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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】はんだ付け部品
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20220921BHJP
   H01L 23/50 20060101ALI20220921BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20220921BHJP
   H01R 12/57 20110101ALI20220921BHJP
【FI】
H05K1/18 H
H01L23/50 N
H01R4/02 Z
H01R12/57
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018162863
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020035947
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-241752(JP,A)
【文献】実開昭60-039252(JP,U)
【文献】実開平02-031148(JP,U)
【文献】実開昭63-137954(JP,U)
【文献】特開2002-323308(JP,A)
【文献】特開2013-254797(JP,A)
【文献】特開2014-239196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H01L 23/50
H01R 4/02
H01R 12/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に表面実装されるはんだ付け部品であって、
それぞれ、前記基板の表面に対して交差する方向に折り曲げられた折り曲げ部を有し且つ前記表面実装により前記基板の表面に接続される1つ以上の端子部材と、
前記1つ以上の端子部材の先端に形成された4つ以上の基板接続部と
を備え、
前記4つ以上の基板接続部のうち特定の3つの基板接続部は、それぞれ、対応する前記端子部材の前記折り曲げ部の幅よりも狭い幅を有し、
前記はんだ付け部品が前記基板の表面上に置かれた状態において、前記3つの基板接続部のみが前記基板の表面に接触し、前記3つの基板接続部のそれぞれにおけるいずれの点が前記基板の表面に接触する接触点となっても、前記はんだ付け部品の重心は、前記3つの基板接続部の3つの前記接触点により形成される三角形の縁部の内側に位置することを特徴とするはんだ付け部品。
【請求項2】
前記3つの基板接続部は、それぞれ、対応する前記端子部材の先端が切り欠かれた形状を有する請求項1に記載のはんだ付け部品。
【請求項3】
前記1つ以上の端子部材のそれぞれの先端に1つの前記基板接続部が形成されている請求項1または2に記載のはんだ付け部品。
【請求項4】
前記1つ以上の端子部材のうち、少なくとも1つの前記端子部材の先端に2つ以上の前記基板接続部が形成されている請求項1または2に記載のはんだ付け部品。
【請求項5】
前記3つの基板接続部の3つの前記接触点は、一体に繋がっている1つの部材に形成される請求項1~4のいずれか一項に記載のはんだ付け部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、はんだ付け部品に係り、特に、基板に表面実装されるはんだ付け部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品、半導体部品等のはんだ付け部品を基板に実装する方法の1つとして、表面実装法がある。表面実装法は、はんだペーストが塗布された基板の表面上にはんだ付け部品を配置した後、高温炉内で加熱してはんだを溶融させることで、はんだ付け部品を基板に固定する方法である。
【0003】
このような表面実装法により実装されるはんだ付け部品が、例えば、特許文献1に開示されている。このはんだ付け部品は、図11に示されるように、部品本体1から引き出された複数のリード部2を備え、それぞれのリード部2が、図示しない基板に対向する平面部3を有し、さらに、平面部3に、基板に向かって突出する突起4が形成されたものである。
