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特許7144207検査システム監視装置及び検査システム監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】検査システム監視装置及び検査システム監視方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G01N21/90 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018116107
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019219243
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】角田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 務
(72)【発明者】
【氏名】多賀 啓之
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-153932(JP,A)
【文献】特開2018-065605(JP,A)
【文献】特開平07-285502(JP,A)
【文献】特開2003-042828(JP,A)
【文献】特開昭57-042844(JP,A)
【文献】特開2006-092148(JP,A)
【文献】特開平03-076679(JP,A)
【文献】米国特許第5614661(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00 - B65B 57/20
G01N 21/84 - G01N 21/958
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ラインによって搬送される飲料容器を検査する検査機と、前記検査機の検査により不合格と判定された前記飲料容器を排斥する排斥機と、を備える検査システムを監視する検査システム監視装置であって、
前記検査機に搬送される前記飲料容器の数を積算する検数積算部と、
前記検査機が合格又は不合格と判定した前記飲料容器の合計数を積算する判定数積算部と、
前記検数積算部で積算した積算値と前記判定数積算部で積算した積算値とに基づいて前記検査システムの異常の有無を判定する異常判定部と、を備え
前記異常判定部は、前記判定数積算部で積算した前記積算値が前記検数積算部で積算した積算値よりも少ない場合に、前記検査システムが異常であると判定する、
検査システム監視装置。
【請求項2】
前記搬送ラインの搬送方向における前記検査システムの上流側において前記検査システムに搬送される前記飲料容器を検出する検数センサを更に備え、
前記検数積算部は、前記検数センサが検出した前記飲料容器の数を、前記検査機に搬送される前記飲料容器の数とする、
請求項1に記載の検査システム監視装置。
【請求項3】
前記検査システムは、前記飲料容器の検査タイミングを計るために前記搬送ラインの搬送方向における前記検査機の上流側において前記飲料容器を検出する検査トリガセンサを有し、
前記検数積算部は、前記検査トリガセンサが検出した前記飲料容器の数を、前記検査機に搬送される前記飲料容器の数とする、
請求項1に記載の検査システム監視装置。
【請求項4】
前記検査機が合格と判定した前記飲料容器の数を積算する合格判定数積算部と、
前記排斥機により排斥されることなく前記排斥機を通過した前記飲料容器の数を積算する通過数積算部と、を更に備え、
前記異常判定部は、前記合格判定数積算部が積算した積算値と前記通過数積算部が積算した積算値とに基づいて前記検査システムの異常の有無を判定する、
請求項1~3の何れか一項に記載の検査システム監視装置。
【請求項5】
前記異常判定部は、前記検査システムとは別の設備を制御する外部設備制御装置に設けられている、
請求項1~4の何れか一項に記載の検査システム監視装置。
【請求項6】
前記異常判定部が前記検査システムを異常と判定した場合に前記飲料容器の搬送を停止させる搬送停止部を更に備える、
請求項1~5の何れか一項に記載の検査システム監視装置。
【請求項7】
前記検査機は、缶の前記飲料容器を検査する、
請求項1~6の何れか一項に記載の検査システム監視装置。
【請求項8】
前記検査機は、前記飲料容器に付された印字を検査する、
請求項1~7の何れか一項に記載の検査システム監視装置。
【請求項9】
搬送ラインによって搬送される飲料容器を検査する検査機と、前記検査機の検査により不合格と判定された前記飲料容器を排斥する排斥機と、を備える検査システムを監視する検査システム監視方法であって、
前記検査機に搬送される前記飲料容器の数を積算する検数積算ステップと、
前記検査機が合格又は不合格と判定した前記飲料容器の合計数を積算する判定数積算ステップと、
前記検数積算ステップで積算した積算値と前記判定数積算ステップで積算した積算値とに基づいて前記検査システムの異常の有無を判定する異常判定ステップと、を備え
前記異常判定ステップでは、前記判定数積算ステップで積算した前記積算値が前記検数積算ステップで積算した前記積算値よりも少ない場合に、前記検査システムが異常であると判定する、
検査システム監視方法。
【請求項10】
前記検査機が合格と判定した前記飲料容器の数を積算する合格判定数積算ステップと、
前記排斥機により排斥されることなく前記排斥機を通過した前記飲料容器の数を積算する通過数積算ステップと、を更に備え、
前記異常判定ステップでは、前記合格判定数積算ステップで積算した積算値と前記通過数積算ステップで積算した積算値とに基づいて前記検査システムの異常の有無を判定する、
請求項9に記載の検査システム監視方法。
【請求項11】
前記異常判定ステップで前記検査システムを異常と判定した場合に前記飲料容器の搬送を停止させる搬送停止ステップを更に備える、
