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特許7143559フッ素化ポリウレタンを含む合成膜組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】フッ素化ポリウレタンを含む合成膜組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 75/04 20060101AFI20220921BHJP
   C08L 101/14 20060101ALI20220921BHJP
   C08G 18/65 20060101ALI20220921BHJP
   C08G 18/28 20060101ALI20220921BHJP
   G01N 33/66 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C08L75/04
C08L101/14
C08G18/65
C08G18/28 085
G01N33/66 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020506144
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018048310
(87)【国際公開番号】W WO2019046279
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】62/550,922
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/550,929
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/550,937
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17191475.7
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17191476.5
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17191477.3
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】アル-ラシード, ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】ジュパンシッチ, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スギヤマ, チャド
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-138881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 75/00-75/16
C08L 101/14
C08G 18/00-18/87
G01N 33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.組成物の総重量に基づいて85~99.5重量%の溶媒と、組成物の総重量に基づいて0.5~15重量%のポリマー混合物とを含む組成物からフィルムを形成する工程と、b.溶媒を蒸発させて膜を形成する工程とを備える、膜を形成する方法であって、
前記ポリマー混合物は、前記ポリマー混合物の総重量に基づいて85~99.5重量%のポリウレタンと、前記ポリマー混合物の総重量に基づいて0.5~15重量%の遊離親水性ポリマーとを含み、
前記ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリカーボネートジオール又はポリシロキサンジオールを含むポリマー脂肪族ジオールと鎖延長剤との反応生成物を含む骨格を含み、
前記ポリウレタンは、前記ポリウレタンの総重量に基づいて0.1重量%~3重量%のC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含み、
前記遊離親水性ポリマーは、5000g/モル~5000000g/モルの数平均分子量を有する、方法。
【請求項2】
前記溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物を含み、且つ共溶媒が存在し、当該共溶媒はメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて40重量%以上のテトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも70重量%のテトラヒドロフラン、及び1~30重量%の量のプロパノール、イソブタノール、メチル-テトラヒドロフラン、又はメチルエチルケトン、或いはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオールからなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオール及びポリシロキサンジオールを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオール及びポリシロキサンジオールからなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールからなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールからなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマー脂肪族ジオールは、親水性ポリマー脂肪族ジオールを欠いている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
前記膜が形成された後に、前記膜は1~100μmの厚さを有し、且つ前記膜を窒素下で24時間乾燥させ、続いて1時間50℃で対流式オーブンにて乾燥させた後の膜における残留溶媒含有量が50ppm未満である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記膜が形成された後に、前記膜を窒素下で24時間乾燥させ、続いて1時間50℃で対流式オーブンにて乾燥させた後の膜における残留溶媒含有量が50ppm未満であり、且つ前記膜は1×10-10~9×10-9cm/秒のグルコース透過速度、1×10-7~1×10-2cm/秒の酸素透過速度、及び1~100μmの厚さを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/550922号、2017年8月28日に出願された米国仮特許出願62/550929号、2017年8月28日に出願された米国仮特許出願62/550937号、2017年9月15日に出願された欧州特許出願公開第17191475.7号明細書、2017年9月15日に出願された欧州特許出願公開第17191476.5号明細書、及び2017年9月15日に提出された欧州特許出願公開第17191477.3号明細書の優先権を主張する国際出願であり、それぞれの内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[分野]
開示された発明は、合成膜の形成に有用であり得る組成物、これから膜を形成する方法、及び膜に関する。
【0003】
[背景]
センサーは、検体の拡散を制限する膜を含み得る。検体の拡散を制限する膜がないと、センサーは急速に低い検体濃度で飽和する。理想的には、センサーには、適切な動作のために十分な酸素があるが、センサー表面での目標となる検体の飽和が防止される。従って、多くの場合にセンサー層への検体の流入を制限する酸素透過膜が必要とされる。好ましい拡散を制限する膜は、機械的に強く、生体適合性があり、タンパク質吸着を最小限に抑え、十分な酸素拡散性を有し、容易に製造される。
【0004】
ポリウレタンから形成された合成膜が知られている。ポリウレタンは、様々な溶媒とブレンドした場合にフィルムを形成する能力と、センサーへの検体の流入を調節する能力があるために選択される。
【0005】
例えば、米国特許第5589563号明細書は、表面修飾末端基を含むポリウレタンからの膜のキャストを開示している。表面修飾末端基を有するポリウレタンは、ポリウレタンの骨格の末端に1つ以上の末端基を含むポリウレタンである。表面修飾末端基及び骨格は、このようなポリウレタンの表面活性が、骨格ではなく表面修飾末端基の表面活性を反映するものである。
【0006】
ポリウレタンから膜を形成するための更なる技術が、米国特許第7226978号明細書に開示されている。両親媒性コポリマーと疎水性ポリマーのブレンドから形成された膜が開示されている。このブレンドにより、疎水性マトリックスに分散された膜を通る検体の拡散を制御する親水性ドメインを有する膜が可能になると述べられている。両親媒性コポリマー又は疎水性ポリマーとしてポリウレタンを使用することができる。
【0007】
膜を形成するための別の技術が、米国特許第7157528号明細書及び米国特許第7687586号明細書に開示されている。これらの文献では、生体適合性のあるマルチポリマーが開示されている。マルチポリマーは、親水性ソフトセグメントと酸素透過性ソフトセグメントとを含む。
【0008】
ポリウレタンから膜を形成するための更なる技術が、米国特許第8255032号明細書に開示されている。シリコーン含有ポリウレタンと親水性ポリマーのブレンドを含む膜が開示されている。親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエーテル、及びこれらのコポリマーであり得る。
【0009】
これらの文献にもかかわらず、より再現可能なプロセスで、適切な機械的特性とフィルム品質をもたらす合成膜を形成するための組成物が依然として必要である。
【0010】
[概要]
合成膜を形成するための既知の組成物は、所望の性能及び加工特性が不足している場合がある。例えば、PVPなどの親水性ポリマーと疎水性ポリウレタンのブレンドからフィルムを形成することは、異種ポリマーのミクロ相分離のために再現性に困難をもたらす場合がある。更に、このような膜は、検体の拡散性の低下に悩まされる場合がある。これらの困難は、ジメチルアセトアミド(DMAc)又はジメチルホルムアミド(DMF)などの強力な高沸点有機溶媒を使用することにより克服できるが、このような溶媒はポリマーから容易に除去されないため、健康と安全性の懸念が生じる場合がある。更に、特定の溶媒は、センサーにおけるポリマー層を溶解し、特定のセンサー関連の用途での使用を制限する場合がある。
【0011】
一実施形態によれば、膜を形成するための組成物は、組成物の総重量に基づいて90~99.5重量%の溶媒と、組成物の総重量に基づいて0.5~10重量%のポリマー混合物とを含み、ポリマー混合物は、ポリマー混合物の総重量に基づいて85~99.5重量%のポリウレタンと、ポリマー混合物の総重量に基づいて0.5~15重量%の遊離親水性ポリマーとを含み、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含み、骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、或いはポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む。
