(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】使用された構成要素を評価するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G01B21/00 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018092813
(22)【出願日】2018-05-14
【審査請求日】2021-05-10
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・マーティン・ファーニオック
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・タリオン・エドワーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・レイ・トラップ
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-176716(JP,A)
【文献】特表2011-509402(JP,A)
【文献】特開2017-9599(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0166458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00-21/32
G01B 11/00-11/30
G01B 5/00-5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素(110)の測定に基づく三次元(3D)測定データ(162)を受信するステップ(202)と、
前記3D測定データ(162)と前記特定の構成要素タイプに関連する使用公差(172)との比較を実行するステップ(204)であって、前記使用公差(172)が、前記特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素(110)の測定および前記第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定されるステップ(204)と、
前記比較に基づいて、前記第1の使用された構成要素(110)が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力(182)を生成するステップ(206)と
を含
み、
前記第2の使用された構成要素(110)の前記評価が、第2の3D測定データが設計通りの公差のうちの特定の設計通りの公差を超えることの判定に基づいて実行されており、前記使用公差(172)のうちの1つ以上の特定の使用公差(172)が、負荷閾値および疲労閾値を満たす前記第2の使用された構成要素(110)の3Dモデルのシミュレーションに基づいて決定されている、方法。
【請求項2】
前記評価が、前記第2の使用された構成要素(110)の3Dモデルのシミュレーション構造解析、前記第2の使用された構成要素(110)の非破壊試験、または前記第2の使用された構成要素(110)の破壊試験の結果を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造特性が、負荷レーティングおよび疲労レーティングを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記出力が、前記第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であることを示す場合に、前記第1の使用された構成要素(110)が、プラットフォーム(108)に取り付けられ、前記プラットフォーム(108)が、航空機、宇宙船、船舶、建物、橋梁、石油リグ、発電所、または化学プラントを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記出力(182)が、前記第1の使用された構成要素(110)が再使用に関して許容可能でないことを示す場合に、前記3D測定データ(162)に基づいて前記第1の使用された構成要素(110)の構造特性の第2の評価を実行するために、前記3D測定データ(162)を構造解析装置(104)に送信するステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記出力(182)が、前記第1の使用された構成要素(110)が再使用に関して許容可能でないことを示す場合に、前記第1の使用された構成要素(110)の構造特性の第2の評価を実行するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の評価を実行するステップが、
負荷レーティングおよび疲労レーティングを決定するために有限要素解析を実行することと、
前記負荷レーティングおよび前記疲労レーティングと負荷閾値および疲労閾値との第2の比較を実行することと、
前記第2の比較の結果を出力することと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の使用された構成要素(110)の構造特性の第2の評価に基づいて、前記第1の使用された構成要素(110)が再使用に関して許容可能であることを示す第2の出力を生成するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
更新データをデータベース(106)に送信するステップであって、前記更新データにより、前記データベース(106)が、前記第2の評価、前記3D測定データ(162)、またはこれらの両方に基づいて前記使用公差(172)を更新するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の使用された構成要素(110)の構造特性の第2の評価に基づいて、前記第1の使用された構成要素(110)が修理されるべきであることを示す第2の出力を表示するステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記出力(182)が、前記第1の使用された構成要素(110)が修理されるべきであることをさらに示す、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
システム(101)であって、
特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素(110)の測定に基づいて三次元(3D)測定データ(162)を生成する三次元測定装置(112)と、
コンピューティングデバイス(114)であって、
前記3D測定データ(162)と前記特定の構成要素タイプに関連する使用公差(172)との比較であって、前記使用公差(172)が、前記特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素(110)の測定および前記第2の使用された構成要素(110)の構造特性の評価に基づいて決定される比較を実行し、
前記比較に基づいて、前記第1の使用された構成要素(110)が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力(182)を生成するコンピューティングデバイス(114)と
を備え
ており、
前記第2の使用された構成要素(110)の前記評価が、第2の3D測定データが設計通りの公差のうちの特定の設計通りの公差を超えることの判定に基づいて実行されており、前記使用公差(172)のうちの1つ以上の特定の使用公差(172)が、負荷閾値および疲労閾値を満たす前記第2の使用された構成要素(110)の3Dモデルのシミュレーションに基づいて決定されている、システム(101)。
【請求項13】
ネットワークインタフェース(158)であって、
前記3D測定データ(162)、前記3D測定データ(162)に基づいて生成される3Dモデル、またはこれらの両方を遠隔装置(104)に送信し、
データベース(106)から前記使用公差(172)、使用公差更新(174)、またはこれらの両方を受信し、前記三次元測定装置(112)が、レーザ測定装置、光学測定装置、または接触ベースの測定装置を備えるネットワークインタフェース(158)
をさらに備える、請求項
12に記載のシステム(101)。
【請求項14】
前記使用公差(172)を格納するデータベース(106)をさらに備える、請求項
12または
13に記載のシステム(101)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、使用された構成要素を評価することに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の構造検査および整備中に、航空機の構成要素は、検査され、測定され、設計公差などの予め決定された(例えば、元のまたは設計通りの)許容限界と比較される。例えば、構成要素は、測定ツール(例えば、キャリパ、マイクロメータ、スケール、機体ゲージなど)を使用する整備技術者によって手作業で測定される。測定値は、構成要素の設計公差(例えば、3Dモデルまたは2D設計図によって示される設計公差)と比較される。測定値が設計公差内にない場合、測定値は、解析のために構造エンジニア(場外にいる場合もある)に送信される。この解析は、構成要素が再使用、修理、または廃棄されるべきであることを示すことができる。さらに、解析の複雑さに起因して、構造エンジニアは、解析を完了するためにより多くの測定値を要求する場合があり、このため、検査および整備のサイクル時間が延びてしまう場合がある。この構造検査および整備プロセスは、多くの時間を要し、同じタイプの構成要素または類似の構成要素に対して行われる複雑な解析をほとんど再使用することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
