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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】構造用部品及び移動端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20220920BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220920BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
G06F1/16 312L
G06F1/16 312G
G06F3/041 662
G09F9/00 350Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020529612
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2017114000
(87)【国際公開番号】W WO2019104660
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】521218881
【氏名又は名称】オナー デバイス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ルェンウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,シィシアン
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-230401(JP,A)
【文献】特開2003-140800(JP,A)
【文献】特表2017-513969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0103053(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16
G06F3/041
H04M1/02
G09F9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央フレーム、ガラスカバー、及びタッチ制御フィルムを含む構造用部品であって、前記ガラスカバー及び前記タッチ制御フィルムは、積み重ねられている方式で配置され、前記タッチ制御フィルムは、前記中央フレームに対向している前記ガラスカバーの表面に配置され、前記タッチ制御フィルムの側縁部及び前記ガラスカバーの側縁部は、完全には重ならず、前記中央フレームに対向している前記ガラスカバーの前記表面は、前記タッチ制御フィルムにさらされ、前記ガラスカバー及び前記タッチ制御フィルムが前記積み重ねられている方式で配置されるときに前記タッチ制御フィルムと重ならない前記ガラスカバーのさらされている領域は、第1の接合領域となり、前記中央フレームに対向している前記タッチ制御フィルムの表面は、前記さらされている領域に対向している前記中央フレームの領域の内側に存在しているとともに前記タッチ制御フィルム及び前記ガラスカバーの前記側縁部が重なっている第2の接合領域となり、突起構造は、前記中央フレームのうちで前記ガラスカバーの前記第1の接合領域に対向している位置に配置され、支持突起は、前記突起構造に配置され、
前記第1の接合領域は、第1の接合接着剤を使用することによって、前記中央フレームに接着剤により接続され、前記第2の接合領域は、第2の接合接着剤を使用することによって、前記中央フレームに接着剤により接続され、前記第1の接合接着剤の接合力は、前記第2の接合接着剤の接合力よりも大きい、
構造用部品。
【請求項2】
前記第1の接合領域は、前記タッチ制御フィルムの周囲に配置される、請求項1に記載の構造用部品。
【請求項3】
前記第1の接合接着剤は、前記中央フレームの上に分配される、請求項1又は2に記載の構造用部品。
【請求項4】
前記突起構造は、前記第1の接合接着剤を使用することによって、前記第1の接合領域に接着剤により接続される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の構造用部品。
【請求項5】
接着剤オーバーフロー溝が前記突起構造に配置される、請求項4に記載の構造用部品。
【請求項6】
前記突起構造及び前記中央フレームは、全体として一体化される、請求項4又は5に記載の構造用部品。
【請求項7】
前記第2の接合接着剤は、発泡接着剤である、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の構造用部品。
【請求項8】
