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特許7143506第2タイプフィードバック報告のためのコードブック制限のための方法および装置、ならびに無線通信ネットワークにおける線形結合コードブックのための上位層構成および報告
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】第2タイプフィードバック報告のためのコードブック制限のための方法および装置、ならびに無線通信ネットワークにおける線形結合コードブックのための上位層構成および報告
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20220920BHJP
   H04B 7/0417 20170101ALI20220920BHJP
【FI】
H04B7/0456 300
H04B7/0417
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021504754
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2019085226
(87)【国際公開番号】W WO2020126960
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】18215815.4
(32)【優先日】2018-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19155102.7
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19164947.4
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテーシュ、ラミレディ
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン、マルクス
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】Fraunhofer IIS, Fraunhofer HHI,Enhancements on Type-II CSI reporting[online],3GPP TSG-RAN WG1 #95 R1- 1813130,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1813130.zip>,2018年11月16日
【文献】Intel Corporation,Discussion on Type II CSI compression[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1-1812511,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812511.zip>,2018年11月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0456
H04B 7/0417
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、前記方法は、
複数入力多重出力(MIMO)チャネルを介してネットワークノードから無線信号を受信する工程であって、前記無線信号は、少なくとも1つのダウンリンク(DL)基準信号をDL基準信号構成に従って含む、前記無線信号を受信する工程と、
構成されたリソースブロックのための受信された少なくとも1つのDL基準信号に基づき、MIMOチャネルを推定する工程と、
前記ネットワークノードおよび構成されたサブバンドの複数のアンテナポートのためのプリコーディング行列を計算する工程であって、前記プリコーディング行列は第1コードブックおよび第2コードブックに基づき、結合係数のセットは前記第1コードブックおよび前記第2コードブックから選択された1つ以上のベクトルを複素スケーリング/結合し、前記第1コードブックは、前記プリコーディング行列の1つ以上の送信側空間ビーム成分/ベクトルを含み、前記第2コードブックは、前記プリコーディング行列の1つ以上の遅延成分/ベクトルを含む、前記プリコーディング行列を計算する工程と、
前記ネットワークノードから上位層構成を受信する工程であって、前記上位層構成は、前記第1コードブックからのビームベクトルのサブセットと、前記ビームベクトルに関連する前記結合係数の平均振幅または出力を制限するためのビームベクトル毎の最大許容平均振幅の値とを示すことを備える、前記上位層構成を受信する工程と、
前記ネットワークノードに、チャネル状態情報(CSI)フィードバック、プリコーダ行列インジケータ(PMI)、PMI/ランクインジケータ(PMI/RI)のうちの少なくとも1つを報告する工程であって、CSIフィードバック、PMI、PMI/RIは、構成された前記アンテナポートおよびサブバンドのための前記プリコーディング行列を示すために使用され、前記報告は、前記結合係数のセットの非ゼロ結合係数に関連付けられる少なくとも選択された遅延ベクトルおよび空間ビームベクトルを示すためのビットマップを含む、前記報告する工程と
を備える、UEによって実行される方法。
【請求項2】
第i伝送層の前記プリコーディング行列F(l)=[G (l)T (l)Tは、前記アンテナポートの第1偏波のための二重和表記G (l)と、前記アンテナポートの第2偏波のための二重和表記G (l)とによって表され、
【数1】
【数2】
(l)(u=0,...,U(l)-1)は、Nアンテナポートについての前記第1コードブックから選択されたU(l)個の選択ビーム成分または離散フーリエ変換(DFT)ベースビームベクトルを表し、NとNはそれぞれ、前記ネットワークノードのアンテナアレイの第1次元と第2次元における同一偏波のアンテナポートの数を表し、dp,u,d (l)(d=0,...,D(l)-1)は、前記第2コードブックから選択された第uビームについてのD(l)個の選択遅延成分またはDFTベース遅延ベクトルを表し、DFTベース遅延ベクトルの数D(l)は全てのビームについて同一であり、γp,u,d (l)はU(l)個の選択ビームベクトルおよびU(l)個の選択遅延ベクトルに関連する前記結合係数であり、α(l)は正規化スカラーである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1コードブックからの前記ビームベクトルのサブセットにおける第zビームベクトルに対する最大許容平均振幅の値wは、√{Σ|γp,i,d (l)}≦wによって、第l層の前記結合係数γp,i,d (l)の平均振幅または出力√{Σ|γp,i,d (l)}を制限する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法はさらに、ビットマップBによって、ビームベクトルのサブセット内のビームベクトルと、ビームベクトル毎の最大許容平均振幅の値とを示す工程を含み、
前記ビットマップBは2つの部分としての、第1ビットマップ部分Bと第2ビットマップ部分Bとを含み、B=Bである、
請求項1または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ビットマップ部分Bは、G個のビームグループ(g=1,...,G)を示し、
各ビームグループはR個のビームベクトルを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2ビットマップ部分Bは、RN長ビットシーケンスB=b (g,R-1),...,b (g,0),r=0,...,R-1によって定義され、
(g,r)=b2,0 (g,r),b2,1 (g,r),...,b2,NB-1 (g,r)は、ビームベクトルのサブセットにおける第gビームグループにおける第rビームベクトルについての最大許容平均振幅の値Wg,rを示す長さNのビットシーケンスである、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
=2についての前記最大許容平均振幅の値へのビットb2,0 (g,r),b2,1 (g,r)のマッピングは、次のテーブルで与えられる、
【表1】
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
=1についての前記最大許容平均振幅の値へのビットb2,0 (g,r)のマッピングは、次のテーブルで与えられる、
【表2】
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記報告は、物理アップリンク制御チャネルにおいてアップリンク制御情報で送信され、
前記報告は、第1部分と第2部分とを含む2つの部分を備え、
前記第1部分は、固定されたペイロードサイズを有し、
前記第1部分は、全ての層についての複数の非ゼロ結合係数を示すパラメータを少なくとも備える、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記方法はさらに、層毎のより強い偏波に関連する最強結合係数の位置を示す最強係数インジケータと、層毎のより弱い偏波の結合係数に関連する偏波特有共通振幅値とを報告する工程を備える、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2部分は、第1プリコーディング行列識別子と第2プリコーディング行列識別子とを備え、
前記第1プリコーディング行列識別子は、前記第1コードブックから選択されたサブグループと、層毎の指標の選択されたサブグループとについての複数の選択された空間ビーム指標を備え、
前記第2プリコーディング行列識別子は、全ての層について、層毎にK-1個の位相値とK-1個の振幅値とを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記方法はさらに、前記プリコーディング行列のビーム毎に前記結合係数を量子化して報告する工程を備え、
各結合係数γp,i,j (l)は3つの係数al,p,iとbl,p,i,jとdl,p,i,jの積であり、
γp,i,j (l)=al,p,il,p,i,jl,p,i,jによってγp,i,j (l)は与えられ、
l,p,iは、第iビーム、第p偏波、および第l層に関連する全ての結合係数に渡って共通の振幅を表す実数値の係数であり、
l,p,i,jは、第iビーム、第j遅延ベクトル、第p偏波、および第l層に関連する振幅を表す実数値の正規化された結合係数であり、
l,p,i,jはγp,i,j (l)の位相を示す係数であり、
l,p,i,j=exp(j2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1}、N∈{1,2,3,4}である、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記方法はさらに、前記プリコーディング行列のビーム毎に前記結合係数を量子化して報告する工程を備え、
各結合係数γp,i,j (l)は3つの係数al,p,iとbl,p,i,jとdl,p,i,jの積であり、
γp,i,j (l)=al,p,il,p,i,jl,p,i,jによってγp,i,j (l)は与えられ、
l,p,iは、第p偏波および第l層に関連する全ての結合係数に渡って共通の振幅を表す、偏波特有の実数値の係数であり、
l,p,i,jは、第i空間ビームベクトル、第j遅延ベクトル、第p偏波、および第l層に関連する振幅を表す実数値の正規化された結合係数であり、
l,p,i,jはγp,i,j (l)の位相を示す係数であり、
l,p,i,j=exp((√{-1})2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1}、N∈{1,2,3,4}である、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記振幅al,p,iは、層毎に、少なくとも2つの非ジョイントサブセットに分割され、
各サブセットには、前記量子化のために単一の異なる値が割り当てられる、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
各サブセットは、単一の偏波に対する前記振幅al,p,iを含む、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
第1セットの前記振幅al,p,iは、最強振幅を含み、0ビットで量子化され、報告されず、
第2セットの前記振幅al,p,iは、N=1または2または3または4ビットで量子化され、報告される、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記方法はさらに、前記振幅bl,p,i,jを層毎に少なくとも2つの非ジョイントサブセットに分割する工程を備え、
前記各サブセットには、前記振幅bl,p,i,jの量子化のための単一の値が割り当てられる、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項18】
別個の前記サブセットの第1セットは、ビットマップによって示される、K個の選択された非ゼロ結合係数以下の数に対応する前記振幅bl,p,i,jを含み、
第2セットは、残りの振幅係数を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1セットの前記振幅は、N=2または3ビットで量子化され、報告され、
前記第2セットの前記振幅は、0ビットで量子化され、報告されない、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法はさらに、層毎に、前記位相dl,p,i,jを少なくとも2つの非ジョイントサブセットに分割する工程を含み、
各サブセットには、位相量子化のための単一の値が割り当てられる、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項21】
第1セットは、ビットマップによって示される、K個の選択された非ゼロ結合係数以下の数に対応する前記位相を含み、
第2セットは、残りの位相を含み、
前記第1セットの前記位相は、N=2または3または4ビットで量子化され、報告され、
前記第2セットの前記位相は、0ビットで量子化され、報告されない、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ビットマップは、第1セットおよび第2セットからの報告される位相を示すために使用され、
同一ビットマップは、前記第1セットおよび前記第2セットの前記振幅bl,p,i,jを示すために使用される、
請求項17または21に記載の方法。
【請求項23】
ネットワークノードによって実行される方法であって、前記方法は、
複数入力多重出力(MIMO)チャネルを介してユーザ機器(UE)へ無線信号を送信する工程であって、前記無線信号は、少なくとも1つのダウンリンク(DL)基準信号をDL基準信号構成に従って含む、前記無線信号を送信する工程と、
UEから報告を受信する工程であって、前記報告はチャネル状態情報(CSI)フェードバック、プリコーダ行列インジケータ(PMI)、およびPMI/ランクインジケータ(PMI/RI)のうちの少なくとも1つを含み、CSIフィードバック、PMI、PMI/RIは構成されたアンテナポートおよび構成されたサブバンドのためのプリコーディング行列を示すために使用され、前記プリコーディング行列は第1コードブックと第2コードブックとに基づき、結合係数セットは、前記第1コードブックおよび前記第2コードブックから選択された1つ以上のベクトルを複素スケーリング/結合し、前記第1コードブックは前記プリコーディング行列の1つ以上の送信側空間ビーム成分/ベクトルを含み、前記第2コードブックは前記プリコーディング行列の1つ以上の遅延成分/ベクトルを含む、前記報告を受信する工程と、
前記第1コードブックからのビームベクトルのサブセットと、前記ビームベクトルに関連する結合係数の平均振幅または出力を制限するための前記ビームベクトル毎の最大許容平均振幅の値とを含む上位層構成で、前記UEを構成する工程と、を備え、
前記報告は、前記結合係数のセットの非ゼロ結合係数に関連する少なくとも選択された遅延ベクトルおよび空間ビームベクトルを示すためのビットマップを含む、
ネットワークノードによって実行される方法。
【請求項24】
前記方法はさらに、物理アップリンク制御チャネルにおけるアップリンク制御情報において前記報告を受信する工程を備え、
前記報告は、第1部分および第2部分を含む2つの部分を備え、
前記第1部分は、固定されたペイロードサイズを有し、層毎の非ゼロ結合係数の値を示すパラメータを少なくとも含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
プロセッサ(910)およびメモリ(920)を備えるユーザ機器(900)であって、
前記メモリ(920)は前記プロセッサ(920)によって実行可能な命令を含み、
前記ユーザ機器(900)は、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作する、
ユーザ機器(900)。
【請求項26】
プロセッサ(810)とメモリ(820)とを含むネットワークノード(800)であって、
前記メモリ(820)は、前記プロセッサ(810)によって実行可能な命令を含み、
前記ネットワークノード(800)は、請求項23または24に記載の方法を実行するように動作する、
ネットワークノード(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信の分野に関し、特に、少なくとも新しい無線-(NR-)ベースの無線通信ネットワークシステムのための効率的なフィードバック報告のための方法および装置に関する。フィードバックは、チャネル状態情報(CSI)を含むとともに、上位層構成および線形結合コードブックについての報告を含む。
【背景技術】
【0002】
3GPP第5世代無線通信システムすなわち短縮して5Gとも呼ばれる、新しい無線のような無線通信システムでは、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)信号は、データ信号と、DL制御情報(DCI)および/またはアップリンク制御情報(UCI)を含む制御信号と、および異なる目的のために使用されるいくつかの(a number of)基準信号(RS)とを伝える。無線ネットワークノードまたは無線基地局またはgnodeB(またはgNBまたはgNB/TRP(送信受信ポイント))はそれぞれ、いわゆる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)および物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して、データおよびDCIを送信する。