特定の実施態様では、方法は、特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の測定に基づく三次元(3D)測定データを受信するステップを含む。本方法は、3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較を実行するステップであって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定されるステップも含む。本方法は、比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成するステップをさらに含む。
【0004】
別の特定の実施態様では、システムは、測定装置およびコンピューティングデバイスを含む。測定装置は、特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の測定に基づいて3D測定データを生成するように構成される。コンピューティングデバイスは、3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較であって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される比較を実行するように構成される。コンピューティングデバイスは、比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成するようにさらに構成される。
【0005】
別の特定の実施態様では、非一時なプロセッサ可読媒体は、プロセッサによって実行されたときにプロセッサに、特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の走査に基づく3D測定データを受信させるプロセッサ実行可能命令を格納する。命令はまた、プロセッサに、3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較であって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される比較を実行させる。命令はさらに、プロセッサに、比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】再使用に関して構成要素を評価するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【
図2】再使用に関して構成要素を評価するための方法の一例のフローチャートである。
【
図3】構成要素の構造特性の評価を実行するための方法の一例のフローチャートである。
【
図4】使用された構成要素の評価を実行するための方法の別の例のフロー図である。
【
図5】使用された構成要素の寸法と使用公差とを比較する一例のフロー図である。
【
図6】使用された構成要素の寸法と使用公差とを比較する別の例のフロー図である。
【
図7】本開示に従って再使用に関して構成要素を評価するように構成された汎用コンピューティングデバイスを含むコンピューティング環境のブロック図の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で説明される実施態様は、プラットフォームの構成要素を検査および整備するためのシステムおよび方法に関する。プラットフォームは、航空機、宇宙船、船舶、建物、橋梁、石油リグ、発電所、化学プラントなどを含むか、またはこれらに相当する。測定装置(例えば、三次元(3D)レーザスキャナ)は、3D測定データ(例えば、点群)を生成するためにプラットフォームの特定の構成要素を走査する。3D測定データを求めるために測定装置(例えば、自動測定装置)を使用することによって、手作業での測定に比べて、特定の構成要素の測定値の精度が高められ(例えば、ヒューマンエラーが低減され)、特定の期間内により多くの測定データが生成され得る。さらに、3D測定データを求めるために測定装置を使用することにより、不完全なデータに起因する、特定の構成要素の再測定の頻度が低減され得る。したがって、3D測定データに基づいて生成される、構成要素のモデルおよびシミュレーションの精度が高くなり、検査および整備のサイクル時間が短縮され得る。
【0008】
さらに、3D測定データは、位置情報(例えば、測定が行われた位置)、構成要素識別情報、プラットフォーム識別情報、タイムスタンプ情報などのメタデータを含んでもよい。メタデータは、3D測定データの格納、検索、および再使用を可能にし得る。例えば、メタデータは、3D測定データが、将来の整備および検査の期間に構成要素を測定する頻度を低減したり、整備履歴のない新しい構成要素の使用公差を予測したりするために利用されることを可能にし得る。
【0009】
特定の実施態様では、コンピュータは、特定の構成要素の3D測定データを受信し、3D測定データ(または3D測定データに基づいて生成される3Dモデル)と使用公差との比較を実行する。使用公差は、元の設計通りの公差の後に、特定の構成要素に類似する(例えば、同じ構成要素タイプの)1つ以上の構成要素の測定および評価に基づいて生成される。したがって、使用公差は、元の設計通りの公差からの偏差を表す。例えば、使用公差は、類似プラットフォーム(例えば、同じプラットフォームタイプ)の第2の特定の構成要素の構造解析に少なくとも基づいて生成される。例示すると、第2の特定の構成要素の第2の3D測定データは、第2の特定の構成要素の第2の3Dモデルを生成するために使用される。静的強度および疲労のシミュレーションが、第2の特定の構成要素の第2の3Dモデルに対して実行され、その結果が、その部品の動作特性(例えば、負荷および疲労)と比較される。さらに、特定の構成要素(例えば、構成要素タイプ)の使用公差は、構成要素タイプの他の類似の構成要素の構造解析に基づいて更新される。
【0010】
コンピュータは、比較に基づいて、特定の構成要素の処置を示す出力を生成する。例えば、コンピュータは、特定の構成要素がプラットフォームでの再使用に関して許容可能であること、特定の構成要素が評価されるべきであること、特定の構成要素が修理されるべきであること、または特定の構成要素が廃棄されるべきであることを示す出力を生成する。
【0011】
特定の構成要素が再使用に関して許容可能である場合、特定の構成要素は、プラットフォームまたは類似のプラットフォームに取り付けられる(例えば、再び取り付けられる)。特定の構成要素が、同じタイプの他の構成要素のシミュレーションまたは試験に基づいて生成された使用公差に適合することから、構成要素の3Dモデルのシミュレーション(または特定の構成要素の試験)は実行さない。使用公差を使用することによって、構成要素の評価(例えば、3Dモデルのシミュレーション解析または物理的な構成要素の試験)の量が低減され得、検査および整備のサイクル時間が短縮され得る。
【0012】
出力が、特定の構成要素が評価されるべきであることを示す場合、特定の構成要素の3Dモデルが生成され、静的強度および疲労のシミュレーションが、特定の構成要素の3Dモデルに対して実行される。評価の結果は、特定の構成要素の動作特性(例えば、負荷および疲労)と比較され、その結果に基づいて(例えば、特定の構成要素が性能要求を満たすかまたは超える場合)、使用公差は更新されてもよい。
【0013】
出力が、特定の構成要素が修理されるべきであることを示す場合、修理が実行された後に、修理された構成要素が使用公差に準拠しているかどうかを判定するために、特定の構成要素は走査(例えば、再走査)されてもよい。使用公差は、サーバまたはデータベースに格納され、複数の位置で最新の使用公差を利用できるように、複数の位置の整備要員にとってアクセス可能であってもよい。
【0014】
図1は、プラットフォームでの再使用に関して、使用された構成要素を評価するためのシステム101の、一例の
図100を示す。システム101は、使用された構成要素の評価、使用公差の生成、および使用公差の更新を可能にし得る。システム101は、測定システム102、構造解析装置104、およびデータベース106を含む。
図1は、プラットフォーム108の構成要素110を評価するシステム101の一例を示す。
図1には、1つの測定システムおよび1つの構造解析装置が示されているが、他の実施態様では、システム101は、複数の測定システムおよび複数の構造解析装置を含む。
【0015】
構成要素110は、元の設計通りの構成要素または製造された構成要素(例えば、未使用の構成要素)からの偏差を含む使用された構成要素である。例示すると、構成要素110には、設計通りの構成要素および設計通りの公差192との齟齬の原因となる損耗、損傷、またはこれらの両方がある。プラットフォーム108は、構成要素110を含む複数の構成要素を有する複雑なシステムを含むか、またはこれに相当し、また、比較的長い動作寿命を有する。プラットフォーム108の複数の構成要素のうちの1つ以上は、プラットフォーム108の動作寿命よりも短い動作寿命を有し得るし、プラットフォーム108の動作中に損傷または損耗を受け得る。したがって、複数の構成要素のうちの1つ以上は評価され、プラットフォーム108の動作寿命にわたって交換される。例示的な例として、プラットフォーム108は、航空機、宇宙船、船舶、建物、橋梁、石油リグ、発電所、または化学プラントを含むか、またはこれらに相当し得る。
【0016】
