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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】硬さ基準片
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/42 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G01N3/42 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018133958
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2020012689
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】518253266
【氏名又は名称】アルミエース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122552
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】森 雅哉
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-193046(JP,A)
【文献】特開平11-083717(JP,A)
【文献】特開2014-035236(JP,A)
【文献】特開2008-139220(JP,A)
【文献】特開2012-078307(JP,A)
【文献】特開2012-185114(JP,A)
【文献】特開平09-264832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬さ試験機の圧子を押し当てて圧痕を形成する平坦な試験面に、形成した総ての前記圧痕が隣接するもの同士で所定幅以上の間隔を有して整列するように前記圧子の打点位置を決める際の目視的なガイドとなるガイド模様が表示された硬さ基準片であって、前記ガイド模様は線の組合わせによる線図からなり、前記打点位置を示す部分の中心が少なくとも前記試験面の端縁から所定距離以上離れており、前記ガイド模様は、隣接する前記圧痕間で確保すべき距離と同等の直径を有した曲線からなる複数個の円を互いに近接又は密着した状態で均一に配置してなる円模様であり、前記円の中心が前記打点の中心位置となる、ことを特徴とした硬さ基準片。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬さ試験機の精度管理及び校正を行う際に用いる硬さ基準片に関し、殊に、圧痕の間隔を適正に確保しながら試験面をまんべんなく効率的に使用できるようにした硬さ基準片に関する。
【背景技術】
【0002】
工業材料や工業製品における表面の硬さを検証するための試験機としては、ロックウェル硬さ試験機やブリネル硬さ試験機が周知であるが、その精度管理や校正を行う際には、JISやISO等の規格に準拠した硬さ基準片が用いられるのが通常である。そして、その硬さ基準片としては、所定の金属材料を一定の厚さを有した円盤状に形成したものが広く用いられている。
【0003】
斯かる硬さ試験では、上述した硬さ基準片の試験面に硬さ試験機の圧子を所定圧力で押し込んで圧痕(くぼみ)を形成することを繰り返して行われるが、圧痕同士の間隔が近すぎると測定値に誤差が生じることから、圧痕の直径dの所定倍数以上の間隔Wを設ける必要がある。そのため、図11に示すように、試験を実施する前に円形の硬さ基準片の試験面に間隔Wを縦横に有した格子状のガイド模様を油性ペン等で予め描いておき、その各交点を圧子による打点(押圧点)の目標にして試験を行うことが多い。
【0004】
しかし、硬さ基準片に前述のようなガイド模様を予め正確に描いておくことは、試験の実施者にとって大きな手間であり、且つ、油性ペンで描いた格子模様は摩擦や洗浄によって不明瞭になって、使用していくうちに打点の正確な位置決めが難しい状態になりやすい。また、格子模様における縦と横の線の交点を打点にして圧痕を形成することから、その線の存在が圧痕における直径dの正確な測定を妨げる要因になってしまうこともある。
【0005】
また、例えば一辺100mmの正方形の試験面に9mm間隔で格子模様を表示した場合は100個の交点(打点)が確保できるのに対し、図11に示すように、直径100mmの円盤状の硬さ基準片に9mmの間隔Wによる格子模様を表示して、端縁から6.5mm以上離れた交点を打点にする場合は、最大でも76個しか確保できない。仮に、円形のものを正方形のものと同じ表面積まで拡大した場合でも、最大で88個にとどまることから、円形の硬さ基準片は打点の数の確保において効率が悪いと言わざるを得ない。
【0006】
このような問題に対し、特開昭61-193046号公報の図1には、圧痕よりも大きな径の通孔を所定間隔で予め設けた硬さ基準片用の位置決めシールが記載されており、これを円形の試験面に貼付してから、位置決めシールの各通孔を位置決め用のガイドに使用して硬さ試験機の圧子を押圧する方式が提案されている。これにより、正確且つ容易に圧子の位置決めが行えるとともに、試験面を無駄なく効率的に使用することができる。
【0007】
