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特許7144240病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および検査方法
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  • 特許-病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および検査方法 図1
  • 特許-病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および検査方法 図2
  • 特許-病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および検査方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および検査方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 16/00 20060101AFI20220921BHJP
   B01L 1/00 20060101ALI20220921BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20220921BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A61B16/00
B01L1/00 A
F24F7/06 C
A61G12/00 U
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018158894
(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公開番号】P2020031749
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 健
(72)【発明者】
【氏名】龍 英夫
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-045709(JP,A)
【文献】特開2003-325658(JP,A)
【文献】特開2011-005051(JP,A)
【文献】特開2018-004189(JP,A)
【文献】米国特許第04980956(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 16/00
B01L 1/00
F24F 7/06
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクと、
前記シンクの下に設けられた受槽と、
前記受槽の底面に接続された排水管と、
前記受槽の側面に接続された排気管と、を備える病理検査用作業台であって、
前記受槽は、液体および気体が流下可能に前記シンクの底面に接続されており、
大気より重い気体が前記シンク内から前記受槽に流下するとともに、前記排気管を介して前記受槽から排気されることを特徴とする、病理検査用作業台。
【請求項2】
用途の異なる複数の作業台が並設された病理検査用システム検査台であって、
前記作業台の上方を覆うフードと、
前記フード内の空間を上空間と下空間とに分割する横板と、
前記作業台の奥側において内壁から隙間をあけて配設された縦板と、を備えており、
前記フードは、前記作業台の奥側において片持ち支持あるいは前記作業台の上方において吊持されており、
複数の前記作業台のうちの少なくとも一つは、シンクと、前記シンクの底面に接続する受槽と、前記受槽に接続する排気管と、を備えていて、
前記作業台の上面と前記横板との間において、前記縦板に排気ガラリが設けられており、
前記排気管は、前記縦板に形成された排気孔に接続されていて、
前記縦板と前記内壁との隙間は、前記上空間に連結されていて、
前記上空間には、排気ダクトが接続されていることを特徴とする病理検査用システム検査台。
【請求項3】
前記作業台の下側の空間に面して、前記縦板に排気口が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の病理検査用システム検査台。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の病理検査用システム検査台を使用する検査方法であって、
複数の前記作業台のうちの一つの前記作業台において使用した検体を、前記病理検査用システム検査台から取り出すことなく、他の前記作業台に横移動させることで、前記病理検査用システム検査台内からの気体の漏洩を防止することを特徴とする、検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病理検査室では、手術または検査の目的で採取された臓器、組織、細胞などから顕微鏡標本を作製し、顕微鏡等を用いて詳しい診断を行う。病理検査では、ホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)やキシレン等の有機化学物質を使用している。このような有機化学物質について、特定化学物質障害予防規則では、屋内におけるホルムアルデヒドの管理濃度を0.1ppmに設定している。
