(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】包装体用挟持具
(51)【国際特許分類】
B65D 33/17 20060101AFI20220921BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
B65D33/17
B65D33/25 A
(21)【出願番号】P 2018198200
(22)【出願日】2018-10-22
【審査請求日】2021-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】598042024
【氏名又は名称】吉井 暁
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【氏名又は名称】川野 宏
(72)【発明者】
【氏名】吉井 暁
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05622431(US,A)
【文献】特開2001-206457(JP,A)
【文献】特開2003-072778(JP,A)
【文献】特開2010-030652(JP,A)
【文献】米国特許第05682649(US,A)
【文献】特開2015-034030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/25
B65D 33/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性或は可撓性を有する一対の挟持体の間に包装体を挟持する包装体用挟持具であって、
前記一対の挟持体のうち一方の挟持体は、該挟持体の長手方向に沿って延在する突条を有し、
前記一対の挟持体のうち他方の挟持体は、該挟持体の長手方向に沿って延在する溝部を有し、
前記突条と前記溝部とが、前記包装体を間に挟んだ状態で嵌合して該包装体を挟持する構成とされ、
前記一対の挟持体は、前記突条と前記溝部との組を、長手方向に交差する短手方向の位置を異ならせて複数有し、
前記突条と前記溝部との嵌め合いが、組ごとに異なることを特徴とする包装体用挟持具。
【請求項2】
前記一対の挟持体は、少なくとも一端部において連結され、前記突条と前記溝部とが対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体用挟持具。
【請求項3】
前記一対の挟持体のうち一方の挟持体は、長手方向の他端部に係止部を有し、
前記一対の挟持体のうち他方の挟持体は、長手方向の他端部に被係止部を有し、
前記一対の挟持体は、前記係止部を前記被係止部に係止させて他端部を連結可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装体用挟持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば食品を包装するいわゆるポリ袋等の包装体の口部分の閉鎖に適した包装体用挟持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
袋状の包装体における内容物の取出し口部分(以下、単に口部分と言う)を挟持して閉鎖する用途には、クリップ状の挟持具が好適に用いられている。例えば、特許文献1には、ヒンジ部で回動可能に連結された2つの挟持杆を備え、各挟持杆の連結された端部とは反対側の端部には互いに係止し合う係止手段を有し、これらの挟持杆の間に包装体を挟み込んだ状態で係止手段を係止させることにより、該包装体を挟持して口部分を閉鎖する構成のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているようなクリップ状の挟持具は、開閉操作の容易性が重視されているため挟持杆が堅牢であり、また、挟持杆同士の嵌め合いも緩めであり、包装体を挟持した状態の挟持杆同士の間において、包装体と挟持杆との間に隙間が生じやすい。このため、従来のクリップ状の挟持具は、例えばスナック菓子の袋のような比較的厚手(例えば、0.05mm以上)の包装体の口部分を閉鎖する用途には適するものの、例えばスーパーの生鮮食品売り場で食品等を入れる用途等に使用される比較的薄手(例えば、0.01mm以下)のいわゆるポリ袋等の包装体に使用した場合、挟持杆と包装体との密着性が低下し、挟持杆同士の隙間から包装体が抜けたり、液体等の流動性を有するものを包装体の内部に収容する用途では内容物が口部分から漏出したりする虞があった。その一方で、薄手のポリ袋の包装体の口部分を良好に密封可能な挟持具として形成した場合には、比較的厚手の包装体はこの挟持具間におさまりきれず、この包装体の口部分を密封することが困難となる場合もある。
このように、従来のクリップ状の挟持具では、厚さの異なる複数種類の包装体の挟持に適用することが難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より汎用性の高い包装体用挟持具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、柔軟性或は可撓性を有する一対の挟持体の間に包装体を挟持する包装体用挟持具であって、
前記一対の挟持体のうち一方の挟持体は、該挟持体の長手方向に沿って延在する突条を有し、
前記一対の挟持体のうち他方の挟持体は、該挟持体の長手方向に沿って延在する溝部を有し、
前記突条と前記溝部とが、前記包装体を間に挟んだ状態で嵌合して該包装体を挟持する構成とされ、
前記一対の挟持体は、前記突条と前記溝部との組を、長手方向に交差する短手方向の位置を異ならせて複数有し、
前記突条と前記溝部との嵌め合いが、組ごとに異なることを特徴とする包装体用挟持具である。
【0007】