【0012】
一実施形態では、膜は、遊離親水性ポリマーとポリウレタンとを含み、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含み、骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含み、或いはポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む。
【0013】
本明細書に開示される組成物、方法、膜、及び物品は、膜形成、再現性、機械的特性、防汚、健康及び安全性、センサーとの改善された適合性、及び/又は溶媒除去において利点を示し得る。
【0014】
[詳細な説明]
一実施形態によれば、膜を形成するための組成物は、組成物の総重量に基づいて90~99.5重量%の溶媒と、組成物の総重量に基づいて0.5~10重量%のポリマー混合物とを含み、ポリマー混合物は、ポリマー混合物の総重量に基づいて85~99.5重量%のポリウレタンと、ポリマー混合物の総重量に基づいて0.5~15重量%の遊離親水性ポリマーとを含み、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含み、骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、或いはポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む。
【0015】
一実施形態では、膜は、遊離親水性ポリマーとポリウレタンとを含み、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含み、骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、或いはポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む。
【0016】
反応生成物とは、ジイソシアネートとポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤が、同時又は連続化学反応に関与することを意味する。例えば、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び鎖延長剤の反応生成物は、i)ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び鎖延長剤が全て単一溶液でともに反応する場合、又はii)ジイソシアネートとポリマー脂肪族ジオールを反応させることによりプレポリマーが最初に形成され、その後、このプレポリマーを鎖延長剤と反応させる場合に、形成される。
【0017】
開示された組成物、膜、及びセンサーは、弾性率、引張り強度、伸び、又は耐久性などの機械的特性、検体透過性、酸素透過性、機械的特性の等方性、表面品質、幅広い溶媒との使用、プロセスの再現性、プロセスの速度、残留溶媒のより容易又はより適切な除去などの健康と安全性の懸念に関して、従来技術より有利であり得る。
【0018】
ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含む。一実施形態では、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格からなる。ポリウレタンは、末端基を更に含む。一実施形態では、ポリウレタンは、直鎖である。一実施形態では、ポリウレタンは、分岐である。
【0019】
骨格、末端基、又は両方は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含むとは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテル部位が存在することを意味する。一実施形態では、骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。一実施形態では、末端基は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。一実施形態では、ポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、平均で少なくとも0.1の末端基、少なくとも0.25の末端基、少なくとも0.5の末端基、少なくとも1の末端基、少なくとも1.5の末端基、少なくとも1.8の末端基、約2の末端基、又は少なくとも2の末端基を含む。一実施形態では、骨格と末端基の両方が、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。
【0020】
一実施形態では、ポリウレタン骨格は、フッ素含有部位を実質的に含まない、又は含まない。一実施形態では、ポリウレタンは、フッ素含有部位を含む末端基を実質的に含まない、又は含まない。
【0021】
一実施形態では、骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルは、ポリウレタンが形成される配合物にC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含むジオールを組み込むことにより、骨格に組み込むことができる。一実施形態では、ポリウレタン骨格は、1H,1H,4H,4H-ペルフルオロ-1,4-ブタンジオール、1H,1H,5H,5H-ペルフルオロ-1,5-ペンタンジオール、1H,1H,6H,6H-ペルフルオロ-1,6-ヘキサンジオール、1H,1H,8H,8H-ペルフルオロ-1,8-オクタンジオール、1H,1H,9H,9H-ペルフルオロ-1,9-ノナンジオール、1H,1H,10H,10H-ペルフルオロ-1,10-デカンジオール、1H,1H,12H,12H-ペルフルオロ-1,12-ドデカンジオール、1H,1H,8H,8H-ペルフルオロ-3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジオール、1H,1H,11H,11H-ペルフルオロ-3,6,9-トリオキサウンデカン-1,11-ジオール、フッ素化トリエチレングリコール、又はフッ素化テトラエチレングリコールの残基を含む。
【0022】
一実施形態では、ポリウレタン骨格は、少なくとも150g/モル、少なくとも250g/モル、又は少なくとも500g/モルのMnを有するフルオロアルキル又はフルオロアルキルエーテルを含むブロックを含む。一実施形態では、プレポリマーは、多くとも1500g/モル、多くとも1000g/モル、又は多くとも850g/モルのMnを有するフルオロアルキル又はフルオロアルキルエーテルを含むブロックを含む。
【0023】
一実施形態では、ポリウレタンの骨格は、骨格の総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、或いは少なくとも5重量%のC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。一実施形態では、ポリウレタンの骨格は、骨格の総重量に基づいて多くとも15重量%、多くとも10重量%、或いは多くとも8重量%のC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。
【0024】
一実施形態では、ポリウレタンは、親水性ポリマー部位を欠いている。親水性ポリマー部位の例は、ポリエチレンオキシド又はポリオキサゾリン部位である。
【0025】
[ジイソシアネート成分]
ポリウレタンの骨格は、ジイソシアネートの残基を含む。一実施形態では、ジイソシアネートは、分子当たり平均で少なくとも1.9のイソシアネート基と、分子当たり平均で2.7未満のイソシアネート基とを含む。
【0026】
一実施形態では、ジイソシアネートは脂肪族である。一実施形態では、ジイソシアネートは芳香族である。一実施形態では、ジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、又はこれらの混合物を含む。一実施形態では、ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はこれらの混合物を含む。一実施形態では、ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はこれらの混合物からなる。一実施形態では、ジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、又は1,4-フェニレンジイソシアネートを含む。一実施形態では、ジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、又はこれらの混合物からなる。
【0027】
一実施形態では、ジイソシアネートの分子量は、100~500g/モルである。一実施形態では、ジイソシアネートの分子量は、150~260g/モルである。
【0028】
一実施形態では、ポリウレタンが形成される配合物は、配合物の総重量に基づいて少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%のジイソシアネートを含む。一実施形態では、ポリウレタンが形成される配合物は、配合物の総重量に基づいて多くとも50重量%、多くとも40重量%、多くとも35重量%、多くとも30重量%、多くとも25重量%、又は多くとも20重量%のジイソシアネートを含む。一実施形態では、ポリウレタンは、ポリウレタンに基づいて少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%のジイソシアネートの残基を含む。一実施形態では、ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも50重量%、多くとも40重量%、多くとも35重量%、多くとも30重量%、多くとも25重量%、又は多くとも20重量%のジイソシアネートの残基を含む。
【0029】
[ポリマー脂肪族ジオール]
ポリウレタンは、ポリマー脂肪族ジオールの残基を含む。ポリマー脂肪族ジオールは、2つの水酸基と1つの骨格とを含む。水酸基は、骨格に直接結合されることができ、又は連結基によって離されることができる。例えば、ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサン(カルビノール末端)は、ポリマー脂肪族ジオールである。
【0030】
一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリカーボネート、ポリシロキサン、これらのランダム又はブロックコポリマー、或いはこれらの混合物を含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリカーボネート、これらのランダム又はブロックコポリマー、或いはこれらの混合物を含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。