図12に示されるように、例えば、8個のリード部2を備えることができ、8個のリード部2の突起4により形成される四角形S1の内側にはんだ付け部品の重心Gが位置するように、それぞれの突起4を配置することで、はんだ付け部品が基板の表面上に置かれたときの、はんだ付け部品の姿勢の安定化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-254797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、8個のリード部2を有していても、はんだ付け部品が基板の表面上に置かれたときに、実際にはんだ付け部品を支持するのは、はんだ付け部品の重心Gを囲むいずれか3個のリード部2の突起4のみである。
さらに、すべてのリード部2の平面部3に突起4が形成されるため、はんだ付け部品が基板の表面上に置かれたときに、8個のリード部2の突起4のいずれが基板の表面に接触するかは、例えば、突起4にバリが発生する等の、製造上の形状バラツキに依存することとなり、同一設計によるはんだ付け部品であっても、実際にはんだ付け部品を支持する3個のリード部2の突起4を特定することはできない。
【0006】
このため、例えば、図12に示される3個の突起4Aによりはんだ付け部品が支持される場合には、これら3個の突起4Aを結ぶことにより形成される三角形S2の斜辺5の上にはんだ付け部品の重心Gが位置してしまい、はんだ付け部品は極めて不安定な状態となり、はんだ付けの際にわずかな外力を受けてもはんだ付け部品の姿勢が変化して接続不良となるおそれがある。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、表面実装されながらも信頼性の高い接続を行うことができるはんだ付け部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るはんだ付け部品は、基板に表面実装されるはんだ付け部品であって、それぞれ、基板の表面に対して交差する方向に折り曲げられた折り曲げ部を有し且つ前記表面実装により前記基板の表面に接続される1つ以上の端子部材と、1つ以上の端子部材の先端に形成された4つ以上の基板接続部とを備え、4つ以上の基板接続部のうち特定の3つの基板接続部は、それぞれ、対応する端子部材の折り曲げ部の幅よりも狭い幅を有し、はんだ付け部品が基板の表面上に置かれた状態において、3つの基板接続部のみが基板の表面に接触し、3つの基板接続部のそれぞれにおけるいずれの点が基板の表面に接触する接触点となっても、はんだ付け部品の重心は、3つの基板接続部の3つの接触点により形成される三角形の縁部の内側に位置するものである。
【0009】
3つの基板接続部は、それぞれ、対応する端子部材の先端が切り欠かれた形状を有するように構成することができる。
1つ以上の端子部材のそれぞれの先端に1つの基板接続部が形成されていてもよい。あるいは、1つ以上の端子部材のうち、少なくとも1つの端子部材の先端に2つ以上の基板接続部が形成されていてもよい。
また、3つの基板接続部の3つの接触点は、一体に繋がっている1つの部材に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、それぞれ、基板の表面に対して交差する方向に折り曲げられた折り曲げ部を有する1つ以上の端子部材と、1つ以上の端子部材の先端に形成された4つ以上の基板接続部とを備え、4つ以上の基板接続部のうち3つの基板接続部は、それぞれ、対応する端子部材の折り曲げ部の幅よりも短い幅を有し、はんだ付け部品が基板の表面上に置かれた状態において、3つの基板接続部のみが基板の表面に接触し、3つの基板接続部のそれぞれにおけるいずれの点が基板の表面に接触する接触点となっても、はんだ付け部品の重心は、3つの基板接続部の3つの接触点により形成される三角形の内側に位置するので、表面実装されながらも信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1に係るはんだ付け部品を斜め上方から見た斜視図である。
図2】実施の形態1に係るはんだ付け部品の側面断面図である。
図3】実施の形態1に係るはんだ付け部品を斜め下方から見た斜視図である。
