(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20220920BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20220920BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20220920BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20220920BHJP
B60W 30/182 20200101ALI20220920BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220920BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W50/08
B60W40/02
B60W40/08
B60W30/182
B60W60/00
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2021100608
(22)【出願日】2021-06-17
(62)【分割の表示】P 2017032396の分割
【原出願日】2017-02-23
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 育規
(72)【発明者】
【氏名】藤村 亮太
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-518447(JP,A)
【文献】特開2012-212351(JP,A)
【文献】米国特許第6714894(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 ~ 60/00
G08G 1/00 ~ 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置における情報処理方法であって、
自動運転可能な車両がおかれる環境を特定するための環境特定情報を取得する環境情報取得部と、
前記環境特定情報に基づいて、前記車両の運転手の前記車両における運転訓練についての訓練条件が満たされるかを判定する判定部と、
前記訓練条件が満たされると判定されることに応じて前記車両の自動運転の解除指示情報を出力する出力部と、を備え、
前記判定部は、前記環境特定情報から特定される環境と前記訓練条件の示す環境との比較結果に応じて前記訓練条件が満たされるかを判定する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動運転可能な車両に搭載される情報処理装置及び当該情報処理装置を動作させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転手の代わりに機械が車両を運転する自動運転車(ロボットカー)の研究が行われている。
【0003】
しかし、現段階では、全自動運転すなわち人が介在することなく機械が車両を運転する自動運転には技術的な課題があり、運転手が運転席に着座し、自動運転が不可能な状況では手動運転を行う必要がある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、運転モードが自動運転から手動運転に移行する前に予め運転手に対して手動運転への移行案内を表示する技術が提案されている。これにより、運転モードが手動運転に移行する前に、予め運転手に自動運転が解除される可能性を認識させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、自動運転中に運転席に着座している運転手は、リラックス状態になりやすい。そのため、突然、運転手の意図によらず運転モードが手動運転に移行した際には、運転手のストレスが急激に高まり、運転手がパニックを起こしてしまう可能性がある。さらには、事故が発生する可能性もある。たとえ、上記特許文献1に開示される技術のように運転モードの移行前に移行案内が表示されたとしても、運転手は虚をつかれ手動運転に移行することを十分に認識できず、パニック状態になるリスクがある。
【0007】
本開示は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、自動運転可能な車両の運転モードが自動運転から手動運転に移行した際に運転手がパニック状態になるリスクを軽減することができる情報処理装置及び当該情報処理装置を動作させるためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置における情報処理方法であって、自動運転可能な車両がおかれる環境を特定するための環境特定情報を取得する環境情報取得部と、前記環境特定情報に基づいて、前記車両の運転手の前記車両における運転訓練についての訓練条件が満たされるかを判定する判定部と、前記訓練条件が満たされると判定されることに応じて前記車両の自動運転の解除指示情報を出力する出力部と、を備え、前記判定部は、前記環境特定情報から特定される環境と前記訓練条件の示す環境との比較結果に応じて前記訓練条件が満たされるかを判定する。
【0009】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、自動運転可能な車両の運転モードが自動運転から手動運転に移行した際に、運転手がパニック状態になるリスクを軽減することができる情報処理装置及び当該情報処理装置を動作させるためのプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1における車両及びサーバを含む情報処理システムの構成の一例を示す図
【
