IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-システム及び液体ボトル 図1
  • 特許-システム及び液体ボトル 図2
  • 特許-システム及び液体ボトル 図3
  • 特許-システム及び液体ボトル 図4
  • 特許-システム及び液体ボトル 図5
  • 特許-システム及び液体ボトル 図6
  • 特許-システム及び液体ボトル 図7
  • 特許-システム及び液体ボトル 図8
  • 特許-システム及び液体ボトル 図9
  • 特許-システム及び液体ボトル 図10
  • 特許-システム及び液体ボトル 図11
  • 特許-システム及び液体ボトル 図12
  • 特許-システム及び液体ボトル 図13
  • 特許-システム及び液体ボトル 図14
  • 特許-システム及び液体ボトル 図15
  • 特許-システム及び液体ボトル 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】システム及び液体ボトル
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
B41J2/175 141
B41J2/175 115
B41J2/175 131
B41J2/175 171
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018163093
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020032681
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】刑部 吉記
(72)【発明者】
【氏名】白野 太一
(72)【発明者】
【氏名】辻 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大野 彰人
(72)【発明者】
【氏名】川越 政子
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-214687(JP,A)
【文献】国際公開第2015/016119(WO,A1)
【文献】特開2018-075723(JP,A)
【文献】特開平11-309876(JP,A)
【文献】特開2018-008510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する貯留室を有するタンクと、
供給口を通じて上記タンクに接続される液体ボトルと、を備え、
上記タンクは、
上記貯留室を大気に連通させる大気連通口を備えた大気連通部と、
一端が上記貯留室における上記大気連通部の少なくとも一部よりも下方に位置し、他端が外部に開口された第1流路、及び一端が上記貯留室における上記第1流路の一端よりも少なくとも一部が下方に位置し、他端が外部に開口された第2流路を有する筒部と、を備え、
上記液体ボトルは、
液体を貯留する内部空間を区画する外壁と、
一端が上記内部空間と連通し、他端が上記液体ボトルの外部と連通し、上記筒部が挿入される上記供給口と、
上記内部空間を第1空間及び第2空間に区画する仕切壁と、を備え、
上記筒部が上記供給口に挿入されて上記液体ボトルが上記タンクに接続された接続状態において、上記第1空間は上記第1流路と連通されており、上記第2空間は上記第2流路と連通されているシステム。
【請求項2】
上記筒部は、水平方向及び鉛直方向の成分を有する方向へ延びている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記筒部は、その内部を上記第1流路及び上記第2流路に区画する隔壁を備える請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
上記筒部は、
上記第1流路を有する第1筒部と、
上記第2流路を有する第2筒部と、を備え、
上記供給口は、
上記第1筒部が挿入される第1供給口と、
上記第2筒部が挿入される第2供給口と、を備える請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
上記仕切壁は、上記内部空間の所定位置から上記供給口に対して遠ざかって延びており、
上記所定位置は、上記接続状態において、上記供給口の貫通方向と交差する方向における上記第1流路及び上記第2流路の間の位置にあり、
上記第1空間は、上記貫通方向と交差する方向において上記所定位置より上記第1流路側を含む空間であり、
上記第2空間は、上記貫通方向と交差する方向において上記所定位置より上記第2流路側を含む空間である請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
上記仕切壁は、上記第1空間及び上記第2空間を連通する連通孔を備える請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
上記連通孔は、上記第1空間または上記第2空間の一方のみに液体が存在する場合に、上記連通孔におけるメニスカスが維持されない大きさである請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
上記液体ボトルは、上記接続状態において上記タンクと係合する係合部を備え、
上記タンクは、上記接続状態において上記係合部と係合する被係合部を備え、
上記係合部及び上記被係合部が係合した状態において、上記第1空間の少なくとも一部が上記第2空間より上方に位置する請求項1から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
上記タンクは、複数設けられており、
上記液体ボトルは、上記タンクの各々に対応して設けられており、
上記液体ボトルの各々の上記係合部は、対応する上記タンクの上記被係合部とのみ係合可能である請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
上記タンクは、上記貯留室に貯留された液体を外部から視認可能な視認壁を備え、
上記視認壁は、使用姿勢の上記タンクの上記第1流路の一端と上下方向の同位置に、液面識別用のマークを備える請求項1から9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
上記タンクは、上記液体ボトルを上記接続状態に保持する保持機構を備える請求項1から10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
上記保持機構は、上記接続状態において上記液体ボトルを上記タンクにロックするロック部を備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
上記筒部は、水平方向及び鉛直方向の成分を有する方向へ延びており、
上記接続状態において、上記ロック部は、上記液体ボトルの上側を上記タンクにロックする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
上記液体ボトルは、
上記内部空間に設けられており、上記供給口を閉じて上記内部空間と上記液体ボトルの外部との連通を遮断する第1閉位置と、上記供給口を開いて上記内部空間と上記液体ボトルの外部とを連通する第1開位置とに移動可能な第1バルブと、
上記第1バルブを上記第1閉位置へ付勢する第1付勢部材と、を備え、
上記液体ボトルが上記タンクへ接続される過程において、
上記第1バルブは、上記筒部に押されることで上記第1付勢部材の付勢力に抗して上記第1開位置へ向けて移動する請求項1から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
上記液体ボトルは、
上記内部空間に設けられており、上記供給口を閉じて上記内部空間と上記液体ボトルの外部との連通を遮断する第1閉位置と、上記供給口を開いて上記内部空間と上記液体ボトルの外部とを連通する第1開位置とに移動可能な第1バルブと、
上記第1バルブを上記第1閉位置へ付勢する第1付勢部材と、を備え、
上記タンクは、
上記筒部の内部に設けられており、上記筒部の開口を閉じて上記第1流路及び上記第2流路と上記タンクの外部との連通を遮断する第2閉位置と、上記筒部の開口を開いて上記第1流路及び上記第2流路と上記タンクの外部とを連通する第2開位置とに移動可能な第2バルブと、
上記第2バルブを上記第2閉位置へ付勢する第2付勢部材と、を備え、
上記第1バルブまたは上記第2バルブの一方は、上記筒部の開口または上記供給口から外部へ突出した突起を備え、
上記液体ボトルが上記タンクへ接続される過程において、
上記突起は、上記第1バルブまたは上記第2バルブの他方を押して上記第1開位置または上記第2開位置へ向けて移動させ、
上記第1バルブまたは上記第2バルブの一方は、上記第1バルブまたは上記第2バルブの他方から上記突起への反力によって上記第1開位置または上記第2開位置へ向けて移動する請求項1から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
上記第1空間は、サブ流路であり、
上記サブ流路の一端は、上記供給口と連通しており、
上記サブ流路の他端は、上記第空間と連通しており、
上記第1バルブが上記第1閉位置の状態において、上記サブ流路の一端と上記液体ボトルの外部との連通は遮断されており、
上記第1バルブが上記第1開位置の状態において、上記サブ流路の一端と上記液体ボトルの外部とは連通されている請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
上記接続状態において、上記サブ流路は鉛直方向の成分を有する方向へ延びている請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
上記外壁は、上記供給口へ向かうにしたがって、上記供給口の貫通方向と交差する方向において細くなるテーパ部を備え、
上記接続状態において、上記テーパ部は、上記供給口へ向かうにしたがって下方へ向かって傾斜した状態である請求項1から17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
