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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/40 20190101AFI20220921BHJP
【FI】
G07D11/40
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018178879
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020052528
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘章
(72)【発明者】
【氏名】大場 正志
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-108856(JP,A)
【文献】特開平07-267513(JP,A)
【文献】特開2001-155220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00-13/00
G07F 19/00
G06Q 40/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を計数する媒体計数本体部と、
媒体計数本体部に直列に接続される媒体搬送路を有して増設可能に設けられ、媒体計数本体部から搬送されてきた媒体を処理する1つまたは複数の媒体処理ユニットと、
を備える媒体処理装置であって、
媒体計数本体部は、媒体処理ユニットに向けて電源を供給する少なくとも2系統の電源供給ラインと、媒体処理ユニットに向けて制御信号を出力するI/F出力部とを有し、
媒体処理ユニットは、
少なくとも2系統の電源供給ラインから電源が入力される電源入力部と、
電源入力部に接続される少なくとも2系統の内部の電源供給ラインと、
少なくとも2系統の内部の電源供給ラインに接続されて、媒体搬送方向下流側に配置される媒体処理ユニットへ向けて少なくとも2系統の電源供給ラインで電源を出力可能な電源出力部と、
媒体計数本体部からの制御信号に基づいて、少なくとも2系統の内部の電源供給ラインのうちの1系統の内部の電源供給ラインをスイッチ手段によりオン及びオフする電源制御部とを有することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
媒体処理ユニットが、媒体計数本体部に複数接続されており、
一の媒体処理ユニットのスイッチ手段を有する1系統の内部の電源供給ラインが、媒体搬送方向下流側に隣り合う他の媒体処理ユニットのスイッチ手段のない1系統の内部の電源供給ラインとで同じ1系統の第1電源供給ラインを構成し、一の媒体処理ユニットのスイッチ手段のない1系統の内部の電源供給ラインが、媒体搬送方向下流側に隣り合う他の媒体処理ユニットのスイッチ手段を有する1系統の内部の電源供給ラインとで同じ1系統の第2電源供給ラインを構成することを特徴とする請求項記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記第1電源供給ラインの全てのスイッチ手段をオンした後、第2電源供給ラインのスイッチ手段をオンすることを特徴とする請求項記載の媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、媒体である紙葉類を処理して収納する紙葉類収納装置の外部に一機能を担う貨幣処理ユニットを1台または複数台自由に増設許容できるユニット増設構造を備え、用途に応じて貨幣処理ユニットを装備可能な紙葉類収納装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される紙葉類収納装置は、装置本体の内部搬送路に紙葉類収納部を備えた外部搬送路を接続許容して設け、装置本体の外部に金種に応じた複数の紙葉類収納部(貨幣処理ユニット)を増設可能に構成されている。これにより、紙葉類の利用種類数の変更に拘らず、その同数の紙葉類収納部を増減調整して容易に対応させることができ、利用目的に適した装置形態で運用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-267513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、貨幣処理装置本体の外部に複数台のユニットを連結させる場合には、増設されるユニットに搭載される駆動部品や駆動部品の制御基板およびセンサなどの電気部品など、貨幣処理ユニットの動作に必要となる電力を貨幣処理装置本体側から貨幣処理ユニット側に供給する必要がある。複数の貨幣処理ユニットを増設可能とする場合、最大に増設された場合でも適正な電源供給を行う必要があり、増設数が最大よりも少ない場合にはオーパースペックとなる部品が生じ、コスト増になってしまう。
【0005】
従って、本発明は、コスト増を抑制することが可能な媒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、媒体を計数する媒体計数本体部と、媒体計数本体部に直列に接続される媒体搬送路を有して増設可能に設けられ、媒体計数本体部から搬送されてきた媒体を処理する1つまたは複数の媒体処理ユニットと、を備える媒体処理装置であって、媒体計数本体部は、媒体処理ユニットに向けて電源を供給する少なくとも2系統の電源供給ラインと、媒体処理ユニットに向けて制御信号を出力するI/F出力部とを有することを特徴とする。
【0007】
上記第1の態様によれば、媒体処理ユニットは、媒体計数本体部から少なくとも2系統の電源供給ラインで電源が供給されることになり、これら少なくとも2系統の電源供給ラインで供給される電源が、媒体計数本体部のI/F出力部から出力された制御信号で制御されることになる。よって、電源供給ラインの1系統当たりの最大定格電流を抑えることが可能となる。したがって、コスト増を抑制することが可能となる。
【0008】
本発明に係る第の態様は、媒体処理ユニットは、少なくとも2系統の電源供給ラインから電源が入力される電源入力部と、電源入力部に接続される少なくとも2系統の内部の電源供給ラインと、少なくとも2系統の内部の電源供給ラインに接続されて、媒体搬送方向下流側に配置される媒体処理ユニットへ向けて少なくとも2系統の電源供給ラインで電源を出力可能な電源出力部と、媒体計数本体部からの制御信号に基づいて、少なくとも2系統の内部の電源供給ラインのうちの1系統の内部の電源供給ラインをスイッチ手段によりオン及びオフする電源制御部とを有することを特徴とする。
【0009】
上記第の態様によれば、媒体処理ユニットは、その電源制御部が、媒体計数本体部からの制御信号に基づいて、少なくとも2系統の内部の電源供給ラインのうちの1系統の内部の電源供給ラインをスイッチ手段によりオン及びオフするため、媒体計数本体部からの通信制御により電源の起動タイミングをずらせる構成となる。これにより、電源投入時の突入電流を抑制することが可能となる。
【0010】
本発明に係る第の態様は、上記第の態様において、媒体処理ユニットが、媒体計数本体部に複数接続されており、一の媒体処理ユニットのスイッチ手段を有する1系統の内部の電源供給ラインが、媒体搬送方向下流側に隣り合う他の媒体処理ユニットのスイッチ手段のない1系統の内部の電源供給ラインとで同じ1系統の第1電源供給ラインを構成し、一の媒体処理ユニットのスイッチ手段のない1系統の内部の電源供給ラインが、媒体搬送方向下流側に隣り合う他の媒体処理ユニットのスイッチ手段を有する1系統の内部の電源供給ラインとで同じ1系統の第2電源供給ラインを構成することを特徴とする。
【0011】
上記第の態様によれば、一の媒体処理ユニットのスイッチ手段を有する1系統の内部の電源供給ラインが、媒体搬送方向下流側に隣り合う他の媒体処理ユニットのスイッチ手段のない1系統の内部の電源供給ラインとで同じ1系統の第1電源供給ラインを構成し、一の媒体処理ユニットのスイッチ手段のない1系統の内部の電源供給ラインが、媒体搬送方向下流側に隣り合う他の媒体処理ユニットのスイッチ手段を有する1系統の内部の電源供給ラインとで同じ1系統の第2電源供給ラインを構成するため、簡素な構造で一の媒体処理ユニットと他の媒体処理ユニットとに別々のタイミングで電源供給を行うことができる。したがって、コスト増を更に抑制することが可能となる。
【0012】
本発明に係る第の態様は、上記第の態様において、前記第1電源供給ラインの全てのスイッチ手段をオンした後、第2電源供給ラインのスイッチ手段をオンすることを特徴とする。
【0013】
上記第の態様によれば、第1電源供給ラインの全てのスイッチ手段をオンした後、第2電源供給ラインのスイッチ手段をオンするため、電源供給ラインの1系統当たりの最大定格電流を抑えることができる。したがって、コスト増を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コスト増を抑制することが可能な媒体処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の基本構成を示す正面図である。
図2】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の基本構成を正面側から見た内部の概略構成図である。
図3】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の基本構成を示す斜視図である。
図4】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の収容ユニット本体部を示す斜視図である。
図5】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の収容ユニット本体部を示す斜視図である。
図6】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成を示す正面図である。
図7】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図8】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図9】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図10】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図11】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図12】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図13】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図14】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図15】本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
