(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】半導体光位相変調器、ハイブリッド変調器及びSSB変調器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/025 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G02F1/025
(21)【出願番号】P 2019043986
(22)【出願日】2019-03-11
【審査請求日】2021-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】井上 大介
(72)【発明者】
【氏名】山下 達弥
(72)【発明者】
【氏名】市川 正
(72)【発明者】
【氏名】中尾 朱里
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】小田 敏宏
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-151538(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0142019(US,A1)
【文献】特開2016-130772(JP,A)
【文献】特開2015-215477(JP,A)
【文献】特開2018-146736(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108107507(CN,A)
【文献】特開2018-141821(JP,A)
【文献】特表2002-540469(JP,A)
【文献】Subhradeep Pal and Sumanta Gupta,Proposal and Analysis of a Silicon MMI Coupler-Based Electronically Controllable Photonic Switch,IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,米国,IEEE,2016年03月23日,Volume: 22, Issue: 6,pp.3600214-1 - 3600214-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
1/21-7/00
G02B 6/12-6/14
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルモードの光をマルチモードの光に変換し、光の干渉により鏡像が形成される第1の箇所、及び、前記第1の箇所より光のパワー密度が低い第2の箇所を有し、干渉させた光を伝播するマルチモード導波路と、
伝播する光を前記第2の箇所で挟むように対向して設けられ
ると共に前記第1の箇所に設けられることなく、それぞれが周囲の領域のドーピング濃度より高いドーピング濃度を有する一対のチャネルと、
を備える半導体光位相変調器。
【請求項2】
前記マルチモード導波路は、多モード干渉導波路である、
請求項1に記載の半導体光位相変調器。
【請求項3】
前記一対のチャネルは、互いに異なる導電型であり、
前記チャネルにおける光に近接する部分に、ドーピング濃度が他の部分より低い低濃度部を有する、
請求項1又は2に記載の半導体光位相変調器。
【請求項4】
前記一対のチャネルは、互いに異なる導電型であり、
前記チャネルにおける光に近接する部分に、隣接する前記マルチモードの光の隙間に向かって突出するように設けられた突出部を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体光位相変調器。
【請求項5】
前記一対のチャネルは、互いに異なる導電型であり、PN接合と前記マルチモードの光とが重なるように、前記マルチモード導波路の内側で接合する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体光位相変調器。
【請求項6】
前記一対のチャネルのうちP型の前記チャネルを光の伝播する方向に直交する面で断面した際の断面積が、前記一対のチャネルのうちN型の前記チャネルの前記断面積より大きい、
請求項5に記載の半導体光位相変調器。
【請求項7】
前記第2の箇所において隣接する前記マルチモードの光の間に、周囲の領域より高いドーピング濃度を有するP型の高濃度部が設けられている、
請求項6に記載の半導体光位相変調器。
【請求項8】
前記マルチモード導波路は、位相変調部と、前記位相変調部に接続され前記位相変調部に向かうに従って断面積が大きくなる第1の入力導波路を有し、
前記第1の入力導波路によって前記位相変調部に入力される前記シングルモードの光のパワー密度を低下させる、
請求項1に記載の半導体光位相変調器。
【請求項9】
前記マルチモード導波路は、位相変調部と、前記位相変調部に接続され前記位相変調部に向かうに従って断面積が小さくなる第2の入力導波路を有し、
前記第2の入力導波路によって前記位相変調部に入力される前記シングルモードの光のパワー密度を低下させる、
