatte Orange(17449)(Microna)の名称で販売されているもの);褐色真珠光沢剤、特に、Engelhard社からNu-Antique Copper 340XB(Cloisonne)及びBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されているもの;銅色光沢を呈する真珠光沢剤、特に、Engelhard社からCopper 340A(Timica)の名称で販売されているもの;赤色光沢を呈する真珠光沢剤、特に、Merck社からSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されているもの;黄色光沢を呈する真珠光沢剤、特に、Engelhard社からYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されているもの;金色光沢を呈する赤色真珠光沢剤、特に、Engelhard社からSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されているもの;桃色真珠光沢剤、特に、Engelhard社からTan opal G005(Gemtone)の名称で販売されているもの;金色光沢を呈する黒色真珠光沢剤、特に、Engelhard社からNu-Antique Bronze 240 AB(Timica)の名称で販売されているもの;青色真珠光沢剤、特に、Merck社からMatte Blue(17433)(Microna)の名称で販売されているもの;銀色光沢を呈する白色真珠光沢剤、特に、Merck社からXirona Silverの名称で販売されているもの;並びに金緑色~桃色~橙色へと変化する(golden-green pink orange)真珠光沢剤、特に、Merck社からIndian Summer(Xirona)の名称で販売されているもの;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0072】
更なる真珠光沢剤の例として、酸化チタンで被覆されたボロシリケート基材を含む粒子も挙げることができる。
【0073】
酸化チタンで被覆されたガラス基材を含む粒子は、特に、Toyal社からMetashine MC1080RYの名称で販売されている。
【0074】
最後に、真珠光沢剤の例として、ポリエチレンテレフタレートフレーク、特に、Meadowbrook Inventions社からSilver 1P 0.004X0.004(銀フレーク)の名称で販売されているものも挙げることができる。
【0075】
合成基材、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウム等をベースとする多層顔料を想定することもできる。
【0076】
特殊効果を有する顔料は、反射性粒子、即ち、そのサイズ、構造、特にそれを構成している層の厚み、並びに物理的及び化学的性質、並びに表面状態に起因して入射光を反射することが可能な粒子から特に選択することができる。この反射は、適切であれば、後者を基材に適用した場合に、組成物又は混合物の表面において肉眼で視認することができる光輝点、即ち、輝いて見えることにより周囲よりも目立つ輝度の高い点を生み出すのに十分な強度を呈することができる。
【0077】
反射性粒子は、それと合一される色材が生み出す呈色効果を大幅に変更しないように、より詳細には、演色性という観点でこの効果を最適化するように選択することができる。これは、より詳細には、黄色、桃色、赤色、青銅色、橙色、茶色、金色、及び/又は銅色、又は光沢を呈することができる。
【0078】
これらの粒子は様々な形態を有することができ、特に、小板状又は球状(globular)形態、特に、球体(spherical)形態を有することができる。
【0079】
その形態とは無関係に、反射性粒子は多層構造を有していても有していなくてもよく、多層構造の場合、例えば、均一な厚みを有する、特に反射性材料の少なくとも1つの層を有することができる。
【0080】
反射性粒子が多層構造を有しない場合、これらは例えば、金属酸化物、特に、合成により得られる酸化チタン又は酸化鉄から構成されるものとすることができる。
【0081】
反射性粒子が多層構造を有する場合、これらは、例えば、天然又は合成基材、特に、少なくとも一部が反射性材料、特に、少なくとも1種の金属材料又は金属含有材料の少なくとも1つの層で被覆されている合成基材を含むことができる。基材は、1種又は複数種の有機及び/又は無機材料から作製することができる。
【0082】
より詳細には、これらに限定されるものではないが、ガラス、セラミックス、黒鉛、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特に、アルミノシリケート及びボロシリケート、合成雲母、並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0083】
反射性材料は、金属材料又は金属含有材料の層を含むことができる。
【0084】
反射性粒子は、特に、特開平09-188830A号明細書、特開平10-158450A号明細書、特開平10-158541A号明細書、特開平07-258460A号明細書、及び特開平05-017710A号明細書に記載されている。
【0085】
金属層で被覆された無機基材を含む反射性粒子の更なる例として、銀で被覆されたボロシリケート基材を含む粒子を挙げることができる。
【0086】
小板形態の、銀で被覆されたガラス基材を含む粒子は、Microglass Metashine REFSX2025PSの名称でToyalから販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されたガラス基材の粒子は、同社からCrystal Star GF550及びGF2525の名称で販売されている。
【0087】
銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マグネシウム、鋼、青銅、又はチタン等の金属基材を含む粒子も利用することができ、前記基材は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ケイ素、及びこれらの混合物等の少なくとも1種の金属酸化物の少なくとも1つの層で被覆されている。
【0088】
例えば、Eckart社からVisionaireの名称で販売されている、SiO2で被覆されたアルミニウム粉末、青銅粉末、又は銅粉末も挙げることができる。
【0089】
基材に結合していない、液晶(WackerからのHelicones HC)又はホログラフィー干渉光輝(interference holographic glitter)(SpectratekからのGeometric Pigments又はSpectra f/x)等の干渉効果を示す顔料も挙げることができる。特殊効果を有する顔料には、蛍光顔料(これらは、昼光下で蛍光を発する物質又は紫外蛍光を発する物質のいずれであってもよい)、燐光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料、及び量子ドット、例えば、Quantum Dots Corporation社から販売されているものも含まれる。
【0090】
量子ドットは、400nm~700nmの間の波長を照射すると光励起により発光することが可能な発光性半導体ナノ粒子である。このようなナノ粒子は文献公知である。特にこれらは、例えば、米国特許第6225198号明細書又は米国特許第5990479号明細書、当該明細書に引用されている刊行物に加えて、次に示す刊行物に従い合成することができる:Dabboussi B.O.et al.,“(CdSe)ZnS core-shell quantum dots:synthesis and characterisation of a size series of highly luminescent nanocrystallites”,Journal of Physical Chemistry B,vol.101,1997,pp.9463-9475,and Peng,Xiaogang et al.,“Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS core/shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility”,Journal of the American Chemical Society,vol.119,No.30,pp.7019-7029。
【0091】
本発明に使用することができる多種多様な顔料により、幅広い色に加えて、金属光沢効果や干渉効果等の特定の光学効果を得ることが可能になる。
【0092】
本発明による化粧用組成物に使用される顔料のサイズは、一般に、10nm~200μm、好ましくは20nm~80μm、より好ましくは30nm~50μmである。
【0093】
顔料は製品中に、分散剤により分散させることができる。
【0094】
分散剤は、分散している粒子を凝集(agglomeration)又は軟凝集(flocculation)から保護する役割を果たす。この分散剤は、分散すべき粒子の表面に対し強力な親和性を有する1種又は複数種の官能性を有する、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの幾つかの混合物とすることができる。特にこれらは、顔料表面に物理的又は化学的に結合することができる。これらの分散剤はまた、連続媒体と混和性を有するか又は可溶性を示す少なくとも1種の官能基を含む。特に、12-ヒドロキシステアリン酸エステル、グリセロール又はジグリセロール等のポリオールのC8~C20脂肪酸エステル、例えば、分子量が約750g/molのポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)ステアレート、例えば、Avecia社からSolsperse 21000の名称で販売されている製品、Henkel社からDehymyls PGPH の商品記号で販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(polyglyceryl-2 dipolyhydroxystearate)(CTFA名)、又はポリヒドロキシステアリン酸、例えば、Uniqema社からArlacel P100の商品記号で販売されている製品、及びこれらの混合物が使用される。
【0095】
本発明の組成物中に使用することができる他の分散剤として、重縮合した脂肪酸の4級アンモニウム誘導体、例えば、Avecia社から販売されているSolsperse 17000、及びポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えば、Dow Corning社からDC2-5185及びDC2-5225 Cの商品記号で販売されているものを挙げることができる。
【0096】
本発明による化粧用組成物に使用することができる顔料は、有機試剤で表面処理することができる。
【0097】
したがって、本発明に関連して有用な予め表面処理された顔料は、本発明による組成物中に分散される前に、特に、Cosmetics and Toiletries,February 1990,Vol.105,pages 53-64に記載されているものなどの有機試剤により、化学的、電気的、電気化学的、機械化学的、又は機械的な表面処理を全体的又は部分的に施された顔料である。これらの有機試剤は、例えば、ロウ、例えば、カルナウバロウ及びミツロウ;脂肪酸、脂肪アルコール、及びこれらの誘導体、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、及びラウリン酸、並びにこれらの誘導体;アニオン性界面活性剤;レシチン;脂肪酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、チタン、亜鉛、又はアルミニウム塩、例えば、アルミニウムステアレート又はラウレート;金属アルコキシド;ポリエチレン;(メタ)アクリル酸ポリマー、例えば、ポリメチルメタクリレート;アクリレート単位を含むポリマー及びコポリマー;アルカノールアミン;シリコーン化合物、例えば、シリコーン、ポリジメチルシロキサン;有機フッ素化合物、例えば、パーフルオロアルキルエーテル;フルオロシリコーン化合物から選択することができる。