測定システム102は、インタフェース116を介して互いに結合されるように構成される測定装置112およびコンピューティングデバイス114を含む。測定装置112(例えば、3D測定装置)は、プロセッサ122、メモリ124、およびセンサ126を含む。メモリ124は、測定装置112によって生成される3D測定データ162を格納するように構成される。測定装置112は、センサ126を使用して構成要素110を測定し、3D測定データ162を生成するように構成される。測定装置112は、3Dレーザ走査装置、接触測定装置、光学測定装置、座標測定機、電子ボアゲージ、もしくはこれらの組み合わせを含むか、またはこれらに相当する。測定装置112は、固定型、可搬型、または携帯型のものであってもよく、有線通信能力、無線通信能力、またはこれらの両方を含んでもよい。一部の実施態様では、測定装置112は、構成要素110がプラットフォーム108に取り付けられている間に構成要素110を測定するように構成される。他の実施態様では、測定装置112は、プラットフォーム108から構成要素110が部分的に取り外された後または完全に取り外された後に構成要素110を測定するように構成される。特定の実施態様では、測定装置112によって生成される3D測定データ162は、点群を含むか、または点群に相当する。他の実施態様では、3D測定データ162は、プローブ測定値もしくは走査データを含むか、またはこれらに相当してもよい。
【0017】
一部の実施態様では、3D測定データ162は、位置情報(例えば、測定が行われた位置)、構成要素識別情報、プラットフォーム識別情報、タイムスタンプ情報などのメタデータを含む。メタデータは、3D測定データ162の格納、検索、および再使用を可能にし得る。例えば、3D測定データ162は、少なくとも構成要素識別情報に基づいて構成要素110の将来の評価のために再使用されてもよい。別の例として、3D測定データ162は、少なくとも構成要素識別情報に基づいて、構成要素110の測定(例えば、再測定)に基づいて生成された更新された3D測定データと比較されてもよい。さらに、3D測定データ162はまた、少なくとも構成要素識別情報およびプラットフォーム識別情報に基づいて、構成要素110に類似する新しい構成要素タイプの使用公差を生成するために利用されてもよい。
【0018】
コンピューティングデバイス114は、インタフェース116を介して3D測定データ162を受信するように構成される。インタフェース116は、測定装置112とコンピューティングデバイス114との間でデータを転送するように構成される。インタフェース116は、コンピューティングデバイス114の無線インタフェースもしくは有線インタフェースを含むか、またはこれらに相当してもよい。特定の実施態様では、インタフェース116は、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースなどの入出力(I/O)インタフェースである。
【0019】
コンピューティングデバイス114は、プロセッサ132、メモリ134、およびディスプレイ136を含む。メモリ134は、3D測定データ162、使用公差172、および構成要素処置出力182を格納するように構成される。
【0020】
使用公差172は、複数のタイプの構成要素およびプラットフォームの使用公差を含む。例えば、使用公差172の特定の使用公差セットは、1つ以上のプラットフォームの特定タイプの構成要素に対応する。使用公差172は、長さ公差、幅公差、高さ公差、面積公差、体積公差、またはこれらの組み合わせなどの構成要素110の寸法公差を含む。一部の実施態様では、使用公差172は、構成要素110の全体寸法(例えば、外部寸法)、構成要素110の部分構成要素(sub-component)の寸法(例えば、内部寸法)、またはこれらの組み合わせの公差を含む。使用公差172は、値(例えば、正の値の閾値もしくは負の値の閾値)または値の範囲(例えば、0.997~1.003(一般的には1インチ±0.003インチと言う))、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0021】
さらにまたはあるいは、使用公差172は、構成要素110の損耗(摩耗、歪み(warping)、剥離など)および構成要素110への損傷(穴(puncture)、裂傷など)の公差を含む。例示的な例として、使用公差172は、ある程度の歪み公差を含む。別の例として、使用公差172は、穴の深さの公差および穴の対応する断面積の公差を含む。異なる深さの穴の公差は、異なる対応する断面積の公差を有してもよい。一部の実施態様では、使用公差172は、「肯定的な」または「許容可能な」公差を含む。例示すると、肯定的な公差は、構成要素110が修理され得るか、再使用され得るか、またはこれらの両方である寸法を示す。例えば、肯定的な公差は、構成要素110の構造特性が動作閾値を満たす場合を示す。さらにまたはあるいは、使用公差172は、「否定的な」公差または「交換」公差を含む。例示すると、否定的な公差は、構成要素110が修理できない、再使用できない、またはこれらの両方である寸法を示す。例えば、否定的な公差は、構成要素110の構造特性が動作閾値を満たさない場合を示す。
【0022】
使用公差172は、設計通りの公差(例えば、元の公差または製造公差)192が構成要素の設計および製造中に決定された後に生成される。使用公差172は、構成要素110および動作閾値(例えば、負荷閾値、疲労閾値など)に関する解析および試験に基づいて生成される。例えば、使用公差172は、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される。評価は、シミュレーション解析、非破壊試験、破壊試験、またはこれらの組み合わせを含む。
【0023】
コンピューティングデバイス114はまた、3D測定データ162と、構成要素110の特定の構成要素タイプに関連する使用公差172との比較を実行するように構成される。例えば、プロセッサ132は、3D測定データ162に基づいて構成要素110の寸法を求め、構成要素110の寸法と使用公差172とを比較する。あるいは、コンピューティングデバイス114は、(3D測定データ162に基づいて生成される)3Dモデルデータ164と使用公差172との比較を実行するように構成される。
【0024】
コンピューティングデバイス114は、比較に基づいて構成要素処置出力182を生成するようにさらに構成される。構成要素処置出力182の出力は、構成要素110が再使用、評価、修理、または交換(例えば廃棄)されるべきかどうかのうちの1つ以上を示す。例示すると、プロセッサ132は、構成要素110の寸法が使用公差172を満たす場合に、使用された構成要素は再使用されるべきであることを示す構成要素処置出力182を生成する。別の例示として、プロセッサ132は、構成要素110の寸法のうちの1つ以上が使用公差172を満たさない場合に、使用された構成要素が評価されるべきであることを示す構成要素処置出力182を生成する。
【0025】
ディスプレイ136は、構成要素処置出力182を出力するように構成される。構成要素処置出力182の出力が、構成要素110が再使用されるべきであることを示す場合、構成要素110は、プラットフォーム108または別のプラットフォーム(例えば、同じプラットフォームタイプの別のプラットフォーム)に取り付けられてもよい。特定の実施態様では、構成要素処置出力182は、修理パラメータ(例えば、修理のタイプ、修理の量など)の提案を示す。
【0026】
図1において、測定システム102は、構造解析装置104およびデータベース106と通信するように構成されるネットワークインタフェース118をさらに含む。例示すると、測定システム102は、3D測定データ162、3Dモデルデータ164、またはこれらの両方を遠隔装置(例えば、構造解析装置104)に送信するように構成される。一部の実施態様では、測定システム102は、構成要素処置出力182が、構成要素110の少なくとも1つの測定値が使用公差172を満たさないことを示すか、または構成要素110が評価されるべきであることを示す場合に、3D測定データ162、3Dモデルデータ164、またはこれらの両方を構造解析装置104に送信する。測定システム102は、データベース106から使用公差172、使用公差更新、またはこれらの両方を受信するように構成される。さらにまたはあるいは、測定システム102は、構造解析装置104から公差更新を受信するように構成される。ネットワークインタフェース118は、無線ネットワークインタフェース、有線ネットワークインタフェース、もしくはこれらの両方を含むか、またはこれらに相当してもよい。特定の実施態様では、ネットワークインタフェース118は、コンピューティングデバイス114に含まれる。
【0027】
構造解析装置104は、使用された構成要素の少なくとも1つの構造特性を示すデータを生成するために、使用された構成要素の3Dモデルの構造特性の評価を実行するように構成される。一部の実施態様では、構造解析装置104は、構成要素110の少なくとも1つの構造特性と少なくとも1つの構造特性閾値とを比較するように構成される。構造解析装置104は、第2の構成要素処置出力を生成するように構成される。第2の処置出力は、構成要素110が再使用、修理、または廃棄されるべきかどうかを示すことができる。
【0028】
構造解析装置104は、プロセッサ142、メモリ144、およびネットワークインタフェース148を含む。メモリ144は、シミュレーションアプリケーション146、3D測定データ162、および3Dモデルデータ164を格納するように構成される。プロセッサ142は、シミュレーションアプリケーション146を実行するように構成される。一部の実施態様では、シミュレーションアプリケーション146は、3D測定データ162に基づいて3Dモデルデータ164を生成するように構成される。他の実施態様では、構造解析装置104は、コンピューティングデバイス114から3Dモデルデータ164を受信する。特定の実施態様では、シミュレーションアプリケーション146は、コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)アプリケーション、コンピュータ支援製造(CAM)アプリケーション、または製品ライフサイクル管理(PLM)アプリケーション、例えば、Catia(登録商標)(ダッソーシステムズの登録商標)またはSiemensNX(登録商標)(以前はUnigraphicsとして知られていた)(シーメンスPLMソフトウェアの登録商標)などを含む。
【0029】