図4】実施の形態1に係るはんだ付け部品の側面図である。
図5】実施の形態1に係るはんだ付け部品の背面図である。
図6】実施の形態2に係るはんだ付け部品を斜め下方から見た斜視図である。
図7】実施の形態3に係るはんだ付け部品を斜め上方から見た斜視図である。
図8】実施の形態3に係るはんだ付け部品を斜め下方から見た斜視図である。
図9】実施の形態4に係るはんだ付け部品を示す正面図である。
図10】実施の形態4に係るはんだ付け部品の端子部材を示す部分斜視図である。
図11】従来のはんだ付け部品を示す正面図である。
図12】従来のはんだ付け部品を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係るはんだ付け部品11を示す。このはんだ付け部品11は、基板12に表面実装され、嵌合軸Cに沿って図示しない相手側コネクタに嵌合されるコネクタである。
はんだ付け部品11は、一対のコンタクト(端子部材)13と、一対のコンタクト13を保持するインシュレータ14と、インシュレータ14の外周部を覆う金属シェル15とを備えている。インシュレータ14には、はんだ付け部品11の前方に向かって開放される凹状の相手側コネクタ収容部16が形成されており、一対のコンタクト13の前端部が、相手側コネクタ収容部16内に露出している。
【0013】
ここで、便宜上、嵌合軸Cに沿ってはんだ付け部品11の前部から後部に向かう方向を+Y方向、基板12の表面に平行で且つY方向に直交する方向をX方向、基板12の表面に垂直で且つ基板12からはんだ付け部品11に向かう方向を+Z方向と呼ぶこととする。
【0014】
金属シェル15は、一対のコンタクト13をシールドするためのもので、インシュレータ14の+Z方向側の上面を覆う上面部17と、インシュレータ14の+X方向側の側面および-X方向側の側面を覆う一対の側面部(端子部材)18と、インシュレータ14の+Y方向側の背面を覆う背面部(端子部材)19とを有している。
一対の側面部18は、上面部17の+X方向側端部および-X方向側端部に位置する一対の折り曲げ部20において上面部17に対し直角に折り曲げられ、それぞれ、YZ面に沿って-Z方向に延びている。また、背面部19は、上面部17の+Y方向側端部に位置する折り曲げ部21において上面部17に対し直角に折り曲げられ、XZ面に沿って-Z方向に延びている。すなわち、一対の側面部18および背面部19は、基板12の表面に対して垂直な方向に折り曲げられている。
【0015】
図2に示されるように、それぞれのコンタクト13は、はんだ付け部品11のほぼ全長にわたってY方向に延びており、コンタクト13の先端(+Y方向端部)が、折り曲げ部22で-Z方向に折り曲げられた後に+Y方向に折り曲げられ、インシュレータ14の-Z方向を向いた底面14Bから露出して基板接続部13Aを形成する一方、コンタクト13の-Y方向端部は、相手側コネクタ収容部16内に露出して、嵌合時に図示しない相手側コネクタのコンタクトに接触する接点部13Bを形成している。
【0016】
また、図3に示されるように、金属シェル15は、一対の折り曲げ部20において折り曲げられた一対の側面部18の先端(-Z方向端部)に形成された一対の基板接続部18Aと、折り曲げ部21において折り曲げられた背面部19の先端(-Z方向端部)に形成された基板接続部19Aとを有している。
一対の基板接続部18Aは、それぞれ、対応する側面部18の-Z方向端部が切り欠かれた形状を有し、基板接続部19Aは、背面部19の-Z方向端部が切り欠かれた形状を有している。
【0017】
金属シェル15の一対の側面部18により、一対の折り曲げ部20を有し且つ表面実装により基板12の表面に接続される2つの端子部材が形成され、金属シェル15の背面部19により、折り曲げ部21を有し且つ表面実装により基板12の表面に接続される1つの端子部材が形成され、さらに、一対のコンタクト13により、それぞれ折り曲げ部22を有し且つ表面実装により基板12の表面に接続される2つの端子部材が形成されており、はんだ付け部品11は、計5個の端子部材を有している。
また、はんだ付け部品11は、金属シェル15の一対の側面部18に形成された2つの基板接続部18Aと、金属シェル15の背面部19に形成された1つの基板接続部19Aと、一対のコンタクト13に形成された2つの基板接続部13Aとからなる計5個の基板接続部を有している。
