(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】振動装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220921BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220921BHJP
B06B 1/06 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/041 600
G06F3/041 480
B06B1/06 Z
(21)【出願番号】P 2021514896
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2020015667
(87)【国際公開番号】W WO2020213477
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2019080107
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨永 亨
(72)【発明者】
【氏名】木原 尚志
(72)【発明者】
【氏名】加納 英和
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 潤
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-114816(JP,A)
【文献】国際公開第2019/013164(WO,A1)
【文献】特開2016-219804(JP,A)
【文献】特開2012-027860(JP,A)
【文献】特開2014-202618(JP,A)
【文献】特開2012-064108(JP,A)
【文献】特開2015-099499(JP,A)
【文献】特開2013-161384(JP,A)
【文献】特表2009-515351(JP,A)
【文献】特表2013-513865(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031513(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/186771(WO,A1)
【文献】特開2019-021144(JP,A)
【文献】特開2011-253439(JP,A)
【文献】特開2016-207128(JP,A)
【文献】特表2019-504384(JP,A)
【文献】国際公開第2019/049375(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/014942(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/143241(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/041
B06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面方向に振動する振動子を有する振動ユニットと、
平面視で長方形状を有し、前記振動ユニットが接続されるタッチパネルであって、前記振動ユニットはタッチパネルに対して法線方向に位置
し、タッチパネルは、前記振動ユニットの外側で接続部材を介してホルダに接続されており、前記ホルダには、前記タッチパネルと重なる部分において凹み部分が設けられている、タッチパネルと、
前記振動ユニットのうち平面視して前記振動子の周囲の少なくとも一部に配置された、法線方向の押圧操作を検知するセンサ
であって、前記ホルダのうち前記接続部材の接続箇所と前記凹み部分の外周縁との間に配置されているセンサと、を備え、
前記センサは、平面視で、前記タッチパネルの
2本の短辺の中央を繋ぐ直線上に位置する、
振動装置。
【請求項2】
前記センサは、圧電フィルムを備える、
請求項1に記載の振動装置。
【請求項3】
前記圧電フィルムは、圧電定数d33を有する、
請求項2に記載の振動装置。
【請求項4】
前記圧電フィルムは、PVDFである、
請求項2又は3のいずれかに記載の振動装置。
【請求項5】
前記振動ユニットは、第1主面および第2主面を有し、面方向に変形することにより前記振動子を振動させる振動用フィルムを、前記振動ユニットの前記第1主面側に備え、
前記センサは、前記振動ユニットの前記第1主面側に配置されている、
請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の振動装置。
【請求項6】
前記振動ユニットは、第1主面および第2主面を有し、面方向に変形することにより前記振動子を振動させる振動用フィルムを、前記振動ユニットの前記第1主面側に備え、
前記タッチパネルは、前記振動ユニットの前記第2主面側に配置され、タッチ操作を受け付け
る、