シミュレーションアプリケーション146は、構成要素110の少なくとも1つの構造特性を示すデータを生成するために、3Dモデルデータ164においてシミュレーション構造解析(例えば、有限要素解析、静的解析など)を実行するように構成される。例えば、シミュレーションアプリケーション146は、負荷レーティング、疲労レーティング、またはこれらの両方を生成するために有限要素解析および静的解析を実行してもよい。シミュレーションアプリケーション146は、構成要素110の少なくとも1つの構造特性と少なくとも1つの構造特性閾値とを比較するように構成される。例えば、負荷レーティングは、負荷閾値(例えば、プラットフォーム108の動作中に構成要素110が受ける動作負荷の1.5倍)と比較される。さらにまたはあるいは、疲労レーティングは、疲労閾値(例えば、構成要素の次の検査または寿命(retirement)までのサイクル数)と比較される。負荷レーティングおよび疲労レーティングは、メモリ144に格納されてもよい。さらにまたはあるいは、負荷レーティングおよび疲労レーティングは、データベース106から検索または受信されてもよい。他の実施態様では、少なくとも1つの構造特性が、ユーザによって構成要素110の少なくとも1つの構造特性閾値と比較される。
【0030】
一部の実施態様では、シミュレーションアプリケーション146は、比較(例えば、第2の比較)に基づいて第2の構成要素処置出力を生成するように構成される。そのような実施態様では、構造解析装置104は、ネットワークインタフェース148を介して第2の構成要素処置出力を測定システム102に送信する。第2の構成要素処置出力は、構成要素110が、動作閾値および安全閾値を満たすかまたは超え、再使用(例えば、継続使用)を許可されることを示すことができる。他の実施態様では、シミュレーションアプリケーション146は、第2の構成要素処置出力を決定または生成するために使用される出力データを生成するように構成される。そのような実施態様では、第2の構成要素処置出力は、ユーザ入力に基づいて生成されてもよい。さらにまたはあるいは、第2の構成要素処置出力は、出力データに基づいて測定システム102によって生成されてもよい。
【0031】
一部の実施態様では、構造解析装置104は、
図4を参照してさらに説明するように構成要素110の寸法、使用公差172、またはこれらの両方に基づいて公差更新174を生成するようにさらに構成される。使用公差172は、動作閾値および安全閾値を満たすまたは超える、以前に評価された構成要素の最小寸法または最大寸法を表す。公差更新174は、構成要素110の評価に基づいて動作閾値および安全閾値を満たすまたは超える、更新された最小寸法または最大寸法を表す。さらにまたはあるいは、使用公差172は、動作閾値および安全閾値を満たさない、以前に評価された構成要素の最小寸法または最大寸法を表す。
【0032】
公差更新174は、第2の比較の実行に応答して生成されてもよい。例えば、構造解析装置104は、閾値を満たす(例えば、動作閾値および安全閾値を満たすまたは超える)求められた構造特性に基づいて公差更新174を生成する。さらにまたはあるいは、公差更新174は、第2の構成要素処置の生成に応答して生成される。例えば、構造解析装置104は、構成要素110が修理または再使用されるべきであることを示す公差更新174を生成する。公差更新174は、構成要素110の新しい使用公差を示すか、または既存の使用公差もしくは設計通りの公差192のうちのある設計通りの公差の変更を示す。例えば、特定の公差更新は、新しい体積使用公差(例えば、221立方インチ)、既存の高さ使用公差の変更(例えば、4.8インチから4.6インチへの)、またはこれらの両方を示すことができる。
【0033】
構造解析装置104が公差更新174を生成するそのような実施態様では、構造解析装置104は、ネットワークインタフェース148を介して公差更新174をデータベース106に送信する。特定の実施態様では、構造解析装置104は、構造解析に基づいて、または構成要素110が動作閾値および安全閾値を満たすかまたは超えて再使用(例えば、継続使用)を許可されることを示す第2の構成要素処置出力に基づいて公差更新174をデータベース106に送信する。さらに、構造解析装置104は、ネットワークインタフェース148を介して公差更新174を測定システム102に送信してもよい。他の実施態様では、測定システム102は、第2の処置出力、出力データ、ユーザ入力、またはこれらの組み合わせの受信に応答して公差更新174を生成する。
【0034】
データベース106は、プロセッサ152、メモリ154、およびネットワークインタフェース158を含む。データベース106は、使用公差172を格納および更新するように構成される。例えば、プロセッサ152は、公差更新174に基づいて使用公差172を生成または変更するように構成される。データベース106は、測定システム102(例えば、コンピューティングデバイス114)および構造解析装置104にアクセス可能に構成される。一部の実施態様では、データベース106は、3D測定データ162などの3D測定データを格納するように構成される。データベース106は、対応するメタデータに基づいて3D測定データの格納、分類、検索、またはこれらの組み合わせを行うことができる。そのような実施態様では、データベース106はまた、対応する構成要素処置出力によって示される処置などの、3D測定データ162に関連する処置情報を格納してもよい。特定の実施態様では、処置情報は、対応する3D測定データのメタデータに格納される。一部の実施態様では、データベース106は、対応する構成要素処置出力によって再使用に関して許容可能であると示される構成要素の3D測定データを格納するように構成される。そのような実施態様では、データベース106は、再使用に関して許容可能であると示されない構成要素の3D測定データを格納しなくてもよい。
【0035】
ネットワークインタフェース158は、測定システム102(例えば、コンピューティングデバイス114)および構造解析装置104と通信するように構成される。例えば、データベース106は、測定システム102(例えば、コンピューティングデバイス114)、構造解析装置104、またはこれらの両方から公差更新を受信する。さらに、データベース106は、測定システム102(例えば、コンピューティングデバイス114)、構造解析装置104、またはこれらの両方に公差更新を送信またはプッシュ(例えば、公差更新の受信に応答して送信)してもよい。
【0036】
動作中、測定装置112は、センサ126を使用して構成要素110を測定(または走査)し、3D測定データ162を生成する。コンピューティングデバイス114は、インタフェース116を介して3D測定データ162を受信する。コンピューティングデバイス114は、構成要素110のタイプ(例えば、構成要素タイプ、プラットフォームタイプ、またはこれらの両方)に基づいて3D測定データ162と使用公差172とを比較する。あるいは、コンピューティングデバイス114は、3D測定データ162に基づいて3Dモデルデータ164を生成し、構成要素110のタイプ(例えば、構成要素タイプ、プラットフォームタイプ、またはこれらの両方)に基づいて3Dモデルデータ164と使用公差172とを比較する。例示すると、プロセッサ132は、3D測定データ162または3Dモデルデータ164から構成要素110の寸法を求める。プロセッサ132は、構成要素110の寸法と使用公差172(例えば、構成要素110のタイプに対応する使用公差172の使用公差セット)とを比較する。コンピューティングデバイス114は、比較に基づいて構成要素処置出力182を生成し、ディスプレイ136によって構成要素処置出力182を表示する。例示すると、構成要素110の寸法が使用公差172を満たす(例えば、使用公差172内にある)場合、構成要素処置出力182は、構成要素110が再使用されるべきである(例えば、プラットフォーム108に再び取り付けられるべきである、別の類似のプラットフォームに取り付けられるべきである、または修理も交換もされるべきではない)ことを示す。
【0037】
構成要素110の1つ以上の寸法が使用公差172を超える(例えば、満たさない)場合、構成要素処置出力182は、構成要素110が評価、修理、または交換(例えば、廃棄)されるべきであることを示す。例えば、構成要素処置出力182は、構成要素110の長さ寸法が使用公差172を満たさない(例えば、許容可能な長さの値の範囲内にない)場合または対応する使用公差が存在しない場合、構成要素110が評価されるべきであることを示す。別の例として、構成要素処置出力182は、構成要素110の長さ寸法が使用公差172の第1の長さ公差を満たさず(例えば、第1の長さ公差内になく)、使用公差172の第2の長さ公差を満たす(例えば、修理可能な長さの値の範囲内にある)場合、構成要素110が修理されるべきであることを示す。さらに別の例として、構成要素処置出力182は、
図4~
図6を参照して説明するように、構成要素110の長さ寸法が第1の長さ公差または第2の長さ公差を満たさない場合、構成要素110が交換されるべきであることを示す。
【0038】
構成要素110を評価するために、コンピューティングデバイス114は、ネットワークインタフェース118を介して3D測定データ162または3Dモデルデータ164を構造解析装置104に送信する。3D測定データ162が構造解析装置104によって受信される実施態様では、構造解析装置104は、3D測定データ162に基づいて3Dモデルデータ164を生成する。例示すると、プロセッサ142は、3Dモデルデータ164を生成するためにシミュレーションアプリケーション146を実行する。構造解析装置104は、構成要素110の1つ以上の構造特性を求めるために、シミュレーションアプリケーション146を利用して3Dモデルデータ164においてシミュレーション構造解析を実行する。例えば、プロセッサ142は、構成要素110の負荷レーティング(例えば、せん断レーティング、ひずみレーティング、もしくはこれらの両方)、疲労レーティング(例えば、サイクル数)、またはこれらの組み合わせを決定する目的で有限要素解析、静的解析、またはこれらの組み合わせを実行するためにシミュレーションアプリケーション146を実行する。あるいは、構成要素110は、非破壊試験を使用して評価される。