上記第1流路または上記第2流路の少なくとも一方は、上記貯留室において屈曲した屈曲部、または、上記貯留室において湾曲した湾曲部の少なくとも一方を有する請求項1から18のいずれかに記載のシステム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が貯留される液体ボトルと、液体ボトルが接続されるタンクとを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクに貯留された液体が消費される度に、タンクに接続されたカートリッジから液体を逐次タンクへ供給することによって、タンクに貯留された液体の液面を一定に保つことができる構成として、いわゆるチキンフィード方式でカートリッジからタンクへ液体が供給されるシステムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたシステムでは、タンクは、カートリッジの下方にある。また、タンクは、大気と連通する大気連通部を備える。また、タンクは、大気流路及び液体流路の2本の流路を通じてカートリッジと連通している。タンク内の液体が消費されて液体の液面が大気流路の下端にある開口よりも低くなると、空気が大気連通部からタンクに入り込み、タンクに入り込んだ空気が大気流路を通じてカートリッジに入り込む。そして、カートリッジに入り込んだ空気の体積分の液体がカートリッジから液体流路を通じてタンクへ供給される。液体の液面が大気流路の開口に達すると、液体の供給は停止される。このようにして、タンク内の液体の液面が一定に維持される。
【0004】
また、タンク内の液体が消費されると、タンクの注入口から液体を補充可能なシステムが知られている(特許文献2参照)。このようなシステムでは、例えば、注入口に液体ボトルが挿入されることによって、液体ボトルに貯留された液体がタンクに補充される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-205528号公報
【文献】特開2012-20495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タンクの注入口に液体ボトルが挿入されるシステムにおいて、特許文献1に開示されたシステムのようなチキンフィード方式が採用された場合、以下の問題が生じるおそれがある。つまり、タンク内の液体が消費されて液体の液面が大気流路の下端にある開口よりも低くなった状態で、液体ボトルがタンクの注入口に挿入されると、タンク内の空気が大気流路を通じて液体ボトルに入り込むが、液体ボトルに入り込んだ空気が液体流路を通じて液体ボトルからタンクへ逆流してしまうおそれがある。
【0007】
特許文献1に開示されたシステムでは、タンクはカートリッジの下方にあるため、上記のような空気の逆流の問題は生じにくいが、タンクに挿入された液体ボトルは必ずしもタンクの上方に位置するとは限らず、例えば液体ボトルが前方からタンクに挿入されるシステムの場合、タンクに挿入された液体ボトルは、タンクの前方に位置する。このようなシステムでは、上記のような空気の逆流の問題が生じやすい。
【0008】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンクから液体ボトルへ流入した空気がタンクへ逆流する可能性を低くすることができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るシステムは、液体を貯留する貯留室を有するタンクと、供給口を通じて上記タンクに接続される液体ボトルと、を備える。上記タンクは、上記貯留室を大気に連通させる大気連通口を備えた大気連通部と、一端が上記貯留室における上記大気連通部の少なくとも一部よりも下方に位置し、他端が外部に開口された第1流路、及び一端が上記貯留室における上記第1流路の一端よりも少なくとも一部が下方に位置し、他端が外部に開口された第2流路を有する筒部と、を備える。上記液体ボトルは、液体を貯留する内部空間を区画する外壁と、一端が上記内部空間と連通し、他端が上記液体ボトルの外部と連通し、上記筒部が挿入される上記供給口と、上記内部空間を第1空間及び第2空間に区画する仕切壁と、を備える。上記筒部が上記供給口に挿入されて上記液体ボトルが上記タンクに接続された接続状態において、上記第1空間は上記第1流路と連通されており、上記第2空間は上記第2流路と連通されている。
【0010】
タンクの貯留室に貯留された液体が消費されて液体の液面が第1流路の下端よりも低くなると、空気が大気連通部からタンクに入り込み、タンクに入り込んだ空気が第1流路を通じて液体ボトルに入り込む。そして、液体ボトルに入り込んだ空気の体積分の液体が液体ボトルから第2流路を通じてタンクの貯留室へ供給される。液体の液面が第1流路の開口に達すると、液体の供給は停止される。このとき、第1流路を通じて液体ボトルに入り込んだ空気が、第2流路を通じてタンクへ逆流するおそれがある。
【0011】
ここで、本構成によれば、内部空間が仕切壁によって第1空間及び第2空間に区画されている。また、接続状態において、第1空間は第1流路と連通されており、第2空間は第2流路と連通されている。そのため、液体ボトルに入り込んだ空気は、仕切壁によって第1空間へ導かれる。よって、液体ボトルに入った空気が第2空間へ導かれて第2流路を通じてタンクの貯留室へ逆流することが低減される。
【0012】
(2) 上記筒部は、水平方向及び鉛直方向の成分を有する方向へ延びている。
【0013】
筒部が本構成のように斜め上方へ延びている場合、第1流路及び第2流路の他端は、液体ボトル内において上方ではなく斜め上方へ開口される。これにより、タンクの貯留室から第1流路を通じて液体ボトルに入り込んだ空気が、第2流路を通じてタンクの貯留室へ逆流する可能性が、第1流路及び第2流路の他端が液体ボトル内において上方へ開口された構成よりも高まる。しかし、液体ボトルは(1)の構成のように仕切壁を有しているため、当該逆流の可能性が高まることを抑制することができる。
【0014】
(3) 上記筒部は、その内部を上記第1流路及び上記第2流路に区画する隔壁を備える。
【0015】
本構成によれば、第1流路及び第2流路を1本の筒部内に設けることができるため、タンクの構造、及びタンクと液体ボトルとの接続構造を単純化できる。
【0016】
(4) 上記筒部は、上記第1流路を有する第1筒部と、上記第2流路を有する第2筒部と、を備える。上記供給口は、上記第1筒部が挿入される第1供給口と、上記第2筒部が挿入される第2供給口と、を備える。
【0017】
本構成によれば、第1流路及び第2流路の間隔を大きくすることができるため、第1流路を通じて液体ボトルに入った空気が第2流路を通じてタンクの貯留室へ逆流する可能性を低くすることができる。
【0018】
(5) 例えば、上記仕切壁は、上記内部空間の所定位置から上記供給口に対して遠ざかって延びている。上記所定位置は、上記接続状態において、上記供給口の貫通方向と交差する方向における上記第1流路及び上記第2流路の間の位置にある。上記第1空間は、上記貫通方向と交差する方向において上記所定位置より上記第1流路側を含む空間である。上記第2空間は、上記貫通方向と交差する方向において上記所定位置より上記第2流路側を含む空間である。
【0019】
(6) 上記仕切壁は、上記第1空間及び上記第2空間を連通する連通孔を備える。
【0020】
本構成によれば、連通孔を介して第1空間及び第2空間の間で液体及び空気を移動させることができる。
【0021】
(7) 上記連通孔は、上記第1空間または上記第2空間の一方のみに液体が存在する場合に、上記連通孔におけるメニスカスが維持されない大きさである。
【0022】
連通孔に形成されたメニスカスが維持される場合、連通孔を介した第1空間及び第2空間の間における液体及び空気の移動が阻害される。本構成によれば、連通孔に形成されたメニスカスが維持されないため、連通孔を介した第1空間及び第2空間の間における液体及び空気の移動が阻害されない。
【0023】
(8) 上記液体ボトルは、上記接続状態において上記タンクと係合する係合部を備える。上記タンクは、上記接続状態において上記係合部と係合する被係合部を備える。上記係合部及び上記被係合部が係合した状態において、上記第1空間の少なくとも一部が上記第2空間より上方に位置する。
【0024】
通常、空気は液体よりも上方へ移動する。そのため、本構成によれば、第1流路を通じて液体ボトルに入り込んだ空気は第1空間へ移動し易い。これにより、液体ボトルに入った空気が第2空間へ導かれて第2流路を通じてタンクの貯留室へ逆流することが低減される。
【0025】
(9) 上記タンクは、複数設けられている。上記液体ボトルは、上記タンクの各々に対応して設けられている。上記液体ボトルの各々の上記係合部は、対応する上記タンクの上記被係合部とのみ係合可能である。
【0026】
本構成によれば、液体ボトルが、当該液体ボトルと対応していない誤ったタンクと接続されることを防止できる。
【0027】
(10) 上記タンクは、上記貯留室に貯留された液体を外部から視認可能な視認壁を備える。上記視認壁は、使用姿勢の上記タンクの上記第1流路の一端と上下方向の同位置に、液面識別用のマークを備える。
【0028】
本構成によれば、チキンフィード方式によって、液体が液体ボトルから第2流路を通じてタンクへ供給される。そして、液体の液面が第1流路の一端と同じ高さとなると、液体の供給が禁止される。このとき、液体の液面は、液面識別用のマークと同位置になる。これにより、ユーザは、液体が適正に供給されたことを確認することができる。
【0029】
(11) 上記タンクは、上記液体ボトルを上記接続状態に保持する保持機構を備える。
【0030】
本構成によれば、ユーザが液体ボトルを把持しなくても、保持機構によって液体ボトルをタンクに接続された状態に維持することができる。
【0031】
(12) 上記保持機構は、上記接続状態において上記液体ボトルを上記タンクにロックするロック部を備える。
【0032】
本構成によれば、タンクに接続された液体ボトルが意図せずタンクから外れることを防止できる。
【0033】
(13) 上記筒部は、水平方向及び鉛直方向の成分を有する方向へ延びている。上記接続状態において、上記ロック部は、上記液体ボトルの上側を上記タンクにロックする。
【0034】
本構成によれば、液体ボトルは斜めの状態でタンクに接続される。この状態において、液体ボトルには、タンクとの接続位置を中心として下向きへ回動する向きのモーメントが作用する。本構成では、ロック部は液体ボトルの上側をタンクにロックするため、ロック部が液体ボトルの下側をタンクにロックした構成よりも、前述したモーメントによって液体ボトルが回動することを抑制し易い。
【0035】
(14) 上記液体ボトルは、上記内部空間に設けられており、上記供給口を閉じて上記内部空間と上記液体ボトルの外部との連通を遮断する第1閉位置と、上記供給口を開いて上記内部空間と上記液体ボトルの外部とを連通する第1開位置とに移動可能な第1バルブと、上記第1バルブを上記第1閉位置へ付勢する第1付勢部材と、を備える。上記液体ボトルが上記タンクへ接続される過程において、上記第1バルブは、上記筒部に押されることで上記第1付勢部材の付勢力に抗して上記第1開位置へ向けて移動する。