図16】本発明に係る媒体処理装置の第2実施形態である紙葉類処理装置の一例の構成の電源系統を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
本発明に係る媒体処理装置の第1実施形態である紙葉類処理装置を図1図15を参照して以下に説明する。図1に示す本実施形態の紙葉類処理装置1は、媒体として紙幣等の紙葉類Sを分類処理するものであり、投入された紙葉類Sを、計数対象である計数対象紙葉類と計数対象ではないリジェクト紙葉類とに分類し、計数対象紙葉類を更に種類別に計数して種類別に収容し、計数結果と収容先とを関連付けて表示するものである。以下の説明において、「前」は操作者側、「後」は操作者とは反対側、「右」は操作者から見て右側、「左」は操作者から見て左側である。
【0017】
第1実施形態の紙葉類処理装置1は、図1に示すように、紙葉類Sを計数する計数ユニット2(媒体計数本体部)と、計数ユニット2から搬送されてきた紙葉類Sを分類収容処理する収容ユニット3(媒体処理ユニット)とが組み合わせられて構成されている。紙葉類処理装置1は、1台の計数ユニット2に対し1台のみの収容ユニット3を付設して構成したり、1台の計数ユニット2に対し複数台の収容ユニット3を連設して構成したりすることが可能となっている。紙葉類処理装置1は、1台の計数ユニット2に対し1台のみの収容ユニット3を付設する構成が基本構成となっており、この基本構成に対して、収容ユニット3の増設が可能となっている。
【0018】
図1においては1台の計数ユニット2に1台のみの収容ユニット3を組み合わせた基本構成の紙葉類処理装置1を示している。まず、この基本構成の紙葉類処理装置1について説明する。
【0019】
図1図3に示すように、計数ユニット2は、その右側面側の下部に設けられて右側面及び前面に亘って計数ユニット2外、即ち紙葉類処理装置1外に常時開口する受入部11と、同じく右側面側の上部に設けられて右側面及び前面に亘って計数ユニット2外、即ち紙葉類処理装置1外に常時開口するリジェクト部13とを有している。リジェクト部13及び受入部11は、前後方向及び左右方向の位置を重ね合わせて上下に並んで配置されている。
【0020】
図2に示すように、受入部11には、複数枚の紙葉類Sが長辺部を前後に沿わせ、短辺部を左右に沿わせて上下方向に集積された状態でセットされることになる。受入部11は、このようにセットされた集積状態の紙葉類Sを最下のものから一枚ずつ分離し繰り出して紙葉類処理装置1内に取り込む。受入部11から繰り出される紙葉類Sは、その短辺部の延在方向に沿って移動する。
【0021】
計数ユニット2の内部には、受入部11から繰り出された紙葉類Sを搬送する計数ユニット内搬送構成部21と、計数ユニット内搬送構成部21で搬送中の紙葉類Sを識別しつつ計数する識別部22とが設けられている。計数ユニット内搬送構成部21で搬送される紙葉類Sは、その短辺部の延在方向に沿って移動する。識別部22は、計数ユニット内搬送構成部21の受入部11側の端部位置に設けられて、受入部11が繰り出す紙葉類Sの搬送状態を検出する検出部23と、計数ユニット内搬送構成部21の検出部23よりも下流側に設けられて紙葉類Sの搬送状態以外の金種等の種類の識別を行う識別本体部24とを有している。
【0022】
計数ユニット内搬送構成部21は、受入部11から計数ユニット2の左側面に向けて延出する左方延出部21aと、左方延出部21aの左側面近傍の端部から上方に延出する上方延出部21bと、上方延出部21bの上端部から計数ユニット2の左側面に向け延出して左側面に開口する左方延出部21cと、上方延出部21bの識別部22よりも上側から分岐し、計数ユニット2の右側面に向け延出してリジェクト部13に繋がる分岐延出部21eとを有している。計数ユニット内搬送構成部21には、鉛直方向に沿う上方延出部21bに識別部22が設けられている。
【0023】
収容ユニット3の内部には、計数ユニット2の左方延出部21cに接続され、左方延出部21cから繰り出された紙葉類Sを搬送する収容ユニット内搬送構成部27が設けられている。収容ユニット内搬送構成部27で搬送される紙葉類Sも、その短辺部の延在方向に沿って移動する。
【0024】
収容ユニット内搬送構成部27は、収容ユニット3の右側面の上部に開口し、収容ユニット3の左側面に向け水平且つ直線状に延出して、左側面の上部に開口する連結搬送構成部27A(媒体搬送路)と、連結搬送構成部27Aの左側部分から下側に分岐する分岐搬送構成部27Bとを有している。連結搬送構成部27Aと分岐搬送構成部27Bとは、それぞれ個別の駆動モータを有しており、独立して駆動可能となっている。1台の計数ユニット2に対し収容ユニット3が複数台連設される場合は、これらを左右方向に並べて連結し、複数台の収容ユニット3の隣り合うもの同士が連結搬送構成部27Aを接続させて連結される。
【0025】
分岐搬送構成部27Bは、連結搬送構成部27Aの左側から分岐して鉛直下方に延出する下方延出部27Baと、1つが下方延出部27Baの下端位置から収容ユニット3の右側面に向けて延出し、また複数が下方延出部27Baの中間位置から分岐して収容ユニット3の右側面に向けて延出する、複数具体的には4つの側方延出部27Bbとを有している。4つの側方延出部27Bbには、それぞれ、紙葉類Sを集積させて収容する収容部14が接続されている。よって、1台の収容ユニット3には、複数、具体的には4個の収容部14が設けられている。1台の収容ユニット3に4個の収容部14が設けられているのは一例であり、例えば1台の収容ユニット3に3個の収容部14が設けられていても良い。
【0026】
図1図3に示すように、収容部14は、いずれも、収容ユニット3の前面、即ち紙葉類処理装置1の前面に設けられた開口部15を有しており、それぞれの開口部15において、収容ユニット3外、即ち紙葉類処理装置1外に常時開口している。収容ユニット3の前面、即ち紙葉類処理装置1の前面には、収容部14のそれぞれと高さを合わせて左横に、高さの合う収容部14の紙葉類Sの集積枚数等の状態を表示する状態表示部28が設けられている。
【0027】
収容ユニット3に設けられた複数の収容部14は、前後方向及び左右方向の位置を重ね合わせて上下方向(高さ方向)に所定の間隔をあけて並んで配置されている。複数の収容部14は、計数ユニット2に設けられた受入部11及びリジェクト部13とも、前後方向の位置を重ね合わせている。
【0028】
図2に示すように、互いに接続された計数ユニット内搬送構成部21と収容ユニット内搬送構成部27とが、受入部11から繰り出された紙葉類Sを搬送する搬送部30を構成している。搬送部30は、その搬送中に紙葉類Sが識別部22で識別されると、識別部22よりも下流側の部分が識別部22の識別結果に基づいて紙葉類Sを、リジェクト部13及び複数の収容部14のうちの一つに択一的に振り分ける。
【0029】
紙葉類処理装置1において、リジェクト部13及び複数の収容部14は、識別部22の識別結果に基づいて紙葉類Sを分類して紙葉類処理装置1外に取り出し可能に収容する。複数の収容部14は、紙葉類処理装置1の前面に設けられた開口部15から紙葉類処理装置1の前方に紙葉類Sが引き抜かれる。
【0030】
図2に示すように、リジェクト部13は、受入部11で紙葉類処理装置1内に取り込まれた紙葉類Sのうち、識別部22で計数対象紙葉類以外のリジェクト紙葉類と識別された紙葉類Sを集積させて紙葉類処理装置1外に取り出し可能に収容するものである。リジェクト部13は、計数ユニット内搬送構成部21から紙葉類Sが繰り出されることになり、このように繰り出された紙葉類Sを繰り出し順(言い換えれば受入部11の取り込み順)に下から上に集積させる。紙葉類Sは、計数ユニット内搬送構成部21の分岐延出部21eからリジェクト部13に繰り出されると、リジェクト部13内で、長辺部を前後に沿わせ、短辺部を左右に沿わせて下から上に集積される。
【0031】
複数の収容部14は、受入部11で紙葉類処理装置1内に取り込まれた紙葉類Sのうち、識別部22で計数対象紙葉類と識別されて種類別に計数された紙葉類Sを種類別に集積させて紙葉類処理装置1外に取り出し可能に収容するものである。複数の収容部14は、いずれも、収容ユニット内搬送構成部27から紙葉類Sが繰り出されることになり、このように繰り出された紙葉類Sを繰り出し順(言い換えれば受入部11の取り込み順)に右下から左上の方向に集積させる。
【0032】
図1図3に示すように、紙葉類処理装置1の計数ユニット2の前面には、操作入力を受け付けると共に情報表示を行う操作表示部31が設けられている。また、図2に示すように、計数ユニット2の内部には、計数ユニット2及び計数ユニット2に連結された収容ユニット3の各部を制御する制御部32と、識別の基準となるマスタデータや識別計数結果のデータ等を記憶する記憶部33とが設けられている。制御部32は、紙葉類処理装置1の全体を司る。
【0033】
計数ユニット2に設けられた受入部11は、上述したように紙葉類処理装置1の右側面側に右側方及び前方に常時開口するように設けられている。受入部11は、水平に対して若干左下がりに傾斜して配置される底部40と、底部40の左端位置から底部40に対して垂直をなして上方に延出する壁部41と、底部40の後端縁部から鉛直上方に延出する壁部43とを有している。底部40及び壁部41は前後方向に広がっており、壁部43は鉛直方向及び左右方向に広がっている。底部40と壁部41と壁部43とは互いに垂直に配置されている。受入部11には、紙葉類Sが、壁部41に一方の長辺部を、壁部43に一方の短辺部を、それぞれ当接させるようにして、底部40上に集積状態でセットされる。受入部11は、底部40の上方に設けられて壁部41に沿って昇降するビルプレス45を有しており、ビルプレス45は、底部40上に載置された紙葉類Sを底部40に向けて押圧する。
【0034】
受入部11は、底部40上にセットされた紙葉類Sのうちの最下の紙葉類Sを左方の計数ユニット内搬送構成部21に向けて蹴り出す蹴出ローラ51と、蹴出ローラ51で蹴り出された紙葉類Sを紙葉類処理装置1の内部に取り込んで計数ユニット内搬送構成部21に受け渡す取込ローラ52と、取込ローラ52で取り込む紙葉類Sを一枚ずつに分離する分離ローラ53とを有している。蹴出ローラ51、取込ローラ52及び分離ローラ53が、受入部11にセットされた紙葉類Sを一枚ずつ分離して紙葉類処理装置1の内部に取り込む取込部55を構成している。
【0035】
上記した識別部22の検出部23は、計数ユニット内搬送構成部21の左方延出部21aにおける受入部11の近傍位置に配置されており、紙葉類Sの受入部11からの繰り出しの有無及び紙葉類Sの搬送状態を検出する。検出部23は、紙葉類Sの光透過率或いは物理的厚さから重送の有無を検出し、紙葉類Sの長辺部方向両側のそれぞれの検知タイミングのずれから斜行の有無を検出し、隣り合う紙葉類Sのそれぞれの検知タイミングの間隔からニアフィードの有無を検出する。検出部23で、重送、斜行及びニアフィードのいずれも無いことが検出された紙葉類Sは、言い換えれば、検出部23で正常搬送であることが検出された紙葉類Sになる。
【0036】