【0098】
本発明による化粧用組成物に有用な表面処理された顔料は、これらの化合物の混合物で処理されていてもよく、及び/又は数回の表面処理を施されていてもよい。
【0099】
本発明に関連して有用な表面処理された顔料は、当業者によく知られている表面処理技法に従い調製することができ、或いは必要とされる形態で商業的に入手することもできる。
【0100】
好ましくは、表面処理された顔料は有機層で被覆されている。
【0101】
顔料を処理する有機試剤は、顔料上に、溶媒を蒸発させることによるか、表面試剤の分子と化学反応させるか、又は表面試剤と顔料との間に共有結合を生成することにより堆積させることができる。
【0102】
したがって表面処理は、例えば、表面試剤と顔料の表面との化学反応及び表面試剤と顔料又はフィラーとの間に共有結合を生成することにより実施することができる。この方法は、特に、米国特許第4578266号明細書に記載されている。
【0103】
好ましくは、顔料と共有結合する有機試剤が使用されるであろう。
【0104】
表面処理用試剤は、表面処理された顔料の総質量に対し、0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~30質量%、更に優先的には1質量%~10質量%で存在することができる。
【0105】
好ましくは、顔料の表面処理は、次に示す処理から選択される:
-PEG-シリコーン処理、例えば、LCWから販売されているAQ表面処理;
-メチコン処理、例えば、LCWから販売されているSI表面処理;
-ジメチコン処理、例えば、LCWから販売されているCovasil 3.05表面処理;
-ジメチコン/トリメチルシルオキシシリケート処理、例えば、LCWから販売されているCovasil 4.05表面処理;
-マグネシウムミリステート処理、例えば、LCWから販売されているMM表面処理;
-アルミニウムジミリステート処理、例えば、三好化成株式会社(Miyoshi)から販売されているMI表面処理;
-パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル処理、例えば、LCWから販売されているFHC表面処理;
-イソステアリルセバケート処理、例えば、三好化成株式会社(Miyoshi)から販売されているHS表面処理;
-パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているPF表面処理;
-(アクリレート/ジメチコン)コポリマー及びパーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているFSA表面処理;
-ポリメチルハイドロジェノシロキサン(polymethylhydrogenosiloxane)/パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているFS01表面処理;
-(アクリレート/ジメチコン)コポリマー処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているASC表面処理;
-イソプロピルチタントリイソステアレート処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているITT表面処理;
-アクリレートコポリマー処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているAPD表面処理;
-パーフルオロアルキルホスフェート/イソプロピルチタントリイソステアレート処理、例えば、大東化成工業株式会社(Daito)から販売されているPF+ITT表面処理。
【0106】
好ましくは、顔料は、無機顔料又は無機物-有機物混合顔料から選択される。
【0107】
顔料の量は、組成物の総質量に対し、0.01質量%~30質量%の範囲、より詳細には0.05質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~15質量%の範囲、好ましくは1質量%~10質量%の範囲とすることができる。
【0108】
本発明の組成物は、本発明による顔料以外の、直接染料又は染料プレカーサー等の有色又は着色性化学種を含むことができる。
【0109】
本発明による組成物は、有利には水を含み、これは好ましくは、組成物の質量に対し20質量%~98質量%の範囲の含有量で存在することができる。
【0110】
本発明による組成物はまた、好ましくは30℃及び大気圧下に液体であるシリコーン及び非シリコーン脂肪質物質から、より良好には、シリコーン及び植物性トリグリセリド油から選択される1種又は複数種の脂肪質物質も含むことができる。
【0111】
組成物が1種又は複数種の脂肪質物質を含む場合、脂肪質物質の総含有量は、組成物の総質量に対し0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~15質量%、より良好には0.1質量%~10質量%の範囲とすることができる。
【0112】
添加剤
組成物は、例えば、還元剤、有機溶媒、軟化剤、消泡剤、保湿剤、UV遮蔽剤、解膠剤、可溶化剤、香料、アニオン性、カチオン性、非イオン性、又は両性界面活性剤、タンパク質、及びビタミン類から選択される、化粧料に慣用されている少なくとも1種の試剤も含むことができる。
【0113】
上述の添加剤は、一般に、それぞれ、組成物の質量に対し0.01質量%~20質量%の量で存在する。