請求項2に記載のものは、前記一対の挟持体は、少なくとも一端部において連結され、前記突条と前記溝部とが対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体用挟持具である。
【0008】
請求項3に記載のものは、前記一対の挟持体のうち一方の挟持体は、長手方向の他端部に係止部を有し、
前記一対の挟持体のうち他方の挟持体は、長手方向の他端部に被係止部を有し、
前記一対の挟持体は、前記係止部を前記被係止部に係止させて他端部を連結可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装体用挟持具である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、請求項1の発明によれば、一方の挟持体の突条と、他方の挟持体の溝部とが、包装体を間に挟んだ状態で嵌合して該包装体を柔軟に挟持するので、包装体の厚さによらず、該包装体をより確実に挟持することができる。これにより、包装体用挟持具から包装体が抜けたり、液体等の流動性を有するものを包装体の内部に収容する用途では内容物が口部分から漏出したりすることを抑制することが可能となる。そして、本発明に係る包装体用挟持具は、嵌め合いが異なる突条と溝部との組を複数有するので、様々な厚みの包装体に対応することが可能である。このため、より汎用性の高い包装体用挟持具を提供することが可能となる。
【0010】
また、請求項2の発明によれば、一対の挟持体が少なくとも一端部において連結され、突条と溝部とが対向する位置に配置されているので、包装体の挟持状態を解除した状態においてもそれぞれの挟持体が分離することが無い。このため、使用者にとって取り扱いやすく、保管性も向上する。
【0011】
そして、請求項3の発明によれば、一方の係止部を他方の被係止部に係止させて各挟持体の他端部同士を連結することができるので、各挟持体の他端部が自由端である構成においても包装体をより確実に挟持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態における包装体用挟持具の一使用形態について説明する斜視図である。
【
図2】第1実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図3】第1実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する断面図である。
【
図4】第1実施形態における包装体用挟持具の構成(包装体を挟持する前の状態)について説明する断面図である。
【
図5】第1実施形態における包装体用挟持具の構成(包装体を挟持した状態)について説明する断面図である。
【
図6】第1実施形態における包装体用挟持具の第1の変形例について説明する斜視図である。
【
図7】第1実施形態における包装体用挟持具の第2の変形例について説明する斜視図である。
【
図8】第2実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図9】第3実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図10】第3実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する断面図である。
【
図11】第4実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する断面図である。
【
図12】第4実施形態における包装体用挟持具の第1の変形例について説明する斜視図である。
【
図13】第4実施形態における包装体用挟持具の第2の変形例について説明する斜視図である。
【
図14】第5実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図15】第5実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図16】第5実施形態における包装体用挟持具の変形例について説明する斜視図である。
【
図17】第6実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図18】第6実施形態における包装体用挟持具の変形例について説明する斜視図である。
【
図19】第7実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する斜視図である。
【
図20】第7実施形態における包装体用挟持具の変形例について説明する斜視図である。
【
図21】第8実施形態における包装体用挟持具の構成について説明する断面図である。
【
図22】第8実施形態における包装体用挟持具の第1の変形例について説明する斜視図である。
【
図23】第8実施形態における包装体用挟持具の第1の変形例について説明する断面図である。
【
図24】第8実施形態における包装体用挟持具の第2の変形例について説明する斜視図である。
【
図25】第8実施形態における包装体用挟持具の第3の変形例について説明する斜視図である。
【
図26】第9実施形態における包装体用挟持具の使用形態について説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る包装体用挟持具1の一使用形態について説明する斜視図である。また、
図2は、包装体用挟持具1の斜視図であり、
図3は、包装体用挟持具1の断面図である。さらに、
図4及び
図5は、包装体用挟持具1のより詳細な構成を説明する断面図であり、
図4は包装体4を挟持する前の状態、
図5は包装体4を挟持した状態、をそれぞれ示している。また、
図5において突条8と溝部9との嵌め合い状態を破線の円内に拡大して示している(但し、包装体4を破線で示している)。
【0014】