【0031】
一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、ポリ(イソブチレン)ジオール、ポリエステルジオール、例えば、アジピン酸又はイソフタル酸及びモノマージオールから形成されたポリエステルジオール、水素化ポリブタジエンジオール又はポリエチレンジオールなどのアルカンジオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ポリテトラヒドロフランカーボネート)ジオール、ポリシロキサンジオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(テトラメチレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリシロキサンのランダム又はブロックコポリマージオール、或いはこれらの混合物を含む。
【0032】
一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、ポリ(イソブチレン)ジオール、ポリシロキサンジオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(テトラメチレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリシロキサンのランダム又はブロックコポリマージオール、ポリシロキサンを含むランダム又はブロックコポリマージオール、或いはこれらの混合物を含む。
【0033】
一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオールと、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、及びポリ(エチレンオキシド)とポリ(テトラメチレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオールの1つ以上との混合物を含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール又はポリ(ポリテトラヒドロフランカーボネート)ジオールを含むポリカーボネートジオールを含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオールからなる。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ポリテトラヒドロフランカーボネート)ジオール、又はこれらの混合物からなる。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、少なくとも500g/モル、少なくとも750g/モル、少なくとも1000g/モル、又は少なくとも1500g/モルのMnを有するポリカーボネートジオールを含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、多くとも10,000g/モル、多くとも7500g/モル、多くとも5000g/モル、多くとも4000g/モル、多くとも3000g/モル、又は多くとも2500g/モルのMnを有するポリカーボネートジオールを含む。
【0034】
一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールを含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、又はこれらの混合物からなる。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの2つ以上の混合物を含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの2つ以上の混合物からなる。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオールと、ポリカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの1つ以上とを含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオールと、ポリカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの1つ以上とを含む。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリマー脂肪族ジオールの総重量に基づいて15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下の疎水性ポリ(アルキレンオキシド)を含む、又は疎水性ポリ(アルキレンオキシド)を欠いている。疎水性ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(プロピレンオキシド)及びポリ(テトラメチレンオキシド)である。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリマー脂肪族ジオールの総重量に基づいて15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下のポリシロキサンを含む、又はポリシロキサンを欠いている。ポリシロキサンの例は、ポリジメチルシロキサンである。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、ポリマー脂肪族ジオールの総重量に基づいて15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下の疎水性ポリ(アルキレンオキシド)及びポリシロキサンを含む、又は疎水性ポリ(アルキレンオキシド)及びポリシロキサンを欠いている。
【0035】
一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、少なくとも200g/モル、少なくとも250g/モル、少なくとも300g/モル、少なくとも400g/モル、又は少なくとも500g/モル、少なくとも600g/モル、少なくとも700g/モル、少なくとも800g/モル、少なくとも900g/モル、又は少なくとも1000g/モルのMnを有する。一実施形態では、ポリマー脂肪族ジオールは、多くとも10,000g/モル、多くとも8500g/モル、多くとも6000g/モル、多くとも5000g/モル、多くとも4000g/モル、多くとも3000g/モル、多くとも2000g/モル、又は多くとも1500g/モルのMnを有する。
【0036】
一実施形態では、ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%のポリマー脂肪族ジオールを含む配合物から形成される。一実施形態では、ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて多くとも80重量%、多くとも70重量%、多くとも60重量%、又は多くとも50重量%のポリマー脂肪族ジオールを含む配合物から形成される。一実施形態では、ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%のポリマー脂肪族ジオールの残基を含む。一実施形態では、ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも80重量%、多くとも70重量%、多くとも60重量%、又は多くとも50重量%のポリマー脂肪族ジオールの残基を含む。
【0037】
[鎖延長剤]
ポリウレタンは、鎖延長剤の残基を含み得る。鎖延長剤は、2~20の炭素原子を有するアルカンジオールであり、1つ以上の炭素原子が酸素で置換され得る。一実施形態では、鎖延長剤は、少なくとも60g/モル、少なくとも70g/モル、少なくとも80g/モル、少なくとも90g/モル、又は少なくとも100g/モルの分子量を有する。一実施形態では、鎖延長剤は、多くとも500g/モル、多くとも400g/モル、多くとも300g/モル、多くとも200g/モル、又は多くとも150g/モルの分子量を有する。一実施形態では、鎖延長剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又は1,8-オクタンジオールを含む。
【0038】
一実施形態では、ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%の鎖延長剤を含む配合物から形成される。一実施形態では、ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて多くとも20重量%、多くとも15重量%、多くとも12重量%、多くとも10重量%、多くとも8重量%、又は多くとも5重量%の鎖延長剤を含む配合物から形成される。一実施形態では、ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%の鎖延長剤の残基を含む。一実施形態では、ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも20重量%、多くとも15重量%、多くとも12重量%、多くとも10重量%、多くとも8重量%、又は多くとも5重量%の鎖延長剤の残基を含む。
【0039】
[末端基]
一実施形態では、ポリウレタンは1つ以上の末端基を含む。末端基は、分子の末端に存在する部位である。一実施形態では、ポリウレタンは直鎖であり、骨格のそれぞれの末端に末端基を含む。一実施形態では、末端基は直鎖である。一実施形態では、末端基は分岐である。一実施形態では、ポリウレタンは、平均で少なくとも0.1の末端基、少なくとも0.25の末端基、少なくとも0.5の末端基、少なくとも1の末端基、少なくとも1.5の末端基、少なくとも1.8の末端基、約2の末端基、又は少なくとも2の末端基を含む。一実施形態では、ポリウレタンは、平均で多くとも4の末端基、平均で多くとも2の末端基、又は平均で多くとも2の末端基を含む。
【0040】
末端基は、ポリマー骨格を形成した後に存在する末端イソシアネート基を単官能性部位の共活性基と反応させることにより形成されることができる。例えば、末端イソシアネート基を1-オクタノール又はオクチルアミンと反応させて、Cアルキル末端基を形成することができる。又、末端基は、ポリウレタンの形成に使用される配合物に単官能性アルコールなどの連鎖停止剤を含めることによって得ることができる。例えば、ポリウレタンを形成するための配合物は、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、鎖延長剤、及び単官能性アルコールを含み得る。
【0041】