【0036】
本構成によれば、液体ボトルがタンクに接続されていない状態では、第1バルブが供給口を閉じているため、液体ボトルからの液漏れを防止できる。また、液体ボトルがタンクに接続された状態では、第1バルブが供給口を開くため、液体ボトルからタンクへ液体を流通させることができる。
【0037】
(15) 上記液体ボトルは、上記内部空間に設けられており、上記供給口を閉じて上記内部空間と上記液体ボトルの外部との連通を遮断する第1閉位置と、上記供給口を開いて上記内部空間と上記液体ボトルの外部とを連通する第1開位置とに移動可能な第1バルブと、上記第1バルブを上記第1閉位置へ付勢する第1付勢部材と、を備える。上記タンクは、上記筒部の内部に設けられており、上記筒部の開口を閉じて上記第1流路及び上記第2流路と上記タンクの外部との連通を遮断する第2閉位置と、上記筒部の開口を開いて上記第1流路及び上記第2流路と上記タンクの外部とを連通する第2開位置とに移動可能な第2バルブと、上記第2バルブを上記第2閉位置へ付勢する第2付勢部材と、を備える。上記第1バルブまたは上記第2バルブの一方は、上記筒部の開口または上記供給口から外部へ突出した突起を備える。上記液体ボトルが上記タンクへ接続される過程において、上記突起は、上記第1バルブまたは上記第2バルブの他方を押して上記第1開位置または上記第2開位置へ向けて移動させ、上記第1バルブまたは上記第2バルブの一方は、上記第1バルブまたは上記第2バルブの他方から上記突起への反力によって上記第1開位置または上記第2開位置へ向けて移動する。
【0038】
本構成によれば、液体ボトルがタンクに接続されていない状態では、第2バルブが筒部の開口を閉じているため、タンクからの液漏れを防止でき、第1バルブが供給口を閉じているため、液体ボトルからの液漏れを防止できる。また、液体ボトルがタンクに接続された状態では、第2バルブが筒部の開口を開き、第1バルブが供給口を開くため、液体ボトルからタンクへ液体を流通させ、タンクから液体ボトルへ空気を流通させることができる。
【0039】
(16) 上記液体ボトルは、サブ流路を備える。上記サブ流路の一端は、上記供給口と連通している。上記サブ流路の他端は、上記第1空間と連通している。上記第1バルブが上記第1閉位置の状態において、上記サブ流路の一端と上記液体ボトルの外部との連通は遮断されている。上記第1バルブが上記第1開位置の状態において、上記サブ流路の一端と上記液体ボトルの外部とは連通されている。
【0040】
本構成によれば、液体ボトルに入り込んだ空気は、サブ流路を通じて内部空間へ導かれる。そのため、当該空気が第2流路へ逆流する可能性を低くすることができる。
【0041】
(17) 上記接続状態において、上記サブ流路は上記鉛直方向の成分を有する方向へ延びている。
【0042】
本構成によれば、通常、空気は液体よりも上方へ移動する。そのため、本構成によれば、第1流路を通じて液体ボトルに入り込んだ空気はサブ流路へ移動し易い。
【0043】
(18) 上記外壁は、上記供給口へ向かうにしたがって、上記供給口の貫通方向と交差する方向において細くなるテーパ部を備える。上記接続状態において、上記テーパ部は、上記供給口へ向かうにしたがって下方へ向かって傾斜した状態である。
【0044】
本構成によれば、接続状態において、テーパ部は、供給口へ向かうにしたがって下方へ向かって傾斜した状態である。そのため、接続状態において、液体ボトルの内部空間におけるテーパ部付近に、液体が残留することを防止することできる。
【0045】
(19) 例えば、上記第1流路または上記第2流路の少なくとも一方は、上記貯留室において屈曲した屈曲部、または、上記貯留室において湾曲した湾曲部の少なくとも一方を有する。
【0046】
(20) 本発明に係る液体ボトルは、液体を貯留する貯留室と、上記貯留室を大気に連通させる大気連通口を備えた大気連通部と、一端が上記貯留室における上記大気連通部の少なくとも一部よりも下方に位置し、他端が外部に開口された第1流路、及び一端が上記貯留室における上記第1流路の一端よりも少なくとも一部が下方に位置し、他端が外部に開口された第2流路を有する筒部と、を備えるタンクに、供給口を通じて接続されるものである。上記液体ボトルは、液体を貯留する内部空間を区画する外壁と、一端が上記内部空間と連通し、他端が上記液体ボトルの外部と連通し、上記筒部が挿入される上記供給口と、上記内部空間を第1空間及び第2空間に区画する仕切壁と、を備える。上記筒部が上記供給口に挿入されて上記液体ボトルが上記タンクに接続された接続状態において、上記第1空間は上記第1流路と連通されており、上記第2空間は上記第2流路と連通されている。
【0047】
本構成の液体ボトルによれば、(1)と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、タンクから液体ボトルへ流入した空気がタンクへ逆流する可能性を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は、複合機10の外観斜視図であって、(A)はカバー70が閉位置にある状態、(B)はカバー70が開位置にある状態を示す。
図2図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図3図3は、キャリッジ23とプラテン42とガイドレール43、44とインクタンク100との配置を示す平面図である。
図4図4は、インクタンク100の斜視図である。
図5図5は、インクタンク100Mの斜視図である。
図6図6は、液体ボトル80及びインクタンク100Mの縦断面図であり、液体ボトル80がインクタンク100Mに接続されていない状態を示す。
図7図7は、液体ボトル80及びインクタンク100Mの縦断面図であり、液体ボトル80がインクタンク100Mに接続されている状態を示す。
図8図8は、液体ボトル80の斜視図である。
図9図9は、図6における液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの筒部112周辺の拡大図である。
図10図10は、図7における液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの筒部112周辺の拡大図である。
図11図11は、支持部124を備えたインクタンク100及び液体ボトル80の左側面図である。
図12図12は、傾斜壁106と直交する方向からリブ125を備えたインクタンク100を視た図である。
図13図13は、サブ流路93を備える液体ボトル80の先端部84付近の縦断面図であり、(A)はインクタンク100と接続されていない状態を示し、(B)はインクタンク100と接続されている状態を示す。
図14図14は、2つの先端部94、95を備える液体ボトル80、及び2つの筒部131、132を備えるインクタンク100Mの縦断面図であり、液体ボトル80がインクタンク100Mに接続されていない状態を示す。
図15図15は、変形例におけるインクタンク100の縦断面図である。
図16図16は、変形例におけるインクタンク100の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向きは方向の一成分である。さらに、複合機10及び複合機10に据え付けられたインクタンク100が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1図2図4図7図11図12図14の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13(図1参照)が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は、互いに直交する。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
【0051】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(システムの一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に有している。プリンタ部11は、前壁14Aに開口13が形成された筐体14を有している。
【0052】
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、インクタンク100と、が配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
【0053】
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿って複合機10に対して挿入及び脱抜される。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に位置する。図2に示されるように、給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持可能である。図1及び図2に示されるように、排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に配置されている。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって記録部24とプラテン42との間から排出された用紙12を支持する。
【0054】
[給送部15]
給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、給送用モータ(不図示)によって駆動される。給送アーム26は、プリンタ部11のフレーム(不図示)に支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢されている。
【0055】
[搬送経路65]
図2に示されるように、搬送経路65は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送経路65は、給送トレイ20の後端部から後方へ延び、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間における搬送経路65は、図3に示されるように、左右方向9における複合機10の概ね中央部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路65内における用紙12の搬送向き29は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