識別部22の識別本体部24は、紙葉類Sの可視光照射時及び紫外線照射時の画像を検出すると共に、それぞれを基準データと比較して、一致すると判定できる基準データの種類を、紙葉類Sの種類と特定する。このように種類が特定された紙葉類Sは、識別異常なしの紙葉類Sとなる。一方、一致すると判定できる基準データがない場合、識別異常ありの紙葉類Sと特定する。
【0037】
計数ユニット2に設けられたリジェクト部13は、水平に対して若干左下がりに傾斜して配置される底部60と、底部60の左端位置から底部60に略垂直をなして上方に延出する壁部61と、底部60の後端縁部から鉛直上方に延出する壁部63とを有している。底部60及び壁部61は前後方向に広がっており、壁部63は鉛直方向及び左右方向に広がっている。
【0038】
壁部61の上部には、計数ユニット内搬送構成部21の分岐延出部21eの端末位置の近傍に設けられて分岐延出部21eで搬送されてきた紙葉類Sを繰り出して底部60に集積させる羽根車65が設けられている。羽根車65は、分岐延出部21eで搬送されてきた紙葉類Sを羽根と羽根との間に挟んで共に回転し、この紙葉類Sが壁部61に当接して羽根と羽根との間から抜け出すと、この紙葉類Sを羽根で底部60側、即ち下方に押す。
【0039】
図示は略すが、リジェクト部13には、リジェクト部13内の紙葉類Sの有無を検知する紙葉類有無検知センサと、この紙葉類有無センサの検知結果に基づいて点灯状態が切り替えられる有無表示照明とが設けられている。有無表示照明は、リジェクト部13内に紙葉類Sがあることが紙葉類有無検知センサで検知されている状態では点灯し、リジェクト部13内に紙葉類Sがないことが紙葉類有無検知センサで検知されている状態では消灯する。また、有無表示照明は、例えばリジェクト部13内に紙葉類Sがフル状態になると点滅する。
【0040】
有無表示照明は、例えば、底部60に、計数ユニット2即ち紙葉類処理装置1の前面位置及び右側面位置で外に向け発光するように設けられている。羽根車65で繰り出された紙葉類Sを案内して底部60に集積させる図1図3に示すカバー66に、有無表示照明を設けても良い。その場合、カバーを透明材料で形成し、カバーの全体を光らせるようにしても良い。
【0041】
収容ユニット3に設けられた複数の収容部14は、いずれも同様の構成であり、紙葉類処理装置1の前面に開口する上記した開口部15と、水平に対し右下がりに傾斜する収容底部70と、収容底部70の後側で広がる収容奥壁部73とを有している。収容底部70は、その上方に向く上面が右下がりに傾斜して前後方向に広がっている。収容奥壁部73は、その前方に向く前面が鉛直方向及び左右方向に広がっており、言い換えれば前後方向に対し直交するように広がっている。
【0042】
収容ユニット3は、収容部14のそれぞれの内側に配置される摺動ステージ部81を有している。摺動ステージ部81は、図3の上から1個目、3個目及び4個目の摺動ステージ部81に示すように全体が収容部14内に配置される後退端位置と、図3の上から2個目の摺動ステージ部81に示すように、収容部14の開口部15から一部突出する前進端位置との間で、収容部14に対し摺動可能に設けられている。摺動ステージ部81は、後退端位置にある状態が紙葉類Sを受け入れる待機状態であり、前進端位置にある状態が収容している紙葉類Sを前方に押し出す押し出し状態となる。
【0043】
収容ユニット3は、複数の収容部14および複数の状態表示部28を含むユニット本体91に対し、複数の摺動ステージ部81が摺動可能となっている。このユニット本体91の前方に向く前面に、複数の収容部14の開口部15が配置されており、複数の状態表示部28は、このユニット本体91の前面の一部を構成する。収容ユニット3のユニット本体91と計数ユニット2とが、紙葉類処理装置1の装置本体95を構成している。ユニット本体91の前面は、装置本体95の前方に向く前面の一部を構成している。複数の摺動ステージ部81は、装置本体95に対しても摺動可能となっており、複数の収容部14の開口部15は、装置本体95の前面に配置されている。複数の状態表示部28は、装置本体95の前面の一部を構成する。
【0044】
摺動ステージ部81は、収容底部70の右端位置から水平に対し右上がりに延出する支持ステージ82と、支持ステージ82の後側で広がる押出ステージ85とを有している。支持ステージ82は収容底部70側に向く支持面が右上がりに傾斜して前後方向に広がっている。押出ステージ85は、その前方に向く前面が鉛直方向及び左右方向に広がっており、言い換えれば前後方向に対し直交するように広がっている。収容底部70の上面及び支持ステージ82の支持面に対し、収容底部70の上面及び押出ステージ85の前面は垂直に広がっている。
【0045】
図2に示すように、分岐搬送構成部27Bの各側方延出部27Bbの末端位置には、対応する収容部14内に紙葉類Sを繰り出す羽根車75が設けられている。羽根車75は、収容部14における収容底部70の支持ステージ82とは反対側、即ち左側に設けられている。羽根車75には、多数の羽根が周方向に所定の間隔で周方向同側に延出するように設けられている。羽根車75は、支持ステージ82と対向する側が上から下に移動するように回転することになり、支持ステージ82と対向する側の羽根は、支持ステージ82と対向する際に固定端が下側に自由端が上側に位置するように延びている。
【0046】
羽根車75は、分岐搬送構成部27Bの下方延出部27Ba及び4つの側方延出部27Bbのうちの対応するもので左側から右側に搬送されてきた紙葉類Sを羽根と羽根の間に挟んで紙葉類Sと共に回転し、この紙葉類Sが収容底部70の上面に当接して羽根と羽根との間から抜け出すと、この紙葉類Sを羽根で支持ステージ82側に押す。このとき、紙葉類Sは、短辺部を上下に沿わせて収容底部70の上面に下端の長辺部で当接して支持されると共に、この上面にガイドされて支持ステージ82の支持面側に移動し、支持ステージ82の支持面に厚さ方向一側の面が重なって支持されることになる。次に繰り出される紙葉類Sは、同様にして、短辺部を上下に沿わせて収容底部70の上面に下端の長辺部で当接して支持されると共に、この上面にガイドされて支持ステージ82の支持面側に移動し、既に支持ステージ82に支持されている紙葉類Sの厚さ方向他側の面に、厚さ方向一側の面が重なって支持される。このようにして、紙葉類Sが厚さ方向に順に集積されて、支持ステージ82の支持面に載置される。複数の収容部14のそれぞれにも、リジェクト部13と同様の紙葉類有無センサ及び有無表示照明が設けられている。収容部14の有無表示照明は、例えば、収容底部70に、収容ユニット3即ち紙葉類処理装置1の前面位置で外に向け発光するように設けられている。
【0047】
摺動ステージ部81は、待機状態で収容部14に繰り出された紙幣を支持ステージ82で支持することになるが、収容部14に繰り出されて支持ステージ82が支持する紙葉類Sの集積枚数が増えていくと、支持ステージ82が紙葉類Sの集積枚数に応じた角度で揺動する。
【0048】
また、収容部14に繰り出された紙葉類Sを使用者に受け取らせる場合、図3の上から2個目の収容部14に示すように、摺動ステージ部81が、待機状態から前進して収容している紙葉類Sを支持ステージ82及び押出ステージ85で収容部14の開口部15よりも前方に一部突出させる。
【0049】
図4図5は、図3に示す収容ユニット3からカバー類を除いた収容ユニット本体部100を示すものである。図4に示すように、収容ユニット本体部100には、計数ユニット2に連結される際に、計数ユニット2に形成された図示略の結合穴に嵌合されるユニット結合用ピン101が右側面の上部に前後に離間して2つ設けられている。これらのユニット結合用ピン101を計数ユニット2の図示略の結合穴に嵌合させることで、収容ユニット3は、計数ユニット2に対し上下方向及び前後方向の位置を一致させるように位置決めされる。このように位置決めされた状態で、収容ユニット3が計数ユニット2に連結固定されて一体化される。
【0050】
図5に示すように、収容ユニット本体部100には、左側面の上部に、結合穴102が前後に離間して2箇所設けられている。これらの結合穴102には、これらが設けられた一の収容ユニット3の計数ユニット2とは反対側に他の収容ユニット3が連設される場合に、この他の収容ユニット3の右側面のユニット結合用ピン101が嵌合される。一の収容ユニット3のこれらの結合穴102に他の収容ユニット3のユニット結合用ピン101を嵌合させることで、一の収容ユニット3に対し、他の収容ユニット3が上下方向及び前後方向の位置を一致させるように位置決めされる。このように位置決めされた状態で、一の収容ユニット3に対し、他の収容ユニット3が連結固定されて一体化される。
【0051】
図4に示すように、収容ユニット本体部100には、上部の右側に、図2に示す計数ユニット2に連結される際に、計数ユニット2の計数ユニット内搬送構成部21の左方延出部21cの出口部分を構成する図示略の搬送出口部に連結されて紙葉類Sの受け渡しが可能になる搬送入口部111が設けられている。搬送入口部111は、連結搬送構成部27Aの入口部分を構成している。
【0052】
図5に示すように、収容ユニット本体部100には、上部の左側に、図2に示す連結搬送構成部27Aの出口部分を構成する搬送出口部112が設けられている。この搬送出口部112は、これが設けられた一の収容ユニット3の計数ユニット2とは反対側に他の収容ユニット3が連設される場合に、この他の収容ユニット3の上部右側の搬送入口部111に連結されて紙葉類Sの受け渡しが可能になる。
【0053】
1台の計数ユニット2に1台の収容ユニット3を組み合わせた基本構成の紙葉類処理装置1に対し、基本構成に対して1台の収容ユニット3を増設した構成の紙葉類処理装置1としたり、基本構成に対して2台の収容ユニット3を増設した構成の紙葉類処理装置1としたり、図6に示すように、基本構成に対して3台の収容ユニット3を増設した構成の紙葉類処理装置1としたり等、1台の計数ユニット2に、予め設定された最大限度数までの収容ユニット3が連設可能となっている。即ち、収容ユニット3は、計数ユニット2に直列に接続される連結搬送構成部27Aを有して増設可能に設けられ、計数ユニット2から搬送されてきた紙葉類Sを処理する。紙葉類処理装置1には、このような収容ユニット3が1つまたは複数が設けられている。紙葉類処理装置1がこのような形態を採る理由は、ユーザが投入された紙葉類Sの仕分け・集積を行うために紙葉類処理装置1を使用する際、取り扱う紙葉類Sの種類などによって、ユーザが求める収容部14の数量が異なるという事情に柔軟に対応するためであり、紙葉類処理装置1のバリエーションを設計変更を伴わずに容易に増やせるという利点がある。
【0054】
図7は、紙葉類処理装置1の一例の電気系統を示すものである。図7に示すように、計数ユニット2は、外部の商用交流電源に接続されて、この商用交流電源から電源供給可能となる第1電源接続部120と、外部の商用交流電源に接続されて、この商用交流電源から電源供給可能となる第2電源接続部121と、収容ユニット3が連結されると、この収容ユニット3に電源供給可能に接続される電源出力部123と、第1電源接続部120と電源出力部123とを電源供給可能に接続する電源供給ライン124と、第2電源接続部121と電源出力部123とを電源供給可能に接続する電源供給ライン125とを有している。
