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特許7143422医療デバイスバッテリをワイヤレスで充電するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】医療デバイスバッテリをワイヤレスで充電するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220920BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220920BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20220920BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220920BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/40
H02J50/80
H01M10/46
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020538773
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 US2018052854
(87)【国際公開番号】W WO2019067539
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-07
(31)【優先権主張番号】62/563,245
(32)【優先日】2017-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ラファリー,ショーン・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】モーニー,ブライアン・クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャドソン,バートン・コナー
(72)【発明者】
【氏名】ガネット,ダニエル・スコット
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-513097(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第03734120(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111886(US,A1)
【文献】特開2014-176684(JP,A)
【文献】特開2017-085711(JP,A)
【文献】特開2017-085700(JP,A)
【文献】特開2004-328916(JP,A)
【文献】特開2011-055680(JP,A)
【文献】特開2009-032288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/00-50/90
H01M 10/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のオートクレーブ可能バッテリであって、各バッテリはバッテリコントローラを備える、1つ以上のオートクレーブ可能バッテリと、
オートクレーブ可能容器であって、
複数のレセプタクルであって、各レセプタクルは前記バッテリのうちの1つを受け入れるような形状である、複数のレセプタクルと、
複数の突出部であって、各突出部は対応するレセプタクルと位置合わせされる、複数の突出部と
を備える、オートクレーブ可能容器と、
充電デバイスであって、
複数の充電ベイであって、各充電ベイは前記オートクレーブ可能容器の突出部を受け入れるような形状であり、該充電ベイのうちの1つは、
前記オートクレーブ可能容器のレセプタクル内に配置されたバッテリが前記充電ベイの近接範囲内にあることに応じて、該バッテリのバッテリコントローラとの通信を確立するように構成された第1のアンテナと、
前記レセプタクル内に配置された前記バッテリに充電電力を提供するように構成された第2のアンテナと
を備える、複数の充電ベイと、
充電コントローラであって、
前記第1のアンテナが、前記バッテリが前記充電ベイの前記近接範囲内にあることに応じて該バッテリとの通信を確立したか否かを検出し、
前記第1のアンテナが前記バッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する、
ように構成された、充電コントローラと
を備える、充電デバイスと
を備えてなる、滅菌可能な容器内でバッテリを充電するシステム。
【請求項2】
前記オートクレーブ可能容器は、該オートクレーブ可能容器が、微生物が入らないように密閉されたままである間に、滅菌容積部を提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記充電デバイスは、前記オートクレーブ可能容器が、微生物が入らないように密閉されたままである間に、該オートクレーブ可能容器内に配置された前記バッテリに充電電力を提供するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記バッテリは、該バッテリの特徴を示す視覚インジケータを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記オートクレーブ可能容器の一部は、前記バッテリが該オートクレーブ可能容器内に配置され、かつ、該オートクレーブ可能容器が、微生物が入らないように密閉されたままであるとき、前記視覚インジケータが前記オートクレーブ可能容器の前記一部を通して可視であるのを可能にするように、少なくとも部分的に透明である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記充電デバイスは、前記充電コントローラが前記第2のアンテナを選択的にアクティベート及びディアクティベートすることができるようにするスイッチング素子を備え、前記充電コントローラは、前記第1のアンテナが前記バッテリコントローラとの通信を確立する間、前記第2のアンテナをディアクティベートするように前記スイッチング素子を制御するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記充電デバイスは、前記充電コントローラが前記第1のアンテナを選択的にアクティベート及びディアクティベートすることができるようにするスイッチング素子を備え、前記充電コントローラは、前記第2のアンテナが前記バッテリに充電電力を提供する間、前記第1のアンテナをディアクティベートするように前記スイッチング素子を制御するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記バッテリコントローラは、
前記バッテリと前記第1のアンテナとの間に通信が確立されるまで、該バッテリを低電力状態にし、
通信が確立されることに応じて、前記バッテリが前記低電力状態から出るようにするように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記充電コントローラは、
前記バッテリが前記低電力状態から出たという指示を受け取り、
前記受け取った指示に応じて前記バッテリに充電電力を提供するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記バッテリは、以前に医療デバイスに結合されており、該バッテリは、該バッテリ及び前記医療デバイスのうちの少なくとも一方のデータを記憶するメモリデバイスを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記メモリデバイスは、前記バッテリコントローラとの通信を必要とすることなく、前記充電デバイスの前記第1のアンテナによって直接読出し可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記メモリデバイスは、前記バッテリが、電力が供給されない状態にある間、前記充電デバイスの前記第1アンテナを介して直接読出し可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のアンテナは、前記バッテリコントローラとの通信を確立した後、該バッテリコントローラからバッテリ認証データを受信するように更に構成され、前記充電コントローラは、前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する前に、前記バッテリ認証データを使用して前記バッテリを認証するように更に構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記バッテリは、前記バッテリコントローラに結合されたパッシブ通信デバイスを更に備え、
前記第1のアンテナは、前記バッテリが前記充電ベイの近接範囲内にあることに応じて該バッテリの前記パッシブ通信デバイスを励磁し、該励磁されたパッシブ通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立するように更に構成され、
前記充電コントローラは、前記バッテリが前記充電ベイの近接範囲内にあることに応じて該バッテリの前記パッシブ通信デバイスを励磁し、該励磁されたパッシブ通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立するように、前記第1のアンテナを制御するように更に構成されている、請求項1~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
1つ以上のオートクレーブ可能バッテリを充電するシステムを動作させる方法であって、該システムは、1つ以上のバッテリであって、各バッテリはバッテリコントローラを備える、1つ以上のバッテリと、バッテリを受け入れるような形状の複数のレセプタクル、及び、対応するレセプタクルと位置合わせされる複数の突出部を備えるオートクレーブ可能容器と、充電コントローラ及び1つ以上の充電ベイを備える充電デバイスであって、各充電ベイは突出部を受け入れるような形状であり、各充電ベイは第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える、充電デバイスとを備えており、該方法は、
前記オートクレーブ可能容器の前記複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクル内にバッテリを配置するステップと、
前記レセプタクルに対応する突出部が充電ベイのうちの1つ以上の充電ベイに隣接し、前記バッテリが前記充電ベイの近接範囲内に配置されるように、前記充電デバイスの上に前記オートクレーブ可能容器を配置するステップと、
前記オートクレーブ可能容器の前記レセプタクル内に配置された前記バッテリが前記充電ベイの前記近接範囲内にあることに応じて、前記第1のアンテナにより、該バッテリの前記バッテリコントローラと通信するステップと、
前記充電コントローラにより、前記第1のアンテナが前記バッテリとの通信を確立したことを検出するステップと、
前記第1のアンテナが前記レセプタクル内に配置された前記バッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、前記第2のアンテナにより、前記バッテリに充電電力を提供するステップと
を含んでなる、オートクレーブ可能バッテリを充電するシステムを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には医療デバイス用のバッテリに関する。より詳細には、本開示は、医療デバイスバッテリをワイヤレスで充電するシステム及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2017年9月26日に出願された米国仮特許出願第62/563,245号の優先権及び全ての利益を主張し、この出願の開示内容は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
非充電式電池は一次電池として知られており、充電式電池は二次電池として知られている。二次電池は、繰り返し充電され、電荷を蓄積し、バッテリが取り付けられる外科用器具等の医療デバイスに電荷を供給することができる。二次電池は、長年かけて、手術室で外科処置を行うために使用される電動外科用器具のための信頼性の高い電源となってきている。バッテリの使用により、外部電源に接続された電源コードを設けることが不要になる。コード付き外科用器具と比較して、電源コードをなくすことによる利益がもたらされる。この種の器具を用いる外科従事者は、患者を取り囲む滅菌手術野に持ち込むことができるようにコードを滅菌するか、又は、手術中、非滅菌コードが不注意で手術野内に導入されないことを確実にすることに、気を付ける必要がない。さらに、コードをなくすことにより、コードが本来外科処置にもたらす物理的な散らかり及び視界の妨害がなくなる。
【0004】
外科用器具に電力を供給するために使用されるバッテリは、非医療用途に使用されるバッテリはめったにさらされない不都合な環境要素にさらされる。例えば、外科処置中、医療用バッテリは、血液又は他の体液にさらされる可能性がある。患者から取り除かれる組織がバッテリに付着する可能性がある。したがって、医療処置の過程の間に患者が感染するリスクをなくすために、バッテリを滅菌するか、又は外科処置の合間はバッテリが滅菌されたハウジング内に収容されるのを確実にすることが、必要な慣例である。したがって、バッテリは、バッテリ自体が滅菌可能でなければならないか、又は、バッテリが配置される滅菌可能なハウジングを有する非滅菌バッテリであり得る。滅菌可能なバッテリの例では、洗浄/滅菌プロセスは、通常、バッテリの表面における容易に肉眼で見える汚染物質を除去するためにバッテリをすすぐことを含む。しかしながら、これらの事象により、バッテリ接点の間に導電性ブリッジが形成される可能性があり、それにより、接点のうちの1つ以上の上に金属酸化物の層が形成されることになる可能性がある。この酸化物層は、バッテリの充電の効率と、バッテリが結合される器具に電荷を供給するバッテリの効率との両方を低下させる、インピーダンス層として機能する。
【0005】
バッテリはまた、オートクレーブプロセスの一部として蒸気充填チャンバ内の浸漬も施される場合がある。オートクレーブプロセス中に存在する高温に耐えるために、特殊なバッテリを使用しなければならない。オートクレーブ温度は、摂氏130度を超えることが多い。オートクレーブ温度に耐えるように設計されている特殊なバッテリでさえも、オートクレーブプロセス中にバッテリに対して損傷が(他の環境で使用される従来のバッテリよりは損傷の発生は少ないが)依然として発生する可能性がある。その結果、オートクレーブが施される医療環境で使用されるバッテリは、他の業界で使用されるバッテリより損傷を被る可能性がある。
【0006】
さらに、バッテリは、処置で使用されるために外科用器具に接続される前の或る期間、未使用である可能性があるため、徐々に電荷を失う可能性がある。したがって、フル充電状態で開始したバッテリは、保管場所に配置されている間、徐々に電荷を失う可能性があり、使用が望まれるときには必要なレベルの電荷を有していない可能性がある。外科用器具及び関連するバッテリを使用する医療専門家は、器具で使用されるバッテリが十分なレベルの電荷を有し、外科処置又は他の重大である可能性がある環境で使用されるために十分なレベルの健全性を有することを確信する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
1つの実施形態では、バッテリを充電するシステムを開示する。本システムは、1つ以上のバッテリを備え、各バッテリは、バッテリコントローラを有する。本システムはまた、複数のレセプタクルと複数の突出部とを備える容器も備え、複数のレセプタクルは、バッテリのうちの1つを受け入れるような形状であり、複数の突出部は、対応するレセプタクルと位置合わせされる。本システムは、複数の充電ベイを備える充電デバイスを更に備え、各充電ベイは容器の突出部を受け入れるような形状であり、第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える。第1のアンテナは、容器のレセプタクル内に配置されたバッテリが充電ベイの近接範囲内にあることに応じて、バッテリのバッテリコントローラとの通信を確立するように構成されている。第2のアンテナは、レセプタクル内に配置されたバッテリに充電電力を提供するように構成されている。充電デバイスはまた、第1のアンテナが、バッテリが充電ベイの近接範囲内にあることに応じてバッテリとの通信を確立したか否かを検出し、第1のアンテナがバッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、第2のアンテナを介してバッテリに充電電力を提供するように構成された、充電コントローラも備える。