【0003】
UEは、それぞれいわゆる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)および物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を介して、データおよびUCIを送信する。さらに、gNBおよびそれぞれのユーザ機器(UEまたは無線装置)のDL信号またはUL信号は、チャネル状態情報RS(CSI-RS)、復調RS(DM-RS)、およびサウンディングRS(SRS)を含む1つまたは複数のタイプのRS信号を含むことができる。CSI-RS(SRS)は、DL(UL)システム帯域幅部分にわたって送信され、CSI取得のためにUE(gNB)で使用される。DM-RSは、各PDSCH/PUSCHの帯域幅部分のみに送信され、データ復調のためにUE/gNBによって使用される。
【0004】
5Gの多くの鍵特徴の1つは、先行世代のモバイルシステムと比較して高いシステムスループットを達成するための、多入力多出力(MIMO)伝送スキームの使用である。MIMO伝送は、一般に、データおよび制御情報のプリコーディング行列を使用する信号プリコーディングのために、gNBで使用される正確なCSIの利用可能性を要求する。現在の第3世代パートナーシッププロジェクトリリース15仕様(3GPPリリース15)は、したがって、CSI報告のための包括的なフレームワークを提供する。CSIは、gNBによって送信されて受信されたCSI-RS信号に基づき、UEにおける第1工程で取得される。UEは、推定されたチャネル行列に基づき第2工程で、「コードブック」と呼ばれる所定のセットの行列から、プリコーディング行列を決定する。選択されたプリコーディング行列は、プリコーディング行列識別子(PMI)およびランク識別子(RI)の形式で、第3工程で、gNBに報告される。
【0005】
現在のリリース15NR仕様では、CSI報告のための2つのタイプ(第1タイプおよび第2タイプ)が存在し、両方のタイプがデュアルステージ(すなわち、2つの成分)Wコードブックに依存する。第1コードブックすなわちいわゆる第1段プリコーダWは、空間コードブックとも呼ばれる離散フーリエ変換ベース(DFTベース)行列から、いくつかのビームベクトルを選択するために使用される。第2コードブックすなわちいわゆる第2段プリコーダWは、選択されたビームを結合するために使用される。第1タイプおよび第2タイプのCSI報告の場合、Wはそれぞれ、位相のみの結合係数(combing coefficients)および複素結合係数を含む。さらに、第2タイプのCSI報告については、Wの列数が、構成されたサブバンドの数に依存するように、サブバンド単位でWは計算される。ここで、サブバンドとは、隣接する物理リソースブロック(PRBs)のグループを指す。第2タイプは、第1タイプのCSIフィードバックよりもかなり高い分解能を提供するが、主な欠点は、サブバンドベースで結合係数を報告するための増大したフィードバックオーバーヘッドである。フィードバックオーバーヘッドは、サブバンドの数とともにほぼ直線的に増加し、サブバンドの数に対してかなり大きくなる。リリース15の第2タイプのCSI報告スキームの高いフィードバックオーバーヘッドを克服するために、最近、3GPP RAN#81(非特許文献2)(3GPP無線アクセスネットワーク(RAN)3GPP RAN#81)において、第2段プリコーダWのフィードバック圧縮スキームを検討することが決定されている。
【0006】
本明細書のいくつかの実施形態に従って説明されるように、Wの結合係数を圧縮して効率的に量子化する方法の問題が対処される。
しかし、本発明の実施形態の解決法の詳細な説明に入る前に、先行技術の問題をより良く理解し、本開示の実施形態にしたがって前記問題が解決される方法を説明するために、有益な説明が提供される。
【0007】
[3GPPリリース15デュアルステージプリコーディングおよびCSI報告]
構成(N,N,2)を有するgNBにおけるランクL(Lは2つまでであってもよい)伝送と二重偏波アンテナアレイとを仮定すると、1つの層のための第sサブバンドについてのリリース15二段プリコーダは、以下のように与えられる。
【0008】
【数1】
ここで、プリコーダ行列Wは、アンテナポートの数に対応する2N行と、報告サブバンド/PRBsのためのS列とを有する。行列W1∈C2N1N2×2U(Cは白抜き文字)は、全てのS個のサブバンドに対して同一である、両偏波についての2U個の空間ビームを含む広帯域第1段プリコーダである。Wは、2U個の空間ビームに関連する2U個の広帯域振幅を含む対角行列である。w(s)(wの上にチルダ(~符号))は、第sサブバンドに対する2U個の空間ビームに関連する2U個のサブバンド(サブバンド振幅および位相)複素周波数領域結合係数を含む、第2段プリコーダである。
【0009】
非特許文献1によれば、広帯域振幅行列Wおよびサブバンド結合係数w(s)(wの上にチルダ)の報告および量子化は、以下のように量子化して報告される。
・1の振幅値を有する最強ビームに対応する広帯域振幅は、報告されない。残りの2U-1個のビームに関連する広帯域振幅値は、各振幅値を3ビットで量子化することで報告される。
【0010】
・最初の先頭ビームに関連する係数のサブバンド振幅および位相値は、報告されない(それらは1および0に等しいと仮定される)。
・各サブバンドについて、最初のB-1個の先頭ビーム(最初の先頭ビーム以外)に関連するB個の係数の振幅は、1ビット(量子化レベル[平方根(0.5),1])で量子化される。残りの2U-B個のビームの振幅値は、報告されない(それらは1に等しいと仮定される)。
【0011】
・各サブバンドについて、最初のB-1個の先頭ビーム(最初の先頭ビーム以外)に関連するB-1個の係数の位相値は、3ビットで量子化される。残りの2U-B個のビームの位相値は、2ビットで量子化される。
【0012】
・サブバンド振幅が報告される先頭ビームの数は、構成された空間ビームの総数がそれぞれU=2、3、4の場合、B=4、4または6によって与えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【文献】3GPP TS38.214V15.3.0:3GPP;TSG RAN;NR;データについての物理層手順(リリース15)、2018年9月
【文献】サムソン『改定WID:NRのためのMIMO拡張』(Revised WID:Enhancements on MIMO for NR)、RP-182067、3GPP RAN#81、オーストラリア、ゴールドコースト、2018年9月10日~13日
【文献】シー.オーツゲ(C. Oestges)、ディー.ハンホーネッカー-ジャンヴィエ(D.Vanhoenacker-Janvier)、およびビー.クラークス(B. Clerckx)『1.9GHzでのマクロセルラー指向性チャネルモデリング:クラスタパラメータ化および検証』(Macrocellular directional channel modeling at 1.9GHz:cluster parametrization and validation)、VTC 2005年 春期、スウェーデン、ストックホルム、2005年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ユーザ機器によって実行される方法を改善する余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
[簡単な概要およびいくつかの詳細な説明]
先に開示された欠点を考慮して、少なくともUEおよびgNBまたは無線ネットワークノードを含む無線通信システムにおいて、チャネル状態情報(CSI)フィードバックを提供するための通信デバイスまたは無線デバイスまたはユーザ機器(UE)およびその方法が提供される。前記UEはプロセッサとメモリとを備え、前記メモリは前記プロセッサによって実行可能な命令を含む。UEは、例えば、送信機(例えば、gNBまたは任意の適切なネットワークノードおよび/または無線通信装置)から、MIMOチャネルを介して無線信号を受信するためのトランシーバによって動作可能である。無線信号は、DL基準信号構成に従ってDL基準信号を含む。UEは、例えば、プロセッサによってさらに、
構成されたリソースブロックについての受信されたDL基準信号に基づき、gNBとUEとの間のMIMOチャネルを推定する工程と、
性能メトリックに基づき、gNBおよび構成されたサブバンドのいくつかのアンテナポートのためのプリコーダ行列を計算する工程であって、プリコーダ行列は2つのコードブックと、第1コードブックおよび第2コードブックから選択された1つ以上のベクトルを複素スケーリング/結合するための結合係数のセットとに基づく、前記プリコーダ行列を計算する工程とを動作可能である。
【0016】
第1コードブックは、プリコーダの1つ以上の送信側空間ビーム成分を含む。
第2コードブックは、プリコーダの1つ以上の遅延成分を含む。
UEは、構成されたアンテナポートとリソースブロックとのためのプリコーダ行列を示すために使用される、CSIフィードバックおよび/またはPMIおよび/またはPMI/RIを報告するように動作する。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態によれば、第1コードブックは、プリコーダ行列の空間ビーム成分(N×1ベクトル)を含むサイズN×O1,11,2の第1DFTまたはオーバーサンプリングされたDFTコードブック行列を含む。ここで、NおよびNはそれぞれ、アンテナアレイの第1次元および第2次元における同一の偏波のアンテナポートの数を示す。
【0018】
一般に、2次元(2D)アンテナアレイでは、NおよびNは共に「1」よりも大きく、一方、線形(または1次元(1D))の場合、NまたはNのいずれかは「1」である。より良い理解のために考慮され得るデュアル偏波アンテナアレイのためのアンテナポートの総数は、2Nである。さらに、O1,1∈{1,2,3}およびO1,2∈{1,2,3}は、第1次元および第2次元に対するコードブック行列のオーバーサンプリング係数(oversampling factors)をそれぞれ表す。第2コードブックは、第2DFT、または離散コサイン変換(DCT-)、またはオーバーサンプリングされたDFT-コードブック行列、またはプリコーダ行列の遅延成分(N×1のDFT-/DCT-ベクトルで表される)を含むサイズN×NのオーバーサンプリングされたDFT-コードブック行列を含む。ここでOは、第2コードブック行列のオーバーサンプリング係数O=1,2,・・・を指す。各DFT/DCTベクトルがN個のサブバンドにわたる線形位相増加をモデル化することができるので、第2コードブックの各DFT/DCTベクトルは、(変換されたドメイン内の)遅延に関連付けられる。したがって、ここでは、遅延ベクトルとしてまたは単に遅延として、第2コードブックのDFT/DCTベクトルを以下では参照することができる。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態によれば、第l伝送層のプリコーダ行列F(l)は、3段階構造F(l)=F (l) (l) (l)によって表される。ここで、
(l)は、2Nアンテナポートのための第l層の第1コードブックからのU(l)個の選択されたビーム成分/ビームベクトルを含む。
【0020】
(l)は、構成されたN個のサブバンドのための第uビームの第2コードブックからのD (l)個の選択された遅延ベクトルを含む。ここで、ビーム毎の遅延ベクトルの数D (l)は、複数のビームにわたって同一であっても異なっていてもよい。
【0021】
(l)は、層毎の選択されたU(l)個のビームベクトルとΣ (l)個の遅延ベクトルとを結合するために使用されるいくつかの複素結合係数を含む。
構成された2N個のアンテナポートおよびN個のサブバンドのための第l伝送のプリコーダ行列は、第l伝送のプリコーダ行列F(l)=[G (l)T (l)Tは、アンテナポートの第1偏波についての二重和表記G (l)と、アンテナポートの第2偏波のための二重和表記G (l)とによっても表すことができる。
【0022】
【数2】
【0023】
【数3】
ここで、b (l)(u=0,...,U(l)-1)は、第1コードブックから選択された第u空間ビームベクトル(行列F (l)に含まれる)を表す。dp,u,d (l)(d=0,...,Du(l)-1)は、第2コードブックから選択された第uビームと第p偏波に関連する遅延ベクトル(行列F (l)に含まれる)である。γp,u,d (l)は、第uビーム、第d遅延、および第p偏波に関連する複素結合係数(行列F (l)に含まれる)である。α(l)は正規化スカラーである。
【0024】
簡潔にするために、以下の実施形態では、遅延ベクトルd1,u、d (l)およびd2,u、d (l)は、両偏波にわたって同一であることが例示され、したがってdu、d (l)=d1,u、d (l)=d2,u、d (l)である。
【0025】
しかし、ここでの実施形態は、この例に限定されるものではなく、遅延ベクトルが両偏波で同一でない場合にも適用可能であることを意味する。
[第2コードブック(N,O)の構成]
例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックの構成についてNで示される、上位層(無線リソース制御(RRC)層もしくは媒体アクセス制御-制御要素(MAC-CE))または物理層(第1層すなわちL1)のパラメータオーバーサンプリングを、gNBから受信するように構成することができる。サブバンドNの数の特定の値は、無線チャネルの最大予想遅延拡散に依存しうるとともに、プリコーダ行列の結合係数を計算するためにUEで費やされる計算の複雑さとに依存し得る。したがって、Nの特定の値は、無線チャネル(チャネル遅延拡散のような)およびプリコーダの異なる設計態様に関係づけられるか関連するパラメータに依存してもよい。一例では、Nの値は、構成されたチャネル品質インジケータ(CQI)サブバンド(低い計算複雑性アプローチ)の数と同一であってもよい。別の例では、Nの値は、構成されたPRB(高い計算複雑性アプローチ)の数と同一であってもよいが、本明細書の実施形態の機能に必須ではない。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態によれば、Nの値は、サブバンドサイズNPRBを有するサブバンドの総数によって/として定義することができる。ここでPRBは、物理リソースブロックを表す。ここでNPRBは、サブバンド毎のPRBの数を表す。NPRBの値は、構成されたサブキャリア間隔(SCS:subcarrier spacing)およびチャネルのチャネル遅延拡散のような、直交周波数分割多重(OFDM)送信信号のパラメータに依存し得る。NPRBについての2つの例示的な値は、それぞれ15KHzおよび30KHzのSCSのための、4および2である。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックの構成のために、gNBから上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータオーバーサンプリング係数Oを受信するように構成または動作可能であってもよい。オーバーサンプリング係数は、プリコーダの遅延成分のグリッドサイズを定義する。大きなオーバーサンプリング係数は、プリコーダの遅延成分に対して非常に細かいグリッドをもたらし、性能を向上させることができるが、プリコーダの遅延成分を選択するためのコードブックサイズおよび計算の複雑さも増加させる。
【0028】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックおよび信号の構成に使用されるオーバーサンプリング係数を、オーバーサンプリング係数Oの上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)によってgNBに選択するように、構成されまたは動作する。
【0029】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックの構成についての先験的に知られている(デフォルト)オーバーサンプリング係数Oを使用するように構成されまたは動作する。そのような場合、オーバーサンプリング係数は、構成されたPRBの総数(例えば、全システム帯域幅)に依存し得る。ここで、PRBの総数が特定の予め定められた値よりも大きく、そうでなければより低いオーバーサンプリング係数(例えば、O=4、O=2またはO=1)よりも大きい場合に、より高いオーバーサンプリング係数(例えば、O=8またはO=16)を適用することができる。
【0030】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックのオーバーサンプリング係数に関して能力をシグナリングするように構成され得るかまたは動作可能であり得る。例えば、制限された計算出力を有するUEは、第2コードブックのオーバーサンプリングをサポートすることができず、信号O=1であり得る。したがって、UEが制限された計算出力または計算容量またはCPU出力を有する場合、シグナリングUE能力は有利であり得る。
【0031】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックの構成のためのサブバンドの総数Nについての能力をシグナリングするように構成されまたは動作可能であってもよい。例えば、限られた計算出力を有するUEは、Nについての高い値をサポートすることができない可能性があり、パラメータ(例えば、R=1)をgNBにシグナリングすることによってNについての高い値を示すことができる。他の場合には、より大きな計算出力を有するUEは、Nについての高い値をサポートすることができ、パラメータ(例えば、R=2)をgNBにシグナリングすることによってNについての高い値を示すことができる。したがって、UEが制限された計算出力または計算容量またはCPU出力を有する場合に、シグナリングUE能力は有利であり得る。
【0032】
したがって、UEによって実行される方法は、第2コードブックの構成のためのサブバンドの総数Nに対するUEのシグナリング能力を含む。
