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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】セメントクリンカーの選別方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/38 20060101AFI20220921BHJP
   C04B 7/26 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
G01N33/38
C04B7/26
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018151687
(22)【出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2020027017
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】引田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】久保田 修
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-137224(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061545(WO,A1)
【文献】特開平08-268740(JP,A)
【文献】国際公開第2013/114719(WO,A1)
【文献】米国特許第04319988(US,A)
【文献】特開2001-048605(JP,A)
【文献】特開2010-105826(JP,A)
【文献】特開2017-225913(JP,A)
【文献】特開2019-151526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/38
C04B 7/26
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリンカークーラーから排出されるセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物(石炭灰形成物が、赤鉄鉱、磁赤鉄鉱及び磁鉄鉱の合計含有量0.06質量%以上である)を、磁力選別して磁着物と非磁着物に分別し、当該混合物から非磁着物としてセメントクリンカーを分取することを特徴とする、セメントクリンカーの選別方法。
【請求項2】
石炭灰成形物が、粒径2~20mmである請求項1記載のセメントクリンカーの選別方法。
【請求項3】
磁力選別を8000ガウス以上20000ガウス以下で行う、請求項1又は2記載のセメントクリンカーの選別方法。
【請求項4】
磁力選別を、30~90m/分の供給速度で行う、請求項1~3のいずれか1項記載のセメントクリンカーの選別方法。
【請求項5】
磁力選別により分別された磁着物が、赤鉄鉱、磁赤鉄鉱及び磁鉄鉱の合計含有量0.06質量%以上のものである請求項1~4のいずれか1項記載のセメントクリンカーの選別方法。
【請求項6】
磁力選別により分別された磁着物をさらに分級して、セメントクリンカーを回収する、請求項1~5のいずれか1項記載のセメントクリンカーの選別方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載のセメントクリンカーの選別方法により回収されたセメントクリンカーを分析することを特徴とする、セメントクリンカーの品質管理方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項記載のセメントクリンカーの選別方法により回収されたセメントクリンカー以外の成分を分析することを特徴とする、フライアッシュ含有セメントの品質管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリンカークーラーから排出される混合物から、セメントクリンカーを選別する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭火力発電所等から排出される炭素含有率やその変動幅が大きい石炭灰について、セメント混合材やコンクリート混和材としての有効活用が求められている。本出願人は、特許文献1において、クリンカークーラーで冷却される特定の鉱物組成を有するセメントクリンカーに対して、所定の質量割合の石炭灰、バインダー、及び水からなる成形物を、当該クリンカークーラー内の800~1400℃の温度領域に投入することによって、当該成形物中の石炭灰に含まれる未燃炭素および有機物を除去することができ、そして、当該クリンカークーラーから排出されるセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物を粉砕することで良好なフライアッシュ含有セメント組成物が得られることを開示した。
【0003】