【0008】
別の実施形態では、1つ以上のバッテリを充電するシステムを動作させる方法を開示する。上記システムは、1つ以上のバッテリであって、各バッテリはバッテリコントローラを備える、1つ以上のバッテリと、バッテリを受け入れるような形状の複数のレセプタクルに対応し、レセプタクルと位置合わせされる複数の突出部を備える容器とを備える。システムはまた、充電コントローラと、突出部を受け入れるような形状である1つ以上の充電ベイとを備える充電デバイスを備える。各充電ベイは、第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える。本方法は、容器の複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクル内にバッテリを配置するステップと、レセプタクルに対応する突出部が複数の充電ベイのうちの1つ充電ベイに隣接し、バッテリが充電ベイの近接範囲内に配置されるように、充電デバイスの上に容器を配置するステップとを含む。本方法はまた、容器のレセプタクル内に配置されたバッテリが充電ベイの近接範囲内にあることに応じて、第1のアンテナを用いて、バッテリのバッテリコントローラと通信するステップと、充電コントローラを用いて、第1のアンテナがバッテリとの通信を確立したことを検出するステップとを含む。本方法はまた、第1のアンテナがレセプタクル内に配置されたバッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、第2のアンテナを用いてバッテリに充電電力を提供するステップも含む。
【0009】
別の実施形態では、バッテリを充電するシステムを開示する。本システムは、バッテリコントローラと、バッテリコントローラに結合されたパッシブ通信デバイスとを備えるバッテリを備える。本システムはまた、バッテリを入れる滅菌バリアと、充電ベイ及び充電コントローラを備える充電デバイスとを備える。充電ベイは、バッテリのパッシブ通信デバイスを励磁し、励磁されたパッシブ通信デバイスを介してバッテリコントローラとの通信を確立するように構成された第1のアンテナを備える。充電ベイはまた、バッテリに充電電力を提供するように構成された第2のアンテナも備える。充電コントローラは、バッテリのパッシブ通信デバイスを励磁し、第2のアンテナがディアクティベートされている間に、励磁されたパッシブ通信デバイスを介してバッテリコントローラとの通信を確立するように、前記第1のアンテナを制御するように構成されている。充電コントローラはまた、第1のアンテナがバッテリコントローラとの通信を確立した後に第2のアンテナをアクティベートし、第2のアンテナを介してバッテリに充電電力を提供するようにも構成されている。
【0010】
別の実施形態では、バッテリを充電するシステムを動作させる方法を開示する。上記システムは、バッテリコントローラと、バッテリコントローラに結合された通信デバイスとを備えるバッテリを備える。上記システムはまた、バッテリを入れる滅菌バリアと、充電コントローラ及び充電ベイを有する充電デバイスとを備える。充電ベイは、第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える。本方法は、滅菌バリア内にバッテリを入れるステップと、充電デバイスの上に滅菌バッテリを配置するステップとを含む。本方法はまた、第1のアンテナを用いて、バッテリの通信デバイスを励磁するステップと、第1のアンテナを用いて、励磁された通信デバイスを介してバッテリコントローラとの通信を確立するステップとを含む。本方法は、第1のアンテナがバッテリコントローラとの通信を確立した後、充電コントローラを用いて第2のアンテナをアクティベートするステップと、第2のアンテナを用いてバッテリに充電電力を提供するステップとを更に含む。
【0011】
別の実施形態では、バッテリを充電するシステムを開示する。本システムは、1つ以上のバッテリを備え、各バッテリはバッテリコントローラを備える。本システムはまた、1つ以上のバッテリを入れる1つ以上の滅菌バリアも備え、1つ以上のバッテリのうちの1つのバッテリが、1つ以上の滅菌バリアのうちの1つの滅菌バリア内に入れられる。本システムはまた、1つ以上の充電ベイを有する充電デバイスも備え、充電ベイは、第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える。第1のアンテナは、滅菌バリア内に入れられたバッテリが充電ベイの近接範囲内にあることに応じて、バッテリのバッテリコントローラとの通信を確立するように構成されている。第2のアンテナは、滅菌バリア内に入れられたバッテリに充電電力を提供するように構成されている。充電デバイスはまた、第1のアンテナが、バッテリが充電ベイの近接範囲内にあることに応じてバッテリとの通信を確立したか否かを検出し、第1のアンテナがバッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、第2のアンテナを介してバッテリに充電電力を提供するように構成された、充電コントローラも備える。
【0012】
別の実施形態では、バッテリを充電するシステムを開示する。本システムは、パッシブ通信デバイスと、パッシブ通信デバイスに結合されたバッテリコントローラとを有するバッテリを備え、バッテリコントローラは、バッテリを低電力状態にするように構成されている。本システムはまた、バッテリを受け入れるような形状であるレセプタクルと、レセプタクルに位置合わせされる突出部とを備える容器も備える。本システムは、突出部を受け入れるような形状である充電ベイと、充電コントローラとを有する充電デバイスを更に備える。充電ベイは、バッテリのパッシブ通信デバイスを励磁し、励磁されたパッシブ通信デバイスを介してバッテリコントローラとの通信を確立し、バッテリに充電電力を提供するように構成された1つのアンテナを備える。充電コントローラは、バッテリのパッシブ通信デバイスを励磁し、バッテリコントローラが、通信が確立されることに応じてバッテリを低電力状態から出るように、励磁されたパッシブ通信デバイスを介してバッテリコントローラとの通信を確立するように、アンテナを制御するように構成される。充電コントローラはまた、バッテリコントローラが、バッテリが低電力状態から出るようにすることに応じて、確立された通信を介してバッテリを認証するように認証データを受信し、バッテリを認証することに応じて、アンテナを介してバッテリに充電電力を提供するようにも構成されている。
【0013】
別の実施形態では、バッテリを充電するシステムを開示する。本システムは、第1の容器と第2の容器とを備える。第1の容器及び第2の容器は、複数のレセプタクルと複数の突出部とを備え、各レセプタクルはバッテリを受け入れるような形状であり、各突出部は対応するレセプタクルと位置合わせされ、第1の容器におけるレセプタクルの数及び対応する突出部の数は、第2の容器におけるレセプタクルの数及び対応する突出部の数より多い。本システムはまた、複数の充電ベイを備える充電デバイスも備え、各充電ベイは、第1の容器又は第2の容器の突出部を受け入れるような形状であり、複数の充電ベイは、複数の行及び複数の列で配置されており、列の数は第1の容器におけるレセプタクルの数に対応し、行の数は第2の容器におけるレセプタクルの数に対応する。各充電ベイは、レセプタクル内に配置されたバッテリに充電電力を提供するように構成されたアンテナを備える。充電デバイスはまた、アンテナを介してレセプタクル内に配置されたバッテリに充電電力を提供するように構成された充電コントローラも備える。
【0014】
本開示の利点は、添付の図面に関連して検討されるときに、以下の詳細な説明を参照することにより更に深く理解されるので、容易に理解されるであろう。本開示の非限定的かつ非網羅的な実施形態について、以下の図を参照して説明しており、別段の指定がない限り、様々な図を通して、同様の数字は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】バッテリ及び充電器の一実施形態の斜視図である。
図2】電力消費デバイスに取り付けられたバッテリの平面図である。
図3】バッテリの組立分解図である。
図4A】バッテリとワイヤレス充電モジュールとを備えるシステムの一実施形態のブロック図である。
図4B】バッテリとワイヤレス充電モジュールの別の実施形態とを備えるシステムの一実施形態のブロック図である。
図5】バッテリコントローラの内部の様々なサブ回路のブロック図である。
図6】バッテリコントローラのメモリに記憶することができる例示的なデータ構造のブロック図である。
図7A】充電モジュールの1つの実施形態とバッテリ容器とを備えるシステムの一実施形態の斜視図である。
図7B】充電モジュールの第2の実施形態と複数のバッテリ容器とを備えるシステムの一実施形態の斜視図である。
図7C】充電モジュールの第2の実施形態と複数のバッテリ容器とを備えるシステムの一実施形態の斜視図である。
図7D】充電モジュールの第3の実施形態と滅菌可能ラップとを備えるシステムの一実施形態の斜視図である。
図8】バッテリ容器の斜視図である。
図9】バッテリ容器の内部の斜視図である。
図10】バッテリに電荷を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図11】バッテリに電荷を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図12】バッテリに電荷を提供する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明において、本発明が完全に理解されるために多くの具体的な詳細を示す。しかしながら、本発明を実施するために具体的な詳細を採用することは必須ではないことが、当業者には明らかとなろう。他の場合では、本発明が不明瞭にならないために、既知の材料又は方法については詳細に説明していない。
【0017】
本明細書を通して「1つの実施形態」、「一実施形態」、「1つの例」又は「一例」と言及する場合、それは、例または実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場合で「1つの実施形態では」、「一実施形態では」、「1つの例」又は「一例」という言い回しが現れる場合、それは、必ずしも、同じ実施形態又は例を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態又は例において、任意の好適な組合せ及び/又は部分的組合せで組み合わせることができる。さらに、本明細書とともに提供する図は、当業者に対して説明する目的のものであり、図面は必ずしも正確な縮尺で描かれていないことが理解されるであろう。
【0018】
本開示は、少なくとも1つの充電ベイを有するワイヤレス充電モジュールによって充電することができるオートクレーブ可能バッテリについて特に説明する。このバッテリは、滅菌することができるとともに、滅菌しかつ内部に含まれる容積部(volume)の滅菌状態を維持することができるバッテリ容器内に配置することができる。言い換えれば、バッテリ容器は、バッテリ容器が開放されるまで、バッテリ容器内の内容物が滅菌状態で維持されるように、バッテリを提供する。そして、バッテリ容器は充電モジュールに移送することができ、滅菌容積部内にありながらバッテリを充電することができる。バッテリはまた、バッテリが滅菌容積部内にありながら充電モジュールと通信することもできる。バッテリが充電モジュールに移送されている間、バッテリ及びその内部構成要素は低電力状態にあり得る。
【0019】
バッテリが充電ベイに近接して配置されると、充電ベイに関連する通信アンテナが、バッテリ通信デバイスと通信するために使用される電磁界を発生させる。充電ベイに電力アンテナも関連付けられ、電力アンテナは、通信アンテナが使用可能であるときは使用不可とすることができる。1つの実施形態では、バッテリ通信デバイスは、内蔵アンテナを備えた近距離無線通信(NFC)タグを含む。他の実施形態では、RFIDタグ等の他のタグ、又はアンテナに結合された他の好適な回路を使用することができる。アンテナは、電磁界によって励磁され、バッテリ通信デバイスは、低電力状態から出て充電モジュールとペアリングされる。1つの実施形態では、タグアンテナが励磁されると、又はバッテリが充電モジュールとペアリングされると、バッテリコントローラ、充電回路等、バッテリの他の全ての構成要素が低電力状態から出ることができる。
【0020】
バッテリ及び充電モジュールがペアリングされた後、充電モジュールは、バッテリ充電状態データやバッテリ健全性データなどのバッテリ状態データをタグから受信する。充電モジュールは、モジュールのディスプレイ領域内などの1つ以上のインジケータの上にバッテリ状態データを示すことができる。充電モジュールはまた、タグからバッテリ動作データも受信することができる。
【0021】
充電モジュールは、バッテリ状態データ及び/又はバッテリ動作データを受信すると、関連する要求をバッテリに送信することにより、バッテリが充電する準備ができているか否かを判断することができる。バッテリが、充電する準備ができていることを示すメッセージで要求に応答する場合、充電モジュールは充電プロセスを開始する。
【0022】
充電モジュールは、通信アンテナを使用不可にし、バッテリに関連する充電ベイの電力アンテナを使用可能にすることにより、充電プロセスを開始することができる。電力アンテナは、バッテリ内の対応するアンテナに誘導結合する電磁界を発生させる。そして、充電器電力アンテナからバッテリアンテナに充電電力が提供されて、バッテリセルが充電される。所定時間が経過した後、充電器コントローラは、電力アンテナを使用不可にし、通信アンテナを再度使用可能にし、通信アンテナ及びバッテリ通信デバイスを使用して充電デバイスをバッテリとペアリングすることにより、再度プロセスを開始することができる。このように、充電器コントローラは、バッテリから定期的に更新データを受信して、バッテリに追加の電力をワイヤレスで提供すべきであるか否かを判断することができる。
【0023】
上述した概要を考慮して、バッテリの更なる詳細について、図1図6を参照して説明する。バッテリと使用することができる医療デバイスについて、図2を参照して説明する。バッテリに電荷を提供するために使用することができる充電モジュールについて、図4及び図7を参照して説明する。バッテリ及び充電サイクルに関連するデータを記憶するデータ構造について、図6を参照して説明する。滅菌容積部を維持しながらバッテリを移送するバッテリ容器について、図8及び図9を参照して説明する。バッテリを充電する方法について、図10図12を参照して説明する。
【0024】
図1は、一実施形態によるバッテリ30と充電モジュール40とを示す。バッテリの内部に、電荷を蓄積することができる1つ以上の充電式セルがある(図3に示す)。一例示的な構成では、充電モジュール40は、バッテリを解除可能に保持するような形状である少なくとも1つのソケット42を有する。充電モジュール40の内部に、仮想矩形ブロック44で示す電源がある。充電モジュール40の内部にはまた、仮想矩形ブロック46で示す充電器コントローラもある。バッテリ30が充電モジュール40に結合されると、電源44は、バッテリセル32に充電電流を印加する。充電器コントローラ46は、電源44によるバッテリの充電を調節する。充電器コントローラ46はまた、バッテリ30の内部のメモリからデータを検索するとともにメモリにデータを書き込むこともできる。他の様々な充電器構成が企図される。
【0025】