[ビーム構成および選択されたビーム指標の報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第l伝送層のための空間ビームの数を表す、上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータU(l)を、gNBから受信するように構成されまたは動作する。第1コードブックから選択された空間ビームの数U(l)および空間ビームベクトルは、典型的には、各伝送層について異なる。しかし、各送信層に対する異なる空間ビームベクトルの報告は、高いフィードバックオーバーヘッドをもたらす可能性がある。本明細書の実施形態に従ってフィードバックオーバーヘッドを低減するために、UEは、有利である伝送層のサブセットについて第1コードブックから同一のビームベクトルを選択するように構成されてもよいし、または動作可能であってもよい。例えば、UEは、第1および第2伝送層のための同一の空間ビームベクトルと、第3および第4伝送層のための異なる(ただし、おそらく同一の)空間ビームベクトルとを選択するように構成されるか動作可能である。
【0033】
[遅延構成および選択された遅延ベクトルの報告]
構成されたU(l)個のビームベクトルと、プリコーダ行列のビーム毎のD (l)個の遅延ベクトルとは、MIMO伝搬チャネルのマルチパス成分に整列される。無線チャネルのマルチパス成分は、マルチパスクラスタの形態で一般に発生し、マルチパスクラスタは、到来角、出発角度、および遅延のような類似のチャネル伝搬パラメータを有するマルチパス成分のグループとして理解され得る(非特許文献3)。無線チャネルの空間ドメインおよび遅延ドメインにおけるクラスタ分布に応じて、プリコーダ行列の各ビームベクトルは、単一のクラスタまたはいくつかのクラスタに関連付けられ、各クラスタは、異なる遅延を有することができる。したがって、プリコーダ行列の一部のビームベクトルは、少数の遅延/遅延ベクトルに関連付けられ、一部のビームベクトルは、多数の遅延/遅延ベクトルに関連付けられなければならない。
【0034】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、ビームベクトル毎に異なる数D (l)の遅延で、または同一の数の遅延を有してサブセット毎に異なる数の遅延を有するビームベクトルのサブセットで構成することができる。構成された遅延の数は、ビームまたはサブグループビーム指標に伴って増加(減少)することができる。UEによる選択された遅延ベクトルは、ビーム指標および/または層指標にわたって非同一、部分的に同一、または完全に同一であってもよい。したがって、本明細書の実施形態は、任意の特定の遅延ベクトルに限定されない。
【0035】
また、前述したように、UEによって実行される方法も提供される。この方法は、
構成されたリソースブロックについての受信されたDL基準信号に基づき、gNBとUEとの間のMIMOチャネルを(前述のように)推定する工程と、
性能メトリックに基づき、gNBおよび構成されたサブバンドのいくつかのアンテナポートについてプリコーダ行列を計算する工程であって、プリコーダ行列は、2つのコードブックと、第1コードブックおよび第2コードブックから選択された1つ以上のベクトルを複素スケーリング/結合するための結合係数のセットとに基づく、プリコーダ行列を計算する工程とを備える。
【0036】
第1コードブックは、プリコーダの1つ以上の送信側空間ビーム成分を含む。
第2コードブックは、プリコーダの1つ以上の遅延成分を含む。
UEは、構成されたアンテナポートおよびリソースブロックのためのプリコーダ行列を示すために使用される、CSIフィードバックおよび/またはPMIおよび/またはPMI/RIを、gNBに報告する。
【0037】
例示的な実施形態によれば、この方法はさらに、第2コードブックの構成についてNで示される、上位層(無線リソース制御(RRC)または媒体アクセス制御-制御要素(MAC-CE)のような)または物理層(第1層またはL1)パラメータオーバーサンプリングを、gNBから受信する工程を含む。
【0038】
別の例示的な実施形態によれば、この方法はさらに、第2コードブックの構成のために、gNBから上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータオーバーサンプリング係数Oを受信する工程を含む。
【0039】
[選択されたビーム指標のビーム構成および報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、この方法はさらに、gNBから、第l伝送層のための空間ビームの数を表す、上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータU(l)を受信する工程を含むことができる。第1コードブックからの空間ビームの数U(l)および選択された空間ビームベクトルは、典型的には、各伝送層毎に異なる。しかし、各送信層に対する異なる空間ビームベクトルの報告は、高いフィードバックオーバーヘッドをもたらす可能性がある。本明細書の実施形態に従ってフィードバックオーバーヘッドを低減するために、この方法は、有利である伝送層のサブセットについて、第1コードブックから同一のビームベクトルを選択することを含む。例えば、UEの場合、この方法は、第1および第2伝送層のための同一の空間ビームベクトルを選択するとともに、第3および第4伝送層のための異なる(ただし、おそらく同一の)空間ビームベクトルを選択するように構成することができる。
【0040】
[遅延構成および選択された遅延ベクトルの報告]
プリコーダ行列のビーム毎の構成されたU(l)個のビームベクトルと、D (l)個の遅延ベクトルとは、MIMO伝搬チャネルのマルチパス成分に整列される。無線チャネルのマルチパス成分は、マルチパスクラスタの形態で一般に発生し、マルチパスクラスタは、到来角、出発角度、および遅延のような類似のチャネル伝搬パラメータを有するマルチパス成分のグループとして理解され得る(非特許文献3)。無線チャネルの空間ドメインおよび遅延ドメインにおけるクラスタ分布に応じて、プリコーダ行列の各ビームベクトルは、単一のクラスタまたはいくつかのクラスタに関連付けられ、各クラスタは異なる遅延を有することができる。したがって、プリコーダ行列の一部のビームベクトルは、少数の遅延/遅延ベクトルに関連付けられ、一部のビームベクトルは、多数の遅延/遅延ベクトルに関連付けられなければならない。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEによって実行される方法は、UEがビームベクトルのサブセット毎に異なる数D (l)の遅延で構成されるか、または同一の数の遅延を有し且つサブセット毎に異なる数の遅延を有するビームベクトルのサブセットで構成されることを含むことができる。構成された遅延の数は、ビームまたはサブグループビーム指標に伴って増加(減少)することができる。UEによる選択された遅延ベクトルは、ビーム指標および/または層指標にわたって非同一であってもよく、部分的に同一であってもよく、または完全に同一であってもよい。したがって、本明細書の実施形態は、任意の特定の遅延ベクトルに限定されない。
【0042】
また、命令を含むコンピュータプログラムも提供され、UEの少なくとも1つのプロセッサ上で命令が実行されたときに、上述されたUEに関係するまたは関連する方法に従って、前記少なくとも1つのプロセッサに、先に開示された方法主題のいずれかに従った方法を命令は実行させる。コンピュータプログラムを含むキャリアもまた提供され、キャリアは、コンピュータ可読記憶媒体、電子信号、光信号または無線信号のうちの1つである。
【0043】
また、gNBまたは無線ネットワークノードまたは無線基地局および無線ネットワークノードまたはgNBによって実行される方法も、提供される。gNBは、少なくとも先に開示された工程を実行するように構成される。gNBによって実行される方法は、方法の項として、「するように構成される」として定義されたものを含む。一例として、gNBにおける方法は、構成されたアンテナポートおよびリソースブロックについてのプリコーダ行列を示すために使用される、CSIフィードバックおよび/またはPMIおよび/またはPMI/RIをUEから受信する工程を含むことができる。
【0044】
例示的な実施形態によれば、gNBによる方法は、第2コードブックの構成についてNで示される、上位層(無線リソース制御(RRC)層または媒体アクセス制御-制御要素(MAC-CE))または物理層(第1層すなわちL1)パラメータオーバーサンプリングをUEに送信する工程を含むことができる。
【0045】
別の例示的な実施形態によれば、この方法はさらに、第2コードブックの構成について、上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータオーバーサンプリング係数OをUEに送信する工程を含む。
【0046】
[選択されたビーム指標のビーム構成および報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、この方法はさらに、第l伝送層についての空間ビームの数を表す上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータU(l)をUEに送信する工程を含むことができる。第1コードブックからの空間ビームの数U(l)および選択された空間ビームベクトルは、典型的には、各伝送層毎に異なる。しかし、各送信層に対する異なる空間ビームベクトルの報告は、高いフィードバックオーバーヘッドをもたらす可能性がある。本明細書の実施形態に従ってフィードバックオーバーヘッドを低減するために、この方法は、有利である伝送層のサブセットについて第1コードブックから同一のビームベクトルを選択する工程を含む。例えば、UEの場合、この方法は、第1および第2伝送層のための同一の空間ビームベクトルを選択するように構成することができ、第3および第4伝送層のための異なる(ただし、おそらく同一の)空間ビームベクトルを選択するように構成することができる。
【0047】
[遅延構成および選択された遅延ベクトルの報告]
プリコーダ行列のビーム毎の構成されたU(l)個のビームベクトルとD (l)個の遅延ベクトルとは、MIMO伝搬チャネルのマルチパス成分に整列される。無線チャネルのマルチパス成分は、マルチパスクラスタの形態で一般に発生しうる。マルチパスクラスタは、到来角、出発角度、および遅延のような、類似のチャネル伝搬パラメータを有するマルチパス成分のグループとして理解され得る(非特許文献3)。無線チャネルの空間ドメインおよび遅延ドメインにおけるクラスタ分布に応じて、プリコーダ行列の各ビームベクトルは、単一のクラスタまたはいくつかのクラスタに関連付けられ、各クラスタは異なる遅延を有することができる。したがって、プリコーダ行列の一部のビームベクトルは、少数の遅延/遅延ベクトルに関連付けられ、一部のビームベクトルは、遅延/遅延ベクトルの多数に関連付けられなければならない。
【0048】
いくつかの例示的な実施形態によれば、gNBによって実行される方法は、UEを構成する工程を含むことができ、UEは、ビームベクトル毎に異なる数D (l)の遅延を有するか、または同一の数の遅延とサブセット毎に異なる数の遅延とを有するビームベクトルのサブセットを有することができる。構成された遅延の数は、ビームまたはサブグループビーム指標に伴って増加(減少)することができる。UEによる選択された遅延ベクトルは、ビーム指標および/または層指標にわたって非同一であってもよく、部分的に同一であってもよく、または完全に同一であってもよい。したがって、本明細書の実施形態は、任意の特定の遅延ベクトルに限定されない。
【0049】
本明細書の実施形態の別の態様によれば、無線基地局またはgNBも提供され、無線基地局は、プロセッサおよびメモリを備える無線基地局である。メモリは前記プロセッサによって実行可能な命令を含み、前記gNBは、上述の方法工程の主題のうちのいずれかを実行するように動作する。
【0050】
また、命令を含むコンピュータプログラムも提供され、上記のgNBに関係するまたは関連する方法に従って、gNBの少なくとも1つのプロセッサ上で命令が実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、先に開示された方法主題のいずれかに従った方法を命令は実行させる。キャリアはまた、コンピュータプログラムを含むように提供され、キャリアは、コンピュータ可読記憶媒体、電子信号、光信号または無線信号のうちの1つである。
【0051】
本明細書の実施形態および利点の例は、添付図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】異なる計算複雑性を有する層のプリコーダ行列のための遅延構成のいくつかの例を示し、ビーム毎の遅延ベクトルを選択し報告するためのフィードバックオーバーヘッドが提供される。
図2】異なる計算複雑性を有する層のプリコーダ行列のための遅延構成のいくつかの例を示し、ビーム毎の遅延ベクトルを選択し報告するためのフィードバックオーバーヘッドが提供される。
図3】異なる計算複雑性を有する層のプリコーダ行列のための遅延構成のいくつかの例を示し、ビーム毎の遅延ベクトルを選択し報告するためのフィードバックオーバーヘッドが提供される。
図4】異なる計算複雑性を有する層のプリコーダ行列のための遅延構成のいくつかの例を示し、ビーム毎の遅延ベクトルを選択し報告するためのフィードバックオーバーヘッドが提供される。
図5】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図6】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図7】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図8】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図9】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図10】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図11】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図12】本明細書のいくつかの例示的な実施形態による振幅報告のためのフィードバックビットの数の例を示す。
図13】本明細書の例示的な実施形態による、無線基地局またはgNBまたはネットワークノードを示す例示的なブロック図である。
図14】本明細書の例示的な実施形態による、UEまたは通信デバイスまたは無線デバイスを示すブロック図である。
図15】空間ビームおよび遅延に対するコードブックサブセット制限の説明図である。第2空間ビームに関連する第3遅延は、隣接するセルUEに高い干渉を引き起こす可能性がある。
図16】N=N=4およびO1,1=O1,2=2のとき、O1,11,2=4個のビームグループからX=2個のビームグループを選択する場合を示している。各ビームグループは、N=16個のベクトルを含む。
図17】4つの異なる色を使用して示された4つの振幅レベルを使用して、N=16個のベクトルを含む1つのビームグループに制限されるビームベクトルを示す。
図18】オーバーサンプリング係数O=4の場合に、4N個の遅延ベクトルのうち、H=2個の遅延グループを選択する場合を示している。
図19】4つの異なる色を使用して示された4個の振幅レベルを使用して、サイズN=8の1つの遅延グループに制限された遅延ベクトルを示す。
図20】N=4の非線形振幅セットAの振幅値の不均一分布を示す。
図21】N=4の線形振幅セットAの、「0」から「1」までの全範囲にわたる振幅値の均等分布を示す。
図22】N=4についての非線形振幅セットからの振幅値の分布と、線形振幅セットからの振幅値の分布との比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
無線ネットワークノード(例えば、無線基地局またはgNB)に関連する前述のプロセスまたは方法の工程を実行するために、本明細書の一部の実施形態は、前述したように、UEからのフィードバックを受信するためのネットワークノードを含む。図13に示すように、ネットワークノードまたは無線基地局またはgNB800は、プロセッサ810または処理回路または処理モジュールまたは処理手段と、受信回路または受信機モジュール840と、送信機回路または送信機モジュール850と、メモリモジュール820と、送信機回路850および受信機回路840を含むことができる送受信機回路または送受信機モジュール830とを含む。ネットワークノード800は、少なくともUEとの間で信号を送受信するためのアンテナ回路を含むアンテナシステム860をさらに備える。アンテナシステムは、先に説明したようにビーム形成を採用する。
【0054】
ネットワークノード500は、2G、3G、4GまたはLTE、LTE-A、5G、WLANと、ビーム形成技術をサポートするWiMaxなどとを含むいずれかの無線アクセス技術に属することができる。
【0055】
処理モジュール/回路810は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ810」と呼ぶことができる。プロセッサ810は、ネットワークノード800およびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)820は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および/または、プロセッサ810によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリを含む。一般に、1つ以上の実施形態におけるネットワークノード800は、本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて動作を実行するように構成された固定またはプログラムされた回路を含むことが理解されるであろう。
【0056】
少なくとも1つのそのような例では、ネットワークノード800は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含み、これらは処理回路内のまたは処理回路にアクセス可能な非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムからのコンピュータプログラム命令を実行するように構成される。ここで、「非一時的な記憶」は、必ずしも永久的または非変更の記憶を意味するものではなく、作業メモリまたは揮発性メモリ内の記憶を含むことができるが、「非一時的な記憶」の用語は、少なくともいくつかの持続性の保存を意味する。プログラム命令の実行は、既に説明した方法の工程のいずれかを含む本明細書に開示された動作を実行するために、処理回路を特別に適合または構成する。さらに、ネットワークノード800は、図13に示されていない追加の構成要素を備えることができることが理解されるであろう。
