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特許7143641情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220921BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220921BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20220921BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06T7/00 300F
G06T7/70 A
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2018113842
(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2019215817
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 高洋
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山本 通博
(72)【発明者】
【氏名】水谷 征爾
(72)【発明者】
【氏名】村山 信次
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3229175(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/163492(WO,A1)
【文献】特開2004-5639(JP,A)
【文献】特開昭63-305467(JP,A)
【文献】特開2007-233566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06T 7/00
G06T 7/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、
前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部と、
前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、
前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部と
前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤に設置されている前記制御機器のリストを生成するリスト生成部と、
所定の状態における、前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す参照情報を取得し、該参照情報と、前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を比較し、相違点を抽出する比較部と、を備え
前記配置図生成部が、前記配置図において、前記比較部によって抽出された前記相違点を明示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記配置図と前記リストとを切り替えて出力する、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記参照情報が、
ユーザによって予め設計された、前記制御盤における各制御機器の設置状態を示す設計情報、または、
過去に前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報
であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記参照情報は、前記各制御機器の設置位置を示すGPS情報を含んでおり、
前記配置図生成部は、前記配置図においてユーザによって選択された機種に対応する前記制御機器の前記設置位置の高度を、前記GPS情報を少なくとも用いて明示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記相違点の明示を含む前記配置図および前記リストと、含まない前記配置図および前記リストとを切り替えて出力する、ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、
前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部と、
前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、
前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部とを備え
前記画像認識部が、前記各制御機器の外形を画像認識するとともに、
前記配置図生成部が、前記各制御機器の外形を用いて前記配置図を生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、
前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部と、
前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、
前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部とを備え
前記画像認識部が、前記各制御機器の外形的特徴を画像認識し、
前記機器特定部は前記外形的特徴に紐付けられた前記機種情報から制御機器を一意に特定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、
前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部と、
前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、
前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部と
複数の制御盤に関する、過去に前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、前記撮像装置によって撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、撮像中の前記制御盤を特定する制御盤特定部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記制御盤特定部が特定した撮像中の前記制御盤の位置を地図上に明示する、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、
前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部と、
前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、
前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部と
過去に前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、前記撮像装置によって撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、ユーザによって選択された制御機器を前記現在撮像画像中に明示する撮像表示制御部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
機器特定部は、前記各制御機器と前記機器識別画像とを紐付ける機器識別情報を用いて前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像から制御機器を一意に特定する、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記撮像画像が、前記制御盤の部分的な撮像画像であり、