【0039】
構造解析装置104は、構成要素110の求められた構造特性と動作閾値との比較に基づいて第2の構成要素処置出力を生成する。例示すると、構造解析装置104は、負荷レーティングおよび疲労レーティングと負荷閾値および疲労閾値との比較を実行する。構造解析装置104は、ネットワークインタフェース148を介して第2の構成要素処置出力を測定システム102に送信する。コンピューティングデバイス114は、第2の構成要素処置出力を表示する。第2の構成要素処置出力は、構成要素110が再使用、修理、または交換されるべきであることを示すことができる。例えば、負荷レーティングが負荷閾値を満たし(例えば、超え)、かつ疲労レーティングが疲労閾値を満たす(例えば、超える)場合、第2の処置出力は、構成要素110が再使用されるべきであることを示す。別の例として、負荷レーティングが負荷閾値を満たさない(例えば、超えない)か、または疲労レーティングが疲労閾値を満たさない(例えば、超えない)場合、第2の処置出力は、構成要素110が修理または交換されるべきであることを示す。
【0040】
一部の実施態様では、構造解析装置104は、構成要素110の寸法に基づいて公差更新174を生成する。例えば、負荷レーティングが負荷閾値を満たし(例えば、超え)、かつ疲労レーティングが疲労閾値を満たす(例えば、超える)場合、構造解析装置104は、構成要素110の寸法に基づいて公差更新174を生成する。別の例として、負荷レーティングが負荷閾値を満たさない(例えば、超えない)か、または疲労レーティングが疲労閾値を満たさない(例えば、超えない)場合、構造解析装置104は、構成要素110の寸法に基づいて公差更新174(例えば、否定的な公差に関する公差更新)を生成する。構造解析装置104は、ネットワークインタフェース148を介して公差更新174をデータベース106に送信する。データベース106は、公差更新174に基づいて使用公差172を変更(例えば、更新)する。さらに、構造解析装置104は、ネットワークインタフェース148を介して公差更新174を測定システム102に送信してもよい。したがって、構成要素110の寸法は、将来に評価される構成要素との比較のために使用公差172として格納される。
【0041】
構成要素110が再使用されるべきである場合、構成要素110は、プラットフォーム108に再び取り付けられるか、または別の類似のプラットフォームに取り付けられる。構成要素110が修理(例えば、改修)される場合、構成要素110は、手作業でまたは自動機械によって修理され得る。一部の実施態様では、第2の処置出力は、修理のパラメータを示す。例えば、第2の処置出力は、修理のタイプ、修理の寸法、またはこれらの組み合わせを示す。例示すると、第2の処置出力は、構成要素110に対して1インチの充填修理が実行されるべきであることを示す。構成要素110が修理された後、構成要素110は、測定システム102によって測定(再測定)されてもよく、修理された構成要素の寸法が使用公差172内にあることを確認するために第3の比較が実行されてもよい。修理された構成要素の寸法が使用公差172内にない場合、修理された構成要素は、廃棄されるか、または(例えば構造解析装置104によって)再評価され得る。特定の実施態様では、測定システム102は空港または整備施設に設置され、構造解析装置104は工業施設に配置される。他の実施態様では、測定システム102および構造解析装置104は、1つのシステムに統合される。
【0042】
3D測定データ162を求めるために測定装置112を使用することによって、手作業での測定に比べて、構成要素110の測定値の精度が高められ(例えば、ヒューマンエラーの可能性が低減され)、特定の期間内により多くの測定データが生成され得る。さらに、3D測定データ162を求めるために測定装置112を使用することにより、不完全なデータに起因する、構成要素110の再測定の頻度が低減され得る。さらに、3D測定データ162を求めることによって、構成要素110の寸法と使用公差172との比較を可能にする3Dモデルを生成することができる。したがって、3D測定データに基づいて生成される、構成要素のモデルおよびシミュレーションの精度が高くなり、検査および整備のサイクル時間が短縮され得る。
【0043】
使用公差を使用することによって、構成要素の評価(例えば、3Dモデルのシミュレーション解析または物理的な構成要素の試験)の量が低減され得、整備サイクル時間が短縮され得る。例えば、特定の使用された構成要素が、(類似の構成要素の評価に基づいて)以前に確立された使用公差を満たす場合、特定の構成要素は評価なしで再使用することができ、したがって、整備サイクル時間が短縮される。より多くの構成要素がシステム101によって評価されるに従って、特定の構成要素を評価しなければならない可能性は減少する(例えば、新しい構成要素が以前の評価に基づいて確立された既存の使用公差を満たす可能性が高くなる)。
【0044】
さらに、プラットフォーム108の構成要素110が以前にシステム101によって評価されていた場合、プラットフォーム108を検査に出す(例えば送り出す)前に解析を行うことができる。例えば、構成要素110が以前に修理されていた場合、以前の修理と新しい損耗または損傷の視覚的証拠とを組み合わせて、送り出しの前に構成要素はさらなる修理には適さないと判定することが可能である。この場合、プラットフォーム108を検査に出す前に、交換用の構成要素(調達時間またはリードタイムが長い場合がある)を注文することができるため、プラットフォーム108を使用し続け、プラットフォーム108のダウンタイムを短縮することが可能である。さらに、他の類似の構成要素および類似のプラットフォームの3D測定、評価、使用公差、またはこれらの組み合わせに基づいて、新しい構成要素および新しいプラットフォームの使用公差を生成することができる。
【0045】
図2は、使用された構成要素を再使用(例えば、継続使用)に関して評価する方法200を示す。方法200は、
図1のシステム101、測定システム102、コンピューティングデバイス114、またはプロセッサ132によって実行され得る。方法200は、202において、特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の測定に基づく三次元(3D)測定データを受信するステップを含む。例えば、測定装置112は、構成要素110を測定し、3D測定データ162を生成する。コンピューティングデバイス114は、
図1を参照して説明したように、測定装置112またはメモリ124もしくはメモリ134などのメモリから3D測定データ162を受信する。測定装置112は、レーザ測定装置、光学測定装置、座標測定機、もしくは接触ベースの測定装置を含むか、またはこれらに相当してもよい。
【0046】
図2の方法200は、204において、3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較を実行するステップであって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定されるステップを含む。例えば、測定装置112は、
図1を参照して説明したように、3D測定データ162または3Dモデルデータ164(3D測定データ162に基づいて生成された)と使用公差172との比較を実行する。第2の使用された構成要素は、以前に評価された使用された構成要素を含むか、またはこれに相当する。第2の使用された構成要素は、
図1の構造解析装置104によって評価されてもよく、
図1および
図3を参照して説明されているように、比較を実行する前に評価される。一部の実施態様では、評価は、第2の使用された構成要素の3Dモデルのシミュレーション構造解析、第2の使用された構成要素の非破壊試験、第2の使用された構成要素の破壊試験、またはこれらの組み合わせの結果を含む。一部の実施態様では、構造特性は、負荷レーティングおよび疲労レーティング(例えば、サイクル数または疲労負荷限界)を含む。
【0047】
一部の実施態様では、第2の構成要素の評価は、第2の3D測定データが設計通りの公差のうちの特定の設計通りの公差を超えることの判定に基づいて実行される。使用公差172のうちの1つ以上の特定の使用公差は、負荷閾値および疲労閾値を満たす第2の構成要素の3Dモデルのシミュレーションに基づいて決定される。
【0048】
使用公差は、使用公差172の使用公差サブセットを含むか、またはこれに相当してもよい。使用公差サブセットは、特定の構成要素タイプ、類似の構成要素タイプ、類似のプラットフォーム、またはこれらの組み合わせに関連付けられてもよい。使用公差172は、設計通りの公差または元の公差とは異なり、使用公差172は、類似のタイプおよび類似のプラットフォームの構成要素の以前の評価に基づいて生成(および更新)されたものである。類似の構成要素タイプおよび類似のプラットフォームの構成要素の評価は、複数の異なる装置(例えば、
図1の構造解析装置104およびシステム101の他の構造解析装置)によって実行されてもよい。
【0049】
図2の方法200は、206において、比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成するステップを含む。例えば、コンピューティングデバイス114は、
図1を参照して説明したように、比較に基づいて構成要素処置出力182を生成する。構成要素処置出力182は、第1の使用された構成要素が、当該の構成要素タイプに関して以前に決定された使用公差172を満たすかどうかを示す。構成要素処置出力182は、
図1を参照して説明したように、構成要素110が再使用、評価、修理、または置換(例えば、廃棄)されるべきであることを示すことができる。
【0050】