【0057】
ネットワークノードによって実行される機能および動作についての詳細は既に説明されており、再度繰り返される必要はない。
UEまたは通信デバイスまたは無線デバイスに関連する前述のプロセスまたは方法の工程を実行するために、本明細書の一部の実施形態は、少なくとも新しい無線-(NR)ベースの無線通信ネットワークシステムのための効率的なフィードバック報告を提供するためのUEを含み、フィードバックはチャネル状態情報(CSI)を含む。
【0058】
図14に示されるように、UE900は、プロセッサ910または処理回路または処理モジュールまたは処理モジュールまたは処理手段と、受信機回路または受信機モジュール940と、送信機回路または送信機モジュール950と、メモリモジュール920と、送信機回路950および受信機回路940を含むことができる送受信機回路または送受信機モジュール930とを含む。UE900は、少なくともUEとの間で信号を送受信するためのアンテナ回路を含むアンテナシステム960をさらに備える。アンテナシステムは、先に説明したようにビーム形成を採用する。
【0059】
ネットワークノード500は、ビーム形成技術をサポートする2G、3G、4GまたはLTE、LTE-A、5G、WLAN、およびWiMaxなどを含む無線アクセス技術のいずれかに属することができる。
【0060】
処理モジュール/回路910は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ910」と呼ぶことができる。プロセッサ910は、ネットワークノード900およびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)920は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および/または、プロセッサ910によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリを含む。一般に、1つ以上の実施形態におけるUE900は、本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて動作を実行するように構成された固定またはプログラムされた回路を含むことが理解されるであろう。
【0061】
少なくとも1つのそのような例では、UE900は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、またはFPGA、または他の処理回路を含み、これらは処理回路内のまたは処理回路にアクセス可能な非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムからのコンピュータプログラム命令を実行するように構成される。ここで、「非一時的な記憶」は、必ずしも永久的または非変更の記憶を意味するものではなく、作業メモリまたは揮発性メモリ内の記憶を含むことができるが、その用語は、少なくともいくつかの持続性の保存を意味する。プログラム命令の実行は、既に説明した方法の工程のいずれかを含む本明細書に開示された動作を実行するために、処理回路を特別に適合または構成する。さらに、UE900は、図14に示されていない追加の構成要素を備えることができることが理解されるであろう。
【0062】
UEによって実行される機能および動作についての詳細は既に説明されており、再度繰り返される必要はない。
以下では、異なる計算複雑性を有する層のプリコーダ行列のための遅延構成のいくつかの例と、ビーム毎の遅延ベクトルを選択し報告するためのフィードバックオーバーヘッドとが提供される。図1図4は、遅延構成の異なる例を示す。これらの図は、いくつかの例を示し、実施形態は、これらに限定されるものではないことに留意されたい。以下では、「するように構成される」および「するように動作可能」または「するように適応される」は、同じ意味で使用できる。
【0063】
一例では、第1ビーム(先頭ビーム)についてのD (l)と、第(U-1)ビームについてのDU-1 (l)=UとによってUEは構成され、遅延/遅延ベクトルの数はビーム指標に伴って増加することができる。
【0064】
一例では、第1ビーム(先頭ビーム)についてのD (l)=1と、第(U-1)ビームについてのDU-1 (l)=UとによってUEは構成され、遅延/遅延ベクトルの数はビーム指標に伴って増加することができる。
【0065】
別の例では、第1ビーム(先頭ビーム)についてのD (l)=1と、第(U-1)ビームについてのDU-1 (l)=NとによってUEは構成され、遅延/遅延ベクトルの数はビーム指標に伴って増加することができる。
【0066】
別の例では、第1ビーム(先頭ビーム)についてのD (l)=N個の遅延/遅延ベクトルと、第(U-1)ビームについてのDU-1 (l)=N個の遅延/遅延ベクトルとによってUEは構成され、遅延/遅延ベクトルの数はビーム指標に伴って増加することができる。
【0067】
別の例では、第1ビーム(先頭ビーム)についての単一の遅延/遅延ベクトルと、第2ビームについてのN個の遅延/遅延ベクトルと、第(U-1)ビームについてのN遅延/遅延ベクトルとによってUEは構成され、遅延/遅延ベクトルの数はビーム指標に伴って増加することができる。
【0068】
別の例では、UEは、全てのビームについて同一の数の遅延/遅延ベクトルD (l)=・・・=DU-1 (l)によって構成される。
別の例では、UEは、第1ビーム(先頭ビーム)のための単一の遅延/遅延ベクトルと、残りのビームのためのD (l)=・・・=DU-1 (l)遅延/遅延ベクトルとによって構成される。
【0069】
[(a)遅延ベクトルの報告]
実施形態によれば、UEは、各ビームについて、または各ビームグループについて、gNBへの第2コードブックから選択されたD (l)個の遅延ベクトルのための遅延インジケータを報告することができる。遅延インジケータは、各指標が第2コードブックからの遅延ベクトルに関連付けられるような、指標のセットを指すことができる。
【0070】
実施形態によれば、複数の遅延インジケータを報告するためのフィードバックオーバーヘッドを低減するために、UEは、「共通」(common)の非同一(non-identical)の遅延ベクトルの集合から遅延ベクトルを各ビームについて選択し、単一の遅延インジケータのみを報告するように構成される。共通セットにおける遅延ベクトルの数は、max[D (l)],∀uよりも大きくはない。UEは、したがって、複数の遅延インジケータの代わりに単一の遅延インジケータのみを報告することができ、単一の遅延インジケータは、共通セットからの遅延ベクトルの指標を指す。第uビームに関連する遅延ベクトルは、第(u+1)(または第(u-1))ビームに関連する遅延ベクトルのサブセットと同一であり、その結果、du,d (l)=du’,d (l)=d (l),∀u'≧u(または∀u'≦u)である。例えば、第iビームに関連する遅延ベクトルは、第(i+n)ビーム(n≧1)に関連する遅延ベクトルのサブセットと同一であってもよい。よってUEは、gNBへの第(U-1)ビームの遅延ベクトルに関連するDU-1 (l)指標のみを報告する。
【0071】
実施形態によれば、gNBが選択された遅延ベクトルを共通セットから各ビームに関連付けることができるように、UEは、選択された遅延ベクトルの指標を共通セットからソートされた方法で報告するように構成することができる。ソートに関する情報は、gNBに知られているか、または報告される。一例では、UEは、関連する結合係数の出力/振幅に関する遅延指数を、ビーム全体にわたって減少する順序でソートすることができる。次に、報告中の第1指標は、最強遅延(すなわち、最高出力/振幅を有する結合係数に関連する遅延)に対応することができる。
【0072】
いくつかの遅延構成および単一の遅延インジケータの報告の例は、図1図4に示されている。
実施形態によれば、UEは、単一の遅延インジケータまたは複数の遅延インジケータをgNBに報告しないように構成することができる。そのような場合、UEおよびgNBは、第2コードブックからの遅延ベクトルのセットを先験的に知っている。
【0073】
実施形態によれば、UEは、第2コードブックからの選択された遅延ベクトルに対する遅延インジケータを報告するように構成される。コードブックにおけるDFT/DCT遅延ベクトルは、O個の直交サブグループ/サブ行列にグループ化され得て、サブグループ内の各DFT/DCT遅延ベクトルは、指標に関連付けられ得る。例えば、第2コードブックにO個の遅延ベクトルが存在する場合、O個のサブグループ/サブ行列が存在し、サブグループ/サブ行列内の第1遅延ベクトルが第1指標(「0」)に関連付けられ、第2遅延ベクトルが第2指標(「1」)に関連付けられ、最後の遅延ベクトルが指標(「N-1」)に関連付けられる。T個の遅延DFT/DCTベクトルを選択するための計算複雑性を低減するために、UEは、第2コードブックからのO個のサブグループ/サブ行列のサブグループからT個の遅延ベクトルを選択するように構成することができる。T個の選択されたDFT/DCT遅延ベクトルの指標を報告するとき、UEは、選択されたサブグループ内の選択されたT個の遅延ベクトルについて、グループ指標(0,1,...,O-1)および関連する指標を報告することができる。したがって、選択された遅延ベクトルおよびサブグループ指標を報告するために、T[log(N)]+log(O)フィードバックビットが必要とされる。
【0074】
実施形態によれば、報告されるべき遅延ベクトルの数がサブグループサイズ(N)と比較して大きい場合、サブグループの各遅延ベクトルをN長ビットマップの単一ビットに直接に関連付けることが有益であるとともに、遅延ベクトルの指標を報告する代わりにビットマップを報告することが有益である。次に、フィードバックビットの数は、サブグループ表示のためのビットマップおよびlog(O)ビットを報告するためにNビットに対応する。
【0075】
実施形態によれば、UEは、例えば上位層(RRC)によってグループ指標(0,1,...,O-1)を報告するように構成される一方で、T個の選択されたDFT/DCT遅延ベクトルの指標を報告しないように構成される。
【0076】
実施形態によれば、UEは、例えば上位層(RRC)によってT個の選択されたDFT/DCT遅延ベクトルの指標を報告する一方で、グループ指標を報告しないように構成される。
【0077】
いくつかの例示的な実施形態によれば、遅延インジケータ(報告される場合)の報告に加えて、UEは、ビーム毎の非ゼロ結合係数に関連する選択された遅延ベクトルを示すか、または報告における2U個のビームのための(最高振幅/出力を有する係数に対応する)K個の選択された結合係数を示すことができる。この場合、各ビームの遅延ベクトルは、D (l)長のビットマップに関連付けられる。D (l)は、第uビームの構成された遅延ベクトルの数である。ビットマップ内の各ビットは、max[D (l)],∀u個の共通遅延ベクトルの単一の遅延に関連付けられる。例えば、第1ビットは、第1共通遅延ベクトルに関連付けられ、第2ビットは、同様に第2共通遅延ベクトルに関連付けられる。UE報告は、その後、第uビームについてD (l)長のビットマップを含み、非ゼロ結合係数またはK個の選択された結合係数に関連する選択された遅延ベクトルを示す。遅延/遅延ベクトルが全てのビームに共通であり、ゼロ値の結合係数だけに関連付けられる場合、対応する結合係数は報告されず、ビットマップによって示されない。対応する指標は、gNBに報告される遅延インジケータから除去される。同様に、ビームベクトルがゼロ値の結合係数のみに関連付けられる場合、対応する結合係数は報告されず、ビットマップによって示されない。例えば、第Uビームがゼロ値の結合係数のみに関連付けられる場合、第uビームおよび対応する結合係数に関連するD (l)長のビットマップは報告されない。
【0078】
[(b)パラメータD (l)の構成]
実施形態によれば、UEは、U個のビームおよびL個の伝送層のための上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層パラメータD (l)をgNBから受信するように構成される。遅延ベクトルの数D (l)は、ビーム間で異なっていてもよく、同一でもよく、または部分的に同一でもよい。遅延の数が、既知の方法でビームまたはサブグループビーム指標に伴って増加(減少)する場合、プリコーダ行列の遅延構成についてパラメータD (l)のサブセットのみを信号するか、またはパラメータD (l)のどれも含まないのが十分である。
【0079】
例えば、第1ビーム(先頭ビーム)に対してD (l)=1であり、第(U-1)ビームについてDU-1 (l)=UであるようにUEが構成されている場合、gNBはパラメータD (l)を信号送信しないかもしれない。
【0080】
例えば、第1ビーム(先頭ビーム)に対してD (l)=1であり、第(U-1)ビームについてDU-1 (l)=NであるようにUEが構成されている場合、gNBは、プリコーダ行列の遅延構成について単一のパラメータDU-1 (l)を信号送信することができる。
【0081】
例えば、第1ビーム(先頭ビーム)に対してD (l)=Nであり、第(U-1)ビームについてDU-1 (l)=NであるようにUEが構成されている場合、gNBは、プリコーダ行列の遅延構成について2つのパラメータD (l)およびDU-1 (l)を信号送信することができる。
【0082】
例えば、第1ビーム(先頭ビーム)に対して単一の遅延であり、第2ビームに対してN個の遅延であり、第(U-1)ビームについてN個の遅延であるようにUEが構成されている場合、gNBは、プリコーダ行列の遅延構成について2つのパラメータD (l)およびDU-1 (l)を信号送信することができる。
【0083】
実施形態によれば、UEは、U個のビームおよびL個の伝送層についてのパラメータD (l)を選択し、gNBに報告するように構成される。遅延の数が、ビームまたはサブグループビーム指標とともに既知の方法で増加(減少)することができる場合、プリコーダ行列の遅延構成のためのパラメータD (l)のサブセットのみを報告するか、またはパラメータD (l)のどれも報告しなくても充分である。
【0084】
実施形態によれば、UEは、プリコーダ行列の遅延構成についての事前に知られたパラメータD (l)を使用するように構成される。
[(c)先頭ビームに関連する第1遅延ベクトルの非報告]
実施形態によれば、UEは先頭ビームのための少なくとも1つの遅延ベクトルで構成され、先頭ビームのための第1遅延ベクトルは、第2コードブックからのO個のサブグループ/サブ行列から選択されたサブグループ/サブ行列からの第1遅延ベクトルと同一である。先頭ビームは、最強結合係数(全ての結合係数にわたって最大の出力/振幅を有する係数に対応する)に関連付けられる。
【0085】
実施形態によれば、UEは、先頭ビームの第1遅延ベクトルに関連する指標を報告しないように構成される。これは、UEが、遅延インジケータから先頭ビームの第1遅延ベクトルに関連する指標を除去するように構成され、すなわち、先頭ビームに関連する第1遅延ベクトルに関連する指標が報告されないことを意味する。
【0086】
実施形態によれば、UEは、単一の基準遅延ベクトルに関して、選択された遅延ベクトルを正規化するように構成される。これは、遅延ベクトルの時間/遅延領域における対応する遅延が、単一の基準遅延から減算されることを意味する。基準遅延ベクトルは、先頭ビームの第1遅延ベクトルと同一であってもよい。基準遅延ベクトルはgNBで知られており、したがって、関連する遅延指標はgNBに報告されない。
【0087】
[コードブックサブセット制限]
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックからの遅延ベクトルのサブセットから、ビーム毎および層毎の遅延/遅延ベクトルを選択するように構成される。サブセットにおける遅延ベクトルの数および特定の遅延ベクトルは、UEとgNBとの間のMIMOチャネルインパルス応答(複数)(CIR(複数))の遅延値に関連付けられる。例えば、MIMOチャネルの平均遅延拡散が小さい(視線(Line-of-sight:LOS)チャネル(複数)で典型的に観測される)場合、チャネルインパルス応答のエネルギーは単一の主ピークに集中し、少数の支配的な遅延のみが主ピークに関連付けられる。このような場合、UEは、第2コードブックからいくつかの遅延ベクトルのみを選択する。選択された遅延ベクトルの対応する遅延は、MIMO CIRの支配的なチャネル遅延に関連付けられる。これに対して、チャネルインパルス応答の平均遅延広がりが大きい(非視線(NLOS)チャネル(複数)で観測される)場合、チャネルインパルス応答のエネルギーは1以上のピークに集中し、より多くの支配的なチャネル遅延がCIRのピーク(複数)に関連付けられる。次に、UEは、第2コードブックからより多くの遅延ベクトルを選択する。したがって、典型的なMIMOチャネル設定について、UEによる選択された遅延ベクトルは、主に、第2コードブックからの遅延ベクトルのサブセットに関連付けられる。したがって、第2コードブックのサイズを低減することができ、したがって、UEによって遅延ベクトルを選択するための計算の複雑さを低減することができる。
【0088】
一例では、UEは、第2コードブックのサブセットから遅延ベクトルを選択するように構成され、サブセットは、DFT行列の最初のZベクトルおよび最後のZベクトルによって定義される。
【0089】
一例では、UEは、第2コードブックの複数のサブセットから遅延ベクトルを選択するように構成される。コードブックにおけるDFT/DCT遅延ベクトルは、O個の直交サブグループ/サブ行列にグループ化され得て、サブグループ内の各DFT/DCT遅延ベクトルは指標に関連付けられ得る。例えば、第2コードブック中のO個の遅延ベクトルが存在する場合、O個のサブグループ/サブ行列が存在し、サブグループ/サブ行列内の第1遅延ベクトルが第1指標(「0」)に関連付けられ、第2遅延ベクトルが第2指標(「1」)に関連付けられ、最後の遅延ベクトルが指標(「N-1」)に関連付けられる。各直交サブグループについて、UEは、サブグループからの直交DFTベクトルのサブセットから遅延ベクトルを選択するように構成される。一例では、サブグループに関連するサブセットは、サブグループの最初のZ遅延ベクトルによって定義され得る。別の例では、サブグループに関連するサブセットは、サブグループの直交遅延ベクトルの最初のZ遅延ベクトルおよび最後の遅延Zベクトルによって定義され得る。別の例では、サブグループに関連するサブセットは、サブグループ内のi:i直交遅延ベクトルによって定義されてもよい。別の例では、サブグループに関連するサブセットは、サブグループ内のi:i直交遅延ベクトルおよびi:i直交遅延ベクトルによっても定義することができる。