第1実施形態における包装体用挟持具1は、柔軟性或は可撓性を有する一対の第1挟持体2及び第2挟持体3を有し、これらの挟持体2,3によって包装体4を挟持して、該包装体4の口部分5を閉鎖することが可能に構成されている。ここで、口部分5とは、包装体4の開口した端から少し内側(反対の端寄り)に幅を持たせた範囲(例えば、数cmの範囲)を示している。本実施形態において、例えば内部に食品等を収容する用途に用いられる比較的薄手(例えば、0.05mm以下)のポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂製の袋(いわゆるポリ袋)を包装体4として例示している。
図2乃至
図4に示すように、包装体用挟持具1を構成している第1挟持体2及び第2挟持体3は、厚手(例えば、0.06mm以上)のポリオレフィン系樹脂製のフィルムから長尺な短冊状(換言すると、帯状)にそれぞれ形成されている。第1挟持体2及び第2挟持体3のそれぞれの長手方向の寸法は、例えば1乃至200〔cm〕、幅方向(換言すると、長手方向に交差する短手方向)の寸法は、例えば1乃至3〔cm〕程度である。また、用途・目的等に応じて、この範囲よりも小さいあるいは大きいサイズとすることも可能である。本実施形態において、挟持体2,3のうちの一方の第1挟持体2は、長手方向に沿って一端から他端に亘って延設されたサイズ(寸法)の異なる2本の突条8、即ち、第1の突条8a及び第2の突条8bを幅方向の位置を異ならせて並設している。また、他方の第2挟持体3は、長手方向に沿って一端から他端に亘って延設されたサイズの異なる2つの溝部9、即ち、第1の溝部9a及び第2の溝部9bを、第1挟持体2の突条8a,8bに対応させて幅方向に並設している。即ち、本実施形態においては、第1の突条8aと第1の溝部9aとが組を成し、第2の突条8bと第2の溝部9bとが組を成している。
【0015】
図3を参照してより具体的に説明すると、突条8a,8bは、第1挟持体2の挟持面6、つまり、第2挟持体3との間に包装体4を挟持した状態(以下、適宜、単に挟持状態と略記する)で第2挟持体3に対向する面から挟持状態における第2挟持体3側に向けて突出した堤状或は壁状の基部14(14a,14b)と、該基部14の先端部に形成された頭部13(13a,13b)と、から構成されている。第1挟持体2の幅方向において頭部13の幅は、基部14の幅よりも広く形成されている。また、頭部13の幅は、基部14側から先端側に向かって細くなっている。即ち、頭部13は、先細り形状、換言すると、断面視で略矢尻状に形成されている。これにより、頭部13は、同一組の溝部9の後述する爪部16,17を押し広げて嵌合空間18内に入り込みやすくなっている。
【0016】
溝部9a,9bは、第2挟持体3の挟持面7、つまり、挟持状態で第1挟持体2に対向する面から該第1挟持体2側に向けて突出した一対の爪部、具体的には、弾性を有する第1爪部16(16a,16b)及び第2爪部17(17a,17b)をそれぞれ有している。これらの第1爪部16と第2爪部17とは、第2挟持体3の幅方向における位置を異ならせて互いに間隔を空けて形成されており、これにより両者の間には上記の同一組の突条8の頭部13が嵌合可能な嵌合空間18(18a,18b)が形成されている。この嵌合空間18の挟持面7における幅方向の位置は、第1挟持体2における同一組の突条8の頭部13の位置に合わせられている。また、第1爪部16及び第2爪部17は、挟持面7側の基端から挟持状態における第1挟持体2側の先端に向かうほど互いに近接するように湾曲して、断面視で略C字状(
図3乃至
図5では、左右反転したC字状)を呈している。そして、第2挟持体3の幅方向における第1爪部16の先端と第2爪部17の先端との間隔は、同一組の突条8における頭部13の幅よりも狭く設定され、且つ、同一組の突条8における基部14の幅と同程度に、或は少し広く設定されている。また、第2挟持体3の幅方向における嵌合空間18の幅は、同一組の突条8における頭部13の幅よりも少し広く設定され、また、第2挟持体3の挟持面7に直交する方向における嵌合空間18の奥行は、同一組の突条8における頭部13の基部14からの突出長さよりも少し広く設定されている。このため、組を成す突条8と溝部9とが嵌合した状態では、嵌合空間18における頭部13と溝部9の内壁面との間にクリアランスC(
図5中、破線で示す円内参照)を有する、いわゆる隙間嵌めとなる。そして、このクリアランスCに包装体4の一部が挟持(保持)されることになる。
【0017】
そして、組ごとに突条8及び溝部9の嵌め合い、即ち、上記クリアランスCを異ならせるために、突条8及び溝部9の寸法は、組ごとに異なっている。なお、第1の突条8a及び第2の突条8bの断面形状は互いに相似である。また、第1の溝部9a及び第2の溝部9bの断面形状も互いに相似である。
図4に示すように、突条8の突出長さ(より具体的には、挟持面6に直交する方向における頭部13の基部14からの突出長)L及び突条8の幅Wr(即ち、第1挟持体2の幅方向における寸法)、及び、溝部9の深さD(即ち、挟持面7に直交する方向における寸法)及び幅Wg(即ち、第2挟持体3の幅方向における寸法)が、各組でそれぞれ異なっている。具体的には、第1の突条8aの頭部13aの突出長L1及び幅Wr1は、それぞれ第2の突条8bの頭部13bの突出長L2及び幅Wr2よりも大きく設定されている(即ち、L1>L2、Wr1>Wr2)。同様に、第1の溝部9aの深さD1及び幅Wg1は、それぞれ第2の溝部9bの深さD2及び幅Wg2よりも大きく設定されている(即ち、D1>D2、Wg1>Wg2)。
【0018】
