(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】配線装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
H01L21/60 301G
(21)【出願番号】P 2022539193
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 JP2022000205
【審査請求日】2022-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000124959
【氏名又は名称】株式会社カイジョー
(74)【代理人】
【識別番号】100110858
【氏名又は名称】柳瀬 睦肇
(72)【発明者】
【氏名】松岡 墾基
(72)【発明者】
【氏名】黄 民
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特公昭60-057699(JP,B2)
【文献】特開平11-003906(JP,A)
【文献】特開平05-144867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H05K 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板に複数の列状に設けられた第1接続点のそれぞれと、前記第1接続点から所定距離離れた前記第1の基板または第2の基板に設けられた複数の第2接続点のそれぞれとを被覆線により布線する配線装置であって、
前記被覆線を繰り出す昇降可能なキャピラリと、前記キャピラリの近傍に配置された昇降可能なガイドと、前記キャピラリを昇降させる第1昇降機構と、前記ガイドを昇降させる第2昇降機構とを備え、
少なくとも前記第1接続点の第1の列に被覆線が布線された後、前記第1接続点の第2の列に被覆線を布線する際に、前記第2昇降機構によりガイドを下降させることにより前記第1の列に布線された被覆線を前記第2の列から遠ざける方向に移動させることを特徴とする配線装置。
【請求項2】
前記第1接続点が前記第1の基板に設けられた穴であり、前記キャピラリから繰り出された被覆線が前記穴に挿通されることを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項3】
前記第1接続点が前記第1の基板に設けられた電極であり、前記キャピラリから繰り出された被覆線が前記電極にボンディングされることを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項4】
前記ガイドは第1の接続点に布線された被覆線に対して交差する方向に長さを有することを特徴とする請求項1~3
のいずれか1項に記載の配線装置。
【請求項5】
前記第2昇降機構は、前記ガイドに一端が接続され又は一体的に繋げられた棒状部材と、前記棒状部材の他端に設けられたカムフォロワと、前記カムフォロワに接触させて配置された板カムと、前記棒状部材に一端が回転可能に接続された接続部材と、前記接続部材の他端が保持されたピストンと、前記ピストンを上下方向に移動させるシリンダと、を有し、
前記ピストンを上下方向に移動させることで前記板カムに接触しながら前記カムフォロワが移動することによって、前記ガイドを前記第1の列に対する垂線に遠ざかる方向又は近づける方向に移動させることを特徴とする請求項1~4
のいずれか1項に記載の配線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に設けられた複数の穴が並んだ列が2列以上あり、それら複数の穴の一つにキャピラリの先端から繰り出された被覆線を通し、その被覆線を基板下に引き込み、被覆線を繰り出しながらキャピラリを上昇させ、基板が水平移動し、キャピラリを下降させることで、被覆線の他端を基板に接合する。その後、その被覆線を切断し、キャピラリを上昇させ、基板を水平移動させてキャピラリを上記の複数の穴の一つの上方に位置させ、キャピラリを下降させつつキャピラリの先端から繰り出された被覆線を穴に通し、その被覆線を基板下に引き込み、上記と同様の操作をすることで、被覆線の他端を基板に接合する。これらを繰り返すことで、複数の穴が並んだ2列以上の各々の穴に被覆線を通し、その各々の被覆線の他端を基板に接合する。このようにして配線が組み立てられる。
【0003】
被覆線の本数が増えたり、上記の複数の穴の相互の間隔が短くなると(つまり1列に並んだ穴が狭ピッチになり且つ隣の穴の1列との間隔も短くなると)、既に被覆線が通された1列の穴の隣の1列の穴、又は既に被覆線が通された穴の隣の穴に、キャピラリの先端から繰り出された被覆線を通すときに、基板上に既に存在する被覆線の密集度が増加するため、その既存の被覆線が次に通そうとする穴側に倒れ、その穴に通そうとしている被覆線に倒れた被覆線が干渉してしまい、その被覆線を通そうとする穴に通らないことがあった。
【0004】
このような被覆線の干渉を抑える方法が特許文献1に開示されている。しかし、この方法では、機構が複雑になり、製造コストが増加する課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一態様は、基板上に既に存在する被覆線の倒れを規制することで、通そうとする被覆線が既存の被覆線と干渉することを抑制できる配線装置を提供することを課題とする。
また、本発明の一態様は、基板上に既に存在する被覆線の倒れを規制することで、接続しようとする被覆線が既存の被覆線と干渉することを抑制できる配線装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に本発明の種々の態様について説明する。
[A]第1の基板に複数の列状に設けられた第1接続点のそれぞれと、前記第1接続点から所定距離離れた前記第1の基板または第2の基板に設けられた複数の第2接続点のそれぞれとを被覆線により布線する配線装置であって、
前記被覆線を繰り出す昇降可能なキャピラリと、前記キャピラリの近傍に配置された昇降可能なガイドと、前記キャピラリを昇降させる第1昇降機構と、前記ガイドを昇降させる第2昇降機構とを備え、
少なくとも前記第1接続点の第1の列に被覆線が布線された後、前記第1接続点の第2の列に被覆線を布線する際に、前記第2昇降機構によりガイドを下降させることにより前記第1の列に布線された被覆線を前記第2の列から遠ざける方向に移動させることを特徴とする配線装置。
【0008】
[B]前記第1接続点が前記第1の基板に設けられた穴であり、前記キャピラリから繰り出された被覆線が前記穴に挿通されることを特徴とする上記[A]に記載の配線装置。
【0009】
[C]前記第1接続点が前記第1の基板に設けられた電極であり、前記キャピラリから繰り出された被覆線が前記電極にボンディングされることを特徴とする上記[C]に記載の配線装置。
【0010】
[D]前記ガイドは第1の接続点に布線された被覆線に対して交差する方向に長さを有することを特徴とする上記[A]~[C]に記載の配線装置。
【0011】
[E]前記第2昇降機構は、前記ガイドに一端が接続され又は一体的に繋げられた棒状部材と、前記棒状部材の他端に設けられたカムフォロワと、前記カムフォロワに接触させて配置された板カムと、前記棒状部材に一端が回転可能に接続された接続部材と、前記接続部材の他端が保持されたピストンと、前記ピストンを上下方向に移動させるシリンダと、を有し、
前記ピストンを上下方向に移動させることで前記板カムに接触しながら前記カムフォロワが移動することによって、前記ガイドを前記第1の列に対する垂線に遠ざかる方向又は近づける方向に移動させることを特徴とする上記[A]~[D]に記載の配線装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、基板上に既に存在する被覆線の倒れを規制することで、通そうとする被覆線が既存の被覆線と干渉することを抑制できる配線装置を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、基板上に既に存在する被覆線の倒れを規制することで、接続しようとする被覆線が既存の被覆線と干渉することを抑制できる配線装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一態様に係る押さえ装置を備えた配線装置を模式的に示す図である。
【
図2】(B)は、
図1に示す押さえ装置15を説明するための断面図、(A)は、(B)を上から視た平面図である。
【
図3】(A)は
図1に示す第1の被覆線14を押さえる際のキャピラリ25に対する第1の押さえガイド16の位置を示す図、(B)は
図1に示す第1の被覆線14を押さえない時にキャピラリ25から第1の押さえガイド16を退避させた際の位置を示す図である。
【
図4】第1の押さえガイド16とキャピラリ25の位置関係を示す図である。
【
図5】第1の押さえガイド16とキャピラリ25の位置関係を示す図である。
【
図6】(B)は、
図1に示す押さえ装置15を説明するための断面図、(A)は、(B)を上から視た平面図である。
【
図7】(A)、(B)は、第1の実施形態の第1及び第2の変形例を説明する図である。
【
図8】(A)、(B)は、第1の実施形態の第2の変形例を説明する図である。