図2】実施の形態1における情報処理装置の構成の一例を示すブロック図
【
図3】実施の形態1における環境情報の構成の一例を示す図
【
図4】実施の形態1におけるユーザ技量情報の構成の一例を示す図
【
図5A】実施の形態1における車両のインストルメントパネルの表示例を示す図
【
図5B】実施の形態1における車両のインストルメントパネルの表示例を示す図
【
図6】実施の形態1における車両のインストルメントパネルの表示例を示す図
【
図7】実施の形態1における情報処理装置が行う運転訓練の開始処理の概要を示すフローチャート
【
図8】実施の形態1における情報処理装置が行う運転訓練の開始処理の詳細を示すフローチャート
【
図9】実施の形態1における情報処理装置が行う運転訓練の終了処理を示すフローチャート
【
図10】実施の形態2における情報処理装置の構成の一例を示すブロック図
【
図11】実施の形態2における情報処理装置が行う自動運転への復帰処理を示すフローチャート
【
図12】実施の形態2の変形例における車両のインストルメントパネルの表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の一態様の基礎となった知見)
上述したように、近年、運転手の代わりに機械が車両を運転する自動運転車(ロボットカー)の研究が行われているが、全自動運転には技術的な課題がある。
【0013】
そのため、現段階では、運転手が運転席に着座し、自動運転が不可能な状況では手動運転を行う技術が一般的である。実際に、運転手が手動運転可能な自動運転車の商品化が試みられている。
【0014】
しかし、運転手が手動運転可能な自動運転車では、突然、運転手の意図によらず運転モードが自動運転から手動運転に移行してしまう場合がある。虚をつかれた運転手はパニック状態になってしまい、正確な運転ができなくなりかねない。最悪の場合、事故が発生する可能性がある。
【0015】
以上を鑑みて、発明者は、自動運転からの移行に基づく手動運転の訓練を運転手に行わせることを想到するに至った。
【0016】
このような課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、自動運転可能な車両に搭載される情報処理装置であって、前記車両がおかれる環境を特定するための環境特定情報を取得する環境情報取得部と、前記環境特定情報に基づいて、前記車両の運転手の前記車両における運転訓練についての訓練条件が満たされるかを判定する判定部と、前記訓練条件が満たされると判定されることに応じて前記車両の自動運転の解除指示情報を出力する出力部と、を備える。
【0017】
この構成により、運転手は自動運転からの移行に基づく手動運転を訓練することができるので、運転モードが自動運転から手動運転へ突然に移行したとしても、運転手がパニック状態になるリスクを軽減させることができる。
【0018】
ここで、例えば、前記判定部は、前記環境特定情報から特定される環境と前記訓練条件の示す環境との比較結果に応じて前記訓練条件が満たされるかを判定してもよい。
【0019】
また、例えば、前記訓練条件は、前記運転手の技量情報に応じて設定される条件を含んでもよい。
【0020】
また、例えば、前記技量情報は、特定の環境における運転の可否又は習熟の程度であってもよい。
【0021】
また、例えば、前記訓練条件は、前回の訓練に関する条件を含み、前記前回の訓練に関する訓練情報を取得する訓練情報取得部をさらに備え、前記判定部は、さらに前記訓練情報に基づいて、前記前回の訓練に関する条件が満たされるかを判定してもよい。
【0022】
また、例えば、前記前回の訓練に関する条件は、前回の訓練が行われた時点から所定の時間が経過したことを含み、前記訓練情報は、前回の訓練が行われた時点からの経過時間を特定するための情報を含み、前記判定部は、前記訓練情報から特定される前記経過時間が前記所定の時間を超過しているかを判定してもよい。
【0023】
また、例えば、前記前回の訓練に関する条件は、前回の訓練が行われた時点から前記車両が所定の距離を走行したことを含み、前記訓練情報は、前回の訓練が行われた時点からの前記車両の走行距離を特定するための情報を含み、前記判定部は、前記訓練情報から特定される前記走行距離が前記所定の距離を超過しているかを判定してもよい。
【0024】
また、例えば、さらに、前記車両の自動運転が解除される前に、前記運転訓練が行われる旨の提示を制御する提示制御部を備えてもよい。
【0025】
また、例えば、さらに、前記運転訓練中の前記車両の走行情報と、前記車両において自動運転が行われる場合に推定される走行情報との差分に基づいて、前記出力部に自動運転の設定指示情報を出力させる監視部を備えてもよい。
【0026】
この構成により、手動運転訓練中に運転手が誤った手動運転を行った際に運転モードを自動運転に切り替えることができるので、手動運転訓練時の運転手の安全性を高めることができる。
【0027】
また、例えば、前記環境特定情報は、時間情報を含んでもよい。
【0028】
また、例えば、前記環境特定情報は、地図情報又は交通情報を含んでもよい。
【0029】
また、例えば、前記環境特定情報は、前記車両外又は前記車両内をセンシングするセンサにより取得されるセンサ情報を含んでもよい。
【0030】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一態様を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。またすべての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0032】
(実施の形態1)
[車両1の構成]
まず、実施の形態1における情報処理装置10が搭載される車両1について説明する。