前記機器特定部が、複数の前記撮像画像を組み合わせて前記制御盤の全体構成を認識することによって、前記各制御機器の設置位置を特定することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記機種情報が前記各制御機器の外形等の情報を含むとともに、
前記配置図生成部が、前記配置図において、前記機種情報に含まれる前記各制御機器の外形等の情報に応じた大きさや形状で前記各制御機器を明示する、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記配置図生成部が、前記配置図において、ユーザによって選択された機種に対応する前記制御機器を明示することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
機種に関する詳細情報を記録している機種データベースを参照することによって、ユーザによって選択された機種に関する詳細情報を生成する詳細情報生成部をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記詳細情報は、前記撮像画像に重畳して明示される、ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップと、
前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップと、
前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップと
前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤に設置されている前記制御機器のリストを生成するリスト生成ステップと、
所定の状態における、前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す参照情報を取得し、該参照情報と、前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を比較し、相違点を抽出する比較ステップと、を有し、
前記配置図生成ステップにおいて、前記配置図で、前記比較ステップによって抽出された前記相違点を明示することを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップと、
前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップと、
前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップとを有し、
前記画像認識ステップにおいて、前記各制御機器の外形を画像認識するとともに、
前記配置図生成ステップにおいて、前記各制御機器の外形を用いて前記配置図を生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップと、
前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップと、
前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップとを有し、
前記画像認識ステップにおいて、前記各制御機器の外形的特徴を画像認識し、
前記機器特定ステップにおいて、前記外形的特徴に紐付けられた前記機種情報から制御機器を一意に特定することを特徴とする情報処理方法。
【請求項20】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップと、
前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップと、
前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップと
複数の制御盤に関する、過去に前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、撮像中の前記制御盤を特定する制御盤特定ステップと、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項21】
機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップと、
前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップと、
前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップと
過去に前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、ユーザによって選択された制御機器を前記現在撮像画像中に明示する撮像表示制御ステップと、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項22】
請求項1から16のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤の実際の構成に応じた配置図を生成する情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
作業者(ユーザ)が機器に対して作業を行う際、作業対象とは異なる機器に対して作業を誤って実施するヒューマンエラーの発生を抑制する技術が知られている。例えば特許文献1には、制御盤の製造に必要な部品にICタグを貼り付けておき、該ICタグをICタグリーダに読み込ませると、制御盤製造用の図面上に、ICタグに紐付けられた部品の取り付け箇所が示される制御盤製造支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-233566号公報(2007年9月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、特定の部品について取り付け箇所を図面上に示すことが可能であるが、制御盤製造用の図面を予め用意しておく必要があった。そのため、例えば制御盤のメンテナンス時に該制御盤の構成が製造時から変更されていた場合、実際の構成とは異なる図面上に部品の取り付け箇所を示してしまうという問題があった。
【0005】
本発明の一態様は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、制御盤の実際の構成に応じた配置図を現場で生成する情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0007】
すなわち、本発明の一側面に係る情報処理装置は、機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部と、前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部とを備えている。
【0008】
この構成によれば、情報処理装置は機器識別画像を認識することで、制御盤において該機器識別画像が設けられた制御機器の配置図を生成することができる。これにより、例えば情報処理装置のユーザは、実際の制御盤の構成に基づいて生成された配置図を用いて作業を実施することができる。したがって、制御盤の実際の構成に応じた配置図を現場で生成することが可能な、利便性に優れた情報処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【0009】
前記一側面に係る情報処理装置において、前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤に設置されている前記制御機器のリストを生成するリスト生成部をさらに備えてもよい。この構成によれば、情報処理装置は制御盤に設置された制御機器の配置図に加えて制御機器のリストを生成することができる。これにより、例えば情報処理装置のユーザは、配置図とリストとを組み合わせて作業対象である制御機器を確実に認識することができる。