しかしながら、この技術においては、硬さ基準片とは別に位置決めシールを購入するコストがかかることに加え、試験の実施者がその位置決めシールを硬さ基準片に対し予め正確に貼付しておく手間を要することになる。また、洗浄作業等で位置決めシールが部分的に剥がれた場合には、これを再度正確に貼り付けることも容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開昭61-193046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、硬さ基準片について、手間やコストの過剰な増大を伴うことなく、圧痕の間隔を適正に確保しながら試験面を効率的に使用できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、硬さ試験機の圧子を押し当てて圧痕を形成する平坦な試験面に、形成した総ての圧痕が隣接するもの同士で所定幅以上の間隔を有して整列するように圧子の打点位置を決める際の目視的なガイドとなるガイド模様が表示された硬さ基準片であって、そのガイド模様は線の組合わせによる線図からなり、その打点位置を示す部分の中心が少なくとも試験面の端縁から所定距離以上離れている、ことを特徴とするものとした。
【0011】
このように、硬さ基準片の試験面に圧痕を適正な間隔で整列して設けるためのガイド模様を予め設けておくことで、試験の実施者が自分でガイド模様を描く手間を要さないものとなるが、そのガイド模様を線図からなるものとしたことで、それを表示するために過剰なコストアップを伴うことがなく、それによる打点の位置が試験面の端縁から所定距離以上離れるものとしたことで、試験方法の基準に合致させながら試験面を効率的に使用やすいものとなる。
【0012】
また、この硬さ基準片において、そのガイド模様は、複数本の直線が等間隔で並列した平行線群にこれと同じ間隔を有した複数本の直線による平行線群を重ねて互いに90度又は120度の角度で交差させてなる格子模様又はダイヤ模様、或いは前記ダイヤ模様に前記平行線群と同じ構成による第3の前記平行線群を重ねて直線が交差している120度の内角を各々二等分するように交差させてなる正三角形模様であり、各直線が交差する交点の位置が打点の中心位置となる、ことを特徴としたものとすれば、硬さ試験機の形状により打点位置が見にくい状態になる場合であっても、交点に向かう線の向きを基準にすることで位置合わせを行いやすいものとなる。
【0013】
或いは、そのガイド模様は、隣接する圧痕間で確保すべき距離と同等の直径を有した曲線からなる複数個の円を互いに近接又は密着した状態で均一に配置してなる円模様であり、その各円の中心が打点の中心位置となることを特徴としたものとすれば、圧子の位置合わせがさらに容易になるとともに、その模様の存在が圧痕の直径を測定する際に邪魔になりにくいものとなる。
【0014】
さらにまた、上述した硬さ基準片において、そのガイド模様は、打点位置となる部分に、形成される圧痕の1.3倍以下の直径で圧痕の外周が総て内側に収まるサイズの曲線で形成された円が内側部分を無地にして設けられており、その円の中心が打点の中心位置となることを特徴としたものとすれば、圧痕に近いサイズの円の表示により圧子の位置合わせが一層容易になるとともに、線による交点の位置に無地の円が配置されたことで、圧痕の直径を測定する際の妨げになりにくいものとなる。
【0015】
或いは、そのガイド模様は、打点位置となる部分に、形成した圧痕が総て収まるサイズ及び形状で線の表示がない無地部分が設けられており、その無地部分の周囲の線模様から打点の中心位置を推定して決定することができる、ことを特徴としたものとすれば、周囲の直線や曲線から比較的容易に打点の中心位置が推定できることに加え、その部分が完全な無地であることが圧痕の直径を一層測定しやすいものとなる。
【0016】
加えて、上述した硬さ基準片は、その試験面が正方形の金属プレートからなることを特徴としたものとすれば、円形の試験面と比べて多くの打点を設けやすい効率的なものとなる。
【0017】
また加えて、上述した硬さ基準片は、アルミ合金からなることを特徴としたものとすれば、比重が軽いことで扱いやすくなるとともに、腐食に強く安定性に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0018】
圧痕を適正な間隔で整列させるためのガイド模様を試験面に予め表示した本発明によると、手間やコストの過剰な増大を伴うことなく圧痕の間隔を適正に確保しながら試験面を効率的に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明における第1の実施の形態である硬さ基準片の正面図である。
図2図1の硬さ基準片の変形例を示す正面図である。
図3図2の硬さ基準片の応用例を示す正面図である。
図4】本発明における第2の実施の形態である硬さ基準片の正面図である。
図5図4の硬さ基準片の変形例を示す正面図である。
図6図5の硬さ基準片の応用例を示す正面図である。
図7】本発明における第3の実施の形態である硬さ基準片の正面図である。
図8図7の硬さ基準片の応用例を示す正面図である。
図9】本発明における第4の実施の形態である硬さ基準片の正面図である。
図10図9の硬さ基準片の応用例を示す正面図である。
