(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20220921BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20220921BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20220921BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/65
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2020538943
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 KR2020006011
(87)【国際公開番号】W WO2020226432
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0054517
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ピョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0132530(US,A1)
【文献】国際公開第2019/072960(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/057694(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/202727(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0263283(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
制御部、バッテリ及び第1無線通信部を含む本体と、
第2無線通信部を含み、前記本体に分離可能に結合されるカートリッジと、を含み、
前記制御部は、前記バッテリの出力電力を制御して
前記本体のバッテリから前記カートリッジに電力を供給するための電力パターンを前記カートリッジに印加し、
前記第2無線通信部は、前記電力パターンが既設定の電力パターンと一致する場合、
前記電力パターンが印加されたことに応答して前記第1無線通信部と無線通信ネットワークを形成する、
エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第2無線通信部は、前記既設定の電力パターンに対応する前記供給される電力に基づいて活性化されるものである、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記カートリッジが前記本体に結合されたか否かということを感知し、
前記感知結果、前記カートリッジが前記本体に結合されたと決定された場合、前記第1無線通信部を活性化させるものである、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記本体は、
前記バッテリから前記カートリッジに電力を伝達する接続端子をさらに含み、
前記制御部は、
前記接続端子に流れる電流に基づき、前記カートリッジが前記本体に結合されたか否かということを決定するものである、
請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、
前記既設定の電力パターンが保存された第2メモリをさらに含み、
前記第2無線通信部は、前記既設定の電力パターンに対応する前記供給される電力に基づき、前記第1無線通信部にデータを伝送し、
前記制御部は、前記第1無線通信部を介して受信されたデータに基づき、前記カートリッジに電力が供給されるように、前記バッテリを制御するものである、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記本体は、
複数の温度プロファイルが保存された第1メモリをさらに含み、
前記制御部は、
前記第1無線通信部を介して受信されたデータに基づき、前記複数の温度プロファイルのうちいずれか一つを選択し、前記選択された温度プロファイルに基づき、前記カートリッジに電力が供給されるように前記バッテリを制御するものである、
請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、
前記カートリッジに印加される電力が臨界値を超える場合、使用回数をカウントするものである、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記第2無線通信部は、前記使用回数に係わるデータを前記第1無線通信部に伝送し、
前記制御部は、前記使用回数に係わるデータに基づき、前記カートリッジに印加される電力を制御するものである、
請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記本体は、
複数の温度プロファイルが保存された第1メモリをさらに含み、
前記制御部は、
前記使用回数に係わるデータに基づき、前記複数の温度プロファイルのうちいずれか一つを選択し、前記選択された温度プロファイルに基づき、前記カートリッジに供給される電力を制御するものである、
請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記使用回数が既設定の回数を超えた場合、前記カートリッジに印加される電力を遮断するものである、
請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記カートリッジが前記本体に結合されたか否かということを感知し、
前記感知結果、前記カートリッジが前記本体に結合されたと決定された場合、前記第1無線通信部を介して、前記第2無線通信部から使用回数に係わるデータを受信し、
前記使用回数が既設定の回数を超えた場合、前記カートリッジに印加される電力を遮断するものである、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
前記エアロゾル生成装置は、
バッテリ及び第1無線通信部を含む本体と、
第2無線通信部を含み、前記本体に分離可能に結合されるカートリッジと、を含み、
前記方法は、
前記本体のバッテリから前記カートリッジに電力を供給するための電力パターンが前記カートリッジに印加されるように前記バッテリの出力電力を制御する段階と、
前記電力パターンが既設定の電力パターンと一致する場合、
前記電力パターンが印加されたことに応答して前記第1無線通信部と前記第2無線通信部との無線連結を形成する段階と、
を含む方法。
【請求項13】
前記第2無線通信部は、前記既設定の電力パターンに対応する前記供給される電力に基づいて活性化されるものである、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記カートリッジが前記本体に結合されたか否かということを感知する段階と、
前記感知結果、前記カートリッジが前記本体に結合されたと決定された場合、前記第1無線通信部を活性化する段階と、をさらに含むものである、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法への需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、エアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法への需要が増大している。