図2は、バッテリ30に結合された電力消費医療デバイス50を示す。図2に示すように、医療デバイスは、(外科用ハンドピースと呼ぶ場合もある)外科処置を実施する電動外科用器具50である。他の実施形態では、医療デバイス50は、繋がれた外科用ヘッドピースとすることができ、又は、限定なしに、照明やカメラやスピーカやマイクロフォンやセンサなどの、バッテリ30によって電力が供給され、かつ医療専門家に使用されるように他の方法で適合されている、他の任意の機器とすることができる。明確性及び一貫性のために、医療デバイス50の後続する説明は、一般に、図面を通して示しかつより詳細に後述する、電動外科用器具を参照して行う。したがって、別段の指示がない限り、本明細書に記載する外科用器具の様々な構成要素及び特徴の説明は、他のタイプの医療デバイスにも適用される。
【0026】
図示する実施形態では、器具50は、ピストル形状であるハウジング52を有する。器具ハウジング52の後端部は、バッテリ30を解除可能に受け入れるような形状である。電動外科用器具50は、バッテリセル32から引き出された電気エネルギーを、医療処置又は外科処置を実施するために有用な別の形態のエネルギーに変換する動力発生構成要素を含む。図示する実施形態では、動力発生構成要素又はユニットは、破線矩形54で表すモータである。多くの電動外科用器具は、リング56で表す結合アセンブリを有する。結合アセンブリ56は、動力発生構成要素にエネルギーアプリケータを解除可能に取り付ける。エネルギーアプリケータは、動力発生ユニットによって出力されるエネルギーを、医療処置が実施されている標的部位に実際に印加するデバイスである。動力発生ユニット54がモータである場合、エネルギーアプリケータは、切断アクセサリと呼ぶものであり得る。簡単のために、器具動力発生構成要素は、他の器具が、機能するために電流を引き込む他の動力発生デバイスを有する可能性があっても、以下モータ54と呼ぶ。
【0027】
器具50は、少なくとも1つの手動で作動可能な制御部材も備える。図示する器具50は2つのトリガ58を有する。トリガ58は、医療従事者が器具の作動を調節するために押下する。器具の内部にはまた制御モジュール60もある。制御モジュール60は、トリガ58の作動を監視する構成要素を含む。制御モジュールの内部の他の構成要素が、トリガ58の作動に応じて、バッテリセル32を器具モータ54に選択的に接続する。制御モジュール60の内部のこれらの他の構成要素のうちの1つは器具プロセッサ62である。
【0028】
図3に示すように、例示的なバッテリ30はシェル70を備え、シェル70の内部に1つ以上の充電式セル32が設置されている。1つの実施形態では、セル32は互いに直列に接続されて、セルクラスタを形成している。セルクラスタは、シェル70の基部に配置されたフォームパッド34の上に設置されている。シェル70の開放上端部の上に、蓋72が密閉するように配置されている。バッテリ30が医療/外科用途に対して意図されている場合、シェル70及び蓋72がまとめてオートクレーブ可能ハウジングを形成するように、シェル70に蓋72を取り付けることができる。蓋72は、バッテリヘッド76があるように形成することができる。バッテリヘッド76は、充電器ソケット42内に及び/又は器具ハウジング52の後端部に対して適合するような寸法である。バッテリヘッド76には、電力接点78及び80と(任意選択的に)データ接点82とが設けられている。電力接点78及び80は導電性部材であり、そこを通して外科用器具50は通電電流を引き込む。接点78はバッテリ30の陰極であり、接点80はバッテリ30の陽極である。1つ以上のデータ接点82が含まれる一実施形態では、データ信号及び命令信号は、データ接点82を通してバッテリ30内に書き込まれるとともにバッテリ30から読み出される。したがって、バッテリ30は、データ接点82を用いて、器具プロセッサ62とデータ及び命令を交換することができる。これらの信号は、好適な有線通信プロトコルを使用して交換される。他の実施形態では、データ接点82は省略することができ、データ及び命令は、ワイヤレスでバッテリ30内に書き込むとともにバッテリ30から読み出すことができる。いくつかの実施形態では、蓋72からかつバッテリ30から、バッテリヘッド76、電力接点78及び80並びにデータ接点82を省略することができる。
【0029】
バッテリ蓋72にラッチ85が枢動可能に取り付けられている。ラッチ85は、器具ハウジング52の後端部にバッテリ30を保持する。ピン86が、蓋72にラッチ85を保持する。ばね84が、ラッチ85の一部分を蓋72の隣接面から離れる方向に付勢する。
【0030】
セル32と蓋72との間に配置されるように、セルクラスタに回路基板36が取り付けられている。回路基板36は、セル32を陽極接点80及び陰極接点78に選択的に接続する後述する構成要素を保持する。1つの実施形態では、回路基板36は、本明細書においてより十分に記載するようにバッテリの動作を制御するバッテリコントローラ38を備え、又はバッテリコントローラ38に結合されている。
【0031】
例示的な実施形態では、セル32はリチウムイオンセルである。例えば、セル32としては、限定されないが、リチウムイオンセラミックセル、リン酸鉄リチウムセル、リチウム鉄リンオキシ窒化物(lithium iron phosphorous oxynitride)セル、リチウムイオンニッケルマグネシウムコバルトセル又はリチウム錫硫化リンセルを含む、任意の好適なニッケル又はリチウム化学セルを挙げることができる。代替実施形態では、セル32は、鉛酸又は他の任意の好適なタイプのセルとすることができる。各セルは、適切に充電されると、リン酸鉄リチウムの場合、3.3VDCの公称セル電圧を有する。全てではないが多くの実施形態では、セルは、互いに直列に接続される。図示する実施形態では、バッテリ30は、3つの直列接続されたセル32を含む。したがって、バッテリ30のこのバージョンは、約9.9VDCの電位を出力するように構成されている。代替的に、いくつかの実施形態では、バッテリセル32のうちの少なくともいくつかは、互いに並列に接続することができる。
【0032】
バッテリ30の物理的構造もまた、記載及び図示するものとは異なる場合がある。例えば、接点78及び80のうちの1つ以上は、蓋72ではなくハウジング52に直接取り付けることができる。同様に、バッテリ30の内部の電気部品を保持する回路基板36は、セルクラスタに取り付ける代わりに、ハウジング52又は蓋72に取り付けることができる。
【0033】
図4Aは、充電モジュール402とバッテリ30とを備えるシステム400のブロック図である。図4Aに示す実施形態では、充電モジュール402は、バッテリ30にワイヤレス充電信号を提供してバッテリ30をワイヤレスで充電するワイヤレス充電モジュールである。図4Bは、システム400’、すなわちシステム400の別の実施形態のブロック図である。システム400’は、充電モジュール402の一実施形態である充電モジュール402’と、バッテリ30とを備える。図4Bに示す実施形態では、充電モジュール402’もまた、バッテリ30にワイヤレス充電信号を提供してバッテリ30をワイヤレスで充電するワイヤレス充電モジュールである。
【0034】
図4Aに示すように、充電モジュール402は、電源404と、充電器コントローラ408と、メモリ410と、1つ以上のインジケータデバイス414とを備える。充電モジュール402はまた、充電器電力アンテナ406及び充電器通信アンテナ412を備える充電ベイ416も備える。1つの実施形態では、充電モジュール402は、(図1に示す)充電モジュール40などの充電デバイスである。他の実施形態では、充電モジュール402は、バッテリ30をワイヤレスで充電するために、上にバッテリ30を配置することができる、ワイヤレスマット、トレイ、点検ステーション又は他の充電面とすることができる。代替的に、充電モジュール402は、器具50又は別の好適なデバイスに埋め込むことができる。
【0035】
図4Bに示すように、充電モジュール402’は、電源404と、充電器コントローラ408と、メモリ410と、1つ以上のインジケータデバイス414とを備える。しかしながら、充電モジュール402’はまた、充電ベイ416の一実施形態である充電ベイ416’も備える。充電ベイ416’は、電力アンテナ406及び充電器通信アンテナ412の作業を実行するように構成されている1つのアンテナ413を備える。したがって、アンテナ413は、本明細書において電力アンテナ406及び充電器通信アンテナ412が実施しているものとして記載する任意の作業を実施するように構成することができる。いくつかの実施形態では、充電モジュール402’は、ワイヤレスパワーコンソーシアム(Qi)充電器とすることができる。
【0036】
電源404は、充電モジュール402の他の構成要素を励磁するために使用することができる信号へと線電流を変換する。図4Aにおいて、電源404はまた、アンテナ406がバッテリ30にワイヤレス充電電力を提供することができるように充電器電力アンテナ406に印加される信号も生成する。図4Bにおいて、電源404は、同様に、アンテナ413がバッテリ30にワイヤレス充電電力を提供することができるようにアンテナ413に印加される信号を生成する。
【0037】
図4Aの充電器電力アンテナ406は、電源404から信号を受信し、その信号を、バッテリ30にワイヤレスで送信されるワイヤレス充電信号に変換する。ワイヤレス充電信号は、バッテリ30のアンテナ422によって受信可能である無線周波数(RF)信号である。したがって、充電器電力アンテナ406は、充電信号をバッテリ30に送信する送信構成要素として作用する。同様に、図4Bのアンテナ413は、電源404から信号を受信し、その信号を、バッテリ30にワイヤレスで送信される無線充電信号に変換し、充電信号をバッテリ30に送信するように構成することができる。
【0038】
1つの実施形態では、充電器コントローラ408は、トランジスタ、スイッチ又は他のデバイスなどのスイッチングデバイス(図示せず)を動作させて、電力アンテナ406を選択的に使用可能及び使用不可とすることができる。したがって、通信アンテナ412がアクティベートされる一実施形態では、充電器コントローラ408は、スイッチングデバイスを制御して、電流が電力アンテナ406に入らないようにすること等により、電力アンテナ406をディアクティベートすることができる。同様に、充電器コントローラ408は、アンテナ413が電源404から信号を受信し、信号をバッテリ30にワイヤレスで送信されるワイヤレス充電信号に変換し、及び/又は充電信号をバッテリ30に送信する能力を、選択的に有効及び無効にすることができる。
【0039】
充電器コントローラ408は、電源404を調節して、好適な電流、電圧及び周波数を有する信号を充電器電力アンテナ406に提供する、プロセッサを備えることができる。充電器コントローラ408は、例えば、バッテリ30が更なる電荷を要求すること(本明細書では充電要求と呼ぶ)に応答して、バッテリ30への充電信号の提供を制御する。充電器コントローラ408は、バッテリ30から充電要求を受信すると、バッテリ30が充電するために十分なレベルの健全性を有するか否かを判断することができる。1つの実施形態では、充電器コントローラ408は、バッテリ30から受信されるバッテリ健全性データを所定閾値と比較する。バッテリ健全性データが所定閾値を満たすか又は超える場合、充電器コントローラ408は、充電要求を承認し、電源404に対して、充電器電力アンテナ406又はアンテナ413を介してバッテリ30に充電信号を提供するように命令する。
【0040】
メモリ410は、充電器コントローラ408に結合されたコンピュータ可読メモリデバイス又はユニットである。1つの実施形態では、メモリ410は、フラッシュメモリ等、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NOVRAM)である。メモリ410は、充電器コントローラ408によって実行されると、バッテリ30のワイヤレス充電を調節する、充電シーケンス及び充電パラメータデータを含む。1つの実施形態では、メモリ410はまた、バッテリ30の健全性及び/又は充電状態を示すデータも記憶する。例えば、1つの実施形態では、バッテリ30は、バッテリ30の健全性及び/又は充電状態を表すデータを、充電器通信アンテナ412に送信する。充電器通信アンテナ412は、健全性データ及び充電状態データを充電器コントローラ408に送信し、充電器コントローラ408は、そのデータをメモリ410に記憶する。メモリ410が、(本明細書において更に説明する)フラッシュメモリ504などのフラッシュメモリである一実施形態では、充電器通信アンテナ412は、バッテリ30に電力が供給されていないとき、及び/又はバッテリコントローラ38と通信することなく、バッテリ30の健全性及び/又は充電状態を表すデータを受信することができる。
【0041】
充電器通信アンテナ412は、バッテリ通信デバイス424と双方向に通信するように構成することができる。1つの実施形態では、充電器通信アンテナ412は、メモリ410からバッテリの健全性データ及び/又は充電状態データを受信し、そのデータを充電器コントローラ408に提供する。さらに、充電器通信アンテナ412は、バッテリ30から充電要求を受信することができ、その充電要求を充電器コントローラ408に送信することができる。同様に、図4Bのアンテナ413は、バッテリ通信デバイス424と双方向に通信し、メモリ410からバッテリの健全性データ及び/又は充電状態データを受信し、そのデータを充電器コントローラ408に提供し、バッテリ30から充電要求を受信し、その充電要求を充電器コントローラ408に送信するように構成することができる。
【0042】
1つの実施形態では、充電器コントローラ408は、トランジスタ、スイッチ又は他のデバイスなどのスイッチングデバイス(図示せず)を動作させて、通信アンテナ412を選択的に使用可能及び使用不可とすることができる。したがって、電力アンテナ406がアクティベートされる一実施形態では、充電器コントローラ408は、スイッチングデバイスを制御して、電流が通信アンテナ412に入らないようにすることなどにより、通信アンテナ412をディアクティベートすることができる。同様に、充電器コントローラ408は、アンテナ413が、バッテリ通信デバイス424と双方向に通信し、メモリ410からバッテリの健全性データ及び/又は充電状態データを受信し、そのデータを充電器コントローラ408に提供し、バッテリ30から充電要求を受信し、その充電要求を充電器コントローラ408に送信する能力を、選択的に有効及び無効にすることができる。
【0043】
インジケータデバイス414は、充電モジュール402及び/又はバッテリ30のステータスを示す。インジケータデバイス414は、ディスプレイやスピーカや発光ダイオード(LED)などの光源のうちの少なくとも1つを備えることができる。ディスプレイは、LCD、LED、又は他のタイプのディスプレイとすることができる。いくつかの実施形態では、複数のインジケータを使用して、充電モジュール402、402’及び/又はバッテリ30のステータスを示すことができる。図4に示すように、インジケータデバイス414は、1つ以上のLEDである。1つの実施形態では、充電器コントローラ408は、バッテリ30から受信したバッテリの健全性データ及び/又は充電状態データに基づき、1つ以上のインジケータデバイス414をアクティベートすることができる。例えば、バッテリの健全性データが所定閾値を満たすか又は超える場合、充電器コントローラ408により、LEDは緑色(又は別の好適な色)を発することができる。バッテリの健全性データが所定閾値未満である場合、充電器コントローラ408により、LEDは赤色(又は別の好適な色)を発することができる。したがって、インジケータデバイス414は、ユーザに、バッテリ30の全体的な健全性ステータスを示すことができる。インジケータデバイス414は、さらに又は代替的に、バッテリ30の充電状態を示すために使用することができる。例えば、インジケータデバイス414は、バッテリ30がフル充電されていないときは第1の色の光を発し、バッテリ30がフル充電されると第2の色の光を発することができる、1つ以上のLED又は他の光源を備えることができる。バッテリ30が、バッテリ状態をユーザに示す1つ以上のインジケータデバイス414を備えることができることが更に企図され、したがって、バッテリ30自体が、光源、ディスプレイ又はスピーカを備えることができる。
【0044】