一実施形態では、末端基は、疎水性ポリ(アルキレンオキシド)、親水性ポリ(アルキレンオキシド)、親水性ポリ(アルキレンオキシド)と疎水性ポリ(アルキレンオキシド)とを含むコポリマー、ポリシロキサン、C~C20アルキル、C~C16フルオロアルキル、C~C16フルオロアルキルエーテル、又はこれらのコポリマーを含む。一実施形態では、ポリシロキサンは、ポリ(ジメチルシロキサン)である。一実施形態では、親水性ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(エチレンオキシド)である。一実施形態では、疎水性ポリ(アリーレンオキシド)は、ポリ(プロピレンオキシド)又はポリ(テトラメチレンオキシド)である。一実施形態では、末端基は、疎水性ポリ(アルキレンオキシド)、親水性ポリ(アルキレンオキシド)、親水性ポリ(アルキレンオキシド)と疎水性ポリ(アルキレンオキシド)とを含むコポリマー、C~C20アルキル、C~C16フルオロアルキル、C~C16フルオロアルキルエーテル、又はこれらのコポリマーを含む。このような末端基は、カルビノールを含む単官能性アルコール、又は前述のアミンで形成されることができる。
【0042】
一実施形態では、末端基は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む。このような末端基は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む単官能性アルコール又はアミンで形成されることができる。
【0043】
一実施形態では、末端基は、C~C16フルオロアルキル、又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む単官能性アルコール又はアミンから形成される。一実施形態では、末端基は、1H,1H-ペルフルオロ-3,6-ジオキサヘプタン-1-オール、1H,1H-ノナフルオロ-1-ペンタノール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ヘキシルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-3,6,9-トリオキサデカン-1-オール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ヘプチルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-3,6-ジオキサデカン-1-オール、1H,1H-ペルフルオロ-1-オクチルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ノニルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-3,6,9-トリオキサトリデカン-1-オール、1H,1H-ペルフルオロ-1-デシルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ウンデシルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ラウリルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ミリスチルアルコール、又は1H,1H-ペルフルオロ-1-パルミチルアルコールから形成される。
【0044】
一実施形態では、末端基は、モノマーであり、200g/モル以上、300g/モル以上、又は500g/モル以上の分子量を有する。一実施形態では、末端基は、モノマーであり、1,000g/モル以下又は800g/モル以下の分子量を有する。一実施形態では、末端基は、ポリマーであり、10,000g/モル以下、8,000g/モル以下、6,000g/モル以下、又は4,000g/モル以下のMnを有する。一実施形態では、末端基は、ポリマーであり、500g/モル以上、1,000g/モル以上、又は2,000g/モル以上のMnを有する。
【0045】
一実施形態では、末端基は、ポリウレタンが形成される配合物の総重量に基づいて少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%の量で存在する。一実施形態では、末端基は、ポリウレタンが形成される配合物の総重量に基づいて多くとも3重量%、多くとも2重量%、又は多くとも1重量%の量で存在する。一実施形態では、末端基は、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%の量で存在する。一実施形態では、末端基は、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも3重量%、多くとも2重量%、又は多くとも1重量%の量で存在する。
【0046】
[ポリウレタンの形成]
ポリウレタンは、当技術分野で一般的に知られているように形成されることができる。触媒を使用することができる。一実施形態では、触媒はオクチル酸スズ(II)又はジブチルスズジラウレートである。アミン触媒も使用できる。
【0047】
[遊離親水性ポリマー]
膜又は膜を形成するための組成物は、遊離親水性ポリマーを含む。遊離親水性ポリマーは、共有結合によってポリウレタンに結合していない親水性ポリマーである。一実施形態では、遊離親水性ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)又はポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)などのポリオキサゾリン、或いはヒアルロン酸を含む。
【0048】
一実施形態では、遊離親水性ポリマーは、少なくとも5,000g/モル、少なくとも10,000g/モル、少なくとも50,000g/モル、少なくとも100,000g/モル、又は少なくとも200,000g/モルの数平均分子量を有する。一実施形態では、遊離親水性ポリマーは、多くとも10,000,000g/モル、多くとも5,000,000g/モル、多くとも2,000,000g/モル、多くとも1,000,000g/モル、多くとも500,000g/モル、又は多くとも200,000g/モルの数平均分子量を有する。
【0049】
[溶媒]
組成物は溶媒を含む。膜を形成するために、ポリウレタン、遊離親水性ポリマー、及び溶媒を含む組成物からフィルムをキャストした後、溶媒を蒸発させる。一実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、又はこれらの混合物を含む。一実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)又はメチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)を含む。
【0050】
又、共溶媒が存在し得る。共溶媒は、溶媒の総量の50重量%未満を含む。一実施形態では、共溶媒が存在し、メタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物である。一実施形態では、溶媒は、50重量%以上のテトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物、及び50重量%未満のメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物を含む。
【0051】
一実施形態では、溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて、40重量%以上のテトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物を含む。
【0052】
一実施形態では、溶媒は、組成物の80~99.8重量%、85重量%~99.5重量%、又は90重量%~99重量%の量で存在する。一実施形態では、共溶媒は、溶媒の総量の50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、又は10重量%未満で存在する。一実施形態では、溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも40重量%のTHF、メチル-THF、又はこれらの混合物、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、又はこれらの混合物を含む。一実施形態では、溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも40重量%のTHF、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、又はこれらの混合物を含む。一実施形態では、溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて、少なくとも70重量%のTHF、及び1~30重量%の量のプロパノール、イソブタノール、メチル-THF、又はメチルエチルケトン、或いはこれらの混合物を含む。
【0053】
[膜]
膜は、典型的には、ポリウレタン、遊離親水性ポリマー、及び溶媒を含む組成物を、センサーなどの基材に対して、又は支持ライナーに対して直接キャストすることにより形成される。次いで、任意選択で真空又は高温を使用して、溶媒を蒸発させる。典型的な温度は40~90℃である。離型剤などの添加剤が、キャストのプロセスを促進するために存在し得る。一実施形態では、組成物は、離型剤を更に含む。
【0054】
一実施形態では、膜は、膜の総重量に基づいて85~99.5重量%のポリウレタンと、膜の総重量に基づいて0.5~15重量%の遊離親水性ポリマーとを含む。
【0055】
一実施形態では、膜は、グルコースと酸素の両方に対して透過性である。一実施形態では、膜又は組成物から形成された膜は、1×10-10~9×10-9cm/秒のグルコース透過速度を有する。一実施形態では、膜又は組成物から形成された膜は、1×10-7~1×10-2cm/秒の酸素透過速度を有する。一実施形態では、膜又は組成物から形成された膜は、1×10-5~1×10-3cm/秒の酸素透過速度を有する。
【0056】
一実施形態では、膜は、1~100μmの厚さを有する。
【0057】
一実施形態では、膜は、窒素下で24時間膜を乾燥させ、続いて1時間50℃で対流式オーブンにて乾燥させた後、50ppm未満の残留溶媒含有量を有する。
【0058】
[用途]
開示された膜は、医療機器及びセンサーに有用性がある。このようなセンサーは、グルコース、乳酸、ガラクトース、アルコール、薬用薬又は脱法ドラッグ、コレステロール、抗原、抗体、ウイルス、ビタミン、ミネラル、栄養素、タンパク質、アミノ酸、ホルモン、又は神経伝達物質を含む広範囲の検体を検出することができる。一実施形態では、血流又は別の体液中のグルコース、乳酸、グルタミン酸、ピルビン酸、コリン、アセチルコリン、一酸化窒素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物、重炭酸、尿素、クレアチン、又はドーパミンを測定するセンサーは、開示される膜を含む。
【0059】
一実施形態では、膜は、検体と反応する酵素を含む。一実施形態では、センサーは、膜と第2の膜とを含み、第2の膜は、検体と反応する酵素を含む。
【0060】