すなわち、金属シェル15の一対の側面部18と、金属シェル15の背面部19と、一対のコンタクト13とにより構成される5個の端子部材のそれぞれの先端に、1つの基板接続部が形成されている。
【0018】
図4に示されるように、金属シェル15の側面部18の+Z方向端部に位置する折り曲げ部20は、Y方向に沿った幅W1を有し、側面部18の-Z方向端部に形成されている基板接続部18Aは、Y方向に沿って、折り曲げ部20の幅W1よりも狭い幅W2を有している。
また、図5に示されるように、金属シェル15の背面部19の+Z方向端部に位置する折り曲げ部21は、X方向に沿った幅W3を有し、背面部19の-Z方向端部に形成されている基板接続部19Aは、X方向に沿って、折り曲げ部21の幅W3よりも狭い幅W4を有している。
【0019】
なお、図4および図5に示されるように、コンタクト13の基板接続部13Aは、インシュレータ14の底面14Bよりも-Z方向にわずかに突出しており、金属シェル15の側面部18の基板接続部18Aおよび背面部19の基板接続部19Aは、コンタクト13の基板接続部13Aよりもさらに-Z方向側へと突出している。すなわち、インシュレータ14の底面14Bを基準とする金属シェル15の側面部18の基板接続部18Aおよび背面部19の基板接続部19Aの突出量は、コンタクト13の基板接続部13Aの突出量よりも大きく設定されている。
【0020】
このため、図1に示されるように、はんだ付け部品11を基板12の平坦な表面上に置いた状態では、計5個の基板接続部のうち、一対のコンタクト13に形成された一対の基板接続部13Aは、基板12の表面に接触しないで基板12の表面から+Z方向にわずかに離れた位置となり、金属シェル15の一対の側面部18に形成された一対の基板接続部18Aと背面部19に形成された基板接続部19Aとからなる特定の3つの基板接続部のみが、基板12の表面に接触することとなる。
【0021】
さらに、はんだ付け部品11を基板12の表面上に置いた状態においては、図3に示されるように、Y方向に沿った幅W2を有する+X方向側の側面部18の基板接続部18Aにおけるいずれの点が基板12の表面に接触する接触点Pとなり、Y方向に沿った幅W2を有する-X方向側の側面部18の基板接続部18Aにおけるいずれの点が基板12の表面に接触する接触点Pとなり、X方向に沿った幅W4を有する背面部19の基板接続部19Aにおけるいずれの点が基板12の表面に接触する接触点Pとなっても、はんだ付け部品11の重心Gは、これら3つの接触点Pにより形成される三角形T1の内側に位置するように構成されている。ここで、「三角形T1の内側に位置する」とは、重心Gが、三角形T1のいずれかの辺または頂点の上に位置することを含まず、三角形T1の縁部よりも内側に位置することを意味している。
【0022】
このように、金属シェル15の一対の側面部18に形成された一対の基板接続部18Aと背面部19に形成された基板接続部19Aとからなる3つの基板接続部のみが基板12の表面に接触し、これら3つの基板接続部のそれぞれにおけるいずれの点が接触点Pとなっても、3つの接触点Pにより形成される三角形T1の内側に、はんだ付け部品11の重心Gが位置するので、はんだ付け部品11は、安定な状態となり、わずかな外力が作用しても、はんだ付け部品11の姿勢が変化することはない。
従って、表面実装法によりはんだ付け部品11のはんだ付けを行う際に、はんだ付け部品11の姿勢が変化して接続不良を引き起こすことが防止され、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【0023】
はんだ付け部品11を基板12に表面実装することにより、金属シェル15の一対の基板接続部18Aと基板接続部19Aとからなる3つの基板接続部が、それぞれ、基板12の表面に形成されている図示しないシェル用の接続パッドにはんだ付けされると共に、一対のコンタクト13の基板接続部13Aが、それぞれ、基板12の表面に形成されている図示しないコンタクト用の接続パッドにはんだ付けされる。
【0024】