このように、本発明に係る包装体用挟持具1は、寸法(突条8の頭部13の突出長L及び幅Wr、溝部9の深さD及び幅Wg)がそれぞれ異なる突条8と溝部9との組を複数有するので、組によって嵌め合いの度合(より詳しくは、嵌合状態における頭部13と溝部9の内壁面との間のクリアランス)が異なることになり、これにより、様々な厚みの包装体4に対応することが可能となる。即ち、より厚手の包装体4aを挟持する場合には、寸法がより大きい第1の突条8a及び第1の溝部9aの組を用いることで、寸法がより小さい第2の突条8b及び第2の溝部9bの組を用いる場合と比較して、厚手の包装体4aを間に挟んだ状態で第1の突条8aと第1の溝部9aとがより嵌合しやすい。即ち、嵌合状態における第1の突条8aの頭部13aと第1の溝部9aの内壁面との間に生じるクリアランスが、第2の突条8bの頭部13bと第2の溝部9bの内壁面との間に生じるクリアランスよりも広くなり、また、包装体4aの嵌合部分(即ち、頭部13と溝部9の内壁面との間のクリアランスに保持された部分)における湾曲形状も大きく緩やかとなるため、頭部13aを包装体4aごと第1の溝部9a内(詳しくは嵌合空間18内)に押し込みやすくなる。なお、この場合において、第1の突条8a及び第1の溝部9aの組とは別に、可能であれば第2の突条8b及び第2の溝部9bの組で包装体4aを挟持してもよい。
【0019】
同様に、より薄手の包装体4bを挟持する場合には、寸法がより小さい第2の突条8b及び第2の溝部9bの組を用いることで、寸法がより大きい第1の突条8a及び第1の溝部9aの組を用いる場合と比較して、嵌合状態における第2の突条8bと第2の溝部9bとの隙間を小さくすることができる。これにより、包装体4bがこれらの嵌合部分から抜けにくくなる。なお、この場合においても、第2の突条8b及び第2の溝部9bの組とは別に、可能であれば第1の突条8a及び第1の溝部9aの組で包装体4bを挟持してもよい。
【0020】
図2に示すように、本実施形態における第1挟持体2及び第2挟持体3は、それぞれの長手方向の両端部において、挟持面6の突条8a,8bと挟持面7の組を成す(つまり、同一組の)溝部9a,9bとをそれぞれ対向させた状態で環状に連結されている(換言すると、環状に閉じている)。つまり、本実施形態における第1挟持体2と第2挟持体3とは、長手方向の両端部において一体化されている。このため、包装体4の挟持状態を解除した状態においても第1挟持体2と第2挟持体3とが分離することが無い。このため、本実施形態における包装体用挟持具1は、使用者にとって取り扱いやすく、また、保管性にも優れている。これらの第1挟持体2及び第2挟持体3は、柔軟性を有しているため、使用時には第1挟持体2及び第2挟持体3を離間させて、両者の間に開口部10を形成することができる。
【0021】
このような構成の包装体用挟持具1を使用する際には、
図4に示すように、第1挟持体2と第2挟持体3とを図中の矢印で示す方向に離間させて形成される開口部10に、例えば内部に食品等を収容した包装体4を挿通させる。このとき、使用者は、挟持体2,3の挿通方向における位置を包装体4の閉塞したい箇所に任意に調整することができる。
図4及び
図5の例では、比較的薄手の包装体4を挟持して口部分5を閉塞するため、包装体4の口部分5を、上記突条8と溝部9の組のうちサイズの小さい方の突条8bと溝部9bとの組の近傍に位置付ける。この状態で、
図5に示すように、第1挟持体2と第2挟持体3とを図中の矢印で示す方向に近接させて、突条8bの頭部13bを包装体4ごと溝部9bの嵌合空間18b内に押し込む。この際、包装体4の一部が表面に密着した状態の頭部13bの形状に応じて第1爪部16bと第2爪部17bとが互いに離間する側に弾性変形する。これにより、頭部13bが第1爪部16bと第2爪部17bとを弾性に抗しつつ押し広げて嵌合空間18b内に進入することができる。そして、頭部13bが包装体4ごと嵌合空間18b内に押し込まれると、第1爪部16bと第2爪部17bとが互いに近づく側に弾性変形し、各々の先端部を、突条8bの基部14bに包装体4を間に介して係止させる。通常、使用者は、挟持体2,3の挟持面6,7とは反対側の外面から突条8b及び溝部9bを親指と人差し指等でそれぞれ挟み込んで押圧して、当該押圧部分における突条8b及び溝部9bを嵌合させる。そして、押圧力を維持しつつ長手方向の一端部から他端部に向けて挟持体2,3の外面上で指を滑らせていくことで、包装体4を間に挟んだ状態で突条8bと溝部9bとを順次嵌合させることができる。これにより、包装体用挟持具1の長手方向全体に亘って偏りなく突条8bと溝部9bとが嵌合し、嵌合が不完全な部分が生じることを抑制しつつ包装体4をより確実に挟持することができる。このようにして、包装体用挟持具1によって包装体4を挟持して、該包装体4の口部分5を閉鎖することができる。
【0022】
また、包装体4から包装体用挟持具1を取り外す場合、挟持体2,3をそれぞれ指で摘まんで引き離すことで、溝部9の嵌合空間18bに嵌入していた突条8bの頭部13bが、第1爪部16bと第2爪部17bとを弾性に抗しつつ押し広げて当該溝部9bから離脱して嵌合状態が解除され、挟持体2,3による包装体4の挟持状態も解除される。挟持状態が解除されたならば、包装体4から挟持体2,3を取り外すことができる。
【0023】
このように、本発明に係る包装体用挟持具1によれば、突条8と溝部9とが、包装体4を間に挟んだ状態で嵌合して該包装体4を挟持するので、包装体4の厚さによらず、該包装体4をより確実に挟持することができる。また、包装体4に外力が加えられて変形しても、柔軟性を有する挟持体2,3も包装体4の変形に追従して変形するので、嵌合部分に無理な力が掛かりにくい。これにより、突条8と溝部9との嵌め合いに上記クリアランスCが広がるような変化が生じにくく、包装体4を安定して挟持することができる。その結果、包装体用挟持具1から包装体4が抜けたり、液体等の流動性を有するものを包装体4の内部に収容する用途では内容物が口部分から漏出したりすることを抑制することが可能となる。また、本発明に係る包装体用挟持具1は、嵌め合いが異なる複数組の突条8及び溝部9を備えているので、様々な厚みの包装体4に対応することが可能となる。したがって、より汎用性の高い包装体用挟持具1を提供することが可能となる。