医療機器又はセンサーは、体内に移植可能であり得る。一実施形態では、連続検体監視システムは、膜を含む。一実施形態では、連続グルコース監視システムは、膜を含む。
【0061】
以下の実施例は、本発明の実施形態を更に記載するが、当然ながら、特許請求の範囲を限定するものと決して解釈されるべきではない。
【0062】
[実施例]
シリコーン含有ポリウレタン(Sil-PU)、フルオロアルキル末端基を有するシリコーン含有ポリウレタン(Sil-PU-F)、ポリカーボネートポリウレタン(PC-PU)、及びフルオロアルキル末端基を含むポリカーボネートポリウレタン(PC-PU-F)が形成される。ポリウレタンは、触媒と離型剤の助けを借り、記載された配合物から形成される。抗酸化剤も使用できる。実施例で使用されるこれらの熱可塑性ポリウレタン材料の組成が、表0.1に示される。全ての量は、重量パーセントで示される。
【0063】
【表1】
【0064】
酸素透過率とグルコース拡散率は、次のように測定される。
【0065】
[酸素透過性]
フィルム試料を適切なサイズに切り取り、ホイルでマスクしていかなる漏れをも密封する。フィルムの厚さを測定する。フィルムをMocon OxTran 2/20システムに取り付け、試験ガスとして圧縮空気、及びキャリアガスとして1%の水素を伴う99%の窒素を使用して、一定のガス透過速度に平衡化する。湿度は95%である。平衡ガス透過速度を記録し、バーラーでのガス透過性を計算する。
【0066】
[グルコース拡散率]
試料のフィルムを円形(直径約6cm)に切り取り、いかなるカールした端部又は気泡をも取り除く。フィルムの厚さを、厚さゲージを使用して10回測定する。10回の測定の平均をフィルムの厚さとして使用する。次いで、フィルムを2つのシリコンガスケットの間に真空グリースで取り付ける。ガスケットの内径は約5cmである。次いで、ガスケットを、脱イオン水で満たされた受容器キャビティと磁気攪拌棒を備えたフランツセル装置に取り付ける。受容容器にはサンプリングポートが装備されており、経時に渡り試料を取り出すことができる。上部を、フィルムをフランツセルに密封させ供給容器を形成する受容容器に置く。濃縮グルコース溶液(2000mg/dL)を供給容器に挿入する。次いで、蒸発を防ぐためにフランツセルを蓋で閉じる。800RPMで攪拌しながら、6時間かけて100マイクロリットルの試料を採取する。脱イオン水を使用して供給容器の液体を交換しシンクの状態を維持する。
【0067】
次いで、液体試料を、グルコース比色酵素アッセイとUVプレートリーダーを使用して、グルコース含有量について分析する。それぞれの試料におけるグルコースの量を、検量線を使用して決定する。経時に渡るmgグルコース/cmの勾配を決定する。次いで、この流束値を使用して、それぞれのフィルムのグルコースの拡散率を計算する。全てのフィルムを、漏れがないようにするために少なくとも2回分析する。
【0068】
[実施例1]
上記手順に従ってポリウレタンから形成されたフィルムの酸素透過率を測定する。結果を以下の表1に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
[実施例2]
表2.1に記載された組成物は、記載された溶媒にて成分を完全に混合することにより形成される。遊離親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンであり、Mnが約360,000g/モル、Mwが約1,000,000g/モルである。示されている量は、組成物の重量%である。
【0071】
【表3】
【0072】
フィルムは、組成物からキャストされる。溶媒が蒸発し、グルコースの拡散率と酸素透過率が測定される。結果を表2.2に示す。
【0073】
【表4】
【0074】
共溶媒又は親水性ポリマーを使用せずに、THFにおけるPC-PU-Fから形成された膜は、低いグルコース拡散率を有する膜を生成する(2B)。又、共溶媒又は親水性ポリマーを使用せずに、THFにおけるSil-PU-Fから適切な膜を形成しようとすることにより、低いグルコース拡散率が証明される(2K)。2Mと比較した2Lは、組成物がより高いグルコース拡散率を達成するために、親水性ポリマーの量が十分でなければならないことを示している。親水性ポリマーのこの量は、全体としての組成に基づいて異なる。
【0075】
PVPはこの低い濃度で溶解するようにまさに見えたが、得られる溶液の粘度が非常に高いため、8重量%のSil-PU-F、0.1重量%のPVP、及び91.9重量%のTHFを含む膜はキャストできない。
【0076】
[実施例3]
フッ素化末端基を含む脂肪族ポリウレタンは、28重量%のHMDI、64.45重量%の約2000g/モルのMnを有するポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、6.50重量%のブタンジオール、末端基として1.0重量%の3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-オクタノール、及び触媒として0.04重量%のオクタン酸第一スズの配合物から形成される。このポリウレタンのフィルムは、6×10-9cm/秒のグルコース拡散率及び>15Dkの酸素透過率を有すると予想される。
【0077】
[実施例4]
フッ素化末端基を含む脂肪族ポリウレタンは、28重量%のHMDI、55重量%の約2000g/モルのMnを有するポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、7重量%のブタンジオール、10重量%の1H,1H,8H,8H-パーフルオロ-1,8-オクタンジオール、及び触媒として0.04重量%のオクタン酸第一スズの配合物から形成される。このポリウレタンのフィルムは、6×10-9cm/秒のグルコース拡散率及び>15Dkの酸素透過率を有すると予想される。
【0078】
[実施例5]
骨格にシリコーンとフッ素化セグメントとを含む脂肪族ポリウレタンは、28重量%のHMDI、24重量%の約1000g/モルのMnを有するポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、6.5重量%のブタンジオール、25重量%の約1000g/モルのMnを有するシリコーンジオール、10重量%の1H,1H,8H,8H-ペルフルオロ-1,8-オクタンジオール、及び触媒として0.04重量%のオクタン酸第一スズの配合物から形成される。このポリウレタンのフィルムは、6×10-9cm/秒のグルコース拡散率及び>15Dkの酸素透過率を有すると予想される。
【0079】
[例示的な実施形態の更なる説明]
1.遊離親水性ポリマーとポリウレタンとを含む膜であって、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含み、i)骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、或いはii)ポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む、膜。
2.膜は、膜の総重量に基づいて85~99.5重量%のポリウレタンと、膜の総重量に基づいて0.5~15重量%の遊離親水性ポリマーとを含む、前述の例示的な実施形態による膜。
3.組成物の総重量に基づいて90~99.5重量%の溶媒と、組成物の総重量に基づいて0.5~10重量%のポリマー混合物とを含む膜を形成する組成物であって、ポリマー混合物は、ポリマー混合物の総重量に基づいて85~99.5重量%のポリウレタンと、ポリマー混合物の総重量に基づいて0.5~15重量%の遊離親水性ポリマーとを含み、ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリマー脂肪族ジオール、及び任意選択で鎖延長剤の反応生成物を含む骨格を含み、i)骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、或いはii)ポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む、膜を形成する組成物。
4.骨格は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
5.ポリウレタンは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む末端基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
6.ポリウレタンは末端基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
7.ポリウレタンは、少なくとも0.1の末端基、少なくとも0.25の末端基、少なくとも0.5の末端基、少なくとも1の末端基、少なくとも1.5の末端基、少なくとも1.8の末端基、約2の末端基、或いはC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む少なくとも2の末端基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
8.骨格及び末端基の両方は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
9.ポリウレタン骨格は、フッ素含有部位を実質的に含まない、又は含まない、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
10.ポリウレタンは、フッ素含有部位を含む末端基を実質的に含まない、又は含まない、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
11.膜又は組成物は、シロキサンを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
12.ポリウレタンは、シロキサンを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
13.ポリウレタンは、熱可塑性ポリウレタンである、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
14.ポリウレタンは、直鎖である、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
15.ポリウレタンは、親水性ポリマー部位を欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
16.ポリウレタンは、ポリエチレンオキシド及びポリオキサゾリンを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
17.ポリウレタンは、ポリエチレンオキシドを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
18.ポリウレタン骨格は、フルオロアルキル又はフルオロアルキルエーテルジオールの残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