請求項1に記載の半導体光位相変調器。
【請求項10】
前記一対のチャネルの間に、前記一対のチャネルのそれぞれに接合して設けられた中間部を更に備え、
前記一対のチャネル及び前記中間部は、同じ導電型である、
請求項1又は2に記載の半導体光位相変調器。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体光位相変調器と、
前記半導体光位相変調器に接合された誘電体の第3の入力導波路と、
を備えるハイブリッド変調器。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体光位相変調器、
を備えるSSB変調器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光位相変調器、並びに、この半導体光位相変調器を用いたハイブリッド変調器及びSSB変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザレーダー探知機のレーザ光源やSSB(Single Side Band)変調器等において使用される光位相変調器として、特許文献1に記載の半導体光変調素子や、特許文献2に記載の光変調器が知られている。特許文献1の半導体光変調素子及び特許文献2の光変調器では、伝播する光の導波路としてシリコン(Si)等の半導体材料が用いられている。以下、半導体光位相変調器を、単に「位相変調器」とも称する。
【0003】
Si等を用いた位相変調器では、キャリア密度の変化に応じて導波路中での光の屈折率が変化するキャリアプラズマ効果の応用によって、入力光の位相を変化させて出力可能である。具体的には、導波路中の特定の位置に、電界を印加、或いは電流を注入するためのチャネルを設けてキャリア密度を増大させることによって、キャリアプラズマ効果を発生させることが可能である。キャリアプラズマ効果による変調の場合、ヒーター等で導波路を加熱して屈折率を変化させる変調の場合と比べ、変調動作の線形性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-190492号公報
【文献】特開2017-173365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位相変調器が、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)のように強い投光パワーが求められる装置の中で使用される場合、求められる投光パワーに応じて、位相変調器に入力される光も高出力(ハイパワー)になる。
【0006】
ここで、位相変調器の導波路がシングル(単一)モードの光を伝搬するシングルモード導波路である場合、導波路の断面積が比較的小さくなることによって、導波路中での光のパワー密度が高くなる傾向がある。光のパワー密度が高くなると、二光子吸収等の非線形効果の影響が大きくなるため、変調制御が困難になるという問題がある。
【0007】
また、キャリア密度が増大すると自由(フリー)キャリアが多く発生するため、散乱の影響が大きくなり、光学損失が増加するという問題がある。特に、鏡像が形成されるような光のパワー密度が高い部分に対してチャネルが設けられると、パワー密度の高さと相俟ってキャリア密度が更に増大し、光学損失が一層増加するという問題がある。
【0008】
本発明は上記した問題に着目して為されたものであって、変調する光が高出力であっても光学損失を低減できる位相変調器、ハイブリッド変調器及びSSB変調器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の半導体光位相変調器は、シングルモードの光をマルチモードの光に変換し、光の干渉により鏡像が形成される第1の箇所、及び、前記第1の箇所より光のパワー密度が低い第2の箇所を有し、干渉させた光を伝播するマルチモード導波路と、伝播する光を前記第2の箇所で挟むように対向して設けられ、それぞれが周囲の領域のドーピング濃度より高いドーピング濃度を有する一対のチャネルと、を備える。
【0010】
請求項2に記載の半導体光位相変調器では、前記マルチモード導波路は、多モード干渉導波路である。
【0011】
請求項3に記載の半導体光位相変調器では、前記一対のチャネルは、互いに異なる導電型であり、前記チャネルにおける光に近接する部分に、ドーピング濃度が他の部分より低い低濃度部を有する。
【0012】
請求項4に記載の半導体光位相変調器では、前記一対のチャネルは、互いに異なる導電型であり、前記チャネルにおける光に近接する部分に、隣接する前記マルチモードの光の隙間に向かって突出するように設けられた突出部を有する。
【0013】
請求項5に記載の半導体光位相変調器では、前記一対のチャネルは、互いに異なる導電型であり、PN接合と前記マルチモードの光とが重なるように、前記マルチモード導波路の内側で接合する。
【0014】
請求項6に記載の半導体光位相変調器では、前記一対のチャネルのうちP型の前記チャネルを光の伝播する方向に直交する面で断面した際の断面積が、前記一対のチャネルのうちN型の前記チャネルの前記断面積より大きい。