請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の振動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を生じさせる振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル等の入力機器において、利用者が押し込み操作を行った際に振動を伝えることで、利用者に押したことを実感させる触覚提示装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、フィルム12を用いて触覚フィードバックを利用者に与える触覚提示装置が提案されている。特許文献1において、フィルム12は、電圧を加えることにより面方向に変形する。フィルム12の伸縮により、フィルム12に接続された振動部14が面方向に振動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
触覚提示装置に押圧操作を検知する機能を持たせる場合、例えば法線方向の変形を検知するような押圧センサを付加する必要がある。この場合、センサは法線方向に力を受けるため、面方向に振動する振動子と重なると、振動子の動きを阻害するおそれがある。このため、押圧センサにより、振動部の振動を阻害しないようにする必要がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、振動を阻害することなく法線方向の変形を検知できる振動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の振動装置は、面方向に振動する振動子を有する振動ユニットと、前記振動ユニットのうち平面視して前記振動子の周囲の少なくとも一部に配置された、法線方向の押圧操作を検知するセンサと、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成では、振動子と、センサとが平面視して重ならない。このため、センサは法線方向に力を受けても、押し込まれた箇所は、振動している振動子が位置する箇所ではない。従って、センサは、振動を阻害することなく法線方向の変形を検知できる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、振動を阻害することなく法線方向の変形を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、振動装置100の構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、振動装置100の分解斜視図である。
【
図4】
図4(A)は振動装置100の平面図であり、
図4(B)は、
図4(A)に示すI-I線で切断した断面図である。
【
図6】
図6(A)~
図6(C)は、振動装置100の変形例を説明するための図である。
【
図7】
図7(A)および
図7(B)は、振動装置100の変形例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、変形例6に係る振動装置107の断面図である。
【
図9】
図9は、変形例7に係る振動装置108の断面図である。
【
図10】
図10は、変形例8に係る振動装置109の断面図である。
【
図11】
図11は、変形例9に係る振動装置110の断面図である。
【
図12】
図12は、変形例10に係る振動装置111の断面図である。
【
図13】
図13は、変形例10に係る振動装置111の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、第1実施形態に係る振動装置100の構成を示す概略図である。
図1は、振動装置100の一部を断面図で示す。
図2は、振動装置100の一例を示す、背面側から視た斜視図である。
図3は、背面側から視た振動装置100の分解斜視図である。
図4(A)は背面側から視た振動装置100の平面図であり、
図4(B)は、
図4(A)に示すI-I線で切断した断面図である。なお、
図4(B)は、振動装置100を筐体2に設置した状態を示している。
図4(A)においては、筐体2およびクッション材42は省略している。また、
図1以外の各図は、回路17および配線を省略して示している。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の振動装置100は、振動ユニット10、センサ13および回路17、タッチパネル71を備えている。回路17は、駆動回路170および検出回路171を備えている。振動ユニット10およびセンサ13については後から詳細に説明する。振動ユニット10は駆動回路170に接続され、センサ13は検出回路171に接続されている。タッチパネル71は、平板状であり、ユーザのタッチ操作を受け付ける。タッチパネル71は、振動ユニット10の第2主面19側に配置され、不図示の粘着剤等で接続されている。