【0024】
図6及び
図7は、第1実施形態における包装体用挟持具1の変形例について説明する斜視図である。この変形例では、挟持体2,3のうちの少なくとも一方に舌片状のタブ20が形成されている。
図6に示す変形例では、第2挟持体3の長手方向における中央部において、該第2挟持体3の幅方向における一側(図中上側)の縁から当該幅方向の外側に向けて略台形状のタブ20が突出している。この変形例では、包装体4から包装体用挟持具1を取り外す際に使用者が指でタブ20を抓むことで、挟持体2,3をより容易に引き離すことができる。これにより、包装体4から包装体用挟持具1をより容易に取り外すことができる。なお、タブ20の形状は、
図6に例示した台形状のものには限られず、例えば、円弧状等、使用者が指で抓めることが可能であれば種々の形状を採用することができる。また、タブ20の形成位置も例示した位置には限られない。例えば、
図7に示す変形例では、挟持体2,3の両方にそれぞれ円弧状のタブ20a,20bが設けられている。また
図6の例では、長手方向における挟持体2,3のそれぞれのタブ20a,20bの位置が互いに異なっている。即ち、タブ20a,20bが長手方向において互い違いとなるようにずらして配置されている。これにより、挟持体2,3同士が密着している場合においてもタブ20a,20b同士が重なり合わない部分をそれぞれ指で抓むことで挟持体2,3を一層容易に引き離すことができ、その結果、包装体4から包装体用挟持具1をより取り外しやすくすることが可能となる。なお、このようなタブ20(20a,20b)は、以下で説明する各実施形態においても同様に適用することができる。
【0025】
図8は、第2実施形態における包装体用挟持具1について説明する斜視図である。挟持体2,3に設ける突条8及び溝部9の組の位置や数は、第1実施形態で例示した構成には限られない。例えば、
図8に示す第2実施形態では、第1挟持体2の挟持面6に、突条8a及び溝部9bが、第1挟持体2の幅方向における位置を異ならせて形成されている。また、第2挟持体3の挟持面7において、第1挟持体2の突条8aに対応する位置、即ち、挟持状態で突条8aと対向する位置には溝部9aが形成され、また、第1挟持体2の溝部9bに対応する位置、即ち、挟持状態で溝部9bと対向する位置には突条8bが形成されている。なお、他の構成については第1の実施形態と同様である。
【0026】
図9及び
図10は、第3実施形態における包装体用挟持具1について説明する図であり、
図9は斜視図、
図10は断面図である。本実施形態では、図中、上からサイズがそれぞれ異なる第1の突条8a及び第1の溝部9a、第2の突条8b及び第2の溝部9b、及び、第3の突条8c及び第3の溝部9cの合計3組が包装体用挟持具1に設けられている。より具体的には、挟持面6において、第1挟持体2の幅方向における中央部に第2の溝部9bが形成され、当該第2の溝部9bの幅方向における両側に第1の突条8a及び第3の突条8cがそれぞれ形成されている。また、第2挟持体3の挟持面7において、第1挟持体2の第1の突条8aに対応する位置には第1の溝部9aが形成され、第1挟持体2の第2の溝部9bに対応する位置には第2の突条8bが形成され、第1挟持体2の第3の突条8cに対応する位置には第3の溝部9cが形成されている。各組の寸法(即ち、突条8の頭部13の突出長及び幅、溝部9の深さ及び幅)に関し、第1の突条8a及び第1の溝部9aの組が最も大きく設定され、第3の突条8c及び第3の溝部9cの組が最も小さく設定されている。そして、第2の突条8b及び第2の溝部9bの組の寸法は、第1の突条8a及び第1の溝部9aの組の寸法と第3の突条8c及び第3の溝部9cの組の寸法との間の大きさとなるように設定されている。このように、寸法がそれぞれ異なる突条8と溝部9との組をより多く並設することで、厚みが異なるより多くの種類の包装体4に対応することが可能となる。勿論、寸法の異なる突条8及び溝部9の組を4組以上設けることでさらに多様な厚みの包装体4にも対応することができる。なお、各組の並び順は、例示したものには限られず、例えば、上から第2の突条8b及び第2の溝部9bの組、第1の突条8a及び第1の溝部9aの組、及び、第3の突条8c及び第3の溝部9cの組の順のように配置してもよい。
【0027】
図11は、第4実施形態における包装体用挟持具1について説明する斜視図である。本実施形態における第1挟持体2及び第2挟持体3は、それぞれの長手方向の一端部(図中、左側の端部)において屈曲可能に連結されている(換言すると、閉じている)のに対し、それぞれの長手方向の他端部(図中、右側の端部)では連結されていない(換言すると、開いている)点で上記第1実施形態と異なっている。即ち、包装体4を挟持する前の状態では、第1挟持体2及び第2挟持体3の長手方向における他端部は、開放された自由端となっている。本実施形態において、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持させる際には、閉じた側である挟持体2,3の長手方向の一端部から開かれた側である長手方向の他端部に向けて突条8と溝部9とを順次嵌合させていくことで、包装体4を挟持すると共に挟持体2,3の他端部同士を連結させて閉じることができる。本実施形態の構成によれば、包装体4を挟持する前の状態では各挟持体2,3の他端部が開かれた自由端であるため、第1挟持体2と第2挟持体3とを他端部においてより容易に開いたり閉じたりすることができる。これにより、両者の間に包装体4を入れやすくなり、使用者にとって取り扱い性がより向上する。ここで、厚さが薄いほど包装体4の柔軟性が高くなるため、該包装体4の形状を安定させることが難しくなるが、本実施形態の包装体用挟持具1によれば、形状を安定させつつ包装体4を挟持することができる。即ち、例えば、テーブル等の平坦な部分に第1挟持体2と第2挟持体3とを開いた状態で配置し、一方の挟持体2,3の一方に重ねて包装体4を載置し、必要に応じて皴になった部分を伸ばす等、包装体4の形状を整え、その状態でその上に挟持体2,3の他方を重ねるようにして包装体4を挟持させることで、包装体4の形状が乱れることを抑制することができる。なお、他の構成については第1実施形態と同様である。