1つの実施形態では、充電モジュール402は、各々が別個の電力アンテナ406及び通信アンテナ412を備える、複数の充電ベイ416を備えることができる。同様に、充電モジュール402’は、各々がアンテナ413を備える複数の充電ベイ416’を備えることができる。したがって、各充電ベイ416及び416’は、本明細書においてより十分に説明するように別個のバッテリ30を受け入れるような形状及びサイズとすることができる。例えば、充電モジュール402、402’は、それぞれ同様の形状の2つの充電ベイ416、416’、又は、異なる形状及び/又はサイズを有するバッテリを収容するようにそれぞれ異なる形状の2つ以上の充電ベイ416、416’を備えることができる。したがって、各充電ベイ416は、充電ベイ416内に又は充電ベイ416に近接して配置されるそれぞれのバッテリ30と、通信アンテナ412を介して通信することができ、電力アンテナ406を介してバッテリ30に充電電力を提供することができる。同様に、各充電ベイ416’は、充電ベイ416’内に又は充電ベイ416’に近接して配置されるそれぞれのバッテリ30と、アンテナ413を介して通信することができ、アンテナ413を介してバッテリ30に充電電力を提供することができる。各充電ベイ416及び416’は、充電器の表面内の凹状容積部として構成することができる。代替的にさらに、充電器モジュール402、402’は、各々が同一の形状及びサイズである、複数の充電ベイ416、416’をそれぞれ備えることができる。
【0045】
一実施形態では、各充電ベイ416の各電力アンテナ406は、バッテリ30が充電ベイ416内に又は充電ベイ416に近接して配置されたときにのみ、充電電力を提供することができる。したがって、バッテリ30が充電ベイ416内に又は充電ベイ416に近接して配置されていないとき(すなわち、充電器コントローラ408が充電ベイ416に対してバッテリ30が近接していることを検出しない場合)、充電器コントローラ408は、その充電ベイ416の電力アンテナ406をディアクティベートするか又は他の方法で使用不可として、電力を保存することができる。
【0046】
図4A及び図4Bに示すように、バッテリ30は、バッテリコントローラ38と、アンテナ422と、1つ以上のセル32と、バッテリ通信デバイス424と、ゲート426と、充電回路428とを含む、複数の構成要素を備える。バッテリ30はまた、充電モジュール402と通信するために使用することができる、NFC又はRFIDタグ等のタグ430も備えることができる。本明細書に記載するバッテリ構成要素は、(図3に示す)回路基板36などの回路基板内に含めることができる。1つの実施形態では、タグ430は、充電モジュール402の通信アンテナ412によって発生する電磁界等の電磁界を介して誘導的に電力が供給されるパッシブタグである。
【0047】
バッテリコントローラ38は、任意の好適なコントローラ、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサとすることができ、又はそれを備えることができる。バッテリコントローラ38は、図5に記載する複数の異なるサブ回路を備える。1つの実施形態では、バッテリコントローラ38は、本明細書に記載するように、バッテリ30が低電力状態に置かれるときと、バッテリ30が低電力状態から出るときとを制御する。
【0048】
アンテナ422は、充電モジュール402からワイヤレス充電信号を受信するように構成されている。具体的には、アンテナ422は、充電モジュール402の電力アンテナ406から充電信号を受信するように構成され、その信号を、セル32を充電するために使用されるように充電回路428に送信される電流に変換するように構成されている。
【0049】
セル32は、バッテリ30内に電荷を蓄積するために使用される。1つの実施形態では、セル32は、滅菌中に(例えば、オートクレーブプロセス中に)損傷なしに又は低減した損傷で機能性を維持するように構成された高温セルとすることができる。セル32は、滅菌又はオートクレーブサイクル中に受ける損傷を最小限にするように断熱材を備えることができる。断熱材としては、ポリイミドエアロゲル、シリカエアロゲル又はカーボンエアロゲルなどのエアロゲルを挙げることができる。バッテリの内部のセル32の数及びタイプは、当然ながら、記載するものとは異なるものとすることができる。
【0050】
バッテリ通信デバイス424は、バッテリコントローラ38が、器具50、充電モジュール402、及び/又はタブレット若しくはサーバ等のコンピューティングデバイスと接続することができるようにする、送受信器とすることができる。1つの実施形態では、バッテリ通信デバイス424はタグ430を備えることができる。代替的に、バッテリ通信デバイス424及びタグ430は、別個のデバイスである。バッテリ通信デバイス424は、無線周波数(RF)送受信器又は赤外線(IR)送受信器とすることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ通信デバイス424はBluetooth送受信器とすることができる。バッテリ30が器具50又は充電モジュール402に接続されると、バッテリ通信デバイス424は、器具50内(若しくは別の好適な医療デバイス内)又は充電モジュール402内の相補的な送受信器と信号を交換する。バッテリ通信デバイス424がワイヤレス送受信器である一実施形態では、バッテリ通信デバイス424は、限定されないが、ZigBee、Bluetooth、Wi-Fi等を含む、任意のワイヤレスプロトコル及び/又は技術を使用して、データをワイヤレスで送受信することができる。代替的に、バッテリ通信デバイス424は、好適な有線プロトコルを使用して器具50及び/又はコンピューティングデバイスとの間でデータを伝送する有線送受信器とすることができる。ユーザは、バッテリ通信デバイス424を使用して、バッテリ30、充電モジュール402及び/又は器具50からデータを送信し、及び/又は、バッテリ30、充電モジュール402及び/又は器具50からデータを受信することができる。
【0051】
バッテリ通信デバイス424は、器具50及び/又はバッテリ30を認証するために、医療デバイス通信モジュール(図示せず)に認証データを送信することができ、及び/又は医療デバイス通信モジュールから認証データを受信することができる。同様に、バッテリ通信デバイス424は、充電モジュール402がバッテリ30を認証することができるように、充電モジュール402に認証データを送信することができる。したがって、バッテリ30、充電モジュール402及び/又は器具50は、権限が与えられた及び/又は互換性のある構成要素のみが互いに使用されていることを確実にすることができる。
【0052】
ゲート426は、セル32を接点78及び80に選択可能に結合する1つ以上の回路構成要素を備える。1つの実施形態では、ゲート426は、電界効果トランジスタ等の1つ以上のトランジスタを備え、トランジスタは、セル32が陰極接点78及び陽極接点80と選択的に通信するように、セル32を接点78及び80に電気的に結合するように、バッテリコントローラ38によってアクティベート可能である。
【0053】
充電回路428は、セル32を充電する、すなわち、セル32に電荷若しくは電流を提供するのを容易にする1つ以上の回路構成要素を備える。1つの実施形態では、バッテリ30が充電モジュール又はデバイス402、402’から充電信号を受信すると、アンテナ422は、その充電信号を、充電回路428に提供される電流に変換する。したがって、充電回路428は、アンテナ422を介して充電モジュール又はデバイス402、402’から充電信号を受信する。
【0054】
充電回路428は、電流を受け取ることができ、電流及び/又は電圧を、セル32の所望の電流又は電圧に適合するように調整することができる。セル32が、最大充電状態又は事前定義された充電状態まで充電されると、バッテリコントローラ38は、更なる電流がセル32に提供されないように、充電回路428を制御することができる。
【0055】
1つの実施形態では、バッテリ通信デバイス424は、充電モジュール402と通信するのに使用される内蔵アンテナ(図示せず)を有するタグ430を備えることができる。代替的にタグ430は、バッテリ通信デバイス424に結合することができ、又は内蔵アンテナを備えた独立型構成要素とすることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ30の健全性、充電状態及び/又はバッテリ動作データ等のバッテリデータを、タグ430に記憶することができ、NFC、RFID又は他の任意の好適な通信プロトコルを介して充電モジュール402に送信することができる。
【0056】
バッテリ30の様々な構成要素は、ハウジング432内に位置決めされている。ハウジング432はカバー434を備えることができ、カバー434は、シームレスボンドを形成するように一体型構造を形成するためにハウジング432に溶接することができる。さらに、カバー434とハウジング432との間に密閉バリアを形成するために、ハウジング432とカバー434との間にシール436を位置決めすることができる。シール436は、オートクレーブ可能であるとともに任意選択的に圧縮可能である材料から形成することができる。例えば、シール436は、EPDMゴム又はシリコンゴムを含むことができる。
【0057】
接点78及び80はカバー434に取り付けることができる。図4A及び図4Bにおいて、接点78及び80はカバー434から延在しているように示すが、器具50からの対応する接点がカバー434及び/又はハウジング432内に挿入されて接点78及び接点80に接続するように、カバー434及び/又はハウジング432内に部分的に又は完全に収容することができることが理解されるべきである。接点78は、陰極接点と呼ぶ場合がある。接点80は、陽極接点と呼ぶ場合がある。接点78及び80(並びにカバー434)は、バッテリ30を器具50に取外し可能に結合することができるような形状でありかつ物理的にそのように適合されている。より具体的には、接点78及び80は、器具50との物理的及び電気的接続を確立するために、器具50の対応する部分内に挿入されるように物理的に適合されている。したがって、陰極接点78及び陽極接点80が器具50内に挿入され、陽極接点80及び陰極接点78の両端に電圧が印加されるように接点78及び80がアクティベートされると、バッテリ30は器具50に電力を提供する。
【0058】
バッテリ30のハウジング432は、オートクレーブサイクルに好適な材料を含むことができる。バッテリ構成要素、ハウジング432及びカバー434を含むバッテリアセンブリは、蒸気滅菌、過酸化水素滅菌又は他の好適な滅菌技法を介して、器具50とともに又は器具50とは別個に、滅菌されるように構成されている。「滅菌した」とは、プロセスが完了すると、ハウジング432又はカバー434が少なくとも10-6の滅菌保証水準(SAL:sterilization assurance level)を有することを意味する。これは、滅菌された物品に単一の生存微生物が存在する確率が100万分の1以下であることを意味する。この滅菌の定義は、「Safe Handling and Biological Decontamination of Medical Devices in Health Care Facilities and Nonclinical Settings」と題する、ANSI/AAMI ST35-1966に示されている定義である。代替的な応用では、「滅菌」プロセスは、プロセスが完了すると、ハウジング432又はカバー434が少なくとも10-4のSALを有する場合に十分である。
【0059】
また、バッテリ30の多くのバージョンは、オートクレーブ可能であるハウジング432又はカバー434を備えるが、それは、常にそうである必要はない。この特徴は、多くの場合、医療/外科用途に対して設計されていないバッテリの設計の一部ではない。同様に、このバッテリ30の特徴は、無菌ハウジング内の非滅菌バッテリと呼ばれることが多いものに組み込むことができる。無菌ハウジング内の非滅菌バッテリは、セルクラスタと回路基板とを備え、回路基板に対して、セル調節器(電圧調節器)、トランジスタ(例えば、FETS)、抵抗器、コンデンサ及びマイクロプロセッサ又はバッテリコントローラなどの電気部品が取り付けられている。このセルクラスタはオートクレーブ可能ではない。代わりに、オートクレーブ可能であるハウジング内にセルクラスタを取外し可能にはめ込むことができる。セルがハウジングにはめ込まれると、ハウジングは密閉される。したがって、セル及び他のクラスタ形成構成要素は、滅菌された筐体内に封入される。セルクラスタ及びハウジング両方と一体的な接点は、接点経路を提供し、それを通して電流はバッテリから供給される。無菌ハウジング内の非滅菌バッテリアセンブリの構造の更なる理解は、「ASEPTIC BATTERY WITH A REMOVAL CELL CLUSTER, THE CELL CLUSTER CONFIGURED FOR CHARGING IN A SOCKET THAT RECEIVES A STERILIZABLE BATTERY」と題する米国特許第7,705,559号と、「ASEPTIC BATTERY ASSEMBLY WITH REMOVABLE, RECHARGEABLE BATTERY PACK, THE BATTERY PACK ADAPTED TO BE USED WITH A CONVENTIONAL CHARGER」と題する国際公開第2007/090025号とから得ることができ、上記特許及び出願の開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0060】
いくつかのバッテリには、補助的構成要素も設けられている。これらの構成要素としては、内部センサ、データ収集回路、メモリ又は制御プロセッサを挙げることができる。これらの構成要素は、バッテリがさらされる環境を監視し、バッテリの使用に関するデータを記憶し、及び/又はバッテリが取り付けられる医療デバイスに関するデータを記憶することができる。補助的構成要素は、「BATTERY CHARGER ESPECIALLY USEFUL WITH STERILIZABLE RECHARGEABLE BATTERY PACKS」と題する米国特許第6,018,227号と、「SYSTEM AND METHOD FOR RECHARGING A BATTERY EXPOSED TO A HARSH ENVIRONMENT」と題する米国特許出願公開第2007/0090788号/国際公開第2007/050439号とに記載されている補助的構成要素を含むか又はそれらと同様とすることができ、上記特許及び出願の開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。バッテリにこれらの補助的な構成要素のうちの1つ以上が設けられる場合、バッテリハウジングは、補助的接点(例えば、データ接点82)を備えることができる。この補助的接点は、信号が補助的構成要素から受信され及び/又は補助的構成要素に送信される際に通る接点とすることができる。
【0061】
図5は、バッテリコントローラ38の様々なサブ回路又は構成要素を示すブロック図である。図5では、以下のサブ回路又は構成要素は、バッテリコントローラ38内に含まれているものとして示すが、サブ回路又は構成要素のうちの1つ以上は、任意の好適なデバイス、モジュール、又はバッテリ30の一部内に含めることができることが理解されるべきである。
【0062】
例示的な実施形態では、中央処理装置(CPU)502が、バッテリコントローラ38とバッテリコントローラに接続された構成要素との動作を制御する。不揮発性フラッシュメモリ504が、CPU502によって実行される命令を記憶する。本明細書においてより十分に記載するように、フラッシュメモリ504はまた、バッテリ30の充電を調節するために使用される命令、バッテリ30の使用履歴を記述するデータ、及びバッテリ30が取り付けられる器具50の使用履歴を記述するデータもまた記憶する。
【0063】
ランダムアクセスメモリ506が、バッテリコントローラ38によって読み出され生成されるデータのための一時バッファとして機能する。CPUクロック508が、CPU502の動作を調節するために使用されるクロック信号を供給する。簡単のために単一ブロックとして示すが、CPUクロック508は、オンチップ発振器とともに、発振器からの出力信号をCPUクロック信号に変換するサブ回路を備えることが理解されるべきである。リアルタイムクロック510が、一定間隔でクロック信号を発生させる。
【0064】