【0090】
実施形態によれば、UEは、上位層(無線リソース制御(RRC)層またはMAC-CEのような)または物理層による第2コードブックからの遅延ベクトルのサブセットを有するgNBによって、または第2コードブックからの遅延ベクトルの先験的に既知(デフォルト)のサブセット(複数)を有するgNBによって構成されるか、または遅延ベクトルの選択されたサブセット(複数)をgNBに報告するように構成される。
【0091】
実施形態によれば、UEは、第2コードブックからの(O個の直交サブグループ/サブ行列のサブグループからの)遅延ベクトルのサブセットを示す、上位層(無線リソース制御(RRC)層またはMAC-CEのような)または物理層のパラメータ(複数)ZまたはZまたはZを有するgNBによって構成されるか、または第2コードブックからの(O個の直交サブグループ/サブ行列のサブグループからの)遅延ベクトルのサブセットを示す、先験的に知られている(デフォルトの)パラメータ(複数)ZまたはZまたはZを有するgNBによって構成されるか、または第2コードブックからの(O個の直交サブグループ/サブ行列のサブグループからの)遅延ベクトルの選択されたサブセットを示すパラメータ(複数)ZまたはZまたはZを報告するように構成される。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、第2コードブックからのサブセットの選択された遅延ベクトルを示すためにビットマップを報告するように構成される。ビットマップの長さは、サブセットのサイズによって与えられる。ビットマップ中の「1」は、サブセットの対応する遅延ベクトルが選択されていることを示すことができ、ビットマップ中の「0」は、対応する遅延ベクトルが選択されていないことを示すことができる。
【0093】
実施形態によれば、UEは、第2コードブックからのO個の直交サブグループ/サブ行列のうちの1つのサブグループからの1つの層または複数層のセットについての遅延ベクトルと、第2コードブックからのO個の直交サブグループ/サブ行列のうちの異なるサブグループからの他の層についての遅延ベクトルとを選択するように構成することができる。
【0094】
実施形態によれば、異なる送信層間の干渉を低減するために、UEは、第2コードブックからのO個の直交サブグループ/サブ行列のうちの1つのサブグループからの1つの層についてまたは複数層の1つのセットについての遅延ベクトルの第1セットと、同一サブグループからの他の層についての遅延ベクトルの第2セットとを選択するように構成することができ、遅延ベクトルの第1および第2セットは互いに直交する。
【0095】
実施形態によれば、異なる送信層間の干渉を低減するために、UEは、第2コードブックからのO個の直交サブグループ/サブ行列のうちの1つのサブグループからの層(複数)の第1セットについての遅延ベクトルの第1セットと、同一サブグループからの層(複数)の異なる第2セットについての遅延ベクトルの第2セットとを選択するように構成される。ここで、第1および第2遅延ベクトルのセットは、互いに部分的に直交する。一例では、UEは、層(複数)の第1セットのためのN個の遅延ベクトルと、層(複数)の第2セットのためのM個の遅延ベクトルとを選択するように構成され、選択された遅延ベクトルの2セットからの少なくともG個の遅延ベクトルは、互いに直交している。別の例では、UEは、層の両方のセットのための同一の数の遅延ベクトルを選択するように構成され、少なくともG個の遅延ベクトルは互いに直交している。パラメータGは、gNBによって構成されてもよく、またはUEによって報告されてもよく、またはUEにおいて固定され知られていてもよい。
【0096】
実施形態によれば、1つの層または複数層のセットのための遅延インジケータを報告するためのフィードバックオーバーヘッドを低減するために、UEは、第2コードブックからN個の遅延ベクトルを選択するように構成される。ここで、N個の遅延ベクトルのうちのN'個は固定され、UEにおいて先験的に知られている。次に、gNBに報告される遅延インジケータは、UEによって選択された非固定遅延ベクトルに対応するN個の指標の代わりに、(N-N')個の指標のみを参照する。N=N'のとき、UEは、プリコーダ行列の既知の遅延ベクトルのセットを使用し、遅延インジケータはgNBに報告されない。
【0097】
[複素結合係数の量子化および報告]
プリコーダ行列のビーム毎のD (l)個の結合係数の量子化および報告のために、結合係数γp,i,j (l)の振幅および相対位相を報告するための4つのビット割り当てスキームは、以下のように表されることができる。
【0098】
振幅/位相量子化の第1スキームと結合係数の報告とにおいて、各結合係数γp,i,j (l)は2つの結合係数bl,p,i,jとdl,p,i,jの積として記載され、
γp,i,j (l)=bl,p,i,jl,p,i,jである。
【0099】
ただし、bl,p,i,jはγp,i,j (l)の振幅であり、dl,p,i,j=exp(j2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1},N∈{1,2,3,4}であるdl,p,i,jは、γp,i,j (l)の位相を示す複素数値の単位-サイズ係数である。
【0100】
結合係数の振幅/位相の量子化および報告の第2スキームでは、各結合係数γp,i,j (l)は、3つの結合係数al,p,iとbl,p,i,jおよびdl,p,i,jの積として記載され、
γp,i,j (l)=al,p,il,p,i,jl,p,i,jである。
【0101】
ここで、al,p,iは、第iビーム、第p偏波、および第l層に関連する全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す実数値の係数である。bl,p,i,jは、第iビーム、第j遅延ベクトル、第p偏波、および第l層に関連する振幅を表す実数値の正規化結合係数である。dl,p,i,j=exp(j2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1},N∈{1,2,3,4}であるdl,p,i,jは、γp,i,j (l)の位相を示す係数である。
【0102】
振幅および位相の量子化および報告の第3スキームでは、各結合係数γp,i,j (l)は、3つの結合係数cl,p,jとbl,p,i,jおよびdl,p,i,jの積として記載され、
γp,i,j (l)=cl,p,jl,p,i,jl,p,i,jである。
【0103】
ここで、bl,p,i,jは、第iビーム、第j遅延ベクトル、第p偏波、および第l層に関連する振幅を表す実数値の正規化結合係数である。dl,p,i,j=exp(j2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1},N∈{1,2,3,4}であるdl,p,i,jは、γp,i,j (l)の位相を示す係数である。cl,p,jは、第j遅延ベクトルおよび第l層に関連する全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す実数値の係数であり、cl,p,jは偏波依存性であってもよいし、そうでなくてもよい。cl,p,jが偏波依存性である場合、cl,p,jは、第j遅延ベクトル、第l層および第p偏波に関連する全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す。cl,p,jが偏波に対して独立する場合、cl,p,jは、第j遅延ベクトルおよび第l層に関連する両偏波について、全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す。すなわち、cl,1,j=cl,2,j,∀jである。
【0104】
振幅および位相の量子化および報告の第4スキームでは、各結合係数γp,i,j (l)は、4つの結合係数al,p,iとcl,p,jとbl,p,i,jおよびdl,p,i,jの積として記載され、
γp,i,j (l)=al,p,il,p,jl,p,i,jl,p,i,jである。
【0105】
ここで、bl,p,i,jは、第iビーム、第j遅延ベクトル、第p偏波、および第l層に関連する振幅を表す実数値の正規化結合係数である。al,p,iは、第iビーム、第p偏波、および第l層に関連する全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す実数値の係数である。cl,p,jは、第j遅延ベクトルおよび第l層に関連する全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す、偏波依存または偏波独立の、実数値の係数である。dl,p,i,j=exp(j2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1},N∈{1,2,3,4}であるdl,p,i,jは、γp,i,j (l)の位相を示す係数である。
【0106】
l,p,i,bl,p,i,j,cl,p,jは、結合係数の振幅または出力と呼ばれ、dl,p,i,jは、結合係数の位相と呼ばれる。
実施形態によれば、UEは、第1スキーム、第2スキーム、第3スキーム、または第4スキームによって、複数の結合係数を表すか、または複数の結合係数のセットのみを表すように構成され得る。結合係数の一部について1つのスキームが使用され、結合係数の別の部分について別のスキームが使用されるように、複数のスキームはまた結合係数を表すように組み合わせされ得る。
【0107】
実施形態によれば、結合係数を報告するためのフィードバックオーバーヘッドを低減するために、UEは、上記の量子化スキームのうちの1つの量子化スキームを選択し、選択されたスキームを使用して結合係数を量子化し報告するように構成することができる。一例では、UEは、第2スキームおよび第3スキームのうちの量子化スキームを選択するように構成される。報告される空間ビーム指標の数が、遅延/遅延ベクトルの指標の報告される数よりも多い場合に、第2スキームは、結合係数の量子化および報告のために使用される。一方、報告される空間ビームの数が、遅延/遅延ベクトルの指標の報告される数よりも少ない場合、第3スキームは、結合係数の量子化および報告に使用される。
【0108】
実施形態によれば、UEは、上位層(RRCまたはMAC-CE)または物理層(L1)パラメータ(DCI)を介して、gNBからの結合係数の量子化(例えば、第2スキームまたは第3スキーム)を選択するための量子化パラメータを受信するように構成されることができる。
【0109】
実施形態によれば、UEは、報告されるビーム指標の数と、遅延/遅延ベクトルの指標の数とに基づき(上述の例を参照)、量子化スキーム(例えば、第2スキームまたは第3スキーム)を選択するように構成されてもよく、CSI報告において、上位層(RRC)または物理層(UCI)によって、選択された量子化スキームを示すように構成されてもよい。
【0110】
実施形態によれば、UEは、報告されるビームの数および遅延の数(上記の例を参照)に基づき、量子化スキーム(例えば、第2スキームまたは第3スキーム)を選択するように構成され、選択された量子化スキームをCSI報告に示さないように構成されることができる。報告されるビーム指標の数および遅延/遅延ベクトルの指標の数に基づき、UEは、UEによって選択された量子化スキームを暗黙的にgNBに示す。
【0111】
l,p,iとBl,p,i,jとCl,p,jおよびDl,p,i,jを、al,p,iとbl,p,i,jとcl,p,jおよびdl,p,i,jをそれぞれ量子化するビット数とする。
【0112】
実施形態によれば、L個の伝送層のための結合係数は、以下の選択肢のうちの少なくとも1つに従って量子化される。
一例では、第1スキーム~第4スキームの振幅al,p,i(cl,p,j)および/またはbl,p,i,jの量子化は、1つの層の全ての結合係数について同一である。すなわち、単一の値A=Al,p,i(C=Cl,p,i)および/または単一の値B=Bl,p,i,jが、第l層に使用される。A(C)および/またはBの値は、UEに既知であるか、UEに固定されるか、またはRRCシグナリングを介して構成され、またはUEは、CSI報告の一部としてA(C)および/またはBの値を報告する。ここで、A(C)および/またはBは、複数層のサブセットに対して異なっていても、同一であってもよいし、全ての層について同一であってもよい。
【0113】
他の例では、振幅al,p,i(cl,p,j)の量子化は、1つの層の結合係数に対して同一ではない。一例では、U個の値Al,1,0,...,Al,1,U-1は、第l層の振幅al,p,iの指標i=0,...,U-1および両偏波について使用される。他の例では、max(D (l))個の値Cl,1,0,...,Cl,1,max(Du(l))-1は、第l層の振幅cl,p,jの指標j=0,...,max(D (l))-1および両偏波について使用される。値Al,p,i(Cl,p,j)は、既知であるか、固定されるか、RRCシグナリングを介して構成され、またはUEによってgNBに報告される。
【0114】
別の例では、振幅bl,p,i,jの量子化は、層毎の結合係数について同一ではない。1つの例では、Bl,j=Bl,p,i,jは、全てのビームおよび偏波にわたる全ての振幅について同一であり、層および遅延の指標のみに依存する。別の例では、Bl,i=Bl,p,i,jは、全ての遅延ベクトルおよび偏波にわたる全ての振幅について同一であり、層およびビームの指標のみに依存する。別の例では、Bl,i,j=Bl,p,i,jは両偏波に対して同一であり、ビーム、遅延、および層の指標に依存する。パラメータBl,j,Bl,i,またはBl,i,jは、UEにおいて既知であるか、RRCシグナリングを介して構成されるか、またはUEはBl,j,Bl,i,またはBl,i,jをCSI報告の一部として報告することができる。
【0115】
[(a)振幅を2つのサブセットに分割する]
別の例では、振幅al,p,i(cl,p,j)および/またはbl,p,i,jは、それぞれ少なくとも2つの非ジョイントサブセットに分割され、各サブセットには、振幅量子化のための単一の異なる値が割り当てられる。
【0116】
一例では、セットの数は2つであり、各セットは、単一の偏波に対する振幅を含む。他の例では、al,p,i(cl,p,j)のセットの数は2つであり、ここで第1セットは、最強/最高振幅に対応するX個の振幅を含み、第2セットは残りの振幅を含む。例示的な実施形態によれば、第1セットの振幅は、N∈{2、3、4}ビットで量子化され、第2セットの振幅は、M∈{1,2,3}ビットで量子化され得る。他の例では、al,p,i(cl,p,j)のセット数は2つであり、ここで、第1セットは最強振幅を含み、第2セットは残りの振幅を含む。第1セットの振幅は、M=0ビットで量子化され、したがって報告されず、第2セットの振幅は、N∈{1,2,3,4}ビットで量子化される。別の例では、bl,p,i,jのセット数は2つであり、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,iの指標に対応する全ての振幅bl,p,i,jを含み、第2セットは残りの振幅を含む。別の例では、bl,p,i,jのセット数は2つであり、第1セットは、X個の最強/最高振幅cl,p,jの指標に対応する全ての振幅bl,p,i,jを含み、第2セットは残りの振幅を含む。パラメータXは、上位層パラメータであってよく、UEで既知であるか、gNBによって構成されるか、またはUEによって報告されてもよい。他の例では、第4スキームのみに適用可能であるが、bl,p,i,jのセット数は2つであり、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,i・cl,p,jの指標に対応する指標(p,i,j)を有する全ての振幅bl,p,i,jを含み、第2セットは残りの振幅を含む。他の例では、第4スキームのみに適用可能であるが、bl,p,i,jのセットの数は2であり、第1セットは、X個の最強/最高の振幅al,p,iの指標とX個の最強/最高の振幅cl,p,jの指標とに対応する指標(p,i,j)を有する全ての振幅bl,p,i,jを含み、第2セットは残りの振幅を含む。これらの場合、第1セットの振幅は、N∈{1,2,3,4}ビットで量子化され、第2セットの振幅は、M∈{0,1,2,3}ビットで量子化される。第2セットの振幅は、M=0である場合には報告されない。パラメータ(複数)XおよびXは、上位層パラメータであってよく、UEで既知であるか、gNBによって構成されるか、またはUEによって報告される。
【0117】
[(b)サブセットへの位相の分割]
一例では、位相dl,p,i,jの量子化は、1つの層の全ての結合係数について同一であり、すなわち、単一の値D=Dl,p,iが第l層について使用される。単一の値は、UEで既知であるか固定され、またはRRCシグナリングを介して構成され、またはUEは、単一の値をCSI報告の一部として報告する。ここで、単一の値は、複数層のサブセットに対して異なってもよく、同一であってもよく、または全ての層について同一であってもよい。
【0118】
別の例では、位相dl,p,i,jの量子化は、1つの層の結合係数について同一ではない。1つの例では、Dl,j=Dl,p,i,jは、全てのビームおよび偏波にわたる全ての位相について同一であり、層および遅延指標のみに依存する。別の例では、Dl,i=Dl,p,i,jは、全ての遅延ベクトルおよび偏波についての全ての位相について同一であり、層およびビーム指標のみに依存する。別の例では、Dl,i,j=Dl,p,i,jは、両偏波について同一であり、ビーム、遅延および層指標のみに依存する。
【0119】