【
図9】
図1に示す配線装置を用いて配線を組み立てる方法を説明する動作のフローチャートである。
【
図10】本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【
図11】本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【
図12】本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【
図13】本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【
図14】本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【
図15】本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【
図16】本発明の一態様に係る配線装置を説明するための模式図である。
【
図17】本発明の一態様に係る配線装置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一態様に係る押さえ装置を備えた配線装置を模式的に示す図である。
図2(B)は、
図1に示す第1の押さえガイド16ですでに穴に通された(挿入済の)第1の被覆線14を押さえながらキャピラリ25から繰り出された被覆線24を基板11(「第1の基板」ともいう)の第2の穴21に通している様子を示す断面図であり、
図2(A)は、
図2(B)を上から視た平面図である。なお、
図2(A)、(B)では、
図1に示すヘッド23のキャピラリ25より上の部分を図示していない。
【0016】
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一態様に係る押さえ装置15は、基板(第1の基板)11に設けられた複数の第1の穴12(「第1接続点」ともいう)が一列に並んだ第1の列13における複数の第1の穴(第1接続点)12の各々に第1の被覆線14(「被覆線」ともいう)の一端14bが挿入され、複数の第1の穴12の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第1の電極(「電極」ともいう)の各々に第1の被覆線(被覆線)14の他端14aが接続された状態の基板11に対して、すでに穴に通された(挿入済の)第1の被覆線14を押さえる装置である。なお、本明細書において「被覆線」は、種々の被覆線を用いることが可能であり、例えば銅を樹脂系材料で被覆した被覆線を用いてもよい。
【0017】
なお、本実施形態では、第1接続点を第1の穴12とし、被覆線14が第1の穴12に挿入される構成としているが、第1接続点を第1の基板に設けられた電極とし、被覆線14が電極にボンディングされる構成としてもよい。
【0018】
この押さえ装置15は、複数の第1の穴12の各々に一端が挿入された第1の被覆線14を押さえて、新たな被覆線24を穴に挿入するための押さえガイド機構を有している。
【0019】
また、本発明の一態様に係る押さえ装置15は、第1の被覆線14に対して交差する方向に長さを有し(
図2(A)参照)、第1の被覆線14を第1の列13から遠ざける方向に押さえる第1の押さえガイド16(「ガイド」ともいう)を有する。
また、この押さえ装置15は、第1の押さえガイド(ガイド)16を基板11に対して上下方向17に移動させる上下移動機構18を有する。
【0020】
また、この押さえ装置15は、第1の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第1の列13に対する垂線に近づける方向に移動させる第1の押さえ移動機構19(「第2昇降機構」ともいう)を有する。
【0021】
なお、本実施形態では、複数の第1の穴12が一列に並んだ第1の列13を有する基板11を用いているが、本実施形態の第3の変形例として複数の第1の接合部が一列に並んだ第1の列を有する基板を用いることも可能である。この場合、第3の変形例の押さえ装置は、基板に設けられた複数の第1の接合部が一列に並んだ第1の列における前記複数の第1の接合部の各々に第1の被覆線又は第1のワイヤの一端が接続され、前記複数の第1の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第1の電極の各々に前記第1の被覆線又は第1のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、すでに接合部に接続された第1の被覆線又は第1のワイヤを押さえる装置である。第3の変形例の押さえ装置においても上記の押さえガイド機構、第1の押さえガイド16、上下移動機構18、第1の押さえ移動機構19を有している。また、本明細書において「接合部」とは、被覆線又はワイヤを接合できるものであれば種々の接合部(例えば端子やパッド等)を含む意味である。
【0022】
また、本発明の一態様に係る押さえ装置15は、基板11に設けられた第1の列13と平行な第2の列20で且つ複数の第2の穴21が一列に並んだ第2の列20における複数の第2の穴21の各々に第2の被覆線22の一端が挿入され、複数の第2の穴21の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第2の電極の各々に第2の被覆線22の他端22aが接続された状態の基板11に対して、第1の被覆線14及び第2の被覆線22を押さえる装置である。
【0023】
第1の押さえガイド16は、第2の被覆線22に対して交差する方向に長さを有し(
図2(A)参照)、第1の被覆線14及び第2の被覆線22を第1の列13及び第2の列20から遠ざける方向に押さえるものである。
【0024】
第1の押さえ移動機構19は、第1の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第2の列20に対する垂線に近づける方向に移動させる機構である。
【0025】
なお、本実施形態では、第1の列13と平行な第2の列20で且つ複数の第2の穴21が一列に並んだ第2の列20を有する基板11を用いているが、本実施形態の第3の変形例として第1の列と平行な第2の列で且つ複数の第2の接合部が一列に並んだ基板を用いることも可能である。この場合、第3の変形例の押さえ装置は、基板に設けられた第1の列と平行な第2の列で且つ複数の第2の接合部が一列に並んだ第2の列における複数の第2の接合部の各々に第2の被覆線又は第2のワイヤの一端が接続され、複数の第2の接合部の各々から所定距離離れた基板又は基板上の複数の第2の電極の各々に第2の被覆線又は第2のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、第1及び第2の被覆線又は第1及び第2のワイヤを押さえる装置である。
【0026】
第1の押さえガイド16は、棒状であってもよいし、リング状又は矩形状の平面形状を有していてもよい(
図7(A)及び
図8(A))。
【0027】
以下に詳細に説明する。
基板(第1の基板)11には、複数の第1の穴(第1接続点)12が一列に並んだ第1の列13、複数の第2の穴21が一列に並んだ第2の列20が設けられるとともに、さらに3列以上の複数の穴の列が設けられている(
図2(A)参照)。第2の列20は第1の列13と平行に位置しており、3列目以降も互いに平行に位置している。複数の第1の穴12の各々に第1の被覆線(被覆線)14の一端14bが挿入され、複数の第1の穴12の各々から所定距離離れた基板(第1の基板)11又は基板11上の複数の第1の電極(「第2接続点」ともいう)の各々に第1の被覆線14の他端14aが接続されている(
図1及び
図2(A)、(B)参照)。複数の第2の穴21の各々に第2の被覆線22の一端が挿入されており、複数の第2の穴21の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第2の電極の各々に第2の被覆線22の他端22aが接続されている(
図2(A)参照)。第2の被覆線22の他端22aが接続されている基板11の表面は、第1の列13及び第2の列20が配置されている基板11の表面より高い位置に存在する。つまり、基板11には段差が設けられている。
【0028】
押さえ装置15は、
図2(A)、(B)に示すようにすでに穴に通された(挿入済の)第1の被覆線14及び第2の被覆線22を押さえるものである。押さえ装置15は、第1の押さえガイド16、上下移動機構18及び第1の押さえ移動機構19を有している。第1の押さえガイド16は第1の被覆線14及び第2の被覆線22に対して交差する方向に長さを有する。また上下移動機構18は、第1の押さえガイド16を上下方向17に移動させる機構である(
図1参照)。また第1の押さえ移動機構19は第1の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第1の列13に対する垂線に近づける方向及び遠ざける方向に移動させる機構である。
【0029】
図1に示すように、本発明の一態様に係る配線装置は、上述した押さえ装置15を備え、ヘッド23を有している。
ヘッド23内には、被覆線24を繰り出すキャピラリ25、キャピラリ25の近傍に配置された第1の押さえガイド(ガイド)16及び第1の押さえ移動機構19が配置されている。