図11】従来例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明における第1の実施の形態としての硬さ基準片1Aを示している。この硬さ基準片1Aは、試験面10aが正方形で所定の厚さを有したプレート状の金属片10からなり、硬さ試験機の圧子を押し当てて圧痕を形成する平坦な試験面10aに、形成した総ての圧痕が隣接するもの同士で所定幅以上の間隔を有して整列するように圧子の打点位置を決める際の目視的なガイドとして用いられるガイド模様100が、予め印刷等で表示されている点を特徴としている。
【0022】
そのガイド模様100は、線の組合わせによる線図からなるものであり、複数本の直線が等間隔で並列した平行線群に、これと同じ間隔を有した複数本の直線による平行線群を重ねて互いに90度の角度で交差させてなる格子模様を試験面10aに設けたものであり、その打点の中心位置を示す各交点が少なくとも試験面10aの端縁から試験方法の基準に準拠した所定の距離以上離れたものとなっている。
【0023】
このように、試験面10aに圧痕を適正な間隔で整列して設けるためのガイド模様100を予め設けたことで、試験の実施者が打点位置を決定するためのガイド模様を予め自ら描く手間を要さないものとなる。また、そのガイド模様100が線図で構成されていることから、それを表示するのが比較的容易であるため、その導入に際して過剰なコストアップを伴うことがない。さらに、ガイド模様100による打点の中心位置が試験面10aの端縁から所定距離以上離れる構成としたことで、適用する試験の基準に合致させながら試験面10aを効率的に使用やすいものとなっている。
【0024】
例えば、JISのブリネル硬さ試験では、2つの隣接する圧痕(くぼみ)の中心間の距離は、圧痕の直径dの3倍以上、圧痕の中心から試験面の縁までの距離は圧痕の直径dの2.5倍以上とされているが、圧痕の直径dを2.5mmとしてこの基準を適用する場合は、一辺100mmの正方形の試験面10aを有した金属片10であれば、縦横9mmピッチで図のような格子模様を表示すれば良い。これにより、100個の交点による打点位置を確保できることから、図11に示した円形の硬さ基準片の76個と比べて効率的であることが分かる。
【0025】
図2は、前述した硬さ基準片1Aの変形例としての硬さ基準片1Bを示している。この硬さ基準片1Bは、前述のガイド模様100における打点位置となる交点部分に形成される圧痕の1.3倍以下の径で圧痕の外周が総て内側に収まるサイズの曲線で形成された円が内側部分を無地にして設けられたガイド模様110を試験面11aに表示している点を特徴としており、その円の中心が打点の中心位置となるものである。
【0026】
その打点位置を示す円形のサイズとしては、例えば圧痕の直径dが2.5mmの場合は、内側の無地部分となる内径を3mm程度とすれば良い。このようなガイド模様110を設けることで、圧痕に近いサイズの円の表示により圧子の位置合わせが一層容易になるとともに、線による交点の位置に無地の円形が配置されているため、圧痕の直径測定の際に妨げになりにくいものとなる。
【0027】
図3は前述した硬さ基準片1Bの応用例としての硬さ基準片1Cを示している。この硬さ基準片1Cでは、試験面12aに表示したガイド模様120が長方形の格子模様をベースにしているものの、その打点位置となる円の配置を、隣接するもの同士の間隔が総て同距離になるようにした点を特徴としており、例えば打点の中心位置の間隔を9mm、端縁からの距離を7mmとした場合は、120個の打点位置を確保できるため、試験面12aを一層効率的に使用することができる。
【0028】
図4は、本発明における第2の実施の形態としての硬さ基準片1Dを示している。この硬さ基準片1Dは、その試験面13aに表示したガイド模様130が、複数本の直線が等間隔で並列した平行線群に、これと同じ間隔を有した複数本の直線による平行線群を重ねて120度(及び60度)の角度で交差させたダイヤ模様となっている点を特徴としている。
【0029】
このガイド模様130において打点の中心位置となる交点の位置は、図3の硬さ基準片1Cにおけるガイド模様120の円の中心位置と一致しており、これと同様に打点の中心位置の間隔を9mm、端縁からの距離を7mmとした場合は、120個の打点位置を確保できるため、前述と同様に試験面13aを効率的に使用できるものとなる。また、このガイド模様130の各交点を、図5に示す硬さ基準片1Eのように内側を無地の円にしたガイド模様140としても良い。
【0030】
図6は、前述した硬さ基準片1Eの応用例としての硬さ基準片1Fを示している。この硬さ基準片1Fは、そのガイド模様150が、ダイヤ模様の交点の位置に相当して打点位置となる部分に、形成した圧痕が総て収まるサイズ及び形状で線の表示がない無地部分が設けられており、その無地部分の周囲の線模様から打点の中心位置を推定して決定できるようにした点を特徴としている。具体的には、前述した硬さ基準片1Eの円が配置された部分を線のない無地にしたものであるが、周囲の直線から比較的容易に打点の中心位置が推定できるとともに、その部分が完全な無地であることが圧痕の直径測定を一層行いやすいものとしている。
【0031】