請求項9又は10に記載の検査システム監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システムを監視する検査システム監視装置及び検査システム監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搬送ラインによって搬送される飲料容器に付された印字の良否を検査する印字検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-089379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印字検査装置等の検査システムとしては、検査機の検査により不合格と判定された飲料容器等の飲料容器を搬送ラインから排斥ラインに排斥する排斥機を備えたものがある。このような検査システムにおいては、排斥ラインにおいて飲料容器を検出する排斥センサと、搬送ラインにおける排斥機の下流側において飲料容器を検出する通過センサと、が設けられている。そして、検査機から不合格の判定信号が出力されたが排斥センサで飲料容器が検出されない場合、又は、検査機から不合格の判定信号が出力されたが通過センサで飲料容器が検出された場合に、搬送ラインを停止するインターロック機構が構築されている。
【0005】
ここで、飲料容器は高速で搬送されるため、飲料容器を検査する検査システムにおいては、飲料容器の検査が終了する前に次の飲料容器が検査機に搬送されることにより、先に搬送された飲料容器が検査されることなく検査機を通過する可能性がある。特に、缶の飲料容器を検査する検査システムや、印字検査装置のように飲料容器に付された印字を検査する検査システムにおいては、飲料容器の搬送速度が更に高くなる場合が多いため、このような問題が顕著に表れる。このような場合、先に搬送された飲料容器に対しては、検査機からは合格及び不合格の何れの判定信号も出力されない。その結果、インターロック機構が作動せず、先に搬送された飲料容器が検査されないまま検査システムを通過することになる。また、検査システムにおいて飲料容器を検出できなかった場合や、検査機の動作不良により飲料容器の検査が行われなかった場合も、検査機からは合格及び不合格の何れの判定信号も出力されない。その結果、インターロック機構が作動せず、大量の飲料容器が検査されないまま検査システムを通過することになる。
【0006】
そこで、本発明は、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる検査システム監視装置及び検査システム監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る検査システム監視装置は、搬送ラインによって搬送される飲料容器を検査する検査機と、検査機の検査により不合格と判定された飲料容器を排斥する排斥機と、を備える検査システムを監視する検査システム監視装置であって、検査機に搬送される飲料容器の数を積算する検数積算部と、検査機が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算する判定数積算部と、検数積算部で積算した積算値と判定数積算部で積算した積算値とに基づいて検査システムの異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。
【0008】
本発明に係る検査システム監視装置では、検査機に搬送される飲料容器の数を積算した積算値と、検査機が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算した積算値と、に基づいて検査システムの異常の有無が判定される。これにより、一部の飲料容器が検査されていない場合は、検査システムが合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算した積算値が、検査機に搬送される飲料容器の数を積算した積算値よりも少なくなるため、異常判定部により検査システムが異常であると判定される。このため、例えば、この判定結果に基づいて検査システムを稼働させることで、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0009】
搬送ラインの搬送方向における検査システムの上流側において検査システムに搬送される飲料容器を検出する検数センサを更に備え、検数積算部は、検数センサが検出した飲料容器の数を、検査機に搬送される飲料容器の数としてもよい。この検査システム監視装置では、検数センサが検出した飲料容器の数を検査機に搬送される飲料容器の数とすることで、検査機に搬送される飲料容器の数を確実に積算することができる。
【0010】
検査システムは、飲料容器の検査タイミングを計るために搬送ラインの搬送方向における検査機の上流側において飲料容器を検出する検査トリガセンサを有し、検数積算部は、検査トリガセンサが検出した飲料容器の数を、検査機に搬送される飲料容器の数としてもよい。この検査システム監視装置では、検査トリガセンサが検出した飲料容器の数を検査機に搬送される飲料容器の数とするため、検査システムに搬送される飲料容器を検出する検数センサを備えない場合であっても、検査機に搬送される飲料容器の数を確実に積算することができる。
【0011】
検査機が合格と判定した飲料容器の数を積算する合格判定数積算部と、排斥機により排斥されることなく排斥機を通過した飲料容器の数を積算する通過数積算部と、を更に備え、異常判定部は、合格判定数積算部が積算した積算値と通過数積算部が積算した積算値とに基づいて検査システムの異常の有無を判定してもよい。この検査システム監視装置では、検査機が合格と判定した飲料容器の数を積算した積算値と、排斥機により排斥されることなく排斥機を通過した飲料容器の数を積算した積算値と、に基づいて検査システムの異常が判定される。これにより、一部の飲料容器が検査されていない場合は、排斥機により排斥されることなく排斥機を通過した飲料容器の数を積算した積算値が、検査機が合格と判定した飲料容器の数を積算した積算値よりも多くなるため、異常判定部により検査システムが異常であると判定される。これにより、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができるとともに、検査で合格した飲料容器のみが出荷されていることを保証することができる。