【0013】
図4(B)に示すように、振動装置100は、電子機器等の筐体2に設置される。振動装置100は、筐体2にクッション材42を介して接続されている。クッション材42は、筐体2および振動ユニット10と比べて外力を受けた時に変形しやすい素材で形成されている。クッション材42は、筐体2側の変形を吸収する。このため、筐体2側の変形がセンサ13に伝わり難くなる。従って、クッション材42は、センサ13に対する不要な変形を抑制することができる。
【0014】
図2、
図3、および
図4(A)に示すように、振動ユニット10は、接続部材11、振動用フィルム12、振動部14、支持部15、および枠状部材16を有する。振動ユニット10は、第1主面18および第2主面19を有している。本実施形態において、振動部14および振動用フィルム12は、振動子121を構成する。
【0015】
枠状部材16は、平面視した形状が長方形状である。枠状部材16は、長方形状の開口20を有する。枠状部材16は、2つの第1開口21と、2つの第2開口22を有する。第1開口21は、枠状部材16の長手方向であるY方向の両端側に配置されている。第2開口22は、枠状部材16の短手方向であるX方向の両端側に配置されている。この例では、開口20は、2つの第2開口22を含む。第1開口21は、略長方形状であり、X方向に沿って長い形状となっている。第2開口22は、Y方向に沿って長い略長方形状の開口である。また、第2開口22のY方向の両端は、枠状部材16の中心軸(図中のI-I線)に向かってさらに長方形状に延長されている。
【0016】
振動部14は、平面視して長方形状であり、開口20の内側に配置されている。振動部14の面積は、開口20すなわち第2開口22によって囲まれる面積より小さくなっている。
【0017】
支持部15は、振動部14と枠状部材16とを接続する。支持部15は、振動部14を枠状部材16に支持する。この例では、支持部15は、X方向に沿って長い長方形状であり、振動部14のY方向の両端部で、該振動部14を保持する。支持部15は、振動用フィルム12が伸縮するY方向に直交するX方向の長さが、Y方向に沿った長さよりも長い。
【0018】
枠状部材16、振動部14、および支持部15は、同一部材(例えば、アクリル樹脂、PET、ポリカーボネイト、ガラスエポキシ、FRP、金属、又はガラス等)で形成されている。金属としては、例えばSUS(ステインレス鋼材)が挙げられ、必要に応じてポリイミド等の樹脂でコーティングすることにより、絶縁を施したものであってもよい。
【0019】
枠状部材16、振動部14、および支持部15は、1枚の長方形状の板部材を、第1開口21および第2開口22の形状に沿って打抜き加工することで形成される。枠状部材16、振動部14、および支持部15は、それぞれ別の部材であってもよいが、同一部材で形成されることで、容易に製造することができる。又は、同一部材で形成されることで、振動部14の支持にゴム等の別の部材(クリープ劣化のある部材)を用いる必要がなく、長期間安定して振動部14を保持することができる。
【0020】
図3および
図4(B)に示すように、振動用フィルム12は、振動ユニット10の第1主面18側に接続される。詳細に説明すると、振動用フィルム12は、接続部材11を介して、枠状部材16および振動部14に接続される。振動用フィルム12の長手方向の第1端は、枠状部材16のY方向の第1端に接続される。振動用フィルム12の第2端は、振動部14のY方向の第2端に接続される。接続部材11は、絶縁性で接着性のある素材が使用される。振動用フィルム12は、例えば熱溶着により、接続部材11を介して枠状部材16に接続される。
【0021】
接続部材11は、平面視して枠状部材16の短手方向に沿って長い長方形状である。接続部材11は、ある程度の厚みがあり、振動用フィルム12を振動部14に接触させないように、ある程度離れた位置で、振動用フィルム12と振動部14とを接続させる。これにより、振動用フィルム12の両主面に設けられた不図示の電極が振動部14に接触しないため、振動用フィルム12が伸縮して振動部14が振動したとしても、電極が削られることがない。
【0022】
振動用フィルム12は、電圧を加えると面方向に変形することにより振動するフィルムの一例である。振動用フィルム12は、平面視して枠状部材16の長手方向に沿って長い長方形状である。振動用フィルム12は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる。他にも、振動用フィルム12は、キラル高分子からなる態様であってもよい。キラル高分子は、例えば、L型ポリ乳酸(PLLA)又はD型ポリ乳酸(PDLA)等を用いる。
【0023】
振動用フィルム12にPVDFを用いた場合、PVDFは耐水性があるため、この例における振動部材を備えた電子機器をどのような湿度環境下においても同じような振動をさせることができる。
【0024】