ところで、セメント製造工場においては、一般に、クリンカークーラーから排出されたセメントクリンカーについて、代表試料を分取し、即座に化学組成や鉱物組成をオンライン分析して、その分析結果を前工程である原料工程にフィードバックしたり、後工程であるセメント粉砕工程の粉砕条件の設定にフィードフォワードしたりする品質管理システムが運用されている。
【0004】
特許文献1のセメント組成物の製造方法は、既存のセメントクリンカーの焼成工程を利用して、供される石炭灰の品質変動に影響されずに安定した品質のフライアッシュ含有セメント組成物を容易に得ることができる製造方法であるが、クリンカークーラーからの排出物がセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物であって、それら混合物からセメントクリンカーの代表試料を分別することが困難であるため、従来のオンライン分析システムによるセメントクリンカーの品質管理方法が実施できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5991998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、クリンカークーラーから石炭灰成形物と混合されて排出されるセメントクリンカーについて、既往のセメントクリンカーのオンライン分析システムによる品質管理を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、種々検討したところ、クリンカークーラーから排出されるセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物を、磁力選別することにより、当該混合物からセメントクリンカーを容易に分取できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、クリンカークーラーから排出されるセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物を、磁力選別して磁着物と非磁着物に分別し、当該混合物から非磁着物としてセメントクリンカーを分取することを特徴とする、セメントクリンカーの選別方法を提供するものである。
また、本発明は、当該セメントクリンカーの選別方法により回収されたセメントクリンカーを分析することを特徴とする、セメントクリンカーの品質管理方法を提供するものである。
また、本発明は、当該セメントクリンカーの選別方法により回収されたセメントクリンカー以外の成分を分析することを特徴とする、フライアッシュ含有セメントの品質管理方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クリンカークーラーから排出されるセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物から、全粒のセメントクリンカーを容易に分取することができ、分取されたセメントクリンカーを既往のオンライン分析システムに供することによって、従来品同等のセメントクリンカーの品質管理の下でフライアッシュ含有セメント組成物を製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、クリンカークーラーから排出されるセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物から、セメントクリンカーを分取するものである。
【0011】
セメントクリンカーは、以下の式(1)~式(4)で示されるボーグ式を用いて算出した鉱物組成が、CSで20質量%~80質量%、CSで5質量%~60質量%、CAで1質量%~16質量%、及びCAFで6質量%~16質量%であって、1000℃~1450℃の温度で30分間~120分間焼成されて得られるものである。
S(質量%)=4.07×CaO(質量%)-7.60×SiO(質量%)
-6.72×Al(質量%)-1.43×Fe(質量%) ・・・(1)
S(質量%)=2.87×SiO(質量%)-0.754×C3S(質量%)
・・・(2)
A(質量%)=2.65×Al(質量%)-1.69×Fe(質量%)
・・・(3)
AF(質量%)=3.04×Fe(質量%) ・・・(4)
ただし、式(1)~式(4)中の化学式は、化学式が表す化合物のセメントクリンカー中の含有率(質量%)を表す。
【0012】
このセメントクリンカーは、鉱物組成の変化に対応して1.90g/cm~2.75g/cmのかさ比重を取り得る。なお、かかるかさ比重は、水銀圧入式細孔分布測定装置(Micromeritics社製、AutoPoreIV9500)による測定値である。
【0013】
また、かかるセメントクリンカーは、クーラーの出口で粗粉砕され、通常、粒径が100mm以下の大きさを有するものである。
【0014】
次に、上記石炭灰成形物は、石炭灰:有機バインダー(質量比)=95:5~99.5:0.5であって、且つ(石炭灰+有機バインダー):水(質量比)=100:2~100:35であるか、若しくは石炭灰:無機バインダー(質量比)=60:40~99.5:0.5であって、且つ(石炭灰+無機バインダー):水(質量比)=100:2~100:35であり、4N以上の圧壊強度を有する、粒径が2mm~20mmの球状の成形物を、クリンカークーラーの800℃~1400℃の領域に投入して得られる、加熱処理された石炭灰成形物である。