【0012】
異常判定部は、検査システムとは別の設備を制御する外部設備制御装置に設けられていてもよい。この検査システム監視装置では、異常判定部が検査システムとは別の設備を制御する外部設備制御装置に設けられているため、検査システムの構成要素である検査機、排斥機、各種センサ等が動作不良になったとしても、検査システムの異常を判定することができる。これにより、全ての飲料容器が検査されていることをより確実に保証することができる。
【0013】
異常判定部が検査システムを異常と判定した場合に飲料容器の搬送を停止させる搬送停止部を更に備えてもよい。この検査システム監視装置では、異常判定部が検査システムの異常を判定した場合に飲料容器の搬送を停止させるため、検査で合格した飲料容器のみが出荷されていることをより確実に保証することができる。
【0014】
検査機は、缶の飲料容器を検査するものであってもよい。缶の飲料容器を検査するシステムでは、飲料容器が高速で搬送されるため、飲料容器の検査が終了する前に次の飲料容器が検査機に搬送されて、先に搬送された飲料容器が検査されることなく検査機を通過する可能性がある。しかしながら、このような場合は、検査システムにおいて合格又は不合格と判定された飲料容器の合計数を積算した積算値が、検査機に搬送される飲料容器の数を積算した積算値よりも少なくなるため、異常判定部により検査システムが異常であると判定される。これにより、飲料容器に付された印字を検査する検査システムにおいても、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0015】
検査機は、飲料容器に付された印字を検査するものであってもよい。飲料容器に付された印字を検査する検査システムでは、飲料容器が高速で搬送されるため、飲料容器の検査が終了する前に次の飲料容器が検査機に搬送されて、先に搬送された飲料容器が検査されることなく検査機を通過する可能性がある。しかしながら、このような場合は、検査システムにおいて合格又は不合格と判定された飲料容器の合計数を積算した積算値が、検査機に搬送される飲料容器の数を積算した積算値よりも少なくなるため、異常判定部により検査システムが異常であると判定される。これにより、飲料容器に付された印字を検査する検査システムにおいても、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0016】
本発明に係る検査システム監視方法は、搬送ラインによって搬送される飲料容器を検査する検査機と、検査機の検査により不合格と判定された飲料容器を排斥する排斥機と、を備える検査システムを監視する検査システム監視方法であって、検査機に搬送される飲料容器の数を積算する検数積算ステップと、検査機が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算する判定数積算ステップと、検数積算ステップで積算した積算値と判定数積算ステップで積算した積算値とに基づいて検査システムの異常の有無を判定する異常判定ステップと、を備える。
【0017】
本発明に係る検査システム監視方法では、検査機に搬送される飲料容器の数を積算した積算値と、検査機が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算した積算値と、に基づいて検査システムの異常の有無が判定される。これにより、一部の飲料容器が検査されていない場合は、検査システムが合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算した積算値が、検査機に搬送される飲料容器の数を積算した積算値よりも少なくなるため、異常判定ステップで検査システムが異常であると判定される。このため、例えば、この判定結果に基づいて検査システムを稼働させることで、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0018】
検査機が合格と判定した飲料容器の数を積算する合格判定数積算ステップと、排斥機により排斥されることなく排斥機を通過した飲料容器の数を積算する通過数積算ステップと、を更に備え、異常判定ステップでは、合格判定数積算ステップで積算した積算値と通過数積算ステップで積算した積算値とに基づいて検査システムの異常の有無を判定してもよい。この検査システム監視方法では、検査機が合格と判定した飲料容器の数を積算した積算値と、排斥機により排斥されることなく排斥機を通過した飲料容器の数を積算した積算値と、に基づいて検査システムの異常が判定される。これにより、一部の飲料容器が検査されていない場合は、排斥機により排斥されることなく排斥機を通過した飲料容器の数を積算した積算値が、検査機が合格と判定した飲料容器の数を積算した積算値よりも多くなるため、異常判定ステップで検査システムが異常であると判定される。これにより、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができるとともに、検査で合格した飲料容器のみが出荷されていることを保証することができる。
【0019】
異常判定ステップで検査システムを異常と判定した場合に飲料容器の搬送を停止させる搬送停止ステップを更に備えてもよい。この検査システム監視方法では、異常判定ステップで検査システムの異常を判定した場合に搬送停止ステップで飲料容器の搬送を停止させるため、検査で合格した飲料容器のみが出荷されていることをより確実に保証することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第一実施形態に係る検査システム監視装置の全体構成図である。