19.ポリウレタン骨格は、フルオロアルキル又はフルオロアルキルエーテルジオール又はジアミンの残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
20.ポリウレタン骨格は、1H,1H,4H,4H-ペルフルオロ-1,4-ブタンジオール、1H,1H,5H,5H-ペルフルオロ-1,5-ペンタンジオール、1H,1H,6H,6H-ペルフルオロ-1,6-ヘキサンジオール、1H,1H,8H,8H-ペルフルオロ-1,8-オクタンジオール、1H,1H,9H,9H-ペルフルオロ-1,9-ノナンジオール、1H,1H,10H,10H-ペルフルオロ-1,10-デカンジオール、1H,1H,12H,12H-ペルフルオロ-1,12-ドデカンジオール、1H,1H,8H,8H-ペルフルオロ-3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジオール、1H,1H,11H,11H-ペルフルオロ-3,6,9-トリオキサウンデカン-1,11-ジオール、フッ素化トリエチレングリコール、又はフッ素化テトラエチレングリコールの残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
21.ポリウレタン骨格は、少なくとも150g/モル、少なくとも250g/モル、又は少なくとも500g/モルのMnを有するフルオロアルキル又はフルオロアルキルエーテルを含むブロックを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
22.プレポリマーは、多くとも1500g/モル、多くとも1000g/モル、又は多くとも850g/モルのMnを有するフルオロアルキル又はフルオロアルキルエーテルを含むブロックを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
23.ポリウレタンの骨格は、骨格の総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも5重量%のC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
24.ポリウレタンの骨格は、骨格の総重量に基づいて多くとも15重量%、多くとも10重量%、又は多くとも8重量%のC~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
25.ポリウレタンは、直鎖末端基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
26.ポリウレタンは、分岐末端基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
27.ポリウレタンは、平均で少なくとも0.1の末端基、少なくとも0.25の末端基、少なくとも0.5の末端基、少なくとも1の末端基、少なくとも1.5の末端基、少なくとも1.8の末端基、又は少なくとも2の末端基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
28.ポリウレタンは、直鎖であり、骨格のそれぞれの末端に末端基を更に含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
29.末端基は、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む単官能性アルコール又はアミンから形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
30.末端基は、1H,1H-ペルフルオロ-3,6-ジオキサヘプタン-1-オール、1H,1H-ノナフルオロ-1-ペンタノール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ヘキシルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-3,6,9-トリオキサデカン-1-オール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ヘプチルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-3,6-ジオキサデカン-1-オール、1H,1H-ペルフルオロ-1-オクチルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ノニルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-3,6,9-トリオキサトリデカン-1-オール、1H,1H-ペルフルオロ-1-デシルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ウンデシルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ラウリルアルコール、1H,1H-ペルフルオロ-1-ミリスチルアルコール、又は1H,1H-ペルフルオロ-1-パルミチルアルコールから形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
31.末端基は、ポリウレタンが形成される配合物の総重量に基づいて少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
32.末端基は、ポリウレタンが形成される配合物の総重量に基づいて、多くとも3重量%、多くとも2重量%、又は多くとも1重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
33.末端基は、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
34.末端基は、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも3重量%、多くとも2重量%、又は多くとも1重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
35.ポリウレタンの骨格は、
i.ジイソシアネート、
ii.ポリマー脂肪族ジオール、及び
iii.鎖延長剤の反応生成物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
36.ポリウレタンの骨格は、
i.ジイソシアネート、
ii.ポリマー脂肪族ジオール、
iii.鎖延長剤、及び
iv.C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含むジオールの反応生成物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
37.ジイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネートである、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
38.ジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
39.ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
40.ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はこれらの混合物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
41.ジイソシアネートは、芳香族ジイソシアネートである、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
42.ジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、又は1,4-フェニレンジイソシアネートを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
43.ジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、又はこれらの混合物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物、
44.ジイソシアネートは、分子当たり平均で1.9~2.7のイソシアネート基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
45.ジイソシアネートは、100~500g/モル、又は150~260g/モルの分子量を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
46.ポリウレタンが形成される配合物は、ポリウレタンが形成される配合物の総重量に基づいて少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%のジイソシアネートを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
47.ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて多くとも50重量%、多くとも40重量%、多くとも35重量%、多くとも30重量%、多くとも25重量%、又は多くとも20重量%のジイソシアネートを含む配合物から形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
48.ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%のジイソシアネートの残基を含む、前記の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
49.ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも50重量%、多くとも40重量%、多くとも35重量%、多くとも30重量%、多くとも25重量%、又は多くとも20重量%のジイソシアネートの残基を含む、前記の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
50.ポリマー脂肪族ジオールは、C~C16フルオロアルキル又はC~C16フルオロアルキルエーテルを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
51.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリカーボネート、ポリシロキサン、これらのランダム又はブロックコポリマー、或いはこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
52.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリカーボネート、これらのランダム又はブロックコポリマー、或いはこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