【0003】
エアロゾル生成装置が、本体及びカートリッジによって構成される場合、本体とカートリッジとの間において、データが送受信されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本体とカートリッジとの通信ネットワークを形成する技術の必要性が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、エアロゾル生成装置において、制御部、バッテリ及び第1無線通信部を含む本体と、第2無線通信部を含み、前記本体に分離可能に結合されるカートリッジと、を含み、前記制御部は、前記バッテリの出力電力を制御し、電力パターンを前記カートリッジに印加し、バッテリからカートリッジに供給される電力が既設定の電力パターンに対応する場合、前記第1無線通信部は、前記第2無線通信部との無線連結(例えば、無線通信ネットワークまたは無線通信リンク)を形成するものであるエアロゾル生成装置を提供することができる。
【0006】
本開示の第2側面は、エアロゾル生成装置を制御する方法において、前記エアロゾル生成装置は、本体と、カートリッジと、を含み、前記方法は、前記バッテリから前記カートリッジに供給される電力を制御する段階と、前記供給される電力が既設定の電力パターンに対応する場合、前記第1無線通信部と前記第2無線通信部との無線通信ネットワークを形成する段階と、を含む方法を提供することができる。
【0007】
本開示の第3側面は、第2側面による方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電力パターンに基づき、本体とカートリッジとの無線通信ネットワークを形成することにより、ユーザが意図しない、本体とカートリッジとの無線通信ネットワークが形成されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係わる、エアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを具備したエアロゾル生成装置との結合関係を概略的に図示した分離斜視図である。
【
図2】
図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を図示した斜視図である。
【
図3】
図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を図示した斜視図である。
【
図4】一実施形態によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を図示したブロック図である。
【
図5】一実施形態による、本体とカートリッジとが分離された状態におけるブロック図である。
【
図6】一実施形態による、本体とカートリッジとが結合された状態におけるブロック図である。
【
図7】一実施形態による電力パターンの例示を示す図面である。
【
図8】一実施形態によるエアロゾル生成装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
エアロゾル生成装置は、本体、及び本体に分離可能に結合されたカートリッジを含んでもよい。該本体は、制御部、バッテリ及び第1無線通信部を含み、該カートリッジは、第2無線通信部を含んでもよい。
【0011】
本実施形態による制御部は、バッテリの出力電力を制御し、電力パターンをカートリッジに印加し、既設定の電力パターンがカートリッジに印加されたことに応答し、第1無線通信部と第2無線通信部とが連結されうる。
【0012】
本実施形態で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されてもよい。
【0014】
本明細書で使用されているように、要素リストの前にあるとき、「少なくとも一つ」のような表現は、全体要素リストを修正し、リストの個別要素を修正するものではない。例えば、「a、b、及びcのうち少なくとも一つ」という表現は、aだけ、bだけ、cだけ、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b、及びcのいずれも含むものであると理解されなければならない。
【0015】
要素または層が、他の要素または層の「上」、「上部」にあったり、「連結」または「結合」されていたりすると記載されている場合、それは、他の要素または層の直接の上、上部、連結されていたり、あるいは結合されていたりするか、あるいは介入された要素または層が存在するというものである。反対に、ある要素が他の要素または層に「直接上」、「直接上部」にあったり、「直接連結」、「直接結合」されていたりすると記載される場合、介入された要素または層、存在しない。同一参照番号は、全体にわたって同一要素を指す。
【0016】
以下では、添付図面を参照し、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0017】
以下においては、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、一実施形態に係わる、エアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを具備したエアロゾル生成装置との結合関係を概略的に図示した分離斜視図である。
【0019】
図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10と、を含む。
【0020】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態において、本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部分が、本体10の収容空間19に挿入されることにより、カートリッジ20が本体10にも装着される。
【0021】
カートリッジ20は、例えば、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル(gel)状態のようないずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は,液状組成物を含んでもよい。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0022】
該液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のいずれか1つの成分でもあり、それら成分の混合物を含んでもよい。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0023】
例えば、該液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。該液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれてもよい。該ニコチン塩は、ニコチンに、有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することによっても形成される。ニコチンは、自然に発生するニコチン、または合成ニコチンであり、該液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量濃度を有することができる。
【0024】