図2】検査機制御装置のブロック構成図である。
図3】外部設備制御装置のブロック構成図である。
図4】第二実施形態に係る検査システム監視装置の全体構成図である。
図5】第三実施形態に係る検査システム監視装置の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る検査システム監視装置及び検査システム監視方法の好適な実施形態について詳細に説明する。実施形態の検査システム監視装置及び検査システム監視方法は、搬送ラインによって高速で搬送される缶の飲料容器に付された印字の良否を検査する印字検査装置及び印字検査方法に適用したものである。但し、本発明に係る検査システム監視装置及び検査システム監視方法は、このような印字検査装置及び印字検査方法に限定されるものではなく、様々な飲料容器、検査内容等に適用することができる。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0023】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る検査システム監視装置の全体構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る検査システム監視装置1は、検査システム2を監視する装置である。検査システム監視装置1は、検査システム2に設けられた検査機制御装置3と、検査システム2とは別の設備を制御する外部設備制御装置4と、に設けられている。
【0024】
検査システム2は、搬送ラインL1によって搬送される飲料容器(不図示)を検査するシステムである。搬送ラインL1は、例えば、ベルトコンベアにより構成されており、検査システム2に飲料容器を搬送するとともに、検査システム2で合格と判定された飲料容器を検査システム2から搬出する。搬送ラインL1の搬送方向における検査システム2の上流側には、検査システム2に搬送される飲料容器を検出する検数センサ11が設けられている。検数センサ11は、例えば、光電センサにより構成される。検数センサ11は、飲料容器を検出すると、検出信号を外部設備制御装置4に送信する。
【0025】
検査システム2は、検査機5と、排斥機6と、検査機制御装置3と、を備える。
【0026】
検査機5は、搬送ラインL1によって搬送される飲料容器を検査する装置である。本実施形態では、検査機5は、飲料容器に付された印字の良否を検査する。搬送ラインL1の搬送方向における検数センサ11の下流側かつ検査機5の上流側には、飲料容器の検査タイミングを計るために検査機5に搬送される飲料容器を検出する検査トリガセンサ12が設けられている。検査トリガセンサ12は、例えば、光電センサにより構成される。検査トリガセンサ12は、飲料容器を検出すると、検査トリガセンサ信号を検査機5に送信する。
【0027】
検査機5は、検査トリガセンサ12から送信された検査トリガセンサ信号を受信すると、この検査トリガセンサ信号を検査機制御装置3に送信するとともに、検査システム2に搬送される飲料容器を検査する。検査機5は、検査トリガセンサ12から送信された検査トリガセンサ信号の受信(検査トリガセンサ12による飲料容器の検出)を契機として、検査システム2に搬送される飲料容器を検査する。例えば、検査機5は、検査トリガセンサ12が飲料容器を検出したタイミング、又は、検査トリガセンサ12が飲料容器を検出して所定時間経過したタイミングで、検査システム2に搬送される飲料容器を検査する。検査機5の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、飲料容器を撮像するカメラと、カメラの撮像画像から印字部分を抽出するとともに抽出した印字部分の良否を判定する検査機本体と、を備えるものとすることができる。
【0028】
検査機5は、飲料容器の検査により合格と判定した場合は、OK信号(合格信号)を検査機制御装置3に送信する。一方、検査機5は、飲料容器の検査により不合格と判定した場合は、NG信号(不合格信号)を検査機制御装置3に送信する。
【0029】
また、検査機5は、自己診断機能を備えており、検査機5の動作不良を検出すると、検査機異常信号を検査機制御装置3に送信する。なお、検査機5の動作不良には、検査機5の電源がOFFとなっている状態も含まれる。
【0030】
排斥機6は、検査機5の検査により不合格と判定された飲料容器を排斥する装置である。搬送ラインL1の搬送方向における検査機5の下流側かつ排斥機6の上流側には、排斥機6に搬送される飲料容器を検出する排斥タイミングセンサ13が設けられている。排斥タイミングセンサ13は、例えば、光電センサにより構成される。排斥タイミングセンサ13は、飲料容器を検出すると、排斥タイミングセンサ信号を検査機制御装置3に送信する。
【0031】
排斥機6は、検査機制御装置3の制御により、搬送ラインL1によって搬送される飲料容器を、搬送ラインL1から分岐する排斥ラインL2に排斥する。後述するように、検査機制御装置3は、排斥タイミングセンサ13から送信された排斥タイミングセンサ信号の受信(排斥タイミングセンサ13による飲料容器の検出)を契機として、排斥機6に飲料容器を排斥させる。例えば、検査機制御装置3は、排斥タイミングセンサ13が飲料容器を検出したタイミング、又は、排斥タイミングセンサ13が飲料容器を検出して所定時間経過したタイミングで、排斥機6に飲料容器を排斥させる。排斥機6の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、搬送ラインL1に対する排斥ラインL2とは反対側に配置された押出シリンダにより構成することができる。押出シリンダは、搬送ラインL1によって搬送される飲料容器を、搬送ラインL1に対する排斥ラインL2とは反対側から排斥ラインL2側に押し出すことで、飲料容器を搬送ラインL1から排斥ラインL2に排斥する。