また、振動用フィルム12にPLLAを用いた場合、PLLAは透過性の高い材料であるため、PLLAに付加する電極および振動部14が透明な材料であれば、機器の内部状況を視認出来るため、製造し易くなる。また、PLLAは、焦電性が無いため、どのような温度環境下においても同じような振動をさせることができる。振動用フィルム12は、仮にPLLAで構成される場合、延伸方向に対して各外周辺が略45°となるように裁断することで、圧電性を持たせる。
【0025】
駆動回路170は、振動用フィルム12に電圧を印加して、振動用フィルム12を伸縮させる。振動用フィルム12は、電圧を印加すると面方向に変形する。具体的には、振動用フィルム12は、電圧を印加するとY方向に伸縮する。振動用フィルム12が長手方向に伸縮することにより、振動部14は、Y方向に振動する。すなわち、振動子121は、Y方向に振動する。これにより、振動用フィルム12で生じた振動が振動部14を介してユーザに伝達される。
【0026】
振動装置100は、4つのセンサ13を備えている。センサ13は、振動ユニット10の法線方向であるZ方向の押圧操作を検知するセンサである。センサ13は、振動ユニット10の第1主面18側に接続される。センサ13は、振動ユニット10のうち平面視して振動子121の周囲に配置されている。すなわち、4つのセンサ13は、枠状部材16に配置されている。
【0027】
4つのセンサ13のうちの2つは、枠状部材16の長手方向であるY方向の両端に配置されている。すなわち、2つのセンサ13は、第1開口21より枠状部材16の端部側に配置されている。2つのセンサ13は、略長方形状であり、X方向に沿って長い形状となっている。4つのセンサ13のうちの他の2つは、枠状部材16の短手方向であるX方向の両端に配置されている。すなわち、他の2つのセンサ13は、第2開口22より枠状部材16の端部側に配置されている。他の2つのセンサ13は、略長方形状であり、Y方向に沿って長い形状となっている。このように、振動子121と、4つのセンサ13とは、X-Y平面において平面視して重ならない。
【0028】
図5は、センサ13の構造を詳細に示す断面図である。
図5に示すように、センサ13は、圧電フィルム51を備える。圧電フィルム51は、両主面に第1電極131および第2電極132が形成されている。第1電極131および第2電極132は、圧電フィルム51に例えば蒸着法で形成される。
【0029】
4つのセンサ13の第1電極131および第2電極132は、それぞれ検出回路171に接続されている。各センサ13および検出回路171により、押圧検出部が構成されている。
【0030】
圧電フィルム51は、圧電定数d33の大きい圧電材料で構成する。例えば、圧電フィルム51は、PVDFである。この場合、圧電フィルム51は、第1電極131および第2電極132に直行するZ方向の伸縮によって分極する。ユーザが振動装置100にZ方向の押圧操作を行ったとき、圧電フィルム51は、Z方向に伸縮する。検出回路171は、第1電極131および第2電極132を介して、圧電フィルム51で生じた第1電極131および第2電極132間の電位差を入力する。これにより、検出回路171は、押圧操作を検出する。
【0031】
なお、センサ13は、PVDF等の圧電定数d33である圧電フィルム51を用いる構成には限られない。センサ13は、例えば抵抗変化式の感圧センサを用いてもよい。
【0032】
ユーザが、タッチパネル71に押圧操作を加えると、タッチパネル71に接続されたセンサ13にZ方向に沿った力が加えられる。振動子121は、4つのセンサ13と、互いに平面視して重ならない位置にある。タッチパネル71が押圧操作を受け付けた場合、振動子121が位置する箇所には押圧操作の力は伝わらない。すなわち、ユーザが、タッチパネル71をZ方向に押し込んでも、中央にある振動子121にはZ方向に押し込まれることはない。このため、振動子121は、ユーザの押圧操作によって影響をうけることなく振動することができる。従って、センサ13は、振動子121の振動を阻害することなくZ方向の変形を検知できる。
【0033】
図6(A)~
図6(C)は、振動装置100の変形例1~3を説明するための図であり、変形例1~3に係る振動装置101~103の平面図である。変形例1~3の説明においては、上記実施形態と異なる個所についてのみ説明し、後は省略する。
【0034】
図6(A)に示すように、変形例1に係る振動装置101は、振動子121の周囲を取り囲むような環状のセンサ61を備える。すなわち、振動子121を中心として周囲のいずれの方向においてもセンサ61が存在する。このように広い範囲に、センサ61が存在するため、ユーザが振動子121を中心として周囲のいずれの方向の個所をZ方向に押し込んでも、振動装置101は、押圧操作を検出することができる。また、ユーザが振動装置101における複数の個所を同時に押した場合、検出される電圧値を加算することにより、より大きな出力が得られる。