前記支持突起は、前記ガラスカバーを支持するように構成されている、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の構造用部品。
【請求項9】
前記支持突起は、前記第1の接合接着剤と前記第2の接合接着剤との間に存在する、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の構造用部品。
【請求項10】
前記支持突起及び前記中央フレームは、全体として一体化される、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の構造用部品。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の構造用部品を含む端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、移動端末技術の分野に関し、特に、構造用部品及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ制御液晶ディスプレイは、通常は、1. ディスプレイの中にタッチ制御機能を実装する方式、2. タッチ制御金属線を集積して、薄膜とし、そして、その次に、ディスプレイにその薄膜を貼り付ける方式、という2つの方式によって設計される。
【0003】
第2の設計によるディスプレイについては、移動端末のハウジングにそのディスプレイを接着するときに、接着剤分注による接着が実行される結果として、タッチ制御金属線が断線し、タッチ制御ディスプレイを取り外して修理することが不可能であるという問題につながる。したがって、通常は、接着のために接着テープを使用する。一方で、スクリーン対ボディ比の高いディスプレイの設計が徐々に増加するのに伴って、純粋な接着テープの解決方法は、タッチ制御液晶ディスプレイのための接合力を満たすことは不可能であり、タッチ制御液晶ディスプレイは、信頼性試験の際に落下する。
【発明の概要】
【0004】
この出願は、構造用部品及び移動端末を提供して、移動端末のディスプレイとハウジングとの間の接合強度を改善するとともに、その移動端末の信頼性を改善する。
【0005】
第1の態様によれば、構造用部品が提供される。当該構造用部品は、中央フレーム、ガラスカバー、及びタッチ制御フィルムを含む。前記ガラスカバー及び前記タッチ制御フィルムは、積み重ねられている方式で配置され、前記タッチ制御フィルムは、前記中央フレームに対向している前記ガラスカバーの表面に配置される。前記タッチ制御フィルムの側縁部及び前記ガラスカバーの側縁部は、完全には重ならない。前記中央フレームに対向している前記ガラスカバーの前記表面は、前記タッチ制御フィルムにさらされ、前記ガラスカバーのさらされている領域は、第1の接合領域となる。前記中央フレームに対向している前記タッチ制御フィルムの表面は、第2の接合領域となる。
【0006】
前記第1の接合領域は、第1の接合接着剤を使用することによって、前記中央フレームに接着剤により接続され、前記第2の接合領域は、第2の接合接着剤を使用することによって、前記中央フレームに接着剤により接続され、前記第1の接合接着剤の接合力は、前記第2の接合接着剤の接合力よりも大きい。
【0007】
上記の実装上の解決方法においては、第1の接合接着剤を使用することによって、ガラスカバーを接合するとともに、第2の接合接着剤を使用することによって、タッチ制御フィルムを接合する。第1の接合接着剤は、ガラスカバーの縁部に接合され、第1の接合接着剤の接合力は、第2の接合接着剤の接合力よりも大きい。したがって、ガラスカバーと中央フレームとの間の接合力を改善し、さらに、使用中の構造用部品の信頼性を改善する。
【0008】
ある1つの特定の実装上の解決方法において、前記第1の接合領域は、前記タッチ制御フィルムの周囲に配置される。第1の接合接着剤は、ガラスカバーの縁部の周囲に配置されるため、接合強度を改善する。
【0009】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、前記第1の接合接着剤は、前記中央フレームの上に分配され、良好な接合効果を有する。
【0010】
ある1つの特定の実装上の解決方法において、突起構造が前記中央フレームに配置され、前記突起構造は、前記第1の接合接着剤を使用することによって、前記第1の接合領域に接着剤により接続される。突起構造を使用することによって、中央フレームとガラスカバーとの間の距離を減少させて、第1の接合接着剤を使用することによって、中央フレームに第1の接合領域を堅く接合することが可能であるということを保証する。