【0015】
ここで、前記有機バインダーとは、例えば、澱粉類、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアルキレンオキサイド、ポリカルボン酸類、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエンゴム、天然ゴム、寒天、およびゼラチンから選ばれる1種以上であり、また、前記無機バインダーとは、例えば、セメント、石膏粉末、ポゾラン粉末、シリカ粉末、石灰石粉末、セメントキルンダスト、膨張材、建設発生土粉末、焼却灰、スラグ粉末、および粘土粉末から選ばれる1種以上である。
【0016】
この石炭灰成形物は、主に無機バインダーの混合割合に応じて0.7g/cm~1.5g/cmのかさ比重を取り得る。なお、かかるかさ比重は、前記セメントクリンカーのかさ比重同様に、水銀圧入式細孔分布測定装置(Micromeritics社製、AutoPoreIV9500)による測定値である。
【0017】
本発明では、石炭灰成形物の粒径は、磁力選別による分別精度を高める点から、粒径が2mm~20mmのものを用いるのが好ましく、粒径が4.75mm~9.5mmのものを用いるのがより好ましい。石炭灰成形物中の酸化鉄鉱物の含有量や、磁力選別の運転条件(磁力、ベルト速度など)によっては、小粒径のセメントクリンカーの一部が、磁着側に選別されることがある。石炭灰成形物の粒径を所定の大きさに調整しておくことで、後述のように磁着物をさらに分級するで、石炭灰成形物と小粒径のセメントクリンカーが分別され、小粒径のセメントクリンカーと非磁着物を合併することで、セメントクリンカーの全てを回収できようになる。
このような粒径を有する石炭灰成形物を得るには、造粒工程で成形した石炭灰成形物を篩い分けして、最終的に公称目開きが20mmふるいを通過し、公称目開き2mmふるい上に残った試料を用いればよい。また、粒径の大きい石炭灰成形物を作製し、粗粉砕したものを上記と同様の手順で篩い分けしてもよい。
【0018】
本発明においては、このようなセメントクリンカーと石炭灰成形物の混合物を、磁力選別して、磁着物と非磁着物に分別する。これにより、非磁着物として、セメントクリンカーを分取することができる。
磁力選別の方法は特に制限されないが、プーリー型の磁力選別機を用いるのが好ましい。また、ドラム式や吊下げ型などの磁力選別機を用いることもできる。
なお、20mmよりも粒度の粗い粒子はセメントクリンカーであるので、予め磁力選別を行う前に、公称目開きが20~50mmのふるい残分をセメントクリンカーとして分取しておいてもよい。
【0019】
磁力選別は、磁着精度を高める点から、8000ガウス以上で行うのが好ましく、10000ガウス以上がより好ましく、20000ガウス以下が好ましい。
また、磁力選別は、分別精度を高める点から、30~90m/分の供給速度で行うのが好ましく、40~60m/分がより好ましい。
【0020】
磁力選別により分別された磁着物は、赤鉄鉱、磁赤鉄鉱及び磁鉄鉱の合計含有量が0.06質量%以上であるのが好ましい。
クリンカークーラーから排出された石炭灰成形物中に、赤鉄鉱α型Fe2O3 Hemataite、磁赤鉄鉱 γ型Fe2O3 Maghemite、磁鉄鉱 Fe3O4Magnetiteが合計で0.06質量%以上含まれていれば、磁力選別において、磁着される。したがって、それより少なくなる場合には、金属鉄や上記鉱物を石炭灰成形物に添加してもよい。
【0021】
磁力選別により分別された磁着物には、石炭灰成形物以外に、少量のセメントクリンカーが含まれている場合がある。このため、磁着物をさらに分級することにより、公称目開きが石炭灰成形物より細かいふるいの通過分をセメントクリンカーとして回収することができる。このようにして特定の粒度ではなく、全てのセメントクリンカーを回収し、分析を行うことで、品質管理精度を高めることができる。
【0022】
クリンカークーラーから石炭灰成形物と混合されて排出された後、磁力選別により、非磁着物などにより回収されたセメントクリンカーは、既往のセメントクリンカーのオンライン分析システムにより分析して、品質管理することができる。
【0023】
また、本発明により回収されたセメントクリンカー以外の成分を分析することにより、フライアッシュ含有セメントの品質を管理することができる。
最終的に得られるフライアッシュ含有セメントは、石炭灰の混合量が少ないため、分析誤差が大きいものである(特に、X線回折法では石炭灰由来のピークが読めないことがある)。
本発明においては、非磁着物としてセメントクリンカーが得られ、磁着物として石炭灰成形物が得られるので、その収量から石炭灰成形物とセメントクリンカーの混合比率を求めることができる。また、磁力選別後の非磁着物と、磁着物の化学組成をそれぞれ測定することで、セメントクリンカーと石炭灰成形物の化学組成を知ることができるので、最終的なフライアッシュ含有セメントの化学組成を測定すれば、フライアッシュ含有セメント中の石炭灰含有量を求めることもできる。化学組成に代えて、X線粉末回折のリードベルト法により石炭灰成形物中の鉱物組成を定量することで、結晶性遊離シリカを精度良く定量することも可能である。また、磁着物の未燃炭素量を測定することにより、精度よく未燃炭素の除去状況や最終的なフライアッシュ含有セメント中の未燃炭素量を知ることができる。