別の例では、位相dl,p,i,jは、少なくとも2つの非ジョイントサブセット(層毎)に分割され、各サブセットには、位相量子化のための単一の異なる値が割り当てられる。一例では、セットの数は2つであり、各セットは単一の偏波に対する複数の位相を含む。別の例では、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,i(cl,p,j)に対応する複数の位相を含み、第2セットは、残りの(より弱い)振幅に対応する位相を含む。他の例では、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,il,p,i,j(またはcl,p,jl,p,i,j)に対応する位相を含み、第2セットは残りの位相を含む。他の例では、第4スキームのみに適用可能であり、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,il,p,jに対応する位相を含み、第2セットは残りの位相に対応する位相を含む。他の例では、第4スキームのみに適用可能であり、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,il,p,i,jl,p,jに対応する位相を含み、第2セットは、残りの位相を含む。他の例では、第2および第4スキームのみに適用可能であり、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,iに対応する位相であって、指標j=0,...,X-1を有するX個の第1(最強)遅延に対応する位相を含み、第2セットは残りの位相を含む。第1セットの位相dl,p,i,jはNビットで量子化され、第2セットの位相はMビットで量子化されうる。M=0のとき、第2セットの位相は報告されない。(N,M)の例は、(4,3)、(4,2)、(4,1)、(4,0)、(3,2)、(3,1)、(3,0)、(2,1)、(2,0)である。パラメータX、XおよびXは、UEにおいて既知であってもよく、UEによって選択され報告されてもよく、またはgNBによって構成されてもよい。ここで振幅al,p,i=0(cl,p,j=0)(a,cの上にチルダ)に対応するか、またはal,p,il,p,i,j=0(またはcl,p,jl,p,i,j=0)(a,b,cの上にチルダ)に対応する位相dl,p,i,jは、報告されないことを注意されたい。ここで、al,p,i,bl,p,i,j,cl,p,j(a,b,cの上にチルダ)は、al,p,i,bl,p,i,j,cl,p,jの量子化された振幅をそれぞれ表す。
【0120】
別の例では、位相dl,p,i,jは、少なくとも3つの非ジョイントサブセット(層毎)に分割され、各サブセットには、位相量子化のための単一の異なる値が割り当てられる。一例では、第1セットは、X個の第1最強/最高振幅al,p,i(またはcl,p,j)に対応する位相を含み、第2セットはX個の第2最強/最高振幅al,p,i(またはcl,p,j)に対応する位相を含み、第3セットは残りの振幅を含む。他の例では、第1セットは、X個の最強/最高振幅al,p,il,p,i,j(またはcl,p,jl,p,i,j)に対応する位相を含み、第2セットはX個の第2最強/最高振幅al,p,il,p,i,j(またはcl,p,jl,p,i,j)に対応する位相を含み、第3セットは残りの振幅を含む。第1セットの位相dl,p,i,jはNビットで量子化されることができ、第2セットの位相はMビットで量子化されることができ、第3セットの位相はVビットで量子化されうる。仮にV=0の場合、第3セットの位相は報告されない。パラメータXおよびXは、UEにおいて既知であってもよく、UEによって選択され報告されてもよく、またはgNBによって構成されてもよい。(N,M,V)の例は、(4,3,2)、(4,3,1)、(4,3,0)、(4,2,1)、(4,2,0)、(4,1,0)、(3,2,1)、(3,2,0)、(3,1,0)である。ここでも、振幅al,p,i=0(cl,p,j=0)(a,cの上にチルダ)に対応するか、またはal,p,il,p,i,j=0(またはcl,p,jl,p,i,j=0)(a,b,cの上にチルダ)に対応する位相dl,p,i,jは、報告されないことを注意されたい。ここで、al,p,i,bl,p,i,j,cl,p,j(a,b,cの上にチルダ)は、al,p,i,bl,p,i,j,cl,p,jの量子化された振幅をそれぞれ表す。
【0121】
実施形態によれば、UEは、上で説明した量子化スキームのうちの1つを用いて、N=3ビットで振幅cl,p,j(および/またはal,p,i)を量子化するように構成され、ここで、8個の量子化レベルは、以下の式によって与えられる。
【0122】
【数4】
実施形態によれば、UEは、上述の量子化スキームのうちの1つを用いて、N=2ビットで振幅cl,p,j(および/またはal,p,i)を量子化するように構成され、ここで、4つの量子化レベルは、{0,0.25,0.5,1}によって与えられる。
【0123】
実施形態によれば、UEは、上述の量子化スキームのうちの1つを用いて、N=2ビットで振幅bl,p,i,jを量子化するように構成され、ここで、4つの量子化レベルは、{0,0.25,0.5,1}によって与えられる。
【0124】
実施形態によれば、UEは、第l層について、N=1ビットで、振幅bl,p,i,jを量子化するように構成することができる。ここで、2つの振幅量子化レベル(x,y)は、「x=0」および「y=1」によって与えられる。
【0125】
実施形態によれば、UEは、量子化された振幅al,p,i(aの上にチルダ)=0である指標(l,p,i)を有する振幅bl,p,i,jを、報告しないように構成される。
【0126】
実施形態によれば、UEは、量子化された振幅cl,p,j(cの上にチルダ)=0である指標(l,p,j)を有する振幅bl,p,i,jを、報告しないように構成される。
【0127】
[(c)K個の結合係数の選択、表示、および報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、可能であれば層毎に、複数の振幅bl,p,i,jを少なくとも2つの非ジョイントサブセットに分割し、複数の振幅の量子化のための単一の値を各サブセットに割り当てるように構成される。複数の振幅は2つのセットに分割され、第1セットは、K個の選択された結合係数に対応する振幅を含み、第2セットは、残りの係数に対応する残りの振幅を含む。例えば、第1セットの振幅は、K個の最強結合係数(すなわち、全ての結合係数に対して最も高い振幅/出力を有する結合係数)に対応し、第2セットは、残りの係数のセットに対応する振幅を含むことができる。第1セットの振幅bl,p,i,jは、N(N∈{1,2,3,4})ビットで量子化されて報告され、第2セットの振幅はM=0ビットで量子化され、すなわち報告されない。第1セットの選択された結合係数/振幅を示すために、UEは、各ビットが振幅bl,p,i,jに関連付けられているビットマップを報告することができる。ビットマップ中の「1」は、結合係数の対応する振幅が報告さることを示し、ビットマップ中の「0」は、対応する振幅が報告されないことを示すことができる。したがって、ビットマップは、KまたはK1未満を含むことができる。選択された遅延ベクトルをビーム毎に示すために使用されるビットマップ(上記参照)は、振幅bl,p,i,jを報告するために使用されるビットマップと同一であるので、それは報告されないかもしれない。上位層パラメータKは、UEにおいて既知であってもよく、gNBによって構成されてもよく、またはUEによって報告されてもよい。パラメータKは、複数層のサブセットに対して同一であってもよい。
【0128】
実施形態によれば、UEは、第l層について、N=1ビットで、振幅bl,p,i,jを量子化するように構成することができる。1つの例では、2つの振幅量子化レベル(x,y)は、「x=0.5」および「y=1」によって与えられる。他の例では、2つの振幅量子化レベル(x,y)は、「x=0」および「y=1」で与えられる。2つの振幅量子化レベル(x,y)が「x=0」および「y=1」で与えられる場合、量子化された振幅bl,p,i,j(bの上にチルダ)は、遅延インジケータの選択された遅延を示すビットマップ(上記参照)と同一であるビットマップを表す。この場合、遅延インジケータの選択された遅延を示すためのビットマップは、報告されなくてもよい。
【0129】
実施形態によれば、UEは、フェーズdl,p,i,jを少なくとも2つの非ジョイントサブセット(層毎)に分割するように構成され、各サブセットには、位相量子化のための単一の値が割り当てられる。dl,p,i,jのセット数は2つであり、ここで、第1セットは、K個の選択された結合係数(ビットマップによって示される)に対応する位相を含み、第2セットは、残りの位相を含む。第1セットの位相は、N(N∈{2,3,4})ビットで量子化され、第2セットの位相は、M(M∈{0,1,2})ビットで量子化される。M=0のとき、第2セットの位相は報告されない。第1セットからの報告される位相は、振幅bl,p,i,jの指示に使用される同一ビットマップによって示される。
【0130】
実施形態によれば、UEは、フェーズdl,p,i,jを少なくとも3つの非ジョイントサブセット(層毎)に分割するように構成され、各サブセットには、位相量子化のための単一の値が割り当てられる。第1セットは、K最強結合係数に対応する位相を含み、第2セットは、K最強結合係数に対応する位相を含み、第3セットは、残りの位相を含む。第1セットの位相は、N(N∈{2、3、4})ビットで量子化される。第2セットの位相は、M(M∈{1,2,3})ビットで量子化され、第3セットの位相は、V(V∈{0、1})ビットで量子化される。V=0のとき、第3セットの位相は報告されない。第1および第2セットの位相は、K個の振幅bl,p,i,jの表示に使用される同一ビットマップによって示され、ここではK=K+Kである。上位層パラメータK、Kは、UEにおいて既知であってもよく、gNBによって構成されてもよく、またはUEによって報告されてもよい。
【0131】
上記4つのスキームの振幅報告に必要なフィードバックビットの量の例は、図6から図12に示される。
[結合係数の正規化]
実施形態によれば、最強結合係数が値1によって与えられるように、振幅および位相の最強結合係数(最大振幅に関連する係数に対応する)に関して、UEは結合係数を正規化するように構成される。
【0132】
報告されるべき振幅(複数)al,p,i(および/またはcl,p,j)は、最強振幅/最大振幅に関してソートされる。例えば、最強振幅al,1,0が先頭ビームおよび第1ビーム指標および第1偏波に関連付けられるように、振幅al,p,iはソートされる。同様に、最強振幅cl,1,0が第1偏波および第1遅延に関連付けられるように、振幅cl,p,jはソートされる。
【0133】
最強振幅がal,1,0(および/またはcl,1,0)であって報告されないように、報告されるべき振幅(複数)al,p,i(および/またはcl,p,j)はソートされ正規化される。
【0134】
[K個の結合係数の指示および報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、gNBは、UEに対して、Kの値を構成するように構成され、Kは、上位層(RRC)によってプリコーダ行列の第1層について報告される非ゼロ係数の最大数を示す。第2層のKの値は、第1層のKの値に基づき、UEによって計算することができる。例えば、第2層「K(2)」の値Kは、以下の式によって与えられる。
【0135】
【数5】
ここで、「K(1)」は第1層のKの値を表し、βは0から1の範囲の値である。一例では、βのサポートされた値は、{0,1/2,2/3,3/4,1}によって与えられる。βの特定の値は、UEに先験的に知られているか、またはgNBによって上位層(RRC)で構成される。
【0136】
[本明細書のいくつかの例示的な実施形態による量子化スキームのための振幅セット]
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEによる選択された非ゼロ係数に対応する複数の振幅bl,p,i,j(またはal,p,iまたはcl,p,j)または複数の振幅によるサブセットは、Nビットで量子化され、ここで振幅セットは、以下の式で与えられる。
【0137】
【数6】
ここで、F=2-1およびx∈{1,2,3.}は、振幅レベルのサイズを制御するパラメータである。振幅セットは、F+2個の振幅レベルを含むことに留意されたい。しかし、非ゼロ係数のみがUEによって報告されるので、報告される各振幅値は、以下のセットからのものであり、したがってlog(F+1)=Nビットによって表現され得る。
【0138】
【数7】
xの値の例は、1および2である。一例では、x=1およびN=3である。次に、振幅セットは、以下の式によって与えられる。
【0139】
【数8】
別の例では、x=2およびN=3であり、振幅セットは、以下の式によって与えられる。
【0140】
【数9】
別の例では、x=1およびN=2であり、振幅セットは、以下の式によって与えられる。
【0141】
【数10】
別の例では、x=2およびN=2であり、振幅セットは、以下の式によって与えられる。
【0142】
【数11】
[最強係数のインジケータ]
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、振幅および位相において、最強結合係数が値1によって与えられるように、最強結合係数(最大の振幅に関連する係数)に関してプリコーダの結合係数を正規化するように構成されてもよい。さらに、UEは、関連するビットを1に設定することによって、ビットマップ内の最強結合係数を示すように構成することができるが、最強結合係数を量子化し報告することはできない。最強係数に関連するビームベクトルおよび遅延ベクトル指標を表示するために、UEは、最強係数インジケータを報告するように構成することができ、最強係数インジケータは、ビットマップ内の最強結合係数の位置を示す。最強係数インジケータは、値Kによって表されることができ、Kは1≦K≦Kの範囲にある。Kは、報告される非ゼロ結合係数の数である。例えば、K=nの場合、ビットマップ内の第Nビットに関連する指標は、最強結合係数の指標に対応する。
【0143】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、プリコーダ行列の結合係数の量子化および報告について、選択された結合係数の振幅および位相を報告するための追加のビット割り当てスキームが、以下のように提示される。
【0144】
ここで第5スキームまたはスキーム(5)と呼ばれる本スキームは、上述した振幅/位相量子化スキーム2すなわち第2スキームの簡略化と考えることができる。第5スキームは、al,p,i=al,p,∀iであるように、振幅al,p,iをビーム非依存および偏波依存パラメータとして表すことによって、共通振幅al,p,iを報告するためのフィードバックオーバーヘッドをさらに低減する。このようにして、層毎の報告される共通振幅値al,p,iの数は、2U(l)から2のみへと減少する。
【0145】
例示的な実施形態によれば、第5スキームでは、各結合係数γp,i,j (l)は、3つの結合係数al,pとbl,p,i,jおよびdl,p,i,jの積として記載され、
γp,i,j (l)=al,pl,p,i,jl,p,i,jである。
【0146】
ここで、al,pは、第p偏波および第z層に関連する全ての結合係数にわたって共通の振幅を表す偏波特有実数値係数である。bl,p,i,jは、第i空間ビームベクトル、第j遅延ベクトル、第p偏波および第l層に関連する振幅を表す実数値正規化結合係数である。dl,p,i,j=exp((√{-1})2πn/(2));n∈{0,1,...,2-1},N∈{1,2,3,4}であるdl,p,i,jは、γp,i,j (l)の位相を示す係数である。
【0147】
例示的な実施形態によれば、UEは、UEによって選択された、量子化された振幅値al,p,bl,p,i,jと、層毎に選択された非ゼロ結合係数γp,i,j (l)に対応する位相値dl,p,i,jとを報告するように構成される。さらに、係数γp,i,j (l)の最大振幅が1で与えられるように、UEは、結合係数γp,i,j (l)を正規化するように構成されることができる。したがって、最強(正規化)係数γp,i,j (l)=1に関連する偏波p(pの上にチルダ)についてal,p=1(pの上にチルダ)であり、共通の振幅al,p(pの上にチルダ)は報告されない。
【0148】
[al,pおよびbl,p,i,jの量子化のための振幅セット]
例示的な実施形態によれば、UEは、N=2、3または4ビットで第l層の振幅bl,p,i,jを量子化するように構成され、振幅セットは次式のBによって与えられる。
【0149】
【数12】
一例として、x=4、F=2、N=3の場合、Bの振幅セットは次式で与えられる。
【0150】
【数13】
他の例では、x=4、F=3、N=3の場合、Bの振幅セットは次式で与えられる。
【0151】
【数14】
他の例では、x=4、F=3、N=2の場合、Bの振幅セットは次式で与えられる。
【0152】
【数15】
他の例として、x=2、F=3、N=2の場合、Bの振幅セットは次式で与えられる。
【0153】
【数16】
例示的な実施形態によれば、偏波特有振幅al,pは2、3または4ビットで量子化され、振幅セットは、以下の式のAによって与えられる。
【0154】
【数17】
一例として、x=4、F=1、N=4の場合、振幅セットは次式で与えられる。
【0155】
【数18】
図20に示すように、N=4の場合、振幅セットAは16個の値からなり、12個の値は「0」から「0.5」の範囲内にある。したがって、この振幅セットの使用は、UEによって報告される偏波特有振幅値al,pが不均一に分布される場合であって、常に1である(すなわち、al,p=1である)(pの上にチルダ)最強偏波の偏波特有振幅と比較して小さい値によって、UEによって報告される偏波特有振幅値al,pが主に与えられる場合のみに有効である。
【0156】
しかし、偏波特有振幅値al,pの不均一な分布の仮定は必ずしも満足されなくてもよく、主にチャネル環境に依存する。いくつかのチャネル環境について、弱い偏波の偏波特有振幅値al,pは均等に分布され、結果、量子化レベルの線形増加を有する振幅セットは、上記の振幅セットaと比較して優れることができ、システム性能を改善する。図21および図22を参照されたい。したがって、以下の実施形態では、偏波特有振幅値al,pの量子化について、「線形」振幅セットのいくつかの例を提示する。
【0157】
例示的な実施形態によれば、偏波特有振幅al,pは、N=2,3または4ビットで量子化され、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0158】
【数19】
一例として、N=2の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0159】
A={1,2/3,1/3,0}
別の例では、N=3であり、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0160】