【0033】
車両1は、例えば自動車であり、運転手の代わりに機械が運転できる車両すなわち自動運転可能な車両である。また、車両1は、運転席に着座した運転手が、機械による自動運転が不可能な状況では手動運転を行うといった手動運転可能な車両である。自動運転と手動運転とは切り替えられる。なお、当該自動運転は、運転手が介在することなく行われる全自動運転及び運転手が運転の一部を行う半自動運転を含む。
【0034】
図1は、実施の形態1における車両1及びサーバ14を含む情報処理システムの構成の一例を示す図である。当該情報処理システムは、車両1及びサーバ14を備える。
図1に示す車両1は、情報処理装置10と、自動運転制御部11と、機器群12とを備える。
【0035】
<情報処理装置10>
情報処理装置10は、自動運転可能な車両1に搭載され、車両1の運転者に対して、定期的又は突発的に運転を訓練させるための装置である。
【0036】
<自動運転制御部11>
自動運転制御部11は、車両1の加速、操舵及び制動などの車両1の走行制御を人による操作なしで行う。また、自動運転制御部11は、車両1の運転モードを切り替える。例えば、自動運転制御部11は、情報処理装置10から車両1の自動運転の解除指示情報を取得すると、車両1の自動運転を解除、すなわち運転モードを自動運転から手動運転に移行する。
【0037】
<機器群12>
機器群12は、車両1がおかれる環境を特定するための環境特定情報を取得する。具体的には、機器群12は、車両1の周囲の環境を検知または計測する複数の機器及び車両1の周囲の環境を推測するための情報を取得する機器を備える。本実施の形態では、一例として、機器群12は、イメージセンサ121、測距センサ122、測位機器123、時計機器124及び通信機器125を備える。
【0038】
イメージセンサ121は、例えば単眼カメラまたはステレオカメラである。イメージセンサ121は、車両1の前方、後方及び側方の少なくとも一方向を撮影する。
【0039】
測距センサ122は、例えばレーダ機器またはレーザを使用した測距機器である。測距センサ122は、車両1の周辺にある物体との距離を測定する。ここで、物体とは人物、車両1周辺の車両、道路または壁などである。
【0040】
測位機器123は、例えばGPS(Global Positioning System)を使用し、車両1の位置を取得する。なお、測位機器は、路側器と通信することにより車両1の位置を推定してもよい。
【0041】
時計機器124は、時刻情報を取得するための機器であり、例えばRTC(Real Time Clock)である。なお、時計機器124は、GPS情報から時刻情報を取得してもよい。
【0042】
通信機器125は、インターネットなどのネットワーク13と無線通信方式を用いて接続するための機器である。
図1では、通信機器125は、ネットワーク13を介して、情報処理装置10とサーバ14とを接続する。
【0043】
<サーバ14>
サーバ14は、地図情報及び交通情報を記憶している。例えば、地図情報には、渋滞多発地域または事故多発地点を示す情報が含まれていてもよく、交通情報には渋滞発生情報又は渋滞予測情報が含まれてもよい。
【0044】
[情報処理装置10の構成]
次に、情報処理装置10の構成について説明する。
図2は、実施の形態1における情報処理装置10の構成の一例を示す図である。
【0045】
情報処理装置10は、
図2に示すように、環境情報取得部101と、手動運転訓練部102とを備える。
【0046】
<環境情報取得部101>
環境情報取得部101は、車両がおかれる環境を特定するための環境特定情報を取得する。ここで、環境特定情報は、時間情報、地図情報、交通情報、車両1外又は車両1内をセンシングするセンサにより取得されたセンサ情報を含む。
【0047】
図3は、実施の形態1における環境情報301の構成の一例を示す図である。
【0048】
本実施の形態では、環境情報取得部101は、機器群12から出力されたデータ(環境特定情報)から車両がおかれる環境を示す環境情報301を生成する。なお、機器群12が環境情報301を生成する場合には、環境情報取得部101は、機器群12から環境情報301を取得してもよい。
【0049】
環境情報301は、
図3に示すように、時間情報に基づく環境情報302、地図情報または交通状況を示す交通情報に基づく環境情報303、又は、車両1外又は車両1内をセンシングするセンサから得られるセンサ情報に基づく環境情報304である。なお、環境情報301は、環境情報302~環境情報304のうちの一部であってもよい。
【0050】
環境情報302は、時計機器124から出力された時間情報に基づいて生成される。例えば、環境情報302は、当該時間情報の示す時刻の属する時間帯が夜間であるかを示す情報、及び通勤時間帯であるかを示す情報を含む。
図3では、環境情報取得部101は、夜間であることを示す環境情報302を取得したことが示されている。他方で、通勤時間帯であることを示す環境情報302は取得されてないことが示されている。
【0051】
環境情報303は、通信機器125を介してネットワーク13に接続されているサーバ14から受信される地図情報又は交通情報及び測位機器123から出力される車両1の位置情報に基づいて生成される。例えば、環境情報303は、車両1の位置情報から推定される車両1の周辺にある道路もしくは将来的に走行する可能性がある道路が渋滞していること、または将来的に渋滞するおそれがあることを示す渋滞情報であってもよい。また、環境情報303は、車両1の位置情報から推定される車両1の周辺にある道路もしくは将来的に走行する可能性がある道路が渋滞多発地点又は事故多発地点である旨を示す交通情報であってもよい。
図3では、環境情報取得部101は、渋滞情報及び交通情報のいずれも取得していないことが示されている。