図7は、本発明における第3の実施の形態としての硬さ基準片1Gを示している。この硬さ基準片1Gにおけるガイド模様160は、図4の硬さ基準片1Dにおけるガイド模様130を形成しているダイヤ模様に、直線の間隔が同じ第3の平行線群を重ねて直線が交差している120度の内角を各々二等分するように交差させてなる正三角形模様であり、各直線が交差する交点の位置が各々打点の中心位置となることを特徴としており、3本の直線が60度ピッチで交差していることにより、打点の位置合わせが一層容易なものとなっている。
【0032】
図8は、前述した硬さ基準片1Gの応用例としての硬さ基準片1Hを示している。この硬さ基準片1Hにおけるガイド模様170は、硬さ基準片1Fと同様に直線の交点位置に相当して打点の中心位置となる部分に、形成した圧痕が総て収まるサイズ及び形状で線の表示がない無地部分が設けられており、その無地部分の周囲の線模様から、打点の中心位置を推定して決定可能としたものであるが、6方向から集まる直線の存在により、打点の中心位置の推定が一層容易なものとなっている。
【0033】
図9は、本発明における第4の実施の形態としての硬さ基準片1Iを示している。この硬さ基準片1Iは、その試験面18aに表示したガイド模様180が、隣接する圧痕間で確保すべき距離と同等の直径を有した曲線からなる複数個の円181を互いに密着した状態で均一に配置してなる円模様とされており、その各円181の中心が打点の中心位置となることを特徴としている。
【0034】
また、そのガイド模様180は、各円181の中央部で打点位置となる部分に、形成される圧痕の1.3倍以下の径で圧痕の外周が総て内側に収まるサイズの曲線で形成された円182が内側部分を無地にして設けられており、その円182の中心が打点の中心位置となる。このように、形成する圧痕に近いサイズの小さな円182がそれよりも大きな円181の中央部に表示されていることで、圧子の位置合わせが一層容易になるとともに、打点位置に無地の円形が配置されていることで圧痕の直径測定の際の妨げになりにくいものとなる。
【0035】
図10は、前述した硬さ基準片1Iの応用例としての硬さ基準片1Jを示している。この硬さ基準片1Jは、そのガイド模様190が硬さ基準片1Iにおけるガイド模様180と同様の円191を密着状態で均一に配置した円模様となっているが、その内部において小さな円182を配置する代わりに、2本の直線が直角に交差した十字形の中央部に圧痕が総て収まるサイズ及び形状で線の表示がない無地部分を設けてなる十字192が表示されている点を特徴としている。
【0036】
その十字192中央の無地部分の中心が打点の中心位置となるが、その周囲で十字形をなす線模様から打点の中心位置を容易に推定して決定できるようになっている。また、その十字192の周囲に円191が配置されていることで、大まかな位置決めを短時間で行うことができ、それに引き続いて内部の十字192を使用して精密な位置決めを行えることから、短時間で精密な位置決めを行うことができる。
【0037】
尚、上述した実施の形態において、硬さ基準片1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1Jでは打点の数が120個である場合を説明したが、その上下側の端縁との間隔を、試験における規格が許す範囲で縮小しながら横方向10個の1列を追加することにより、打点の数を130個まで増加することもできる。
【0038】
また、上述した硬さ基準片1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1Jの本体部であるプレート状の金属片10,11,12,13,14,15,16,17,18,19の素材としては、含有する金属の種類及び割合と処理方法を適宜調整しながら所望の表面硬度を実現したアルミ合金製のものが推奨され、鉄と比較して比重が軽く耐腐食性に優れている点において硬さ基準片として好適なものとなる。
【0039】
さらに、上述した実施の形態において、そのガイド模様100,110,120,130,140,150,160,170,180,190の表示方法として印刷によるものを例示したが、試験性能に影響を与えない限り、転写や捺印による表示、或いは機会掘りやレーザーによる刻印等、他の方法によるものも可能である。加えて、上述の説明においてはJISによるブリネル硬さ試験を実施する場合を例示したが、ISO等の他の規格やロックウェル硬さ試験等の他の試験方法においても、本発明は上述と同様の作用・効果が期待できるものである。
【0040】
以上、述べたように、硬さ基準片について、本発明により手間やコストの過剰な増大を伴うことなく、圧痕の間隔を適正に確保しながら試験面を効率的に使用できるようになった。
【符号の説明】
【0041】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J 硬さ基準片、10,11,12,13,14,15,16,17,18,19 金属片、10a,11a,12a,13a,14a,15a,16a,17a,18a,19a 試験面、100,110,120,130,140,150,160,170,180,190 ガイド模様、181,182,191 円、192 十字
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11