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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】副室式内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02B 19/18 20060101AFI20220921BHJP
   F02B 19/12 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
F02B19/18 A
F02B19/18 B
F02B19/12 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021509553
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2020013488
(87)【国際公開番号】W WO2020196682
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】P 2019061129
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 捷
(72)【発明者】
【氏名】田中 大
(72)【発明者】
【氏名】城田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】井上 欣也
(72)【発明者】
【氏名】菅田 佳博
(72)【発明者】
【氏名】野中 一成
(72)【発明者】
【氏名】津田 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 遼太
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-77902(JP,A)
【文献】特開平8-284665(JP,A)
【文献】米国特許第5392744(US,A)
【文献】特開2015-183647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 19/18
F02B 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、シリンダヘッドと、ピストンと、で画定される主室と、
前記シリンダヘッドから前記主室に向かって突出し、前記主室と隔てられた副室と、
前記主室と前記副室を連通する連通路と、
を備え、
前記シリンダヘッドは、ペントルーフ形状を形成する2つの傾斜面を有し、
前記主室は、前記シリンダの軸方向に見て、前記副室の中心を通る線によって区分された一方側に前記主室に吸気を導入する吸気口と、他方側に前記主室から排気を排出する排気口と、を有し、
前記連通路は、前記シリンダの軸方向に見て、前記吸気口の中心と前記副室の中心とを結ぶ第1直線上に設けられた第1連通路を含む、副室式内燃機関。
【請求項2】
前記副室は、前記シリンダの軸方向に垂直な方向に見て、前記シリンダヘッドにおける前記副室が設けられた面との間の角度が鈍角となる外周面を有し、
前記第1連通路は、前記シリンダヘッドにおける前記副室が設けられた面との間で間隔を空けて設けられる
請求項1に記載の副室式内燃機関。
【請求項3】
前記連通路は、前記シリンダの軸方向に見て、前記副室の中心と前記排気口の中心線とを結ぶ第2直線上に設けられた第2連通路を含み、
前記シリンダの軸方向に見て、前記第1直線と前記第2直線とは一直線に連続する
請求項1または2に記載の副室式内燃機関。
【請求項4】
前記第2連通路の断面積は、前記第1連通路の断面積よりも大きい、
請求項3に記載の副室式内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、主室およびその主室に隣接する副室を備えた副室式内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主室(主燃焼室)およびその主室に隣接する副室(副燃焼室)を備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、日本国特開2004-204835号公報参照)。このような副室式内燃機関は、主室に噴射された燃料から混合気を形成する。形成された混合気は、連通路を介して副室内に供給され、副室内で点火プラグによって点火される。これにより、火炎が形成される。副室内で形成された火炎は、連通路を介して主室に噴射され、主室の混合気に着火する。このように、副室で形成された火炎を主室に噴射することが、主室の燃焼速度を高め、より希薄な空燃比での運転を可能とし、燃費を向上させる。
【0003】
また、日本国特開2004-204835号公報の副室式内燃機関は、副室と吸気ポートとを連通する掃気通路を別途有する。掃気通路は、副室内の掃気を促進させる。
【0004】
しかし、日本国特開2004-204835号公報の副室式内燃機関は、副室の掃気を促進させるためだけに掃気通路を別途有する。このため、副室式内燃機関の構成が複雑化してしまう。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、構成を複雑化することなく、副室の掃気を促進させた副室式内燃機関に関する。
【0006】