【0052】
環境情報304は、イメージセンサ121及び測距センサ122から出力されたセンサ情報に基づき生成される。具体的には、環境情報304は、センサ情報に基づき検出される周辺の物体の有無を示す情報、天候を示す情報、及び車両1の走行環境を示す情報を含む。例えば、環境情報304は、車両1の前方に他の車両(前方車両)または後方に他の車両(後方車両)が存在するか否かを示す情報を含む。なお、前方とは車両1の進行方向を意味し、後方とは、進行方向と逆の方向を意味する。また、環境情報304は、車両1に対向する車両(対向車両)が存在するか否かを示す情報を含む。また、環境情報304は、車両1の周辺または前方に人物が存在するか否かを示す情報を含む。また、環境情報304は、雨天であるか否かを示す情報及び車両1が走行中の道路が悪路であるか否かを示す情報を含む。また、環境情報304は、車両1が高速走行中であるか否か、カーブ走行中であるか否かを示す情報を含む。
【0053】
図3では、環境情報取得部101は、車両1がカーブ走行しており、対向車両が存在することを示す環境情報304を取得したことが示されている。
【0054】
<手動運転訓練部102>
手動運転訓練部102は、定期的もしくは突発的に運転モードを自動運転から手動運転に移行する制御を行う。これにより、車両1の運転手に運転を訓練させることができる。
【0055】
本実施の形態では、手動運転訓練部102は、
図2に示すように、判定部103と、出力部104とを備える。
【0056】
≪判定部103≫
判定部103は、環境特定情報に基づいて車両1の運転手の車両1における運転訓練についての訓練条件が満たされるかを判定する。ここで、訓練条件は、運転手の技量情報に応じて設定される条件である。判定部103は、環境特定情報から特定される環境と訓練条件の示す環境との比較結果に応じて訓練条件が満たされるかを判定する。
【0057】
図4は、実施の形態1におけるユーザ技量情報401の構成の一例を示す図である。
【0058】
本実施の形態では、ユーザ技量情報401は、運転手の車両運転に関する技量情報である。技量情報は、特定の環境における運転の可否又は習熟の程度である。
【0059】
ユーザ技量情報401は、自動車運転免許取得時の試験結果、ユーザに対する事前アンケート、手動運転時における運転評価等に基づいて生成される。ユーザ技量情報401は、車両1の内部の記憶部(不図示)に格納されていてもよいし、サーバ14に格納されておりネットワーク13を介して判定部103により参照されてもかまわない。
【0060】
図4では、ユーザ技量情報401は、夜間、夜勤時間帯、渋滞、事故多発地点、前方車両、後方車両、人物、雨天、悪路、高速走行、カーブ走行などの環境における運転の可否を示している。
図4では、夜間、渋滞、前方車両、後方車両、人物、雨天、高速走行、及びカーブ走行を示す環境において運転可であることが示されている。
【0061】
判定部103は、環境情報301が示す車両1がおかれる環境が、ユーザ技量情報401に応じて設定される訓練条件の示す環境との比較結果に応じて訓練条件が満たされているかすなわち車両1の運転手に運転訓練を行えるか否かを判定する。
【0062】
訓練条件は、前回の訓練に関する条件を含んでいてもよい。この場合、情報処理装置20は、前回の訓練に関する訓練情報を取得する訓練情報取得部を備えるとよい。そして、判定部103は、さらに、訓練情報に基づいて、前回の訓練に関する条件が満たされるかを判定してもよい。
【0063】
例えば前回の訓練に関する条件が、前回の訓練の行われた時点から所定の時間が経過したことを含み、訓練情報が、前回の訓練の行われた時点からの経過時間を特定するための情報を含むとする。この場合、判定部103は、訓練情報から特定される経過時間が所定の時間を超過しているかを判定すればよい。
【0064】
また、前回の訓練に関する条件が、前回の訓練の行われた時点から車両1が所定の距離を走行したことを含み、訓練情報が、前回の訓練の行われた時点からの車両1の走行距離を特定するための情報を含むとする。この場合、判定部103は、訓練情報から特定される走行距離が所定の距離を超過しているかを判定すればよい。
【0065】
なお、判定部103は、運転訓練の実施日時を、時計機能による実施期間の間隔、規定された走行距離ごと、または人為的に入力された日時を示す情報に基づいて、上記の判定を行うとしてもかまわない。運転訓練の実施日時に関する情報は、車両1の内部の記憶部(不図示)に格納されていてもよいし、サーバ14に格納されおりネットワーク13を介して判定部103により参照されてもかまわない。
【0066】
また、判定部103は、運転訓練の終了判定を行う。本実施の形態では、判定部103は、自動運転制御部11により車両1の自動運転が解除され、車両1の運転手に訓練を実行中であるかと、予め定められた所定の終了条件を満たすかとに基づいて運転訓練の終了判定を行う。また、判定部103は、予め定められた所定の終了条件を満たす場合でも、さらに、自動運転に復帰可能かを判定する。
【0067】
≪出力部104≫
出力部104は、判定部103により訓練条件が満たされると判定されることに応じて車両1の自動運転の解除指示情報を出力する。
【0068】
図5A及び
図5Bは、実施の形態1における車両1のインストルメントパネルの表示例を示す図である。
図5Aには自動運転中の車両1のインストルメントパネルの表示例が示されており、
図5Bには、手動運転中の車両1のインストルメントパネルの一例が示されている。
図5A及び
図5Bに示すインストルメントパネルは、車両1が電気自動車である場合の一例であり、車両1のバッテリ残量を示すバッテリ残量メータ501、車両1のスピードを示すスピードメータ502、及び、車両1のトルクを示すパワーメータ503を有する。また、スピードメータ502の一部領域504または504Bには、車両1の運転モードが示されている。