1つの実施形態では、アナログ比較器512及びアナログデジタル変換器(ADC)514が、温度センサ(図示せず)等、バッテリ30の1つ以上のセンサ又は他の構成要素の出力信号を処理するために使用される。図5では、上記サブ回路は、単一バス516によって相互接続されているように示す。これは簡単のためであることが理解されるべきである。実際には、専用ラインが、サブ回路のうちのいくつかを互いに接続することができる。同様に、バッテリコントローラ38は他のサブ回路を有することができることが理解されるべきである。これらのサブ回路は、本発明に具体的に関連しないため、詳細には説明しない。
【0065】
図6は、バッテリコントローラ38によって実行される命令に加えて、フラッシュメモリ504(図5に示す)に記憶することができるデータ構造600のブロック図である。データ構造600は、1つ以上のレコード又はファイルにおける1つ以上のフィールド602として、バッテリ動作データ等のデータを記憶することができる。1つの例として、識別データ604をファイルに記憶することができ、バッテリ30を識別するために使用することができる。識別データ604は、例えば、シリアル番号、ロット番号、製造者識別情報及び/又は認可コードを含むことができる。認可コード又は他の識別情報は、バッテリ30が接続される器具50又は充電モジュール402が、バッテリ30を認証するために(例えば、バッテリ30が器具50に電力を供給することができるか否か、又は充電モジュール402によってバッテリ30を再充電することができるか否かをそれぞれ判断するために)読み出すことができる。フラッシュメモリ504はまた、バッテリ30の有用寿命を示すフィールド606(「有用寿命データと呼ぶ場合もある)も含むことができる。有用寿命データ606は、以下のデータタイプのうちの1つ以上を含むことができる。すなわち、バッテリ期限データ、バッテリ30に行われた充電サイクルの回数、バッテリ30が受けたオートクレーブ処置又はサイクルの回数である。他のフィールドは、バッテリ30によって生成される信号の公称開回路電圧608、バッテリ30が生成することができる電流610、及び利用可能なエネルギーの量612(例えば、ジュールで表す)を示すことができる。
【0066】
バッテリ30に対する充電命令614はフィールド602に記憶することができる。このデータは、米国特許第6,018,227号及び同6,184,655号に開示されているバッテリのメモリに記載されているタイプのデータを含むことができ、上記特許の開示内容は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0067】
フラッシュメモリ504はまた、バッテリ30の充電履歴616及びオートクレーブ履歴618を記載するデータも含む。例えば、バッテリ30の充電履歴616の一部として、バッテリ30が充電された回数を示すデータとともに、各充電サイクルが開始された及び/又は終了した時刻を示すタイムスタンプを記憶することができる。
【0068】
バッテリ30のオートクレーブ履歴618の一部として、フラッシュメモリ504は、バッテリ30がオートクレーブされた合計回数、及び/又はバッテリ30がオートクレーブ温度であるとみなされる閾値以上の温度にさらされた累積時間量を示すデータを記憶することができる。1つの非限定的な実施形態では、閾値温度は、摂氏約130度である。より具体的な実施形態では、閾値温度は摂氏約134度である。しかしながら、閾値温度は任意の好適な温度とすることができることが理解されるべきである。フィールド602のオートクレーブ処理履歴618はまた、バッテリ30が過度である可能性があるオートクレーブサイクルにさらされた回数及び/又は累積時間量を示すデータも含むことができる。オートクレーブ履歴618はまた、バッテリ30がさらされた最高オートクレーブ温度を示すピークオートクレーブ温度データと、バッテリ30がそのオートクレーブサイクルの各々に対してオートクレーブ内にあった時間量とともに、バッテリ30にオートクレーブが施された単一の最長時間の期間も含むことができる。
【0069】
測定された充電後電圧フィールド620は、各充電の後のバッテリ30の測定された負荷時電圧を示すデータを含む。いくつかの実施形態では、フィールド620は、最新の1回~10回の充電サイクルに対するこれらの測定値のみを含む。別のフィールド622には、その先行する充電サイクル中に測定された最高バッテリ温度を示すデータが記憶される。この場合もまた、フィールド622は、バッテリの最新の1回~10回の充電サイクル中に測定された最高温度を示すデータのみを含むことができる。
【0070】
フラッシュメモリ504はまた、デバイス使用フィールド624も含む。後述するように、デバイス使用フィールド624は、バッテリ30が電力を供給するために採用される器具50又は他の医療デバイスから得られるデータを記憶する。例えば、1つの実施形態では、デバイス使用フィールド624は、バッテリ30が器具50に接続された回数、器具50のトリガを引いた回数、器具50の動作(すなわち、器具50のランタイム)中にバッテリ30が器具50に電力を提供した総時間量、器具50に対して行われた電源サイクルの数、器具50がさらされた最大温度、器具50の電流消費量、器具50の速度ヒストグラム、バッテリ30が相互作用したデバイスのシリアル番号又は他の識別子のリストを示すデータ、及び/又は器具50の他の任意の好適なデータを記憶することができる。しかしながら、デバイス使用フィールド624は患者データを含まないことが理解されるべきである。デバイス使用フィールド624に記憶されたデータは、医療デバイス50の通信モジュールによって送信し、バッテリ通信デバイス424によって受信することができる。
【0071】
図7Aは、充電モジュール402及びバッテリ容器702を備えたシステム700の斜視図である。図7B及び図7Cは、充電モジュール402の一例を備えたシステム700の他の実施形態の斜視図であり、充電モジュール402は、更なる充電ベイ416及び複数のバッテリ容器702を備える。図7Dは、充電モジュール402’(図4Bに示す)及び滅菌可能ラップ703を備えるシステム700’、すなわちシステム700の一実施形態の斜視図である。本明細書においてより十分に記載するように、各バッテリ容器702は、1つ以上のバッテリ30を受け入れることができ、各充電モジュール402及び402’は、1つ以上のバッテリ容器702を受け入れることができる。バッテリ容器702については、図8及び図9を参照してより詳細に後述する。
【0072】
1つの実施形態では、充電モジュール402は、複数の充電ベイ416を含むことができる。例えば、図7Aでは、充電モジュール402は4つの充電ベイ416を備え、図7B及び図7Cでは、充電モジュール402は8つの充電ベイ416を備える。充電モジュール402は、代替的に、6つの別個のベイを有することができる。さらに、充電ベイ416は、任意の好適な方式で配置することができる。例えば、図7Aでは、単一の行Rに、4つの充電ベイ416が配置されている。図7B及び図7Cでは、各行Rが4つの充電ベイ416又は3つのベイを含むように、2つの行Rに8つの充電ベイ416が配置されている。図7B及び図7Cでは、各列Cが2つの充電ベイ416を含むように、8つの充電ベイ416が、4つの列Cに配置されているものとしても述べることができる。代替的に、充電モジュール402は、バッテリ30及び/又はバッテリ容器702の一部を受け入れる単一の充電ベイ416のみを備えることができる。図4Aを参照して上述したように、各充電ベイ416は、充電器コントローラ408に結合されている電力アンテナ406及び通信アンテナ412を備える。各充電ベイ416は、バッテリ容器702の少なくとも一部を受け入れる形状及びサイズである。
【0073】
様々な実施形態において、充電モジュール402は、バッテリ30を充電する任意の好適な形状とすることができる。例えば、図7Dを参照すると、充電モジュール402’の充電ベイ416’は、滅菌可能ラップ703が巻き付けられたバッテリ30を配置することができる、実質的に平坦なワイヤレスパワーコンソーシアム(Qi)充電器等、実質的に平坦な面として示されている。いくつかの実施形態では、充電ベイ416及び416’は、バッテリ30が滑らないように摩擦面を含むことができる。
【0074】
システム700は、1つのバッテリ容器702又は複数のバッテリ容器702を備えることができる。図7Aを参照すると、システム700は、図示するように、充電モジュール402の充電ベイ416の単一の行Rに配置することができる、1つのバッテリ容器702を備える。図7Bでは、システム700は、図示するように、充電モジュール402の充電ベイ416の2つの行Rに配置することができる、2つのバッテリ容器702a及び702bを備える。図7Cでは、システム700は、図示するように、充電ベイ416の4つの列Cに配置することができる、4つのバッテリ容器702c、702d、702e及び702fを備える。図7Dのシステム700’等、システム700のいくつかの実施形態は、滅菌可能ラップ703を備えることができる。こうした実施形態では、滅菌可能ラップ703の内側にバッテリ30を配置することができる。そして、図7Dに示すように、滅菌可能ラップ703が巻き付けられたバッテリ30は、充電ベイ416の上に又は充電ベイ416’の上に配置すると充電することができる。
【0075】
バッテリ容器702の関連するレセプタクル内の各バッテリ30が充電ベイ416に近接して位置決めされるように、バッテリ容器702が充電モジュール402に近接して位置決めされると、バッテリ30は、充電ベイ416の通信アンテナ412を介してバッテリ容器702を通して充電器コントローラ408と通信することができ、充電ベイ416の電力アンテナ406を介して充電電力を受け取ることができる。具体的な実施形態では、バッテリ容器702の各レセプタクルと位置合わせされた突出部が充電モジュール402のそれぞれの充電ベイ416の上に配置されるように、各バッテリ容器702を充電モジュール402の上に配置することができる。
【0076】
さらに、図7Bにおける容器702a又は702b等の第1の容器におけるレセプタクルの数及び対応する突出部の数は、図7Cにおける容器702c、702d、702e又は702f等の第2の容器におけるレセプタクルの数及び対応する突出部の数より多い。再び図7B及び図7Cに示す充電モジュール402を参照すると、充電モジュール402の充電ベイ416の列Cの数は、第1の容器におけるレセプタクル及び突出部の数に対応し、行Rの数は、第2の容器におけるレセプタクル及び突出部の数に対応する。具体的には、図7Bにおいて容器702a又は702bとして示す第1の容器は、4つのレセプタクル及び対応する突出部を備える。図7Cにおいて容器702c、702d、702e又は702fとして示す第2の容器は、2つのレセプタクル及び対応する突出部を備える。したがって、充電モジュール402は、充電ベイ416の4つの列C及び2つの行Rを備える。他の実施形態では、第1の容器及び第2の容器における充電モジュール402の列C及び行Rの数並びにレセプタクル及び突出部の数は、変更することができる。例えば、列Cの数は図7B及び図7Cの実施形態における行Rの数より多いが、他の実施形態では、列Cの数は行Rの数以下とすることができる。
【0077】
充電モジュール402は、充電モジュール402によって充電されているバッテリ30のステータスに関連する情報を提供する複数のインジケータを含むディスプレイ領域706を備えることができる。1つの実施形態では、充電ディスプレイ708は、充電モジュール402の各充電ベイ416に関連する。各充電ディスプレイ708は、充電ベイ416によって充電されているバッテリ30の充電状態を表すインジケータ710(以降、充電状態インジケータ710)と、充電ベイ416によって充電されているバッテリ30の健全性を表すインジケータ712(以降、健全性インジケータ712)とを含む。1つの実施形態では、各バッテリ30の健全性は、「SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING AN AMOUNT OF DEGRADATION OF A MEDICAL DEVICE BATTERY」と題する米国仮特許出願第62/523,494号に記載されているものと同様に決定することができ、上記出願の開示内容は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。各インジケータは、図4A及び図4Bを参照して上述した1つ以上のインジケータデバイス414を使用して実装することができる。したがって、各インジケータは、健全性及び/又は充電状態をユーザに表示するためにインジケータの全て又は一部を照明するLED又は他の光源を備えることができる。代替的に、各インジケータは、ユーザが、各バッテリ30の健全性及び/又は充電状態を表すデータを見ることができるようにする、他の任意の好適なデバイス又はディスプレイを備えることができる。さらに又は代替的に、インジケータのうちの1つ以上は、各バッテリ30の上に又は中に設けることができる。
【0078】
本明細書においてより十分に記載するように、各バッテリ30の健全性及び充電状態を表すデータは、バッテリ30が内部に又は近接して配置される充電ベイ416の通信アンテナ412を通して、バッテリ30によって充電モジュール402に送信することができる。データは、通信アンテナ412から充電器コントローラ408に送信される。充電器コントローラ408は、充電状態インジケータ710及び健全性インジケータ712が、バッテリ30から受信した充電状態データ及び健全性データを反映するように、ディスプレイ領域706を制御する。
【0079】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ領域706はまた、充電モジュール402が位置決めされる環境の周囲温度を表すデータを表示する温度インジケータ714も含む。充電器コントローラ408は、温度センサ(図7Aには示さず)から、検知された周囲温度を示す1つ以上の信号を受信することができる。充電器コントローラ408は、検知された温度をデジタルディスプレイ又は他の任意の好適なディスプレイの形式で表示するように、温度インジケータ714を制御することができる。
【0080】
別の実施形態では、ディスプレイ領域706は、ユーザが選択するか又は押すことができるリフレッシュアイコン716も含む。充電器コントローラ408は、ユーザがリフレッシュアイコン716を選択するか又は押すことに応じて信号を受信することができ、充電器コントローラ408は、応答してディスプレイ領域706のリフレッシュを開始することができる。ディスプレイ領域706のリフレッシュは、各ディスプレイ30の充電状態、各バッテリ30の健全性、及び充電モジュール402が配置される環境の周囲温度の再決定及び再表示を含むことができる。
【0081】
1つの実施形態では、充電モジュール402及び/又はバッテリ容器702は、各バッテリ30及び/又は滅菌容積部902(図9に示す)の滅菌状態を測定する1つ以上のセンサを備えることができる。センサは、測定された滅菌状態を表す信号を充電器コントローラ408に送信することができ、充電器コントローラ408は、ディスプレイ領域706内の関連するインジケータに、測定された滅菌状態を表示させることができる。
【0082】
さらに又は代替的に、充電器コントローラ408は、ディスプレイ領域706内のインジケータに、各バッテリ30及び/又は滅菌容積部902の滅菌状態を表示させることができる。例えば、バッテリ30がバッテリ容器702内に配置され、バッテリ容器702が滅菌されると、バッテリ容器702内の温度センサは、オートクレーブプロセスを示す温度(例えば、摂氏130度を超える温度)又は他の滅菌プロセスを示す温度にバッテリ容器702がさらされていることを検出することができ、メモリ(図示せず)に記憶されたデータのピン又は一部に、滅菌容積部902及び滅菌容積部902内に配置されたバッテリ30が滅菌状態にあるということを反映させることができる。別のセンサが、バッテリ容器702が開放されているとき(例えば、頂部が取り除かれているとき)を検出することができ、メモリに記憶されたデータのピン又は一部に、滅菌容積部902及び滅菌容積部902内に配置されたバッテリ30が既に滅菌状態にない可能性があることを反映させることができる。充電器コントローラ408は、バッテリ容器702の滅菌状態を表す信号を受信することができ、ディスプレイ領域706内のインジケータに滅菌状態を反映させることができる。
【0083】