ニコチン塩形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮しても適切に選択される。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミシルチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸によって構成された群から選択される単独の酸、または前記群から選択される2以上の酸の混合によってもなるが、それらに限定されるものではない。
【0025】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することにより、カートリッジ20内部のエアロゾル生成物質の相を気体相に変換し、エアロゾルを発生させる機能を遂行する。該エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0026】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給され、エアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を利用するか、あるいは誘導加熱方式を利用することにより、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体的な電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号により、カートリッジ20が作動することにより、エアロゾルを発生させることができる。
【0027】
カートリッジ20は、内部に、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を遂行する霧化器(atomizer)と、を含んでもよい。
【0028】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」というのは、液体保存部21が器(container)の用途のように、エアロゾル生成物質を単に入れる機能を遂行することと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミックス構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことと、を意味する。
【0029】
該霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適状態に維持する液体伝達手段(ウィック(wick))と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生するヒータと、を含んでもよい。
【0030】
該液体伝達手段は、例えば、綿ファイバ、セラミックスファイバ、ガラスファイバ、多孔性セラミックスの少なくとも一つを含んでもよい。
【0031】
該ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることにより、該液体伝達手段に伝達するエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンのような金属素材を含んでもよい。該ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミックス発熱体などによっても具現され、あるいはニクロム線のような素材を利用し、伝導性フィラメントによっても具現され、該液体伝達手段に巻かれたり、該液体伝達手段に隣接したりするようにも配置される。
【0032】
該霧化器は、また別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適状態に維持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを発生する機能とをいずれも遂行するメッシュ形状(mesh shape)や板形状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0033】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を、外部から視覚的に確認することができるように、カートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されうるように、液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が、透明なプラスチックやガラスのような素材によっても作製され、液体保存部21の一部分に該当する突出窓21aだけが透明な素材によっても作製される。
【0034】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19に、カートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを介して、カートリッジ20に電力を提供したり、カートリッジ20の作動と係わる信号をカートリッジ20に供給したりすることができる。
【0035】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0036】
本体10には、スライダ7が、本体10に対して移動可能に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することにより、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆ったり、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させたりする機能を遂行する。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0037】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒形状を有する。スライダ7の構造は、図面に図示されているように筒状に制限されるものではなく、本体10のエッジに結合された状態を維持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ形態の断面形状を有する折り曲げられた板の構造や、湾曲された円弧形態の断面形状を有する曲がった半円筒状のような構造を有することができる。
【0038】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20とに対するスライダ7の位置を維持するための磁性体を含む。該磁性体は、永久磁石でもあり、または鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0039】
該磁性体は、スライダ7の内部空間を挟み、互いに対向する2つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を挟み、互いに対向する2つの第2磁性体8bと、を含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向、すなわち、本体10が延長する方向である本体10の長手方向に沿い、互いに離隔されるように配置される。
【0040】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も、収容空間19を挟み、互いに対向するように二つが設けられうる。
【0041】