第1の押さえ移動機構19は、第1の押さえガイド16をキャピラリ25の側方、上方又は下方に移動させる機構である。
上下移動機構18(「第1昇降機構」ともいう)は、ヘッド23をZ軸方向(上下方向)17に移動させる機構である。
また、配線装置は、基板11を載置するXYステージ26を有し、XYステージ26をX方向27に移動させるX軸移動機構29を有する。
また、配線装置は、XYステージ26をY方向28に移動させるY軸移動機構30を有する。
また、本実施形態では、ヘッド23内に被覆線24を繰り出すキャピラリ25を配置しているが、本実施形態の第3の変形例としてヘッド23内に被覆線24又はワイヤを繰り出すキャピラリ25を配置することも可能である。
【0030】
以下に詳細に説明する。
図1に示す配線装置はX方向27に移動させるX軸移動機構29とY方向28に移動させるY軸移動機構30を備えたXYステージ26を有する。このXYステージ26に載置された基板11の上方にはヘッド23が配置されている。ヘッド23は、Z軸方向(上下方向)17に移動させる上下移動機構18が取り付けられている。ヘッド23内には、被覆線24を繰り出すキャピラリ25、第1の押さえガイド16及び第1の押さえ移動機構19が配置されている。キャピラリ25が被覆線24を繰り出す機構は、公知の技術を用いるため、図示していない。また第1の押さえ移動機構19は、第1の押さえガイド16をキャピラリ25の側方、上方又は下方に移動させる機構である。
【0031】
図3(A)、(B)は、
図1に示す第1の押さえ移動機構19とキャピラリ25の位置関係を示す図であり、
図3(A)は
図1に示す第1の被覆線14を押さえる際のキャピラリ25に対する第1の押さえガイド16の位置を示し、
図3(B)は
図1に示す第1の被覆線14を押さえない時にキャピラリ25から第1の押さえガイド16を退避させた際の位置を示している。
【0032】
図3(A)、(B)に示すように、第1の押さえ移動機構(第2昇降機構)19は、第1の押さえガイド(ガイド)16に一端が接続され又は一体的に繋げられた棒状部材31と、棒状部材31の他端に設けられたカムフォロワ32と、カムフォロワ32に接触させて配置された板カム33と、棒状部材31に一端が回転可能に接続された接続部材34と、接続部材34の他端が保持されたピストン35と、ピストン35を上下方向(下方向36a、上方向36b)に移動させるシリンダ37と、を有している。
ピストン35を上下方向に移動させることで板カム33に接触しながらカムフォロワ32が移動することによって、第1の押さえガイド(ガイド)16を第1の列に対する垂線(例えば
図3(A)、(B)に示す被覆線24)に遠ざかる方向38又は近づける方向39に移動させることが可能である。ここではカムフォロワ、シリンダで説明したが、モーターやボールねじ等で上下、傾斜方向に移動できる機構ならいずれでも良い。
【0033】
つまり、
図3(A)、(B)に示すように、シリンダ37のピストン35を下方向36aに移動させることで、第1の押さえガイド16を被覆線24に近づける方向39に移動させることができ、またシリンダ37のピストン35を上方向36bに移動させることで、第1の押さえガイド16を被覆線24から遠ざかる方向38に移動させることができる。
【0034】
本実施形態では、
図3(A)、(B)に示す第1の押さえ移動機構19用いているが、
図4及び
図5に示す第1の押さえ移動機構に変更して実施してもよい。
図4及び
図5は、第1の押さえガイド16とキャピラリ25の位置関係を示す図である。
図4は、第1の被覆線14の一端14bが基板11の第1の穴を通され、第1の被覆線14の他端14aが基板11に接続された状態の基板11に対し、第1の被覆線14を押さえない時にキャピラリ25から第1の押さえガイド16を退避させている位置を示している。
図5は、第1の被覆線14を押さえる際のキャピラリ25に対する第1の押さえガイド16の位置を示しており、第1の被覆線14を第1の押さえガイド16によって押さえている状態を示している。
【0035】
図4及び
図5に示すように、第1の押さえ移動機構41は、第1の押さえガイド16に接続されたピストン42を備えたシリンダ43を有し、このシリンダ43はピストン42を第1の列に対する垂線(例えば
図4に示す被覆線24)に対して傾斜した方向に往復移動させるものである。ピストン42を傾斜した方向に移動させる理由は、第1の押さえガイド16を真上に移動させるとキャピラリ25と干渉するためである。
【0036】
つまり、
図4及び
図5に示すように、シリンダ43のピストン42を被覆線24に対して傾斜した上方向44に移動させることで、第1の押さえガイド16を被覆線24から遠ざける方向45に移動させることができ、またシリンダ43のピストン42を下方向46に移動させることで、第1の押さえガイド16を被覆線24に近づける方向47に移動させることができる。
【0037】
また、本発明の一態様に係る押さえ装置15は、
図1に示すように、さらに以下の構成を備えており、
図2及び
図6を参照しつつ説明する。
図6(B)は、
図1に示す押さえ装置15を説明するための断面図であり、
図6(A)は、
図6(B)を上から視た平面図である。なお、
図6(A)、(B)では、
図1に示すヘッド23のキャピラリ25より上の部分を図示していない。
【0038】
また、押さえ装置15は、
図2(A)に示す基板11に設けられた第1の列13から所定距離離れた
図6(A)に示す複数の第3の穴51が一列に並んだ第3の列52における複数の第3の穴51の各々に第3の被覆線53の一端53bが挿入され、複数の第3の穴51の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第3の電極の各々に第3の被覆線53の他端53aが接続された状態の基板11に対して、第3の被覆線53を押さえる装置である。
図2(A)と
図6(A)の位置関係は、
図2(A)に示す第1の列13と
図6(A)に示す第3の列52が対向する位置にあっても良いし、
図2(A)に示す第1の列13と
図6(A)に示す第3の列52が多角形の辺上の位置にあっても良い。
図1に示すように、押さえ装置15は、第1の押さえガイド16及び第1の押さえ移動機構19を基板11の表面に対する垂線(例えばキャピラリ25から繰り出された被覆線24)の周りを矢印54のように回転させる回転機構55を有する。
なお、本実施形態では、第1の列13から所定距離離れた
図6(A)に示す複数の第3の穴51が一列に並んだ第3の列52を有する基板11を用いているが、本実施形態の第3の変形例として第1の列13から所定距離離れた複数の第3の接合部が一列に並んだ第3の列を有する基板を用いることも可能である。この場合、第3の変形例の押さえ装置は、基板に設けられた第1の列から所定距離離れた複数の第3の接合部が一列に並んだ第3の列における複数の第3の接合部の各々に第3の被覆線53の一端53bが挿入され、複数の第3の接合部の各々から所定距離離れた基板又は基板上の複数の第3の電極の各々に第3の被覆線又は第3のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、第3の被覆線又は第3のワイヤを押さえる装置である。
【0039】
第1の押さえガイド16は、第3の被覆線53に対して交差する方向に長さを有し、第3の被覆線53を第3の列52から遠ざける方向に押さえるものである。
第1の押さえ移動機構19は、第1の押さえガイド16の下方に基板11の第3の列52を位置させた状態で、第1の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第3の列52に対する垂線(例えばキャピラリ25から繰り出された被覆線25)に近づける方向に移動させる機構である。
【0040】
また、押さえ装置15は、
図6(A)に示すように、基板11に設けられた第3の列52と平行な第4の列56で且つ複数の第4の穴57が一列に並んだ第4の列56における複数の第4の穴57の各々に第4の被覆線58の一端が挿入され、複数の第4の57穴の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第4の電極の各々に第4の被覆線58の他端58aが接続された状態の基板11に対して、第3の被覆線53及び第4の被覆線58を押さえる装置である。
第1の押さえガイド16は、第4の被覆線58に対して交差する方向に長さを有し、第3の被覆線53及び第4の被覆線58を第3の列52及び第4の列56から遠ざける方向に押さえるものである。
第1の押さえ移動機構19は、第1の押さえガイド16の下方に基板11の第4の列56を位置させた状態で、第1の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第4の列56に対する垂線(例えば
図2(B)及び
図3(A)に示す被覆線24)に近づける方向に移動させる機構である。
【0041】
以下に詳細に説明する。
基板11には、複数の第3の穴51が一列に並んだ第3の列52、複数の第4の穴57が一列に並んだ第4の列56が設けられるとともに、さらに3列以上の複数の穴の列が設けられている(