【0035】
図6(B)に示すように、変形例2に係る振動装置102は、2つのセンサ13を備える。2つのセンサ13は、Y方向に沿って長い形状となっている。2つのセンサ13は、枠状部材16の短手方向であるX方向の両端にのみ配置されている。従って、ユーザが振動装置102のX方向の両端側を押し込んだ場合にのみ、振動装置102は押圧操作を検出することができる。
【0036】
図6(C)に示すように、変形例3に係る振動装置103は、2つのセンサ13を備える。2つのセンサ13は、X方向に沿って長い形状となっている。2つのセンサ13は、枠状部材16の長手方向であるY方向の両端にのみ配置されている。従って、ユーザが振動装置103のY方向の両端側を押し込んだ場合にのみ、振動装置103は押圧操作を検出することができる。
【0037】
図7(A)および
図7(B)は、振動装置100の変形例4、5を説明するための図であり、変形例4、5に係る振動装置104、105の平面図である。変形例4の説明においては、上記実施形態と異なる個所についてのみ説明し、後は省略する。変形例5の説明においては、変形例4と異なる個所についてのみ説明し、後は省略する。
【0038】
図7(A)に示すように、変形例4に係る振動装置104において、タッチパネル71は、振動ユニット10の第2主面19側に配置されている。センサ13は、振動ユニット10の第2主面19側に接続されている。タッチパネル71は、センサ13および接続部材11を介して、振動ユニット10の枠状部材16に接続されている。振動子121は、振動ユニット10の第1主面18側に接続されている。このような構成の場合、後からセンサ13およびタッチパネル71を枠状部材16に配置しやすい。
【0039】
なお、タッチパネル71は、回路17の検出回路171に接続されていてもよい。タッチパネル71および検出回路171により、タッチ検出部が構成される。タッチパネル71は、例えばキー配列に対応した位置に設けられ、検出回路171によりユーザのタッチ操作を検出する。なお、タッチ検出部としては、ユーザのタッチ操作を検出する機能であればどの様な方式であってもよく、メンブレン式、静電容量式、又は圧電フィルム式等の様々な方式を用いることができる。
【0040】
ユーザがタッチパネル71をタッチすると、検出回路171は、ユーザのタッチ操作を検出する。例えば、駆動回路170は、検出回路171がタッチ操作を検出すると、振動用フィルム12に駆動信号を印加して、振動部14を振動させる。これにより、ユーザは、タッチパネル71を押したときに振動部14が振動するため、振動がタッチパネル71に伝わって、ユーザにキーを「押した」と感じさせることができる。
【0041】
図7(B)に示すように、変形例5に係る振動装置105において、センサ13が振動ユニット10の第1主面18側に配置されていること以外は変形例4に係る振動装置104と同様である。センサ13は振動用フィルム12と同一の第1主面18側に配置されているため、振動装置104と比べて嵩張りが少ない。従って、振動装置105は、振動装置104と比べて薄型に形成することができる。
【0042】
なお、センサ13は、本実施形態において4か所に配置され、変形例2、3において2か所に配置される例を挙げたが、これには限定されない。センサ13は、1か所のみ、又は3か所に配置されてもよい。また、センサ13は、同一の角を挟むように2か所に配置されてもよい。その他、センサ13は、枠状部材16の同一の辺に複数設けられていてもよい。
【0043】
また、センサ13は、単層でも良いし、積層しても良い。特に積層する枚数を増やすことによって、各センサ13からの出力を加算できるため、より大きな出力を得ることができる。
【0044】
次に、
図8は、変形例6に係る振動装置107の断面図である。振動装置107において、センサ130は、枠状部材16の第1主面18側に配置されている。タッチパネル71は、枠状部材16の第2主面19に粘着剤で接続されている。タッチパネル71は、枠状部材16のさらに外側でホルダ90に粘着剤で接続されている。ホルダ90は、タッチパネル71を筐体2に接続するための部材である。ホルダ90は、中央に開口を有する板状の部材である。開口の面積は、タッチパネル71よりもわずかに小さい。タッチパネル71は、辺縁においてホルダ90の内周縁部に乗せられ、粘着剤で接続される。
【0045】
ホルダ90は、外周縁部において筐体2に接続される。筐体2とホルダ90の間には、クッション材42が配置される。筐体2とホルダ90は、ネジ95で強固に接続される。
【0046】
また、ホルダ90は、Z軸方向に沿って突出する凸部を有する。凸部は、平面視してタッチパネル71よりも外周に配置されている。凸部の高さは、タッチパネル71の上面とほぼ同じかわずかに高い。
【0047】
ユーザが、タッチパネル71に押圧操作を加えると、タッチパネル71が撓む。タッチパネル71が撓むと、振動ユニット10も撓み、枠状部材16も撓む。第1主面18に接続されたセンサ130も撓む。