本開示の実施形態によれば、副室式内燃機関は、主室と、副室と、一つの連通路とを備える。主室は、シリンダと、シリンダヘッドと、ピストンとで画定される。副室は、シリンダヘッドから主室に向かって突出し、主室と隔てられる。連通路は、主室と副室とを連通する。主室は、シリンダの軸方向に見て、副室の中心を通る線によって区分された一方側に主室に吸気を導入する吸気口を有し、他方側に主室から排気を排出する排気口を有する。連通路は、シリンダの軸方向に見て、吸気口の中心と副室の中心とを結ぶ第1直線上に設けられた第1連通路を含む。
【0007】
副室式内燃機関は、典型的には、燃焼室内の吸気ポートおよび排気ポートそれぞれのバルブが同時に開くオーバーラップ期間を有し、このバルブオーバーラップ期間において両ポート間に強力な気流が発生する。この気流を掃気に活用することは、副室の掃気を有効に促進させる。この点、上記実施形態による副室式内燃機関の主室は、副室の中心を通る線によって区分される一方側に設けられた吸気口と、他方側に設けられた排気口とを有し、吸気口から排気口に向かって強力な気流が発生する。そして、吸気口の中心と副室の中心とを結ぶ直線上に第1連通路が設けられるによって、少なくとも吸気が副室内に導入されることが促進される。その結果、副室の掃気が促進される。このとき、掃気を促進させるためだけの構成なしに、連通路の工夫により掃気が促進される。これにより、副室式内燃機関としての構成が複雑化することも回避される。
【0008】
副室は、シリンダの軸方向に垂直な方向に見て、シリンダヘッドにおける副室が設けられた面との間の角度が鈍角となる外周面を有してもよい。そして、第1連通路は、シリンダヘッドにおける副室が設けられた面との間で間隔をあけて設けられてもよい。
【0009】
このような構成により、主室と副室との間に無用な気流の乱れが生じることを抑制しつつ、副室の外周面に沿う気流を第1連通路に向かわせる。
【0010】
連通路は、シリンダの軸方向に見て、副室の中心と排気口の中心とを結ぶ第2直線上に設けられた第2連通路を含んでもよい。そして、シリンダの軸方向に見て、第1直線と第2とは一直線に連続してもよい。
【0011】
これにより、第1連通路と第2連通路とが同一直線上に配置されることから、吸気口から排気口へ流れる気流がよりスムーズに流れるようになるため、効果的に副室の掃気を促進させる。
【0012】
第2連通路の断面積は、第1連通路の断面積より大きくてもよい。
【0013】
これにより、第1連通路から第2連通路へと向かう気流を円滑に流し、効果的に副室の掃気を促進させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一実施形態による副室式内燃機関の概略構成を示す副室近傍の要部断面図
図2図1の副室式内燃機関の要部を燃焼空間の延びる方向と交差する平面に投影させた平面図
図3図1の副室式内燃機関の副室近傍の要部断面図
図4図1の副室式内燃機関の副室の掃気の様子を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(1)全体構成
副室式内燃機関1は、図1に示すように、筒状に延びる燃焼空間100を有する主室10と、燃焼空間100に向けて筒状に延びる副室20と、複数の連通路と、副室20の内壁から突出する点火プラグ30と、を備えている。副室式内燃機関1は、吸気、圧縮、膨張および排気の各工程を繰り返す。
【0017】
主室10は、所定方向(同図の上下方向)に延びるシリンダ11、シリンダ11の一端(同図の上端)側を閉塞するシリンダヘッド13、および、シリンダ11内側をその延びる方向に沿って往復移動するピストン15を有し、主室10の燃焼空間100はシリンダ11と、シリンダヘッド13と、ピストン15とで画定される。この燃焼空間100は、主室10に吸気を導入する吸気ポート(吸気口)120、主室から排気を排出する排気ポート(排気口)140に接続している。吸気ポート120は吸気バルブ110によって開閉され、排気ポート140は排気バルブ130によって開閉され、これら吸気バルブ110および排気バルブ130は、図示されない吸気カムおよび排気カムにより駆動される。
【0018】
また、この副室式内燃機関1は、シリンダ11における吸気ポート120近傍において、燃焼空間100内に燃料を噴射する噴射弁150を備える。この噴射弁150は、燃料を噴霧して燃焼空間100内に混合気を形成する。
【0019】
副室20は隔壁21を有し、隔壁21によって主室10と隔てられている。隔壁21は、シリンダヘッド13から主室10の燃焼空間100に向けて突出し、筒状に延びている。本実施形態において、シリンダヘッド13は、ペントルーフ形状を形成する2つの傾斜面を有し、副室20は、シリンダヘッド13の2つの斜面の交線(稜線)を跨ぐ位置に設けられる。
【0020】
シリンダヘッド13の2つの傾斜面のうち一方の傾斜面は、吸気ポート120に向けて延び、他方の傾斜面は排気ポート140に向けて延びる。換言すれば、シリンダ11の軸方向(z方向)に見て、副室20の中心を通る線L1によって区分された主室10の一方側に吸気ポート120が設けられ、主室10の他方側に排気ポート140が設けられる。
【0021】