そのため、病理検査用作業台は、有機化学物質の拡散を抑制する機能を備えているのが望ましい。例えば特許文献1には、シンクの手前側から奥側に向けて気体を給気する第一給気手段と、シンクの奥側の上方からシンク手前側に向けて斜めに気体を給気する第二給気手段と、シンクの奥側から排気する排気手段とにより、シンクの上方にエアカーテンを形成して、シンク内の揮発性物質が拡散することを防止する流し台が開示されている。
また、特許文献2には、シンクの側面下部に設けられた吸引口からシンク内の気体を吸引排気することで、シンク内の揮発性物質が拡散することを防止する流し台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-001124号公報
【文献】特開2018-004189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
揮発したホルムアルデヒド等の有機化学物質は、大気よりも重いため、シンク内に滞留しやすい。シンクの側面から排気する場合やエアカーテン等によって遮蔽する場合であっても、有機化学物質が滞留したシンク内で作業を行うと、シンク内の気体が撹拌されることや、シンク内から抜き出した医療従事者等の腕や検体などとともに、シンク内の有機化学物質が外部に漏出するおそれがある。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、より確実に有機化学物質の漏洩を防止することができる病理検査用作業台、病理検査用システム検査台および病理検査用システム検査台を利用した検査方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、シンクと、前記シンクの下に設けられた受槽と、前記受槽の底面に接続された排水管と、前記受槽の側面に接続された排気管とを備える病理検査用作業台である。前記受槽は、液体および気体が流下可能に前記シンクの底面に接続されており、大気より重い気体が前記受槽に流下するとともに、前記排気管を介して前記受槽から排気される。
また、請求項2に記載の発明は、用途の異なる複数の作業台が並設された病理検査用システム検査台である。病理検査用システム検査台は、前記作業台の上方を覆うフードと、前記フード内の空間を上空間と下空間とに分割する横板と、前記作業台の奥側において内壁から隙間をあけて配設された縦板とを備えている。
前記フードは、前記作業台の奥側において片持ち支持あるいは前記作業台の上方において吊持されており、作業台の手前側にフードの支持手段がない。そのため、検査対象を取り出すことなく、作業台から次の作業台に移動させることができる。検体等を取り出すことなく横移動させることで、有機化学物質等の漏洩を防止できる。
また、複数の前記作業台のうちの少なくとも一部は、シンクと、前記シンクの底面に接続する受槽と、前記受槽に接続する排気管とを備えていて、前記作業台の上面と前記仕切り板との間において、前記縦板に排気ガラリが設けられており、前記排気管は、前記縦板に形成された排気孔に接続されていて、前記縦板と前記内壁との隙間は、前記上空間に連結されていて、前記上空間には、排気ダクトが接続されている。そのため、有機化学物質は排気ダクトを介して排気されるため、病理検査室内に有機化学物質が拡散することが防止されている。
また、請求項3の病理検査用システム検査台は、前記作業台の下側の空間に面して、前記縦板に排気口が形成されているため、万が一、作業台の下側に有機化合物質が漏れ出したとしても病理検査室内での拡散を防止することができる。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の病理検査用システム検査台を使用する検査方法であって、複数の前記作業台のうちの一つの前記作業台において使用した検体を、前記病理検査用システム検査台から取り出すことなく、他の前記作業台に横移動させることで、前記病理検査用システム検査台内からの気体の漏洩を防止する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の病理検査用作業台および病理検査用システム検査台によれば、大気よりも重い気体がシンクの下に設けられた受槽に誘導されるため、シンク内に滞留することがない。そのため、シンク内から有機化学物質が外部に漏洩することを防止できる。また、シンクの下のトラップに溜まっている液体から出る臭気の逆流を防止できる。
また、本発明の病理検査用システム作業台およびこれを利用した検査方法によれば、フードに方立等の支持手段が作業台の手前側に存在しないため、作業台間において検体等を移動させる際に、検体を抜き出す必要がない。そのため、有機化学物質が検体とともに外部に漏洩することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の病理検査室を示す平面図である。
図2】病理検査用システム検査台の一部を示す斜視図である。
図3】病理検査用作業台を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態では、医療施設の病理検査室Rに設けられた病理検査用システム検査台1について説明する。本実施形態の病理検査室Rには、図1に示すように、病理検査用システム検査台1が設けられている。病理検査用システム検査台1は、用途の異なる複数の病理検査用作業台2を備えている。本実施形態では、病理検査用システム検査台1を建物の付帯設備として建物と一緒に施工することで、より作業性に優れ、なおかつ、より安全性に優れた病理検査室Rを形成する。病理検査用システム検査台1は、病理検査用作業台2同士の間で検体を横移動させることを可能としたプッシュプル方式を採用している。こうすることで、検体に使用されるホルマリンやキシレンなどの有機化学物質が、装置(病理検査用システム検査台1)外に漏出することを防止する。