【0010】
前記一側面に係る情報処理装置において、前記撮像画像が、前記制御盤の部分的な撮像画像であり、前記機器特定部が、複数の前記撮像画像を組み合わせて前記制御盤の全体構成を認識することによって、前記各制御機器の設置位置を特定してもよい。この構成によれば、情報処理装置は制御盤の部分的な撮像画像を組み合わせて該制御盤の全体構成を認識し、該制御盤における制御機器の配置図を生成することができる。
【0011】
前記一側面に係る情報処理装置において、前記画像認識部が、前記各制御機器の外形を画像認識するとともに、前記配置図生成部が、前記各制御機器の外形を用いて前記配置図を生成してもよい。この構成によれば、情報処理装置は撮像画像から画像認識した制御機器の外形を用いて配置図を生成することができる。
【0012】
前記一側面に係る情報処理装置において、所定の状態における、前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す参照情報を取得し、該参照情報と、前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を比較し、相違点を抽出する比較部をさらに備え、前記配置図生成部が、前記配置図において、前記比較部によって抽出された前記相違点を明示してもよい。この構成によれば、情報処理装置は相違点を明示するようにした配置図を生成することができる。これにより、例えば相違点が予め予測されていた内容と同一であるか否かを確認することができる。
【0013】
前記一側面に係る情報処理装置において、前記参照情報が、ユーザによって予め設計された、前記制御盤における各制御機器の設置状態を示す設計情報、または、過去に前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報であってもよい。この構成によれば、情報処理装置は設計情報および過去情報のいずれかと参照情報との間の相違点の有無を抽出し、配置図において明示することができる。これにより、例えば相違点がどの時点で生じたかを推測することができる。
【0014】
前記一側面に係る情報処理装置において、前記参照情報は、前記各制御機器の設置位置を示すGPS情報を含んでおり、前記配置図生成部は、前記配置図においてユーザによって選択された機種に対応する前記制御機器の前記設置位置の高度を、前記GPS情報を少なくとも用いて明示してもよい。この構成によれば、情報処理装置は配置図において相違点を明示するとともに、ユーザが選択した制御機器の設置位置の高度をGPS情報と地図情報等とを組み合わせることで明示することができる。これにより、例えば相違点に該当する制御機器が以前はどの位置にあったかを確認することができる。
【0015】
前記一側面に係る情報処理装置において、前記配置図生成部が、前記配置図において、ユーザによって選択された機種に対応する前記制御機器を明示してもよい。この構成によれば、情報処理装置は配置図において選択された制御機器を明示することができる。これにより、例えば作業対象である制御機器について、配置図における設置位置および該設置位置に存在する制御機器を確認した後に作業を開始することができる。
【0016】
前記一側面に係る情報処理装置において、機種に関する詳細情報を記録している機種データベースを参照することによって、ユーザによって選択された機種に関する詳細情報を生成する詳細情報生成部をさらに備えてもよい。この構成によれば、情報処理装置は配置図において選択された制御機器の詳細情報を生成することができる。これにより、例えば作業対象である制御機器について、配置図における設置位置および該制御機器の詳細情報を確認した後に作業を開始することができる。
【0017】
前記一側面に係る情報処理装置において、複数の制御盤に関する、過去に前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、前記撮像装置によって撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、撮像中の前記制御盤を特定する制御盤特定部をさらに備えてもよい。この構成によれば、情報処理装置は撮像画像と過去情報とを用いて、撮像した制御盤を特定することができる。すなわち、撮像画像に含まれる機器識別画像から制御機器を特定し、特定した制御機器が設置された制御盤を特定することができる。これにより、例えば同一機種である制御盤が複数並んでいた場合に、制御盤を間違えることなく作業を実施することや、制御盤や制御機器の移設の有無を確認することができる。
【0018】
前記一側面に係る情報処理装置において、過去に前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、前記撮像装置によって撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、ユーザによって選択された制御機器を前記現在撮像画像中に明示する撮像表示制御部をさらに備えてもよい。この構成によれば、情報処理装置はユーザによって選択された制御機器が撮像画像に含まれていた場合は、該撮像画像中にその旨を明示することができる。これにより、例えば同一機種の制御機器が複数並んでいた場合に、ユーザが選択した制御機器を特定することができる。
【0019】
本発明の一側面に係る情報処理方法は、機種情報を示す機器識別画像が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップと、前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップと、前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップとを有してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、制御盤の実際の構成に応じた配置図を現場で生成する情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る情報処理装置の適用場面の一例を示す模式図である。
図3図3は、実施の形態に係る情報処理装置が撮像画像から生成する情報の一例を示す模式図であり、(a)は制御盤における制御機器の配置図を示し、(b)は制御盤における制御機器のリストを示す。
図4図4は、実施の形態に係る情報処理装置において撮像画像から生成した配置図のうち、撮像した制御盤の設計情報または過去情報との相違点を配置図中に強調して明示する一例を示す模式図である。
図5図5は、実施の形態に係る情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、変形例に係る情報処理装置において、ユーザが選択した制御機器210の詳細情報を生成して撮像画像に重畳して出力する一例を示す模式図である。
図7図7は、変形例に係る情報処理装置が実行する、現在撮像画像を用いて選択された制御機器を認識する動作の一例を示す模式図であり、(a)は、リスト上でユーザが特定の制御機器を選択した例を示し、(b)は、(a)の後に取得した撮像画像の中に選択した制御機器が含まれていた場合の情報処理装置の動作を示し、(c)は、(a)の後に取得した撮像画像の中に選択した制御機器が含まれなかった場合の情報処理装置の動作を示す。
図8図8は、変形例に係る情報処理装置が撮像画像から特定した制御盤の位置を地図上に示す模式図である。
図9図9は、変形例に係る情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、(a)は詳細情報生成処理および撮像表示制御処理の一例を示し、(b)は制御盤特定処理の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