複数の連通路は、副室20の隔壁21を内外に貫通して副室20と主室10とを連通させる。具体的には、複数の連通路は1つ以上の吸気側連通路(第1連通路)23と、1つ以上の排気側連通路(第2連通路)25とを有する。吸気側連通路23は主室10から副室20への吸気を行い、排気側連通路25は副室20から主室10への掃気を行う。なお、本実施形態においては、吸気ポート120及び吸気側連通路23がそれぞれ複数(2つ)設けられており、排気ポート140及び排気側連通路25もそれぞれ複数(2つ)設けられている。
【0022】
図2に示すように、燃焼空間100の延びる方向と交差する平面視(同図x-y平面視)で、すなわち、シリンダ11の軸方向に見て、吸気側連通路23は、対応する吸気ポート120の中心と副室20の中心とをつなぐ直線L2上に設けられており、排気側連通路25は、対応する排気ポート140の中心と副室20の中心とをつなぐ直線L3上に設けられている。好ましくは、x-y平面視で、直線L2と直線L3とが一直線に連続し、吸気ポート120、吸気側連通路23、排気側連通路25、及び排気ポート140が一直線上に配置される。
【0023】
また、好ましくは、排気側連通路25の断面積は、吸気側連通路23の断面積よりも大きい。
【0024】
吸気側連通路23および排気側連通路25は、主室10の構造体(具体的にはシリンダヘッド13)に埋設されている隔壁21を構造体とともに内外に貫通して副室20と主室10とを連通させてもよいが、本実施形態では、主室10内に位置する隔壁21を内外に貫通している。
【0025】
副室20の隔壁21は、シリンダヘッド13において副室20が設けられている傾斜面に接続しており、傾斜面に接続する端部の外周面の少なくとも一部に鈍角領域27を有する。図3に示すように、燃焼空間100の延びる方向(同図z軸方向)およびこの方向と交差する方向(同図x軸方向)で規定される平面視で、すなわち、シリンダ11の軸方向に垂直な方向に見て、鈍角領域27と、シリンダヘッド13におけるとの間の角度θ1は、鈍角(90度超)である。そして、吸気側連通路23および排気側連通路25は、隔壁21が延びる方向に鈍角領域27よりも主室10内に位置する副室20の先端(同図における下端)部に設けられており、シリンダヘッド13の傾斜面との間で間隔をあけている。
【0026】
また、この鈍角領域27は、図2に示すように、吸気側連通路23毎に設けられ、各鈍角領域27は、燃焼空間100の延びる方向と交差する平面視(同図x-y平面)で、副室20の中心まわりの角度範囲であって吸気ポート120の中心と副室20の中心とをつなぐ直線L2それぞれを基準とする所定の角度範囲θ2(本実施形態では±45度からなる90度;同図の網掛け部)にわたって形成されている。
【0027】
点火プラグ30は、副室20の末端(図1における上端)部の内壁から突出している電極対を有し、この電極対を形成する電極31、33間への通電により副室20内の混合気に着火する。本実施形態において、点火プラグ30の電極31、33が、円筒状の副室20の軸線と重なるように設けられているが、電極31、33は、この軸線から離れていてもよい。
【0028】
副室20の容積は、主室10よりも小さく、点火プラグ30によって点火された混合気の火炎が、副室20内に素早く伝播する。副室20は、副室20で発生した火炎を、連通路を介して主室10に噴射する。主室10内に噴射された火炎は、主室10の混合気に着火して混合気を燃焼させる。こうして、主室10および副室20が一体的な燃焼室を形成する。
【0029】
(2)作用効果
副室式内燃機関は、典型的には、燃焼室内の吸気ポートおよび排気ポートそれぞれのバルブが同時に開くオーバーラップ期間を有し、このバルブオーバーラップ期間において両ポート間に強力な気流が発生する。この気流を掃気に活用することは、副室の掃気を有効に促進する。この点、上記副室式内燃機関1の主室10は、副室20の中心を通る線L1によって区分される一方側に吸気ポート120を有し、他方側に排気ポート140を有し、吸気ポート120から排気ポート140に向かって強力な気流が発生する。そして、吸気ポート120の中心と副室20の中心とを結ぶ直線L2上に吸気側連通路23が設けられている。これにより、効果的に副室20の掃気が促進される。
【0030】
具体的には、図4に示すように、吸気ポート120および排気ポート140それぞれのバルブが同時に開くオーバーラップ期間において両ポート間に発生する強力な気流により、混合気が、吸気ポート120からペントルーフ形状の斜面に沿って吸気側連通路23から副室20内へ導入される(同図矢印a参照)。この混合気の導入に伴い、副室20内に存在していた燃焼後の混合気(既燃ガス)が排気側連通路25から押し出されて掃気が促進される(同図矢印b参照)。
【0031】
こうして、掃気を促進させるためだけの構成なしに、連通路の工夫により掃気が促進される。これにより、副室式内燃機関としての構成が複雑化することも回避される。
【0032】
また、副室20の隔壁21は、外周面に鈍角領域27を有する。鈍角領域27は、主室10と副室20との間に無用な気流の乱れが生じることを抑制しつつ、この鈍角領域27の斜面に沿う気流を吸気側連通路23に向かわせる。
【0033】
また、排気側連通路25は、排気ポート140の中心と副室20の中心とを結ぶ直線L3上に設けられ、この直線L3と、吸気ポート120の中心と副室20の中心とを結ぶ直線L2とが一直線に連続する。すなわち、吸気ポート120、吸気側連通路23、排気側連通路25、及び排気ポート140が一直線上に配置される。これにより、吸気側連通路23及び排気側連通路25が、両ポート間の気流に沿って配置され、効果的に副室20の掃気を促進させる。