図8は、バッテリ容器702の底部の斜視図である。図9は、バッテリ容器702の内部の斜視図である。図8及び図9に示す実施形態では、バッテリ容器702は形状が実質的に矩形である。しかしながら、バッテリ容器702は、容器が本明細書に記載するように動作することができるようにする任意の好適な形状とすることができることが理解されるべきである。
【0084】
1つの実施形態では、バッテリ容器702は、任意選択的に、2つの対向する側部804と、2つの対向する端部806と、底部808と、頂部809とを有するハウジング802を備える。1つの実施形態では、ハウジング802は、バッテリ容器702の内部に(図9に示す)滅菌容積部902を提供及び維持するように密閉可能である。1つの実施形態では、1つ以上のバッテリ30を、バッテリ容器702内に設けられた1つ以上の対応するレセプタクル810(図8では仮想線で示す)の内部に取外し可能に配置することができるように、ハウジング802の頂部809(又は別の好適な部分)は取外し可能である。こうした実施形態では、バッテリ容器702は、対応するレセプタクル810と位置合わせされる突出部813を備える。バッテリ容器の外面によって画定された突出部は、レセプタクルと典型的には垂直に位置合わせされ、レセプタクルは、バッテリをレセプタクル内に挿入することにより、バッテリと位置合わせされることになる。したがって、充電器の充電ベイ内にバッテリ容器の突出部を位置決めすることにより、バッテリの1つ以上のアンテナは、充電器の1つ以上のアンテナと機能的に位置合わせされる。
【0085】
さらに、いくつかの実施形態では、ユーザがレセプタクル810内のバッテリ30の存在及び/又はバッテリ30のステータスを見ることができるように、ハウジング802の少なくとも一部は、少なくとも部分的に透明、半透明及び/又は非不透明である。例えば、図1に示すように、バッテリ30は、バッテリ30の充電状態及び/又は健全性を示す、LED等のバッテリステータスインジケータ75を含むことができる。こうした実施形態では、ハウジング802は、透明部分811を含むことができ、バッテリ30がレセプタクル810内に配置されると、バッテリステータスインジケータ75は透明部分811を通して可視とすることができる。別のこうした実施形態では、ハウジング802は、少なくとも部分的に透明とすることができ、バッテリ30がレセプタクル810内に配置されると、バッテリステータスインジケータ75はハウジング802を通して可視とすることができる。
【0086】
1つの実施形態では、各側部804は、滅菌ガスがハウジング802の内部に入ることができるようにする複数の通気孔812を備える。本来はハウジング802の内部に入る可能性がある汚染物質を阻止するか又はその量を最小限にするために、ハウジング802の内部に面する通気孔812の表面にフィルタ(図示せず)を結合することができる。例えば、フィルタは、ハウジング802と協働して、バッテリ容器702全体が滅菌された後に滅菌容積部902の滅菌状態を維持することができる。したがって、滅菌容積部902は、ハウジング802が開放されない限り、バッテリ容器702が非滅菌場所に動かされた場合であっても、滅菌状態で維持することができる。
【0087】
図9を参照すると、上述したように、各レセプタクル810は、バッテリ30を取外し可能に受け入れるようなサイズ及び形状である。図9は、3つのレセプタクル810(及び、図示しない3つの突出部813)を有するバッテリ容器702を示すが、バッテリ容器702を充電モジュール402とともに使用することができるように、バッテリ容器702内に任意の好適な数のレセプタクル810及び対応する突出部813を設けることができることが理解されるべきである。例えば、1つの実施形態では、各バッテリ容器702は、単一のバッテリ30を受け入れる単一のレセプタクル810及び突出部813のみを備えることができる。各突出部813は、各突出部813を充電モジュール402の対応する充電ベイ416の上に配置することができるようなサイズ及び形状である。さらに、各レセプタクル810及び突出部813は、レセプタクル810内に配置されたバッテリ30を充電ベイ416の電力アンテナ406及び通信アンテナ412と位置合わせされた状態で維持することができるように、対応する充電ベイ416と整列するような形状である。
【0088】
1つの実施形態では、バッテリ容器702内に取外し可能なトレイ904を設けることができる。こうした一実施形態では、トレイ904内にバッテリ30を配置することができ、トレイ904は、バッテリ容器702内に配置し、又はバッテリ容器702から取り除くことができる。トレイ904は、1つ以上のハンドル906を備えることができ、1つ以上のハンドル906により、トレイ904を容易に把持し、持ち上げてバッテリ容器702から出し入れすることができる。
【0089】
動作中、バッテリ30は、主に本明細書に記載する実施形態による2つの方法で、滅菌し、所望の使用場所(例えば、手術室)まで移動させることができる。最初に、バッテリ30は、オートクレーブプロセス(又は別の好適なプロセス)で滅菌することができ、バッテリ容器702内に配置することができる。代替的に、滅菌容積部902が好適に滅菌されていることを確実にするために、バッテリ容器702を滅菌することができる。したがって、バッテリ30の滅菌状態が維持されるように、バッテリ30は、バッテリ容器702の滅菌容積部902内の対応するレセプタクル810内に配置される。バッテリ容器702の頂部809(又は他の取外し可能な部分)は、容器702が、微生物が入らないように(microbially)密閉されるように、容器702の上に配置される。そして、バッテリ30及び滅菌容積部902の滅菌状態を維持しながら、バッテリ容器702を所望の使用場所まで搬送するか又は他の方法で移送することができる。
【0090】
代替的に、図7Dに示すように、滅菌可能ラップ703(「ブルーラップ」と呼ぶ場合もある)内にバッテリ30を配置することができる。滅菌可能ラップ703は、滅菌可能ラップ703が取り除かれるまでバッテリ30の滅菌状態が維持されるように、バッテリ30とともに滅菌することができる。滅菌されたバッテリ30は、滅菌可能ラップ703内に保持し、滅菌プロセスの後に充電モジュール402のそれぞれの充電ベイ416の上に配置することができる。そして、バッテリ30は手術室又は他の使用場所で使用する準備ができると、滅菌可能ラップ703からバッテリ30を取り除くことができる。バッテリ30がバッテリステータスインジケータ75を備える実施形態では、図7Dに示すように、滅菌可能ラップ703は透明部分705を含むことができ、バッテリ30が滅菌可能ラップ703内に配置されると、バッテリステータスインジケータ75は、透明部分705を通して可視とすることができる。他の実施形態では、滅菌可能ラップ703は少なくとも部分的に透明とすることができ、バッテリ30が滅菌可能ラップ703内に配置されると、バッテリステータスインジケータ75は、滅菌可能ラップ703を通して可視とすることができる。
【0091】
第2の方法では、滅菌の前に、バッテリ容器702の対応するレセプタクル810内にバッテリ30を配置することができる。そして、バッテリ30が容器702内にあり続ける間に、オートクレーブプロセス(又は他の好適な滅菌プロセス)でバッテリ容器702を滅菌することができる。したがって、この実施形態では、バッテリ30及びバッテリ容器702を合わせて滅菌することができ、滅菌容積部902を滅菌状態で形成又は維持することができる。そして、バッテリ30及び滅菌容積部902の滅菌状態を維持しながら、バッテリ容器702を所望の使用場所まで搬送するか又は他の方法で移送することができる。
【0092】
したがって、本明細書に記載するように、バッテリ30は、微生物が入らないように密閉された滅菌容積部902内に配置することができ、充電モジュール402に近接して配置することができる。バッテリ30が滅菌容積部902内で微生物が入らないように密閉されたままである間に、充電モジュール402は、バッテリ30に充電電力を提供することができる。さらに、バッテリ30が滅菌容積部902内に封入されている間に充電モジュール402はバッテリ30と通信して、バッテリ動作状態、バッテリ状態データ、及び/又は本明細書に記載する他の任意の好適なデータを得ることができる。更に別の代替形態では、滅菌の前に容器702内にバッテリ30を配置することができ、容器702及びバッテリ30が非滅菌状態にある間に、容器702を充電モジュール402に隣接して配置することができ、充電後、容器702が開放されるまで充電されたバッテリ30が滅菌されかつ充電された状態で保管されるように、容器702及びバッテリ30を滅菌することができる。
【0093】
図10図12は、本明細書に記載するバッテリ30及び充電モジュール402と使用することができる、バッテリに電荷を提供する(すなわち、バッテリを「充電する」)例示的な方法1000のフローチャートである。一実施形態では、方法1000は、充電モジュール402及び/又はバッテリ30の1つ以上のメモリデバイス内に記憶されたコンピュータ可読命令を実行することによって実施される。例えば、充電器コントローラ408及び/又はバッテリコントローラ38は、メモリ410及び/又はフラッシュメモリ504内に記憶された命令を実行して、本明細書に記載する方法1000の機能を実施することができる。
【0094】
図10を参照すると、1つの実施形態では、充電モジュール402は、通信アンテナ412を使用可能とするか又はアクティベートして(1002)、充電モジュール402に近接して位置決めされた1つ以上のバッテリ30を検出する。具体的な実施形態では、電力アンテナ406がディアクティベートされている間に、通信アンテナ412がアクティベートされる。通信アンテナ412がアクティベートされると、充電モジュール402は発見モードに入る。発見モードの間、充電モジュール402は、バッテリ30が充電ベイ416に近接して配置されると、バッテリ30が近接していることを検出する。例えば、バッテリ30を含むバッテリ容器702が、バッテリ30が充電ベイ416内に又は充電ベイ416に近接して位置決めされるように、充電モジュール402上に配置されると、通信アンテナ412によって発生するワイヤレス通信電磁界は、バッテリ通信デバイス424内のタグ430を励磁する(1004)。バッテリ30は、最初は、バッテリ30の1つ以上の構成要素(例えば、バッテリコントローラ38)が少なくとも部分的にディアクティベートされている低電力状態にあり得る。さらに又は代替的に、バッテリコントローラ38は、例えば、電磁界の存在に基づいて、バッテリ30が充電モジュール402に近接して配置されているときを検出することができる。
【0095】
タグ430が励起されることに応じて、タグ430内の電磁界検出ピン又はデバイスを設定することができる(1006)。別の実施形態では、本明細書においてより十分に記載するように、バッテリ30が、バッテリ30が近接して位置決めされる充電ベイ416とペアリングされると、電磁界検出ピンを使用可能とすることができる。電磁界検出ピンの設定(1006)により、バッテリ30は、低電力状態から出て(「すなわち、「ウェイクアップ」)、バッテリ30の構成要素がアクティベートされる動作状態又はフルパワー状態に入る。1つの実施形態では、充電モジュール402によって充電電力が提供されるまで(例えば、バッテリ30に充電電力を提供するために電力アンテナ406によって電磁界が確立されるまで)、バッテリ30は、低電力状態及びフルパワー状態中、バッテリセル32から電力を引き出す。
【0096】
本明細書で用いる場合、低電力状態とは、バッテリ30の少なくともいくつかの部分が使用不可となり、バッテリ30が、バッテリの全ての部分が使用可能であるフルパワー状態より少ない電力を消費する、電力状態を指すものとする。1つの実施形態では、バッテリ30が低電力状態にある間、バッテリコントローラ38は、約20ミリアンペア(ma)以下の電流を引き出すことができる。代替的に、低電力状態は、バッテリ30の少なくともいくつかの部分が使用不可となる電力状態として特徴付けることができ、バッテリコントローラ38は、バッテリ30がフルパワー状態にあるときに引き出す電流の5%未満である電流を引き出すほどに、バッテリコントローラ38の一部は使用不可となる。
【0097】
1つの実施形態では、タグ430が、通信アンテナ412によって発生する電磁界によって励磁されると、タグ430又はバッテリ通信デバイス424内のアンテナが、通信アンテナ412にペアリングメッセージを送信して、バッテリ通信デバイス424が通信アンテナ412とペアリングされるようにする(1010)(したがって、バッテリ30を充電ベイ416及び充電モジュール402とペアリングする)。具体的な実施形態では、タグ430はNFCタグであり、NFCタグにより、バッテリ通信デバイス424は、通信アンテナ412によるタグ430の励磁に応じて、NFCプロトコルを使用して通信アンテナ412とペアリングすることができる。代替的に、Bluetooth又は他の任意の好適なプロトコルを用いて、充電モジュール402及び/又は充電ベイ416とバッテリ30をペアリングすることができる。バッテリ30及び充電モジュール402のペアリング中、バッテリ30から認証データを受信して、充電モジュール402がバッテリ30を認証することができるようにすることができる。1つの実施形態では、バッテリ認証データは、タグ430内に記憶することができ、充電モジュール402がバッテリ30を認証することができるように、通信アンテナ412を介して充電器コントローラ408によって読出し可能とすることができる。このように、充電モジュール402は、承認されたバッテリ30のみに充電モジュール402から充電電力が提供されることを確実にすることができる。
【0098】
1つの実施形態では、バッテリ30は、低電力状態から段階的に出ることができる(1008)。第1の段階では、タグ430の励磁(1004)により、バッテリ通信デバイス424は低電力状態から出て、バッテリ通信デバイス424を充電ベイ416とペアリングすることができる。第2の段階では、バッテリ通信デバイス424の充電ベイ416とのペアリングに応じて、バッテリ30の残りの部分(バッテリコントローラ38を含む)は、低電力状態から出ることができる(1008)。代替的に、タグ430の励磁(1004)により、バッテリ30の全ての部分が、実質的に同時に低電力状態から出ることができ、又は、バッテリ30により、低電力状態から出る他の任意の好適な手順を実施することができる。
【0099】
1つの実施形態では、バッテリコントローラ38は、方法1000の次のステップに移る前に、バッテリ30が低電力状態から出た(1008)後、所定量の時間(150ミリ秒又は別の好適な時間等)待機することができる。所定量の時間が経過した後、バッテリコントローラ38は、バッテリ30を「パススルー」モード1012にするように、電磁界検出ピンを再構成することができる。パススルーモード1012では、タグ430内に記憶されたデータは、通信アンテナ412を介して充電モジュール402に送信され、データはまた、充電モジュール402からタグ430に送信することができる。バッテリコントローラ38が非アクティブであり、低電力状態にあり、損傷を受けており、又は他の理由で充電モジュール402及び/又はタグ430と通信することができない場合であっても、タグ430内に記憶されたデータは、充電モジュール402によって読出し可能とすることができることが理解されるべきである。
【0100】
タグ430がペアリングされ、パススルーモードが設定される(1012)と、充電モジュール402は、バッテリ30からバッテリ状態に関するデータ(以降、「バッテリ状態データ」と呼ぶ)の受信(1014)を開始する。1つの実施形態では、充電モジュール402は、バッテリコントローラ38にバッテリ状態データを要求するように、通信アンテナ412を介してバッテリ通信デバイス424に1つ以上のメッセージを送信する。バッテリコントローラ38は、バッテリ通信デバイス424からメッセージを受信し、応答してバッテリ状態データを提供する(1016)。1つの実施形態では、バッテリコントローラ38は、充電モジュール402への送信に備えて、タグ430内にバッテリ状態データを一時的に記憶する。そして、充電モジュール402は、タグ430からバッテリ状態データを直接読み出すことができ、充電モジュール402のメモリ410にバッテリ状態データを記憶することができる。
【0101】