【0011】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、接着剤オーバーフロー溝が前記突起構造に配置されて、第1の接合接着剤が接着剤分注の際にディスプレイの外側にあふれることを回避する。
【0012】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、前記突起構造及び前記中央フレームは、全体として一体化される。これにより、中央フレームの製造が容易になり、ガラスカバーと中央フレームとの間の接続強度を改善する。
【0013】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、前記第2の接合接着剤は、発泡接着剤であり、良好な接合効果を有する。
【0014】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、当該構造用部品は、前記中央フレームに配置されて、前記ガラスカバーを支持するように構成されている支持突起をさらに含む。その支持突起は、ガラスカバーを支持するため、そのガラスカバーの安定性を改善する。
【0015】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、前記支持突起は、前記突起構造に配置されるとともに、前記第1の接合接着剤と前記第2の接合接着剤との間に存在する。
【0016】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、前記支持突起及び前記中央フレームは、全体として一体化される。これにより、複数の構成要素の間の接続を減少させ、ガラスカバーの支持の安定性を改善する。
【0017】
ある1つの特定の実施形態上の解決方法において、当該構造用部品は、前記タッチ制御フィルムが積み重ねられている可撓性プリント回路基板をさらに含み、前記第2の接合接着剤は、前記可撓性プリント回路基板の一方の側に位置している。
【0018】
第2の態様によれば、移動端末が提供され、その移動端末は、上記の複数の実装のうちのいずれか1つにしたがった構造用部品を含む。
【0019】
上記の実装上の解決方法においては、第1の接合接着剤を使用することによって、ガラスカバーを接合するとともに、第2の接合接着剤を使用することによって、タッチ制御フィルムを接合する。第1の接合接着剤は、ガラスカバーの縁部に接合され、第1の接合接着剤の接合力は、第2の接合接着剤の接合力よりも大きい。したがって、ガラスカバーと中央フレームとの間の接合力を改善し、さらに、使用中の構造用部品の信頼性を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この出願のある1つの実施形態にしたがった移動端末の概略的な構成図である。
図2】この出願のある1つの実施形態にしたがった構造用部品のディスプレイの概略的な構成図である。
図3】この出願のある1つの実施形態にしたがった構造用部品のガラスカバー及び中央フレームのアセンブリの概略的な図である。
図4】この出願のある1つの実施形態にしたがった構造用部品のガラスカバー及び中央フレームのアセンブリの概略的な図である。
図5】この出願のある1つの実施形態にしたがったガラスカバー及び中央フレームの組立フローチャートである。
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがったガラスカバー及び中央フレームの組立フローチャートである。
図7】この出願のある1つの実施形態にしたがったガラスカバー及び中央フレームの組立フローチャートである。
図8】この出願のある1つの実施形態にしたがった構造用部品のガラスカバー及び中央フレームのアセンブリの概略的な図である。
図9】この出願のある1つの実施形態にしたがった構造用部品のガラスカバー及び中央フレームのアセンブリの概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この出願の目的、技術的解決方法、及び利点をより明確にするために、以下の記載は、さらに、複数の添付の図面を参照して、この出願を詳細に説明する。もちろん、説明されている複数の実施形態は、この出願のそれらの複数の実施形態のすべてではなくいくつかの実施形態であるにすぎない。創造的努力なくしてこの出願のそれらの複数の実施態様に基づいて当業者が取得する他の実施態様のすべては、この出願の保護範囲に属するものとする。
【0022】