【0034】
また、排気側連通路25の断面積は、吸気側連通路23の断面積よりも大きく、このような排気側連通路25は、吸気側連通路23から排気側連通路25へと向かう気流を円滑に流し、効果的に副室20の掃気を促進させる。
【0035】
(3)他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた各構成は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0036】
例えば、上記実施形態においては、隔壁21の鈍角領域27は、主室10の内壁に向けて直線状に形成されてもよいし、主室10の内壁に接近するにつれて徐々に内壁と平行な角度となる曲線状に形成されてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、吸気側連通路23が、吸気ポート120の中心と副室20の中心とをつなぐ直線と重なり、排気側連通路25が、排気ポート140の中心と副室20の中心とをつなぐ直線と重なるが、吸気側連通路23は、吸気ポート120と副室20との間の領域に設けられていればよく、排気側連通路25は、排気ポート140と副室20との間の領域に設けられていればよく、上記直線から外れていてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、副室の形状はシリンダ軸方向に垂直な面による断面が円形となる形状(半球や円筒形状など)を例にしている。しかしながら、副室の形状はこれに限られない。断面が楕円や正多角形となる形状であってもよい。火炎伝播の観点からは、対称性のある形状が好ましいが、これに限られない。なお、本開示における「直径方向」「径方向」「接線」などの幾何学的表現は、断面が円形以外の場合であっても、当業者であれば適宜理解することができるであろう。つまり、副室の断面が円形以外になる実施態様であっても、当業者であれば本開示と同様の効果が奏されるように本開示の特徴を適宜適用できるであろう。
【0039】
また、上記実施形態では、副室に設けられた点火プラグで混合気が点火される火花点火内燃機関を例にしている。本開示の内燃機関では燃料としてガソリンが使用されるが、当然これに限定されず、アルコールなどの他の燃料であってもよい。また、本開示の特徴は、火花点火内燃機関に限られず、ディーゼルエンジンなどの圧縮着火内燃機関にも適用可能である。つまり、副室内に点火プラグ等の火花発生手段を設けることは必須ではなく、内燃機関の1燃焼サイクル(4ストロークエンジンであれば吸入、圧縮、燃焼、排気からなるサイクル)の中で最初の正常燃焼(予備燃焼)が副室内で生じるように設計された内燃機関であれば同様の作用効果が期待される。なお、圧縮着火内燃機関であっても、インジェクタから副室内に燃料を直接噴射させることや圧縮比を適宜設定することで、副室内で予備燃焼を発生させられることは従来周知である。また、圧縮着火内燃機関であっても、燃料は特に軽油に限定されず、ガソリンやアルコール等であってもよい。
【0040】
本開示の実施形態によれば、副室式内燃機関(1)は、
シリンダ(11)と、シリンダヘッド(13)と、ピストン(15)と、で画定される主室(10)と、
前記シリンダヘッド(13)から前記主室(10)に向かって突出し、前記主室(10)と隔てられた副室(20)と、
前記主室(10)と前記副室(20)を連通する一つの連通路と、
を備え、
前記主室(10)は、前記シリンダ(11)の軸方向に見て、前記副室(20)の中心を通る線(L1)によって区分された一方側に前記主室(10)に吸気を導入する吸気口(120)と、他方側に前記主室(10)から排気を排出する排気口(140)と、を有し、
前記連通路は、前記シリンダ(11)の軸方向に見て、前記吸気口(120)の中心と前記副室(20)の中心とを結ぶ第1直線(L2)上に設けられた第1連通路(23)を含む。
【0041】
前記副室(20)は、前記シリンダ(11)の軸方向に垂直な方向に見て、前記シリンダヘッド(13)における前記副室(20)が設けられた面との間の角度が鈍角となる外周面(27)を有してもよい。そして、前記第1連通路(23)は、前記シリンダヘッド(13)における前記副室(20)が設けられた面との間で間隔を空けて設けられてもよい。
【0042】
前記連通路は、前記シリンダ(11)の軸方向に見て、前記副室(20)の中心と前記排気口(140)の中心線とを結ぶ第2直線(L3)上に設けられた第2連通路(25)を含んでもよい。そして、前記シリンダ(11)の軸方向に見て、第1直線(L2)と第2直線(L3)とは一直線に連続してもよい。
【0043】
前記第2連通路(25)の断面積は、前記第1連通路(23)の断面積よりも大きくてもよい。
【0044】
本出願は、2019年3月27日出願の日本特許出願特願2019-061129に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…副室式内燃機関
10…主室
11…シリンダ
13…シリンダヘッド
15…ピストン
20…副室
21…隔壁
23…吸気側連通路(第1連通路)
25…排気側連通路(第2連通路)
27…鈍角領域
30…点火プラグ
31、33…電極
40…連通路
100…燃焼空間
110…吸気バルブ
120…吸気ポート
130…排気バルブ
140…排気ポート
150…噴射弁
図1
図2
図3
図4