【0055】
第1電源接続部120は、一般家庭用としても利用されている商用2相電源(例えば、日本では、交流100V)ラインのライブ側(ACL)とデッド側(ACD)の2つのラインから構成されており、第2電源接続部121も同様である。電源出力部123は、計数ユニット2から、下位の収容ユニット3に向けて電力供給を行う部分である。電源出力部123は、交流電流を送るそれぞれ独立した2つの電気系統である、出力系統128及び出力系統129を有している。
【0056】
また、計数ユニット2は、電源供給ライン124に設けられて電源供給ライン124をオン及びオフするリレーである第1スイッチ135と、電源供給ライン125に設けられて電源供給ライン125をオン及びオフするリレーである第2スイッチ136と、第1スイッチ135による電源供給ライン124のオン及びオフ及び第2スイッチ136による電源供給ライン125のオン及びオフを切り替える上記した制御部32と、収容ユニット3が連結されると、この収容ユニット3に通信可能に接続されるI/F出力部138とを有している。I/F出力部138は、制御部32の制御信号を出力する。
【0057】
第1スイッチ135がオン状態になると、電源供給ライン124がオン状態になる。オン状態の電源供給ライン124は、第1電源接続部120から電源出力部123の出力系統128に電源供給可能な導通状態となる。第1スイッチ135がオフ状態になると、電源供給ライン124がオフ状態になる。オフ状態の電源供給ライン124は、第1電源接続部120から電源出力部123の出力系統128に電源供給不可な遮断状態となる。
【0058】
第2スイッチ136がオン状態になると、電源供給ライン125がオン状態になる。オン状態の電源供給ライン125は、第2電源接続部121から電源出力部123の出力系統129に電源供給可能な導通状態となる。第2スイッチ136がオフ状態になると、電源供給ライン125がオフ状態になる。オフ状態の電源供給ライン125は、第2電源接続部121から電源出力部123の出力系統129に電源供給不可な遮断状態となる。
【0059】
以上により、計数ユニット2は、収容ユニット3に向けて電源を供給する2系統の電源供給ライン124及び電源供給ライン125と、収容ユニット3に向けて制御信号を出力するI/F出力部138とを有している。
【0060】
収容ユニット3は、計数ユニット2に連結されると、計数ユニット2の電源出力部123に接続されて、電源出力部123から電源供給可能となる電源入力部141と、計数ユニット2とは反対側に他の収容ユニット3が連結されると、この他の収容ユニット3に電源供給可能に接続される電源出力部142と、電源入力部141と電源出力部142とを電源供給可能に接続する電源供給ライン143と、電源入力部141と電源出力部142とを電源供給可能に接続する電源供給ライン144とを有している。電源供給ライン143及び電源供給ライン144は、収容ユニット3の内部に設けられている。
【0061】
電源入力部141は、交流電流を受けるそれぞれ独立した2つの電気系統である、入力系統151及び入力系統152を有している。入力系統151は電源供給ライン143に接続されており、入力系統152は電源供給ライン144に接続されている。
【0062】
電源出力部142は、収容ユニット3から、その計数ユニット2とは反対側の収容ユニット3に向けて電力供給を行う部分である。電源出力部142は、交流電流を送るそれぞれ独立した2つの電気系統である、出力系統155及び出力系統156を有している。電源出力部142には、直前で電源供給ライン143及び電源供給ライン144が物理的な位置を入れ変えて接続されている。出力系統156が電源供給ライン144に接続され、出力系統155が電源供給ライン143に接続されている。
【0063】
収容ユニット3は、計数ユニット2に連結されると、計数ユニット2のI/F出力部138に通信可能に接続されるI/F入力部161と、I/F入力部161に接続される通信ライン162と、通信ライン162のI/F入力部161とは反対側に接続され、計数ユニット2とは反対側に他の収容ユニット3が連結されると、この他の収容ユニット3に通信可能に接続されるI/F出力部163とを有している。I/F出力部138に対しI/F入力部161は、制御上の上位機である計数ユニット2側から下位側へ向かっての制御線という意味で「出力」の文言を使用しているが、下位側から上位側への応答も実際にはあり得るため、電気信号的には入出力ポートである。
【0064】
また、収容ユニット3は、電源供給ライン143に設けられて電源供給ライン143をオン及びオフするリレーであるスイッチ171(スイッチ手段)と、電源供給ライン143の電源入力部141とスイッチ171との間に接続されて電源供給ライン143から電源供給可能となる交流直流変換部172と、交流直流変換部172から電源供給を受けてスイッチ171による電源供給ライン143のオン及びオフの切り替えを制御する電源制御部173とを有している。よって、電源供給ライン143には、交流直流変換部172が接続されると共にスイッチ171が配置されている。
【0065】
電源制御部173は、通信ライン162に接続されて、上位の計数ユニット2の制御部32からの制御信号を受け、この制御信号に基づいてスイッチ171による電源供給ライン143のオン及びオフを制御する。電源供給ライン144には、これをオン及びオフするスイッチは設けられていない。言い換えれば、一つの収容ユニット3の電源供給ライン143及び電源供給ライン144のうちの1系統の電源供給ライン143のみにスイッチ171が設けられている。交流直流変換部172は、スイッチングレギュレータなどで構成されている。
【0066】
ここで、計数ユニット2の電源出力部123は、これに隣り合う収容ユニット3の電源入力部141に電源供給可能に接続されると、計数ユニット2の電源供給ライン124及び出力系統128を、これに隣り合う収容ユニット3の電源入力部141の入力系統151及び電源供給ライン143に電源供給可能に接続することになる。また、計数ユニット2の電源供給ライン125及び出力系統129を、隣り合う収容ユニット3の電源入力部141の入力系統152及び電源供給ライン144に電源供給可能に接続することになる。
【0067】
他方、計数ユニット2の電源出力部123は、これに隣り合う収容ユニット3の電源入力部141に電源供給可能に接続されても、計数ユニット2の電源供給ライン124から、これに隣り合う収容ユニット3の電源供給ライン144への電源供給は不可であり、計数ユニット2の電源供給ライン125から、これに隣り合う収容ユニット3の電源供給ライン143への電源供給も不可である。
【0068】
一の収容ユニット3の電源出力部142は、その計数ユニット2とは反対側に隣り合う他の収容ユニット3の電源入力部141に電源供給可能に接続されると、この一の収容ユニット3の電源供給ライン143及び電源出力部142の出力系統155を、その計数ユニット2とは反対側に隣り合う他の収容ユニット3の電源入力部141の入力系統152及び電源供給ライン144に電源供給可能に接続することになる。また、この一の収容ユニット3の電源供給ライン144及び電源出力部142の出力系統156を、その計数ユニット2とは反対側に隣り合う他の収容ユニット3の電源入力部141の入力系統151及び電源供給ライン143に電源供給可能に接続することになる。
【0069】
他方、一の収容ユニット3の電源出力部142は、その計数ユニット2とは反対側に隣り合う他の収容ユニット3の電源入力部141に電源供給可能に接続されても、この一の収容ユニット3の電源供給ライン143から、その計数ユニット2とは反対側に隣り合う他の収容ユニット3の電源供給ライン143への電源供給は不可であり、この一の収容ユニット3の電源供給ライン144から、その計数ユニット2とは反対側に隣り合う他の収容ユニット3の電源供給ライン144への電源供給も不可である。
【0070】
よって、収容ユニット3が、計数ユニット2に複数接続される場合、一の収容ユニット3のスイッチ171を有する1系統の内部の電源供給ライン143が、紙幣搬送方向下流側に隣り合う他の収容ユニット3のスイッチのない1系統の内部の電源供給ライン144とで同じ1系統の電源供給ラインを構成し、一の収容ユニット3のスイッチのない1系統の内部の電源供給ライン144が、紙幣搬送方向下流側に隣り合う他の収容ユニット3のスイッチ171を有する1系統の内部の電源供給ライン143とで同じ1系統の電源供給ラインを構成する。
【0071】
計数ユニット2の制御部32が、制御信号を一の収容ユニット3の電源制御部173に出力すると、この電源制御部173は、この一の収容ユニット3のスイッチ171のオン及びオフを制御する。一の収容ユニット3において、スイッチ171がオン状態になると、電源供給ライン143がオン状態になる。オン状態の電源供給ライン143は、電源入力部141の入力系統151から電源出力部142の出力系統155に電源供給可能な導通状態となる。スイッチ171がオフ状態になると、電源供給ライン143がオフ状態になる。オフ状態の電源供給ライン143は、電源入力部141の入力系統151から電源出力部142の出力系統155に電源供給不可な遮断状態となる。
【0072】
例えば、具体例を、図7に示すように、1台の計数ユニット2に4台の収容ユニット3が連設されて構成される紙葉類処理装置1を例にとり説明する。ここでは、4台の収容ユニット3及びそれぞれの構成を、ユニット配列方向、即ち紙幣搬送方向において計数ユニット2に近い側から順に、符号に(A),(B),(C),(D)を付けて区別する。
【0073】
計数ユニット2の電源供給ライン124及び電源出力部123の出力系統128と、収容ユニット3(A)の電源入力部141(A)の入力系統151(A)、電源供給ライン143(A)及び電源出力部142(A)の出力系統155(A)と、収容ユニット3(B)の電源入力部141(B)の入力系統152(B)、電源供給ライン144(B)及び電源出力部142(B)の出力系統156(B)と、収容ユニット3(C)の電源入力部141(C)の入力系統151(C)、電源供給ライン143(C)及び電源出力部142(C)の出力系統155(C)と、収容ユニット3(D)の電源入力部141(D)の入力系統152(D)、電源供給ライン144(D)及び電源出力部142(D)の出力系統156(D)と、が電源供給可能に接続されて1系統の第1電源供給ライン181を構成している。
【0074】
また、計数ユニット2の電源供給ライン125及び電源出力部123の出力系統129と、収容ユニット3(A)の電源入力部141(A)の入力系統152(A)、電源供給ライン144(A)及び電源出力部142(A)の出力系統156(A)と、収容ユニット3(B)の電源入力部141(B)の入力系統151(B)、電源供給ライン143(B)及び電源出力部142(B)の出力系統155(B)と、収容ユニット3(C)の電源入力部141(C)の入力系統152(C)、電源供給ライン144(C)及び電源出力部142(C)の出力系統156(C)と、収容ユニット3(D)の電源入力部141(D)の入力系統151(D)、電源供給ライン143(D)及び電源出力部142(D)の出力系統155(D)と、が電源供給可能に接続されて1系統の第2電源供給ライン182を構成している。