【実施例
【0024】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
1.セメントクリンカー:
太平洋セメント社製の普通ポルトランドセメント用クリンカーを用いた。
【0026】
2.石炭灰成形物:
表1に示す化学組成を有する石炭火力発電所から排出された石炭灰に、バインダとしてデンプンを外割で2質量%混合し、水を適宜加えながら、パン型ペレタイザーを用いて球状に成形した後、電気炉を用いて1250℃で20分間焼成した。なお、焼成後の石炭灰成形物の強熱減量値(≒未燃炭素含有量)は、0.1質量%以下であった。
焼成で得られた石炭灰成形物を篩い分けして、粒度が4.75~9.5mm又は4.75~20mmのものを用いた。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例1
上記の粒度が1~80mmのセメントクリンカー(クリンカ)と粒度が4.75~9.5mmの石炭灰成形物(FAクリンカ)、さらに、これらを表2に示す割合で混合した混合物を調整した。これらについて、日本エリーズマグネチックス社製、レア・アース ロールセパレーター(型式 RE6D04W-1)を用い、以下の条件により、磁力選別を行い、磁着物と非磁着物に分別した。結果を表2に示す。
(磁力選別の条件)
磁石:レア・アース磁石(磁力15000G)
ベルト速度:90m/min
【0029】
【表2】
【0030】
表2の結果より、FAクリンカのみを磁力選別した場合は、FAクリンカの全粒が磁着側に選別された。一方、セメントクリンカーのみを磁力選別した場合は、全粒の0.6%に相当する5mm未満の粒子が磁着側に選別された。FAクリンカを約2%混合した混合物では、非磁着側にセメントクリンカーのみが、磁着側にはFAクリンカと小径のセメントクリンカーが選別され、投入したクリンカの99.2%を非磁着側で回収できることが確認された。また、473gの試料を選別するのに要した時間も90秒と短かった。なお、セメントクリンカーとFAクリンカの識別は色が異なるので目視判別で行った。
さらに、磁着側に選別された試料を、目開き4.75mmの篩で篩分けしたところ、FAクリンカとクリンカに選別することができた。篩い分けによって磁着側から回収したクリンカと、非磁着側からの回収品を合併することで、クリンカのほぼ全量を回収可能であった。
また、磁力選別により回収したクリンカと、ブランク(FAクリンカを混合する前のクリンカ)の化学組成を表3に示す。磁力選別により回収したクリンカはブランクと同等の組成であることが確認できた。
【0031】
【表3】
【0032】
参考として、磁着側に選別されたクリンカと非磁着側の比重および鉱物組成を表4に示す。
磁着側に選別されたクリンカは、非磁着側と比べて間隙相の量がやや多かったが、組成は大きくは変わらなかった。磁着側に選別されたクリンカについて、15000Gの棒磁石への磁着有無を確認したところ、全く磁着しなかったことから、セメントクリンカー自体が磁着するわけではなく小径のため、空気抵抗>慣性力となり磁着側に選別されたと考えられた。
【0033】
【表4】
【0034】
実施例2
粒度が1~80mmのセメントクリンカーと粒度が5~20mmの石炭灰成形物を用い、実施例1と同様にして、表5に示す割合で混合したセメントクリンカーと石炭灰成形物(FAクリンカ)の混合物について、磁力選別を行い、磁着物と非磁着物に分別した。結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
表5の結果より、磁力選別により、高い収率で、セメントクリンカーを分別・回収できることが確認された。また、処理速度が速く、工場の自動分析による品質管理での運用に好適である。
【0037】
実施例3
表6に示す化学組成を有する石炭火力発電所から排出された石炭灰(FA48、FA52、FA53、FA54、FA55)に、バインダとしてデンプンを外割で2質量%混合し、水を適宜加えながら、パン型ペレタイザーを用いて、2-4.75mm、4.75-9.5mm、9.5-20mmの球状に成形した。これを、電気炉を用いて、表7に示す条件で焼成した。なお、焼成後の石炭灰成形物の強熱減量値(≒未燃炭素含有量)は、0.1質量%以下であった。
得られた石炭灰成形物(FA)について、実施例1と同様にして、磁力選別を行った。結果を表8に示す。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
表8の結果より、全ての石炭灰成形物は、磁着物として回収された。
これらの石炭灰成形物は、XRDリートベルト法により、表9に示す鉱物組成を有するものであり、石炭灰成形物中に、赤鉄鉱α型Fe2O3 Hemataite、磁赤鉄鉱 γ型Fe2O3 Maghemite、磁鉄鉱 Fe3O4Magnetiteが合計で0.06質量%以上含まれていれば、磁力選別において、磁着されることが確認された。
【0042】
【表9】