この出願のそれらの複数の実施態様において、ディスプレイの接合信頼性が十分ではないという従来技術の問題を解決するために、構造用部品を提供する。その構造用部品は、移動端末の中に存在し、例えば、スクリーンを有する携帯電話、タブレット、又はラップトップ等の移動端末は、従来技術において一般的であってもよい。図1は、この出願のある1つの実施形態にしたがった移動端末の概略的な構成図である。この出願のこの実施態様によって提供される移動端末は、中央フレーム2及びディスプレイ1を含む。この出願によって提供される構造用部品は、ディスプレイ1及び中央フレーム2を接合する方式を改善して、ディスプレイ1が中央フレーム2に接続されるときの接合強度を改善し、それによって、構造用部品の信頼性を改善する。
【0023】
図2は、この出願のある1つの実施形態にしたがった構造用部品のディスプレイ1の概略的な構成図である。ディスプレイ1は、積み重ねられているガラスカバー11及びタッチ制御フィルム12を含み、タッチ制御フィルム12は、中央フレーム2に対向しているガラスカバー11の表面に配置されている。加えて、図3に示されているように、ディスプレイ1は、可撓性回路基板13及び薄膜トランジスタ14等の従来技術のディスプレイ1の構造をさらに含む。詳細は、本明細書においては説明されない。
【0024】
具体的な配置の際に、タッチ制御フィルム12の側縁部及びガラスカバー11の側縁部は、完全には重ならない。加えて、ガラスカバー11が位置している平面に存在するタッチ制御フィルム12の垂直突起は、ガラスカバー11が位置している平面に存在するガラスカバー11の垂直突起の中に存在する。詳細については、図2を参照するべきである。図2は、タッチ制御フィルム12の側縁部及びガラスカバー11の側縁部が完全には重ならない積み重ね方式を示している。その積み重ね方式を使用するときに、中央フレーム2に対向しているガラスカバー11の表面は、タッチ制御フィルム12にさらされる。ガラスカバー11のさらされている領域は、第1の接合領域111となり、その第1の接合領域111は、中央フレーム2に接続されるのに使用される。加えて、中央フレーム2に対向しているタッチ制御フィルム12の表面は、第2の接合領域121となり、その第2の接合領域121は、また、中央フレーム2に接続されるのに使用される。図2に示されている方式は、第1の接合領域111及び第2の接合領域121が具体的に配置されるときに使用されてもよい。このようにして、第1の接合領域111は、タッチ制御フィルム12の周囲に配置され、それによって、第1の接合領域111が中央フレーム2に接合されるときに、ガラスカバー11の複数の縁部領域のすべては、中央フレーム2に接着剤により接続されてもよい。したがって、ガラスカバー11と中央フレーム2との間の接合強度を改善する。ある特定の配置上の解決方法において、第1の接合領域111の複数の部分の幅は等しい。具体的にいうと、タッチ制御フィルム12の異なる側に存在する第1の接合領域111の幅は同じとなり、さらに、ガラスカバー11の縁部の接合安定性を改善する。もちろん、製品要件のために、第1の接合領域111の複数の部分の幅は、代替的に、異なっていてもよい。しかしながら、中央フレーム2に第1の接合領域111を接合するときに、中央フレーム2にガラスカバー11を堅く接合することが可能であるということを保証すべきである。
【0025】
図3は、本発明のある1つの実施形態にしたがった構造用部品の中でのディスプレイ1と中央フレーム2との間の接合の概略的な図である。具体的な接合の際に、図3に示されているように、第1の接合領域111は、第1の接合接着剤3を使用することによって中央フレーム2に接着剤により接続され、第2の接合領域121は、第2の接合接着剤4を使用することによって中央フレーム2に接着剤により接続される。第1の接合接着剤3の接合力は、第2の接合接着剤4の接合力よりも大きい。図2及び図3に示されている構造から、第1の接合接着剤3を使用することによってガラスカバー11を接合するとともに、第2の接合接着剤4を使用することによってタッチ制御フィルム12を接合するときに、第1の接合接着剤3を使用することによってガラスカバー11の縁部を接合し、第1の接合接着剤3の接合力は、第2の接合接着剤4の接合力より大きいということを理解することが可能である。したがって、ガラスカバー11と中央フレーム2との間の接合力を改善する。ディスプレイ1及び中央フレーム2を接合するのに接着テープのみを使用する従来技術の解決方法と比較すると、この出願のこの実施形態によって提供されるディスプレイ1が中央フレーム2に接合されるときに、ディスプレイ1の縁部の接合強度を強化し、それによって、さらに、使用中の構造用部品の信頼性を改善するということを理解することが可能である。
【0026】