53.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、ポリ(イソブチレン)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ポリテトラヒドロフランカーボネート)ジオール、ポリシロキサンジオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(テトラメチレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマージオール、ポリ(エチレンオキシド)とポリシロキサンのランダム又はブロックコポリマージオール、或いはこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
54.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール又はポリ(ポリテトラヒドロフランカーボネート)ジオールを含むポリカーボネートジオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
55.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
56.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリカーボネートジオールからなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
57.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ポリテトラヒドロフランカーボネート)ジオール、又はこれらの混合物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
58.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、或いはポリシロキサンを含むランダム又はブロックコポリマージオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
59.ポリマー脂肪族ジオールは、少なくとも500g/モル、少なくとも750g/モル、少なくとも1000g/モル、又は少なくとも1500g/モルのMnを有するポリカーボネートジオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
60.ポリマー脂肪族ジオールは、多くとも10,000g/モル、多くとも7500g/モル、多くとも5000g/モル、多くとも4000g/モル、多くとも3000g/モル、又は多くとも2500g/モルのMnを有するポリカーボネートジオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
61.ポリマー脂肪族ジオールは、少なくとも200g/モル、少なくとも250g/モル、少なくとも300g/モル、少なくとも400g/モル、又は少なくとも500g/モル、少なくとも600g/モル、少なくとも700g/モル、少なくとも800g/モル、少なくとも900g/モル、又は少なくとも1000g/モルのMnを有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
62.ポリマー脂肪族ジオールは、多くとも10,000g/モル、多くとも8500g/モル、多くとも6000g/モル、多くとも5000g/モル、多くとも4000g/モル、多くとも3000g/モル、多くとも2000g/モル、又は多くとも1500g/モルのMnを有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
63.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリマー脂肪族ジオールの総重量に基づいて15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下の疎水性ポリ(アルキレンオキシド)及びポリシロキサンを含む、又は疎水性ポリ(アルキレンオキシド)及びポリシロキサンを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
64.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリマー脂肪族ジオールの総重量に基づいて15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下のポリ(プロピレンオキシド)、及びポリ(テトラメチレンオキシド)、及びポリジメチルシロキサンを含む、又はポリ(プロピレンオキシド)、及びポリ(テトラメチレンオキシド)、及びポリジメチルシロキサンを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
65.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
66.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、又はこれらの混合物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
67.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの2つ以上の混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
68.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの2つ以上の混合物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
69.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオールと、ポリカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの1つ以上とを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
70.ポリマー脂肪族ジオールは、ポリシロキサンジオールと、ポリカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールの1つ以上とからなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
71.ポリマー脂肪族ジオールは、親水性ポリマー脂肪族ジオールを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
72.ポリマー脂肪族ジオールはポリエチレンオキシドを欠いている、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
73.ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%のポリマー脂肪族ジオールを含む配合物から形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
74.ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて多くとも80重量%、多くとも70重量%、多くとも60重量%、又は多くとも50重量%のポリマー脂肪族ジオールを含む配合物から形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
75.ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%のポリマー脂肪族ジオールの残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
76.ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて多くとも80重量%、多くとも70重量%、多くとも60重量%、又は多くとも50重量%のポリマー脂肪族ジオールの残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
77.鎖延長剤は、少なくとも60g/モル、少なくとも70g/モル、少なくとも80g/モル、少なくとも90g/モル、又は少なくとも100g/モルの分子量を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
78.鎖延長剤は、多くとも500g/モル、多くとも400g/モル、多くとも300g/モル、多くとも200g/モル、又は多くとも150g/モルの分子量を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
79.鎖延長剤は、エチレングリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又は1,8-オクタンジオールを含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
80.鎖延長剤は、エチレングリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又は1,8-オクタンジオールの1つ以上からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
81.ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%の鎖延長剤を含む配合物から形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
82.ポリウレタンは、配合物の総重量に基づいて多くとも20重量%、多くとも15重量%、多くとも12重量%、多くとも10重量%、多くとも8重量%、又は多くとも5重量%の鎖延長剤を含む配合物から形成される、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
83.ポリウレタンは、ポリウレタンの総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%の鎖延長剤の残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
84.ポリウレタンは、多くとも20重量%、多くとも15重量%、多くとも12重量%、多くとも10重量%、多くとも8重量%、又は多くとも5重量%の鎖延長剤の残基を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
85.遊離親水性ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリオキサゾリン、又はヒアルロン酸を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