【0032】
排斥ラインL2には、排斥機6により排斥ラインL2に排斥された飲料容器を検出する排斥確認センサ14が設けられている。搬送ラインL1の搬送方向における排斥機6の下流側には、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器を検出する通過確認センサ15が設けられている。排斥確認センサ14及び通過確認センサ15は、例えば、光電センサにより構成される。排斥確認センサ14は、飲料容器を検出すると、排斥確認センサ信号を検査機制御装置3に送信する。通過確認センサ15は、飲料容器を検出すると、通過確認センサ信号を検査機制御装置3に送信する。
【0033】
検査機制御装置3は、検査システム2において検査機5及び排斥機6を制御する制御装置である。検査機制御装置3は、例えば、PLC(programmable logic controller)、PC(Personal Computer)等により構成することができる。
【0034】
図2に示すように、検査機制御装置3は、排斥制御部31と、インターロック部32と、情報送信部33と、を備える。
【0035】
排斥制御部31は、排斥機6を制御して、排斥機6により飲料容器を排斥ラインL2に排斥させる。つまり、排斥制御部31は、排斥タイミングセンサ13から送信された排斥タイミングセンサ信号の受信を契機として、排斥機6に飲料容器を排斥させる。
【0036】
インターロック部32は、異常判定部34と、搬送停止部35と、を備える。
【0037】
異常判定部34は、検査システム2を監視して、検査システム2の異常を判定する。具体的に説明すると、異常判定部34は、(a)検査機5の動作状態、(b)排斥機6の動作状態、(c)センサの動作状態、を監視している。そして、異常判定部34は、検査機5から送信された検査機異常信号を受信した場合に、検査機5の動作状態が異常であると判定する(a)。また、異常判定部34は、排斥機6から送信された排斥機異常信号を受信した場合に、排斥機6の動作状態が異常であると判定する(b)。具体的に説明すると、異常判定部34は、排斥制御部31が飲料容器を排斥させた際に、排斥確認センサ14が検査対象物を検出しない場合、もしくは通過確認センサ15が検査対象物を検出する場合に、異常であると判定する。また、異常判定部34は、検査トリガセンサ12、排斥タイミングセンサ13、排斥確認センサ14、又は通過確認センサ15から、一定時間以上、信号(検査トリガセンサ信号、排斥タイミングセンサ信号、排斥確認センサ信号、又は通過確認センサ信号)が送信され続けている場合に、センサの動作状態が異常であると判定する(c)。また、異常判定部34は、検査トリガセンサ12から検査機5を介して検査機制御装置3に送信された検査トリガセンサ信号の数と、排斥タイミングセンサ13から検査機制御装置3に送信された排斥タイミングセンサ信号の数と、が整合しない場合に、センサの動作状態が異常であると判定する(c)。
【0038】
搬送停止部35は、異常判定部34の判定結果に基づいて飲料容器の搬送を停止させる。具体的に説明すると、搬送停止部35は、異常判定部34が検査機5、排斥機6、又はセンサを異常と判定した場合に、搬送ラインL1を停止させる。なお、搬送停止部35は、搬送ラインL1を制御する外部設備制御装置に搬送ラインL1を停止させる指示を送信することで、飲料容器の搬送を停止させてもよい。
【0039】
情報送信部33は、検査機5から検査機制御装置3にOK信号又はNG信号が送信されると、このOK信号又はNG信号を外部設備制御装置4に送信する。また、情報送信部33は、通過確認センサ15から検査機制御装置3に通過確認センサ信号が送信されると、この通過確認センサ信号を外部設備制御装置4に送信する。
【0040】
図3に示すように、外部設備制御装置4は、インターロック部41を備えている。インターロック部41は、検数積算部42と、判定数積算部43と、合格判定数積算部44と、通過数積算部45と、異常判定部46と、搬送停止部47と、を備えている。なお、外部設備制御装置4は、如何なる設備を制御する制御装置であってもよいが、搬送ラインL1の搬送制御を行う制御装置であることが好ましい。
【0041】
検数積算部42は、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算する。具体的に説明すると、検数積算部42は、検数センサ11から外部設備制御装置4に送信された検出信号の数を積算することで、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算する。そして、検数積算部42は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0042】
判定数積算部43は、検査機5が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算する。具体的に説明すると、判定数積算部43は、検査機5から検査機制御装置3(情報送信部33)を介して外部設備制御装置4に送信されたOK信号及びNG信号の合計数を積算することで、検査機5が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算する。この積算値は、検査機5が合格と判定した飲料容器の合計数と、検査機5が不合格と判定した飲料容器の合計数と、の和となる。そして、判定数積算部43は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0043】