図6(A)参照)。第4の列56は第3の列52と平行に位置しており、3列目以降も互いに平行に位置している。複数の第3の穴31の各々に第3の被覆線53の一端53bが挿入され、複数の第3の穴51の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第3の電極の各々に第3の被覆線53の他端53aが接続されている(
図1及び
図6(A)、(B)参照)。複数の第4の穴57の各々に第4の被覆線58の一端が挿入されており、複数の第4の穴57の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第4の電極の各々に第4の被覆線58の他端58aが接続されている(
図2(A)参照)。第4の被覆線58の他端58aが接続されている基板11の表面は、第3の列52及び第4の列56が配置されている基板11の表面より高い位置に存在する。つまり、基板11には段差が設けられている。
【0042】
押さえ装置15は、
図2(A)、(B)に示すようにすでに穴に通された(挿入済の)第1の被覆線14及び第2の被覆線22を押さえるものである。押さえ装置15は、第1の押さえガイド16、上下移動機構18及び第1の押さえ移動機構19を有している。第1の押さえガイド16は第1の被覆線14及び第2の被覆線22に対して交差する方向に長さを有する。また上下移動機構18は、第1の押さえガイド16を上下方向17に移動させる機構である(
図1参照)。また第1の押さえ移動機構19は第1の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第1の列13に対する垂線に近づける方向及び遠ざける方向に移動させる機構である。
なお、本実施形態では、第3の列52と平行な第4の列56で且つ複数の第4の穴57が一列に並んだ第4の列56を有する基板11を用いているが、本実施形態の第3の変形例として第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の接合部が一列に並んだ第4の列を有する基板を用いることも可能である。この場合、第3の変形例の押さえ装置は、基板に設けられた第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の接合部が一列に並んだ第4の列における複数の第4の接合部の各々に第4の被覆線又は第4のワイヤの一端が接続され、複数の第4の接合部の各々から所定距離離れた基板又は基板上の複数の第4の電極の各々に第4の被覆線又は第4のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、第3及び第4の被覆線又は第3及び第4のワイヤを押さえる押さえ装置である。
【0043】
本実施形態によれば、基板11に既に配置された
図2(A)、(B)に示す第1及び第2の被覆線14,22又は
図6(A)、(B)に示す第3及び第4の被覆線53,58を第1の押さえガイド16により押さえることで、キャピラリ25から繰り出される次の被覆線24を基板11の第2の穴21又は第4の穴57に通すときに、その穴側に第1及び第2の被覆線14,22又は第3及び第4の被覆線53,58が倒れるのを防ぐことができる。これにより、挿入済の被覆線(ワイヤ)の膨らみにより基板の穴に被覆線を穴に通すことが出来なくなること、挿入済の被覆線の膨らみによりカメラ等で穴の位置の認識ができなくなることを改善できる。
また通そうとする次の被覆線24がすでに穴に通された第1及び第2の被覆線14,22又は第3及び第4の被覆線53,58と干渉することを無くすことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、
図1に示すように、キャピラリ25の周りを回転可能な押さえ装置15を用いているが、押さえ装置15を回転させるのではなく、XYステージ26を回転させる回転機構を設けることで、XYステージ26を回転させてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、
図1に示すように、キャピラリ25の周りを回転可能な一つの押さえ装置15を用いているが、以下のように変更して実施することも可能である。
【0046】
図7(A)、(B)は、本実施形態の第1の変形例を説明する図であって、
図7(B)は、第1のキャピラリ61、第2のキャピラリ62、第2の押さえガイド、第1の押さえ移動機構41及び第2の押さえ移動機構66を模式的に示す図である。
図7(A)は、
図7(B)に示す第1のキャピラリ61、第2のキャピラリ62及び第2の押さえガイドを上から視た平面図である。
図7(A)、(B)に示す部分以外は本実施形態と同様であるので説明を省略する。なお、
図7(A)では一体型押さえガイド63を示しているが、第1の変形例の第2の押さえガイド16は第1の押さえガイド16と同様のものを用いており(
図6(A)、(B)参照)、一体型ではない。
【0047】
また、第1の押さえ移動機構41は、押さえガイド16に接続されたピストン42を備えたシリンダ43を有しており、また第2の押さえ移動機構66は、押さえガイド16に接続されたピストン64を備えたシリンダ65を有している(
図4及び
図5参照)。
【0048】
第1の変形例は、
図2(A)に示す基板11に設けられた第1の列13から所定距離離れた
図6(A)に示す複数の第3の穴51が一列に並んだ第3の列52における複数の第3の穴51の各々に第3の被覆線53の一端53bが挿入され、複数の第3の穴51の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第3の電極の各々に第3の被覆線53の他端53aが接続された状態の基板11に対して、第3の被覆線53を押さえる押さえ装置である。
この押さえ装置は、
図6(A)に示す第3の被覆線53に対して交差する方向に長さを有し、第3の被覆線53を第3の列52から遠ざける方向に押さえるに示す第2の押さえガイド16と、
第2の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第3の列に52対する垂線に近づける方向に移動させる
図7(B)に示す第2の押さえ移動機構66と、を有する。ここでいう第2の押さえガイド16は、前述した第1の押さえガイドと同様の構造を有する。
図1に示す上下移動機構18は、第2の押さえガイドを基板11に対して上下方向に移動させる機構である。
【0049】
つまり、第1の変形例の押さえ装置では、
図1に示す押さえ装置15及びキャピラリ25を2組有し、
図7(A)に示す第1及び第2のキャピラリ61,62のように2つのキャピラリは対向するように配置され、
図1に示されていないキャピラリに使用される押さえ装置は第1の押さえ装置15とは逆側に配置されている。
なお、上記第1の変形例では、第1の列13から所定距離離れた
図6(A)に示す複数の第3の穴51が一列に並んだ第3の列52を有する基板11を用いているが、第1の変形例に対する第4の変形例として第1の列から所定距離離れた複数の第3の接合部が一列に並んだ第3の列を有する基板を用いることも可能である。この場合、第4の変形例の押さえ装置は、第1の列から所定距離離れた複数の第3の接合部が一列に並んだ第3の列における複数の第3の接合部の各々に第3の被覆線又は第3のワイヤの一端が接続され、複数の第3の接合部の各々から所定距離離れた基板又は基板上の複数の第3の電極の各々に第3の被覆線又は第3のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、第3の被覆線又は第3のワイヤを押さえる押さえ装置である。
【0050】
また、第1の変形例の押さえ装置は、
図6(A)に示すように、基板11に設けられた第3の列52と平行な第4の列56で且つ複数の第4の穴57が一列に並んだ第4の列56における複数の第4の穴57の各々に第4の被覆線58の一端が挿入され、複数の第4の穴57の各々から所定距離離れた基板11又は基板11上の複数の第4の電極の各々に第4の被覆線58の他端58aが接続された状態の基板11に対して、第3の被覆線53及び第4の被覆線58を押さえる装置である。
第2の押さえガイド16は、第4の被覆線58に対して交差する方向に長さを有し、第3の被覆線53及び第4の被覆線58を第3の列52及び第4の列56から遠ざける方向に押さえるものである。
第2の押さえ移動機構(例えば
図7(A)に示す第2の押さえ移動機構66)は、第2の押さえガイド16の下方に基板11の第4の列56を位置させた状態で、第2の押さえガイド16を基板11の表面に対する垂線で且つ第4の列56に対する垂線((例えば
図6(B)に示す被覆線24))に近づける方向に移動させる機構である。
なお、上記第1の変形例では、第3の列52と平行な第4の列56で且つ複数の第4の穴57が一列に並んだ第4の列56を有する基板11を用いているが、第1の変形例に対する第4の変形例として第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の接合部が一列に並んだ第4の列を有する基板を用いることも可能である。この場合、第4の変形例の押さえ装置は、第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の接合部が一列に並んだ第4の列における複数の第4の接合部の各々に第4の被覆線又は第4のワイヤの一端が接続され、複数の第4の接合部の各々から所定距離離れた基板又は基板上の複数の第4の電極の各々に第4の被覆線又は第4のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、第3及び第4の被覆線又は第3及び第4のワイヤを押さえる押さえ装置である。