【0028】
図12及び
図13は、第4実施形態における包装体用挟持具1の変形例について説明する斜視図である。
図12に示す第1の変形例は、第1挟持体2及び第2挟持体3が長手方向の一端部において閉じているのに対し、それぞれの長手方向の他端部(図中、右側の端部)は開いて自由端となっている点では
図11の構成と共通しているが、第1挟持体2及び第2挟持体3のうち一方の挟持体(
図12の例では、第1挟持体2)が長手方向の他端部に係止部を有し、他方の挟持体3が長手方向の他端部に被係止部を有する点で
図11の構成と異なっている。より具体的には、一方の第1挟持体2の長手方向の他端部には、縦突条23が本発明における係止部の一種として形成されている。この縦突条23は、突条8と同様に基部と頭部(何れも図示せず)から構成されているが、突条8と交差(より詳しくは直交)するように第1挟持体2の幅方向に沿って形成されている。
図12の例において、第1挟持体2の幅方向における縦突条23の一端(図中、上側の端)は、該第1挟持体2の幅方向における一側の縁(即ち、上辺)よりも少し手前(即ち、他側寄り)に位置している。同様に、第1挟持体2の幅方向における縦突条23の他端(図中、下側の端)は、該第1挟持体2の幅方向における他側の縁(図中、下辺)よりも少し手前(即ち、一側寄り)に位置している。つまり、縦突条23の全長は、第1挟持体2の幅方向の寸法(全幅)よりも少し短く設定されている。
【0029】
他方の第2挟持体3の長手方向の他端部における上記縦突条23に対応する位置には、縦溝部24が本発明における被係止部の一種として形成されている。この縦溝部24は、溝部9と同様に一対の爪部と両爪部の間の嵌合空間(何れも図示せず)より構成されているが、溝部9と交差(より詳しくは直交)するように第2挟持体3の幅方向に沿って形成されている。縦溝部24の全長も、縦突条23の全長と対応させて第2挟持体3の全幅よりも少し短く設定されている。そして、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持する際には、各組の突条8と溝部9とを嵌合させると共に、一方の縦突条23を他方の縦溝部24に嵌合させて第1挟持体2及び第2挟持体3の他端部同士を係止させる(即ち、閉じる)ことができる。この変形例によれば、挟持体2,3の他端部が開いた構成においても包装体4をより確実に挟持させることができる。
【0030】
なお、係止部と被係止部の構成については、
図12の例には限られず、種々の構成を採用することができる。例えば、
図13に示す第2の変形例では、一方の第1挟持体2の長手方向の他端部には、縦突条23及び縦溝部24が該第1挟持体2の長手方向に並設されている。また、他方の第2挟持体3の長手方向の他端部において第1挟持体2の縦突条23及び縦溝部24に対応する位置には、それぞれ縦溝部24及び縦突条23が並設されている。
【0031】
図14及び
図15は、第5実施形態における包装体用挟持具1について説明する斜視図であり、
図14は第1挟持体2の他端部を屈曲させる前の状態、
図15は第1挟持体2の他端部を屈曲させた状態をそれぞれ示している。本実施形態における第1挟持体2及び第2挟持体3は、それぞれの長手方向の一端部において屈曲可能に連結されて閉じられており、それぞれの長手方向の他端部では連結されずに開かれている点で上記第4実施形態と共通しているが、第1挟持体2及び第2挟持体3のうちの一方の長手方向の寸法(全長)が、他方の長手方向の寸法よりも長くなっており、また、他方の挟持体の他端部における係止部或は被係止部が、挟持面とは反対側の外面に設けられている点で上記第4実施形態と異なっている。即ち、
図14の例では、一方の第1挟持体2の長手方向の全長が、他方の第2挟持体3の長手方向の全長よりも長くなっている。この第1挟持体2において、第2挟持体3の他端に対応する部分には、仮想的な屈曲線Lvが設定され、この屈曲線Lvよりも他端側、即ち、第2挟持体3よりも長くなった部分には突条8が設けられていない。また、この部分の他端部には、縦突条23及び縦溝部24が並設されている。そして、他方の第2挟持体3の長手方向の他端部において挟持面7とは反対側の外面25には、第1挟持体2の縦突条23及び縦溝部24に対応させて縦溝部24及び縦突条23が並設されている。
【0032】
本実施形態において、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持させる際には、
図15に示すように、第1挟持体2の他端部を仮想的な屈曲線Lvで第2挟持体3側に屈曲させることで、第1挟持体2の縦突条23及び縦溝部24をそれぞれ第2挟持体3の縦溝部24及び縦突条23に対向させ、この状態で第1挟持体2の縦突条23を第2挟持体3の縦溝部24に嵌合させると共に、第2挟持体3の縦突条23を第1挟持体2の縦溝部24に嵌合させることで、第1挟持体2及び第2挟持体3の他端部同士を連結させる(即ち、閉じる)ことができる。この変形例によれば、第4実施形態と比較して、より幅が広い包装体4を挟持することができる。つまり、第2挟持体3の縦溝部24及び縦突条23が外面に設けられている分、その部分を包装体4の挟持に使用することができる。
【0033】
図16は、第5実施形態における包装体用挟持具1の変形例について説明する斜視図であり、第1挟持体2の他端部を屈曲させた状態を示している。この変形例の構成は、係止部及び被係止部の一種として雄ボタン26及び雌ボタン27の組み合わせからなるスナップボタンが採用されている点で
図14及び