【数20】
別の例では、N=4であり、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0161】
【数21】
上記の振幅セットAおよびBにおける量子化のいくつかについて、Aにおける量子化レベルとBにおける量子化レベルとの積は、再びBにおける量子化レベルを表す。すなわち、y=xであり、ここでx∈Aおよびy,y∈Bである。このような冗長性を回避するために、以下の例示的な実施形態は、Aの振幅セットの例を提示し、値「0」および「1」を除いて、セットAおよびBにおける共通の量子化レベルは最小に保たれる。
【0162】
例示的な実施形態によれば、値「1」および「0」を除いて振幅セットAの量子化レベルが振幅セットBに含まれないように、振幅al,pおよびbl,p,i,jを量子化するための振幅セット同士は異なることができる。
【0163】
例示的な実施形態によれば、偏波基準振幅al,pは、N=2または3または4ビットで量子化され、振幅セットは次式のAによって与えられる。
【0164】
【数22】
一例として、x=4、F=2、N=3の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0165】
【数23】
別の例では、x=4、F=3、N=3の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0166】
【数24】
別の例では、x=4、F=2、N=2の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0167】
【数25】
別の例では、x=4、F=3、N=2の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0168】
【数26】
別の例では、x=2、F=2、N=2の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0169】
【数27】
非ゼロ係数が報告されているので、量子化レベル「0」は、振幅al,pおよび/またはbl,p,i,jの量子化のために使用される振幅セットAおよび/またはBに含まれなくてもよい。以下の例示的な実施形態は、量子化レベル「0」が別の量子化レベルに置き換えられるような、AおよびBの振幅セットの例を提示する。
【0170】
例示的な実施形態によれば、偏波特有振幅al,pは、N=2、3または4ビットで量子化され、振幅セットは、次式のAによって与えられる。
【0171】
【数28】
一例として、x=4、F=1、およびN=4の場合、振幅セットは次式のAによって与えられる。
【0172】
【数29】
例示的な実施形態によれば、偏波特有振幅al,pは、N=2または3または4ビットで量子化され、ここで、振幅セットは次式のAによって与えられる。
【0173】
【数30】
一例では、N=2の場合、振幅セットは次式のAで与えられ、A={1,3/4,2/4,1/4}である。別の例では、N=3の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0174】
【数31】
別の例では、N=4の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0175】
【数32】
例示的な実施形態によれば、al,pを量子化するための振幅セットは、次式のAによって与えられる。
【0176】
【数33】
一例では、x=4、F=2、N=3の場合、al,pを量子化するための振幅セットは、次式のAによって与えられる。
【0177】
【数34】
例示的な実施形態によれば、bl,p,i,jを量子化するための振幅セットは、次式のBによって与えられる。
【0178】
【数35】
一例として、x=4、F=3、N=3の場合、振幅セットは次式のBで与えられる。
【0179】
【数36】
例示的な実施形態によれば、フィードバックオーバーヘッドを節約するために、UEは、UEは、al,p=0についての結合係数に対応するビットマップの一部を報告しないように構成することができる。このようにして、ビットマップのサイズは、2U(l)(l)からU(l)(l)ビットへ減少する。ここで、U(l)は、第l層についての偏波毎の構成される空間ビームの数を表し、D(l)は、第l層の構成される遅延の数を表す。
【0180】
例示的な実施形態によれば、al,pを量子化するための振幅セットにおける「0」を、ゼロに近いさらに小さい値で置換する代わりに、次式のAで与えられる以下の振幅セットを使用してもよい。
【0181】
【数37】
ここで、yは、次式によって定義される。
【0182】
【数38】
yの可能な値は、y=x+qによって与えられ、ここでq∈R(Rは白抜き文字)である。
【0183】
一例として、N=4、F=1、x=4、およびq=1の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0184】
【数39】
例示的な実施形態によれば、al,pを量子化するための振幅セットにおける「0」を、ゼロに近いさらに小さい値で置換する代わりに、次式のAで与えられる振幅セットを使用してもよい。
【0185】
【数40】
ここで、y∈R(Rは白抜き文字)およびj∈R(Rは白抜き文字)である。yおよびjの値に応じて、振幅(1/(2jF))(1/y)は、振幅レベルの任意の2つの間にある。一例として、N=4、F=1、x=4、y=3、およびj=5の場合、振幅セットは、次式のAによって与えられる。
【0186】
【数41】
別の例では、N=4、F=1、x=4、y=4、およびj=9/2の場合、振幅セットは、次式のAによって与えられる。
【0187】
【数42】
弱い偏波の偏波特有振幅の分布は、常にゼロに近くなくてもよく、ゼロよりも大きい一定の閾値の常に上に位置していてもよい。したがって、ゼロに近い振幅レベルを使用する代わりに、振幅レベルは、さらに優れた性能をもたらす可能性のある閾値から開始するように制限されることができる。
【0188】
例示的な実施形態によれば、al,pを量子化するための振幅セットは、次式のAによって与えられてもよい。
【0189】
【数43】
ここで、振幅セットは、ゼロ以外の値で、値「x」から「1」まで線形に増加する。
【0190】
一例として、N=4、x=0.3の場合、振幅セットは次式で与えられる。
A={1,0.95,0.9,0.85,0.8,0.75,0.7,0.65,0.6,0.55,0.5,0.45,0.4,0.35,0.3,0}。
【0191】
例示的な実施形態によれば、al,pを量子化するための振幅セットは、以下のAによって与えられ得る。
【0192】
【数44】
ここで、振幅セットは、値「x」から「1」まで線形に増加する。
【0193】
一例として、N=4、x=0.3の場合、振幅セットは次式のAで与えられる。
【0194】
【数45】
例示的な実施形態によれば、al,pを量子化するために定義された振幅セットを使用して、bl,p,i,jを量子化することができ、bl,p,i,jを量子化するために定義された振幅セットを使用して、al,pを量子化することができる。
【0195】
[遅延の構成、報告される結合係数の数、および結合係数の報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、D(l)=func(N)であるように、パラメータD(l)は、構成されたコードブックサイズ(N)に依存する。例えば、パラメータD(l)は、D(l)=pNで与えられ、パラメータp≦lは、フィードバックオーバーヘッドを制御する。パラメータpは、gNBまたは別のネットワークエンティティによって、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介して構成されてもよい。pの例は、p∈{1/8,1/4,1/2,3/4}である。
【0196】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、Kのパラメータで構成され、Kは、上位層(RRC)によってプリコーダ行列の単層について報告される非ゼロ係数の最大数を示す。Kの値は、UEによって報告される非ゼロ結合係数を示すために使用されるビットマップのサイズに依存し得る。ビットマップサイズは、構成される遅延の数D(l)と、構成される空間ビームの数U(l)とに依存し、ビットマップサイズは、2D(l)(l)によって与えられる。したがって、Kの特定の値は、関数K=func(D(l),U(l))によって定義することができる。例えば、パラメータKは、K=β2D(l)(l)またはK=βD(l)(l)で与えられ、ここで、パラメータβ≦1は、フィードバックオーバーヘッドを制御する。パラメータβは、gNBまたは別のネットワークエンティティによって、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介して構成することができる。βの例は、β∈{1/8,1/4,1/2,3/4}の通りである。
【0197】
例示的な実施形態によれば、UEは、層(例えば、層3および層4)サブセットまたは全ての層について、UEによって報告される非ゼロ係数の最大数を示すパラメータK(Kの上にチルダ)によって構成される。次に、UEは、プリコーダ行列を計算するために、層サブセット(層毎ではない)または全ての層についてのK(Kの上にチルダ)個以下の非ゼロ結合係数γp,i,j (l)を選択することができる。層サブセットまたは全ての層についてのK(Kの上にチルダ)個以下の係数を選択する場合は、層毎にK個以下の係数を選択する場合と比較して、改善されたシステム性能をもたらすことができる。
【0198】
例示的な実施形態によれば、UEは、パラメータKおよび/またはK(Kの上にチルダ)によって、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介して、gNBまたは別のネットワークエンティティによって構成される。もしくはKおよび/またはK(Kの上にチルダ)は、UEにおいて先験的に知られていてもよい。
【0199】
例示的な実施形態によれば、パラメータKおよび/またはパラメータK(Kの上にチルダ)は、チャネルのランク(送信ランク)に依存し、各層または層セットに対して異なることができる。例えば、第1層および第2層についてのランク4送信について、UEは、層毎にパラメータKを用いて構成され、他の2つの層について、UEは、第3層および第4層についてそれぞれパラメータαKおよびαKで構成される。ここで、α≦1およびα≦1は、第3層および第4層の結合係数を報告するためのフィードバックオーバーヘッドを制御するためのパラメータである。パラメータαおよびαは、UEにおいて先験的に知られていてもよいし、gNBによって構成されてもよい。
【0200】
例示的な実施形態によれば、UEは、選択されたK個の非ゼロ結合係数γp,i,j (l)を報告し、ここでK≦Kであるか、または、K≦K(Kの上にチルダ)である。そしてUEは、関連するビットを「1」に設定することによって、ビットマップ中の層または層セットについての選択された非ゼロ結合係数を示す。
【0201】
例示的な実施形態によれば、フィードバックオーバーヘッドを節約するために、UEは、al,p=0についての結合係数に対応するビットマップの一部を報告しないように構成される。このように、ビットマップのサイズは、2U(l)(l)からU(l)(l)ビットに減少する。ここで、U(l)は、第l層に対する偏波毎の構成された空間ビームの数を表し、D(l)は、第l層に対する構成された遅延の数を表す。
【0202】
例示的な実施形態によれば、UEは、層毎または層サブセットについてのD(l)個の遅延で構成され得る。UEは、層毎または層サブセットに対して、第2コードブックからD(l)(Dの上にチルダ)≦D(l)個の遅延を選択することができる。ここで、選択されたD(l)(Dの上にチルダ)個の遅延/遅延ベクトルは、層毎または層サブセットに対しての全てのビームで共通である。このようにして、非ゼロ結合係数を示すビットマップのサイズは、2U(l)(l)から2U(l)(l)(Dの上にチルダ)に減少する。UEは、全てのビームに共通の選択された遅延ベクトルに加えて、値D(l)(Dの上にチルダ)をRRCまたは物理層を介してgNBに報告することができる。
【0203】
制約D(l)≦Dmaxは、UEが特定層にDmax個よりも多くの遅延を割り当てないことを保証することができる。D(l)の値は、UEによって選択される。パラメータD、D(l)および/またはDmaxは、gNBによって構成されてもよく、またはUEにおいて先験的に知られていてもよい。選択された値D(l)は、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介してgNBに報告されてもよいし、報告されなくてもよい。パラメータDmaxはまた、層または層グループ指標に依存することができる。例えば、第1層(または第1層および第2層)についてはDmax=7であり、第2層(または第3層および第4層)についてはDmax=4である。
【0204】
[上位層伝送への拡張]
例示的な実施形態によれば、UE計算の複雑さおよびCSI報告のフィードバックオーバーヘッドを低減するために、全てのビーム/偏波指標に共通で、単一の遅延インジケータによって示される、選択されたD(l)個の遅延DFTベクトルは、層サブセットまたは全ての層に対して、例えば第1層および第2層に対して、同一であってもよい(層共通遅延ベースのベクトル選択)。UEは、CSI報告内の2つの層に共通のD(l)個の選択された遅延DFTベクトルを示すように構成することができる。
【0205】
例示的な実施形態によれば、全てのビーム/偏波指標に共通で、単一の遅延インジケータによって同一の、構成されたD(l)個の遅延DFTベクトルは、層サブセット、例えば、第1層と第2層とについて同一であってもよい。追加して、2つの層についてのビットマップは、同一であってもよい。このようにして、選択された結合係数についての指標は、2つの層について同一である(すなわち、層共通係数サブセット選択および層共通遅延ベース選択)。UEは、単一の遅延インジケータによる全てのビーム/偏波に共通の選択されたD(l)個の遅延DFTベクトルと、CSI報告内の2つの層について同一のビットマップとを示すように構成することができる。
【0206】
例示的な実施形態によれば、全てのビーム/偏波指標に共通で、単一の遅延インジケータによって示される、選択されたD(l)個の遅延DFTベクトルは、層サブセットまたは全ての層に対して、例えば、第1層および第2層に対して同一であってもよい(層共通遅延ベースベクトル選択)。しかし、2つの層のビットマップは、異なっていてもよい。このようにして、選択された結合係数の指標は、2つの層について同一でなくてもよい(すなわち、層独立係数サブセット選択および層共通遅延ベース選択)。UEは、単一の遅延インジケータによる全てのビーム/偏波に共通の選択されたD(l)個の遅延DFTベクトルと、CSI報告内の2つの層についてのビットマップとを示すように構成することができる。
【0207】
例示的な実施形態によれば、UEは、層S、例えばS∈{1,2,3}のサブセットについてD個の遅延を選択するように構成される。ここで、D=Σl∈S(l)であり、D(l)の値は、UEによって自由に選択される。パラメータDは、gNBによって構成されてもよく、またはUEにおいて先験的に知られていてもよい。選択された値D(l)は、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介してgNBに報告されてもよいし、報告されなくてもよい。
【0208】
例示的な実施形態によれば、UEは、層S、例えばS∈{1,2,3}のサブセットについてのD個の遅延を選択するように構成される。ここで、D=Σl∈S(l)であり、D(l)≦Dmaxである。制約D(l)≦Dmaxは、UEが特定層にDmaxよりも多くの遅延を割り当てないことを保証することができる。D(l)の値は、UEによって選択される。パラメータD、D(l)および/またはDmaxは、gNBによって構成されてもよく、またはUEにおいて先験的に知られていてもよい。選択された値D(l)は、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介してgNBに報告されてもよいし、報告されなくてもよい。パラメータDmaxはまた、層または層グループ指標に依存することができる。例えば、第1層(または第1層および第2層)についてはDmax=7であり、第2層(または第3層および第4層)についてはDmax=4である。
【0209】
例示的な実施形態によれば、UEは、第l層および第l'層(例えば、層3および層4)についてのU(l,l')個のDFTビームを選択するように構成される。ここで、U(l,l')=U(l)+U(l')であり、U(l)およびU(l')の値は、UEによって自由に選択される。パラメータU(l,l')は、gNBによって構成されてもよく、またはUEにおいて先験的に知られていてもよい。選択された値U(l)およびU(l')は、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介してgNBに報告されてもよいし、報告されていなくてもよい。
【0210】
例示的な実施形態によれば、UEは、層S、例えば、S∈{1,2,3}のサブセットについてのU個のDFTビームを選択するように構成される。ここで、U=Σl∈S(l)であり、U(l)の値は、UEによって自由に選択される。パラメータUは、gNBによって構成されてもよく、またはUEにおいて先験的に知られていてもよい。選択された値U(l)は、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介してgNBに報告されてもよいし、報告されなくてもよい。
【0211】
例示的な実施形態によれば、UEは、層S、例えば、S∈{1,2,3}のサブセットについてのU個のDFTビームを選択するように構成される。ここでU=Σl∈S(l)であり、U(l)≦Umaxである。制約U(l)≦Umaxは、UEがUmaxよりも多くのビームを特定層に割り当てないことを保証することができる。U(l)の値は、UEによって選択される。パラメータU、U(l)および/またはUmaxは、gNBによって構成されてもよいし、UEにおいて先験的に知られていてもよい。選択された値U(l)は、上位層(RRCパラメータ)または物理層(L1パラメータ)を介してgNBに報告されてもよいし、報告されていなくてもよい。パラメータUmaxはまた、層または層グループ指標に依存することができる。例えば、第1層(または第1層および第2層)についてUmax=4であり、第2層(または第3層および第4層)についてUmax=2である。