【0075】
第1電源供給ライン181には、全ての収容ユニット3(A)~3(D)のうち、計数ユニット2側から数えて奇数番目となる収容ユニット3(A),3(C)の交流直流変換部172(A),172(C)が接続されると共に、収容ユニット3(A),3(C)のスイッチ171(A),171(C)が配置されている。第2電源供給ライン182には、全ての収容ユニット3(A)~3(D)のうち、計数ユニット2側から数えて偶数番目となる収容ユニット3(B),3(D)の交流直流変換部172(B),172(D)が接続されると共に、収容ユニット3(B),3(D)のスイッチ171(B),171(D)が配置されている。
【0076】
計数ユニット2に複数台の収容ユニット3を連結した場合の電源投入の動作シーケンスについて、上記のように1台の計数ユニット2に4台の収容ユニット3(A)~3(D)が連設されて構成される紙葉類処理装置1を例にとり説明する。ここでは、動作シーケンスとして、第1動作シーケンス及び第2動作シーケンスの2通りの動作シーケンスについて説明する。
【0077】
「第1動作シーケンス」
第1動作シーケンスは、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172を接続させている収容ユニット3(A),3(C)、即ち計数ユニット2側から数えて奇数番目となる収容ユニット3(A),3(C)に先に電源を供給した後、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172を接続させている収容ユニット3(B),3(D)、即ち計数ユニット2側から数えて偶数番目となる収容ユニット3(B),3(D)に電源を供給する。この第1動作シーケンスは、突入電流を抑制する動作シーケンスとなっている。
【0078】
先ず、図8に太破線で示すように、計数ユニット2の制御部32が、第1電源供給ライン181を構成する電源供給ライン124上にある第1スイッチ135をオンする。すると、電源供給ライン124がオン状態となって、図8に太実線で示すように、電源出力部123の出力系統128に電源が出力されることになり、収容ユニット3(A)の電源入力部141(A)の入力系統151(A)に電源が供給されることになる。その結果、電源供給ライン143(A)に接続されている交流直流変換部172(A)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(A)に出し、電源制御部173(A)を起動する。すると、収容ユニット3(A)に電源が入り、収容ユニット3(A)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0079】
次に、図9に太破線で示すように、計数ユニット2の制御部32が、I/F出力部138、収容ユニット3(A)のI/F入力部161(A)及び通信ライン162(A)を介して収容ユニット3(A)の電源制御部173(A)に向けて、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンするように制御信号を送信する。電源制御部173(A)は、このように収容ユニット3(A)のI/F入力部161(A)から入ってくる、上位側の計数ユニット2の制御部32からの制御信号に従い、図10に太破線で示すようにスイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンし、図10に太実線で示すように、収容ユニット3(A)の電源出力部142(A)の出力系統155(A)に電源を供給させる。
【0080】
すると、収容ユニット3(B)の電源入力部141(B)の入力系統152(B)と、電源供給ライン144(B)と、電源出力部142(B)の出力系統156(B)とを介して、収容ユニット3(C)の電源入力部141(C)の入力系統151(C)に電源が供給されることになる。その結果、電源供給ライン143(C)に接続されている交流直流変換部172(C)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(C)に出力し、電源制御部173(C)を起動する。すると、収容ユニット3(C)に電源が入り、収容ユニット3(C)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。このようにして、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている収容ユニット3(A),3(C)に電源を供給する。
【0081】
なお、計数ユニット2に5台以上の収容ユニット3が接続される場合は、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2側から収容ユニット3(C)よりも遠い奇数番目の収容ユニット3についても、上記と同様の制御を、計数ユニット2に近い側から繰り返し行うことで、順に電源投入することになる。
【0082】
計数ユニット2の制御部32は、計数ユニット2に接続されている収容ユニット3の数を予め把握しているため、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2から奇数番目の収容ユニット3の全ての電源投入が終了したと判断した場合には、次のステップとして、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2から偶数番目の収容ユニット3について順に電源投入を行う。
【0083】
ここで、計数ユニット2の制御部32は、計数ユニット2に接続されている収容ユニット3の数を管理していない場合でも、計数ユニット2から奇数番目の収容ユニット3のうち、計数ユニット2から最も遠い収容ユニット3が電源投入を終えたことを判断可能である。制御部32は、例えば、1台の計数ユニット2に4台の収容ユニット3(A)~3(D)が連設されている場合、収容ユニット3(C)に向け制御信号を出し、収容ユニット3(C)からのレスポンスを受けると、計数ユニット2から次に遠い奇数番目の収容ユニット3へ向け制御信号を出す。この時、所定時間が経過しても当該収容ユニット3からのレスポンスが返ってこなければ、収容ユニット3(C)が計数ユニット2から奇数番目となる最後の収容ユニット3であると判断する。
【0084】
上記のようにして、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172を接続させている収容ユニット3(A),3(C)に電源を供給した後、計数ユニット2の制御部32は、図11に太破線で示すように、第2電源供給ライン182を構成する電源供給ライン125上にある第2スイッチ136をオンして、電源供給ライン125をオン状態とする。すると、図11に太実線で示すように、電源出力部123の出力系統129に電源が出力され、収容ユニット3(A)の電源入力部141(A)の入力系統152(A)、電源供給ライン144(A)及び電源出力部142(A)の出力系統156(A)を介して、収容ユニット3(B)の電源入力部141(B)の入力系統151(B)に電源が供給される。その結果、収容ユニット3(B)内の電源供給ライン143(B)に接続されている交流直流変換部172(B)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(B)に出力し、電源制御部173(B)を起動する。すると、収容ユニット3(B)に電源が入り、収容ユニット3(B)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0085】
次に、図12に太破線で示すように、計数ユニット2の制御部32が、I/F出力部138、収容ユニット3(A)のI/F入力部161(A)、通信ライン162(A)、I/F出力部163(A)、収容ユニット3(B)のI/F入力部161(B)及び通信ライン162(B)を介して、収容ユニット3(B)の電源制御部173(B)に向けて、スイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンするように制御信号を送信する。電源制御部173(B)は、このように収容ユニット3(B)のI/F入力部161(B)から入ってくる、上位側の計数ユニット2の制御部32からの制御信号に従い、図12に太破線で示すようにスイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンし、図12に太実線で示すように、収容ユニット3(B)の電源出力部142(B)の出力系統155(B)に電源を供給させる。
【0086】
すると、収容ユニット3(C)の電源入力部141(C)の入力系統152(C)と、電源供給ライン144(C)と、電源出力部142(C)の出力系統156(C)とを介して、収容ユニット3(D)の電源入力部141(D)の入力系統151(D)に電源が供給される。その結果、収容ユニット3(D)内の電源供給ライン143(D)に接続されている交流直流変換部172(D)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(D)に出力し、電源制御部173(D)を起動する。すると、収容ユニット3(D)に電源が入り、収容ユニット3(D)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。このようにして、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172を接続させている収容ユニット3(B),3(D)に電源を供給する。
【0087】
なお、計数ユニット2に6台以上の収容ユニット3が接続される場合は、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2から収容ユニット3(D)よりも遠い偶数番目の収容ユニット3についても、上記と同様の制御を、計数ユニット2に近い側から繰り返し行うことで、順に電源を投入することになる。
【0088】
以上により、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172を接続させている、計数ユニット2側から数えて奇数番目となる全ての収容ユニット3(A),3(C)の電源投入と、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172を接続させている、計数ユニット2側から数えて偶数番目となる全ての収容ユニット3(B),3(D)の電源投入とが終了する。
【0089】