ディスプレイ1が、特に、中央フレーム2に接合されるときに、第1の接合接着剤3は、中央フレーム2に分注される。言い換えると、従来技術における接着剤分注方式において使用することが可能である接着剤は、第1の接合接着剤3として使用される。第2の接合接着剤4は、発泡接着剤である。一般的な接着剤は、第1の接合接着剤3として使用されてもよいが、その接着剤は、比較的大きな接合力を有するべきであり、それによって、中央フレーム2にガラスカバー11を堅く接合することが可能である。一方で、発泡接着剤は、良好な接合効果を有し、大面積接合に適用可能である。加えて、ディスプレイ1を取り外すときに、発泡接着剤によってタッチ制御フィルム12のタッチ制御配線が損傷することがなく、その結果、ディスプレイ1が取り外されるときにディスプレイ1の安全性を保証する。
【0027】
第1の接合接着剤3として接着剤を使用するときに、ガラスカバー11と中央フレーム2との間の距離を確保して、接着剤分注の際に、ガラスカバー11と中央フレーム2との間の距離よりも、接着剤が積み重ねられた高さを高くすることが可能であるということを保証する必要がある。したがって、ガラスカバー11が配置されるときに、第1の接合領域111及び第1の接合接着剤3のための十分な接合領域が存在してもよい。その距離を保証するために、突起構造21は、この出願のこの実施形態によって提供される中央フレーム2に配置される。突起構造21は、第1の接合領域111と反対の位置に配置される。接合の際に、突起構造21は、第1の接合接着剤3を使用することによって、第1の接合領域111に接着剤により接続される。図3は、突起構造21及び中央フレーム2が一体化されている構造となっているということを示している概略的な図である。中央フレーム2が製造されているときに、射出成形により突起構造21を直接的に取得し、それによって、中央フレーム2がガラスカバー11に接続されるときには、突起構造21とガラスカバー11との間の接合強度のみを保証する必要がある。これに対して、中央フレーム2及び突起構造21が分離されている構造となっているときには、ガラスカバー11と突起構造21との間の接続強度及び突起構造21と中央フレーム2との間の接続強度を保証する必要がある。したがって、一体化されている構造を使用することによって、ガラスカバー11と中央フレーム2との間の接合安定性を効果的に改善することが可能である。
【0028】
加えて、第1の接合接着剤3が接着剤分注方式によって配置される場合に、突起構造21にガラスカバー11を接合するときに、第1の接合接着剤3が構造用部品にあふれ出ることを避けるために、接着剤オーバーフロー溝22が、この出願のこの実施形態によって提供される中央フレーム2に配置される。図3に示されているように、接着剤オーバーフロー溝22は、突起構造21に配置される。接着剤オーバーフロー溝22は、突起構造21における(中央フレームの側壁に近接する側である)第1の接合接着剤3の配置領域の外側に配置される。第1の接合接着剤3があふれるときは、第1の接合接着剤3は、接着剤オーバーフロー溝22に直接的に流れ込む。したがって、第1の接合接着剤3が構造用部品にあふれ出る場合を減少させ、そして、接合適格率を増加させる。
【0029】
図3に示されている構造用部品において、ディスプレイ1の接合効果を保証にするために、第2の接合接着剤4の厚さを使用することによって、第1の接合接着剤3の厚さを制御する必要がある。具体的にいうと、ガラスカバー11と突起構造21との間の距離を制御して、第1の接合接着剤3を使用することによって、突起構造21にガラスカバー11を堅く接続することが可能であるということを保証する。改善された解決方法において、さらにディスプレイ1の接合安定性を改善するために、図4に示されているように、支持突起23は、この出願のこの実施形態によって提供される中央フレーム2に配置される。支持突起23は、中央フレーム2に配置され、ディスプレイ1が装着されるときに、支持突起23は、ディスプレイ1の後方表面を押圧して、ディスプレイ1を支持するように構成される。具体的には、図4に示されているように、支持突起23は、突起構造21に配置される。加えて、特に支持突起23を配置するときには、支持突起23及び中央フレーム2は、一体化された構造となっていてもよく、又は、支持突起23及び中央フレーム2は、分離している構造となっていてもよい。ある1つの特定の実装上の解決方法において、支持突起23及び中央フレーム2は、一体化された構造として配置される。この場合に、一体化された射出成形方式によって、支持突起23、突起構造21、及び中央フレーム2を製造してもよい。図4に示されているように、特にディスプレイ1を支持するときに、支持突起23は、ガラスカバー11の第1の接合領域111を押圧する。この場合に、支持突起23は、第1の接合接着剤3と第2の接合接着剤4との間に存在する。接着剤分注の際に、第1の接合接着剤3は、支持突起23及び突起構造21によって形成される開先角度領域の中に積み重ねられ、それによって、第1の接合接着剤3の流れは制限され、第1の接合接着剤3は容易に積み重ねられる。したがって、比較的少量の第1の接合接着剤3を使用して、ガラスカバー11を堅く接合することが可能である。