【0069】
本実施の形態では、判定部103により運転訓練を車両1の運転手に行うことが判定された場合、出力部104は、車両1の自動運転の解除指示情報を一定期間もしくは一定区間の間、自動運転制御部11に出力する。自動運転制御部11が車両1の自動運転を解除し手動運転に移行するまでは、
図5Aのように、車両1のスピードメータ502の一部領域504には、車両1の運転モードが自動運転であることが示される。自動運転制御部11が車両1の自動運転を解除し運転訓練を開始すると、
図5Bのように、車両1のスピードメータ502の一部領域504Bには、車両1の運転モードが手動運転であることが示される。なお、車両1の運転モードを示す例は、これらに限らず、スピードメータ502の色により車両1の運転モードを示してもよい。例えば、車両1の運転モードが手動運転または運転訓練である場合には、スピードメータ502を赤色に表示し、車両1の運転モードが自動運転である場合には、スピードメータ502を青色に表示するとしてもよい。
【0070】
ここで、情報処理装置10が提示制御部をさらに備える場合、出力部104は、車両1の自動運転の解除指示情報を提示制御部に出力してもよい。提示制御部は、車両1の自動運転が解除される前に、運転訓練が行われる旨の提示を制御する。例えば、提示制御部は、インストルメントパネルまたはカーナビゲーションのディスプレイなどの提示部に、運転訓練が行われる旨を提示させる。なお、提示部は、プロジェクタなどの投影部であってもよく、スピーカなどの音声出力部であってもよい。
【0071】
また、出力部104は、車両1の自動運転の解除指示情報を自動運転制御部11に出力する前に、提示制御部に運転訓練を実施するか否かを出力し、提示制御部は、出力に基づく画像をインストルメントパネルなどに表示させてもよい。これにより、車両1の運転手に運転訓練を実施するか否かを選択させることができる。
【0072】
図6は、実施の形態1における車両1のインストルメントパネルの表示例を示す図である。
図5A及び
図5Bと同様の要素には同一の符号を付しており、説明を省略する。
【0073】
提示制御部は、出力部104からの運転訓練を実施するか否かの出力を受けて、
図6のように、車両1のスピードメータ502の一部領域604に車両1の運転手に手動運転に移行する訓練を実施するか否かを提示させてもよい。なお、
図6では、運転訓練を実施するか否かの選択をスイッチもしくはタッチパネルにより行える場合を示しているが、これに限らず音声等で選択させてもよい。
【0074】
なお、提示は、車両1のインストルメントパネルにされる場合に限らず、車両1のカーナビ装置のカーナビ画面または車両1のフロントガラスの表示領域などにされてもよい。
【0075】
また、出力部104は、運転訓練の終了判定の結果に応じて、自動運転制御部11に対して、自動運転に復帰するように指示する旨の設定指示情報(命令)を出力してもよい。
【0076】
[情報処理装置10の動作]
次に、以上のように構成された情報処理装置10の動作について説明する。
【0077】
<運転訓練の開始処理>
図7は、実施の形態1における情報処理装置10が行う運転訓練の開始処理の概要を示すフローチャートである。以下の処理の開始時には、車両1は、自動運転制御部11により走行制御が行われているとして説明する。
【0078】
まず、情報処理装置10は、
図7に示すように、環境特定情報を取得する(S11)。より具体的には、情報処理装置10は、自動運転可能な車両1がおかれる環境を特定するための環境特定情報を取得する。
【0079】
次に、情報処理装置10は、S11で取得した環境特定情報に基づいて訓練条件を満たすか判定する(S13)。より具体的には、情報処理装置10は、S11で取得した環境特定情報に基づいて車両1の運転手の車両1における運転訓練についての訓練条件が満たされるかを判定する。
【0080】
S13において、情報処理装置10は、訓練条件を満たすと判定した場合(S13でYES)、車両1の自動運転の解除指示情報を出力する(S15)。
【0081】
一方、S13において、情報処理装置10は、訓練条件を満たさないと判定した場合(S13でNO)、本処理を終了して、自動運転を継続する。
【0082】
図8は、実施の形態1における情報処理装置10が行う運転訓練の開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図7と同様の要素には同一の符号を付している。ここでも、
図7と同様に、以下の処理の開始時には、情報処理装置10が搭載されている車両1は、自動運転制御部11により走行制御が行われているとして説明する。
【0083】
まず、情報処理装置10は、
図8に示すように、訓練情報に基づき運転訓練を行うかを判定する(S10)。より具体的には、情報処理装置10は、前回の訓練に関する訓練情報に基づいて、前回の訓練に関する条件が満たされるかに応じて運転訓練を行うかの判定を行う。例えば、情報処理装置10は、訓練情報が示す、前回の訓練の行われた時点からの経過時間を特定するための情報に基づいて、前回の訓練の行われた時点から所定の時間が経過したかに応じて運転訓練を行うかの判定を行ってもよい。また、情報処理装置10は、訓練情報が示す、前回の訓練の行われた時点からの車両1の走行距離を特定するための情報に基づいて、前回の訓練の行われた時点から車両1が所定の距離を走行したかに応じて運転訓練を行うかの判定を行ってもよい。また、訓練情報が示す運転訓練の実施日時に基づいて運転訓練を行うかの判定を行ってもよい。なお、これらの例とは別の内容を示す訓練情報に基づいて運転訓練を行うかの判定を行ってもよい。