【0056】
[搬送ローラ部54]
図2に示されるように、搬送ローラ部54は、搬送経路65に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
【0057】
[排出ローラ部55]
図2に示されるように、排出ローラ部55は、搬送経路65における搬送ローラ部54より搬送向き29の下流に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
【0058】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン42と上下方向7に対向配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39とを備えている。
【0059】
図3に示されるように、キャリッジ23は、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、プリンタ部11のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ23は、キャリッジモータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ23の移動範囲は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路65より右方及び左方にまで及ぶ。
【0060】
キャリッジ23からは、インクチューブ32とフレキシブルフラットケーブル33とが延出されている。
【0061】
インクチューブ32は、インクタンク100及び記録ヘッド39を接続するものである。インクチューブ32は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100M(これらを総称して、「インクタンク100」と表示することがある。)に貯留されたインク(液体の一例)を記録ヘッド39に供給する。インクタンク100は、タンクの一例である。詳細には、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ32B、32Y、32C、32M(これらを総称して、「インクチューブ32」と表記することがある。)が、それぞれインクタンク100B、100Y、100C、100Mから延出され、これらが束ねられた状態でキャリッジ23と接続されている。
【0062】
フレキシブルフラットケーブル33は、複合機10の動作を制御するコントローラ(不図示)が実装された制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。フレキシブルフラットケーブル33は、コントローラから出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
【0063】
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載している。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が配置されている。複数のノズル40の先端は、記録ヘッド39の下面から露出している。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。また、これにより、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに貯留されたインクが消費される。
【0064】
[プラテン42]
図2及び図3に示されるように、プラテン42は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路65を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下方から支持する。
【0065】
[カバー70]
図1(B)に示されるように、筐体14の前壁14Aの右部に、開口22が形成されている。図1(A)に示されるように、カバー70が、筐体14に、開口22を覆うようにして取り付けられている。カバー70は、開口22を閉塞する閉位置(図1(A)に示される位置)と、開口22を開放する開位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。図1(A)に示されるように、カバー70が閉位置のとき、インクタンク100の筒部112(図1(B)及び図4参照)は、外部から閉塞されている。図1(B)に示されるように、カバー70が開位置のとき、インクタンク100の筒部112は、外部に露出されている。図1(A)に示されるように、カバー70には、開口97が形成されている。筐体14の内部のうち開口22の後方に位置する部分には、空間が拡がっている。この空間に、インクタンク100が配置される。
【0066】
[インクタンク100]
図4に示されるインクタンク100は、プリンタ部11に設けられている。インクタンク100は、プリンタ部11が備える記録部24にインクを供給するものである。インクタンク100は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mを備える。
【0067】
各インクタンク100には、異なる色のインクが貯留される。具体的には、ブラックインクがインクタンク100Bに貯留され、イエローインクがインクタンク100Yに貯留され、シアンインクがインクタンク100Cに貯留され、マゼンタインクがインクタンク100Mに貯留される。但し、インクタンク100の数及びインクの色は上記の例に限定されない。
【0068】
インクタンク100B、100Y、100C、100Mの各々の構成は、インクタンク100Bの左右方向9の長さが、他の3つのインクタンク100Y、100C、100Mの各々の左右方向9の長さよりも長いことを除いて、概ね同じ構成である。よって、以下では、インクタンク100Mの構成が説明され、他のインクタンク100B、100Y、100Cの構成の説明は省略される。
【0069】
図5に示されるように、インクタンク100Mは、前壁101、後壁110、上壁104、下壁105、右壁107、及び左壁108で構成されたフレームを備えている。前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105は、樹脂で構成されている。右壁107及び左壁108は、フィルムで構成されている。右壁107としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105の右端に形成された開口に貼り付けられている。左壁108としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105の左端に形成された開口に貼り付けられている。これにより、前壁101、後壁110、上壁104、下壁105、右壁107、及び左壁108によって区画されたインク室111(図6参照、貯留室の一例)が形成される。
【0070】
なお、フレームの各壁が樹脂であるかフィルムであるかは、上記に限らない。例えば、後壁110のみがフィルムで、その他の壁が樹脂であってもよい。また、例えば、右壁107の一部が樹脂で、右壁107の残りの部分がフィルムであってもよい。更には、左壁108の一部が樹脂で、左壁108の残りの部分がフィルムであってもよい。
【0071】
フレームの樹脂の部分は、インク室111内のインクがインクタンク100の外部から視認可能な程度の透光性を有する樹脂で一体形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、ポリプロピレンで形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、樹脂材料の射出成形により一体成形されている。
【0072】
図1に示されるように、前壁101は、カバー70の開口97及び筐体14の開口22を介して、複合機10の外部に露出している。前壁101は、複合機10の前方から視認可能であり、ユーザはインク室111に貯留されたインクの残量を前壁101を介して複合機10の前方から確認可能である。
【0073】
図5及び図6に示されるように、前壁101は、立壁102(視認壁の一例)と傾斜壁106とで構成されている。立壁102は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁106は、立壁102の上端及び上壁104の前端を繋ぐ壁である。傾斜壁106は、上下方向7及び前後方向8に対して傾斜している。
【0074】
インクタンク100Mは、第1ライン146(マークの一例)及び第2ライン147を備えている。第1ライン146及び第2ライン147は、立壁102に形成されている。
【0075】
第1ライン146は、左右方向9に延びている。第1ライン146の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、貯留が許容される最大量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
【0076】
第2ライン147は、左右方向9に延びている。第2ライン147は、第1ライン146よりも下方に位置している。第2ライン147の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、上記最大量よりも少ない量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。本実施形態において、第2ライン147の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、インクの補充が必要となる最小量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
【0077】
インクタンク100Mは、大気連通孔113(大気連通口及び大気連通部の一例)を備えている。本実施形態において、大気連通孔113は、上壁104に形成されているが、上壁104以外の壁に形成されていてもよい。大気連通孔113は、インクタンク100Mの外部の大気とインク室111とを連通する孔である。なお、大気連通孔113とインク室111とは、図6に示されるように直接連通されていてもよいし、空気が通過する大気流路を介して連通されていてもよい。大気連通孔113または大気流路に、半透膜(不図示)が貼り付けられていてもよい。半透膜は、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する微小な孔を有する多孔質膜である。大気連通孔113とインク室111とが大気流路を介して連通されており、大気連通孔113または大気流路に半透膜が貼り付けられた構成の場合、大気連通孔113、大気流路、及び半透膜が大気連通部に相当し、大気連通孔113が大気連通口に相当する。