バッテリ状態データは、バッテリ30の充電状態、健全性、及び/又は他の任意の好適なデータを含むことができる。充電状態は、バッテリ30の容量、及びバッテリ30の現充電レベル、又はバッテリ30のフル充電状態に達するために必要な充電量を表すデータを含むことができる。
【0102】
具体的な実施形態では、バッテリコントローラ38は、タグ430の充電モジュール402に送信されるデータの所定ブロックにバッテリ状態データを記憶することができる。データの各ブロックが充電モジュール402に送信される際、充電器コントローラ408は、データのブロックの正常な受信を確認するために、通信アンテナ412を介して確認応答メッセージ又は信号をバッテリコントローラ38に送信する。或る特定の実施形態では、データの各ブロックは64バイトである。代替的に、データの各ブロックは、任意の好適な数のバイトを含むことができる。
【0103】
充電モジュール402は、バッテリ状態データを受信した後、受信したデータを反映するようにディスプレイを更新することができる(1018)。例えば、充電器コントローラ408は、受信したデータに基づいて、充電状態インジケータ710にバッテリ30の現充電状態を反映させるとともに、健全性インジケータ712にバッテリ30の現健全性を反映させるように、ディスプレイ領域706にコマンド又は信号を送信することができる。
【0104】
図11を参照すると、バッテリ状態データが受信され、ディスプレイ領域706が更新された後、充電モジュール402は、バッテリ30にバッテリ動作データを要求することができる(1020)。1つの実施形態では、バッテリ動作データは、図6を参照して上述したようにデータ構造600内に記憶されたデータを含むことができる。さらに又は代替的に、充電モジュール402によって、他の任意の好適なデータを要求及び受信することができる。充電器コントローラ408は、バッテリ動作データを受信するように、通信アンテナ412に信号又は要求を送信することができる。通信アンテナ412は、バッテリ通信デバイス424に信号又は要求を送信することができ(1022)、バッテリ通信デバイス424は、バッテリコントローラ38に信号又は要求を送信する。信号又は要求を受信することに応じて、バッテリコントローラ38は、充電モジュール402への送信に備えて、バッテリ通信デバイス424のタグ430にバッテリ動作データを記憶することができる。
【0105】
具体的な実施形態では、バッテリコントローラ38は、タグ430の充電モジュール402に送信されるデータの所定ブロックにバッテリ動作データを記憶することができる(1024)。上述したものと同様に、データの各ブロックが充電モジュール402に送信される(1026)際、充電器コントローラ408は、データのブロックの正常な受信を確認するために、通信アンテナ412を介して確認応答メッセージ又は信号をバッテリコントローラ38に送信する。或る特定の実施形態では、データの各ブロックは64バイトである。代替的に、データの各ブロックは、任意の好適な数のバイトを含むことができる。充電モジュール402は、バッテリコントローラ38が、バッテリ動作データの送信が完了したことを示すメッセージを送信するまで、バッテリ動作データの追加のブロックを連続的に要求することができる。代替的に、充電モジュール402は、充電モジュール402により所定量のバッテリ動作データが受信されるまで、バッテリ動作データの追加のブロックを連続的に要求することができる。1つの実施形態では、所定量のバッテリ動作データは、3キロバイトのデータを含む。別の実施形態では、所定量のバッテリ動作データは、データ構造600のサイズ(すなわち、データ構造600内に記憶することができるデータの量)を含む。
【0106】
バッテリ動作データの送信が完了した後、充電モジュール402は、バッテリコントローラ38が、充電モジュール402からの充電電力の受取りを開始する準備ができていると応答することを要求するメッセージを、バッテリコントローラ38に送信することができる(1028)。この要求は、「充電準備完了要求」と呼ぶことができる。バッテリコントローラ38は、充電準備完了要求を受信すると、1つ以上のバッテリパラメータが許容可能な範囲内にあるか否かを判断することができる。例えば、バッテリコントローラ38は、セル32から出力される電圧が許容可能な範囲内にあるか否かを判断することができる。バッテリコントローラ38は、バッテリパラメータが許容可能な範囲内にあると判断した場合、バッテリ30が充電電力を受け取る準備ができていることを示すメッセージを、充電モジュール402に返信することができる(1030)。このメッセージは、「充電準備完了確認」と呼ぶことができる。充電準備完了確認メッセージは、バッテリ30(及びその構成要素)が低電力状態から出て、フルパワー状態にあるという、充電器コントローラ408に対する通知としての役割も果たすことができる。バッテリコントローラ38はまた、充電電力の受取りに備えて、バッテリ通信デバイス424を使用不可にするか又はディアクティベートすることもできる。例えば、バッテリコントローラ38は、充電モジュール402が電力供給状態に切り替わっているか、又は他の方法でバッテリ30に充電電力を提供する用意をしているという信号又はメッセージを、充電器コントローラ408から受信することができる。充電モジュール402は、充電準備完了確認を受信すると、図12を参照して記載したようにバッテリ30への充電電力の提供を開始する。しかしながら、バッテリコントローラ38が、充電準備完了確認を送信せず、又は代わりに1つ以上のバッテリパラメータが許容可能な範囲外にあることに起因するエラーメッセージを送信する場合、充電モジュール402は、バッテリ30への電力の供給を阻止することができ、方法1000は終了することができる。
【0107】
1つの実施形態では、エラーメッセージは、バッテリコントローラ38によって実行される自己診断手続き又は他の試験に応答して、バッテリコントローラ38によって生成することができる。例えば、バッテリコントローラ38は、バッテリ30の1つ以上のパラメータを表すセンサ信号を受信することができ、センサ信号を所定の閾値又は使用基準と比較して、バッテリ30が正確に動作しているか又は他の方法で許容可能な健全性状態にあるか否かを判断することができる。エラーメッセージは、バッテリ通信デバイス424を介してバッテリコントローラ38によって送信することができ、通信アンテナ412を介して充電モジュール402によって受信することができる。エラーメッセージは、充電モジュール402の健全性インジケータ712に反映することができる。例えば、健全性インジケータ712は、バッテリ30がエラーを有するか、又は他の方法で充電に対して許容不可能な状態にあり、交換するべきであることを示すことができる。健全性インジケータ712は、テキスト、グラフィック、及び/又は交換が提案されることを示す所定の色を有する照明を表示することにより、バッテリ30を交換するべきであるという指示を表示することができる。
【0108】
図12を参照すると、充電モジュール402は、(例えば、通信アンテナ412への電力を取り除くことにより)通信アンテナ412を使用不可にするか又はディアクティベートし(1032)、(例えば、電力アンテナ406に電力を提供することにより)電力アンテナ406を使用可能にするか又はアクティベートする(1034)ことにより、バッテリ30に充電電力を提供するプロセスを開始する。そして、充電器コントローラ408は、バッテリ30に充電電力を送るために、電力アンテナ406をバッテリアンテナ422に誘導結合しようと試みる(1036)。1つの実施形態では、充電器コントローラ408は、ワイヤレスパワーコンソーシアム(Qi)ワイヤレス充電プロトコルを実行して、バッテリアンテナ422に電力アンテナ406を誘導結合して(1036)バッテリ30に充電電力を提供する。代替的に、充電器コントローラ408は、他の任意の好適なプロトコルを実行して、電力アンテナ406及びバッテリアンテナ422を介してバッテリ30にワイヤレス充電電力を提供することができる。
【0109】
電力アンテナ406及びバッテリアンテナ422が誘導結合された後、充電電力は、充電モジュール402からバッテリ30にそれぞれのアンテナを介してワイヤレスに提供される(1038)。1つの実施形態では、充電器コントローラ408は、充電プロセスを、充電電力が所定量の時間提供されるループで動作させる。一実施形態では、所定量の時間は2分間である。代替的に、所定量の時間は、30秒間又は他の任意の好適な量の時間である。充電プロセスループ中、充電器コントローラ408は、バッテリ充電状態データを受信するようにバッテリ30に要求を周期的に送信する(1040)。バッテリコントローラ38は、要求を受信し、バッテリ30の事前設定された充電状態を含む応答メッセージを充電器コントローラ408に送信する。そして、充電器コントローラ408は、バッテリ30の現充電状態を反映するように、充電状態インジケータ710を更新すること等により、ディスプレイ領域706を更新することができる(1042)。充電器コントローラ408は、バッテリ30がまだフル充電状態に達していないと判断すると、所定量の時間が経過するまで、充電プロセスループを続けることができる。充電電力1038が所定量の時間提供された後、充電器コントローラ408は、電力アンテナ406を使用不可にするか又はディアクティベートし(1044)、方法1000の開始(すなわち、ステップ1002)に戻る。このように、充電器コントローラ408は、バッテリ30がフル充電状態に達するまでループで方法1000が実行されるようにする。代替的に、充電器コントローラ408は、バッテリ30がフル充電されるまで、方法1000の最初に周期的に戻ることなく、バッテリ30に充電電力を連続的に提供することができる(1038)。
【0110】
充電ループの実行中、充電器コントローラ408は、バッテリ30がフル充電状態に達したと判断すると、バッテリ30の充電の完了を反映するように(例えば、充電状態インジケータ710が緑色又は青色等の或る特定の色で照明されるようにすることにより)ディスプレイ領域706を更新することができる。そして、充電器コントローラ408は、バッテリ30への充電電力の提供を停止し、電力アンテナ406を使用不可にするか又はディアクティベートすることができる(1044)。そして、バッテリ30を充電ベイ416及び/又はバッテリ容器702から取り除くことができ、要求に応じて使用することができる。
【0111】
充電プロセス中、バッテリ30は、充電モジュール402が充電モジュールディスプレイ領域706に充電状態及び健全性を表示することに加えて、充電状態及び/又は健全性を視覚的に示すことができる。例えば、バッテリコントローラ38は、バッテリステータスインジケータ75(図1に示す)等の1つ以上のLEDに結合することができる。バッテリコントローラ38は、バッテリ30がフル充電されていないとき、バッテリステータスインジケータ75に第1の色(青色等)の光を放出させることができ、バッテリがフル充電されると、バッテリステータスインジケータ75に第2の色(緑色等)の光を放出させることができる。バッテリコントローラ38は、バッテリ健全性がエラー又は許容不可能なレベルの健全性若しくは劣化を示す場合、バッテリステータスインジケータ75に第3の色(赤色等)の光を放出させることができる。ハウジング802が少なくとも部分的に透明である実施形態では、バッテリステータスインジケータ75からの光の放出は、バッテリ30が容器702内で微生物が入らないように密閉されている場合、ユーザに可視とすることができる。
【0112】
本明細書では、方法1000は、一度に電力アンテナ406又は通信アンテナ412のみがアクティベートされるように動作するものとして記載したが、各アンテナに電力が同時に印加されるように、電力アンテナ406及び通信アンテナ412両方を同時にアクティベートすることができることが理解されるべきである。こうした実施形態では、充電器コントローラ408は、一度に1つのアンテナのみを通してデータが送信されるように、いずれかのアンテナを他方から独立して使用することができる。代替的に、充電器コントローラ408は、同時に両方のアンテナを使用してデータを送信及び/又は受信し、及び/又は電力を送り及び/又は受け取るように、電力アンテナ406及び通信アンテナ412両方を同時に動作させることができる。
【0113】
本開示の様々な実施形態の具体的な特徴を、いくつかの図面には示し他の図面には示していない可能性があるが、これは単に便宜上である。本開示の原理によれば、図面又は他の実施形態のいかなる特徴も、他の任意の図面又は実施形態のいかなる特徴とも組み合わせて参照し及び/又は請求することができる。
【0114】
この記載した説明は、例を用いて、本開示の実施形態を説明し、任意のデバイス又はシステムを作成及び使用すること及び任意の組み込まれた方法を実施すること等、いかなる当業者も実施形態を実施することができるようにする。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想到する他の例を含むことができる。こうした他の例は、特許請求の範囲の文字通りの文言とは異ならない構造的要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の文字通りの文言からわずかな相違で均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるように意図される。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~35の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
1つ以上のオートクレーブ可能バッテリであって、各バッテリはバッテリコントローラを備える、1つ以上のオートクレーブ可能バッテリと、
オートクレーブ可能容器であって、
複数のレセプタクルであって、各レセプタクルは前記バッテリのうちの1つを受け入れるような形状である、複数のレセプタクルと、
複数の突出部であって、各突出部は対応するレセプタクルと位置合わせされる、複数の突出部と
を備える、オートクレーブ可能容器と、
充電デバイスであって、
複数の充電ベイであって、各充電ベイは前記容器の突出部を受け入れるような形状であり、該充電ベイのうちの1つは、
前記容器のレセプタクル内に配置されたバッテリが前記充電ベイの近接範囲内にあることに応じて、該バッテリのバッテリコントローラとの通信を確立するように構成された第1のアンテナと、
前記レセプタクル内に配置された前記バッテリに充電電力を提供するように構成された第2のアンテナと
を備える、複数の充電ベイと、
充電コントローラであって、
前記第1のアンテナが、前記バッテリが前記充電ベイの前記近接範囲内にあることに応じて該バッテリとの通信を確立したか否かを検出し、
前記第1のアンテナが前記バッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する、
ように構成された、充電コントローラと
を備える、充電デバイスと
を備えてなる、滅菌可能な容器内でバッテリを充電するシステム。
(請求項2)
前記容器は、該容器が、微生物が入らないように密閉されたままである間に、滅菌容積部を提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
(請求項3)
前記充電デバイスは、前記容器が、微生物が入らないように密閉されたままである間に、該容器内に配置された前記バッテリに充電電力を提供するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
(請求項4)
前記バッテリは、該バッテリの特徴を示す視覚インジケータを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項5)
前記容器の一部は、前記バッテリが該容器内に配置され、かつ、該容器が、微生物が入らないように密閉されたままであるとき、前記視覚インジケータが前記容器の前記一部を通して可視であるのを可能にするように、少なくとも部分的に透明である、請求項4に記載のシステム。
(請求項6)
前記充電デバイスは、前記充電コントローラが前記第2のアンテナを選択的にアクティベート及びディアクティベートすることができるようにするスイッチング素子を備え、前記充電コントローラは、前記第1のアンテナが前記バッテリコントローラとの通信を確立する間、前記第2のアンテナをディアクティベートするように前記スイッチング素子を制御するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項7)