§1 適用例
まず、図2を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の適用場面の一例を模式的に例示する。本実施形態に係る情報処理装置1は、制御盤2に設置された複数の制御機器210の機種情報および設置位置に基づいて、該制御盤2における各制御機器の配置図を生成して出力する。なお、複数の制御機器210のそれぞれには、個々の制御機器210と1対1で紐付けられ、該制御機器210の機種情報を示す画像である機器識別画像が設けられている。
【0023】
図示の例において、機器識別画像は制御機器210の前面に貼り付けられた二次元コードであるIDコード211として示されている。情報処理装置1は、制御盤2の撮像画像を取得すると(図の右上)、該撮像画像に含まれるIDコード211を認識し、該IDコード211に紐付けられた制御機器210を特定する(図の左側)。そして、情報処理装置1は、制御盤2に設置されているすべての制御機器210を特定すると、個々の制御機器210について外形等の情報を含む機種情報および制御盤2における設置位置に基づいて、配置図を生成する(図の右下)。なお、IDコード211は制御機器210を一意に特定することが可能なものであればどのようなものであってもよい。IDコード211は、例えば制御機器210の製造番号等であってもよい。
【0024】
このようにして、情報処理装置1は制御盤2の撮像画像から該制御盤2における制御機器210の配置図を生成することができる。これにより、制御盤2の実際の構成に応じた配置図を用いて各種作業を実施することができる。例えば制御盤2の設計時から制御機器210の配置が変更されていた場合であっても、誤った制御機器210を作業対象として作業を実施してしまうことを抑制することができる。
【0025】
§2 構成例
以下、本発明の一実施形態について、図1図3図5を用いて詳細に説明する。
【0026】
(情報処理装置の構成)
本実施形態に係る情報処理装置1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、情報処理装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
情報処理装置1は、複数の制御機器210が設置された制御盤2について、制御機器210の配置図を生成することができる。情報処理装置1は、例えばカメラ付きスマートフォン、タブレット端末、小型ノートPC等の携帯型情報端末であってもよい。情報処理装置1は、カメラ110、入力部120、出力部130、記憶部140、および制御部150を備えている。制御部150は、画像認識部151、機器特定部152、比較部153、配置図生成部154、リスト生成部155、詳細情報生成部156、制御盤特定部157、および撮像表示制御部158を備えている。なお、詳細情報生成部156、制御盤特定部157、および撮像表示制御部158の詳細については、後述する変形例にて説明する。
【0028】
カメラ110は、制御部150の指示にしたがって撮像を行い、撮像画像を取得する撮像装置である。撮像画像は、制御盤2の部分的な撮像画像であってもよい。撮像画像は、制御機器210に貼り付けられたIDコード211を少なくとも1つは含むことが好ましく、複数含むことがより好ましい。
【0029】
入力部120は、情報処理装置1のユーザが該情報処理装置1に対して所望の動作を実行させる場合などに入力を行うためのインターフェースである。入力部120は、例えば後述の出力部130と一体に形成されたタッチパネルであってもよい。
【0030】
出力部130は、情報処理装置1が各種情報を外部に出力するために用いるインターフェースである。出力部130は、制御部150の指示にしたがってカメラ110が撮像した撮像画像等を表示するディスプレイを少なくとも備えているが、音声を外部に出力するスピーカーや振動を発生させるモータ等を含んでもよい。
【0031】
記憶部140は、情報処理装置1にて扱う各種情報を格納している。記憶部140は、制御機器210と該制御機器210に貼り付けられた機器識別情報であるIDコード211とを紐付ける情報を少なくとも備えてもよく、制御盤2における複数の制御機器210の設置位置を示すレイアウト情報をさらに備えてもよい。また、制御機器210の外形等を含む諸元に関する情報である機種情報を備えていてもよい。
【0032】
記憶部140は、比較部153、配置図生成部154、およびリスト生成部155が参照する情報を格納していてもよい。具体的には、記憶部140は所定の状態における、各制御機器210の機種情報および設置位置を示す参照情報を格納してもよい。参照情報は、例えばユーザによって予め設計された、制御盤2における各制御機器210の機種情報および設置位置を示す設計情報であってもよい。参照情報は、過去に機器特定部152によって特定された各制御機器210の機種情報および設置位置を示す過去情報であってもよく、各制御機器210が特定された時点における設置位置の高度を示すGPS情報を含んでもよい。設計情報および過去情報は、複数の制御盤2に関する情報を含んでもよい。なお、これらの情報は、例えば図示しない通信部を介して外部から取得するものであってもよい。
【0033】
制御部150は、情報処理装置1の各部を統括して制御する。制御部150は、カメラ110を用いて撮像を行い、取得した画像を画像認識部151へ送信する。制御部150は、入力部120にて受け付けたユーザ入力に基づいて、各種動作を実行する。制御部150は、出力部130に対して各種情報を出力する。具体的には、制御部150は、配置図生成部154が生成した配置図およびリスト生成部155が生成したリストについて、出力部130を介して外部に出力することができる。なお、制御部150は、出力部130が出力する内容について、配置図とリストとを切り替えることが可能であってもよい。さらに、後述する相違点の明示を含む配置図およびリストと、含まない配置図およびリストとを切り替えることが可能であってもよい。
【0034】
画像認識部151は、制御部150から撮像画像を受信すると、該撮像画像に含まれるIDコード211を認識し、認識した結果を機器特定部152へ送信する。IDコード211の認識は、公知の画像認識技術によるものであってもよい。画像認識部151は、複数のIDコード211をまとめて認識してもよい。また、画像認識部151は制御機器210の外形的特徴等についても画像認識することで、機器特定部152が該外形的特徴から機器の種類等を特定できるようにしてもよい。
【0035】
機器特定部152は、画像認識部151が認識したIDコード211が紐付けられている制御機器210を一意に特定する。より具体的には、機器特定部152は記憶部140に格納されている情報を参照して、IDコード211に紐付けられている制御機器210を特定し、該制御機器210の機種情報、および制御盤2における該制御機器210の設置位置に関する情報を取得する。機器特定部152は、制御盤2に設置されているすべての制御機器210について機種情報および設置位置を特定する。換言すれば、機器特定部152は、複数の撮像画像を組み合わせて制御盤2の全体構成を認識することによって、各制御機器210の設置位置を特定する。すなわち、機器特定部152は、1つの撮像画像から制御盤2に設置されたすべての制御機器210を特定できなくても、一部の制御機器210を含む撮像画像を複数取得できればよい。機器特定部152は、取得した複数の撮像画像に制御盤2に設置されたすべての制御機器210が少なくとも1度は含まれていれば、例えば隣接する制御機器210の位置関係にしたがって撮像画像を結合することができる。そして、複数の撮像画像を組み合わせて制御盤2の全体構成を示す1つの画像を生成することができる。これにより、機器特定部152は画像に含まれるすべての制御機器210の設置位置を特定することができる。機器特定部152は、取得した情報を比較部153、配置図生成部154、およびリスト生成部155へ送信する。
【0036】