【0078】
図6に示されるように、インクタンク100Mは、インク室111に貯留されたインクが流出する流出口115を備えている。流出口115は、後壁110に形成された開口である。流出口115には、インクチューブ32が接続されている。図3に示されるように、インク室111に貯留されたインクは、流出口115及びインクチューブ32を介して記録ヘッド39に供給される。
【0079】
図5及び図6に示されるように、インクタンク100Mは、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ向けて斜めに突出した突出部120を備えている。突出部120は、筒部112よりも上方に形成されている。突出部120は、外部から力が作用することによって撓むことが可能である。突出部120は、その先端部に、前方且つ下方へ突出した突起120Aを備えている。突起120Aは、後述する液体ボトル80の突起86と係合可能である。
【0080】
図5に示されるように、インクタンク100Mは、傾斜壁106の外面106Aにリブ148を備える。リブ148は、筒部112よりも下方に形成されている。リブ148は、傾斜壁106の右端近傍から左端近傍に亘って概ね左右方向9へ延びている。詳細には、リブ148は、左右方向9の中央よりも右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜しており、且つ左右方向9の中央よりも左方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜している。
【0081】
リブ148が傾斜壁106の外面106Aに形成されていることによって、筒部112を通じてインク室111にインクが注入される際にインクが筒部112から漏れた場合であっても、漏れたインクが立壁102の外面、特に立壁102の外面における第1ライン146よりも下方に付着することが、リブ148によって阻害される。また、リブ148が傾斜していることによって、上方からリブ148に付着したインクは、リブ148に沿って左右方向9におけるインクタンク100の外方へ導かれる。これらにより、立壁102の外面にインクが付着する可能性を低くできるため、インクタンク100の外部から立壁102を通じてインク室111内のインクを視認することが、付着したインクによって阻害される可能性を低くできる。
【0082】
なお、リブ148は、図5に示されるような形状に限らない。例えば、リブ148は、左右方向9に沿って真っ直ぐ延びていてもよいし、左端から右端へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜していてもよいし、右端から左端へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜していてもよい。
【0083】
また、リブ148は、図5に示されるような位置に限らない。例えば、リブ148は、傾斜壁106ではなく、立壁102に形成されていてもよい。この場合、リブ148は、第1ライン146よりも上方に形成される。また、例えば、リブ148は、立壁102及び傾斜壁106の双方に亘って形成されていてもよい。
【0084】
[筒部112]
図5に示されるように、インクタンク100Mは、筒部112を備えている。筒部112は、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ向けて斜めに突出している。つまり、筒部112は、前後方向8(水平方向)及び上下方向7(鉛直方向)の成分を有する方向へ延びている。本実施形態では、筒部112は、水平方向に対して45度に傾斜した方向へ延びている。筒部112は、傾斜壁106における突出部120より下方の位置から突出している。筒部112は、液体ボトル80の供給口85に挿入される(図7参照)。これにより、液体ボトル80に貯留されたインクが、インク室111に注入される。
【0085】
筒部112は、円筒形状である。なお、筒部112は、筒形状であれば、円筒形状に限らず、例えば四角筒形状等の多角筒形状であってもよい。
【0086】
図6に示されるように、筒部112の先端の開口112Aは、インクタンク100Mの外部と連通している。筒部112の基端の開口112Bは、インク室111と連通している。
【0087】
図9に示されるように、筒部112は、その先端部に、2つの貫通孔112C、112Dを備えている。貫通孔112Cは、筒部112の上側(詳細には、筒部112の外面のうち上方向の成分を有する面)に形成されている。貫通孔112Dは、筒部112の下側(詳細には、筒部112の外面のうち下方向の成分を有する面)に形成されている。
【0088】
図6に示されるように、インク室111における開口112Bの周囲を囲むようにして、隔壁103が形成されている。隔壁103は、傾斜壁106の内面106Bから下方へ延びている。隔壁103の前部103Aは、隔壁103の後部103Bよりも下方まで延びている。
【0089】
図9に示されるように、筒部112は、その内部空間に、隔壁117と、バルブ118(第2バルブの一例)と、コイルバネ119(第2付勢部材の一例)と、シール123とを備えている。
【0090】
図6に示されるように、隔壁117は、筒部112の内部空間から、インク室111における隔壁103に囲まれた空間に亘って延びている。隔壁117は、筒部112の内部空間内を、筒部112の軸方向(換言すると、筒部112の突出方向)に沿って延びている。また、隔壁117は、インク室111における隔壁103に囲まれた空間内を、隔壁103の延設方向(換言すると、上下方向7)に沿って延びている。
【0091】
隔壁117は、筒部112の内部空間、及びインク室111における隔壁103に囲まれた空間を、2つの空間に区画している。2つの空間の一方は、第1流路121である。2つの空間の他方は、第2流路122である。
【0092】
第1流路121は、筒部112の内部空間のうち隔壁117より後方且つ上方の部分と、インク室111における隔壁103に囲まれた空間のうち隔壁117より後方の部分とで構成されている。つまり、第1流路121は、インク室111において、隔壁103の後部103Bと隔壁117とで囲まれた空間である。
【0093】
第2流路122は、筒部112の内部空間のうち隔壁117より前方且つ下方の部分と、インク室111における隔壁103に囲まれた空間のうち隔壁117より前方の部分とで構成されている。つまり、第2流路122は、インク室111において、隔壁103の前部103Aと隔壁117とで囲まれた空間である。
【0094】
第1流路121の一端121Aは、インク室111における隔壁103の後部103Bにおいて下方へ開口している。第2流路122の一端122Aは、インク室111における隔壁103の前部103Aにおいて下方へ開口している。つまり、第1流路121の一端121Aは、第2流路122の一端122Aより上方に位置している。第1流路121の一端121Aは、上下方向7において、第1ライン146と同位置である。第1流路121及び第2流路122は、大気連通孔113より下方に位置している。
【0095】
第1流路121及び第2流路122の他端は、筒部112の開口112Aにおいて、インクタンク100Mの外部と連通している。
【0096】
なお、第2流路122の一端122Aが第1流路121の一端121Aより下方に位置していることを条件として、第1流路121の一端121A以外の部分の少なくとも一部が、第2流路122の一端122Aより下方に位置していてもよい。
【0097】
また、大気連通部が大気連通孔113と大気流路で構成されている場合、大気連通孔113が第1流路121の一端121A及び第2流路122の一端122Aより上方に位置していることを条件として、大気流路の少なくとも一部が第1流路121の一端121A及び第2流路122の一端122Aより下方に位置していてもよい。
【0098】
図9に示されるように、バルブ118は、隔壁117より先端側に位置している。バルブ118は、突起118Aを備えている。バルブ118は、筒部112の内周面に密着しているが、2箇所において当該内周面との間に隙間118B、118C(図10参照)が形成されている。隙間118Bは、筒部112の内部空間のうち隔壁117より後方且つ上方の部分に形成されており、第1流路121と連通している。隙間118Cは、筒部112の内部空間のうち隔壁117より前方且つ下方の部分に形成されており、第2流路122と連通している。
【0099】
コイルバネ119の一端は、隔壁117に設けられたフランジ部117Aに当接している。コイルバネ119の他端は、バルブ118に当接している。シール123は、リング形状の部材であり、ゴムなどの弾性部材で構成されている。シール123は、貫通孔112C、112Dとバルブ118の間に位置している。シール123は、筒部112の内周面に密着している。
【0100】
バルブ118は、筒部112の軸方向に沿って図6及び図9に示される閉位置(第2閉位置の一例)と図7及び図10に示される開位置(第2開位置の一例)とに移動可能である。
【0101】
図9に示されるように、バルブ118が閉位置のとき、バルブ118はシール123と当接している。これにより、開口112A及び隙間118B、118Cは閉じており、筒部112の内部空間(第1流路121及び第2流路122)と筒部112の外部との間の連通は、バルブ118によって遮断されている。また、バルブ118が閉位置のとき、バルブ118の突起118Aは、開口112Aを貫通して筒部112の外部へ突出している。
【0102】
図10に示されるように、バルブ118が開位置のとき、バルブ118はシール123から離間している。これにより、開口112Aは開いており、筒部112の内部空間(第1流路121及び第2流路122)と筒部112の外部とは、隙間118B、118Cを介して連通している。
【0103】
コイルバネ119は、バルブ118をシール123へ向けて付勢している。したがって、外力が付与されていない状態(液体ボトル80がインクタンク100に接続されていない状態)において、バルブ118は常に閉位置にある(図9参照)。
【0104】
[液体ボトル80]
図8に示される液体ボトル80は、インクタンク100に接続されるものであり、概ね円筒形状である。液体ボトル80は、内部空間を有しており、当該内部空間にインクが貯留される容器である。