【0030】
この出願の複数の実施態様によって提供される構造用部品の理解を容易にするために、ある1つの例として、中央フレーム2が、突起構造21及び支持突起23を含むということを使用する。この出願のそれらの複数の実施形態によって提供される構造用部品を製造する手順は、図5乃至図7を参照して以下で詳細に説明される。図5に示されているように、最初に、第2の接合接着剤4は、中央フレーム2に接合され、第2の接合接着剤4を接合する場所は、ディスプレイ1を中央フレーム2の中に配置するときの第2の接合領域121の場所に対応する。図6に示されているように、第1の接合接着剤3は、接着剤分注方式によって中央フレーム2の突起構造21に配置され、第1の接合接着剤3は、第1の接合領域111に対応するように配置される。図7に示されているように、ディスプレイ1は、中央フレーム2の中に配置される。この場合には、第1の接合領域111は、第1の接合接着剤3に接着剤により接続され、第2の接合領域121は、第2の接合接着剤4に接着剤により接続され、それによって、ディスプレイ1は装着される。この場合には、ディスプレイ1のタッチ制御フィルム12は、第2の接合接着剤4を使用することによって中央フレーム2に接続され、ガラスカバー11の縁部は、第1の接合接着剤3を使用することによって中央フレーム2に接続される。これにより、ディスプレイ1と中央フレーム2との間の安定した接続を保証するとともに、ディスプレイ1を装着した後のディスプレイ1の安定性を改善する。
【0031】
上記の説明から、この出願のそれらの複数の実施形態によって提供される構造用部品においては、ディスプレイ1の複数の異なる領域を個別に接合するのに、異なる接合強度を有する2つのタイプの接着剤を使用するということを理解することが可能である。したがって、ディスプレイ1と中央フレーム2との間の接続強度を保証することが可能であるのみならず、ディスプレイ1を取り外すときのディスプレイ1の安全性を保証する。この出願のそれらの複数の実施形態によって提供される構造用部品は、図3及び図4に示されている構成には限定されず、この出願のそれらの複数の実施形態には、ディスプレイ1の複数の異なる領域を個別に接合するのに、異なる接合強度を有する2つのタイプの接着剤を使用するいずれかの解決方法を適用してもよいということを理解すべきである。図8及び図9に示されているように、図8及び図9は、ある1つの特定の変形構造を示している。図8及び図9に示されている構造において、第1の接合接着剤3及び第2の接合接着剤4の双方は、第1の接合領域111に接着剤により接続される。この場合には、タッチ制御フィルム12は、中央フレーム2には接合されない。その構造においては、また、ディスプレイ1を装着するときに、そのディスプレイ1と中央フレーム2との間の接続強度を改善することが可能であるとともに、また、ディスプレイ1を取り外すときに、タッチ制御フィルム12の安全性を保証することが可能である。
【0032】
本発明は、さらに、移動端末を提供する。移動端末は、上記の複数の実装のうちのいずれか1つにしたがった構造用部品を含み、その移動端末は、携帯電話、タブレット、又はスクリーンを有するラップトップ等の移動端末である。上記の構造用部品が移動端末のために使用されるときに、その構造用部品において、ガラスカバーは、第1の接合接着剤を使用することによって接合され、タッチ制御フィルムは、第2の接合接着剤を使用することによって接合される。第1の接合接着剤は、ガラスカバーの縁部に接合され、第1の接合接着剤の接合力は、第2の接合接着剤の接合力より大きい。したがって、ガラスカバーと中央フレームとの間の接合力を改善し、さらに、使用中の移動端末の信頼性を改善する。
【0033】
上記の説明は、この出願の具体的な実装であるにすぎず、この出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。この出願によって開示されている技術的範囲の中で当業者が容易に理解することができる変更又は置換は、この出願の保護範囲に属するものとする。したがって、この出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲にしたがうものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9