前記充電デバイスは、前記充電コントローラが前記第1のアンテナを選択的にアクティベート及びディアクティベートすることができるようにするスイッチング素子を備え、前記充電コントローラは、前記第2のアンテナが前記バッテリに充電電力を提供する間、前記第1のアンテナをディアクティベートするように前記スイッチング素子を制御するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項8)
前記バッテリコントローラは、
前記バッテリと前記第1のアンテナとの間に通信が確立されるまで、該バッテリを低電力状態にし、
通信が確立されることに応じて、前記バッテリが前記低電力状態から出るようにするように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項9)
前記充電コントローラは、
前記バッテリが前記低電力状態から出たという指示を受け取り、
前記受け取った指示に応じて前記バッテリに充電電力を提供するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
(請求項10)
前記バッテリは、以前に医療デバイスに結合されており、該バッテリは、該バッテリ及び前記医療デバイスのうちの少なくとも一方のデータを記憶するメモリデバイスを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項11)
前記メモリデバイスは、前記バッテリコントローラとの通信を必要とすることなく、前記充電デバイスの前記第1のアンテナによって直接読出し可能である、請求項10に記載のシステム。
(請求項12)
前記第1のアンテナは、前記バッテリコントローラとの通信を確立した後、該バッテリコントローラからバッテリ認証データを受信するように更に構成され、前記充電コントローラは、前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する前に、前記バッテリ認証データを使用して前記バッテリを認証するように更に構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項13)
1つ以上のオートクレーブ可能バッテリを充電するシステムを動作させる方法であって、該システムは、1つ以上のバッテリであって、各バッテリはバッテリコントローラを備える、1つ以上のバッテリと、バッテリを受け入れるような形状の複数のレセプタクル、及び、対応するレセプタクルと位置合わせされる複数の突出部を備えるオートクレーブ可能容器と、充電コントローラ及び1つ以上の充電ベイを備える充電デバイスであって、各充電ベイは突出部を受け入れるような形状であり、各充電ベイは第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える、充電デバイスとを備え、該方法は、
前記容器の前記複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクル内にバッテリを配置するステップと、
前記レセプタクルに対応する突出部が充電ベイのうちの1つ以上の充電ベイに隣接し、前記バッテリが前記充電ベイの近接範囲内に配置されるように、前記充電デバイスの上に前記容器を配置するステップと、
前記容器の前記レセプタクル内に配置された前記バッテリが前記充電ベイの前記近接範囲内にあることに応じて、前記第1のアンテナにより、該バッテリの前記バッテリコントローラと通信するステップと、
前記充電コントローラにより、前記第1のアンテナが前記バッテリとの通信を確立したことを検出するステップと、
前記第1のアンテナが前記レセプタクル内に配置された前記バッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、前記第2のアンテナにより、前記バッテリに充電電力を提供するステップと
を含んでなる、充電するシステムを動作させる方法。
(請求項14)
前記第2のアンテナを使用して前記バッテリに充電電力を提供する前に、内部に前記バッテリが配置されている前記容器を滅菌するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
(請求項15)
前記第2のアンテナを使用して前記バッテリに充電電力を提供した後に、内部に前記バッテリが配置されている前記容器を滅菌するステップを更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
(請求項16)
前記バッテリは、該バッテリの特徴を示す視覚インジケータを備え、前記方法は、内部に前記バッテリが配置されている前記容器を滅菌するステップと、前記視覚インジケータを使用して前記バッテリのステータスを示すステップとを更に含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
(請求項17)
前記容器の一部は少なくとも部分的に透明であり、前記方法は、前記バッテリが該容器内に配置され、かつ、該容器が、微生物が入らないように密閉されたままであるとき、前記容器の前記一部を通して前記バッテリの前記ステータスを表示するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
(請求項18)
前記充電デバイスは、前記第2のアンテナを選択的にアクティベート及びディアクティベートするスイッチング素子を備え、前記方法は、前記第1のアンテナが前記バッテリコントローラとの通信を確立する間、前記スイッチング素子により、前記第2のアンテナをディアクティベートするステップを更に含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
(請求項19)
前記充電デバイスは、前記第2のアンテナを選択的にアクティベート及びディアクティベートするスイッチング素子を備え、前記方法は、前記第2のアンテナが前記バッテリに充電電力を提供する間、前記スイッチング素子により、前記第1のアンテナをディアクティベートするステップを更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
(請求項20)
前記第1のアンテナが前記バッテリコントローラとの通信を確立した後、該第1のアンテナにより、該バッテリコントローラからバッテリ認証データを受信するステップと、
前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する前に、前記充電コントローラにより、前記バッテリ認証データを使用して前記バッテリを認証するステップと
を更に含む、請求項13~19のいずれか一項に記載の方法。
(請求項21)
前記バッテリと前記第1のアンテナとの間に通信が確立されるまで、前記バッテリを低電力状態にするステップと、
通信が確立されることに応じて、前記バッテリが前記低電力状態から出るようにするステップと
を含む、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
(請求項22)
前記バッテリが前記低電力状態から出たという指示を受け取るステップと、
前記受け取った指示に応じて前記第2のアンテナにより前記バッテリに充電電力を提供するステップと
を更に含む、請求項21に記載の方法。
(請求項23)
前記バッテリは、以前に医療デバイスに結合されており、該バッテリはメモリデバイスを備え、前記方法は、前記バッテリ及び前記医療デバイスのうちの少なくとも一方のデータを前記メモリデバイスに記憶するステップを更に含む、請求項13~22のいずれか一項に記載の方法。
(請求項24)
前記バッテリが、電力が供給されていない状態にある間、前記第1アンテナにより、前記メモリデバイスから前記データを読み出すステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
(請求項25)
バッテリコントローラと、該バッテリコントローラに結合されたパッシブ通信デバイスとを備えるオートクレーブ可能バッテリと、
前記バッテリを入れる滅菌バリアと、
充電デバイスであって、
充電ベイであって、
前記バッテリの前記パッシブ通信デバイスを励磁し、前記励磁されたパッシブ通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立するように構成された第1のアンテナと、
前記バッテリに充電電力を提供するように構成された第2のアンテナと
を備える、充電ベイと、
充電コントローラであって、
前記バッテリの前記パッシブ通信デバイスを励磁し、前記第2のアンテナがディアクティベートされている間に、前記励磁されたパッシブ通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立するように、前記第1のアンテナを制御し、
前記第1のアンテナが前記バッテリコントローラとの通信を確立した後に前記第2のアンテナをアクティベートし、
前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する
ように構成された、充電コントローラと
を備える、充電デバイスと
を備えてなる、オートクレーブ可能バッテリを充電するシステム。
(請求項26)
前記バッテリは、該バッテリの特徴を示す視覚インジケータを備える、請求項25に記載のシステム。
(請求項27)
前記滅菌バリアの一部は、前記バッテリが該滅菌バリア内に入れられ、かつ、該滅菌バリアが、微生物が入らないように密閉されたままであるとき、前記視覚インジケータが、前記滅菌バリアの前記一部を通して可視であるのを可能にするように、少なくとも部分的に透明である、請求項26に記載のシステム。
(請求項28)
バッテリを充電するシステムを動作させる方法であって、該システムは、オートクレーブ可能バッテリであって、バッテリコントローラ及び該バッテリコントローラに結合された通信デバイスを備える、オートクレーブ可能バッテリと、該バッテリを入れる滅菌バリアと、充電コントローラ及び充電ベイを備える充電デバイスであって、該充電ベイが第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える、充電デバイスとを備え、該方法は、
前記滅菌バリア内に前記バッテリを入れるステップと、
前記充電デバイスの上に前記滅菌バリアを配置するステップと、
前記第1のアンテナにより、前記バッテリの前記通信デバイスを励磁するステップと、
前記第1のアンテナにより、前記励磁された通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立するステップと、
前記第1のアンテナが前記バッテリコントローラとの通信を確立した後、前記充電コントローラにより前記第2のアンテナをアクティベートするステップと、
前記第2のアンテナにより、前記バッテリに充電電力を提供するステップと
を含んでなる、バッテリを充電するシステムを動作させる方法。
(請求項29)
1つ以上のオートクレーブ可能バッテリであって、各バッテリはバッテリコントローラを備える、1つ以上のオートクレーブ可能バッテリと、
前記1つ以上のバッテリを入れる1つ以上の滅菌バリアであって、前記1つ以上のバッテリのうちの1つのバッテリが該1つ以上の滅菌バリアのうちの1つの滅菌バリア内に入れられる、1つ以上の滅菌バリアと、
充電デバイスであって、
1つ以上の充電ベイであって、各充電ベイは、
前記滅菌バリア内に入れられた前記バッテリが前記充電ベイの近接範囲内にあることに応じて、該バッテリのバッテリコントローラとの通信を確立するように構成された第1のアンテナと、
前記滅菌バリア内に入れられた前記バッテリに充電電力を提供するように構成された第2のアンテナと
を備える、1つ以上の充電ベイと、
充電コントローラであって、
前記第1のアンテナが、前記バッテリが前記充電ベイの前記近接範囲内にあることに応じて該バッテリとの通信を確立したか否かを検出し、
前記第1のアンテナが前記バッテリとの通信を確立したことを検出することに応じて、前記第2のアンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する
ように構成された、充電コントローラと
を備える、充電デバイスと
を備えてなる、オートクレーブ可能バッテリを充電するシステム。
(請求項30)
前記バッテリは、該バッテリの特徴を示す視覚インジケータを備える、請求項29に記載のシステム。
(請求項31)
前記滅菌バリアの一部は、前記バッテリが該滅菌バリア内に入れられ、かつ、該滅菌バリアが、微生物が入らないように密閉されたままであるとき、前記視覚インジケータが、前記滅菌バリアの前記一部を通して可視であるのを可能にするように、少なくとも部分的に透明である、請求項30に記載のシステム。
(請求項32)
パッシブ通信デバイスと、該パッシブ通信デバイスに結合されたバッテリコントローラとを備えるバッテリであって、該バッテリコントローラは該バッテリを低電力状態にするように構成されている、バッテリと、
前記バッテリを受け入れるような形状であるレセプタクルと、該レセプタクルに位置合わせされる突出部とを備えるオートクレーブ可能容器と、
充電デバイスであって、
前記突出部を受け入れるような形状である充電ベイであって、
1つのアンテナであって、
前記バッテリの前記パッシブ通信デバイスを励磁し、該励磁されたパッシブ通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立し、
前記バッテリに充電電力を提供する
ように構成された、1つのアンテナと
を備える、充電ベイと、
充電コントローラであって、
前記バッテリの前記パッシブ通信デバイスを励磁し、前記バッテリコントローラが、通信が確立されることに応じて前記バッテリを前記低電力状態から出るように、前記励磁されたパッシブ通信デバイスを介して前記バッテリコントローラとの通信を確立するように、前記アンテナを制御し、
前記バッテリコントローラが、前記バッテリが前記低電力状態から出るようにすることに応じて、前記確立された通信を介して前記バッテリを認証するように認証データを受信し、
前記バッテリを認証することに応じて、前記アンテナを介して前記バッテリに充電電力を提供する、
ように構成された、充電コントローラと
を備える、充電デバイスと
を備えてなる、オートクレーブ可能バッテリを充電するシステム。
(請求項33)
前記バッテリは、該バッテリの特徴を示す視覚インジケータを備える、請求項32に記載のシステム。
(請求項34)
前記容器の一部は、前記バッテリが該容器内に配置され、かつ、該容器が、微生物が入らないように密閉されたままであるとき、前記視覚インジケータが、前記容器の前記一部を通して可視であるのを可能にするように、少なくとも部分的に透明である、請求項33に記載のシステム。
(請求項35)
第1のオートクレーブ可能容器及び第2のオートクレーブ可能容器であって、該第1の容器及び該第2の容器の各々は、
複数のレセプタクルであって、各レセプタクルはバッテリを受け入れるような形状である、複数のレセプタクルと、
複数の突出部であって、各突出部は対応するレセプタクルと位置合わせされる、複数の突出部と
を備え、
前記第1の容器におけるレセプタクルの数及び対応する突出部の数は、前記第2の容器におけるレセプタクルの数及び対応する突出部の数より多い、第1の容器及び第2の容器と、
充電デバイスであって、
複数の充電ベイであって、各充電ベイは、前記第1の容器又は前記第2の容器の突出部を受け入れるような形状であり、前記複数の充電ベイは、複数の行及び複数の列で配置されており、列の数は前記第1の容器におけるレセプタクルの前記数に対応し、行の数は前記第2の容器におけるレセプタクルの前記数に対応し、
前記充電ベイの各々は、レセプタクル内に配置された前記バッテリに充電電力を提供するように構成されたアンテナを備える、複数の充電ベイと、
前記アンテナを介して前記レセプタクル内に配置された前記バッテリに充電電力を提供するように構成された充電コントローラと
を備える、充電デバイスと
を備えてなる、オートクレーブ可能バッテリを充電するシステム。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
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図11
図12