【0105】
液体ボトル80は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応して設けられており、対応したインクタンク100と同色のインクが貯留されている。つまり、インクタンク100Bに対応した液体ボトル80の内部空間には、ブラックインクが貯留されており、インクタンク100Yに対応した液体ボトル80の内部空間には、イエローインクが貯留されており、インクタンク100Cに対応した液体ボトル80の内部空間には、シアンインクが貯留されており、インクタンク100Mに対応した液体ボトル80の内部空間には、マゼンタインクが貯留されている。なお、本実施形態において、貯留されたインクの色にかかわらず、液体ボトル80は同構成であるが、貯留されているインクの色に応じて、液体ボトル80は異なる構成(例えば外観形状が異なる。)であってもよい。
【0106】
液体ボトル80は、外壁81によって構成されている。外壁81は、液体ボトル80の内部空間を区画している。外壁81は、本体部82と、テーパ部83と、先端部84とを備えている。
【0107】
本体部82は、円筒形状である。テーパ部83は、円錐台形状である。テーパ部83は、液体ボトル80の軸方向151(換言すると本体部82の長手方向、貫通方向の一例)の一端から軸方向151に沿って縮径しつつ延びている。つまり、テーパ部83は、液体ボトル80の先端(換言すると、先端部84及び後述する供給口85)へ向かうにしたがって、液体ボトル80の径方向152(換言すると軸方向151と交差する方向)において細くなっている。
【0108】
先端部84は、テーパ部83の一端(テーパ部83における本体部82と反対側の端)から軸方向151に沿って突出している。先端部84は、供給口85を備えている。供給口85は、液体ボトル80の内部空間の一部である。図6に示されるように、供給口85は、先端部84を軸方向151に貫通している。供給口85の一端(先端部84の基端側の端)は、テーパ部83の内部空間と連通している。供給口85の他端(先端部84の先端側の端)は、液体ボトル80の外部に開口しており、当該外部と連通している。つまり、液体ボトル80の内部空間は、供給口85を通じて外部と連通している。先端部84の外面に、突起86(係合部の一例)が形成されている。
【0109】
図6及び図9に示されるように、液体ボトル80は、その内部空間に、壁87(仕切壁の一例)と、バルブ88(第1バルブの一例)と、コイルバネ89(第1付勢部材の一例)と、シール90とを備えている。
【0110】
壁87は、本体部82及びテーパ部83の内部空間を、第1空間91と第2空間92とに区画する壁である。第1空間91は、径方向152において壁87に対して突起86と同じ側に位置する空間である。第2空間92は、径方向152において壁87に対して突起86の反対側に位置する空間である。
【0111】
壁87は、液体ボトル80の内部空間の所定位置P1から供給口85に対して遠ざかるように延びている。本実施形態において、所定位置P1は、液体ボトル80を軸方向151に沿って視た場合の液体ボトル80の中心であって、供給口85の近傍の位置である。また、本実施形態において、軸方向151において、所定位置P1における壁87とバルブ88との間には、隙間81B(連通孔の一例)が形成されている。隙間81Bにおいて、第1空間91及び第2空間92は連通している。
【0112】
壁87は、傾斜部87Aを備えている。壁87は、概ね軸方向151に沿って延びているが、傾斜部87Aにおいて所定位置P1から遠ざかるにしたがって第1空間91側へ位置するように、軸方向151に対して傾斜している。これにより、傾斜部87Aより所定位置P1側において、第1空間91及び第2空間92は概ね同じ容積であるが、傾斜部87Aより所定位置P1と反対側において、第2空間92の容積が第1空間91の容積より大きくなっている。
【0113】
壁87の一端は、所定位置P1である。壁87の他端は、外壁81のうち本体部82の底壁81Aと隙間81C(連通孔の一例)を空けた位置である。隙間81Cにおいて、第1空間91及び第2空間92は連通している。底壁81Aは、本体部82の円筒の底面を構成する壁である。
【0114】
なお、隙間81B、81Cの大きさや形状は、図6に示される大きさや形状に限らない。例えば、壁87は、図6に示されるものよりもバルブ88や底壁81Aの近くまで延びていてもよい。この場合、隙間81B、81Cの大きさは、図6に示されるものより小さくなる。また、壁87は、図6に示されるものよりもバルブ88や底壁81Aから離れた位置にまでしか延びていなくてもよい。この場合、隙間81B、81Cの大きさは、図6に示されるものより大きくなる。また、例えば、壁87は底壁81Aと連続していてもよい。この場合、隙間81Cは無くなる。
【0115】
また、本実施形態では、壁87の軸方向151における両端部に隙間81B、81Cが形成されているが、壁87は、隙間81B、81Cの代わりに、または、隙間81B、81Cに加えて、軸方向151における両端部以外に、第1空間91及び第2空間92を連通する連通孔を備えていてもよい。
【0116】
隙間81B、81Cや連通孔の大きさは、第1空間91または第2空間92の一方のみにインクが存在する場合に、隙間81B、81Cや連通孔におけるメニスカスが維持されない大きさであることが好ましい。
【0117】
図9に示されるように、バルブ88は、所定位置P1より供給口85側に位置している。コイルバネ89の一端は、壁87に設けられたフランジ部87Bに当接している。コイルバネ89の他端は、バルブ88に当接している。シール90は、リング形状の部材であり、ゴムなどの弾性部材で構成されている。シール90は、バルブ88よりも供給口85の他端側(先端部84の先端側)に位置している。シール90は、供給口85を区画する内周面に密着している。
【0118】
バルブ88は、軸方向151に沿って図6及び図9に示される閉位置(第1閉位置の一例)と図7及び図10に示される開位置(第1開位置の一例)とに移動可能である。
【0119】
バルブ88が閉位置のとき、バルブ88はシール90と当接している。これにより、供給口85の他端(供給口85における外部と連通する開口)は閉じており、液体ボトル80の内部空間(第1空間91及び第2空間92)と液体ボトル80の外部との間の連通は、バルブ88によって遮断されている。
【0120】
バルブ88が開位置のとき、バルブ88はシール90から離間している。これにより、供給口85の他端は開いており、液体ボトル80の内部空間(第1空間91及び第2空間92)と液体ボトル80の外部とは連通している。
【0121】
コイルバネ89は、バルブ88をシール90へ向けて付勢している。したがって、外力が付与されていない状態(液体ボトル80がインクタンク100に装着されていない状態)において、バルブ88は常に閉位置にある。
【0122】
[液体ボトル80及びインクタンク100の接続]
以下、液体ボトル80及びインクタンク100の接続が説明される。
【0123】
図6及び図9に示されるように、液体ボトル80がインクタンク100に接続されていない状態において、液体ボトル80のバルブ88は閉位置にあり、インクタンク100の筒部112のバルブ118も閉位置にある。
【0124】
液体ボトル80は、筒部112への接続に際して、供給口85と筒部112の開口112Aとが対向し且つ突起86とインクタンク100の突出部120とが対向する姿勢を維持しつつ、筒部112に近づけられる。供給口85と開口112Aとが対向しているため、液体ボトル80が筒部112に近づけられると、筒部112が供給口85へ挿入される。また、突起86と突出部120とが対向しているため、第1空間91は、壁87の後方且つ上方に位置し、第2空間92は、壁87の前方且つ下方に位置する。つまり、第1空間91の一部が第2空間92より上方に位置する。
【0125】
筒部112が供給口85へ挿入されると、筒部112の外周面がシール90の内周面と液密に密着する。これにより、液体ボトル80と筒部112との隙間からのインクの漏れが防止される。
【0126】
また、筒部112が供給口85へ挿入されると、バルブ118の突起118A及び筒部112の先端面が、バルブ88と当接して、これを押す。これにより、バルブ88は、コイルバネ89の付勢力に抗してシール90から離間し、閉位置から開位置へ移動する。図7及び図10に示されるように、開位置のバルブ88は、壁87の一端とコイルバネ89を介して当接する。
【0127】
また、バルブ118の突起118Aがバルブ88と当接する一方で、バルブ118の突起118Aはバルブ88から反力を受ける。これにより、バルブ118は、コイルバネ119の付勢力に抗してシール123から離間し、閉位置から開位置へ移動する。開位置のバルブ118は、隔壁117と当接する。
【0128】
また、筒部112が供給口85へ挿入されると、突起86が突出部120へ近づいて突起120Aと当接する。突起86と当接した突出部120は、突起86から反力を受けて撓む。更に、筒部112が供給口85へ挿入されることで、突起86が突起120Aよりも前壁101に近い状態となると、撓んでいた突出部120は元の状態へ弾性復帰する。これにより、図7及び図10に示されるように、突起86と突起120Aとは係合する。その結果、液体ボトル80は、インクタンク100にロックされる。つまり、本実施形態において、突起86及び突出部120は、それぞれ係合部及び被係合部として機能するとともに、液体ボトル80をインクタンク100にロックして、液体ボトル80がインクタンク100に接続した接続状態を保持する保持機構のロック部としても機能する。
【0129】
筒部112が供給口85へ挿入されて、バルブ88が開位置へ移動し、バルブ118が開位置へ移動し、突起86と突起120Aとが係合した状態(図7及び図10に示される状態)が、接続状態である。
【0130】
以下に、図7及び図10に示される接続状態における液体ボトル80及びインクタンク100の各部の状態が説明される。
【0131】
接続状態でないとき、第1空間91及び第2空間92は、隙間81C(図6参照)の他、バルブ88及び壁87の間の隙間81B(図9参照)においても連通していた。しかし、接続状態では、バルブ88が壁87の一端と当接していることにより(図10参照)、第1空間91及び第2空間92は、隙間81Cのみにおいて連通している。
【0132】
また、接続状態でないとき、第1流路121及び第2流路122は、バルブ118及び隔壁117の間の隙間において連通していた(図9参照)。しかし、接続状態では、バルブ118が隔壁117と当接していることにより、第1流路121及び第2流路122は、筒部112の内部空間において連通していない(図10参照)。