【0212】
例示的な実施形態によれば、UEは、第l層についてのU(l)個のDFTビームを選択するとともに、第l'層についてのU(l')個のDFTビームを選択するように構成され、ここでl'≧lである。上位層についてCSI報告のフィードバックオーバーヘッドを低減するために、層上のDFTビームの数は減少し、U(l')≦U(l)である。
【0213】
例示的な実施形態によれば、UEは、第l層の全てのビーム指標に共通のD(l)個の遅延DFTベクトルを選択するように構成され、UEは、第l'層についてのD(l')個の遅延DFTベクトルを選択し、ここで、l'≧lである。上位層についてCSI報告のフィードバックオーバーヘッドを低減するために、層上の遅延DFTベクトルの数は減少し、D(l')≦D(l)である。
【0214】
上位ランク送信を使用する場合、第l'層のエネルギーは、複数の遅延にわたって拡散される。複数の遅延にわたって拡散されるエネルギーを捕捉するために、層全体にわたる遅延は増大してもよく、すなわちD(l')≧D(l)であってもよい。
【0215】
[PUCCH/PUSCH-UCI設計における報告]
いくつかの例示的な実施形態によれば、CSI報告は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)においてUEによって送信されるべき、アップリンク制御情報(UCI)の一部である。CSI報告は、2つの部分、すなわち、第1部分CSI報告および第2部分CSI報告を含むことができる。第1部分CSI報告は、固定されたペイロードサイズを有し、以下のパラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0216】
・層毎または層サブセット毎の、非ゼロ結合係数の値(K1)の表示。
・複数層についての非ゼロ基準偏波特有振幅値の総数の表示。
・層毎または層セット毎の、共通遅延の選択された数の表示。
【0217】
・層毎または層セット毎の、空間ビームの選択された数の表示。
第2部分CSI報告は、2つのプリコーディング行列識別子PMI(i)およびPMI(i)を含み、PMI(i)は、第1コードブックから選択されたサブグループについてのU(l)個の選択された空間ビーム指標と、層毎、層サブセット毎、およびアンテナアレイの次元毎の選択されたサブグループ指標(q1,i=0,...,O1,i-1),i=1,2とを含む。加えて、PMI(i)は、層毎または層サブセット毎に第2コードブックからの直交サブグループからUEによって選択された共通遅延ベクトルを示すいくつかの遅延識別子と、層毎に報告されるべき選択されるK個の非ゼロ係数の指標を示すための層毎または層サブセット毎のビットマップとを含む。
【0218】
・第5量子化スキームの場合には、層毎または層サブセット毎のうちのより強い偏波に関連する(報告されていない)最強結合係数の位置を示す最強係数インジケータと、層毎または層セット毎のより弱い偏波の結合係数に関連付けられる偏波特有共通振幅値。
【0219】
PMI(i)は、全ての層について層毎に、K-1個の位相値とK-1個の振幅値を含む。
上述のように、CSI報告は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)において、UEによって送信されるべきアップリンク制御情報(UCI)の一部である。CSI報告は、2つの部分、すなわち、第1部分CSI報告および第2部分CSI報告を含むことができる。また、第1部分CSI報告は、固定されたペイロードサイズを有し、UEによって報告されるプリコーダ行列の全ての層について非ゼロ結合係数の値(K)の指標を含むことも記載される。第2部分CSI報告は、2つのプリコーディング行列識別子PMI(i)およびPMI(i)を含み、PMI(i)は、第1コードブックから選択されたサブグループについてのU(l)個の選択された空間ビーム指標と、層毎およびアンテナアレイの次元毎の選択されたサブグループ指標(q1,i=0,...,O1,i-1),i=1,2とを含む。加えて、PMI(i)は、第2コードブックからの直交サブグループからUEによって選択されたT個の共通遅延ベクトルを示す単一の遅延識別子と、選択されたサブグループを示すサブグループ指標(q=0,...,Q-1)と、報告されるべき選択されたK個の非ゼロ係数の指標を示すためのビットマップと、記述された第1スキーム~第4スキームに関する下記のものとを含む。
【0220】
・第1量子化スキームの場合、ビットマップにおける(報告されていない)最強結合係数の位置を示す最強係数インジケータ。
・第2量子化スキームの場合、第l層についての2U(l)-1個の共通振幅係数al,p,iと、最強/先行ビーム(al,p,i=1について(p,iの上にチルダ))に関連する指標(p∈{1,2},i∈{0,...,U-1}(p,iの上にチルダ))を示す最強ビームインジケータと、ビットマップ中の最強/先頭ビームに関連するT個の結合係数のうちの(報告されていない)最強結合係数の位置。
【0221】
・第3量子化スキームの場合、第l層についてのT-1個の共通振幅係数cl,p,jと、最強遅延ベクトル(cl,p,j=1について(p,jの上にチルダ))の指標(J∈{0,...,T-1}(Jの上にチルダ))を示す最強遅延インジケータと、ビットマップ中の最強遅延ベクトルに関連する2U個の結合係数のうちの(報告されていない)最強結合係数の位置。
【0222】
・第4量子化スキームの場合、第l層についての2U-1個の共通振幅係数al,p,iとおよびT-1個の共通振幅係数cl,jと、最強遅延ベクトル(cl,j=1について(jの上にチルダ))の指標(J∈{0,...,T-1}(Jの上にチルダ))を示す最強遅延インジケータと、最強/先行ビーム(al,p,i=1について(p,iの上にチルダ))に関連する指標(p∈{1,2},i∈{0,...,U-1}(p,iの上にチルダ))を示す最強ビームインジケータ。
【0223】
[コードブックサブセット制限-2つのコードブックケースへの拡張]
UEによって選択され得る空間ビームベクトルおよび遅延ベクトルは、無線チャネルのマルチパス構造に整列され得る。1つのUEによって選択される空間ビームベクトルおよび遅延ベクトルのうちの一部は、同一セル内の他のUE(マルチユーザ/セル内干渉)または隣接セル内の他のUE(セル間干渉)に重大な干渉を引き起こす可能性がある。図1は、セル間干渉の一例を示し、ここで、gNBにおける選択された空間ビームおよび遅延ベクトルについて、第2空間ビームおよび第3遅延ベクトルは、隣接セルのUEに重大な干渉を引き起こす可能性がある。したがって、マルチユーザ干渉およびセル間干渉を低減するために、UEは、第1コードブックからのビームベクトルの第1サブセットFと第2コードブックからの遅延ベクトルの第2サブセットFとを有するように層毎に構成されることができる。このようにして、送信は、特定の方向および遅延に制限される
【0224】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビームベクトルのサブセットFおよび遅延ベクトルのサブセットFは、gNBによって上位層(RRC)によって示されてもよく、UEで先験的に知られているか、またはUEによるCSI報告の一部としてgNBに報告されてもよい。さらに、UEは、F内の各ビームベクトルについて最大許容振幅値で構成することができる。最大振幅値は、ビームベクトルに関連する結合係数の振幅値を制限することができる。一例では、al,p,i≦wであるように、Fにおける第zビームベクトルの最大振幅値wは、結合係数γp,i,d (l)の共通の振幅値al,p,iを制限することができる。他の例では、|γp,i,d (l)|≦w,∀dであるように、Fにおける第z遅延ベクトルについての最大振幅値wは、結合係数γp,i,d (l)の振幅|γp,i,d (l)|を制限することができる。他の例では、√{Σ|γp,i,d (l)}≦wであるように、Fにおける第zビームベクトルの最大振幅値wは、結合係数γp,i,d (l)の平均出力√{Σ|γp,i,d (l)}を制限することができる。
【0225】
さらに、UEは、サブセットFにおける各遅延ベクトルについて最大許容振幅値を有するように構成することができる。最大振幅値は、遅延ベクトルに関連する結合係数の振幅値を制限することができる。一例として、cl,d≦uであるように、Fにおける第t遅延ベクトルについての最大振幅値uは、結合係数γp,i,d (l)の共通振幅値cl,dを制限することができる。他の例では、|γp,i,d (l)|≦u,∀p,iであるように、Fにおける第t遅延ベクトルについての最大振幅値uは、結合係数γp,i,d (l)の振幅を制限することができる。他の例では、√{Σp,i|γp,i,d (l)}≦uであるように、Fにおける第t遅延ベクトルについての最大振幅値uは、結合係数の出力を制限することができる。Fにおけるベクトルについての最大許容係数とFにおけるベクトルについての振幅係数とは、上位(RRC)層によってgNBによってシグナリングされるか、またはUEで先験的に知られているか、または上位層(RRC)によってUEによってgNBに報告される。
【0226】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サブセットFのビームベクトルとビームベクトルの最大振幅係数とは、ビットマップBによって示され得る。同様に、サブセットFの遅延ベクトルと遅延ベクトルの最大振幅係数とは、ビットマップCによって示され得る。
【0227】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビットマップBは、2つの部分B=Bから構成されてもよい。ここで、第1部分Bは、G個のビームベクトルグループ(g=1,...,G)を示し、各ビームベクトルグループはR個のビームベクトルを含む。1つの例では、ビームベクトルの数R=Nであり、よってG個のビームベクトルグループの各々において、N個のビームベクトルと、サブセットFにおけるGN個のビームベクトルの合計とが存在する。2つのビームグループを含むビームベクトルサブセットFの例を、図2に示す。第2部分Bは、RN長のビットシーケンスB=b (g,R-1),...,b (g,0),r=0,...,R-1によって定義することができる。
【0228】
ここで、b (g,r)=b2,0 (g,r),...,b2,NB-1 (g,r)は、Fにおける第gビームベクトルグループにおける第rビームベクトルについての最大許容振幅値wg,rを示す長さNのビットシーケンスである。一例では、N=2であり、最大振幅値はテーブル1のマッピングによって定義される。図3は、N=16個のベクトルおよび4個の振幅レベルのビームグループにおける、ビームベクトル毎の最大振幅レベルを例示する。
【0229】
【表1】
別の例では、N=1であり、最大振幅値は、テーブル2のマッピングまたはテーブル3のマッピングによって定義される。
【0230】
【表2】
【0231】
【表3】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビットマップBによって示されるG個のビームグループの各々は、第1コードブックから選択されたN個の直交DFTビームベクトルから構成され、第gビームグループのビームベクトルの指標は、次の式の指標セットによって定義される。
【0232】
【数46】
ここで、r (g)∈{0,...,O1,1-1},r (g)∈{0,...,O1,2-1}についてのf=O1,1 (g)+r (g)であるfは、ビットマップBによって示されるビームグループ指標を示す。次に、第gビームグループにおける対応するDFTビームベクトルvl,m、ただし(l,m)∈I(r (g),r (g))は、次式のvl,mによって定義される。
【0233】
【数47】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビットマップBは、上位層(RRC)を介して、gNBからUEにシグナリングされることができる。
【0234】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビットマップCは、2つの部分C=Cから構成されてもよい。ここで、第1部分Cは、H個の遅延ベクトルグループ(h=1,...,H)を示し、各遅延ベクトルグループはV個の遅延ベクトルを含む。1つの例では、ビームベクトルの数V=Nであり、H個の遅延ベクトルグループの各々において、N個の遅延ベクトルと、サブセットFにおけるHN個の遅延ベクトルの合計とが存在する。遅延ベクトルサブセットFの例を図4に示す。第2部分Cは、VN長のビットシーケンスC=c (h,V-1),...,c (h,0)によって定義することができる。
【0235】
ここで、c (h,v)=c2,0 (h,v),...,b2,NC-1 (h,v)は、第h遅延ベクトルグループにおける第v遅延ベクトルについての最大許容振幅値uh,vを示す長さNのビットシーケンスである。1つの例では、N=2であり、最大振幅値はテーブル4のマッピングによって定義される。図5は、N=8個のベクトルおよび4個の振幅レベルの遅延グループにおける、遅延ベクトル毎の最大振幅レベルを例示する。
【0236】
【表4】
別の例では、N=2であり、関連する振幅値は、テーブル5内のマッピングによって定義される。
【0237】
【表5】
別の例では、N=1であり、最大振幅値はテーブル6、テーブル7、またはテーブル8に示されたマッピングによって定義される。
【0238】
【表6】
【0239】
【表7】
【0240】
【表8】
いくつかの例示的な実施形態によれば、H個の遅延ベクトルグループの各々は、第2コードブックから選択されたV個の直交DFT遅延ベクトルを含む。第h遅延グループの遅延ベクトルの指標は、次の式の指標セットによって定義される。
【0241】
I(r(h))={(r(h)+x):x=0,1,...,N-1}。
ここで、r(h)∈{0,...,O-1}は、遅延グループ指標を表す。次に、第h遅延グループにおけるd∈I(r(h))を有する対応するDFT遅延ベクトルfdを、次のように定義する。
【0242】
【数48】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビットマップCは、上位層(RRC)を介して、gNBからUEにシグナリングされることができる。
【0243】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ビームおよび遅延ベクトルグループの数は同一であり、各ビームベクトルグループは、遅延ベクトルグループに関連付けられ得る。よって、gNBは、UEへの層毎のビーム/遅延ベクトルグループにおける各ビームおよび各遅延ベクトルについて、関連する最大振幅係数を有するG個のビーム/遅延ベクトルグループで、UEを構成することができる。UEは、1つのビーム/遅延ベクトルグループからビームベクトルおよび遅延ベクトルを選択するとともに、CSI報告に使用されるプリコーダを計算するように構成することができる。G個のビーム/遅延ベクトルグループおよび最大振幅係数は、ビットマップDによって示される。ビットマップDは、4つの部分D=Dから構成されてもよい。ここで、第1部分Dは、G個のビームグループ(g=1,...,G)を示し、第2部分Dは、関連するG個の遅延グループを示す。第3部分Dは、G個のビームグループにおける各ビームベクトルについての最大振幅係数を示し、第4部分Dは、G個の遅延グループにおける各遅延ベクトルについての最大振幅係数を示すことができる。
【0244】
図15は、空間ビームおよび遅延に対するコードブックサブセット制限の説明図である。第2空間ビームに関連する第3遅延は、隣接するセルUEに高い干渉を引き起こす可能性がある。
【0245】
図16は、N=N=4およびO1,1=O1,2=2のとき、O1,11,2=4個のビームグループからX=2個のビームグループを選択する場合を示している。各ビームグループは、N=16個のベクトルを含む。
【0246】
図17は、4つの異なる色を使用して示された4つの振幅レベルを使用して、N=16個のベクトルを含む1つのビームグループに制限されるビームベクトルを示す。
図18は、オーバーサンプリング係数O=4の場合に、4N個の遅延ベクトルのうち、H=2個の遅延グループを選択する場合を示している。
【0247】
図19は、4つの異なる色を使用して示された4個の振幅レベルを使用して、サイズN=8の1つの遅延グループに制限された遅延ベクトルを示す。
図20は、N=4の非線形振幅セットAの振幅値の不均一分布を示す。12個の振幅値は「0」から「0.5」までの範囲にあり、4個の振幅値は「0.5」から「1」までの範囲にある。
【0248】
図21は、N=4の線形振幅セットAの、「0」から「1」までの全範囲にわたる振幅値の均等分布を示す。
図22は、N=4についての非線形振幅セットからの振幅値の分布と、線形振幅セットからの振幅値の分布との比較を示す。12個の値が「0」から「0.5」までの範囲に割り当てられる非線形振幅セットとは対照的に、線形振幅セットを使用すると8個の値のみが割り当てられる。
【0249】
本発明の開示全体を通じて、いくつかの利点が実質的に実証された。当業者は、例示的な実施形態が、本開示に開示された例に限定されないことを理解するであろう。
本開示全体を通して、用語「含む」または「含み」は、非限定的な意味で使用されており、すなわち「少なくとも構成される」を意味する。さらに、本開示全体を通して、UEおよびネットワークノードまたはgNBの動作は、用語「UEは~するように構成される」および「gNBまたはネットワークノードは~するように構成されている」を使用して説明されている。これは、UEにおいて実行される方法が存在することをも意味し、この方法は、UEの対応する動作を含むが、方法の用語/ワードで表されることを意味する。ネットワークノードについても同様である。
【0250】
本明細書では特定の用語を使用することができるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的ではない。本明細書の実施形態は、GSM(登録商標)、3GまたはWCDMA(登録商標)、LTEまたは4G、LTE-A(またはLTE-Advanced)、5G、WiMAX、WiFi、衛星通信、TV放送などを含む任意の無線システムに適用することができ、ビーム形成技術を使用することができる。
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