スライダ7の位置により、固定磁性体9及び第1磁性体8a、または固定磁性体9及び第2磁性体8bの間で作用することにより、スライダ7は、マウスピース22の端部を覆ったり露出させたりする位置にも安定して維持される。
【0042】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置される位置変化感知センサ3を含む。位置変化感知センサ3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発するホール効果(hall effect)を利用したホールセンサ(hall IC)を含んでもよい。
【0043】
前述の実施形態に係わるエアロゾル生成装置5において、本体10とカートリッジ20とスライダ7は、長手方向を横切る方向への断面形状がほぼ長方形であるが、本実施形態は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されるものではない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形や、さまざまな形態の多角形の断面形状を有することができる。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延長するとき、必ずしも直線的に延長する構造に制限されるものではなく、ユーザが手にしやすいように、例えば、流線形に湾曲されたり、特定領域において、既定角度に折り曲げられながら長く延長することができる。
【0044】
図2は、
図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を図示した斜視図である。
【0045】
図2においては、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示されている。スライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態においては、マウスピース22が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態にも維持される。
【0046】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを介して、カートリッジ20の突出窓21aを視覚的に確認することにより、カートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させることができる。
【0047】
図3は、
図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を図示した斜視図である。
【0048】
図3においては、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示されている。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態において、ユーザが自身の口腔にマウスピース22を挿入し、マウスピース22の排出孔22aを介して排出されるエアロゾルを吸入することができる。
【0049】
スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態においても、スライダ7の長孔7aを介して、カートリッジ20の突出窓21aが外部に露出されるので、ユーザは、カートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を視覚的に確認することができる。
【0050】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置5は、位置変化感知センサ3を含んでもよい。位置変化感知センサ3は、スライダ7の位置変化を感知することができる。
【0051】
一実施形態において、該位置変化感知センサ3は、磁性材料(magnetic material)の磁化または磁場の方向、強度のような変化を感知することができる。スライダ7には、磁石が含まれ、位置変化感知センサ3は、スライダ7に含まれる磁石の移動を感知することができる。
【0052】
例えば、位置変化感知センサ3は、ホール効果センサ(hall effect sensor)、回転コイル(rotating coil)、磁気抵抗素子(magnetoresistor)またはSQUID(superconducting quantum interference device)でもあるが、それらに制限されるものではない。望ましくは、位置変化感知センサ3は、ホール効果センサでもある。
【0053】
図4は、一実施形態によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を図示したブロック図である。
【0054】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、
図4に図示されたところに限定されるものではない。エアロゾル生成装置400の設計により、
図4に図示されたハードウェア構成のうち一部が省略されたり、新たな構成がさらに追加されたりもするということは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0055】
一実施形態において、エアロゾル生成装置400は、本体だけによっても構成され、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施形態において、エアロゾル生成装置400は、本体及びカートリッジによっても構成され、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体及びカートリッジに分けられて位置することができる。または、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成のうち少なくとも一部は、本体及びカートリッジのそれぞれに位置することもできる。
【0056】
以下においては、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成が位置する空間を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0057】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に利用される電力を供給する。すなわち、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されうるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400内に具備された他のハードウェア構成、すなわち、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電が可能なバッテリでもあり、単回使用バッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(Li poly)バッテリでもあるが、それに制限されるものではない。
【0058】
ヒータ420は、制御部460の制御により、バッテリ410から電力が供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力が供給され、エアロゾル生成装置400に挿入されたシガレットを加熱したり、エアロゾル生成装置400に装着されたカートリッジを加熱したりすることができる。