【0051】
第1の変形例では、第1の押さえガイドと第2の押さえガイドを有する押さえ装置を用いているが、以下のように変更して実施しても可能である。
【0052】
図7(A)は、第2の変形例を説明する図であって、上記の第1の押さえガイドと第2の押さえガイドが一体に形成された一体型押さえガイド63を示す平面図である。この一体型押さえガイド63は、平面形状が矩形状の押さえガイド63bである。
図7(B)は、
図7(A)に示す一体型押さえガイド63の断面図である。ただし、
図7(A)では、第1のキャピラリ61及び第2のキャピラリ62が示されており、
図7(B)では、第1のキャピラリ61及び第2のキャピラリ62に加えて、第1の押さえ移動機構41及び第2の押さえ移動機構66が示されている。
また、一体型押さえガイド63aは、平面形状がリング状であってもよい(
図8(A)、(B)参照)。
また、第1の押さえ移動機構41は、一体型押さえガイド63に接続されたピストン42を備えたシリンダ43を有している。このピストン42は一体型押さえガイド63と接続及び分離を制御部によって自在に制御可能とされている。また第2の押さえ移動機構66は、一体型押さえガイド63に接続されたピストン64を備えたシリンダ65を有している。このピストン64は一体型押さえガイド63と接続及び分離を制御部によって自在に制御可能とされている。
上記の一体型押さえガイド63,63aは、第1の押さえ移動機構41によって移動させる際は第3の移動機構66とは接続されない。この場合は、第1のキャピラリ61を用いることで、
図1及び
図2(A)、(B)に示すような動作を行うことができる。
また一体型押さえガイド63,63aは、第3の移動機構66によって移動させる際は第1の押さえ移動機構41とは接続されない。この場合は、第3のキャピラリ66を用いることで、
図1及び
図6(A)、(B)に示すような動作を行うことができる。
【0053】
第1の変形例の第1及び第2の押さえ移動機構41,66、第1及び第2のキャピラリ61,62、第1及び第2の押さえガイド16を備えた配線装置は、
図1に示すヘッド23を有するが、
図1に示すヘッド23と異なる点は
図7(A)、(B)及び
図8(A)、(B)に示すような配置で第1及び第2の押さえ移動機構41,66、第1及び第2のキャピラリ61,62、第1及び第2の押さえガイド(図示せず)を備えている点である。
ヘッド23内には、被覆線を繰り出す第1のキャピラリ61、第1の押さえガイド、第1の押さえ移動機構41、被覆線を繰り出す第2のキャピラリ62、第2の押さえガイド、第2の押さえ移動機構66が配置されている。
第1の押さえ移動機構41は、第1の押さえガイドを第1のキャピラリ61の先端又は第1のキャピラリ61の下に移動させる機構である。
第2の押さえ移動機構66は、第2の押さえガイドを第2のキャピラリ62の先端又は第2のキャピラリ62の下に移動させる機構である。
上下移動機構17は、ヘッド23をZ軸方向17に移動させる機構である。
なお、上記第2の変形例では、ヘッド23内には、被覆線を繰り出す第1のキャピラリ61、第1の押さえガイド、第1の押さえ移動機構41、被覆線を繰り出す第2のキャピラリ62が配置されているが、第2の変形例に対する第4の変形例としてヘッド23内には、被覆線又はワイヤを繰り出す第1のキャピラリ61、第1の押さえガイド、第1の押さえ移動機構41、被覆線又はワイヤを繰り出す第2のキャピラリ62が配置されることも可能である。
【0054】
第2の変形例の第1及び第2の押さえ移動機構41,66、第1及び第2のキャピラリ61,62、一体型押さえガイド63,63aを備えた配線装置は、
図1に示すヘッド23を有するが、
図1に示すヘッド23と異なる点は
図7(A)、(B)及び
図8(A)、(B)に示すような配置で第1及び第2の押さえ移動機構41,66、第1及び第2のキャピラリ61,62、一体型押さえガイド63,63aを備えている点である。
ヘッド23内には、被覆線を繰り出す第1のキャピラリ61、一体型押さえガイド63,63a、第1の押さえ移動機構41、被覆線を繰り出す第2のキャピラリ62、第2の押さえ移動機構66が配置されている。
第1の押さえ移動機構41は、一体型押さえガイド63,63aを第1のキャピラリ61の先端又は第1のキャピラリ61の下に移動させる機構である。
第2の押さえ移動機構66は、一体型押さえガイド63,63aを第2のキャピラリ62の先端又は第2のキャピラリ62の下に移動させる機構である。
上下移動機構17は、ヘッド23をZ軸方向17に移動させる機構である。
【0055】
第1から第4の変形例においても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第1から第4の変形例を互いに組み合わせて実施することも可能である。
【0056】
(第2の実施形態)
図9は、
図1に示す配線装置を用いて配線を組み立てる方法を説明する動作のフローチャートである。
図10~
図15は、本発明の一態様に係る既存の被覆線を押さえながら配線を組み立てる方法を説明する図である。
【0057】
まず、
図10に示すように、キャピラリ25を第2の穴21の上方に移動させ、第1の押さえガイド16をキャピラリ25の下方のキャピラリ25から繰り出された被覆線24に近づける方向に移動させる(
図9に示す押さえガイド設置S1)。
【0058】
次に、
図11及び
図2(B)に示すように、ヘッド23を下降させてキャピラリ25及び第1の押さえガイド16を下方に移動させ、第1の押さえガイド16によって第1の被覆線14を押さえながら被覆線24(ワイヤ)の先端を第2の穴21に挿入する(
図9のS2)。このとき、既存の第1の被覆線14が第2の穴21に挿入しようとする被覆線24と干渉することを防ぐことができる。
【0059】
次に、
図12に示すように、第2の穴21に挿入された被覆線24を基板11の下に引き込みつつ、キャピラリ25から被覆線24が繰り出されてキャピラリ25及び第1の押さえガイド16を上昇させるとともに、第1の押さえガイド16を
図3(B)又は
図4に示すようなキャピラリ25から退避させた位置に移動させる(
図9のS3)。第1の押さえガイド16を退避させるタイミングは、キャピラリ25を上昇させるまでに退避させていればよい。
【0060】
次に、
図13に示すように、基板11が載置されているXYステージ26をX軸移動機構29によりX方向27に水平移動させ、ヘッド23を下降させてキャピラリ25の先端で被覆線24(ワイヤ)の他端24bを基板11又は基板上の電極に接合する(
図9のS4)。この際、第1の押さえガイド16が退避されているため、被覆線24と干渉することを防止できる。
【0061】
次に、
図14に示すように、ヘッド23を上昇させてキャピラリ25を上昇させ、被覆線24(ワイヤ)をカットする(
図9のS5)。
【0062】
次に、
図15に示すように、基板11が載置されているXYステージ26をX軸移動機構29によりX方向27に水平移動させ、被覆線を挿入する基板11の次の穴の上方にキャピラリ25及び第1の押さえガイド16を移動させる(
図9のS6)。
【0063】
この後は、
図10から
図15に示す動作を繰り返すことで、配線を組み立てることができる。
【0064】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
(第3の実施形態)
図16及び
図17は、本発明の一態様に係る配線装置を説明するための模式図である。この配線装置は押さえ装置を備えている。
【0066】
本実施形態による配線装置は、第1の基板101に複数の列状に設けられた第1接続点102のそれぞれと、第1接続点102から所定距離離れた第2の基板103に設けられた複数の第2接続点104のそれぞれとを被覆線105により布線する装置である。
【0067】
この配線装置は、被覆線105を繰り出す昇降可能なキャピラリと、このキャピラリの近傍に配置された昇降可能なガイドと、このキャピラリを昇降させる第1昇降機構と、このガイドを昇降させる第2昇降機構とを備えている。
【0068】
図16に示すように、この配線装置により少なくとも第1接続点102の第1の列に被覆線105が布線された後、第1接続点102の第2の列に被覆線105を布線する際に、第2昇降機構によりガイドを下降させることにより第1の列に布線された被覆線105を第2の列から遠ざける方向に移動させる。これにより、第1の列の被覆線105を押さえながら第2の列の第1接続点102に被覆線105を接続することができる。
【0069】
また、この配線装置により少なくとも第2接続点104の第1の列に被覆線105が布線された後、第2接続点104の第2の列に被覆線105を布線する際に、第2昇降機構によりガイドを下降させることにより第1の列に布線された被覆線105を第2の列から遠ざける方向に移動させる。これにより、第1の列の被覆線105を押さえながら第2の列の第2接続点104に被覆線105を接続することができる。
【0070】
次に、