86.遊離親水性ポリマーは、少なくとも5,000g/モル、少なくとも10,000g/モル、少なくとも50,000g/モル、少なくとも100,000、又は少なくとも200,000g/モルの数平均分子量を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜又は組成物。
87.遊離親水性ポリマーは、多くとも10,000,000g/モル、多くとも5,000,000g/モル、多くとも2,000,000g/モル、1、000,000g/モル、多くとも500,000g/モル、又は多くとも200,000g/モルの数平均分子量を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又は膜。
88.遊離親水性ポリマーは、組成物の総重量に基づいて少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
89.遊離親水性ポリマーは、組成物の総重量に基づいて多くとも6重量%、多くとも5.5重量%、多くとも5重量%、又は多くとも4.5重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
90.遊離親水性ポリマーは、ポリウレタンと遊離親水性ポリマーの合計重量に基づいて少なくとも2.5%、少なくとも5%、少なくとも7.5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又は膜。
91.遊離親水性ポリマーは、ポリウレタンと遊離親水性ポリマーの合計重量に基づいて多くとも50重量%、多くとも45重量%、多くとも40重量%、多くとも35重量%、多くとも30重量%、又は多くとも25重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又は膜。
92.溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、又はジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
93.溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物からなる、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
94.溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物を含み、共溶媒が存在し、メタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物である、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
95.溶媒は、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、又は10重量%未満のメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
96.溶媒は、50重量%以上のテトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物、及び50重量%未満のメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
97.溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて40重量%以上のテトラヒドロフラン(THF)、メチル-テトラヒドロフラン(メチル-THF)、又はこれらの混合物、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、イソブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
98.溶媒は、組成物の総重量に基づいて85重量%~99.5重量%又は90重量%~99重量%の量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
99.溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも40重量%のTHF、メチル-THF、又はこれらの混合物、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
100.溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも40重量%のTHF、及び1~60重量%の量のメタノール、エタノール、又はこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
101.溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも70重量%のTHF、及び1~30重量%の量のプロパノール、イソブタノール、メチル-THF、又はメチルエチルケトン、或いはこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
102.溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも80重量%のTHF、及び1~20重量%の量のプロパノール、イソブタノール、メチル-THF、又はメチルエチルケトン、或いはこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
103.溶媒は、組成物における溶媒の総量に基づいて少なくとも85重量%のTHF、及び1~15重量%の量のプロパノール、イソブタノール、メチル-THF、又はメチルエチルケトン、或いはこれらの混合物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
104.前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物から形成された膜。
105.a.前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物からフィルムを形成する工程と、b.溶媒を蒸発させる工程と、を含む膜を形成する方法。
106.前述の例示的な実施形態の方法によって形成された膜。
107.膜は、1×10-10~9×10-9cm/秒のグルコース透過速度を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜。
108.膜は、1×10-7~1×10-2cm/秒の酸素透過速度を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜。
109.膜は、1×10-5~1×10-3cm/秒の酸素透過速度を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜。
110.膜は、1~100μmの厚さを有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜。
111.膜を窒素下で24時間乾燥させ、続いて1時間50℃で対流式オーブンにて乾燥させた後、膜は、50ppm未満の残留溶媒含有量を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜。
112.前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜を含むセンサー。
113.血流又は別の体液中のグルコース、乳酸、グルタミン酸、ピルビン酸、コリン、アセチルコリン、一酸化窒素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物、重炭酸、尿素、クレアチン、又ドーパミンを検出するようにセンサーが構成された、前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜を含むセンサー。
114.前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物膜を含む医療機器。
115.前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜を含む連続検体監視システム。
116.前述の例示的な実施形態のいずれか一つによる膜を含む連続グルコース監視システム。
【0080】
用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」並びに類似の指示対象の使用は、本発明を記載する文脈においては(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈においては)、本明細書において別段の記載がないか又は文脈が明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を包含すると解釈すべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、別段の記載がない限り、無制限の用語(即ち、「これらに限定されないが、~が挙げられる(including,but not limited to)を意味する」)と解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の記載がない限り、範囲内に収まるそれぞれの別個の値を個々に指す省略表現の方法として働くことを単に意図するに過ぎず、それぞれの別個の値は、本明細書に個々に列挙するかのごとく、本明細書に組み込まれている。本明細書に示す、任意のあらゆる例又は例示的な言葉遣い(例えば、「~など(such as)」)の使用は、本発明をより良好に明示することを単に意図するに過ぎず、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書の言葉遣いはいずれも、何らかの主張されていない要素が、本発明の実行に不可欠であることを示すと解釈してはならない。
【0081】
本発明を実施するための、本発明者らに既知の最良の形態を含めて、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。それらの好ましい実施形態の変更形態が、前述の説明を読み取れば、当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がそのような変更形態を必要に応じて利用することを予想し、本発明者らは、本発明が、本明細書の具体的な記載とは異なって実行されることを意図する。従って、本発明は、適用法が認めるものとして、本明細書に添付する特許請求の範囲に記載する主題の改変形態及び均等物を全て含む。特定の任意の特徴が、本発明の実施形態として記載されるが、この記載は、特に明記しない限り又は物理的に不可能でない限り、これらの実施形態の全ての組み合わせを包含及び具体的に開示することを意味する。