一部の実施態様では、出力が、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であることを示す場合、第1の使用された構成要素は、プラットフォームに取り付けられる。特定の実施態様では、プラットフォームは航空機である。他の実施態様では、プラットフォームは、宇宙船、船舶、建物、橋梁、石油リグ、発電所、または化学プラントである。
【0051】
一部の実施態様では、方法200は、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能でないことを出力が示す場合に3D測定データに基づいて第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価を実行するために、3D測定データを構造解析装置に送信するステップをさらに含む。例えば、コンピューティングデバイス114は、
図1を参照して説明したように、3D測定データ162および3Dモデルデータ164を構造解析装置104に送信する。
【0052】
他の実施態様では、方法200は、出力が第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能でないことを示す場合に、第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価を実行するステップをさらに含む。例えば、コンピューティングデバイス114は、
図1を参照して説明したように、3D測定データ162および3Dモデルデータ164の第2の評価を実行する。
【0053】
一部の実施態様では、第2の評価を実行するステップは、負荷レーティングおよび疲労レーティングを決定するために有限要素解析を実行することを含む。第2の評価を実行するステップはまた、負荷レーティングおよび疲労レーティングと負荷閾値および疲労閾値との第2の比較を実行することを含む。第2の評価を実行するステップは、第2の比較の結果を出力することをさらに含む。
【0054】
一部の実施態様では、方法200は、第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であることを示す第2の出力を生成するステップをさらに含む。
【0055】
一部の実施態様では、方法200は、更新データをデータベースに送信するステップをさらに含む。更新データにより、データベースは、第2の評価、3D測定データ、またはこれらの両方に基づいて使用公差を更新する。例えば、
図1を参照して説明したように、コンピューティングデバイス114または構造解析装置104は、公差更新174を生成し、コンピューティングデバイス114または構造解析装置104は、公差更新174をデータベース106に送信する。
【0056】
一部の実施態様では、方法200は、第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価に基づいて、第1の使用された構成要素が修理されるべきであることを示す第2の出力を表示するステップをさらに含む。例えば、コンピューティングデバイス114のディスプレイ136は、
図1を参照して説明したように、第2の構成要素処置出力を出力または表示する。一部の実施態様では、出力(例えば、第1の出力または第2の出力)は、第1の使用された構成要素が修理されるべきであることをさらに示す。特定の実施態様では、出力は、
図1を参照して説明したように、修理パラメータをさらに示す。
【0057】
一部の実施態様では、方法200は、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能でないことを示す第2の出力に応答して、拒絶閾値を生成または更新するステップをさらに含む。例えば、
図1を参照して説明したように、コンピューティングデバイス114または構造解析装置104は、再使用に関して許容可能でない寸法または構造特性を構成要素110が有する場合を示す特定の使用公差を生成または更新することができる。
【0058】
特定の実施態様では、メモリ134は、プロセッサによって実行されたときにプロセッサ132に、特定の構成要素タイプの構成要素110の測定に基づく3D測定データ162を受信させるプロセッサ実行可能命令を格納する。命令はまた、プロセッサ132に、3D測定データ162と、特定の構成要素タイプに関連する使用公差172との比較を実行させる。使用公差172は、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される。命令はさらに、プロセッサ132に、比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成させる。一部の実施態様では、使用公差は、多次元公差(例えば、面積公差または体積公差)を含む。
【0059】
図3は、構成要素の構造特性の評価を実行するための方法300の一例のフローチャートである。方法300は、
図1のシステム101、測定システム102、コンピューティングデバイス114、プロセッサ132、構造解析装置104、またはプロセッサ142によって実行され得る。方法300は、302において、構成要素の少なくとも1つの構造特性を求めるために構成要素の3Dモデルのシミュレーション構造解析を実行するステップであって、3Dモデルが、3D測定装置によって取得される構成要素の3Dデータに基づいて生成されるステップを含む。例えば、
図1を参照して説明したように、コンピューティングデバイス114または構造解析装置104は、構造特性を生成するために、シミュレーションアプリケーション146を使用して3Dモデルデータ164の有限要素解析および静的解析を実行する。
【0060】
方法300は、304において、構成要素の少なくとも1つの構造特性と少なくとも1つの構造特性閾値との比較を実行するステップを含む。例えば、コンピューティングデバイス114または構造解析装置104は、
図1を参照して説明したように、負荷レーティングと負荷閾値とを比較し、疲労レーティングと疲労閾値とを比較する。他の実施態様では、比較は、ユーザによって実行される。
【0061】
方法300は、306において、比較に基づいて、構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成するステップを含む。例えば、コンピューティングデバイス114または構造解析装置104は、
図1を参照して説明したように、第2の構成要素処置出力を生成する。一部の実施態様では、第2の構成要素処置出力は、ユーザ入力に基づいて生成される。
【0062】
図4は、使用された構成要素(例えば、構成要素110)の評価を実行する方法の一例のフロー
図400である。
図400は、コンピューティングデバイス114によって実行され得る動作を示す。
図400は、402において、構成要素110の寸法と使用公差172とを比較するステップを含む。寸法は、3D測定データ162または3Dモデルデータ164から求められ得る。
図400は、404において、寸法が使用公差172を満たすかどうかを判定するステップを含む。
図400は、406において、
図5および
図6を参照してさらに説明するように、寸法が使用公差172を満たすと判定したことに応答して、構成要素110が再使用、修理、または交換されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。
【0063】
図400は、408において、寸法が使用公差172を満たすと判定したことに応答して、構成要素110の構造特性を求めるために評価を実行するステップを含む。
図400は、410において、構成要素110の構造特性と構造特性閾値とを比較するステップを含む。
図400は、412において、
図1および
図3を参照して説明したように、構造特性が構造特性閾値を満たすかどうかを判定するステップを含む。
【0064】
図400は、414において、構造特性が構造特性閾値を満たすと判定したことに応答して、構成要素110が再使用されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。
図400は、416において、構造特性が構造特性閾値を満たすと判定したことに応答して、構成要素110の寸法、使用公差172、またはこれらの両方に基づいて1つ以上の公差更新を生成するステップを含む。例えば、構成要素110の寸法は、構成要素110のどの特定の寸法が使用公差172を超えるかを判定するために使用公差172と比較される。あるいは、寸法と使用公差172との比較時に満たされなかった特定の使用公差が更新される。公差更新174は、使用公差172の変更または使用公差172の置換値を示してもよい。例えば、特定の使用公差を1インチから3インチに変更する場合、公差更新174は、「+2インチ」の変更値(例えば、元の公差1インチ+2インチ=3インチ)または「3インチ」の置換値を含んでもよい。1つ以上の公差更新は、データベース106に送信され、使用公差172を更新するために使用される。
【0065】
図400は、418において、
図1および
図3を参照して説明したように、構成特性が構造特性閾値を満たさないと判定したことに応答して、構成要素110が修理または交換されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。一部の実施態様では、構成要素110が修理されるべきものとして示される場合、シミュレーション解析を検証するために構成要素110に対して非破壊試験が実行される。さらにまたはあるいは、構成要素110が交換されるべきものとして示される場合、シミュレーション解析を検証するために構成要素110に対して破壊試験が実行される。
【0066】
図5は、使用された構成要素の寸法と使用公差とを比較する一例のフロー
図500である。
図500は、コンピューティングデバイス114によって実行され得る動作を示す。