本実施形態の病理検査用システム検査台1は、病理検査用作業台2として、作業台2a、流し台2b、撮影台、切出台、廃液台等を備えている。すなわち、病理検査用システム検査台1は、並設された用途の異なる複数の作業台(病理検査用作業台2)を備えている。また、病理検査用システム検査台1は、パラフィン包理装置や臓器保管庫等も備えている。なお、病理検査用システム検査台1が備える病理検査用作業台2の数や種類、および、その他の設備や装置は限定されるものではない。
【0009】
病理検査用作業台2の奥側には、図3に示すように、内壁W(病理検査室Rの壁)から隙間をあけて配設された縦板3を備えている。さらに、各病理検査用作業台2の上方は、フード4により覆われている。
フード4は、内壁Wによって片持ち支持されている。すなわち、フード4は、病理検査用作業台2の上方奥側から張り出しており、病理検査用作業台2の手前側(内壁Wと反対側)には、フード4を支持するための支柱(方立)や支持壁等がフード4の下に設けられていない。なお、フード4は、病理検査用作業台2の上方において天井または梁等により吊持されていてもよい。フード4は、フード本体41と、フード本体41の手前側に設けられた昇降サッシ42とを備えている。
フード本体41は、内壁Wから延びる天板43と、天板43の手前側端部から下向きに延びる前板44と、側面を覆う側板45(図2参照)とを備えている。すなわち、フード本体41は、病理検査用作業台2の上側の空間の上面、前面および両側面を覆っている。なお、天板43は、必要に応じて設ければよい。すなわち、天井との隙間を遮蔽することができれば、天板43は省略してもよい。また、側板45は、病理検査用システム検査台1の端部に配設された病理検査用作業台2の上方のフード4以外に対しては、省略してもよい。本実施形態の前板44は、下に向かうに従って内壁Wから離れるように、鉛直面に対して傾斜している。なお、前板44は、内壁Wと平行であってよい。昇降サッシ42は、前板44に上下動可能に設けられている。昇降サッシ42は、前板44の下端から、前板44の延長線と平行に、下向きに移動することで、病理検査用作業台2の手前側の開口面積の大きさを調整する。昇降サッシ42はガラス板を備えており、病理検査用作業台2の上の空間である作業空間A1と、病理検査を行う医療従業者との間に介設される。医療従業者は、昇降サッシ42を介して作業空間A1内を視認しながら、昇降サッシ42の下から作業空間A1に手を挿入した状態で作業を行う。昇降サッシ42は、最も下までおろした状態で、病理検査用作業台2の上面の手前側に接する。なお、昇降サッシ42は、必ずしも病理検査用作業台2に接する大きさを有している必要はない。また、昇降サッシ42には、必ずしもガラス板を使用する必要はなく、例えば、透明なアクリル板であってもよい。
【0010】
フード4には、フード4内の空間(天板43、前板44および内壁Wに囲まれた空間)を上空間A2と下空間A3とに分割する横板5が設けられている。上空間A2には、排気ダクト(図示省略)が接続されていて、上空間A2内の排気が可能に構成されている。本実施形態では、横板5に給気ユニット6が設けられている。給気ユニット6は、下向きに送風することで、病理検査用作業台2の上の作業空間A1に下向きの気流を形成する。給気ユニット6は、昇降サッシ42に沿った気流と、直下に向けた気流とに分流するルーバー(図示せず)を備えていてもよい。このようにすれば、昇降サッシ42に沿った気流によりいわゆるエアカーテンが形成されるため、装置外へ気体が漏洩し難くなる。なお、給気ユニット6は必要に応じて設ければよい。
【0011】
縦板3は、支持部材(図示せず)を介して内壁Wに固定されている。支持部材は、内壁Wから所定の間隔をあけた状態で縦板3を支持している。なお、縦板3の支持方法が限定されるものではなく、例えば、床から立設させてもよい。
縦板3と内壁Wとの間には、通気可能な空間(通気空間A4)が形成されている。また、縦板3の上端は横板5の下面に当接している。横板5には、内壁W側に通気孔51が形成されていて、通気空間A4(縦板3と内壁Wとの隙間)が通気孔51を介して上空間A2に連結されている。通気空間A4から上空間A2に流入した気体は、排気ダクトを介して排気される。
縦板3には、病理検査用作業台2の上面と横板5との間の作業空間A1に面して、排気ガラリ31が設けられている。排気ガラリ31により、作業空間A1の排気が可能になる。本実施形態では排気ガラリ31が上下に2段配設されているが、排気ガラリ31の数および配置は限定されない。さらに、縦板3には、病理検査用作業台2の下側の空間(台下空間A5)に面して、排気口33(例えば排気ガラリ等)が形成されている。
【0012】
本実施形態の病理検査用作業台2は、シンク21と、シンク21の下に設けられた受槽22と、受槽22の底面に接続されたトラップ26と、排水管23と、受槽22の側面に接続された排気管24とを備えている。