計数ユニット2の制御部32は、計数ユニット2に接続されている収容ユニット3の数を予め把握しているため、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2側から数えて偶数番目の収容ユニット3の全ての電源投入が終了したと判断した場合には、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2側から数えて奇数番目となる全ての収容ユニット3の電源投入と、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2側から数えて偶数番目となる全ての収容ユニット3の電源投入と、が終了したと判断する。すなわち、計数ユニット2を介して電源供給を受ける全ての収容ユニット3の電源投入が終了したと判断する。
【0090】
ここで、計数ユニット2の制御部32は、計数ユニット2に接続されている収容ユニット3の数を管理していない場合でも、計数ユニット2から偶数番目の収容ユニット3のうち、計数ユニット2から最も遠い収容ユニット3が電源投入を終えたことを判断可能である。制御部32は、例えば、1台の計数ユニット2に4台の収容ユニット3(A)~3(D)が連設されている場合、収容ユニット3(D)に向け制御信号を出し、収容ユニット3(D)からのレスポンスを受けると、計数ユニット2から次に遠い偶数番目の収容ユニット3へ向け制御信号を出す。この時、所定時間が経過しても当該収容ユニット3からのレスポンスが帰ってこなければ、収容ユニット3(D)が計数ユニット2から偶数番目となる最後の収容ユニット3であると判断する。
【0091】
以上のように、第1動作シーケンスでは、計数ユニット2の制御部32の通信制御により複数の収容ユニット3の電源の起動タイミングをずらすようになっている。即ち、第1動作シーケンスでは、第1電源供給ライン181の全てのスイッチ171をオンした後、第2電源供給ライン182のスイッチ171をオンする。これにより、電源投入時の突入電流を抑制することが可能となる。
【0092】
収容ユニット3の電源制御部173は、計数ユニット2からの制御信号に基づいて、2系統の内部の電源供給ライン143及び電源供給ライン144のうちの1系統である電源供給ライン143をスイッチ171によりオン及びオフする。
【0093】
「第2動作シーケンス」
第2動作シーケンスは、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている、計数ユニット2側から数えて最も小さい奇数番目(1番目)となる収容ユニット3(A)への電源供給と並行して、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている、計数ユニット2側から数えて最も小さい偶数番目(2番目)となる収容ユニット3(B)への電源供給を行う。その後、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている、計数ユニット2側から数えて次に小さい奇数番目(3番目)となる収容ユニット3(C)への電源供給と並行して、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている、計数ユニット2側から数えて次に小さい偶数番目(4番目)となる収容ユニット3(D)への電源供給を行う。
【0094】
先ず、図13に太破線で示すように、計数ユニット2の制御部32が、第1電源供給ライン181を構成する電源供給ライン124上にある第1スイッチ135をオンすると共に、これと並行して、第2電源供給ライン182を構成する電源供給ライン125上にある第2スイッチ136をオンすると、図13に太実線で示すように、電源出力部123の出力系統128及び出力系統129に電源が出力される。
【0095】
すると、一方で、収容ユニット3(A)内の電源供給ライン143(A)に接続されている交流直流変換部172(A)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(A)に出力し、電源制御部173(A)を起動する。このとき、収容ユニット3(A)に電源が入り、収容ユニット3(A)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。また、他方で、収容ユニット3(A)の内の電源供給ライン144(A)及び収容ユニット3(B)内の電源供給ライン143(B)に接続されている交流直流変換部172(B)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(B)に出力し、電源制御部173(B)を起動する。このとき、収容ユニット3(B)に電源が入り、収容ユニット3(B)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0096】
次に、図14に示すように、計数ユニット2の制御部32が、I/F出力部138、収容ユニット3(A)のI/F入力部161(A)及び通信ライン162(A)を介して収容ユニット3(A)の電源制御部173(A)に向けて、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンするように制御信号を送信すると共に、これと並行して、I/F出力部138、収容ユニット3(A)のI/F入力部161(A)、通信ライン162(A)、I/F出力部163(A)、収容ユニット3(B)のI/F入力部161(B)及び通信ライン162(B)を介して収容ユニット3(B)の電源制御部173(B)に向けて、スイッチ171(B)で、電源供給ライン143(B)をオンするように制御信号を送信する。
【0097】
このような制御部32からの制御信号を受けると、収容ユニット3(A)の電源制御部173(A)が、収容ユニット3(A)のI/F入力部161(A)から入ってくる、上位側の計数ユニット2の制御部32からの制御信号に従い、図15に太実線で示すように、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンし、収容ユニット3(A)の電源出力部142(A)の出力系統155(A)に電源を供給させる。
【0098】
すると、収容ユニット3(B)の電源入力部141(B)の入力系統152(B)と、電源供給ライン144(B)と、電源出力部142(B)の出力系統156(B)と、収容ユニット3(C)の電源入力部141(C)の入力系統151(C)とに電源が供給される。その結果、収容ユニット3(C)内の電源入力部141(C)の入力系統151(C)及び電源供給ライン143(C)に接続されている交流直流変換部172(C)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(C)に出力し、電源制御部173(C)を起動する。このとき、収容ユニット3(C)に電源が入り、収容ユニット3(C)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0099】
制御部32からの制御信号を受けると、収容ユニット3(B)の電源制御部173(B)が、収容ユニット3(B)のI/F入力部161(B)から入ってくる、上位側の計数ユニット2の制御部32からの制御信号に従い、スイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンし、収容ユニット3(B)の電源出力部142(B)の出力系統155(B)に電源を供給させる。
【0100】
すると、収容ユニット3(C)の電源入力部141(C)の入力系統152(C)と、電源供給ライン144(C)と、電源出力部142(C)の出力系統156(C)とを介して、収容ユニット3(D)の電源入力部141(D)の入力系統151(D)に電源が供給される。その結果、電源入力部141(D)の入力系統151(D)及び電源供給ライン143(D)に接続されている交流直流変換部172(D)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(D)に出力し、電源制御部173(D)を起動する。このとき、収容ユニット3(D)に電源が入り、収容ユニット3(D)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0101】
なお、計数ユニット2に5台以上の収容ユニット3が接続される場合は、第1電源供給ライン181に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2側から数えて収容ユニット3(C)よりも遠い奇数番目の収容ユニット3と、第2電源供給ライン182に交流直流変換部172が接続されている、計数ユニット2から数えて収容ユニット3(D)よりも遠い偶数番目の収容ユニット3とについても、上記と同様の制御を、計数ユニット2に近い側から繰り返し行うことで、順に電源投入する。
【0102】
以上により、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている、計数ユニット2側から数えて奇数番目となる全ての収容ユニット3(A),3(C)の電源投入と、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている、計数ユニット2側から数えて偶数番目となる全ての収容ユニット3(B),3(D)の電源投入とが終了する。
【0103】
よって、収容ユニット3の電源入力部141には、その電源供給方向上流側に隣り合う計数ユニット2の2系統の電源供給ライン124及び電源供給ライン125、又はその電源供給方向上流側に隣り合う他の収容ユニット3の2系統の電源供給ライン143及び電源供給ライン144から電源が入力される。収容ユニット3の内部の電源供給ライン143及び電源供給ライン144は、この電源入力部141に接続されている。電源出力部142は、2系統の内部の電源供給ライン143及び電源供給ライン144に接続されており、紙葉類搬送方向下流側に配置される収容ユニット3へ向けた2系統の電源供給ライン143及び電源供給ライン144で電源を出力可能となる。
【0104】
以上に述べた第1実施形態の紙葉類処理装置1によれば、収容ユニット3は、計数ユニット2から2系統の電源供給ライン124及び電源供給ライン125で電源が供給されることになり、これら2系統の電源供給ライン124及び電源供給ライン125で供給される電源が、計数ユニット2のI/F出力部138から出力された制御信号で制御されることになる。よって、電源供給ライン124及び電源供給ライン125の1系統当たりの最大定格電流を抑えることが可能となる。従って、コスト増を抑制することが可能となる。
【0105】
また、収容ユニット3は、その電源制御部173が計数ユニット2からの制御信号に基づいて、2系統の内部の電源供給ライン143及び電源供給ライン144のうちの1系統の電源供給ライン143をスイッチ171によりオン及びオフするため、計数ユニット2からの通信制御により電源の起動タイミングを図れる(ずらせる)構成となる。これにより、電源投入時の突入電流を抑制することが可能となる。
【0106】
また、一の収容ユニット3のスイッチ171を有する1系統の内部の電源供給ライン143が、紙幣搬送方向下流側に隣り合う他の収容ユニット3のスイッチのない1系統の内部の電源供給ライン144とで同じ1系統の第1電源供給ライン181を構成し、この一の収容ユニット3のスイッチのない1系統の内部の電源供給ライン144が、紙幣搬送方向下流側に隣り合う他の収容ユニット3のスイッチ171を有する1系統の内部の電源供給ライン143とで同じ1系統の第2電源供給ライン182を構成するため、簡素な構造で一の収容ユニット3と他の収容ユニット3とに別々のタイミングで電源供給することができる。したがって、コスト増を更に抑制することが可能となる。