図16に示す矢印106のように第1の基板101を180°回転させる。これにより、
図17に示すように、第1の基板101の第1の接続点102と第2の基板103の第2接続点104とが被覆線105によって接続された状態で第1の基板101と第2の基板103を対向させる。
【0071】
この後、第1の基板101と第2の基板103との間及び被覆線105をモールド樹脂(図示せず)により封止する。これにより、第1の基板101と第2の基板103を一体にする。
【0072】
なお、第1から第3の実施形態を適宜組み合わせることで、種々の態様の実施形態により実施することも可能である。
【0073】
(付記)
以下に本発明の他の種々の態様について説明する。
[1]基板に設けられた複数の穴が一列に並んだ列における前記複数の穴の各々に被覆線の一端が挿入され、前記複数の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第1の電極の各々に前記第1の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記被覆線を押さえる押さえ装置であって、
前記複数の穴の各々に一端が挿入された被覆線を押さえて、新たな被覆線を穴に挿入するための押さえガイド機構を有することを特徴とする押さえ装置
【0074】
[2]基板に設けられた複数の接合部が一列に並んだ列における前記複数の接合部の各々に被覆線又はワイヤの一端が接続され、前記複数の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の電極の各々に前記被覆線又は前記ワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記被覆線又は前記ワイヤを押さえる押さえ装置であって、
前記複数の接合部の各々に一端が接続された被覆線又はワイヤを押さえて、新たな被覆線又はワイヤを接合部に接続するための押さえガイド機構を有することを特徴とする押さえ装置。
【0075】
[3]基板に設けられた複数の第1の穴が一列に並んだ第1の列における前記複数の第1の穴の各々に第1の被覆線の一端が挿入され、前記複数の第1の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第1の電極の各々に前記第1の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記第1の被覆線を押さえる押さえ装置であって、
前記第1の被覆線に対して交差する方向に長さを有し、前記第1の被覆線を前記第1の列から遠ざける方向に押さえる第1の押さえガイドと、
前記第1の押さえガイドを前記基板に対して上下方向に移動させる上下移動機構と、
前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第1の列に対する垂線に近づける方向に移動させる第1の押さえ移動機構と、
を有することを特徴とする押さえ装置。
【0076】
[4]上記[3]において、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドに一端が接続され又は一体的に繋げられた棒状部材と、前記棒状部材の他端に設けられたカムフォロワと、前記カムフォロワに接触させて配置された板カムと、前記棒状部材に一端が回転可能に接続された接続部材と、前記接続部材の他端が保持されたピストンと、前記ピストンを上下方向に移動させるシリンダと、を有し、
前記ピストンを上下方向に移動させることで前記板カムに接触しながら前記カムフォロワが移動することによって、前記第1の押さえガイドを前記第1の列に対する垂線に遠ざかる方向又は近づける方向に移動させることを特徴とする押さえ装置。
【0077】
[5]上記[3]において、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドに接続されたピストンを備えたシリンダを有し、前記シリンダは前記ピストンを前記第1の列に対する垂線に対して傾斜した方向に往復移動させるものであることを特徴とする押さえ装置。
【0078】
[6]上記[3]から[5]のいずれか一項において、
前記基板に設けられた前記第1の列と平行な第2の列で且つ複数の第2の穴が一列に並んだ前記第2の列における前記複数の第2の穴の各々に第2の被覆線の一端が挿入され、前記複数の第2の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第2の電極の各々に前記第2の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記第1の被覆線及び前記第2の被覆線を押さえる押さえ装置であり、
前記第1の押さえガイドは、前記第2の被覆線に対して交差する方向に長さを有し、前記第1の被覆線及び前記第2の被覆線を前記第1の列及び前記第2の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第2の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0079】
[7]上記[3]から[6]のいずれか一項において、
前記基板に設けられた前記第1の列から所定距離離れた複数の第3の穴が一列に並んだ第3の列における前記複数の第3の穴の各々に第3の被覆線の一端が挿入され、前記複数の第3の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第3の電極の各々に前記第3の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記第3の被覆線を押さえる押さえ装置であり、
前記基板を載置するXYステージを有し、
前記XYステージをX方向に移動させるX軸移動機構を有し、
前記XYステージをY方向に移動させるY軸移動機構を有し、
前記第1の押さえガイド及び前記第1の押さえ移動機構を前記基板の表面に対する垂線の周りを回転させる回転機構を有し、
前記第1の押さえガイドは、前記第3の被覆線に対して交差する方向に長さを有し、前記第3の被覆線を前記第3の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドの下方に前記基板の前記第3の列を位置させた状態で、前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第3の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0080】
[8]上記[7]において、
前記基板に設けられた前記第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の穴が一列に並んだ前記第4の列における前記複数の第4の穴の各々に第4の被覆線の一端が挿入され、前記複数の第4の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第4の電極の各々に前記第4の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記第3の被覆線及び前記第4の被覆線を押さえる押さえ装置であり、
前記第1の押さえガイドは、前記第4の被覆線に対して交差する方向に長さを有し、前記第3の被覆線及び前記第4の被覆線を前記第3の列及び前記第4の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドの下方に前記基板の前記第4の列を位置させた状態で、前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第4の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0081】
[9]上記[3]から[8]のいずれか一項に記載の押さえ装置を備え、
ヘッドを有し、
前記ヘッド内には、被覆線を繰り出すキャピラリ、前記第1の押さえガイド及び前記第1の押さえ移動機構が配置されており、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドを前記キャピラリの側方、上方又は下方に移動させる機構であり、
前記上下移動機構は、前記ヘッドをZ軸方向に移動させる機構であり、
前記基板を載置するXYステージを有し、
前記XYステージをX方向に移動させるX軸移動機構を有し、
前記XYステージをY方向に移動させるY軸移動機構を有することを特徴とする配線装置。
【0082】
[10]上記[3]から[9]のいずれか一項において、
前記第1の押さえガイドは、リング状又は矩形状の平面形状を有することを特徴とする押さえ装置。
【0083】
[11]上記[3]から[6]のいずれか一項において、
前記基板に設けられた前記第1の列から所定距離離れた複数の第3の穴が一列に並んだ第3の列における前記複数の第3の穴の各々に第3の被覆線の一端が挿入され、前記複数の第3の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第3の電極の各々に前記第3の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記第3の被覆線を押さえる押さえ装置であり、