【0059】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体に位置することができる。または、エアロゾル生成装置400が、本体及びカートリッジによって構成される場合、ヒータ420は、カートリッジに位置することができる。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及びカートリッジのうち少なくともいずれか1ヵ所に位置したバッテリ410から電力が供給されうる。
【0060】
ヒータ420は、任意の適する電気抵抗性物質によっても形成される。例えば、適する電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されるものではない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミックス発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されるものではない。
【0061】
一実施形態において、ヒータ420は、カートリッジに含まれた構成でもある。該カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。該液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、該液体伝達手段に移動し、ヒータ420は、該液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを発生させることができる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、該液体伝達手段に巻かれたり、該液体伝達手段に隣接したりするようにも配置される。
【0062】
他の実施形態において、ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置400の収容空間にシガレットが収容されることにより、ヒータ420は、シガレットの内部及び/または外部に位置することができる。それにより、ヒータ420は、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを発生させることができる。
【0063】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれてもよい。
【0064】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサ430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ430でセンシングされた結果は、制御部460に伝達され、該センシング結果により、制御部460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入いかん判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置400を制御することができる。
【0065】
例えば、少なくとも1つのセンサ430は、パフ感知センサを含んでもよい。該パフ感知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうちいずれか一つに基づき、ユーザのパフを感知することができる。
【0066】
また、少なくとも1つのセンサ430は、温度感知センサを含んでもよい。該温度感知センサは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を感知する別途の温度感知センサを含むか、あるいは別途の温度感知センサを含む代わりに、ヒータ420自体が温度感知センサの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度感知センサの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置400に、別途の温度感知センサがさらに含まれてもよい。
【0067】
また、少なくとも1つのセンサ430は、位置変化感知センサを含んでもよい。位置変化感知センサは、本体に対して移動可能に結合されたスライダの位置変化を感知することができる。
【0068】
ユーザインターフェース440は、ユーザに、エアロゾル生成装置400の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力したりする入出力(I/O)インタフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行ったり、充電電力を供給されたりするための端子、及び/または外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI、WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(near-field communication)など)を行うための通信インタフェーシングモジュールのような多様なインタフェーシング手段を含んでもよい。
【0069】
ただし、エアロゾル生成装置400には、前述のところで例示された多様なユーザインターフェース440例示のうち一部だけが取捨選択されても具現される。
【0070】
メモリ450は、エアロゾル生成装置400内で処理される各種データを保存するハードウェアであり、メモリ450は、制御部460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory)・SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory)、ROM(read only memory)、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)のような多種にも具現される。
【0071】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0072】
制御部460は、エアロゾル生成装置400の全般的な動作を制御するハードウェアである。制御部460は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0073】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果を分析し、続いて行われる処理を制御する。
【0074】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づき、ヒータ420の動作が開始または終了されるように、ヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づき、ヒータ420が所定温度まで加熱されるか、あるいは適切な温度を維持するように、ヒータ420に供給される電力量、及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0075】
一実施形態において、エアロゾル生成装置400は、複数のモードを有することができる。例えば、エアロゾル生成装置400のモードは、予熱モード、動作モード、休止モード、スリープモードを含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400のモードは、それらに制限されるものではない。