【0084】
S10において、情報処理装置10は、運転訓練を行うと判定した場合(S10でYES)、環境特定情報を取得する(S11)。例えば、情報処理装置10は、運転訓練の実施日時になった等を判定した場合に、機器群12から出力された環境特定情報から環境情報301を生成する。
【0085】
次に、情報処理装置10は、S11で取得した環境特定情報に基づいて訓練条件を満たすか判定する(S13)。本実施の形態では、情報処理装置10は、環境情報301が示す車両1がおかれる環境が、ユーザ技量情報401に応じて設定される訓練条件示す環境との比較結果に応じて訓練条件が満たしているか否かすなわち運転訓練の開始可否を判定する。
【0086】
S13において、情報処理装置10は、訓練条件を満たさないと判定した場合(S13でNO)、本処理を終了して、自動運転を継続する。なお、情報処理装置10は、訓練条件を満たさないと判定した場合に、運転訓練を実施する日時等を新たに決定するとしてもよい。
【0087】
一方、S13において、情報処理装置10は、訓練条件を満たすと判定した場合(S13でYES)、運転訓練を行う旨を提示部に提示させ(S14)、車両1の自動運転の解除指示情報を出力する(S15)。本実施の形態では、
図5Bを用いて説明したように車両1のインストルメントパネルに、車両1の運転モードが手動運転であることを示すことにより、運転訓練である旨を提示させる。
【0088】
なお、情報処理装置10は、
図6を用いて説明したように、車両1のインストルメントパネルに、車両1の運転手に手動運転に移行する訓練を実施するか否かを提示させて、ユーザに選択させてもよい。この場合、車両1の運転手が運転訓練を実施することを選択したら、情報処理装置10は、車両1の自動運転の解除指示情報を出力すればよい。
【0089】
<運転訓練の終了処理>
図9は、実施の形態1における情報処理装置10が行う運転訓練の終了処理を示すフローチャートである。
【0090】
まず、情報処理装置10は、
図9に示すように、車両1の運転手が運転訓練中であるかを判定する(S21)。本実施の形態では、情報処理装置10は、車両1の自動運転の解除指示情報を出力後、自動運転制御部11が車両1の走行制御を行っていないか否かを判定する。
【0091】
S21において、情報処理装置10は、車両1の運転手が運転訓練中であると判定した場合(S21でYES)、運転訓練の終了要件を満たしているかを判定する(S23)。ここで、終了要件は、例えば、運転訓練を行った「経過時間」、「訓練距離」、「予定訓練終了地点、到着地点等の予め設定された区間の通過」等の情報である。この終了要件に関する情報は、車両1の内部の記憶部(不図示)に格納されていてもよいし、サーバ14に格納されておりネットワーク13を介して参照されていてもかまわない。なお、情報処理装置10は、S21において、車両1が運転手により手動運転の訓練中でない判定した場合(S21でNo)、本処理を終了する。
【0092】
S23において、情報処理装置10は、運転訓練の終了要件を満たしていると判定した場合(S23でYES)、自動運転に復帰可能かを判定する(S25)。本実施の形態では、情報処理装置10は、最新の環境情報304を取得して、車両1の走行制御が可能な状態であるか判定することにより、自動運転に復帰可能かを判定する。なお、情報処理装置10は、S23において運転訓練の終了要件を満たしていないと判定した場合(S23でNo)、本処理を終了する。
【0093】
S25において、情報処理装置10は、自動運転に復帰可能であると判定した場合(S25でYES)、自動運転制御部11に対して、自動運転に復帰するように指示する旨の設定指示情報(命令)を出力する(S27)。これにより、自動運転制御部11は、車両1の走行制御を開始する。
【0094】
なお、情報処理装置10は、S25において車両1が自動運転に復帰可能でないと判定した場合(S25でNo)、車両1の運転手に自動運転に復帰することを予約した旨及び運転訓練を継続する旨をインストメントパネルなどの表示部に表示させてもよい。なお、情報処理装置10は、S25において車両1が自動運転に復帰可能でないと判定した場合(S25でNo)、運転訓練から通常の手動運転に移行した旨を表示部に出力させてもよい。
【0095】
[実施の形態1の効果等]
以上のように、実施の形態1に係る情報処理装置10によれば、運転手に対して定期的または突発的に運転を訓練させることができるので、自動運転から手動運転に移行した際に運転手がパニック状態になるリスクを軽減することができる。
【0096】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における情報処理装置20について説明する。なお、以下では実施の形態1と異なるところを中心に説明する。
【0097】
[情報処理装置20の構成]
情報処理装置20は、情報処理装置10と同様に、自動運転可能な車両1に搭載され、車両1の運転者に対して、定期的または突発的に運転を訓練させるための装置である。
【0098】
図10は、実施の形態2における情報処理装置20の構成の一例を示す図である。
図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0099】
図10に示す情報処理装置20は、実施の形態1に係る情報処理装置10に対して、手動運転訓練部202の構成が異なり、監視部205が追加されている点が異なる。
【0100】
<監視部205>
監視部205は、運転訓練中の車両1の走行情報と、車両1において自動運転が行われる場合に推定される走行情報との差分を監視する。また、監視部205は、監視する差分結果に応じて、出力部204に自動運転の設定指示情報を出力させる。
【0101】