前記基板を載置するXYステージと、
前記XYステージをX方向に移動させるX軸移動機構と、
前記XYステージをY方向に移動させるY軸移動機構と、
前記第3の被覆線に対して交差する方向に長さを有し、前記第3の被覆線を前記第3の列から遠ざける方向に押さえる第2の押さえガイドと、
前記第2の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第3の列に対する垂線に近づける方向に移動させる第2の押さえ移動機構と、
を有し、
前記上下移動機構は、前記第2の押さえガイドを前記基板に対して上下方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0084】
[12]上記[11]において、
前記基板に設けられた前記第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の穴が一列に並んだ前記第4の列における前記複数の第4の穴の各々に第4の被覆線の一端が挿入され、前記複数の第4の穴の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第4の電極の各々に前記第4の被覆線の他端が接続された状態の基板に対して、前記第3の被覆線及び前記第4の被覆線を押さえる押さえ装置であり、
前記第2の押さえガイドは、前記第4の被覆線に対して交差する方向に長さを有し、前記第3の被覆線及び前記第4の被覆線を前記第3の列及び前記第4の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第2の押さえ移動機構は、前記第2の押さえガイドの下方に前記基板の前記第4の列を位置させた状態で、前記第2の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第4の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0085】
[13]上記[11]又は[12]において、
前記第1の押さえガイドと前記第2の押さえガイドが一体に形成された一体型押さえガイドであり、
前記一体型押さえガイドは、リング状又は矩形状の平面形状を有し、
前記一体型押さえガイドは、前記第1の押さえ移動機構によって移動させる際は前記第3の移動機構とは接続されず、
前記一体型押さえガイドは、前記第3の移動機構によって移動させる際は前記第1の押さえ移動機構とは接続されないことを特徴とする押さえ装置。
【0086】
[14]上記[11]又は[12]に記載の押さえ装置を備え、
ヘッドを有し、
前記ヘッド内には、被覆線を繰り出す第1のキャピラリ、前記第1の押さえガイド、前記第1の押さえ移動機構、被覆線を繰り出す第2のキャピラリ、前記第2の押さえガイド、前記第2の押さえ移動機構が配置されており、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドを前記第1のキャピラリの先端又は前記第1のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記第2の押さえ移動機構は、前記第2の押さえガイドを前記第2のキャピラリの先端又は前記第2のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記上下移動機構は、前記ヘッドをZ軸方向に移動させる機構であることを特徴とする配線装置。
【0087】
[15]上記[13]に記載の押さえ装置を備え、
ヘッドを有し、
前記ヘッド内には、被覆線を繰り出す第1のキャピラリ、前記一体型押さえガイド、前記第1の押さえ移動機構、被覆線を繰り出す第2のキャピラリ、前記第2の押さえ移動機構が配置されており、
前記第1の押さえ移動機構は、前記一体型押さえガイドを前記第1のキャピラリの先端又は前記第1のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記第2の押さえ移動機構は、前記一体型押さえガイドを前記第2のキャピラリの先端又は前記第2のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記上下移動機構は、前記ヘッドをZ軸方向に移動させる機構であることを特徴とする配線装置。
【0088】
[16]基板に設けられた複数の第1の接合部が一列に並んだ第1の列における前記複数の第1の接合部の各々に第1の被覆線又は第1のワイヤの一端が接続され、前記複数の第1の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第1の電極の各々に前記第1の被覆線又は前記第1のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記第1の被覆線又は前記第1のワイヤを押さえる押さえ装置であって、
前記第1の被覆線又は前記第1のワイヤに対して交差する方向に長さを有し、前記第1の被覆線又は前記第1のワイヤを前記第1の列から遠ざける方向に押さえる第1の押さえガイドと、
前記第1の押さえガイドを前記基板に対して上下方向に移動させる上下移動機構と、
前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第1の列に対する垂線に近づける方向に移動させる第1の押さえ移動機構と、
を有することを特徴とする押さえ装置。
【0089】
[17]上記[16]において、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドに一端が接続され又は一体的に繋げられた棒状部材と、前記棒状部材の他端に設けられたカムフォロワと、前記カムフォロワに接触させて配置された板カムと、前記棒状部材に一端が回転可能に接続された接続部材と、前記接続部材の他端が保持されたピストンと、前記ピストンを上下方向に移動させるシリンダと、を有し、
前記ピストンを上下方向に移動させることで前記板カムに接触しながら前記カムフォロワが移動することによって、前記第1の押さえガイドを前記第1の列に対する垂線に遠ざかる方向又は近づける方向に移動させることを特徴とする押さえ装置。
【0090】
[18]上記[16]において、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドに接続されたピストンを備えたシリンダを有し、前記シリンダは前記ピストンを前記第1の列に対する垂線に対して傾斜した方向に往復移動させるものであることを特徴とする押さえ装置。
【0091】
[19]上記[16]から[18]のいずれか一項において、
前記基板に設けられた前記第1の列と平行な第2の列で且つ複数の第2の接合部が一列に並んだ前記第2の列における前記複数の第2の接合部の各々に第2の被覆線又は第2のワイヤの一端が接続され、前記複数の第2の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第2の電極の各々に前記第2の被覆線又は前記第2のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記第1及び第2の被覆線又は前記第1及び第2のワイヤを押さえる押さえ装置であり、
前記第1の押さえガイドは、前記第2の被覆線又は前記第2のワイヤに対して交差する方向に長さを有し、前記第1及び第2の被覆線又は前記第1及び第2のワイヤを前記第1の列及び前記第2の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第2の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0092】
[20]上記[16]から[19]のいずれか一項において、
前記基板に設けられた前記第1の列から所定距離離れた複数の第3の接合部が一列に並んだ第3の列における前記複数の第3の接合部の各々に第3の被覆線又は第3のワイヤの一端が接続され、前記複数の第3の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第3の電極の各々に前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤを押さえる押さえ装置であり、
前記基板を載置するXYステージを有し、
前記XYステージをX方向に移動させるX軸移動機構を有し、
前記XYステージをY方向に移動させるY軸移動機構を有し、
前記第1の押さえガイド及び前記第1の押さえ移動機構を前記基板の表面に対する垂線の周りを回転させる回転機構を有し、
前記第1の押さえガイドは、前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤに対して交差する方向に長さを有し、前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤを前記第3の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドの下方に前記基板の前記第3の列を位置させた状態で、前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第3の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0093】