【0015】
請求項7に記載の半導体光位相変調器では、前記第2の箇所において隣接する前記マルチモードの光の間に、周囲の領域より高いドーピング濃度を有するP型の高濃度部が設けられている。
【0016】
請求項8に記載の半導体光位相変調器では、前記マルチモード導波路は、位相変調部と、前記位相変調部に接続され前記位相変調部に向かうに従って断面積が大きくなる第1の入力導波路を有し、前記第1の入力導波路によって前記位相変調部に入力される前記シングルモードの光のパワー密度を低下させる。
【0017】
請求項9に記載の半導体光位相変調器では、前記マルチモード導波路は、位相変調部と、前記位相変調部に接続され前記位相変調部に向かうに従って断面積が小さくなる第2の入力導波路を有し、前記第2の入力導波路によって前記位相変調部に入力される前記シングルモードの光のパワー密度を低下させる。
【0018】
請求項10に記載の半導体光位相変調器では、前記一対のチャネルの間に、前記一対のチャネルのそれぞれに接合して設けられた中間領域を更に備え、前記一対のチャネル及び前記中間部は、同じ導電型である。
【0019】
請求項11に記載のハイブリッド変調器は、請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体光位相変調器と、前記半導体光位相変調器に接合された誘電体の第3の入力導波路と、を備える。
【0020】
請求項12に記載のSSB変調器は、請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体光位相変調器を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る位相変調器、ハイブリッド変調器及びSSB変調器によれば、変調する光が高出力であっても光学損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1(A)は、本発明の実施形態に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図であり、
図1(B)は、
図1(A)中の1B-1B線の位置におけるチャネルの構造を模式的に説明する断面図である。
【
図2】第1変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図3】第2変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図4】第3変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図5】第4変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図6】第5変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図7】
図7(A)は、第6変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図であり、
図7(B)は、第7変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図8】
図8(A)は、第8変形例に係る位相変調器の構成を模式的に説明する平面図であり、
図8(B)は、
図8(A)中の8B-8B線の位置におけるチャネルの構造を模式的に説明する断面図である。
【
図9】
図9(A)は、第8変形例に係る位相変調器の他の構成を模式的に説明する平面図であり、
図9(B)は、第8変形例に係る位相変調器の更に他の構成を模式的に説明する平面図である。
【
図10】
図10(A)は、応用例1に係るハイブリッド変調器の構成を模式的に説明する図であり、
図10(B)は、ハイブリッド変調器の一部を説明する平面図である。
【
図11】応用例2に係るSSB変調器の構成を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。このため、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0024】
また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。
【0025】
また、本明細書及び添付図面においては、N又はPを冠した領域や層では、それぞれ電子又は正孔が多数キャリアであることを意味する。また、NやPに付す+や-は、+及び-が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。但しN+とN+のように同じ濃度を示す表記であっても、実際に同じ不純物濃度であることに限定するものではない。
【0026】
本発明の実施形態に係る半導体光位相変調器(位相変調器)10は、Si等の半導体が用いられた位相変調器であり、
図1(A)に示すように、マルチモード導波路12と、一対のチャネル14,15と、を備える。なお、
図1中に示した位相変調器10の構成は説明の便宜のため、一部を強調して例示されており、図中に示されていない他の半導体領域の層や素子等であっても位相変調器を構成する部材として使用できる。