【0114】
言うまでもなく、当業者は、本発明に従う被覆の形成に本来付随する有利な性質が実質的に悪影響を受けないか又は悪影響を受けないように、これらの任意選択的な添加剤を慎重に選択するであろう。
【0115】
提供形態
本発明による組成物は、特に、懸濁液、分散液、ゲル、エマルジョン、特に水中油型(O/W)又は油中水型(W/O)エマルジョン、又は多相エマルジョン(W/O/W型又はポリオール/O/W型又はO/W/O型)、クリーム、ムース、スティック、ベシクルの分散液、特にイオン性又は非イオン性脂質、又は2相若しくは多相ローションの形態とすることができる。好ましくは、組成物は、ゲル形態にある。
【0116】
当業者は、一般知識に基づき、適切な提供形態に加えて、それを調製するための方法を、まず使用する構成成分の性質、特にそれらの担体中での溶解性を考慮し、次に、組成物に想定されている用途を考慮して選択することができる。
【0117】
有機溶媒
本発明による組成物は、1種又は複数種の有機溶媒を含むことができる。
【0118】
有機溶媒の例として、低級C1~C4アルカノール、例えば、エタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、並びにジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテルに加えて、芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコール又はフェノキシエタノール並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0119】
好ましくは、本発明による組成物は、1種又は複数種の有機溶媒を含む。
【0120】
これらが存在する場合、有機溶媒は、好ましくは、染料組成物の総質量に対し、合わせて約0.1質量%~40質量%、より優先的には約1質量%~30質量%、一層詳細には組成物の総質量に対し合わせて5質量%~25質量%の比率で存在する。
【0121】
方法
上に述べた組成物は、湿った又は乾いたケラチン繊維上で使用することができ、また、明るい色又は暗い色の、天然又は染色された、パーマネントウェーブ、脱色、又は縮毛矯正が施されたあらゆる種類の繊維上で使用することができる。
【0122】
繊維への適用は、任意の標準的な手段を介して、特に、櫛、目の細かいブラシ、目の粗いブラシ、又は指を使って行うことができる。
【0123】
組成物を適用した後、繊維を自然乾燥させるか又は、例えば、30℃以上の温度で乾燥させることができる。乾燥を行う場合は、適用直後に行うことができる。好ましくは、繊維が乾いている場合、乾燥は、熱を供給すると共に、風を流しながら行われる。
【0124】
乾燥中、毛束には、コーミング、ブラッシング、又は手櫛等により機械的な作用を与えることができる。この操作は、自然に又はそれ以外の形で繊維を乾燥させた後も、同様に行うことができる。
【0125】
本発明の方法の乾燥ステップは、スタンド式ドライヤー(hood)、ヘアドライヤー、ストレートアイロン、Climazon等を用いて実施することができる。
【0126】
乾燥ステップをスタンド式ドライヤー又はヘアドライヤーを用いて行う場合、乾燥温度は30~110℃の間、好ましくは50~90℃の間にある。
【0127】
乾燥ステップをストレートアイロンで行う場合、乾燥温度は110~220℃の間、好ましくは140~200℃の間にある。
【実施例】
【0128】
実施例1:
組成物(g AM(活性物質)/100g)
【0129】
【0130】
手順
組成物A1をヤクの毛の毛束に毛束1グラム当たり組成物1gの比率で適用する。
【0131】
適用後、毛束をコーミングし、ヘアドライヤーで乾燥させた後、再びコーミングする。
【0132】
結果:「美的感触(cosmetic feel)」性能
美的感触という観点での性能品質を、乾燥した毛束を用いて5人の熟練者により盲検試験にて評価した。
【0133】
全ての場合において、熟練者は、本発明による組成物A1により、毛髪1本1本が明らかにばらけ易く、好ましい美的感触、特に、柔軟性に優れ、しなやかさに優れ、且つべたつきのない、滑りの良い毛束が得られたと判定した。
【0134】
実施例2:
組成物(g AM/100g)
【0135】
【0136】
手順
組成物A2、B2、又はC2を、ヤクの毛の毛束に毛束1グラム当たり組成物1gの比率で適用する。
【0137】
毛束をヘアドライヤーで乾燥させた後、コーミングする。
【0138】
次いで毛束を白い布で擦る。
【0139】
結果:「色移りし難い」性能
色移りし難さという観点での性能品質を、5人の熟練者により盲検試験にて評価した。擦った後の白い布に存在する顔料の量を目視にて評価した。
【0140】
全ての場合において、熟練者は、本発明による組成物A2は、組成物B2及びC2と比較して、布上に存在する顔料の量が大幅に少ないと判定した。したがって本発明による組成物A2は、比較組成物B2及びC2よりも色移りし難さに優れている。
【0141】
実施例3:
ゲル形態の組成物(g AM/100g)
【0142】
【0143】
結果:「ゲルの外観」性能
全ての場合において、熟練者は、組成物C3及びD3と比較して、本発明の組成物A3により、滑らかで光沢のある均一な(consistent)ゲルが生成したと判定した。
【0144】
実施例4:
組成物(g AM/100g)
【0145】
【0146】
手順
組成物A4及び組成物Eをヤクの毛の毛束に毛束1グラム当たり組成物1gの比率で適用する。
【0147】
適用後、毛束をコーミングし、ヘアドライヤーで乾燥させた後、再びコーミングする。
【0148】
結果:色に関する性能
乾燥させた毛束について、色の均一性及び濃さ(intensity)に関する性能を5人の熟練者により盲検試験にて評価する。
【0149】
全ての場合において、熟練者は、本発明による組成物A4で処理した毛束の色が比較組成物Eよりも濃く均一であることを確認した。