比較部153は、所定の状態における、各制御機器210の機種情報および設置位置を示す参照情報を取得し、該参照情報と、機器特定部152によって特定された各制御機器210の機種情報および設置位置を比較し、相違点を抽出する。ここで、参照情報は、ユーザによって予め設計された、制御盤2における各制御機器210の設置状態を示す設計情報、または過去に機器特定部152によって特定された各制御機器210の機種情報および設置位置を示す過去情報を示している。すなわち、比較部153は機器特定部152が特定した制御機器210の機種情報および設置位置について、制御盤2の設計情報および過去情報と比較し、変更があった箇所を相違点として抽出する。
【0037】
なお、参照情報は、記憶部140に格納されたものを用いてもよいし、図示しない通信部を介して外部より取得したものを用いてもよい。また、どのような参照情報を比較元として選択するかは、ユーザが選択できてもよい。例えば、前回作業からの変更箇所を確認したい場合は前回作業時の過去情報を用いてもよい。そして、変更履歴に応じたバージョン情報等を相違点の抽出と同時に取得してもよい。
【0038】
配置図生成部154は、機器特定部152が特定した制御機器210の機種情報および設置位置に基づいて、制御盤2における各制御機器210の配置図を生成する。具体的には、配置図生成部154は設置位置にしたがって各制御機器210を並べた後、機種情報に含まれる各制御機器210の外形や大きさを用いて各制御機器210を表現する。これにより、配置図生成部154は図2の右下と同様の配置図を生成することができる。なお、配置図の生成において、例えば画像認識部151が認識した制御機器210の外形を用いてもよい。
【0039】
さらに配置図生成部154は、比較部153が抽出した相違点を明示する配置図を生成することができる。具体的には配置図生成部154は、機器特定部152が特定した制御機器210のうち、比較部153が抽出した相違点に該当する制御機器210があれば、該制御機器210を太字や色分け等で明示する配置図を生成してもよい。このとき、相違点に該当する制御機器210には、バージョン情報等を付記してもよい。
【0040】
リスト生成部155は、機器特定部152によって特定された各制御機器210の機種情報および設置位置に基づいて、制御盤2に設置されている制御機器210のリストを生成する。すなわち、リスト生成部155は、生成する対象が配置図とリストという違いはあるものの、配置図生成部154と同様の処理を行って制御機器210のリストを生成する。例えば、リスト生成部155は、比較部153が抽出した相違点に該当する制御機器について、リスト中の文字列を太字や色分け等で明示してもよい。
【0041】
(制御盤の構成)
制御盤2は、目的に応じた複数の制御機器210が内部に設置され、各種電気機器を制御する装置である。図示の例では、制御盤2には3つの制御機器210が設置されており、個々の制御機器210には、IDコード211が設けられている。なお、3つの制御機器210は同一の機種であってもよいし異なる機種であってもよいが、3つのIDコード211は必ず互いに異なっている必要がある。制御盤2は、筐体内に複数のレール(部分収容領域)を備え、レールに制御機器210を固定することによって該制御機器210を設置することが可能な構成であってもよい。換言すれば、制御盤2は、複数の制御機器210を収容する部分収容領域を複数備える構成であってもよい。
【0042】
制御機器210は、制御盤2の内部に設置される電子機器である。制御機器210は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)のCPUユニット、通信カプラユニット、センサからのセンシング結果を入力する入力ユニット、モータやロボットなどに対して制御を行う制御出力ユニットなどが挙げられる。制御機器210は、前述の部分収容領域に収容可能な構成であれば、どのような大きさや向きを選択してもよい。
【0043】
IDコード211は、制御機器210を一意に特定することが可能な機器識別画像であり、1つのIDコード211は、1つの制御機器210に紐付けられている。IDコード211は制御機器210に設けられた二次元コードの形式であってもよい。IDコード211の設置場所に制限はないが、制御盤2の全体を撮像した場合に、該制御盤2に設置されているすべての制御機器210のIDコード211が同時に確認できるような位置に配置されていることが好ましい。
【0044】
(配置図とリストの出力例)
本構成例に係る情報処理装置1において、撮像画像から生成された配置図およびリストの出力例について、図3を用いて説明する。図3は、情報処理装置1が撮像画像から生成した配置図およびリストの一例を示す模式図であり、図3の(a)は配置図の出力例を示し、図3の(b)はリストの出力例を示す。
【0045】
図3の(a)によれば、配置図は制御盤2に設置された複数の制御機器210のそれぞれを直方体のイメージ画像で表している。より具体的には、配置図は、機器特定部152が特定した機種情報および設置位置に基づいて、複数の制御機器210の並び順等が制御盤2の実際の構成に応じたものとされている。図示の例によれば、制御盤2の中には、複数の制御機器210が横3行に設置されている。また、配置図において、直方体のイメージ画像は、対応する制御機器210の機種情報(特に外形)に応じた大きさや形状で表現されてもよい。
【0046】
図3の(b)は、情報処理装置1において、制御盤2に設置された複数の制御機器210は、その名称がリスト形式で表されている。具体的には、リストは、機器特定部152が特定した機種情報、設置位置、該当機種に関する詳細情報などを含む。このリストにおいて、各機種情報が表示される順番は、機種の種類でソートされてもよいし、制御盤2における実際の設置位置順でソートされてもよい。
【0047】
(相違点の明示例)
本構成例に係る情報処理装置1において、参照情報を用いて抽出した相違点の明示例について、図4を用いて説明する。図4は、情報処理装置1が撮像画像から生成した配置図において、参照情報との相違点を明示する例を示す模式図である。
【0048】
図示の例において、制御盤2の内部で上から2行目かつ左から3つ目に存在する制御機器210が、参照情報との相違点であることが色分けおよびバージョン情報によって明示されている。すなわち、配置図において相違点に該当する制御機器210を示す直方体のイメージ画像は色分けが成されており、さらに該イメージ画像の下には具体的なバージョン情報として「Ver.2.1」との文字列が示されている。
【0049】
(処理の流れ)
本構成例に係る情報処理装置1が実行する処理の流れについて、図5を用いて説明する。図5は、情報処理装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、制御部150がカメラ110を用いて、IDコード211を含む撮像画像を取得する(S1)。次に、画像認識部151は、S1で取得した撮像画像に含まれるIDコード211を認識し、認識結果を機器特定部152へ送信する(S2:画像認識ステップ)。機器特定部152は、受信した認識結果に含まれるIDコード211に紐付けられた制御機器210および該制御機器210の機種情報を特定する。機器特定部152はさらに、制御盤2のレイアウト情報を参照して特定した制御機器210の設置位置を特定する(S3:機器特定ステップ)。
【0051】
S3の後、機器特定部152は、制御盤2のレイアウト情報を参照して、特定前の制御機器210が存在するか否かを判定する(S4)。存在しないと判定した場合(S4でNO)、比較部153は、S3で特定した制御機器210の機種情報および設置位置について、設計情報または過去情報と比較して相違点を抽出する(S5:比較ステップ)。その後、処理はS7へ進む。一方、存在すると判定した場合(S4でYES)、制御部150は、特定前の制御機器210のIDコード211を含む撮像画像を、カメラ110を用いて取得する(S6)。その後、処理はS2へ進み、S2~S4の処理を再度実行する。