合格判定数積算部44は、検査機5が合格と判定した飲料容器の数を積算する。具体的に説明すると、判定数積算部43は、検査機5から検査機制御装置3(情報送信部33)を介して外部設備制御装置4に送信されたOK信号の合計数を積算することで、検査機5が合格と判定した飲料容器の合計数を積算する。そして、合格判定数積算部44は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0044】
通過数積算部45は、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器の数を積算する。具体的に説明すると、通過数積算部45は、通過確認センサ15から検査機制御装置3(情報送信部33)を介して外部設備制御装置4に送信された通過確認センサ信号を積算することで、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器の数を積算する。そして、通過数積算部45は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0045】
異常判定部46は、検数積算部42、判定数積算部43、合格判定数積算部44、及び通過数積算部45から送信された値に基づいて、検査システム2の異常の有無を判定する。
【0046】
具体的に説明すると、異常判定部46は、検数積算部42で積算した積算値と判定数積算部43で積算した積算値とに基づいて検査システム2の異常の有無を判定する。つまり、異常判定部46は、検数積算部42から送信された積算値と判定数積算部43から送信された積算値とを対比することで、検査システム2の異常の有無を判定する。そして、異常判定部46は、検数積算部42から送信された積算値と判定数積算部43から送信された積算値とが整合する場合は、検査システム2が異常ではないと判定する。一方、異常判定部46は、検数積算部42から送信された積算値と判定数積算部43から送信された積算値とが整合しない場合は、検査システム2が異常であると判定する。ここで、飲料容器は搬送ラインL1によって搬送されるため、1つの飲料容器を見た場合、検数センサ11で検出されるタイミングと検査機5で検査されるタイミングとは異なる。このため、両積算値が整合するとは、ある時刻における両積算値が一致することをいうのではなく、同じ飲料容器に対する積算値が互いに同じであることをいう。同様に、両積算値が整合しないとは、ある時刻における両積算値が一致しないことをいうのではなく、同じ飲料容器に対する積算値が互いに異なることをいう。
【0047】
また、異常判定部46は、合格判定数積算部44が積算した積算値と通過数積算部45が積算した積算値とに基づいて検査システム2の異常を判定する。つまり、異常判定部46は、合格判定数積算部44から送信された積算値と通過数積算部45から送信された積算値とを対比することで、検査システム2の異常の有無を判定する。そして、異常判定部46は、合格判定数積算部44から送信された積算値と通過数積算部45から送信された積算値とが整合する場合は、検査システム2が異常ではないと判定する。一方、異常判定部46は、合格判定数積算部44から送信された積算値と通過数積算部45から送信された積算値とが整合しない場合は、検査システム2が異常であると判定する。
【0048】
搬送停止部47は、異常判定部46が検査システム2を異常と判定した場合に、飲料容器の搬送を停止させる。飲料容器の搬送の停止は、例えば、搬送ラインL1を停止することにより行う。
【0049】
次に、本実施形態に係る検査システム監視方法について説明する。検査システム監視方法は、上述した検査システム監視装置1により検査システム2を監視する方法である。
【0050】
検査システム監視方法では、まず、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算する検数積算ステップ(S1)と、検査機5が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算する判定数積算ステップ(S2)と、を行う。検数積算ステップ(S1)と判定数積算ステップ(S2)とは、何れを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。
【0051】
検数積算ステップ(S1)では、外部設備制御装置4の検数積算部42が、検数センサ11から外部設備制御装置4に送信された検出信号の数を積算することで、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算する。そして、検数積算部42は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0052】
判定数積算ステップ(S2)では、外部設備制御装置4の判定数積算部43が、検査機5から検査機制御装置3(情報送信部33)を介して外部設備制御装置4に送信されたOK信号及びNG信号の合計数を積算することで、検査機5が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算する。そして、判定数積算部43は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0053】
次に、検数積算ステップ(S1)で積算した積算値と判定数積算ステップ(S2)で積算した積算値とに基づいて検査システム2の異常を判定する第一異常判定ステップ(S3)を行う。
【0054】
第一異常判定ステップ(S3)では、外部設備制御装置4の異常判定部46が、検数積算部42から送信された積算値と判定数積算部43から送信された積算値とを対比することで、検査システム2の異常の有無を判定する。そして、異常判定部46は、検数積算部42から送信された積算値と判定数積算部43から送信された積算値とが整合する場合は、検査システム2が異常ではないと判定する。一方、異常判定部46は、検数積算部42から送信された積算値と判定数積算部43から送信された積算値とが整合しない場合は、検査システム2が異常であると判定する。