【0027】
位相変調器10では、マルチモード導波路12として、多モード干渉(Multi Mode Interference:MMI)導波路が採用されている。マルチモード導波路12は、位相変調部12A、入力部18A、及び出力部18Bを有する。位相変調部12Aは、
図1中の下側の入力部18Aから入力されたシングルモードの入力光PIをマルチ(多)モードの光に変換し、変換したマルチモードの光は、位相変調部12Aの内側で干渉しつつ伝播する。位相変調部12Aにおいて光が伝播する部分の断面積は、入力部18A及び出力部18Bのそれぞれの断面積より大きく構成されている。以下、「断面積」は、特に言及しない限り、光の伝播する方向(
図1(A)中の上下方向)に直交する面で断面した場合の断面積のことを意味する。
【0028】
位相変調部12Aの内側には、第1の箇所A1及び第2の箇所A2が設定されている。
図1(A)中では、第2の箇所A2は、矩形状の破線囲みの領域で例示されていると共に、第1の箇所A1は、上下方向に沿って連続する3個の第2の箇所A2の間に位置する。すなわち、第1の箇所A1及び第2の箇所A2は、光の伝播方向に並んで位置する。
【0029】
第1の箇所A1は、光の干渉により鏡像が形成される位置であり、第2の箇所A2は、第1の箇所A1より光のパワー密度(電界密度)が低い位置である。なお、「第2の箇所A2における光のパワー密度が、第1の箇所A1における光のパワー密度より低い」とは、第2の箇所A2における光のパワー密度のピーク値が、第1の箇所A1における光のパワー密度のピーク値より低いことを意味する。
【0030】
入力光PIを入力してマルチモード導波路12を動作させると、位相変調部12Aでは低次モード及び高次モードの空間的な光ビートが生じるため、光学モードが収縮した光と拡張した光とが、周期的に形成される。すなわち、光のパワー密度が異なる箇所が繰り返される。第1の箇所A1及び第2の箇所A2の位置は、光のパワー密度の大きさに応じて配置されている。
【0031】
図1(A)中の第1の箇所A1では、収縮光学モードPM1が、光学モードが収縮した光として小さな楕円状で例示されている。また、第2の箇所A2では、拡張光学モードPM2が、光学モードが拡張した光として、収縮光学モードPM1より大きな楕円状で例示されている。
【0032】
なお、
図1(A)中では、繰り返されるマルチモードの光の一周期の構成として、収縮光学モードPM1が1回生じた後、拡張光学モードPM2が2回生じ、更にその後、収縮光学モードPM1が1回生じた状態が例示されている。また、この光の一周期が3回連続する場合が例示されている。しかし、本発明では、これに限定されず、一周期の構成及び繰り返し回数は適宜、変更可能である。同様に、第1の箇所A1及び第2の箇所A2の位置及び個数も、適宜変更され得る。
【0033】
(チャネル)
一対のチャネル14,15は、伝播するマルチモードの光を挟むように、
図1(A)中の第2の箇所A2の左右に、互いに対向して設けられている。一対のチャネル14,15のそれぞれの内側の端部は、位相変調部12Aと重なる。
図1中に例示した位相変調器10の場合、
図1(A)中の左側のチャネル14の導電型はP型(P+)であり、右側のチャネル15の導電型はN型(N+)である。
【0034】
一対のチャネル14,15は、それぞれのチャネル14,15の周囲において、同じ導電型の領域のドーピング濃度より高いドーピング濃度を有する。
図1中では、周囲の領域のドーピング濃度の表示は省略されている。なお、
図1中に示した「P+」及び「N+」のドーピング濃度は例示であり、本発明では、チャネル14,15のドーピング濃度がチャネル14,15の周囲の領域のドーピング濃度より高い限り、例えば「P」及び「N」であっても構わない。
【0035】
一対のチャネル14,15は、ベース部14A,15Aをそれぞれ有する。
図1(B)に示すように、ベース部14A,15Aの上部における外側の端部には、コンタクト領域14B,15Bが、それぞれ設けられている。コンタクト領域14B,15Bは、
図1(A)中では説明の便宜のため図示を省略する。また、コンタクト領域14B,15Bの上には、例えばアルミニウム(Al)等を用いた電極16A,16Bが、それぞれ接合されている。
【0036】
本発明の実施形態に係る位相変調器10では、電極16A,16Bを介して位相変調器10の外部から駆動電流が注入されることによって、対向する一対のチャネル14,15間に電流が流れ、第2の箇所A2でキャリアプラズマ効果が生じる。第2の箇所A2に集中的に高濃度のドーピングが実行されているため、キャリアプラズマ効果は、鏡像が形成され光のパワー密度が高い第1の箇所A1ではなく、第1の箇所A1より光のパワー密度が低い第2の箇所A2で発生する。そして、第2の箇所A2におけるマルチモード導波路12の屈折率が変化し、伝搬する光の位相が所望の値に変調される。変調された光は、出力光POとして、
図1中の上側の出力部18Bから出力される。
【0037】