図500は、502において、構成要素110の寸法と使用公差172とを比較するステップを含む。寸法は、3D測定データ162または3Dモデルデータ164から求められ得る。
図500は、504において、寸法が使用公差172の第1の公差を満たすかどうかを判定するステップを含む。
図500は、506において、寸法が使用公差172の第1の公差を満たすと判定したことに応答して、構成要素110が再使用されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。
【0067】
図500は、508において、寸法が使用公差172の第1の公差を満たすと判定したことに応答して、寸法が使用公差172の第2の公差を満たすかどうかを判定するステップを含む。第2の公差は、構成要素110が修理可能であることおよび修理された構成要素110の構造特性が構造特性閾値を満たすことを示す値または値の範囲に関連付けられる。
図500は、510において、寸法が使用公差172の第2の公差を満たすと判定したことに応答して、構成要素110が修理されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。
図500は、512において、寸法が使用公差172の第2の公差を満たさないと判定したことに応答して、構成要素110が評価されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。
【0068】
図6は、使用された構成要素(例えば、構成要素110)の寸法と使用公差172とを比較する別の例のフロー
図600である。
図600は、コンピューティングデバイス114によって実行され得る動作を示す。
図600は、602において、構成要素110の寸法と使用公差172の否定的な公差とを比較するステップを含む。寸法は、3D測定データ162または3Dモデルデータ164から求められ得る。
図600は、604において、寸法が否定的な公差を満たすかどうかを判定するステップを含む。
【0069】
図600は、606において、寸法が否定的な公差を満たすと判定したことに応答して、構成要素110が修理されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。そのような実施態様では、否定的な公差は、修理された構成要素110の構造特性が構造特性閾値を満たすように修理することができない寸法の値(以前の評価から決定される)または連邦航空局(FAA)の規定などの規定の理由から修理することができない寸法の値に関連付けられる。さらにまたはあるいは、否定的な公差は、(例えば、構成要素110の修理が実行される前に)構造特性閾値を満たさない寸法の値に関連付けられる。一部の実施態様では、否定的な閾値は、値の範囲に対応する。
【0070】
図600は、608において、寸法が否定的な公差を満たすと判定したことに応答して、構成要素110が評価されるべきであることを示す出力を生成するステップを含む。他の実施態様では、出力は、構成要素110が交換(例えば、廃棄)されるべきであることを示す。寸法と否定的な公差とを比較することで、さらに、評価を減少させることができ、整備サイクル時間を短縮することができる。寸法は、使用公差172の他の公差(例えば、肯定的な公差または許容可能な値の範囲)と比較される前または後に、否定的な閾値と比較されてもよい。
【0071】
図7は、本開示によるコンピュータ実施方法およびコンピュータ実行可能プログラム命令(またはコード)の実施形態をサポートするように構成される汎用コンピューティングデバイス710を含むコンピューティング環境700のブロック図の例示である。例えば、コンピューティングデバイス710またはその一部は、システム101の機能またはプロセッサ122、プロセッサ132、プロセッサ142、もしくはプロセッサ152などのシステム101の一部の機能を実行するための命令を実行してもよい。システム101(またはプロセッサ122、プロセッサ132、プロセッサ142、もしくはプロセッサ152などのシステム101の一部)を制御するための命令は、再使用(例えば、継続使用)に関する構成要素の評価、構成要素の構造特性の評価の実行、またはこれらの両方を行うための命令を含んでもよい。システム101(またはシステム101の一部)を制御するための命令は、3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較を実行するための命令を含んでもよい。使用公差は、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される。命令はさらに、プロセッサに、比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成させる。一部の実施態様では、使用公差は、多次元公差(例えば、面積公差または体積公差)を含む。コンピューティングデバイス710またはその一部は、
図2の方法200または
図3の方法300など、本明細書で説明されている方法のいずれかによる命令または本明細書で説明されている方法のいずれかを可能にする命令をさらに実行してもよい。
【0072】
コンピューティングデバイス710は、プロセッサ720を含むことができる。プロセッサ720は、システムメモリ730、1つ以上の記憶装置740、1つ以上の入出力インタフェース750、1つ以上の通信インタフェース760、またはこれらの組み合わせと通信することができる。特定の実施形態では、プロセッサ720は、プロセッサ122、プロセッサ132、プロセッサ142、またはプロセッサ152を含むか、またはこれらに相当する。システムメモリ730は、揮発性メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)装置)、不揮発性メモリ装置(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)装置、プログラム可能な読み出し専用メモリ、およびフラッシュメモリ)、またはこれらの両方を含んでもよい。システムメモリ730は、コンピューティングデバイス710をブートするための基本/入力出力システムならびにコンピューティングデバイス710がユーザ、他のプログラム、および他の装置と対話することを可能にするフルオペレーティングシステムを含んでもよいオペレーティングシステム732を含んでもよい。システムメモリ730は、プロセッサ720によって実行可能であり得る1つ以上のアプリケーション734(例えば、
図1のシミュレーションアプリケーション146)を含んでもよい。例えば、1つ以上のアプリケーション734は、3D測定データ162に基づいて3Dモデルデータ164を生成するために、3D測定データ162または3Dモデルデータ164に基づいて構成要素110の寸法を生成するために、および3Dモデルデータ164に基づいて構成要素110の構造特性を生成するために、またはこれらの組み合わせのためにシステム101を制御するための、プロセッサ720によって実行可能な命令を含んでもよい。
【0073】
プロセッサ720はまた、
図1のメモリ124、メモリ134、メモリ144、またはメモリ154などの1つ以上の記憶装置740と通信してもよい。例えば、1つ以上の記憶装置740は、磁気ディスク、光ディスク、またはフラッシュメモリ装置などの不揮発性記憶装置を含んでもよい。記憶装置740は、取り外し可能なメモリ装置および取り外し不可能なメモリ装置の両方を含んでもよい。記憶装置740は、オペレーティングシステム、オペレーティングシステムのイメージ、アプリケーション、およびプログラムデータを格納するように構成されてもよい。記憶装置740はまた、使用公差172、公差更新174、またはこれらの両方を格納してもよい。特定の実施形態では、メモリ730、記憶装置740、またはこれらの両方は、有形のコンピュータ可読媒体を含む。
【0074】
プロセッサ720は、コンピューティングデバイス710がユーザ対話を容易にするために1つ以上の入出力装置770(
図1の測定装置112、ディスプレイ136、またはこれらの両方など)と通信することを可能にする1つ以上の入出力インタフェース750と通信してもよい。入出力インタフェース750は、シリアルインタフェース(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースまたは米国電気電子学会(IEEE)インタフェース)、パラレルインタフェース、ディスプレイアダプタ、オーディオアダプタ、および他のインタフェースを含んでもよい。入出力装置770は、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、タッチスクリーン、および他の装置を含んでもよい。プロセッサ720は、入出力インタフェース750を介して受信されるユーザ入力に基づいて対話イベントを検出してもよい。さらに、プロセッサ720は、入出力インタフェース750を介してディスプレイ装置(例えば、測定装置112、ディスプレイ136、またはこれらの両方)に表示を送信してもよい。
【0075】
プロセッサ720は、1つ以上の通信インタフェース760を介して、測定装置112、1つ以上の装置780、またはこれらの組み合わせと通信してもよい。1つ以上の通信インタフェース760は、有線イーサネット(登録商標)インタフェース、IEEE802無線インタフェース、他の無線通信インタフェース、または他のネットワークインタフェースを含んでもよい。1つ以上の装置780は、ホストコンピュータ、サーバ、ワークステーション、および他のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
さらに、本開示は、以下の項による実施形態を含む。
【0076】
項1.方法であって、
特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の測定に基づく三次元(3D)測定データを受信するステップと、