【0052】
S7において、配置図生成部154は、S3で機器特定部152が特定した制御機器210の機種情報および設置位置、およびS5で比較部153が抽出した相違点を用いて、制御盤2における各制御機器210の配置図を生成する(S7:配置図生成ステップ)。さらに、リスト生成部155は制御盤2における各制御機器210のリストを生成する(S8)。その後、一連の処理を終了する。
【0053】
以上の処理によって、情報処理装置1は撮像画像から制御盤2における制御機器210の配置図およびリストを生成することができる。これにより、例えば情報処理装置1のユーザは、実際の制御盤2の構成に基づいて生成された配置図およびリストを用いて作業を実施することができる。したがって、制御盤2の実際の構成に応じた配置図およびリストを現場で生成する、利便性に優れた情報処理装置1を提供することができるという効果を奏する。
【0054】
本実施形態において機器特定部152は、IDコード211から制御機器210を特定した場合に、該制御機器210のGPS情報を履歴情報として過去情報とともに記憶部140等に保存してもよい。GPS情報を地図情報等と組み合わせることにより、制御機器210の設置位置の高度が推定できる。このとき、例えば高度に応じた気圧および気温と制御機器210の寿命との関係を考慮したり、制御盤2や制御機器210の移設の有無を確認したりできる。さらに、不具合発生時に該不具合が、移設を切っ掛けとしたものであるかを推定することができる。また、ユーザが特定の制御機器210を配置図またはリストから選択した場合に、選択した制御機器210の位置をGPS情報にしたがって出力することができる。換言すれば、配置図生成部154およびリスト生成部155は、配置図またはリストにおいてユーザが選択した機種に対応する制御機器210の設置位置を、GPS情報を用いて明示してもよい。そして、GPS情報の履歴を確認することにより、制御機器210がどの制御盤2でどれだけの期間稼働していたかを確認することができる。なお、各制御機器210がどの制御盤2に設置されているかという情報を特定の都度履歴情報として保存することにより、GPS情報を用いることなく前述の各種機能を実現することが可能である。
【0055】
§3 変形例
以下、本発明の一実施形態について、図1図6図9を用いて詳細に説明する。
【0056】
(情報処理装置の構成)
本実施形態に係る情報処理装置1の構成について、図1図6、および図8を用いて説明する。情報処理装置1の基本的な構成は前記構成例と同一であるが、一部構成が異なっている。情報処理装置1は、ユーザが選択した制御機器210を配置図およびリストにおいて明示(強調)して出力することができる。情報処理装置1は、選択済みである制御機器210の詳細情報の取得をユーザが選択した場合に、該制御機器210の詳細情報を生成して出力する。情報処理装置1は、撮像画像に含まれるIDコード211に基づいて制御機器210を特定すると、特定した制御機器210が設置されている制御盤2を特定することができる。情報処理装置1は、ユーザが制御機器210を選択した後、カメラ110を用いて取得した撮像画像に選択済みである制御機器210が含まれているか否かを判定し、判定結果に応じた通知を行ってもよい。
【0057】
記憶部140は、制御機器210の詳細情報を記録している機種データベースをさらに備えてもよい。機種データベースは外部に設けられ、図示しない通信部を介して取得する構成であってもよいし、記憶部140に格納された情報を外部から取得した情報によって更新する構成であってもよい。制御機器210の詳細情報とは、該制御機器210の画像、スペック、代替機の情報を含んでもよい。
【0058】
詳細情報生成部156は、制御部150の指示にしたがって、制御機器210の機種に関する詳細情報を記録している機種データベースを参照し、詳細情報として生成する。情報処理装置1は、例えば図6に示すように、詳細情報生成部156が生成した制御機器210の画像(詳細画像)を、撮像画像に重畳させて表示してもよい。これにより、例えば現場が暗い等の理由で制御機器210の視認が困難である場合に、撮像画像に詳細画像を重畳させて明示することによって、情報処理装置1のユーザが該制御機器210を視認しやすくすることができる。
【0059】
制御盤特定部157は、撮像中の現在撮像画像から、撮像中である制御盤2を特定する。具体的には制御盤特定部157は、複数の制御盤2に関する、過去に機器特定部152によって特定された各制御機器210の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、カメラ110によって撮像中の現在撮像画像と過去情報とを比較する。現在撮像画像から特定された制御機器210の機種情報および設置位置の情報と一致する過去情報が存在した場合、制御盤特定部157は、該過去情報が示す制御盤2が撮像中の制御盤2であるとして、その旨を出力する。制御盤特定部157は、特定した制御盤2について、名称や識別子等を出力してもよいし、特定した制御盤2の位置を図8のように地図上に明示してもよい。地図上に制御盤2の位置を明示した場合、ユーザは周囲の実際の風景と地図とを比較することで、制御盤特定部157が特定した結果が妥当であるか否かを評価し、誤っている場合は再度判定させてもよい。
【0060】
撮像表示制御部158は、ユーザが選択した制御機器210が、選択後に取得された撮像画像に含まれるか否かを判定する。具体的には、撮像表示制御部158は、過去に機器特定部152によって特定された各制御機器210の機種情報および設置位置を示す過去情報を記憶部140等から取得し、カメラ110によって撮像中の現在撮像画像と該過去情報とを比較する。現在撮像画像から特定された制御機器210の機種情報および設置位置の情報と一致する過去情報が存在した場合、撮像表示制御部158は、選択された制御機器210を撮像画像中に明示する。さらに一致する過去情報が存在した旨を外部に出力する。出力内容は光や音等であってもよい。また、現在撮像画像から特定された制御機器210の機種情報および設置位置の情報と一致する過去情報が存在しなかった場合、撮像表示制御部158は、選択した制御機器210への誘導を行ってもよい。具体的には、撮像表示制御部158は現在撮像画像から特定した制御機器210の設置位置と選択した制御機器210の設置位置とを比較し、選択した制御機器210へ向かう方向を決定し、決定した方向へ誘導する情報を撮像画像中に出力してもよい。
【0061】
(選択した制御機器の検索)
本変形例において情報処理装置1が撮像表示制御部158を用いて実行する、ユーザが特定の制御機器210を選択した後に撮像画像を用いて該制御機器210を検索する動作の一例について、図7の各図を用いて説明する。図7は、情報処理装置1が実行する、現在撮像画像を用いて選択された制御機器210を認識する動作の一例を示す模式図である。図7の(a)は、リスト上でユーザが特定の制御機器210を選択した例を示し、図7の(b)は、(a)の後に取得した撮像画像の中に選択した制御機器210が含まれていた場合の情報処理装置1の動作を示す。図7の(c)は、(a)の後に取得した撮像画像の中に選択した制御機器210が含まれなかった場合の情報処理装置1の動作を示す。
【0062】
図7の(a)は、ユーザが出力部130に出力されている制御機器210のリストの中から1つの制御機器210を選択する例を示す模式図である。図示の例において、点線枠にて示された文字列は、選択された制御機器210の名称を示す。ユーザがリストの中から制御機器210を選択すると、選択された制御機器210の名称を示す文字列が太字で明示される。このとき、文字列は太字で明示されるとともに選択されなかった制御機器210の名称とは別の色で出力されてもよい。なお、制御機器210の選択は、配置図に対して行われてもよい。
【0063】