【0133】
図10に示されるように、所定位置P1は、径方向152において第1流路121及び第2流路122の間に位置している。第1空間91は、所定位置P1より第1流路121側を含んでいる。第2空間92は、所定位置P1より第2流路122側を含んでいる。これにより、第1空間91は、貫通孔112C及び隙間118Bを介して第1流路121と連通しており、第2空間92は、貫通孔112D及び隙間118Cを介して第2流路122と連通している。
【0134】
第1空間91は、壁87の後方且つ上方に位置し、第2空間92は、壁87の前方且つ下方に位置する。つまり、第1空間91の一部が第2空間92より上方に位置する。
【0135】
突起86及び突出部120は、液体ボトル80の上側(詳細には、液体ボトル80の外周面のうち上方の成分を有する面)をインクタンク100にロックしている。
【0136】
テーパ部83の外周面は、水平方向に対して傾斜している。詳細には、テーパ部83の外周面は、本体部82から先端部84へ向かうにしたがって(換言すると供給口85の他端へ向かうにしたがって)下方へ向かって傾斜している。
【0137】
以下、図7及び図10に示される接続状態における液体ボトル80からインクタンク100へのインクの供給が説明される。
【0138】
液体ボトル80がインクタンク100へ接続されて、第1空間91が第1流路121と連通し、第2空間92が第2流路122と連通した状態となると、液体ボトル80の内部空間に貯留されたインクが、第2空間92から貫通孔112D及び隙間118Cを介して第2流路122へ流通し、第2流路122の一端122Aからインク室111へ流通する。これにより、インク室111におけるインクの液面が上昇する。また、前記のインクの流通に際して、空気が大気連通孔113からインク室111に入り込み、第1流路121から隙間118B及び貫通孔112Cを介して第1空間91に入り込む。ここで、液体ボトル80からインクタンク100へ流通するインクの体積と、インクタンク100から液体ボトル80へ流通する空気の体積とは、ほぼ同じである。このようにして、いわゆる気液置換が行われる。
【0139】
インク室111においてインクの液面が上昇して第1流路121の一端121A(換言すると第1ライン146同じ高さ)に達すると、第1流路121とインク室111との間の空気の流通が遮断される。これにより、インク室111から液体ボトル80の内部空間への空気の流通が停止される。そのため、液体ボトル80の内部空間からインク室111へのインクの流通が停止される。
【0140】
インク室111に貯留されたインクが、インクチューブ32を介して記録部24へ供給されると、インクの液面が下降する。すると、第1流路121とインク室111との間の空気の流通が可能となる。そのため、液体ボトル80の内部空間からインク室111へ、インクが流通される。インクの流通は、インク室111内のインクの液面が再び第1流路121の一端121Aに達するまで行われる。このようにして、インク室111内のインクの液面が一定に維持される。
【0141】
なお、液体ボトル80が空となって、液体ボトル80の内部空間からインク室111へ供給されるインクがなくなると、インク室111に貯留されたインクがインクチューブ32を介して記録部24へ供給された場合であっても、液体ボトル80からインクタンク100へのインクの供給は行われず、単にインク室111に貯留されたインクが減少するだけであることは言うまでもない。
【0142】
[実施形態の作用効果]
インクタンク100のインク室111に貯留されたインクが消費されてインクの液面が第1流路121の下端(第1流路121の一端121A)よりも低くなると、空気が大気連通孔113からインクタンク100に入り込み、インクタンク100に入り込んだ空気が第1流路121を通じて液体ボトル80に入り込む。そして、液体ボトル80に入り込んだ空気の体積分のインクが液体ボトル80から第2流路122を通じてインクタンク100のインク室111へ供給される。インクの液面が第1流路121の下端に達すると、インクの供給は停止される。このとき、第1流路121を通じて液体ボトル80に入り込んだ空気が、第2流路122を通じてインクタンク100へ逆流するおそれがある。
【0143】
ここで、本実施形態によれば、液体ボトル80の内部空間が壁87によって第1空間91及び第2空間92に区画されている。また、接続状態において、第1空間91は第1流路121と連通されており、第2空間92は第2流路122と連通されている。そのため、液体ボトル80に入り込んだ空気は、壁87によって第1空間91へ導かれる。よって、液体ボトル80に入った空気が第2空間92へ導かれて第2流路122を通じてインクタンク100のインク室111へ逆流することが低減される。
【0144】
また、筒部112が本実施形態のように斜め上方へ延びている場合、第1流路121及び第2流路122の他端(筒部112の開口112A)は、液体ボトル80内において上方ではなく斜め上方へ開口される。これにより、インクタンク100のインク室111から第1流路121を通じて液体ボトル80に入り込んだ空気が、第2流路122を通じてインクタンク100のインク室111へ逆流する可能性が、第1流路121及び第2流路122の他端が液体ボトル80内において上方へ開口された構成よりも高まる。しかし、液体ボトル80は壁87を有しているため、当該逆流の可能性が高まることを抑制することができる。
【0145】
また、本実施形態によれば、隔壁117によって第1流路121及び第2流路122を1本の筒部112内に設けることができるため、インクタンク100の構造、及びインクタンク100と液体ボトル80との接続構造を単純化できる。
【0146】
また、本実施形態によれば、隙間81B、81Cを介して第1空間91及び第2空間92の間でインク及び空気を移動させることができる。
【0147】
また、隙間81B、81Cに形成されたメニスカスが維持される場合、隙間81B、81Cを介した第1空間91及び第2空間92の間におけるインク及び空気の移動が阻害される。本実施形態によれば、隙間81B、81Cに形成されたメニスカスが維持されないため、隙間81B、81Cを介した第1空間91及び第2空間92の間におけるインク及び空気の移動が阻害されない。
【0148】
また、通常、空気はインクよりも上方へ移動する。そのため、本実施形態によれば、第1流路121を通じて液体ボトル80に入り込んだ空気は第2空間92の上方に位置する第1空間91へ移動し易い。これにより、液体ボトル80に入った空気が第2空間92へ導かれて第2流路122を通じてインクタンク100のインク室111へ逆流することが低減される。
【0149】
また、本実施形態によれば、チキンフィード方式によって、インクが液体ボトル80から第2流路122を通じてインクタンク100へ供給される。そして、インクの液面が第1流路121の一端121Aと同じ高さとなると、インクの供給が禁止される。このとき、インクの液面は、第1ライン146と同じ高さになる。これにより、ユーザは、インクが適正に供給されたことを確認することができる。
【0150】
また、本実施形態によれば、ユーザが液体ボトル80を把持しなくても、突起86及び突出部120によって液体ボトル80をインクタンク100に接続された状態に維持することができる。
【0151】
また、本実施形態によれば、突起86及び突出部120によって液体ボトル80がインクタンク100に接続された状態にロックされるため、インクタンク100に接続された液体ボトル80が意図せずインクタンク100から外れることを防止できる。
【0152】
また、本実施形態によれば、液体ボトル80は斜めの状態でインクタンク100に接続される。この状態において、液体ボトル80には、インクタンク100との接続位置を中心として下向きへ回動する向きのモーメントが作用する。本実施形態では、突起86及び突出部120は液体ボトル80の上側をインクタンク100にロックするため、液体ボトル80の下側をインクタンク100にロックした構成よりも、前述したモーメントによって液体ボトル80が回動することを抑制し易い。
【0153】
また、本実施形態によれば、液体ボトル80がインクタンク100に接続されていない状態では、バルブ118が筒部112の開口を閉じているため、インクタンク100からのインクの漏れを防止でき、バルブ88が供給口85を閉じているため、液体ボトル80からのインクの漏れを防止できる。また、液体ボトル80がインクタンク100に接続された状態では、バルブ118が筒部112の開口を開き、バルブ88が供給口85を開くため、液体ボトル80からインクタンク100へインクを流通させ、インクタンク100から液体ボトル80へ空気を流通させることができる。
【0154】
また、本実施形態によれば、接続状態において、テーパ部83は、供給口85へ向かうにしたがって下方へ向かって傾斜した状態である。そのため、接続状態において、液体ボトル80の内部空間におけるテーパ部83付近に、インクが残留することを防止することできる。
【0155】
[変形例]
上記実施形態では、突起86及び突出部120は、液体ボトル80の上側をインクタンク100にロックしていたが、液体ボトル80がインクタンク100にロックされる位置は液体ボトル80の上側に限らない。例えば、突起86及び突出部120は、液体ボトル80の下側(詳細には、液体ボトル80の外周面のうち下方の成分を有する面)をインクタンク100にロックしてもよいし、液体ボトル80を周方向の全周に亘ってインクタンク100にロックしてもよい。これらの場合、突起86及び突出部120が設けられる位置や、突起86及び突出部120の形状などの構成は、上記実施形態とは異なるものとなることは言うまでもない。つまり、液体ボトル80をインクタンク100にロックするための構成は、突起86及び突出部120に限らず、公知の種々の構成が採用可能である。
【0156】
上記実施形態では、突起86及び突出部120が、液体ボトル80がインクタンク100に接続した接続状態を保持する保持機構として機能した。しかし、保持機構の構成は、突起86及び突出部120に限らない。例えば、図11に示されるように、インクタンク100は、傾斜壁106から突出した支持部124(保持機構の一例)を備えていてもよい。支持部124は、接続状態において、下方から液体ボトル80を支持する。
【0157】
なお、液体ボトル80をインクタンク100にロックする機構や、液体ボトル80をインクタンク100に接続した状態に保持する機構の有無は任意である。
【0158】