なお、金属シェル15の一対の基板接続部18Aは、それぞれ、折り曲げ部20を有する側面部18の先端(-Z方向端部)に形成され、金属シェル15の基板接続部19Aは、折り曲げ部21を有する背面部19の先端(-Z方向端部)に形成され、一対のコンタクト13の基板接続部13Aは、それぞれ、折り曲げ部22を有するコンタクト13の先端(+Y方向端部)に形成されているので、これらの折り曲げ部20、21、22によって、基板接続部18A、19A、13Aを含む端子部材の外力による変形を防止することができる。
【0025】
また、はんだ付け部品11を基板12の平坦な表面上に置いた場合に基板12の表面に接触する3つの基板接続部18A、18A、19Aが特定されるので、例えば、いずれかの基板接続部にバリが発生する等の、製造上の形状バラツキが生じても、はんだ付け部品11の重心Gが、これら特定の3つの基板接続部18A、18A、19Aの接触点Pにより形成される三角形T1の内側に位置するように設計しやすくなる。
【0026】
さらに、はんだ付け部品11を基板12の平坦な表面上に置いた場合に基板12の表面に接触する3つの基板接続部18A、18A、19Aが、それぞれ、対応する折り曲げ部20および21よりも狭い幅を有しているが、端子部材である側面部18および背面部19の全体の幅を狭くするのではなく、側面部18および背面部19の-Z方向端部のみの幅を狭くしているので、側面部18および背面部19の強度を維持しながら、はんだ付け部品11を支持する3つの基板接続部を限定することができる。
【0027】
また、基板接続部の個数は5個に制限されるものではなく、1つ以上の端子部材に形成された4つ以上の基板接続部を有し、これら4つ以上の基板接続部のうち特定の3つの基板接続部が、折り曲げ部の幅よりも狭い幅を有し、はんだ付け部品が基板12の表面上に置かれた状態で、特定の3つの基板接続部のみが基板12の表面に接触して、特定の3つの基板接続部のそれぞれにおけるいずれの点が基板12の表面に接触する接触点となっても、はんだ付け部品の重心が、特定の3つの基板接続部の3つの接触点により形成される三角形の内側に位置すればよい。
【0028】
なお、端子部材となる金属シェル15の一対の側面部18および背面部19は、それぞれ、折り曲げ部20および21により、基板12の表面に対して垂直な方向に折り曲げられているが、これに限るものではなく、少なくとも基板12の表面に対して交差する方向に折り曲げられていればよい。
【0029】
実施の形態2
上記の実施の形態1では、金属シェル15の一対の側面部18と、金属シェル15の背面部19と、一対のコンタクト13とにより構成される5個の端子部材のそれぞれの先端に、1つの基板接続部が形成されているが、これに限るものではない。
図6に、実施の形態2に係るはんだ付け部品31を示す。このはんだ付け部品31は、実施の形態1に係るはんだ付け部品11において、金属シェル15の3つの基板接続部18A、18A、19Aの配置位置を変更することにより、新たな3つの基板接続部18Bを有するように構成されたものである。はんだ付け部品31における基板接続部18B以外の構成部品は、実施の形態1に係るはんだ付け部品11と同一であり、はんだ付け部品11における構成部品と同一の部材番号が用いられている。
【0030】
すなわち、はんだ付け部品31は、一対のコンタクト13と、一対のコンタクト13を保持するインシュレータ14と、インシュレータ14の外周部を覆う金属シェル15とを備えている。金属シェル15の一対の側面部18のうち、+X方向側の側面部18の-Z方向端部で且つY方向の両端部に一対の基板接続部18Bが形成され、-X方向側の側面部18の-Z方向端部に1つの基板接続部18Bが形成されている。これらの基板接続部18Bは、それぞれ、対応する側面部18の-Z方向端部が切り欠かれた形状を有しており、Y方向に沿って、折り曲げ部20の幅よりも狭い幅を有している。
【0031】
はんだ付け部品31は、金属シェル15の一対の側面部18に形成された3つの基板接続部18Bと、一対のコンタクト13に形成された2つの基板接続部13Aとからなる計5個の基板接続部を有している。
また、金属シェル15の3つの基板接続部18Bは、それぞれ、インシュレータ14の底面14Bを基準として、-Z方向にコンタクト13の基板接続部13Aの突出量よりも大きい突出量を有している。このため、はんだ付け部品31を基板12の表面上に置いた状態では、計5個の基板接続部のうち、金属シェル15の3つの基板接続部18Bのみが、基板12の表面に接触することとなる。