【0055】
また、検査機5が合格と判定した飲料容器の数を積算する合格判定数積算ステップ(S4)と、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器の数を積算する通過数積算ステップ(S5)と、を行う。合格判定数積算ステップ(S4)と通過数積算ステップ(S5)とは、何れを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。
【0056】
合格判定数積算ステップ(S4)では、外部設備制御装置4の判定数積算部43が、検査機5から検査機制御装置3(情報送信部33)を介して外部設備制御装置4に送信されたOK信号の合計数を積算することで、検査機5が合格と判定した飲料容器の合計数を積算する。そして、合格判定数積算部44は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0057】
通過数積算ステップ(S5)では、外部設備制御装置4の通過数積算部45が、通過確認センサ15から検査機制御装置3(情報送信部33)を介して外部設備制御装置4に送信された通過確認センサ信号を積算することで、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器の数を積算する。そして、通過数積算部45は、この積算値を異常判定部46に送信する。
【0058】
次に、合格判定数積算ステップ(S4)で積算した積算値と通過数積算ステップ(S5)で積算した積算値とに基づいて検査システムの異常の有無を判定する第二異常判定ステップ(S6)を行う。
【0059】
第二異常判定ステップ(S6)では、外部設備制御装置4の異常判定部46が、合格判定数積算部44から送信された積算値と通過数積算部45から送信された積算値とを対比することで、検査システム2の異常の有無を判定する。そして、異常判定部46は、合格判定数積算部44から送信された積算値と通過数積算部45から送信された積算値とが整合する場合は、検査システム2が異常ではないと判定する。一方、異常判定部46は、合格判定数積算部44から送信された積算値と通過数積算部45から送信された積算値とが整合しない場合は、検査システム2が異常であると判定する。
【0060】
なお、検数積算ステップ(S1)、判定数積算ステップ(S2)及び第一異常判定ステップ(S3)と、合格判定数積算ステップ(S4)、通過数積算ステップ(S5)及び第二異常判定ステップ(S6)とは、何れを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。
【0061】
そして、第一異常判定ステップ(S3)又は第二異常判定ステップ(S6)で検査システム2を異常と判定した場合に、飲料容器の搬送を停止させる搬送停止ステップ(S7)を行う。
【0062】
搬送停止ステップ(S7)では、外部設備制御装置4の搬送停止部47が、搬送ラインL1を停止することにより、飲料容器の搬送を停止させる。
【0063】
このように、本実施形態では、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算した積算値と、検査機5が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算した積算値と、に基づいて検査システム2の異常の有無が判定される。これにより、一部の飲料容器が検査されていない場合は、検査システム2が合格又は不合格と判定した飲料容器の合計数を積算した積算値が、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算した積算値よりも少なくなるため、異常判定部46により検査システム2が異常であると判定される。このため、この判定結果に基づいて検査システム2を稼働させることで、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0064】
また、検数センサ11が検出した飲料容器の数を検査機5に搬送される飲料容器の数とすることで、検査機5に搬送される飲料容器の数を確実に積算することができる。
【0065】
また、検査機5が合格と判定した飲料容器の数を積算した積算値と、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器の数を積算した積算値と、に基づいて検査システム2の異常が判定される。これにより、一部の飲料容器が検査されていない場合は、排斥機6により排斥されることなく排斥機6を通過した飲料容器の数を積算した積算値が、検査機5が合格と判定した飲料容器の数を積算した積算値よりも多くなるため、異常判定部46により検査システム2が異常であると判定される。これにより、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができるとともに、検査で合格した飲料容器のみが出荷されていることを保証することができる。
【0066】
また、異常判定部46が検査システム2とは別の設備を制御する外部設備制御装置4に設けられているため、検査システム2の構成要素である検査機5、排斥機6、各種センサ等が動作不良になったとしても、検査システム2の異常を判定することができる。これにより、全ての飲料容器が検査されていることをより確実に保証することができる。
【0067】
また、異常判定部46が検査システム2の異常を判定した場合に飲料容器の搬送を停止させるため、検査で合格した飲料容器のみが出荷されていることをより確実に保証することができる。
【0068】