ここで、例えば、鏡像が形成される第1の箇所A1に対応してチャネルを設けてキャリアプラズマ効果を発生させる場合、第1の箇所A1での光の高いパワー密度と、入力された高出力の光とが相俟って、二光子吸収が、第1の箇所A1で容易に発生してしまう。
【0038】
(作用効果)
本発明の実施形態では、鏡像が形成される第1の箇所A1でキャリアプラズマ効果を発生させる場合に比べて、二光子吸収の発生が防止され、散乱の原因となる自由キャリアの発生が抑制される。よって、変調する光が高出力であっても、変調した光を安定して出力でき、光学損失を低減できる。
【0039】
また、本発明の実施形態では、位相変調部12Aの断面積が、入力部18Aの断面積より大きいため、位相変調部12Aに入力する光のパワー密度を低く抑えることができる。
【0040】
また、本発明の実施形態では、マルチモード導波路12がMMI導波路であるため、シングルモード導波路とマルチモード導波路12とが、光学的に不連続に接合し、光ビートを生じさせることが可能になる。すなわち、MMI導波路単独で、光学モードを拡大することが可能になる。
【0041】
この点、MMI導波路を用いることなく、例えば、順テーパ状又は逆テーパ状の導波路を位相変調部12Aに接続して、光学モードを拡大することは可能である。しかし、位相変調器を含む装置全体の寸法が長くなるため、製造時のフットプリントが増大し、製造コストが増加する。一方、マルチモード導波路12がMMI導波路である場合、装置全体の寸法を短く抑えてコンパクトに製造することが可能になると共に、製造コストを低減できる。
【0042】
<第1変形例>
次に、本発明の実施形態に係る位相変調器の変形例及び応用例を説明する。以下の変形例及び応用例の説明においては、
図1に示した位相変調器10と異なる構成を中心に説明すると共に、位相変調器10における同名の部材と等価な部材については、重複説明を適宜省略する。
【0043】
図2に示すように、第1変形例に係る位相変調器10Aでは、
図1に示した位相変調器10の一対のチャネル14,15と同様、一対のチャネル24,25は、互いに異なる導電型である。しかし、第1変形例では、チャネル24,25には、拡張光学モードPM2のベース部24A,25Aにおける光に近接する部分に、低濃度部24C,25Cが、それぞれ設けられている。
【0044】
図2中の左側の低濃度部24Cのドーピング濃度は、チャネル24における周囲の他の部分であるベース部24Aより低い「P-」である。また、
図2中の右側の低濃度部25Cのドーピング濃度は、チャネル25における周囲の他の部分であるベース部25Aより低い「N-」である。
【0045】
ここで、チャネル24,25のドーピング濃度が高くなるに従って、位相変調器10Aにおける光学損失も大きくなる。このため、低濃度部24C,25Cを有する第1変形例では、チャネル24,25における拡張光学モードPM2の分布に近い部分を、周囲より低いドーピング濃度となるように調整することによって、光学損失をより低減することができる。第1変形例に係る位相変調器10Aの他の作用効果については、
図1に示した位相変調器10と同様である。
【0046】
<第2変形例>
図3に示すように、第2変形例に係る位相変調器10Bでは、
図1に示した位相変調器10の一対のチャネル14,15と同様、一対のチャネル34,35は、互いに異なる導電型である。しかし、第2変形例では、チャネル34,35のうち拡張光学モードPM2のベース部34,35Aにおける光に近接する部分に、突出部34C,35Cが、隣接して分布する拡張光学モードPM2の隙間に向かって突出するように、それぞれ設けられている。
【0047】
図3中の左側の突出部34Cは、ベース部34Aと同じP+型であり、
図3中の右側の突出部35Cは、ベース部35Aと同じN+型である。突出部34C,35Cは、平面視で、第2の箇所A2における拡張光学モードPM2の隙間を縫うように配置されている。換言すると、突出部34C,35Cは、拡張光学モードPM2を避けるように、ドーピングされ形成されている。
図3中に例示された突出部34C,35Cは、拡張光学モードPM2間に向かって断面積が小さくなるような逆テーパ状に突出して形成されている。なお、本発明では、突出部の形状は、拡張光学モードPM2の隙間に向かって突出する限り、
図3中に例示されたものに限定されない。
【0048】
第2変形例によれば、突出部34C,35Cによって、拡張光学モードPM2に対する通電時のチャネル34,35のキャリアプラズマ効果をより強化することができる。第2変形例に係る位相変調器10Bの他の作用効果については、
図1に示した位相変調器10と同様である。
【0049】
<第3変形例>
図4に示すように、第3変形例に係る位相変調器10Cでは、
図1に示した位相変調器10の一対のチャネル14,15と同様、一対のチャネル44,45は、互いに異なる導電型である。しかし、第3変形例では一対のチャネル44,45は、PN接合とマルチモードの光とが重なるように、マルチモード導波路12の内側で接合して設けられている。
【0050】
図4中の左側のチャネル44は、ベース部44Aの右側に、接合面形成部44Cを有する。また、