本実施の形態では、監視部205は、出力部204または自動運転制御部11を監視する。より具体的には、監視部205は、出力部204が運転訓練として、車両1の自動運転の解除指示情報を自動運転制御部11に出力したか、または、自動運転制御部11が車両1の自動運転を解除したか、すなわち運転訓練を開始したかを監視する。
【0102】
また、監視部205は、運転訓練を開始したことを検知した場合、車両1において運転訓練が行われず自動運転が行われると仮定した場合に推定される仮想運転を開始する。ここで、仮想運転とは、監視部205に搭載される機能部であって自動運転を担う機械学習に基づく人工知能またはルールベースシステム等を有する機能部が、実際の運転操作に関係なく、運転操作をシミュレートすることである。監視部205は、仮想運転により、車両1において自動運転が行われる場合に推定される仮想走行情報を得る。ここで、仮想走行情報は、機能部が運転操作をシミュレートすることで得ることのできる車両1の仮想速度、仮想加速度及び仮想方向等の各パラメータを示す情報である。
【0103】
また、監視部205は、運転訓練を開始したことを検知した場合、車両1の運転手が運転訓練中の走行情報も得る。
【0104】
そして、監視部205は、仮想走行情報と、運転訓練中における走行情報との差分を算出し、算出した差分が閾値より小さい場合には、運転訓練の継続は可であると判断する。一方、監視部205は、算出した差分が閾値以上の場合には、運転訓練の継続は不可である判断し、出力部204に自動運転の設定指示情報を出力させて、車両1を自動運転に復帰させる。
【0105】
<手動運転訓練部202>
手動運転訓練部202は、定期的もしくは突発的に運転モードを自動運転から手動運転に移行する制御を行う。本実施の形態では、手動運転訓練部202は、
図10に示すように、判定部103と、出力部204とを備える。
【0106】
≪出力部204≫
出力部204は、監視部205の監視結果に応じて、自動運転の設定指示情報を出力する。本実施の形態では、出力部204は、監視部205が監視結果として算出する仮想走行情報と、運転訓練中における走行情報との差分に基づいて、自動運転の設定指示情報を出力し、車両1を自動運転に復帰させる。
【0107】
なお、その他については、出力部204は、実施の形態1の出力部104と同様の機能を有する。すなわち、出力部204は、判定部103により訓練条件が満たされると判定されることに応じて車両1の自動運転の解除指示情報を出力する。また、出力部204は、運転訓練の終了判定の結果に応じて、自動運転制御部11に、自動運転に復帰する旨の設定指示情報(命令)を出力する。
【0108】
[情報処理装置20の動作]
次に、以上のように構成された情報処理装置20の動作について説明する。情報処理装置20が行う運転訓練の開始処理及び運転訓練の終了処理については、
図8及び
図9を用いて説明した実施の形態1における情報処理装置10と同様であるため説明を省略する。以下では、情報処理装置20が行う自動運転への復帰処理について説明する。
【0109】
<自動運転への復帰処理>
図11は、本実施の形態における情報処理装置20が行う自動運転への復帰処理を示すフローチャートである。
【0110】
まず、情報処理装置20は、
図11に示すように、運転訓練が開始されたかを検知する(S31)。本実施の形態では、監視部205は、出力部204が運転訓練として、車両1の自動運転の解除指示情報を自動運転制御部11に出力したか、または、自動運転制御部11が車両1の自動運転を解除したかを監視することで、運転訓練が開始されたことを検知する。
【0111】
S31において、情報処理装置20は、運転訓練が開始されたことを検知した場合(S31でYES)、車両1において自動運転が行われる場合の走行情報を推定する(S32)。なお、S31において、情報処理装置20は、運転訓練が開始されたことを検知しなかった場合(S31でNO)、S31の処理に戻る。
【0112】
本実施の形態では、監視部205は、運転訓練が開始されたことを検知した場合、車両1において運転訓練が行われず自動運転が行われると仮定した場合に推定される仮想運転を開始する。その後、監視部205は、仮想運転により自動運転が行われる場合に推定される仮想走行情報を得つづける。また、監視部205は、運転訓練が開始されたことを検知した場合、車両1の運転手が運転訓練中の走行情報も得つづける。
【0113】
次に、情報処理装置20は、仮想走行情報と運転訓練中の走行情報との差分が閾値以上かを判断する(S33)。本実施の形態では、監視部205は、仮想運転により自動運転が行われる場合に推定される仮想走行情報と、車両1の運転手が運転訓練中の走行情報との差分を算出し、算出した差分が閾値以上かを判断する。
【0114】
S33において、情報処理装置20は、当該差分が閾値以上であると判断した場合(S33でYES)、自動運転の設定指示情報を出力し(S34)、運転手に車両1が自動運転に移行した旨を提示部に提示させる(S35)。本実施の形態では、監視部205は、算出した差分が閾値以上の場合には、運転訓練の継続は不可であると判断し、出力部204に自動運転の設定指示情報を出力させて、車両1を自動運転に復帰させる。そして、出力部204は、車両1の自動運転の解除指示情報を情報処理装置20の内部または外部の提示制御部に出力し、提示制御部にインストメントパネルなどの表示部を制御させることにより、車両1が自動運転に移行した旨を表示部に表示させる。
【0115】
なお、S33において、情報処理装置20は、運当該差分が閾値より小さいと判断した場合(S33でNO)、S31の処理に戻る。
【0116】
[実施の形態2の効果等]
以上のように、実施の形態2に係る情報処理装置20によれば、運転手に対して定期的または突発的に運転を訓練させることができるので、自動運転から手動運転に移行した際に、運転手がパニック状態になるリスクを軽減することができる。