【0107】
また、第1動作シーケンスでは、第1電源供給ライン181の全てのスイッチ171をオンした後、第2電源供給ライン182のスイッチ171をオンするため、第1電源供給ライン181及び第2電源供給ライン182の1系統当たりの最大定格電流を抑えることができる。したがって、コスト増を抑制することが可能となる。
【0108】
また、収容ユニット3を複数台増設する場合であっても、収容ユニット3の数に応じて計数ユニット2側の構成を変更する必要がない。従って、安価に紙葉類処理装置1を構築できる。また、収容ユニット3が共通化されており、容易にバリエーションを増やすことができる。
【0109】
また、収容ユニット3を増設する場合であっても、全く同一の収容ユニット3を単純に追加していく構成で、安全に安価に紙葉類処理装置1を構築できる。
【0110】
通常は、第1動作シーケンスで、2系統の第1電源供給ライン181及び第2電源供給ライン182を交互に電力供給することになるが、計数ユニット2側の電源に余裕があることが予め見込まれる場合には、第2動作シーケンスで、2系統の第1電源供給ライン181及び第2電源供給ライン182に対して同時に(すなわち、並列に)電源を供給することにより、すべての収容ユニット3への電力供給が完了するまでの時間を短縮することが可能になる。
【0111】
[第2実施形態]
本発明に係る媒体処理装置の第2実施形態である紙葉類処理装置を、主に図16を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
【0112】
第1実施形態では、計数ユニット2が2系統の電源供給ライン124,125を有している。また、第1実施形態では、収容ユニット3が、2系統の電源供給ライン124,125から電源が入力される電源入力部141と、2系統の内部の電源供給ライン143,144と、2系統の電源供給ライン143,144で電源を出力可能な電源出力部142と、計数ユニット2からの制御信号に基づいて2系統の内部の電源供給ライン143,144のうちの1系統の内部の電源供給ライン143をスイッチ171によりオン及びオフする電源制御部173とを有している。更に、第1実施形態では、紙葉類処理装置1が、2系統の第1電源供給ライン181及び第2電源供給ライン182を有している。
【0113】
しかしながら、計数ユニット2は、少なくとも2系統の電源供給ラインを有していれば良い。また、収容ユニット3が、少なくとも2系統の電源供給ラインから電源が入力される電源入力部と、少なくとも2系統の内部の電源供給ラインと、少なくとも2系統の電源供給ラインで電源を出力可能な電源出力部と、計数ユニット2からの制御信号に基づいて少なくとも2系統の内部の電源供給ラインのうちの1系統の内部の電源供給ラインをスイッチによりオン及びオフする電源制御部を有していれば良い。更に、紙葉類処理装置1が、少なくとも2系統の電源供給ラインを有していれば良い。
【0114】
第2実施形態は、第1電源供給ライン181及び第2電源供給ライン182に加えて第3電源供給ライン183を有する紙葉類処理装置1である。よって、計数ユニット2が、第1電源接続部120及び第2電源接続部121に加えて第3電源接続部122を有しており、電源供給ライン124及び電源供給ライン125に加えて、第3電源接続部122に接続されると共に第3スイッチ137を有する電源供給ライン126を備えている。また、電源出力部123が、出力系統128及び出力系統129に加えて、電源供給ライン126に接続される出力系統130を有している。
【0115】
また、収容ユニット3が、電源供給ライン143及び電源供給ライン144に加えて電源供給ライン145を有しており、電源入力部141が、入力系統151及び入力系統152に加えて入力系統153を有している。また、電源出力部142が出力系統155及び出力系統156に加えて出力系統157を有している。入力系統153及び出力系統157が電源供給ライン145に接続されている。なお、紙葉類処理装置1が4つ以上の電源供給ラインを有する場合も同様である。
【0116】
第2実施形態として、例えば、図16に示すように、1台の計数ユニット2に6台の収容ユニット3が連設されて構成される紙葉類処理装置1を例にとり説明する。ここでは、6台の収容ユニット3及びそれぞれの構成を、紙幣搬送方向の計数ユニット2に近い側から順に、符号に(A),(B),(C),(D),(E),(F)を付けて区別する。
【0117】
第1電源接続部120から給電を受ける第1電源供給ライン181は、電源供給ライン124、電源出力部123の出力系統128、電源入力部141(A)の入力系統151(A)、電源供給ライン143(A)、電源出力部142(A)の出力系統155(A)、電源入力部141(B)の入力系統153(B)、電源供給ライン145(B)、電源出力部142(B)の出力系統157(B)、電源入力部141(C)の入力系統152(C)、電源供給ライン144(C)、電源出力部142(C)の出力系統156(C)、電源入力部141(D)の入力系統151(D)、電源供給ライン143(D)、電源出力部142(D)の出力系統155(D)、電源入力部141(E)の入力系統153(E)、電源供給ライン145(E)、電源出力部142(E)の出力系統157(E)、電源入力部141(F)の入力系統152(F)、電源供給ライン144(F)及び電源出力部142(F)の出力系統156(F)で構成されている。
【0118】
第2電源接続部121から給電を受ける第2電源供給ライン182は、電源供給ライン125、電源出力部123の出力系統129、電源入力部141(A)の入力系統152(A)、電源供給ライン144(A)、電源出力部142(A)の出力系統156(A)、電源入力部141(B)の入力系統151(B)、電源供給ライン143(B)、電源出力部142(B)の出力系統155(B)、電源入力部141(C)の入力系統153(C)、電源供給ライン145(C)、電源出力部142(C)の出力系統157(C)、電源入力部141(D)の入力系統152(D)、電源供給ライン144(D)、電源出力部142(D)の出力系統156(D)、電源入力部141(E)の入力系統151(E)、電源供給ライン143(E)、電源出力部142(E)の出力系統155(E)、電源入力部141(F)の入力系統153(F)、電源供給ライン145(F)及び電源出力部142(F)の出力系統157(F)で構成されている。
【0119】
第3電源接続部122から給電を受ける第3電源供給ライン183は、電源供給ライン126、電源出力部123の出力系統130、電源入力部141(A)の入力系統153(A)、電源供給ライン145(A)、電源出力部142(A)の出力系統157(A)、電源入力部141(B)の入力系統152(B)、電源供給ライン144(B)、電源出力部142(B)の出力系統156(B)、電源入力部141(C)の入力系統151(C)、電源供給ライン143(C)、電源出力部142(C)の出力系統155(C)、電源入力部141(D)の入力系統153(D)、電源供給ライン145(D)、電源出力部142(D)の出力系統157(D)、電源入力部141(E)の入力系統152(E)、電源供給ライン144(E)、電源出力部142(E)の出力系統156(E)、電源入力部141(F)の入力系統151(F)、電源供給ライン143(F)及び電源出力部142(F)の出力系統155(F)で構成されている。
【0120】
「第1動作シーケンス」
第1動作シーケンスは、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている収容ユニット3(A),3(D)に先に電源を供給した後、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている収容ユニット3(B),3(E)に電源を供給し、その後、交流直流変換部172を第3電源供給ライン183に接続させている収容ユニット3(C),3(F)に電源を供給する。この第1動作シーケンスは、突入電流を抑制する動作シーケンスとなっている。
【0121】
先ず、計数ユニット2の制御部32が、電源供給ライン124上にある第1スイッチ135をオンすると、収容ユニット3(A)の電源供給ライン143(A)に接続されている交流直流変換部172(A)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(A)に出力し、電源制御部173(A)を起動する。このとき、収容ユニット3(A)に電源が入り、収容ユニット3(A)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0122】
次に、計数ユニット2の制御部32が、収容ユニット3(A)の電源制御部173(A)に向けて、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンするように制御信号を送信し、この制御信号を受けて、電源制御部173(A)が、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンする。
【0123】
すると、収容ユニット3(A)の電源供給ライン143(A)から、収容ユニット3(B)の電源供給ライン145(B)と、収容ユニット3(C)の電源供給ライン144(C)と、収容ユニット3(D)の電源供給ライン143(D)とを介して、収容ユニット3(D)の交流直流変換部172(D)に電源を供給し、交流直流変換部172(D)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(D)に出力して、電源制御部173(D)を起動する。このとき、収容ユニット3(D)に電源が入り、収容ユニット3(D)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。このようにして、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている収容ユニット3(A),3(D)に電源を供給する。
【0124】
上記のようにして、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている収容ユニット3(A),3(D)に電源を供給した後、計数ユニット2の制御部32が、電源供給ライン125上にある第2スイッチ136をオンすると、収容ユニット3(A)の電源供給ライン144(A)を介して収容ユニット3(B)の電源供給ライン143(B)から交流直流変換部172(B)に電源を供給し、交流直流変換部172(B)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(B)に出力して、電源制御部173(B)を起動する。このとき、収容ユニット3(B)に電源が入り、収容ユニット3(B)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0125】