【0032】
さらに、はんだ付け部品31を基板12の表面上に置いた状態においては、図6に示されるように、3つの基板接続部18Bのそれぞれにおけるいずれの点が接触点Pとなっても、3つの接触点Pにより形成される三角形T2の内側に、はんだ付け部品31の重心Gが位置するように構成されている。
従って、はんだ付け部品31は、安定な状態となり、わずかな外力が作用しても、はんだ付け部品31の姿勢が変化することはない。
【0033】
このように、1つの側面部18(端子部材)の先端に、2つの基板接続部18Bが形成され、これら2つの基板接続部18Bを含む3つの基板接続部18Bのみが、基板12の表面に接触するようにはんだ付け部品31を構成しても、実施の形態1のはんだ付け部品11と同様に、表面実装法によりはんだ付け部品31のはんだ付けを行う際に、はんだ付け部品31の姿勢が変化して接続不良を引き起こすことが防止され、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
さらに、1つの端子部材の先端に、3つの基板接続部が形成され、これら3つの基板接続部のみが、基板12の表面に接触するようにしても、同様に、表面実装法によりはんだ付けを行う際に、はんだ付け部品の姿勢が変化して接続不良を引き起こすことが防止され、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【0034】
実施の形態3
上記の実施の形態1では、金属シェル15の一対の基板接続部18Aが、それぞれ、-Z方向に延びる側面部18の端部から形成され、金属シェル15の基板接続部19Aが、-Z方向に延びる背面部19の端部から形成されているが、これに限るものではない。
図7および図8に、実施の形態3に係るはんだ付け部品41を示す。このはんだ付け部品41は、実施の形態1に係るはんだ付け部品11において、金属シェル15の3つの基板接続部18A、18A、19Aの代わりに、それぞれ、先端がXY面と平行な方向に折り曲げられた3つの基板接続部18C、18C、19Cを有するように構成されたものである。はんだ付け部品41における基板接続部18C、18C、19C以外の構成部品は、実施の形態1に係るはんだ付け部品11と同一であり、はんだ付け部品11における構成部品と同一の部材番号が用いられている。
【0035】
すなわち、はんだ付け部品41は、一対のコンタクト13と、一対のコンタクト13を保持するインシュレータ14と、インシュレータ14の外周部を覆う金属シェル15とを備えている。金属シェル15の一対の側面部18の-Z方向端部が、それぞれ、XY面と平行な方向に折り曲げられて基板接続部18Cを形成すると共に、背面部19の-Z方向端部が、XY面と平行な方向に折り曲げられて基板接続部19Cを形成している。
金属シェル15の一対の側面部18に形成された一対の基板接続部18Cは、それぞれ、対応する側面部18の-Z方向端部が切り欠かれた形状を有しており、Y方向に沿って、折り曲げ部20の幅よりも狭い幅を有している。また、金属シェル15の背面部19に形成された基板接続部19Cは、背面部19の-Z方向端部が切り欠かれた形状を有しており、X方向に沿って、折り曲げ部21の幅よりも狭い幅を有している。
【0036】
はんだ付け部品41は、金属シェル15の一対の側面部18に形成された2つの基板接続部18Cと、金属シェル15の背面部19に形成された1つの基板接続部19Cと、一対のコンタクト13に形成された2つの基板接続部13Aとからなる計5個の基板接続部を有している。
また、金属シェル15の3つの基板接続部18C、18C、19Cは、それぞれ、インシュレータ14の底面14Bを基準として、-Z方向にコンタクト13の基板接続部13Aの突出量よりも大きい突出量を有している。このため、はんだ付け部品41を基板12の表面上に置いた状態では、計5個の基板接続部のうち、金属シェル15の3つの基板接続部18C、18C、19Cのみが、基板12の表面に接触することとなる。
【0037】
さらに、はんだ付け部品41を基板12の表面上に置いた状態においては、図8に示されるように、3つの基板接続部18C、18C、19Cのそれぞれにおけるいずれの点が接触点Pとなっても、3つの接触点Pにより形成される三角形T3の内側に、はんだ付け部品41の重心Gが位置するように構成されている。