図7の(b)は、図7の(a)の後に取得した撮像画像の中に選択した制御機器210が含まれていた場合に、情報処理装置1が光や音でその旨を出力する例を示す模式図である。図示の例において、情報処理装置1が撮像画像を取得すると、該撮像画像に含まれるIDコード211を画像認識部151が認識し、機器特定部152にてIDコード211に紐付けられた制御機器210を特定する。撮像表示制御部158は、特定した制御機器210が選択された制御機器210である場合、出力部130を用いて光や音で外部にその旨を出力することができる。
【0064】
図7の(c)は、図7の(a)の後に取得した撮像画像の中に選択した制御機器210が含まれなかった場合に、情報処理装置1が選択された制御機器210への誘導を行う例を示す模式図である。図示の例において、撮像表示制御部158は、撮像画像に含まれる制御機器210と選択された制御機器210との間の相対位置を特定し、撮像画像から選択された制御機器210へ向かう方向を矢印で、撮像画像に重畳させている。情報処理装置1のユーザは、例えば制御機器210をリストから選択した後、適当な撮像画像を取得することにより、該撮像画像から自身が選択した制御機器210へ向かう方向を確認することができる。なお、制御機器210への誘導は撮像画像に矢印を重畳させる方法に限定されなくてもよい。例えば、現在位置から制御機器210へ向かう方向を「右方向」といったメッセージで示してもよいし、音声で案内してもよい。
【0065】
(詳細情報生成処理および撮像表示制御処理の流れ)
本変形例に係る情報処理装置1が実行する詳細情報生成処理および撮像表示制御処理の流れについて、図9の(a)を用いて説明する。図9の(a)は、本変形例に係る情報処理装置1が実行する詳細情報生成処理および撮像表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、ユーザが出力部130に出力されているリスト等から、特定の制御機器210を選択すると(S21でYES)、配置図生成部154は選択された制御機器210を明示する配置図を生成する(S22)。さらに、リスト生成部155は選択された制御機器210を明示するリストを生成する(S23)。
【0067】
S23の後、制御部150は、S21でユーザが選択した制御機器210について、詳細情報の取得が選択されたか否かを判定する(S24)。詳細情報の取得が選択されたと判定した場合(S24でYES)、詳細情報生成部156は、選択された制御機器210に関する詳細情報を生成し、出力部130を用いて出力する(S25)。その後、処理はS26へ進む。一方、詳細情報の取得が選択されなかったと判定した場合(S24でNO)、処理はS26へ直接進む。
【0068】
S26において、制御部150は、IDコード211を含む撮像画像を取得したか否かを判定する(S26)。撮像画像を取得したと判定した場合(S26でYES)、図5のS2およびS3と同様に、画像認識部151が該撮像画像に含まれるIDコード211を認識し(S27)、機器特定部152が制御機器210の機種情報および設置位置を特定する(S28)。その後、処理はS29へ進む。一方、撮像画像を取得しなかったと判定した場合(S26でNO)、一連の処理を終了する。
【0069】
S29において、撮像表示制御部158は、S28で特定した制御機器210の中に、S21で選択した制御機器210が含まれるか否かを判定する(S29)。含まれると判定した場合(S29でYES)、撮像表示制御部158は、選択された制御機器210が撮像画像に含まれることを光や音で外部に出力するとともに、該制御機器210を撮像画像中に明示する(S30)。その後、一連の処理を終了する。一方、含まれないと判定した場合(S29でNO)、撮像表示制御部158は、S28で特定した制御機器210の設置位置と、S21で選択した制御機器210の設置位置との相対関係から、選択した制御機器210への誘導を矢印等によって行う(S31)。その後、一連の処理を終了する。
【0070】
以上の処理によって、情報処理装置1は、ユーザが選択した制御機器210について、詳細情報を生成して出力するとともに、選択後に撮像した撮像画像を用いて該制御機器210を検索することができる。
【0071】
(制御盤特定処理の流れ)
本変形例に係る情報処理装置1が実行する制御盤特定処理の流れについて、図9の(b)を用いて説明する。図9の(b)は、情報処理装置1が実行する制御盤特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0072】
まず、図5のS1~S3と同様に、撮像画像に含まれる制御機器210を特定する。すなわち制御部150がカメラ110を用いてIDコード211を含む撮像画像を取得し(S41)、画像認識部151にて撮像画像に含まれるIDコード211を認識する(S42)。そして、機器特定部152がS42で認識したIDコード211に紐付けられた制御機器210の機種情報および設置位置を特定する(S43)。
【0073】
S43の後、制御盤特定部157は、複数の制御盤2に関する制御機器210の過去情報を記憶部140等から取得し、S43で特定した機種情報および設置位置と一致するものが存在するか否かを判定する(S44)。一致する過去情報が存在すると判定した場合(S44でYES)、制御盤特定部157は、当該の過去情報に対応する制御盤2が、S41で取得した撮像画像取得元の制御盤2であると特定する(S45)。その後、一連の処理を終了する。一方、一致する過去情報が存在しないと判定した場合(S44でNO)、制御盤特定部157はS41で撮像画像を取得した元である制御盤2を特定できなかった旨のエラーを出力する(S46)。その後、一連の処理を終了する。
【0074】
以上の処理によって、本変形例に係る情報処理装置1は撮像画像と過去情報とを用いて、撮像した制御盤2を特定することができる。すなわち、撮像画像に含まれるIDコード211から制御機器210を特定し、特定した制御機器210が設置された制御盤2を特定することができる。これにより、例えば同一機種である制御盤2が複数並んでいた場合に、制御盤2を間違えることなく作業を実施することができる。
【0075】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理装置(1)は、機種情報を示す機器識別画像(IDコード211)が設けられた複数の制御機器が設置された制御盤(2)を撮像して撮像画像を取得する撮像装置(カメラ110)と、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識部(151)と、前記画像認識部によって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定部と、前記機器特定部によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成部とを備える構成である。
【0076】
この構成によれば、情報処理装置は機器識別画像を認識することで、制御盤において該機器識別画像が設けられた制御機器の配置図を生成することができる。これにより、例えば情報処理装置のユーザは、実際の制御盤の構成に基づいて生成された配置図を用いて作業を実施することができる。したがって、制御盤の実際の構成に応じた配置図を現場で生成する、利便性に優れた情報処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【0077】
本発明の態様2に係る情報処理装置(1)は、前記態様1において、前記機器特定部(152)によって特定された前記各制御機器(210)の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤(2)に設置されている前記制御機器のリストを生成するリスト生成部(155)をさらに備える構成としてもよい。
【0078】
この構成によれば、情報処理装置は制御盤に設置された制御機器の配置図に加えて制御機器のリストを生成することができる。これにより、例えば情報処理装置のユーザは、配置図とリストとを組み合わせて作業対象である制御機器を確実に認識することができる。
【0079】