【0076】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づき、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ感知センサを利用してパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定回数に逹すれば、制御部460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち少なくともいずれか一つを利用し、ユーザに、エアロゾル生成装置400が間もなく終了すると通知することができる。
【0077】
一方、
図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電するのにも利用される。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給され、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0078】
図5は、一実施形態による、本体とカートリッジとが分離された状態におけるブロック図である。
【0079】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置は、本体510及びカートリッジ520によっても構成される。本体510は、第1無線通信部511、制御部512及びバッテリ513を含んでもよい。カートリッジ520は、第2無線通信部521、霧化器522及び液体保存部523を含んでもよい。ただし、本体510及びカートリッジ520の設計により、
図5に図示されたハードウェア構成のうち一部が省略されたり、新たな構成がさらに追加されたりもするということは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0080】
第1無線通信部511と第2無線通信部521は、無線通信ネットワークを形成し、データを送受信することができる。第1無線通信部511と第2無線通信部521は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))に基づいた無線通信ネットワークを形成することができる。
【0081】
ブルートゥース(登録商標)通信方式には、BR/EDR(basic rate/enhanced data rate)方式とBLE方式とがある。BR/EDR方式は、ブルートゥース(登録商標)クラシック(Bluetooth(登録商標) Classic)とも称される。ブルートゥース(登録商標)クラシック方式は、ベーシックレート(basic rate)を利用するブルートゥース(登録商標)1.0から続くブルートゥース(登録商標)技術と、ブルートゥース(登録商標)2.0から支援されるエンハンスドデータレート(enhanced data rate)を利用するブルートゥース(登録商標)技術と、を含む。
【0082】
BLE方式は、ブルートゥース(登録商標)4.0から適用され、少ない電力を消耗し、数百キロバイト(KB)の情報を安定して提供することができる。BLE方式においては、属性プロトコル(attribute protocol)を活用し、デバイス間情報を交換する。BLE方式は、ヘッダのオーバーヘッド(overhead)を減らし、動作を簡単にし、エネルギー消費を減らすことができる。例えば、第1無線通信部511と第2無線通信部521は、BLEモジュールでもある。
【0083】
第1無線通信部511と第2無線通信部521とが無線通信ネットワークを形成するのに先立ち、本体510の制御部512は、カートリッジ520が本体510に結合されたか否かということを決定することができる。
【0084】
一実施形態において本体510は、カートリッジ520に電力を伝達する接続端子を含んでもよい。制御部512は、該接続端子を介して、バッテリ513の電力をカートリッジ520に伝達することができる。制御部512は、周期的に接続端子に電力を供給し、接続端子から受信される電力に基づき、カートリッジ520が本体510に結合されたか否かということを決定することができる。
【0085】
例えば、カートリッジ520が本体510に結合されれば、本体510の接続端子は、カートリッジ520内霧化器522と連結され、本体510内部の回路が導通されうる。本体510内部の回路が導通された状態において制御部512は、バッテリ513の出力電力を制御し、接続端子に電力を供給し、接続端子から受信される電力に基づき、カートリッジ520が本体510に結合されたか否かということを決定することができる。
【0086】
言い換えれば、カートリッジ520が本体510に結合されなければ、本体510内部の回路が短絡された状態であるので、接続端子に電力が供給されても、接続端子から受信される電力が存在しないが、制御部512は、カートリッジ520が本体510に結合されていないことで決定することができる。
【0087】
または、本体510には、カートリッジ20と本体10との結合いかんを検出する別途のセンサが具備されてもよい。
【0088】
カートリッジ520が本体510に結合されたと決定された場合、制御部512は、第1無線通信部511を活性化させることができる。カートリッジ520が本体510に結合されていない場合には、第1無線通信部511を非活性化状態に維持することにより、本体510の消耗電力を減らすことができる。
【0089】
カートリッジ520が本体510に結合されたと決定された場合、制御部512は、バッテリ513を制御し、既設定の電力パターンをカートリッジ520に印加することができる。本体510からカートリッジ520に、既設定の電力パターンが印加されたことに応答し、第2無線通信部521が活性化されうる。既設定の電力パターンと異なる電力パターンがカートリッジ520に印加される場合、第2無線通信部521は、非活性化状態を維持することができる。
【0090】
一実施形態において、第1無線通信部511及び第2無線通信部521が活性化された後、第1無線通信部511と第2無線通信部521との無線通信ネットワークが形成されうる。例えば、カートリッジ520が本体510に結合された後、第1無線通信部511が活性化され、本体510からカートリッジ520に、既設定の電力パターンが印加された後、第2無線通信部521が活性化されることにより、第1無線通信部511と第2無線通信部521との無線通信ネットワークが形成されうる。
【0091】
一方、第1無線通信部511及び第2無線通信部521のうち少なくともいずれか一つは、活性化状態を維持することもできる。例えば、カートリッジ520が本体510に結合されたか否かということと係わりなく、第1無線通信部511は、活性化状態を維持することができる。または、本体510からカートリッジ520に、既設定の電力パターンが印加されたか否かということと係わりなく、第2無線通信部521は、活性化状態を維持することができる。
【0092】
本開示においては、前述の方法を介して、第1無線通信部511及び第2無線通信部521のうち少なくともいずれか一つを活性化させた後、第1無線通信部511と第2無線通信部521との無線通信ネットワークを形成することで、本体510が意図しないカートリッジ520との無線通信ネットワークを形成することを防止することができる。すなわち、本開示を介して、ユーザが所望する本体510とカートリッジ520との無線通信ネットワークが形成されるのである。
【0093】
図6は、一実施形態による、本体とカートリッジとが結合された状態におけるブロック図である。