【0117】
さらに、実施の形態2に係る情報処理装置20によれば、仮想運転における車両1の仮想走行情報と、実際の運転訓練中における車両1の走行情報との差分に応じて、自動運転に強制的に復帰させることができる。これにより、車両1の運転手が、運転訓練中に誤った運転操作を行った場合には自動運転に強制的に復帰させることができるので、運転手が誤った運転操作を行いパニック状態になるリスクを軽減させることができる。
【0118】
つまり、実施の形態2に係る情報処理装置20によれば、運転訓練中に運転手が誤った運転を行っても自動運転に切り替えることができるので、運転訓練中の運転手の安全を担保することができる。
【0119】
なお、本実施の形態に係る情報処理装置20は、運転手に対して定期的または突発的に行われる運転訓練中において、運転手が誤った運転を行うと自動運転に切り替えることについて説明したが、これに限らない。以下変形例として説明する。
【0120】
(変形例)
図12は、実施の形態2の変形例における車両1のインストルメントパネルの表示例を示す図である。
図5A~
図6と同様の要素には同一の符号を付しており、説明を省略する。
【0121】
例えば、上述した情報処理装置20は、自動車学校、自動車運転免許試験場等で用いられる自動運転可能な車両に搭載され、教習または試験目的で使用されてもよい。この場合、運転手が車両に搭乗して車両を起動した時点で、運転訓練に移行するとすればよい。そして、運転訓練終了後には、
図12に示すように、車両1のスピードメータ502の一部領域1204に、仮想走行情報と運転訓練中の走行情報との差分に基づく運転手の運転技術の評価または点数を表示してもよい。運転技術の評価または点数は、運転手の運転訓練中の走行が、仮想運転による理想的な仮想走行からどれだけ外れているかなどを示す。また、運転技術の評価または点数は、例えば、上述したような仮想走行情報が示す各パラメータと運転訓練における走行情報が示す各パラメータとの差分値及び予め設定される閾値に基づいて算出することができる。
【0122】
以上、本開示の一態様に係る情報処理装置等について説明したが、本開示は、上記の実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、または、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。例えば、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0123】
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどを備えるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0124】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)を備えるとしてもよい。システムLSIは
、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもあるが、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmablegate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行っても良い。
【0125】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールを備えるとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを備えるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0126】
(4)本開示の一態様は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムまたはソフトウェアであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0127】
(5)また、本開示の一態様は、前記コンピュータプログラム、ソフトウェアまたは前記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0128】
(6)また、本開示の一態様は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0129】
(7)また、本開示の一態様は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0130】
(8)また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を、前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本開示の一態様は、自動運転可能な行うことができる車両に搭載されるECUなどに備えられる情報処理装置及びそのプログラム等に利用できる。
【符号の説明】
【0132】
1 車両
10、20 情報処理装置
11 自動運転制御部
12 機器群
13 ネットワーク
14 サーバ
101 環境情報取得部
102、202 手動運転訓練部
103 判定部
104、204 出力部
121 イメージセンサ
122 測距センサ
123 測位機器
124 時計機器
125 通信接続機器
301、302、303、304 環境情報
401 ユーザ技量情報
501 バッテリ残量メータ
502 スピードメータ
503 パワーメータ
504、604、1204 一部領域