図15の構成と異なっている。具体的には、第1挟持体2の長手方向の他端部には、第1挟持体2の幅方向における突条8a,8bとの間に対応する位置、即ち、中央部に雄ボタン26が設けられている。また、他方の第2挟持体3の長手方向の他端部において挟持面7とは反対側の外面25には、第1挟持体2の雄ボタン26に対応させて雌ボタン27が第2挟持体3の幅方向の中央部に設けられている。したがって、
図16に示す状態で第1挟持体2の雄ボタン26を第2挟持体3の雌ボタン27に嵌合させることで、第1挟持体2及び第2挟持体3の他端部同士を連結させる(即ち、閉じる)ことができる。なお、雄ボタン26及び雌ボタン27の組は一組に限られず、2組以上設けることもできる。
【0034】
図17は、第6実施形態における包装体用挟持具1について説明する斜視図である。本実施形態における第1挟持体2及び第2挟持体3は、包装体4を挟持する前の状態では、互いに分離され別個独立している点で上記各実施形態と異なっている。即ち、第1挟持体2及び第2挟持体3は、それぞれ長尺な短冊状を呈している。そして、第1挟持体2の挟持面6には、突条8a及び溝部9bが、第1挟持体2の幅方向における位置を異ならせて形成されている。また、第2挟持体3の挟持面7において、第1挟持体2の突条8aに対応する位置、即ち、挟持状態で突条8aと対向する位置には溝部9aが形成され、また、第1挟持体2の溝部9bに対応する位置、即ち、挟持状態で溝部9bと対向する位置には突条8bが形成されている。本実施形態において、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持させる際には、包装体4を間にして挟持面6,7を向い合せた状態で挟持体2,3の長手方向の両端の位置、及び、幅方向の両縁の位置をそれぞれ揃えた上で一端部から他端部(又は、他端部から一端部)に向けて各組の突条8と溝部9とを順次嵌合させていくことで、挟持体2,3同士を連結させる(即ち、閉じる)ことができる。なお、他の構成については第1実施形態と同様である。本実施形態の構成によれば、包装体4を挟持する前の状態では各挟持体2,3の両端部が開かれているので、挟持体2,3の長手方向の全長よりも多少幅広な包装体4を挟持体2,3に挟持させることができる。これにより、より汎用性を高めることができる。また、例えば、このような第1挟持体2及び第2挟持体3の組からなる複数組の包装体用挟持具1を長尺方向に並べて用いることで、さらに大きな幅を持つ包装体4を各包装体用挟持具1によって挟持して閉鎖する用途に用いることも可能である。
【0035】
図18は、第6実施形態における包装体用挟持具1の変形例について説明する斜視図である。この変形例は、挟持体2,3が長手方向の両端部に係止部或は被係止部を有する点で
図17の構成と異なっている。より具体的には、一方の第1挟持体2の長手方向の一端部には縦溝部24が被係止部の一種として形成され、他端部には縦突条23が係止部の一種として形成されている。また、他方の第2挟持体3の長手方向の一端部において、第1挟持体2の縦溝部24に対応する位置には縦突条23が係止部の一種として形成され、他端部において、第1挟持体2の縦突条23に対応する位置には縦溝部24が被係止部の一種として形成されている。そして、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持する際には、各組の突条8と溝部9とを嵌合させると共に、第1挟持体2の縦溝部24と縦突条23をそれぞれ第2挟持体3の縦突条23及び縦溝部24に嵌合させて第1挟持体2及び第2挟持体3の両端部同士を係止させる(即ち、閉じる)ことができる。この変形例によれば、挟持体2,3の両端部同士を連結することができるので、挟持前の状態で挟持体2,3が分離した構成においても包装体4をより確実に挟持させることができる。勿論、係止部と被係止部の構成や組数については、
図18で例示した構成には限られず、種々の構成を採用することができる。
【0036】
図19は、第7実施形態における包装体用挟持具1について説明する斜視図である。本実施形態において、挟持体2,3のうちの一方の第1挟持体2は、短冊状の本体部は有さずに、突条8a,8bがそれぞれ独立した構成とされ、他方の第2挟持体3は、第1実施形態における第2挟持体3と同様の構成となっている。本実施形態において、第2挟持体3の挟持面7に包装体4を載置した状態で第1挟持体2である突条8a,8bをそれぞれ一端部から他端部(又は他端部から一端部)に向けて組を成す溝部9a,9bに順次嵌合させていくことで、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持させることができる。この構成では、2本の突条8a,8bのうち、挟持対象となる包装体4の厚さに応じたものを使用者が適宜選択し、挟持対象の包装体4を間に挟む状態で、当該選択した突条8を同一組の溝部9に嵌め込むような使い方が想定される。勿論、両方の突条8a,8b及びそれぞれに対応する溝部9a,9bにより包装体4を挟持してもよい。なお、他の構成については第1実施形態と同様である。
【0037】
図20は、第7実施形態における包装体用挟持具1の変形例について説明する斜視図である。この変形例は、第1挟持体2の長手方向の他端部に係止部として縦突条23が形成され、第2挟持体3の2本の突条8a,8bの他端部に被係止部として共通の縦溝部24が形成されている点で