上記実施形態では、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mは、同構成の被係合部(突出部120)を備えていた。また、上記実施形態では、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応した各液体ボトル80は、同構成の係合部(突起86)を備えていた。しかし、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mは、異なる構成の被係合部を備えていてもよい。また、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応した各液体ボトル80は、異なる構成の係合部を備えていてもよい。
【0159】
例えば、図12に示されるように、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mは、筒部112の外周面の異なる位置にリブ125(被係合部の一例)を備えていてもよい。図12では、2つのリブ125がなす角度は、インクタンク100Mにおいて30度であり、インクタンク100Cにおいて45度であり、インクタンク100Yにおいて90度であり、インクタンク100Bにおいて135度である。もちろん、前記以外の角度でもよいし、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mが備えるリブの数や形状が異なっていてもよい。また、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応する各液体ボトル80は、対応するインクタンク100が備えるリブ125の形状に対応しており当該リブ125のみが挿入可能な切り欠き(不図示、係合部の一例)を備えていてもよい。
【0160】
この変形例によれば、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mの筒部112には、対応する液体ボトル80のみが接続可能となる。そのため、液体ボトル80が、当該液体ボトル80と対応していない誤ったインクタンク100と接続されることを防止できる。
【0161】
図13に示されるように、液体ボトル80は、サブ流路93(第1空間の一例)を備えていてもよい。サブ流路93は、外壁81及び液体ボトル80の内部空間78(第2空間の一例)に設けられた隔壁79(仕切壁の一例)によって区画されている。
【0162】
サブ流路93の一端は、供給口85と連通している。サブ流路93の他端は、テーパ部83によって区画される液体ボトル80の内部空間と連通している。サブ流路93は、接続状態において、斜め上方へ延びている。つまり、サブ流路93は、接続状態において、鉛直方向の成分を有している。
【0163】
図13(A)に示されるように、バルブ88は、閉位置のときに、サブ流路93の一端と供給口85との連通を遮断している。つまり、バルブ88が閉位置のとき、サブ流路93の一端と液体ボトル80の外部との連通は遮断されている。
【0164】
また、図13に示される構成において、バルブ88は、軸方向151に沿った貫通孔88Aを備えている。図13(A)に示されるように、バルブ88は、閉位置のときに、シール90と当接している。これにより、貫通孔88Aの一方側(液体ボトル80の先端側)の開口は、シール90によって閉塞されている。
【0165】
図13(B)に示されるように、バルブ88は、開位置のときに、サブ流路93の一端から外れた位置へ移動している。これにより、サブ流路93の一端と供給口85とが連通されている。つまり、バルブ88が開位置のとき、サブ流路93の一端と液体ボトル80の外部とは連通されている。すなわち、接続状態において、液体ボトル80の内部空間は、サブ流路93及び貫通孔112Cを介して第1流路121と連通している。
【0166】
また、バルブ88は、開位置のときに、シール90から離間している。これにより、第2空間92と供給口85とは、貫通孔88Aを介して連通されている。つまり、バルブ88が開位置のとき、液体ボトル80の内部空間は、貫通孔88Aを介して液体ボトル80の外部と連通されている。すなわち、接続状態において、液体ボトル80の内部空間は、貫通孔88A及び貫通孔112Dを介して第2流路122と連通している。
【0167】
この変形例によれば、液体ボトル80に入り込んだ空気は、サブ流路93を通じて内部空間へ導かれる。そのため、当該空気が第2流路122へ逆流する可能性を低くすることができる。
【0168】
また、通常、空気はインクよりも上方へ移動する。そのため、この変形例によれば、第1流路121を通じて液体ボトル80に入り込んだ空気はサブ流路93へ移動し易い。
【0169】
上記実施形態では、インクタンク100は1つの筒部112を備えていた。そして、筒部112の内部空間は、隔壁117によって第1流路121と第2流路122とに区画されていた。しかし、図14に示されるように、インクタンク100は2つの筒部131、132を備えていてもよい。筒部131は、第1筒部の一例である。筒部132は、第2筒部の一例である。
【0170】
図14に示される構成では、2つの筒部131、132のうち上方に位置する筒部131の内部空間は、第1流路121を構成しており、2つの筒部131、132のうち下方に位置する筒部132の内部空間は、第2流路122を構成している。
【0171】
また、図14に示される構成では、液体ボトル80は2つの先端部94、95を備えている。先端部94の供給口98(第1供給口の一例)に、筒部131が挿入される。先端部95の供給口99(第2供給口の一例)に、筒部132が挿入される。接続状態において、供給口98は、第1空間91と連通されており、供給口99は、第2空間92と連通されている。なお、図14では、壁87が先端部94と先端部95の間の外壁81Dと繋がっているが、壁87と外壁81Dと離間していてもよい。
【0172】
筒部131、132の内部構成は、隔壁117を備えていないことを除いて、上記実施形態と概ね同様であり、先端部94、95の内部構成は、上記実施形態と概ね同様である。つまり、筒部131、132のそれぞれが、バルブ118、コイルバネ119、及びシール123を備えている。また、先端部94、95のそれぞれが、バルブ88、コイルバネ89、及びシール90を備えている。
【0173】
この変形例によれば、第1流路121及び第2流路122の間隔を大きくすることができるため、第1流路121を通じて液体ボトル80に入った空気が第2流路122を通じてインクタンク100のインク室111へ逆流する可能性を低くすることができる。
【0174】
上記実施形態では、液体ボトル80及びインクタンク100の筒部112の双方が、図6などに示される構成のバルブによって開閉されていた。しかし、バルブの構成は、図6などに示されるものに限らない。例えば、液体ボトル80の供給口85に、ダックビル型のバルブが設けられていてもよい。
【0175】
上記実施形態では、液体ボトル80及びインクタンク100の筒部112の双方がバルブによって開閉されていた。しかし、液体ボトル80がバルブ及びコイルバネを備える一方で、筒部112はバルブ及びコイルバネを備えていなくてもよい。逆に、筒部112がバルブ及びコイルバネを備える一方で、液体ボトル80はバルブ及びコイルバネを備えていなくてもよい。また、液体ボトル80及び筒部112の双方がバルブ及びコイルバネを備えていなくてもよい。この場合、例えば、バルブ及びコイルバネを備えていない液体ボトル80及び筒部112には、インクの漏れを防止するための着脱可能な蓋が設けられており、液体ボトル80からインクタンク100へインクが注入されるときに、蓋が取り外される。
【0176】
上記実施形態では、壁87は、図6に示されるように所定位置P1から供給口85に対して遠ざかるように延びていた。しかし、接続状態において、第1空間91が第1流路121と連通され且つ第2空間92が第2流路122と連通されることを条件として、壁87の形状や延びる向きは、図6に示されるものに限らない。
【0177】
上記実施形態では、筒部112は、前後方向8(水平方向)及び上下方向7(鉛直方向)の成分を有する方向へ延びていた。具体的には、筒部112は、水平方向に対して45度に傾斜した方向へ延びていた。しかし、筒部112が延びる方向はこれに限らない。例えば、筒部112は、水平方向に対して60度に傾斜した方向へ延びていてもよいし、水平方向に延びていてもよいし、鉛直方向に延びていてもよい。
【0178】
上記実施形態では、図6に示されるように、第1流路121及び第2流路122は、インク室111において屈曲する屈曲部126を有しており、上部において前方斜め下方へ延び、下部において下方へ延びていた。しかし、第1流路121及び第2流路122の構成は、図6に示される構成に限らない。
【0179】
例えば、図15(A)に示されるように、第1流路121及び第2流路122は、屈曲部126の代わりに、インク室111において湾曲する湾曲部127を有していてもよい。
【0180】
また、例えば、図15(B)に示されるように、第1流路121及び第2流路122は、インク室111において複数の屈曲部126A、126Bを有していてもよい。なお、図15(B)において、屈曲部126は2つであるが、3つ以上であってもよいし、複数の屈曲部126の少なくとも一つが湾曲部127であってもよい。
【0181】
また、例えば、図16に示されるように、第1流路121及び第2流路122は、屈曲部126や湾曲部127を有しておらず、真っ直ぐに延びていてもよい。
【0182】
なお、屈曲部126や湾曲部127が曲がる向きは一例であって、図6及び図15に示される向きに限らない。
【0183】
液体ボトル80及びインクタンク100の形状は、図4及び図8に示された形状に限らない。例えば、液体ボトル80は、テーパ部83を備えていない円筒形状であってもよいし、四角柱形状であってもよい。また、インクタンク100は、傾斜壁106を備えていない直方体形状であってもよい。
【0184】
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。
【符号の説明】
【0185】
80・・・液体ボトル
81・・・外壁
87・・・壁(仕切壁)
91・・・第1空間
92・・・第2空間
100・・・インクタンク(タンク)
111・・・インク室(貯留室)
112・・・筒部
113・・・大気連通孔(大気連通口、大気連通部)
121・・・第1流路
122・・・第2流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16