ところで、缶の飲料容器を検査する検査システム2では、飲料容器が高速で搬送されるため、飲料容器の検査が終了する前に次の飲料容器が検査機5に搬送されて、先に搬送された飲料容器が検査されることなく検査機5を通過する可能性がある。飲料容器に付された印字を検査する検査システム2でも同様である。しかしながら、このような場合は、検査システム2において合格又は不合格と判定された飲料容器の合計数を積算した積算値が、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算した積算値よりも少なくなるため、異常判定部46により検査システム2が異常であると判定される。これにより、飲料容器に付された印字を検査する検査システム2においても、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0069】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、検数センサを備えない点のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0070】
図4は、第二実施形態に係る検査システム監視装置の全体構成図である。図4に示すように、本実施形態に係る検査システム監視装置1Aは、第一実施形態の検数センサ11を備えない。その代わりに、検査トリガセンサ12は、飲料容器を検出すると、検査トリガセンサ信号を検査機5だけでなく外部設備制御装置4にも送信する。
【0071】
そして、外部設備制御装置4の検数積算部42は、検査トリガセンサ12が検出した飲料容器の数を、検査機5に搬送される飲料容器の数とする。つまり、検数積算部42は、検査トリガセンサ12から外部設備制御装置4に送信された検査トリガセンサ信号の数を積算することで、検査機5に搬送される飲料容器の数を積算する。
【0072】
このように、本実施形態では、検査トリガセンサ12が検出した飲料容器の数を検査機5に搬送される飲料容器の数とするため、検査システム2に搬送される飲料容器を検出する検数センサ11を備えない場合であっても、検査機5に搬送される飲料容器の数を確実に積算することができる。
【0073】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、基本的に第二実施形態と同様であり、検査機制御装置を備えない点のみ、第二実施形態と相違する。このため、以下では、第二実施形態と相違する事項のみを説明し、第二実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0074】
図5は、第三実施形態に係る検査システム監視装置の全体構成図である。図5に示すように、本実施形態に係る検査システム監視装置1Bは、第二実施形態の検査機制御装置3を備えない。その代り、第二実施形態の検査機制御装置3が行う制御を、外部設備制御装置4が行う。
【0075】
具体的に説明すると、検査機5は、検査トリガセンサ12から送信された検査トリガセンサ信号を受信すると、この検査トリガセンサ信号を外部設備制御装置4に送信する。また、検査機5は、飲料容器の検査により合格と判定した場合は、OK信号(合格信号)を外部設備制御装置4に送信する。一方、検査機5は、飲料容器の検査により不合格と判定した場合は、NG信号(不合格信号)を外部設備制御装置4に送信する。また、検査機5は、自己診断機能により検査機5の動作不良を検出すると、検査機異常信号を外部設備制御装置4に送信する。
【0076】
排斥タイミングセンサ13は、飲料容器を検出すると、排斥タイミングセンサ信号を検査機5に送信し、検査機5は、この排斥タイミングセンサ信号を外部設備制御装置4に送信する。
【0077】
排斥機6は、外部設備制御装置4の制御により、搬送ラインL1によって搬送される飲料容器を、搬送ラインL1から分岐する排斥ラインL2に排斥する。また、排斥機6は、自己診断機能を備えており、排斥機6の動作不良を検出すると、排斥機異常信号を外部設備制御装置4に送信する。
【0078】
排斥確認センサ14は、飲料容器を検出すると、排斥確認センサ信号を外部設備制御装置4に送信する。通過確認センサ15は、飲料容器を検出すると、通過確認センサ信号を外部設備制御装置4に送信する。
【0079】
外部設備制御装置4は、第二実施形態の検査機制御装置3の排斥制御部31及びインターロック部32の機能を備える。つまり、外部設備制御装置4は、排斥機6を制御して、排斥機6により飲料容器を排斥ラインL2に排斥させる。また、外部設備制御装置4は、(a)検査機5の動作状態、(b)排斥機6の動作状態、(c)センサの動作状態、を監視し、これらの動作状態が異常であると判定すると、飲料容器の搬送を停止させる。
【0080】
このように、本実施形態では、外部設備制御装置4が、排斥機6を制御するとともに検査システム2の全てのインターロックを制御するため、検査システム2が検査機制御装置を備えない場合であっても、全ての飲料容器が検査されていることを保証することができる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、外部接部制御装置のインターロック部は、その一部又は全部が検査機制御措置に設けられていてもよい。また、外部接部制御装置及び検査機制御装置のインターロック部は、更に他の機能を備えていてもよい。また、第三実施形態において、第一実施形態のように検数センサを備えるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1,1A,1B…検査システム監視装置、2…検査システム、3…検査機制御装置、4…外部設備制御装置、5…検査機、6…排斥機、11…検数センサ、12…検査トリガセンサ、13…排斥タイミングセンサ、14…排斥確認センサ、15…通過確認センサ、31…排斥制御部、32…インターロック部、33…情報送信部、34…異常判定部、35…搬送停止部、41…インターロック部、42…検数積算部、43…判定数積算部、44…合格判定数積算部、45…通過数積算部、46…異常判定部、47…搬送停止部、L1…搬送ライン、L2…排斥ライン。
図1
図2
図3
図4
図5