【0048】
センサ130は、
図5に示した構造と同じ構造を有する。ただし、圧電フィルム51は、圧電定数d31の大きいPVDF、またはポリ乳酸で構成する。つまり、変形例6のセンサ130は、曲げ変形を検知する。なお、圧電フィルム51がポリ乳酸である場合、一軸延伸方向をX方向およびY方向に対して45度の角度を成す方向に配置する。
【0049】
変形例6の振動装置107は、曲げ変形を検知することによりタッチパネル71への押圧操作を検知できる。したがって、センサ130の下面側に筐体2等の剛体物を配置する必要がない。これにより、振動装置の厚みを薄くすることができる。
【0050】
次に、
図9は、変形例7に係る振動装置108の断面図である。
図8と同じ構成については同じ符号を付す。振動装置108では、センサ130がホルダ90の下面に配置されている。センサ130は、平面視してホルダ90のうち凸部と内周縁の間に配置されている。
【0051】
タッチパネル71は、ホルダ90の内周縁部で接続されている。したがって、ユーザが、タッチパネル71に押圧操作を加えると、ホルダ90のうちタッチパネル71に接続されている位置に押圧力が加わる。これにより、ホルダ90の内周縁側が撓み、ホルダ90に曲げ変形が生じる。よって、センサ130は、タッチパネル71に対する押圧操作を検知する。
【0052】
変形例7の振動装置108は、振動ユニット10にセンサ130が配置されていない。したがって、センサ130は、振動ユニット10の振動が伝わり難い。よって、振動装置108は、センサ130の誤検知を防止することができる。
【0053】
次に、
図10は、変形例8に係る振動装置109の断面図である。
図9と同じ構成については同じ符号を付す。振動装置109では、タッチパネル71は、枠状部材16のさらに外側で接続部材97を介してホルダ91に接続されている。ホルダ91は、ホルダ90に比べて、中央部の開口を有していない点と、中央部がZ軸方向に向かって凹んでいる点で相違する。
【0054】
ユーザが、タッチパネル71に押圧操作を加えると、接続部材97を介して、ホルダ91のうちタッチパネル71に接続されている箇所に押圧力が加わる。これにより、ホルダ91の凹み部分が撓み、曲げ変形が生じる。そして、センサ130は、平面視してホルダ91のうち接続部材97の接続箇所と凹み部分の外周縁との間に配置されている。すなわち、センサ130は、タッチパネル71が撓んだ時にホルダ91が撓む部分に配置されている。したがって、センサ130は、タッチパネル71に対する押圧操作を検知する。
【0055】
図11は、変形例9に係る振動装置110の断面図である。この例では、センサ130は、タッチパネル71に接続されている。タッチパネル71は、不図示の筐体2に固定されている。センサ130は、タッチパネル71の撓みに応じた出力をする。したがって、センサ130は、タッチパネル71に対する押圧操作を検知する。
【0056】
変形例9の振動装置110は、センサ130をタッチパネル71に直接貼り付けることにより、振動ユニット10にセンサ130を貼り付けるよりも薄型にすることができる。
【0057】
図12は、変形例10に係る振動装置111の断面図である。この例では、センサ130は、タッチパネル71に全面に接続されている。振動ユニット10は、センサ130の下面に接続されている。この場合、センサ130の感度を高くすることができる。
【0058】
また、タッチパネル71は、静電容量センサを備えている。そこで、センサ130は、タッチパネル71の中に積層することも可能である。
【0059】
なお、タッチパネル71は、さらに表示器に積層されていてもよい。したがって、センサ130は、静電容量センサおよび表示器に積層されていてもよい。センサ130は、表示器の下面側に積層されていてもよいし、圧電フィルム51にポリ乳酸等の透明性の高い材料を用いる場合、表示器の上面側に配置されていてもよい。
【0060】
また、
図13に示す様に、センサ130は、平面視して振動ユニット10とタッチパネル71との接続箇所よりも内側に配置されていてもよい。この場合、振動装置111は、センサ130の厚みの分だけ薄くなる。
【0061】
最後に、本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
2…筐体
10…振動ユニット
11…接続部材
12…振動用フィルム
13,61,130…センサ
14…振動部
15…支持部
16…枠状部材
17…回路
18…第1主面
19…第2主面
20…開口
21…第1開口
22…第2開口
42…クッション材
51…圧電フィルム
71…タッチパネル
90,91…ホルダ
91…ホルダ
95…ネジ
97…接続部材
100,101,102,103,104,105,107,108,109,110,111…振動装置
121…振動子
131…第1電極
132…第2電極
170…駆動回路
171…検出回路