次に、計数ユニット2の制御部32が、収容ユニット3(B)の電源制御部173(B)に向けて、スイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンするように制御信号を送信する。この制御信号を受けて、電源制御部173(B)が、スイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンする。
【0126】
すると、収容ユニット3(B)の電源供給ライン143(B)から、収容ユニット3(C)の電源供給ライン145(C)と、収容ユニット3(D)の電源供給ライン144(D)と、収容ユニット3(E)の電源供給ライン143(E)とを介して、収容ユニット3(E)の交流直流変換部172(E)に電源を供給し、交流直流変換部172(E)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(E)に出力して、電源制御部173(E)を起動する。このとき、収容ユニット3(E)に電源が入り、収容ユニット3(E)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。このようにして、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている収容ユニット3(B),3(E)に電源を供給する。
【0127】
上記のようにして、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている収容ユニット3(B),3(E)に電源を供給した後、計数ユニット2の制御部32が、電源供給ライン126上にある第3スイッチ137をオンすると、収容ユニット3(A)の電源供給ライン145(A)、収容ユニット3(B)の電源供給ライン144(B)及び収容ユニット3(C)の電源供給ライン143(C)を介して収容ユニット3(C)の交流直流変換部172(C)に電源を供給し、交流直流変換部172(C)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(C)に出力して、電源制御部173(C)を起動する。このとき、収容ユニット3(C)に電源が入り、収容ユニット3(C)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0128】
次に、計数ユニット2の制御部32が、収容ユニット3(C)の電源制御部173(C)に向けて、スイッチ171(C)で、電源供給ライン143(C)をオンするように制御信号を送信する。この制御信号を受けて、電源制御部173(C)が、スイッチ171(C)で電源供給ライン143(C)をオンする。
【0129】
すると、収容ユニット3(C)の電源供給ライン143(C)から、収容ユニット3(D)の電源供給ライン145(D)と、収容ユニット3(E)の電源供給ライン144(E)と、収容ユニット3(F)の電源供給ライン143(F)とを介して、収容ユニット3(F)の交流直流変換部172(F)に電源を供給し、交流直流変換部172(F)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(F)に出力して電源制御部173(F)を起動する。このとき、収容ユニット3(F)に電源が入り、収容ユニット3(F)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。このようにして、交流直流変換部172を第3電源供給ライン183に接続させている収容ユニット3(C),3(F)に電源を供給する。
【0130】
第2実施形態の第1動作シーケンスは、突入電流を抑制して電源投入することが可能となる。また、電源系統を第1電源供給ライン181、第2電源供給ライン182及び第3電源供給ライン183の3系統に分けたことにより、第1実施形態の構成に比べて、1系統当たりの最大定格電流値を更に抑えることができる。
【0131】
「第2動作シーケンス」
第2動作シーケンスは、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている収容ユニット3(A)への電源供給と並行して、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている収容ユニット3(B)に電源を供給し、これらと並行して、交流直流変換部172を第3電源供給ライン183に接続させている収容ユニット3(C)に電源を供給する。その後、交流直流変換部172を第1電源供給ライン181に接続させている収容ユニット3(D)への電源供給と並行して、交流直流変換部172を第2電源供給ライン182に接続させている収容ユニット3(E)に電源を供給し、これらと並行して、交流直流変換部172を第3電源供給ライン183に接続させている収容ユニット3(F)に電源を供給する。
【0132】
先ず、計数ユニット2の制御部32が、電源供給ライン124上にある第1スイッチ135をオンすると共に、これと並行して電源供給ライン125上にある第2スイッチ136をオンし、更に、これらと並行して電源供給ライン126上にある第3スイッチ137をオンする。すると、収容ユニット3(A)内の電源供給ライン143(A)に接続されている交流直流変換部172(A)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(A)に出力し、電源制御部173(A)を起動する。このとき、収容ユニット3(A)に電源が入り、収容ユニット3(A)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。また、収容ユニット3(B)内の電源供給ライン143(B)に接続されている交流直流変換部172(B)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(B)に出力し、電源制御部173(B)を起動する。このとき、収容ユニット3(B)に電源が入り、収容ユニット3(B)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。更に、収容ユニット3(C)内の電源供給ライン143(C)に接続されている交流直流変換部172(C)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(C)に出力し、電源制御部173(C)を起動する。このとき、収容ユニット3(C)に電源が入り、収容ユニット3(C)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0133】
次に、計数ユニット2の制御部32が、収容ユニット3(A)の電源制御部173(A)に向けて、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンするように制御信号を送信すると共に、これと並行して収容ユニット3(B)の電源制御部173(B)に向けて、スイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンするように制御信号を送信し、更に、これらと並行して収容ユニット3(C)の電源制御部173(C)に向けて、スイッチ171(C)で電源供給ライン143(C)をオンするように制御信号を送信する。
【0134】
制御信号を受けて、収容ユニット3(A)の電源制御部173(A)が、スイッチ171(A)で電源供給ライン143(A)をオンし、収容ユニット3(B)の電源制御部173(B)が、スイッチ171(B)で電源供給ライン143(B)をオンし、収容ユニット3(C)の電源制御部173(C)が、スイッチ171(C)で電源供給ライン143(C)をオンする。
【0135】
すると、収容ユニット3(A)の電源供給ライン143(A)から、収容ユニット3(B)の電源供給ライン145(B)と、収容ユニット3(C)の電源供給ライン144(C)と、収容ユニット3(D)の電源供給ライン143(D)とを介して、収容ユニット3(D)の交流直流変換部172(D)に電源を供給し、交流直流変換部172(D)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(D)に出力して電源制御部173(D)を起動する。このとき、収容ユニット3(D)に電源が入り、収容ユニット3(D)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0136】
また、収容ユニット3(B)の電源供給ライン143(B)から、収容ユニット3(C)の電源供給ライン145(C)と、収容ユニット3(D)の電源供給ライン144(D)と、収容ユニット3(E)の電源供給ライン143(E)とを介して、収容ユニット3(E)の交流直流変換部172(E)に電源を供給し、交流直流変換部172(E)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(E)に出力して、電源制御部173(E)を起動する。このとき、収容ユニット3(E)に電源が入り、収容ユニット3(E)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0137】
更に、収容ユニット3(C)の電源供給ライン143(C)から、収容ユニット3(D)の電源供給ライン145(D)と、収容ユニット3(E)の電源供給ライン144(E)と、収容ユニット3(F)の電源供給ライン143(F)とを介して、収容ユニット3(F)の交流直流変換部172(F)に電源を供給し、交流直流変換部172(F)が交流電流を直流電流に変換して電源制御部173(F)に出力して、電源制御部173(F)を起動する。このとき、収容ユニット3(F)に電源が入り、収容ユニット3(F)の駆動部品やセンサなどが駆動可能な状態となる。
【0138】
以上により、全ての収容ユニット3(A)~3(F)の電源投入が終了する。
【0139】
第2実施形態の第2動作シーケンスも、第1動作シーケンスよりも電源投入の時短を図ることができる。
【0140】
なお、以上においては、紙葉類処理装置1の収容ユニット3が紙葉類を分類収容する場合を例にとり説明したが、これに限定されることはなく、紙葉類の処理を行うユニットであれば良い。
【0141】
また、以上においては、媒体処理装置として、媒体としての紙葉類を処理する紙葉類処理装置を例にとり説明したが、媒体として硬貨を処理する硬貨処理装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0142】
1 紙葉類処理装置(媒体処理装置)
2 計数ユニット(媒体計数本体部)
3 収容ユニット(媒体処理ユニット)
27A 連結搬送構成部(媒体搬送路)
124~126 電源供給ライン
138 I/F出力部
141 電源入力部
142 電源出力部
143~145 電源供給ライン
171 スイッチ(スイッチ手段)
173 電源制御部
S 紙葉類(媒体)
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