図4中の右側のチャネル45は、ベース部45Aの左側に、接合面形成部45Cを有する。接合面形成部44Cは、ベース部44Aより低いドーピング濃度であるP-型の半導体領域であり、接合面形成部45Cは、ベース部45Aより低いドーピング濃度であるN-型の半導体領域である。
【0051】
一対の接合面形成部44C,45Cは、位相変調部12Aの導波路と重なる(オーバーラップする)ように配置され、一対の接合面形成部44C,45Cの接合界面が、PN接合Jを形成する。PN接合Jは、マルチモード導波路12の軸中心と重なっている。マルチモード導波路12の軸中心は、平面視で、
図4中の左右方向の中心に位置する。
【0052】
第3変形例によれば、接合面形成部44C,45Cによって、マルチモード導波路12の内側にPN接合Jが形成されているため、駆動時に、順バイアスだけでなく、逆バイアスを印加して自由キャリアを引き抜くことが可能になる。第3変形例に係る位相変調器10Cの他の作用効果については、
図1に示した位相変調器10と同様である。
【0053】
なお、
図4中では、接合面形成部44C,45Cのドーピング濃度は、周囲の領域より低かったが、本発明ではこれに限定されず、例えば、周囲の領域と同程度等、ドーピング濃度を変更することも可能である。ただし、第3変形例のように、接合面形成部44C,45Cのドーピング濃度を周囲の領域より低く設定すれば、位相変調器10Cの光学損失を低減できる点で有利である。
【0054】
<第4変形例>
図5に示すように、第4変形例に係る位相変調器10Dでは、PN接合Jが、マルチモード導波路12の中心軸の位置からN型のチャネル45寄りに変位して配置されている点が、
図4に示した第3変形例に係る位相変調器10Cと異なる。このため、第4変形例では、P型のチャネル44の断面積の方が、N型のチャネル45の断面積より大きい。
【0055】
ここで、位相変調器10Dに駆動電流を流す際、逆バイアス時にはホールの密度を変動させた方が、変調効率を高くすることが可能になる。第4変形例に係る位相変調器10Dのマルチモード導波路12の内側では、P型の接合面形成部44C1の方が、N型の接合面形成部45C1より断面積が大きくなるように配置されている。このため、より多くのホールの密度を変動でき、変調効率を一層高めることができる。第4変形例に係る位相変調器10Dの他の作用効果については、
図1に示した位相変調器10及び
図4に示した位相変調器10Cと同様である。
【0056】
<第5変形例>
図6に示すように、第5変形例に係る位相変調器10Eでは、マルチモード導波路12の中心軸に沿って、複数の高濃度部44Dが設けられている点が、
図5に示した第4変形例に係る位相変調器10Dと異なる。高濃度部44Dは、P-型の接合面形成部44Cにおける周囲の領域より高いドーピング濃度のP+を有する半導体領域であり、光の伝播方向に沿って生じた2個の拡張光学モードPM2の中間に配置されている。
【0057】
マルチモード導波路12の内側で、隣接して分布する拡張光学モードPM2の中間の位置では、周囲の領域に比べ、マルチモードの光のパワー密度が低くなる。なお、
図6中の拡張光学モードPM2の個数や配置パターンは例示であり、本発明では、適宜変更可能である。同様に高濃度部44Dの個数や配置パターンについても、適宜変更され得る。
【0058】
第5変形例では、高濃度部44Dによって、チャネル44,45の電気抵抗を下げることが可能になる。ここで、変調時の周波数特性を定める時定数は、接合容量と抵抗成分によって変動する。このため、第5変形例によれば、チャネル44,45の電気抵抗を下げることによって、位相変調器10Eの周波数特性を改善することができる。第5変形例に係る位相変調器10Eの他の作用効果については、
図1に示した位相変調器10及び
図5に示した位相変調器10Dと同様である。
【0059】
<第6変形例>
図7(A)に示すように、第6変形例に係る位相変調器10Fは、マルチモード導波路22と、一対のチャネル14,15とを備える。マルチモード導波路22は、位相変調部12Aと、第1の入力導波路52Aと、第1の出力導波路52Bとを有する。図示を省略するが、チャネル14,15は、拡張光学モードPM2の位置に対応して設けられている。第1の入力導波路52Aは、
図1に示した位相変調器10における入力部18Aの代わりに設けられると共に、第1の出力導波路52Bは、位相変調器10における出力部18Bの代わりに設けられている。
【0060】
第1の入力導波路52Aは、外部から位相変調部12Aに向かうに従って断面積が大きくなる、順テーパ状である。マルチモード導波路22への入力光PIの光ビームが、順テーパ状の第1の入力導波路52Aを通過することによって断熱的に拡大するため、シングルモードの入力光PIのパワー密度が低下する。第6変形例では、第1の入力導波路52Aがシングルモードの入力光PIのパワー密度を低下させることで、
図1に示した位相変調器10のように、MMI導波路を用いる必要がない。
【0061】
第1の出力導波路52Bは、第1の入力導波路52Aと対称的に逆テーパ状であり、位相変調部12Aを通過した光は、第1の出力導波路52Bによって縮小され、出力光POとして出力される。