3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較を実行するステップであって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定されるステップと、
比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成するステップと
を含む方法。
【0077】
項2.評価が、第2の使用された構成要素の3Dモデルのシミュレーション構造解析、第2の使用された構成要素の非破壊試験、または第2の使用された構成要素の破壊試験の結果を含む、項1に記載の方法。
【0078】
項3.構造特性が、負荷レーティングおよび疲労レーティングを含む、項1または2に記載の方法。
【0079】
項4.出力が、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であることを示す場合に、第1の使用された構成要素が、プラットフォームに取り付けられる、項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
項5.プラットフォームが、航空機を含む、項4に記載の方法。
【0081】
項6.プラットフォームが、宇宙船、船舶、建物、橋梁、石油リグ、発電所、または化学プラントを含む、項4または5に記載の方法。
【0082】
項7.出力が、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能でないことを示す場合に、3D測定データに基づいて第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価を実行するために、3D測定データを構造解析装置に送信するステップをさらに含む、項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
項8.出力が、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能でないことを示す場合に、第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価を実行するステップをさらに含む、項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
項9.第2の評価を実行するステップが、
負荷レーティングおよび疲労レーティングを決定するために有限要素解析を実行することと、
負荷レーティングおよび疲労レーティングと負荷閾値および疲労閾値との第2の比較を実行することと、
第2の比較の結果を出力することと
を含む、項8に記載の方法。
【0085】
項10.第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であることを示す第2の出力を生成するステップをさらに含む、項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
項11.更新データをデータベースに送信するステップであって、更新データにより、データベースが、第2の評価、3D測定データ、またはこれらの両方に基づいて使用公差を更新するステップをさらに含む、項10に記載の方法。
【0087】
項12.第1の使用された構成要素の構造特性の第2の評価に基づいて、第1の使用された構成要素が修理されるべきであることを示す第2の出力を表示するステップをさらに含む、項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
項13.出力が、第1の使用された構成要素が修理されるべきであることをさらに示す、項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
項14.第2の構成要素の評価が、第2の3D測定データが設計通りの公差のうちの特定の設計通りの公差を超えることの判定に基づいて実行され、使用公差のうちの1つ以上の特定の使用公差が、負荷閾値および疲労閾値を満たす第2の構成要素の3Dモデルのシミュレーションに基づいて決定される、項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
項15.システムであって、
特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の測定に基づいて三次元(3D)測定データを生成する三次元測定装置と、
コンピューティングデバイスであって、
3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較であって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される比較を実行し、
比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成するコンピューティングデバイスと
を備えるシステム。
【0091】
項16.ネットワークインタフェースであって、
3D測定データ、3D測定データに基づいて生成される3Dモデル、またはこれらの両方を遠隔装置に送信し、
データベースから使用公差、使用公差更新、またはこれらの両方を受信し、測定装置が、レーザ測定装置、光学測定装置、または接触ベースの測定装置を備えるネットワークインタフェース
をさらに備える、項15に記載のシステム。
【0092】
項17.使用公差を格納するデータベースをさらに備える、項15または16に記載のシステム。
【0093】
項18.プロセッサ実行可能命令を格納する非一時的なプロセッサ可読媒体であって、プロセッサ実行可能命令が、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、
特定の構成要素タイプの第1の使用された構成要素の測定に基づく三次元(3D)測定データを受信させ、
3D測定データと特定の構成要素タイプに関連する使用公差との比較であって、使用公差が、特定の構成要素タイプの少なくとも第2の使用された構成要素の測定および第2の使用された構成要素の構造特性の評価に基づいて決定される比較を実行させ、
比較に基づいて、第1の使用された構成要素が再使用に関して許容可能であるかどうかを示す出力を生成させる非一時的なプロセッサ可読媒体。
【0094】
項19.使用公差が、長さ公差、幅公差、高さ公差、面積公差、体積公差、またはこれらの組み合わせを含む、項18に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【0095】
項20.第1の使用された構成要素に、設計通りの構成要素との齟齬の原因となる損耗がある、項18または19に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【0096】
本明細書で説明されている例の図は、様々な実施態様の構造の一般的な理解を提供することを意図としている。これらの図は、本明細書で説明されている構造または方法を利用する装置およびシステムの要素および特徴のすべての完全な説明としての役割を果たすことを意図したものではない。多くの他の実施態様は、本開示を検討することにより当業者に明らかになり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、本開示から他の実施態様を利用および導出することができる。例えば、方法の工程は、図に示されている順序とは異なる順序で実行されてもよいし、1つ以上の方法の工程は省略されてもよい。したがって、本開示および図は、限定的なものではなく例示的なものとみなされるべきである。
【0097】
さらに、特定の例を、本明細書で図示し説明してきたが、図示の特定の実施態様の代わりに、同じまたは類似の結果を達成するように設計された後続の配置が用いられてもよいことを理解されたい。本開示は、様々な実施態様の任意のおよびすべての後続の適合または変形を包含することを意図している。上記の実施態様と、本明細書では具体的に説明されていない他の実施態様との組み合わせは、説明を検討することにより当業者に明らかになる。
【0098】
要約書は、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解して提出されている。さらに、上記の詳細な説明では、様々な特徴は、本開示を簡素化する目的で単一の実施態様においてまとめて説明されている場合がある。上記の例は、本開示を例示するが、本開示を限定するものではない。また、本開示の原理に従って多くの修正および変形が可能であることも理解されたい。以下の特許請求の範囲が示すように、特許請求されている主題は、開示されている例の特徴のすべてよりも少ない特徴に向けられている場合がある。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等によって規定される。
【符号の説明】
【0099】
101 システム
102 測定システム
104 構造解析装置
106 データベース
108 プラットフォーム
110 構成要素
112 測定装置
114 コンピューティングデバイス
116 インタフェース
118 ネットワークインタフェース
122 プロセッサ
124 メモリ
126 センサ
132 プロセッサ
134 メモリ
136 ディスプレイ
142 プロセッサ
144 メモリ
146 シミュレーションアプリケーション
148 ネットワークインタフェース
152 プロセッサ
154 メモリ
158 ネットワークインタフェース
162 3D測定データ
164 3Dモデルデータ
172 使用公差
174 公差更新
182 構成要素処置出力
192 設計通りの公差
700 コンピューティング環境
710 汎用コンピューティングデバイス
720 プロセッサ
730 システムメモリ
732 オペレーティングシステム
734 アプリケーション
736 プログラムデータ
740 記憶装置
750 入出力インタフェース
760 通信インタフェース
770 入出力装置
780 装置