【0094】
以下においては、
図5との重複内容は、便宜上省略する。
【0095】
カートリッジ620が本体10の収容空間に挿入されることにより、本体610とカートリッジ620とが結合されうる。本体610とカートリッジ620とが結合された状態において、本体610の第1無線通信部611と、カートリッジ620の第2無線通信部621は、無線通信ネットワークを形成することができる。
【0096】
一実施形態において、カートリッジ620は、メモリをさらに含んでもよい。該メモリは、第2無線通信部621に搭載されるか、あるいは別途のハードウェア構成でもある。該メモリには、既設定の電力パターンが保存されうる。制御部612は、バッテリ613を制御し、電力パターンをカートリッジ620に印加することができる。カートリッジ620に印加された電力パターンが、メモリに保存された既設定の電力パターンと一致する場合、第2無線通信部621は、第1無線通信部611と無線通信ネットワークを形成することができる。
【0097】
第1無線通信部611が第2無線通信部621からデータを受信すれば、制御部612は、受信されたデータに基づき、カートリッジ620に電力を供給することができる。カートリッジ620は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部623を含むが、液体保存部623に保存されたエアロゾル生成物質の種類により、エアロゾル生成物質が加熱される最適の温度プロファイルが異なりもする。第1無線通信部611は、第2無線通信部621から、カートリッジ620が要請する温度プロファイルに係わるデータを受信し、制御部612は、要請された温度プロファイルにより、カートリッジ620に電力を供給することができる。
【0098】
例えば、本体610のメモリには、第1温度プロファイルないし第3温度プロファイルが保存されてもよい。このとき、第1無線通信部611が第2無線通信部621から、第1温度プロファイルを要求するデータを受信すれば、制御部612は、第1温度プロファイルにより、カートリッジ620に電力を供給することができる。
【0099】
一実施形態において、カートリッジ620は、使用回数をカウントすることができる。カートリッジ620は、第2無線通信部621に搭載されたプロセッサを利用し、使用回数をカウントすることができる。または、カートリッジ620に含まれた別途の制御部が使用回数をカウントすることもできる。
【0100】
本体610からカートリッジ620に印加される電力が、臨界値を超える場合、カートリッジ620は、使用回数をカウントすることができる。カートリッジ620に印加される電力が臨界値を超えるということは、霧化器622内ヒータに十分な電力が印加され、ヒータ温度が上昇し、それにより、液体保存部623内エアロゾル生成物質が加熱されることを意味するのである。使用回数に係わるデータは、カートリッジ620のメモリにも保存される。
【0101】
一実施形態において、第2無線通信部621は、使用回数に係わるデータを第1無線通信部611に伝送することができる。制御部612は、第1無線通信部611を介して受信した使用回数に係わるデータに基づき、カートリッジ620に印加される電力を制御することができる。
【0102】
使用回数の増加は、液体保存部623内エアロゾル生成物質の残余量が減少したことを意味し、エアロゾル生成物質の残余量が減少することにより、以前と同一電力がカートリッジ620に供給されても、エアロゾル生成物質の加熱温度がさらに高くなってしまう。それにより、一定量のエアロゾルを発生させるために、制御部612は、第1無線通信部611を介して受信した使用回数に係わるデータに基づき、カートリッジ620に印加される電力を制御することができる。
【0103】
例えば、本体610のメモリには、第1温度プロファイルないし第3温度プロファイルが保存され、カートリッジ620の総使用可能回数は100回にも設定される。カートリッジ620の使用回数が1回ないし50回である場合、制御部612は、第1温度プロファイルにより、カートリッジ620に電力を供給することができる。第1無線通信部611が、第2無線通信部621から使用回数が50回を超えたというデータを受信すれば、制御部612は、第2温度プロファイルにより、カートリッジ620に電力を供給することができる。また、第1無線通信部611が第2無線通信部621から、使用回数が80回を超えたというデータを受信すれば、制御部612は、第3温度プロファイルにより、カートリッジ620に電力を供給することができる。
【0104】
hまた、制御部612は、使用回数が既設定の回数を超えた場合、カートリッジ620に印加される電力を遮断することができる。ここで、既設定の回数を超えたということは、液体保存部623内エアロゾル生成物質が枯渇したことを示す指標でもある。例えば、カートリッジ620の総使用可能回数が100回に設定された場合、第1無線通信部611が第2無線通信部621から、使用回数が100回に逹したというデータを受信すれば、制御部612は、カートリッジ620に印加される電力を遮断することができる。
【0105】
一方、カートリッジ620が本体610に結合されたと決定された場合、制御部612は、第1無線通信部611を介して、第2無線通信部621から、使用回数に係わるデータを受信することができる。受信された使用回数が既設定の回数を超えた場合、制御部612は、カートリッジに印加される電力を遮断することにより、カートリッジ620の再使用を防止することができる。
【0106】
本開示においては、第1無線通信部611が第2無線通信部621から、カートリッジ620が要求する温度プロファイルに係わるデータを受信することにより、本体610がカートリッジ620別に最適化された温度プロファイルに基づき、カートリッジ620に電力を供給することができる。
【0107】
また、第1無線通信部611が第2無線通信部621から、使用回数に係わるデータを受信することにより、本体610がカートリッジ620に電力を供給するとき、液体保存部623内エアロゾル生成物質の枯渇程度が考慮されもする。それを介して、カートリッジ620の再使用も防止することができる。
【0108】
図7は、一実施形態による電力パターンの例示を示す図面である。
【0109】
図7には、経時的な電力グラフによって表現される電力パターン700が図示される。
【0110】
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、本体及びカートリッジを含んでもよい。本体のメモリには、少なくとも1つの電力パターンが保存されうる。カートリッジが本体に結合された場合、本体の制御部は、メモリに保存された電力パターンに基づき、本体のバッテリから出力される電力を制御することができる。例えば、本体から、
図7に図示されているような電力パターンがカートリッジに印加されうる。
【0111】
図7を参照すれば、全3秒間持続する電力パターン700が図示され、0~0.5秒区間では、3W、0.5秒区間では、1W、1~2秒区間では、2W、2~3秒区間では、3Wの電力が本体からカートリッジに印加されうる。ただし、電力パターン700の持続時間及び電力レベルは、
図7に図示された例示に制限されるものではない。
【0112】
本体からカートリッジに、既設定電力パターンが印加されたことに応答し、本体とカートリッジとの無線通信ネットワークが形成されるのである。
【0113】