従って、実施の形態1のはんだ付け部品11と同様に、はんだ付け部品41は、安定な状態となり、表面実装法によりはんだ付け部品41のはんだ付けを行う際に、はんだ付け部品41の姿勢が変化して接続不良を引き起こすことが防止され、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【0038】
なお、上記の実施の形態2に係るはんだ付け部品31においても、金属シェル15の3つの基板接続部18Bの代わりに、それぞれ、先端がXY面と平行な方向に折り曲げられた3つの基板接続部を用いることができ、同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0039】
実施の形態4
上記の実施の形態1~3では、はんだ付け部品11、31、41としてコネクタが示されているが、これに限るものではない。
図9に、実施の形態4に係るはんだ付け部品51を示す。このはんだ付け部品51は、半導体部品にこの発明を適用したものである。
【0040】
はんだ付け部品51は、半導体チップ52と、半導体チップ52の周辺に配置され且つそれぞれ半導体チップ52に電気的に接続された4つ以上のリード端子53(端子部材)と、半導体チップ52およびそれぞれのリード端子53の一部を覆うパッケージ54とを備えている。
それぞれのリード端子53は、折り曲げ部55で折り曲げられると共に、先端に、パッケージ54の下面よりも下方に突出する基板接続部53Aを有している。すなわち、4つ以上のリード端子53の先端に、リード端子53の個数と同数の4つ以上の基板接続部53Aが形成されている。
【0041】
そして、4つ以上のリード端子53のうち少なくとも3つのリード端子53においては、図10に示されるように、リード端子53の先端が切り欠かれており、これにより、少なくとも3つの基板接続部53Aは、折り曲げ部55の幅W5よりも狭い幅W6を有している。
さらに、幅W6を有する少なくとも3つの基板接続部53Aのうち特定の3つの基板接続部53Aは、他の基板接続部53Aよりもパッケージ54の下方への突出量が大きく設定されており、はんだ付け部品51を基板の平坦な表面上に置いた状態では、これら特定の3つの基板接続部53Aのみが、基板の表面に接触することとなる。
【0042】
また、はんだ付け部品51を基板の表面上に置いた状態においては、特定の3つの基板接続部53Aのそれぞれにおけるいずれの点が接触点Pとなっても、3つの接触点Pにより形成される三角形の内側に、はんだ付け部品51の重心Gが位置するように構成されている。
従って、はんだ付け部品51は、安定な状態となり、表面実装法によりはんだ付け部品51のはんだ付けを行う際に、はんだ付け部品51の姿勢が変化して接続不良を引き起こすことが防止され、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【0043】
このように、半導体部品にこの発明を適用した場合であっても、表面実装により信頼性の高い接続を行うことが可能なはんだ付け部品51が実現される。
また、コネクタ、半導体部品に限らず、基板に表面実装される各種のはんだ付け部品にこの発明を適用することができる。
なお、この発明は、はんだ付け部品の表面実装用の端子部材に由来する課題を解決するために、表面実装用の端子部材に施されるものであるが、はんだ付け部品が、表面実装用の端子部材とは別に、スルーホール用の端子部材を備えることを排除するものではない。
【符号の説明】
【0044】
1 部品本体、2 リード部、3 平面部、4,4A 突起、5 斜辺、11,31,41,51 はんだ付け部品、12 基板、13 コンタクト(端子部材)、13A,18A,18B,18C,19A,19C,53A 基板接続部、13B 接点部、14 インシュレータ、14B 底面、15 金属シェル、16 相手側コネクタ収容部、17 上面部、18 側面部(端子部材)、19 背面部(端子部材)、20,21,22,55 折り曲げ部、52 半導体チップ、53 リード端子(端子部材)、54 パッケージ、W1,W2,W3,W4,W5,W6 幅、P 接触点、G 重心、T1,T2,T3 三角形、S1 四角形、S2 三角形。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12