本発明の態様3に係る情報処理装置(1)は、前記態様1または2において、前記撮像画像が、前記制御盤(2)の部分的な撮像画像であり、前記機器特定部(152)が、複数の前記撮像画像を組み合わせて前記制御盤の全体構成を認識することによって、前記各制御機器の設置位置を特定する構成としてもよい。
【0080】
この構成によれば、情報処理装置は制御盤の部分的な撮像画像を組み合わせて該制御盤の全体構成を認識し、該制御盤における制御機器の配置図を生成することができる。
【0081】
本発明の態様4に係る情報処理装置(1)は、前記態様1から3のいずれか一項において、前記画像認識部(151)が、前記各制御機器(210)の外形を画像認識するとともに、前記配置図生成部(154)が、前記各制御機器の外形を用いて前記配置図を生成する構成としてもよい。この構成によれば、情報処理装置は撮像画像から画像認識した制御機器の外形を用いて配置図を生成することができる。
【0082】
本発明の態様5に係る情報処理装置(1)は、前記態様1から4のいずれか一項において、所定の状態における、前記各制御機器(210)の機種情報および設置位置を示す参照情報を取得し、該参照情報と、前記機器特定部(152)によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を比較し、相違点を抽出する比較部(153)をさらに備え、前記配置図生成部(154)が、前記配置図において、前記比較部によって抽出された前記相違点を明示する構成としてもよい。
【0083】
この構成によれば、情報処理装置は相違点を明示するようにした配置図を生成することができる。これにより、例えば相違点が予め予測されていた内容と同一であるか否かを確認することができる。
【0084】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、前記態様5において、前記参照情報が、ユーザによって予め設計された、前記制御盤(2)における各制御機器(210)の設置状態を示す設計情報、または、過去に前記機器特定部(152)によって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置を示す過去情報である構成としてもよい。
【0085】
この構成によれば、情報処理装置は設計情報および過去情報のいずれかと参照情報との間の相違点の有無を抽出し、配置図において明示することができる。これにより、例えば相違点がどの時点で生じたかを推測することができる。
【0086】
本発明の態様7に係る情報処理装置(1)は、前記態様5または6において、前記参照情報は、前記各制御機器(210)の設置位置を示すGPS情報を含んでおり、前記配置図生成部(154)は、前記配置図においてユーザによって選択された機種に対応する前記制御機器の前記設置位置の高度を、前記GPS情報を少なくとも用いて明示する構成としてもよい。
【0087】
前記の構成によれば、情報処理装置は配置図において相違点を明示するとともに、ユーザが選択した制御機器の設置位置の高度をGPS情報と地図情報等とを組み合わせることで明示することができる。これにより、例えば相違点に該当する制御機器が以前はどの位置にあったかを確認することができる。
【0088】
本発明の態様8に係る情報処理装置(1)は、前記態様1から7のいずれか一項において、前記配置図生成部(154)が、前記配置図において、ユーザによって選択された機種に対応する前記制御機器(210)を明示する構成としてもよい。
【0089】
この構成によれば、情報処理装置は配置図において選択された制御機器を明示することができる。これにより、例えば作業対象である制御機器について、配置図における設置位置および該設置位置に存在する制御機器を確認した後に作業を開始することができる。
【0090】
本発明の態様9に係る情報処理装置(1)は、前記態様8において、機種に関する詳細情報を記録している機種データベースを参照することによって、ユーザによって選択された機種に関する詳細情報を生成する詳細情報生成部(156)をさらに備える構成としてもよい。
【0091】
この構成によれば、情報処理装置は配置図において選択された制御機器の詳細情報を生成することができる。これにより、例えば作業対象である制御機器について、配置図における設置位置および該制御機器の詳細情報を確認した後に作業を開始することができる。
【0092】
本発明の態様10に係る情報処理装置(1)は、前記態様1から9のいずれか一項において、複数の制御盤(2)に関する、過去に前記機器特定部(152)によって特定された前記各制御機器(210)の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、前記撮像装置(カメラ110)によって撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、撮像中の前記制御盤を特定する制御盤特定部(157)をさらに備える構成としてもよい。
【0093】
この構成によれば、情報処理装置は撮像画像と過去情報とを用いて、撮像した制御盤を特定することができる。すなわち、撮像画像に含まれる機器識別画像から制御機器を特定し、特定した制御機器が設置された制御盤を特定することができる。これにより、例えば同一機種である制御盤が複数並んでいた場合に、制御盤を間違えることなく作業を実施することや、制御盤や制御機器の移設の有無を確認することができる。
【0094】
本発明の態様11に係る情報処理装置(1)は、前記態様1から10のいずれか一項において、過去に前記機器特定部(152)によって特定された前記各制御機器(210)の機種情報および設置位置を示す過去情報を取得し、前記撮像装置(カメラ110)によって撮像中の現在撮像画像と前記過去情報とを比較することによって、ユーザによって選択された制御機器を前記現在撮像画像中に明示する撮像表示制御部(158)をさらに備える構成としてもよい。
【0095】
この構成によれば、情報処理装置はユーザによって選択された制御機器が撮像画像に含まれていた場合は、該撮像画像中にその旨を明示することができる。これにより、例えば同一機種の制御機器が複数並んでいた場合に、ユーザが選択した制御機器を特定することができる。
【0096】
本発明の態様12に係る情報処理方法は、機種情報を示す機器識別画像(IDコード211)が設けられた複数の制御機器(210)が設置された制御盤(2)の撮像画像を取得し、前記撮像画像に含まれる前記機器識別画像を認識する画像認識ステップ(S2)と、前記画像認識ステップによって認識された前記機器識別画像に基づいて、前記各制御機器の機種情報および設置位置を特定する機器特定ステップ(S3)と、前記機器特定ステップによって特定された前記各制御機器の機種情報および設置位置に基づいて、前記制御盤における前記各制御機器の配置図を生成する配置図生成ステップ(S7)とを有する方法である。前記の構成によれば、前記態様1と同様の作用効果を奏する。
【0097】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1の制御ブロック(特に画像認識部151、機器特定部152、比較部153、配置図生成部154、リスト生成部155、詳細情報生成部156、制御盤特定部157、および撮像表示制御部158)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0098】
後者の場合、情報処理装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理装置
110 カメラ(撮像装置)
120 入力部
130 出力部
140 記憶部
150 制御部
151 画像認識部
152 機器特定部
153 比較部
154 配置図生成部
155 リスト生成部
156 詳細情報生成部
157 制御盤特定部
158 撮像表示制御部
図1
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図9