図8は、一実施形態によるエアロゾル生成装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【0114】
図8を参照すれば、段階810において、エアロゾル生成装置は、電力パターンがカートリッジに印加されるように、バッテリの出力電力を制御することができる。
【0115】
エアロゾル生成装置は、本体及びカートリッジによっても構成される。該本体は、第1無線通信部、制御部及びバッテリを含んでもよい。該カートリッジは、第2無線通信部、霧化器及び液体保存部を含んでもよい。
【0116】
第1無線通信部と第2無線通信部は、無線通信ネットワークを形成し、データを送受信することができる。第1無線通信部と第2無線通信部は、ブルートゥース(登録商標)に基づいた無線通信ネットワークを形成することができる。例えば、第1無線通信部と第2無線通信部は、BLEモジュールでもある。
【0117】
第1無線通信部と第2無線通信部とが無線通信ネットワークを形成するのに先立ち、制御部は、カートリッジが本体に結合されたか否かということを決定することができる。一実施形態において該制御部は、周期的に接続端子に電力を供給し、該接続端子から受信される電力に基づき、カートリッジが本体に結合されたか否かということを決定することができる。または、該本体には、カートリッジと本体との結合いかんを検出する別途のセンサが具備されてもよい。
【0118】
カートリッジが本体に結合されたと決定された場合、該制御部は、第1無線通信部を活性化させることができる。カートリッジが本体に結合されたと決定された場合、制御部は、バッテリを制御し、既設定の電力パターンをカートリッジに印加することができる。
【0119】
本体のメモリには、少なくとも1つの電力パターンが保存されうる。カートリッジが本体に結合された場合、本体の制御部は、メモリに保存された電力パターンに基づき、本体のバッテリから出力される電力を制御することができる。
【0120】
段階820において、エアロゾル生成装置は、既設定の電力パターンがカートリッジに印加されたことに応答し、第1無線通信部と第2無線通信部との無線通信ネットワークを形成することができる。
【0121】
本体からカートリッジに、既設定の電力パターンが印加されたことに応答し、第2無線通信部が活性化されうる。
【0122】
段階810及び段階820が進められることにより、第1無線通信部及び第2無線通信部が活性化されもする。第1無線通信部及び第2無線通信部が活性化された後、第1無線通信部と第2無線通信部との無線通信ネットワークが形成されうる。
【0123】
例えば、カートリッジが本体に結合された後、第1無線通信部が活性化され、本体からカートリッジに、既設定の電力パターンが印加された後、第2無線通信部が活性化されることにより、第1無線通信部と第2無線通信部との無線通信ネットワークが形成されうる。
【0124】
一実施形態において、第1無線通信部が第2無線通信部からデータを受信すれば、制御部は、受信されたデータに基づき、カートリッジに電力を供給することができる。第1無線通信部は、第2無線通信部からカートリッジが要請する温度プロファイルに係わるデータを受信し、制御部は、要請された温度プロファイルにより、カートリッジに電力を供給することができる。
【0125】
一実施形態において、本体からカートリッジに印加される電力が臨界値を超える場合、カートリッジは、使用回数をカウントすることができる。第2無線通信部は、使用回数に係わるデータを第1無線通信部に伝送することができる。制御部は、第1無線通信部を介して受信した使用回数に係わるデータに基づき、カートリッジに印加される電力を制御することができる。
【0126】
本体は、複数の温度プロファイルが保存されたメモリを含んでもよい。制御部は、第1無線通信部を介して受信された使用回数に係わるデータに基づき、メモリに保存された複数の温度プロファイルのうちいずれか一つを選択することができる。また、制御部は、選択された温度プロファイルに基づき、カートリッジに電力が供給されるように、バッテリを制御することができる。また、制御部は、使用回数が既設定の回数を超えた場合、カートリッジに印加される電力を遮断することができる。
【0127】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態でも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意可読媒体でもあり、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含んでもよい。該コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。該通信媒体は、典型的に、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意情報伝達媒体を含む。
【0128】
制御器460、ユーザインターフェース440、センサ430、第1無線通信部511及び第2無線通信部521のように、ブロックによって表現される構成、要素、モジュールまたはユニット(本段落において、「構成」と総称する)において少なくとも一つは、例示的な実施形態により、前述のそれぞれの機能を遂行する多様な個数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェアのストラクチャとしても具現される。例えば、それらコンポーネントのうち少なくとも一つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような、1以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置の制御を介し、それぞれの機能を遂行することができる直接回路構造を使用することができる。また、それら構成要素のうち少なくとも一つは、特定論理機能を遂行するための1以上の実行可能な命令を含み、1以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置によって実行されるモジュール、プログラム、またはコードの一部によっても具体的に具現される。また、それら構成要素のうち少なくとも一つは、それぞれの機能を遂行する中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、あるいはそれによっても具現される。それらコンポーネントのうち2以上は、1以上の単一コンポーネントに結合され、結合された2以上のコンポーネントの全ての動作または機能を遂行することができる。また、それらコンポーネントのうち少なくとも一つの機能の少なくとも一部は、それらコンポーネントのうち他のコンポーネントによっても遂行される。また、バス(bus)は、ブロック図に図示されていないが、コンポーネントを介する通信は、バスを介してもなされる。前述の例示的な実施形態の機能的側面は、1以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、ブロックまたはプロセッシング段階によって表現されたコンポーネントは、電子構成、信号のプロセッシング及び/または制御、データプロセッシングなどのための任意関連技術を利用することができる。
【0129】
前述の実施形態に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての差異は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれるものであると解釈されなければならないのである。