【0062】
第6変形例によれば、順テーパ状の第1の入力導波路52Aによって、マルチモード導波路22への入力光PIのパワー密度を下げることが可能になるため、自由電子の散乱が抑制される。このため、
図1に示した位相変調器10の場合と同様に、変調する光が高出力であっても光学損失を低減できる。
【0063】
<第7変形例>
図7(B)に示す第7変形例に係る位相変調器10Gのように、位相変調部12Aに向かうに従って断面積が小さくなる、逆テーパ状の第2の入力導波路54Aが用いられてもよい。第7変形例では、マルチモード導波路22への入力光PIの光ビームが、逆テーパ状の第2の入力導波路54Aを通過する際、導波路から一部漏出して拡大するため、シングルモードの入力光PIのパワー密度が低下する。また、第1の入力導波路52Aと対称的に順テーパ状である第2の出力導波路54Bが、位相変調部12Aに設けられている。位相変調部12Aを通過した光は、第2の出力導波路54Bを通過して出力光POとして出力される。
【0064】
第7変形例によれば、逆テーパ状の第2の入力導波路54Aによって、マルチモード導波路22への入力光PIのパワー密度を下げることが可能になるため、自由電子の散乱が抑制される。このため、
図1に示した位相変調器10の場合と同様に、変調する光が高出力であっても光学損失を低減できる。
【0065】
<第8変形例>
図8(A)に示すように、第8変形例に係る位相変調器10Hは、マルチモード導波路12と、一対のチャネル14,14と、一対のチャネル14,14の間に設けられた中間部56と、を備える。中間部56は、一対のチャネル14,14のそれぞれに接合している。すなわち、第8変形例は、一対のチャネル14,14が同じ導電型であると共に、
図8(B)に示すように、一対のチャネル14,14の隙間を埋めるように中間部56を更に備える点が、
図1に示した位相変調器10と異なる。
【0066】
第8変形例では、一対のチャネル14,14及び中間部56の導電型は、P型のチャネルとして一体化されている。一対のチャネル14,14に電界が印加されると、一対のチャネル14,14及び中間部56が、ジュール発熱によって昇温する。第8変形例では、
図1~
図7に示した位相変調器10,10A~10Gのようにキャリアプラズマ効果を用いて導波路の屈折率を変化させるのではなく、ジュール発熱による熱光学効果を用いて屈折率を変化させる。
【0067】
図8に示した位相変調器10Hでは、マルチモード導波路12としてMMI導波路が用いられていたが、
図9(A)に示すように、MMI導波路を用いることなく、位相変調器10Iを実現することもできる。具体的には、第6変形例で説明した順テーパ状の第1の入力導波路52A及び逆テーパ状の第1の出力導波路52Bが、位相変調部12Aに接続されている。また、
図9(B)に示すように、第7変形例で説明した逆テーパ状の第2の入力導波路54A及び順テーパ状の第2の出力導波路54Bが、位相変調部12Aに接続されることによって、位相変調器10Jを実現してもよい。
【0068】
第8変形例のように、本発明では、電流注入型だけでなく、電界印加型の位相変調器10H~10Jであっても、変調する光が高出力であっても光学損失を低減することができる。なお、
図8及び
図9では、一対のチャネル14,14及び中間部56の導電型がP型である場合が例示されたが、本発明ではこれに限定されず、N型の一対のチャネル及び中間部を用いてジュール発熱を生じさせてもよい。また、半導体領域の濃度の表記も「P-」に限定されず、例えば「P」等であってもよい。
【0069】
<第1応用例>
図10(A)に示すように、応用例1に係るハイブリッド変調器60は、第8変形例に係る位相変調器10Hと、位相変調器10Hに接続された第3の入力導波路62と、位相変調器10に接続された第3の出力導波路64とを備える。
図10(A)中では、第3の入力導波路62の上側の一端がY字状に分岐し、第3の入力導波路62の分岐部分のそれぞれと2個の位相変調器10Hの入力部とが接続された場合が例示されている。また、
図10(A)中では、第3の出力導波路64の下側の一端がY字状に分岐し、第3の出力導波路64の分岐部分のそれぞれと2個の位相変調器10の出力部とが接続されている。
【0070】
第3の入力導波路62及び第3の出力導波路64は、SiNやSiO
2等の誘電体を用いたシングルモードの導波路である。
図10(A)中では、SiNを用いた場合が例示されている。なお、第3の入力導波路62及び第3の出力導波路64は、互いに等価な部材であり、逆に入れ替えても同様に機能し得る。
【0071】
第3の入力導波路62は、位相変調器10と光結合され、
図10(B)に示すように、位相変調器10Hに近接するに従って断面積が小さくなる逆テーパ状である。また、第3の出力導波路64も第3の入力導波路62と同様に位相変調器10と光結合され、位相変調器10Hから離間するに従って断面積が大きくなる順テーパ状である。
【0072】