[21]上記[20]において、
前記基板に設けられた前記第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の接合部が一列に並んだ前記第4の列における前記複数の第4の接合部の各々に第4の被覆線又は第4のワイヤの一端が接続され、前記複数の第4の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第4の電極の各々に前記第4の被覆線又は前記第4のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記第3及び第4の被覆線又は前記第3及び第4のワイヤを押さえる押さえ装置であり、
前記第1の押さえガイドは、前記第4の被覆線又は前記第4のワイヤに対して交差する方向に長さを有し、前記第3及び第4の被覆線又は前記第3及び第4のワイヤを前記第3の列及び前記第4の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドの下方に前記基板の前記第4の列を位置させた状態で、前記第1の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第4の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0094】
[22]上記[16]から[21]のいずれか一項に記載の押さえ装置を備え、
ヘッドを有し、
前記ヘッド内には、第1の被覆線又は第1のワイヤを繰り出すキャピラリ、前記第1の押さえガイド及び前記第1の押さえ移動機構が配置されており、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドを前記キャピラリの側方、上方又は下方に移動させる機構であり、
前記上下移動機構は、前記ヘッドをZ軸方向に移動させる機構であり、
前記基板を載置するXYステージを有し、
前記XYステージをX方向に移動させるX軸移動機構を有し、
前記XYステージをY方向に移動させるY軸移動機構を有することを特徴とする配線装置。
【0095】
[23]上記[16]から[22]のいずれか一項において、
前記第1の押さえガイドは、リング状又は矩形状の平面形状を有することを特徴とする押さえ装置。
【0096】
[24]上記[16]から[19]のいずれか一項において、
前記基板に設けられた前記第1の列から所定距離離れた複数の第3の接合部が一列に並んだ第3の列における前記複数の第3の接合部の各々に第3の被覆線又は第3のワイヤの一端が接続され、前記複数の第3の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第3の電極の各々に前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤを押さえる押さえ装置であり、
前記基板を載置するXYステージと、
前記XYステージをX方向に移動させるX軸移動機構と、
前記XYステージをY方向に移動させるY軸移動機構と、
前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤに対して交差する方向に長さを有し、前記第3の被覆線又は前記第3のワイヤを前記第3の列から遠ざける方向に押さえる第2の押さえガイドと、
前記第2の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第3の列に対する垂線に近づける方向に移動させる第2の押さえ移動機構と、
を有し、
前記上下移動機構は、前記第2の押さえガイドを前記基板に対して上下方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0097】
[25]上記[24]において、
前記基板に設けられた前記第3の列と平行な第4の列で且つ複数の第4の接合部が一列に並んだ前記第4の列における前記複数の第4の接合部の各々に第4の被覆線又は第4のワイヤの一端が接続され、前記複数の第4の接合部の各々から所定距離離れた前記基板又は前記基板上の複数の第4の電極の各々に前記第4の被覆線又は前記第4のワイヤの他端が接続された状態の基板に対して、前記第3及び第4の被覆線又は前記第3及び第4のワイヤを押さえる押さえ装置であり、
前記第2の押さえガイドは、前記第4の被覆線又は前記第4のワイヤに対して交差する方向に長さを有し、前記第3及び第4の被覆線又は前記第3及び第4のワイヤを前記第3の列及び前記第4の列から遠ざける方向に押さえるものであり、
前記第2の押さえ移動機構は、前記第2の押さえガイドの下方に前記基板の前記第4の列を位置させた状態で、前記第2の押さえガイドを前記基板の表面に対する垂線で且つ前記第4の列に対する垂線に近づける方向に移動させる機構であることを特徴とする押さえ装置。
【0098】
[26]上記[24]又は[25]において、
前記第1の押さえガイドと前記第2の押さえガイドが一体に形成された一体型押さえガイドであり、
前記一体型押さえガイドは、リング状又は矩形状の平面形状を有し、
前記一体型押さえガイドは、前記第1の押さえ移動機構によって移動させる際は前記第3の移動機構とは接続されず、
前記一体型押さえガイドは、前記第3の移動機構によって移動させる際は前記第1の押さえ移動機構とは接続されないことを特徴とする押さえ装置。
【0099】
[27]上記[24]又は[25]に記載の押さえ装置を備え、
ヘッドを有し、
前記ヘッド内には、被覆線又はワイヤを繰り出す第1のキャピラリ、前記第1の押さえガイド、前記第1の押さえ移動機構、被覆線又はワイヤを繰り出す第2のキャピラリ、前記第2の押さえガイド、前記第2の押さえ移動機構が配置されており、
前記第1の押さえ移動機構は、前記第1の押さえガイドを前記第1のキャピラリの先端又は前記第1のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記第2の押さえ移動機構は、前記第2の押さえガイドを前記第2のキャピラリの先端又は前記第2のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記上下移動機構は、前記ヘッドをZ軸方向に移動させる機構であることを特徴とする配線装置。
【0100】
[28]上記[26]に記載の押さえ装置を備え、
ヘッドを有し、
前記ヘッド内には、被覆線又はワイヤを繰り出す第1のキャピラリ、前記一体型押さえガイド、前記第1の押さえ移動機構、被覆線又はワイヤを繰り出す第2のキャピラリ、前記第2の押さえ移動機構が配置されており、
前記第1の押さえ移動機構は、前記一体型押さえガイドを前記第1のキャピラリの先端又は前記第1のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記第2の押さえ移動機構は、前記一体型押さえガイドを前記第2のキャピラリの先端又は前記第2のキャピラリの下に移動させる機構であり、
前記上下移動機構は、前記ヘッドをZ軸方向に移動させる機構であることを特徴とする配線装置。
【符号の説明】
【0101】
11…基板
12…第1の穴
13…第1の列
14…第1の被覆線
14a…第1の被覆線の他端
14b…第1の被覆線の一端
15…押さえ装置
16…第1の押さえガイド
17…上下方向(Z軸方向)
18…上下移動機構
19…第1の押さえ移動機構
20…第2の列
21…第2の穴
22…第2の被覆線
22a…第2の被覆線の他端
23…ヘッド
24…被覆線
25…キャピラリ
26…XYステージ
27…X方向
28…Y方向
29…X軸移動機構
30…Y軸移動機構
31…棒状部材
32…カムフォロワ
33…板カム
33a…第3ロック部
34…接続部材
35…ピストン
36a…下方向
36b…上方向
37…シリンダ
38…第1の列に対する垂線に遠ざかる方向
39…第1の列に対する垂線に近づける方向
41…第1の押さえ移動機構
42…ピストン
43…シリンダ
44…上方向
46…下方向
47…被覆線に近づける方向
51…第3の穴
52…第3の列
53…第3の被覆線
53a…第3の被覆線の他端
53b…第3の被覆線の一端
56…第4の列
57…第4の穴
58…第4の被覆線
58a…第4の被覆線58の他端
61…第1のキャピラリ
62…第2のキャピラリ
63,63a…一体型押さえガイド
64…ピストン
65…シリンダ
66…第2の押さえ移動機構
101…第1の基板
102…第1接続点
103…第2の基板
104…第2接続点
105…被覆線
【要約】
第1の基板(11)に複数の列状に設けられた第1接続点のそれぞれと、前記第1接続点から所定距離離れた前記第1の基板(11)に設けられた複数の第2接続点のそれぞれとを被覆線(14)により布線する配線装置であって、被覆線(14)を繰り出す昇降可能なキャピラリ(25)と、キャピラリ(25)の近傍に配置された昇降可能なガイド(16)と、キャピラリ(25)を昇降させる第1昇降機構(18)と、ガイド(16)を昇降させる第2昇降機構(19)とを備え、少なくとも前記第1接続点の第1の列に被覆線が布線された後、前記第1接続点の第2の列に被覆線を布線する際に、第2昇降機構(19)によりガイド(16)を下降させることにより前記第1の列に布線された被覆線(14)を前記第2の列から遠ざける方向に移動させる配線装置である。