シンク21は、水槽状の凹部である。シンク21の底部には、受槽22に接続する開口が形成されている。シンク21の底面に形成された開口には、必要に応じて網等が設けておく。このようにすることで、シンク21内の液体または気体を受槽22に流下させつつ、検体等が受槽22に落下することを防止できる。シンク21の上面の開口部は、必要応じて作業用の作業用の板材(作業板材25)を敷設する。作業板材25は、作業を行うために必要な強度を有しているとともに、多数の孔が貫通している有孔板であるのが望ましい。なお、作業板材25の材質は限定されるものではなく、例えば、ステンレス製の板材を使用すればよい。
受槽22は、シンク21から流下した液体および気体を一時的に受け止める。受槽22はシンク21よりも小さな容積を有している。受槽22には、排気管24が接続されている。排気管24は、縦板3に形成された排気孔32に接続されている。排気管24は、受槽22内の気体を、通気空間A4に誘導する。大気より重い気体(気化した有機化学物質等)は、作業空間A1からシンク21に流下した後、シンク21内から受槽22に流下する。受槽22に流下した気体は、排気管24を介して受槽22から通気空間A4に排気された後、上空間A2に誘導されて、排気ダクトを介して排気される。そのため、受槽22に有機化学物質等が滞留することはない。
受槽22の底面には、トラップ26を介して排水管23が接続されている。排水管23は、シンク21から受槽22を介してトラップ26に流下した液体を排出する。そのため、受槽22に有機化学物質等を含む液体が滞留することはない。また、トラップ26に溜まっている液体から出る臭気は、排気管24から排出されるため、当該臭気が作業空間A1に流入(逆流)することが防止されている。なお、トラップ26は、必要に応じて設ければよい。
【0013】
病理検査用システム作業台を利用した検査の手順の一例を以下に示す。
まず、採取した検体を流し台2bで洗浄した後、撮影台において臓器撮影装置を利用して検体を撮影する。次に、切出台で検体を所定の大きさに切出した後、廃液台において脱水・脱脂してアルコールを除去する。その後、パラフィン包理装置によってパラフィンを浸透包理する。次に、切出台にて検体を薄切りにし、作業台2aにおいて検体を広げてスライドガラス上に密着させて染色する。そして、組織切片を封入剤とカバーグラスで被覆して臓器保管庫に保存する。その後、必要に応じて組織切片を顕微鏡で診断する。
【0014】
以上、本実施形態の病理検査用システム検査台1によれば、病理検査用作業台2の手前側に、フード4の支持部材がないため、病理検査用作業台2間(病理検査用システム検査台内)での検体の移動が容易である。すなわち、隣り合う病理検査用作業台2の作業空間A1同士が連続しているため、検体を作業空間A1から取り出すことなく、他の病理検査用作業台2へ移動させることができる。そのため、検体を病理検査用システム検査台1の外に出すことなく移動させて、検査を完結することができる。検体を装置外に持ち出さなければ、有機化学物質や臭気が検体とともに装置外に漏洩することを防止することができる。
フード4を内壁Wの固定する等、建物の施工時に病理検査用システム検査台1の設置も行うため、建物の施工後に病理検査用作業台2を設置する場合に比べて施工が容易である。また、各設備の配置の自由度も高い。
【0015】
給気ユニット6により下向きの気流が形成されているため、作業空間A1内の気体はシンク21を介して受槽22へと誘導させる。受槽22に流入した気体は、排気管24を介して縦板3の背面側の通気空間A4に導かれた後、上空間A2に流れて排気ダクトから排気される。そのため、気化した有機化学物質が装置外(病理検査室R内)に漏洩し難い。また、大気よりも重い気体は、シンク21を介して受槽22へと流下するため、作業空間A1およびシンク21に有機物質が滞留することがない。そのため、病理検査用作業台2において作業を行った際に、有機化学物質が装置外へ漏洩し難い。
【0016】
シンク21から受槽22に流下した気体は、排気管24を介して排気されるため、受槽22側から作業空間A1方向に気体が逆流することがない。また、受槽22に流下した液体は、排水管23を介して排水されるため、液体が受槽22内に滞留することがなく、受槽22内において有機化学物質が気化して作業空間A1側に漏洩することもない。
縦板3に排気ガラリ31が形成されているため、作業空間A1に気体が滞留することが防止されている。すなわち、作業空間A1の気体は、シンク21に流下するか、排気ガラリ31から排気されるため、滞留することがない。作業空間A1に気体が滞留しないため、装置外に有機化学物質を含有する気体が漏洩することを防止することができる。
縦板3には、台下空間A5に面して排気口33が形成されているため、作業空間A1から台下空間A5に気体が漏出したとしても、排気口33から排気される。
通気空間A4は上空間A2を介して排気ダクトに接続されているため、通気空間A4内には上空間A2に向かう気流が形成されている。そのため、通気空間A4に流入した気体は、滞留することなく排気させる。
【0017】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
病理検査用作業台2は、必要に応じて配置換えを行ってもよい。
各病理検査用作業台2は、病理検査室Rの内壁Wや床に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 病理検査用システム検査台
2 病理検査用作業台
21 シンク
22 受槽
23 排水管
24 排気管
3 縦板
31 排気ガラリ
32 排気孔
33 排気口
4 フード
5 横板
51 通気孔
A1 作業空間
A2 上空間
A3 下空間
A4 通気空間
A5 台下空間
R 病理検査室
W 内壁
図1
図2
図3