ここで、誘電体の導波路では、Si等の半導体の導波路の場合と比較して、高出力の光を通過させても二光子吸収等の非線形効果が発生し難いという利点がある。一方、位相変調器のような能動素子(デバイス)を製造する場合、現状、Si等の半導体やリチウムナイオベイト(ニオブ酸リチウム、LiNbO3)等の素材の使用を避けることが難しい。
【0073】
本発明の実施形態の応用例1では、受動素子部品であるシングルモード導波路の第3の出力導波路64及び第3の入力導波路62は、誘電体で構成される。また、能動素子部品である位相変調器は、本発明の実施形態の第8変形例に係る位相変調器10Hであり、位相変調器10Hは、Si等の半導体で構成されている。すなわち、応用例1では、誘電体を用いた導波路と半導体を用いた能動素子とを組み合わせることによって、効果的なハイブリッド変調器60が実現されている。また、第8変形例に係る位相変調器10Hだけでなく、本発明の実施形態に係る他の位相変調器10、10A~10G,10I,10Jを用いても、効果的なハイブリッド変調器60を同様に構成できる。
【0074】
本発明の実施形態に係る位相変調器10、10A~10Jによれば、高出力の光が入力されても自由キャリア散乱による光学損失を低減できる。このため、位相変調器10、10A~10Jを用いた応用例1によれば、モノリシックな光集積回路を構成できると共に、LIDARのように、強い投光パワーが求められ、かつ、変調器の使用が不可欠な場合において、特に有利である。例えば、応用例1が適用されたLIDARでは、送信光の出力を強くして感度を向上させることができる。
【0075】
<応用例2>
図11に示すように、応用例2に係るSSB変調器70は、搬送波信号源72と、90度位相器74と、反転位相器76と、
図1に示した位相変調器10とを備える。搬送波信号源72は、搬送波信号を生成する。90度位相器74は、搬送波信号源72に接続され、搬送波信号源72が生成した搬送波信号の位相を90度変調する。
【0076】
位相変調器10は、2個が一組で並列接続されると共に、2個が並列接続された一組どうしが、更に並列接続されている。4個の位相変調器10A~10Dを接続する導波路には、90度位相器としてのトリミング用ヒーター78が、所定の位置に配置されている。
【0077】
反転位相器76は、1個の入力部76Aと2個の出力部76B,76Cとを有する。2個の出力部76B,76Cは、入力された信号を位相変調することなくそのまま出力する第1の出力部76Bと、入力された信号の位相を反転させて出力する第2の出力部76Cとを有する。
【0078】
2個の反転位相器76のうち
図11中の上側の反転位相器76の入力部76Aは、搬送波信号源72の出力側に接続され、この反転位相器76の2個の出力部76B,76Cはそれぞれ、並列接続された2個の位相変調器10,10に対応して接続されている。
【0079】
また、
図11中の下側の反転位相器76の入力部76Aは、90度位相器74の出力側に接続され、この反転位相器76の2個の出力部76B,76Cはそれぞれ、並列接続された2個の位相変調器10,10のそれぞれに対応して接続されている。
【0080】
ここで、例えば、LIDARにおいてFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave:周波数変調連続波)法による測距を行うためには、投光する送信光を位相変調、或いは周波数変調する必要がある。このため、応用例2に係るSSB変調器70によれば、LIDARにおけるFMCW法を用いて測距を行う場合であっても、高い出力の入力光であっても、光学損失を低減できる点で有利である。
【0081】
<その他の実施の形態>
本発明は上記の開示した実施の形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。例えば、
図2中に示した低濃度部24C,25Cと
図3中に示した突出部34C,35Cとを両方備えたチャネルを備える位相変調器を実現してもよい。このように、
図1~
図11中に示した位相変調器に含まれる構成を組み合わせて本発明を構成することもできる。
【0082】
本発明は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むとともに、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0083】
10,10A~10J 半導体光位相変調器(位相変調器)
12 マルチモード導波路
12A 位相変調部
14 チャネル
15 チャネル
16A,16B 電極
18A 入力部
18B 出力部
22 マルチモード導波路
24 チャネル
24C 低濃度部
25 チャネル
25C 低濃度部
34 チャネル
34C 突出部
35 チャネル
35C 突出部
44 チャネル
44C,44C1 接合面形成部
44D 高濃度部
45 チャネル
45C,45C1 接合面形成部
52A 第1の入力導波路
54A 第2の入力導波路
56 中間部
60 ハイブリッド変調器
62 第3の入力導波路
64 第3の出力導波路
70 SSB変調器
A1 第1の箇所
A2 第2の箇所
J PN接合
PI 入力光
PO 出力光
PM1 収縮光学モード
PM2 拡張光学モード