図19の構成と異なっている。突条8a,8bは、第2挟持体3の9a,9bの配置間隔に対応した間隔で平行とされた姿勢で、それぞれの他端部において縦突条23とT字状に交差する状態で一体的に形成されている。そして、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4を挟持する際には、各組の突条8a,8bと第2挟持体3の溝部9a,9bとを嵌合させると共に、第1挟持体2の他端部の縦突条23を第2挟持体3の他端部の縦溝部24に嵌合させて第1挟持体2及び第2挟持体3の他端部同士を係止させることができる。この変形例によれば、挟持体2,3の他端部同士を係止部及び被係止部によって連結することができるので、例えば、各組の突条8a,8bと溝部9a,9bとの相対位置をそれぞれ合わせた上で、先に第1挟持体2の縦突条23を第2挟持体3の縦溝部24に嵌合させて第1挟持体2及び第2挟持体3の他端部同士を係止させた後に、この係止部分を始点として長手方向の他端部から一端部に向けて各組の突条8a,8bと溝部9a,9bとを順次嵌合させていくことで、各組の突条8a,8bと溝部9a,9bとの位置がずれにくく、より容易に包装体4を挟持させることができる。また、突条8a,8bが一体的に形成されているので、それぞれが独立した構成と比較して保管が容易であり、何れか一方を紛失するようなことが防止される。なお、この構成では、突条8及び溝部9の組のうち何れか一組で包装体4を挟持し、他方の組については、間に包装体4を挟持させずに嵌合させてもよいし、又は、嵌合させなくてもよい。
【0038】
図21は、第8実施形態における包装体用挟持具1について説明する断面図である。本実施形態における第1挟持体2及び第2挟持体3は、それぞれの幅方向(即ち、短尺方向)の一側の縁部(図中、上側の縁部、換言すると上辺)において、挟持面6,7を向き合わせるように屈曲させた状態で連結されている、即ち、閉じている点で上記各実施形態の構成と異なっている。この構成では、挟持体2,3の幅方向の他側の縁部(図中、下側の縁部、換言すると下辺)が連結されずに開いていれば、長手方向の両端部については、閉じていてもよいし、或は、開いていてもよい。また、長手方向の両端部のうちの一方が閉じ、他方が開いていてもよい。本実施形態において、閉じた側である一側の縁部とは反対側の他側の縁部を開いて形成される開口部10に対象となる包装体4を挿入して突条8a,8bと、対応する溝部9a,9bとを順次嵌合させていくことで、包装体4を挟持することができる。
【0039】
図22及び
図23は、第8実施形態における包装体用挟持具1の第1の変形例について説明する図であり、
図22は斜視図、
図23は断面図である。本変形例では、第1挟持体2及び第2挟持体3が連結された上辺における長手方向の中央部に、厚さ方向を貫通した開口部29が設けられている点に特徴を有している。この開口部29は、第1挟持体2及び第2挟持体3を開いた状態で例えば円形を呈している。このような開口部29を設けることで、包装体4を挟持する際に、包装体4の内部の空気等を開口部29から外側へ円滑に排出することができるため、特に湿気や酸化から保護する対象物を包装体4に収容して包装体用挟持具1で当該包装体4の口部分5を閉鎖する用途に適している。
【0040】
図24は、第8実施形態における包装体用挟持具1の第2の変形例について説明する斜視図である。本変形例では、第1挟持体2及び第2挟持体3が連結された上辺における長手方向の略中央部に、第1挟持体2及び第2挟持体3を開いた状態の厚さ方向を貫く円筒状のチューブ30が設けられている点に特徴を有している。即ち、このチューブ30は、第1挟持体2及び第2挟持体3で包装体4を挟持した状態で、包装体用挟持具1の外側(上方)に突出した突出部30aと、第1挟持体2及び第2挟持体3との間に位置し、包装体4の内部に挿入可能な挿通部30bと、を備えている。チューブ30は、突出部30aと挿通部30bとの境界部である首部30cにおいて第1挟持体2及び第2挟持体3と一体的に形成されていてもよいし、第1挟持体2及び第2挟持体3とは別体として形成されたものを首部30cで第1挟持体2及び第2挟持体3と接合されたものであってもよい。挿通部30bの外周には、第1挟持体2及び第2挟持体3に設けられた突条8(8a,8b)や溝部9(9a,9b)に対応する位置にこれらに嵌合可能な突条8や溝部9が設けられていてもよいし、何れも設けられていなくてもよい。挿通部30bの外周に突条8や溝部9が設けられる場合、第1挟持体2及び第2挟持体3の突条8又は溝部9に嵌合する突条8又は溝部9が半周ずつ形成されることになる。即ち、例えば、挿通部30bにおいて、第1挟持体2の突条8aに対応する部分には、溝部9aが半周に亘って設けられ、第2挟持体3の溝部9aに対応する部分には、突条8aが半周に亘って設けられる。また、第1挟持体2及び第2挟持体3の突条8b及び溝部9bに対応する部分も同様である。これにより、包装体4を挟持する際に第1挟持体2及び第2挟持体3の突条8や溝部9に挿通部30bの溝部9や突条8が包装体4を間に挟んだ状態でそれぞれ嵌合することができるので、第1挟持体2及び第2挟持体3の間に包装体4をより確実に挟持することができる。
【0041】
また、挿通部30bの長さに関し、第1挟持体2及び第2挟持体3の幅の範囲内に収まる程度の長さであってもよいし、或は、第1挟持体2及び第2挟持体3の幅よりも長く、これらの第1挟持体2及び第2挟持体3の下辺よりも外側(下方)に突出する長さに設定されていてもよい。また、例えば、挿通部30bの一部又は全部を蛇腹状に形成し、挿通部30bを伸縮可能に構成することもできる。即ち、例えば、
図24において破線で示すように、挿通部30bが収縮した状態では第1挟持体2及び第2挟持体3の間に収まる程度の長さとなり、また、
図24において一点鎖線で示すように、挿通部30bが伸張した状態では第1挟持体2及び第2挟持体3の外側まで突出する長さとなるように構成することができる。このようなチューブ30を設け、包装体4を挟持する際に挿通部30bを当該包装体4の内部に挿通可能とすることで、包装体4を包装体用挟持具1で挟持した状態で包装体4に収容された気体、液体、又は粉体等の内容物を、チューブ30を通じて外側へ取り出すことができる。このため、例えば、包装体4を簡易的な容器として使用することができる。
【0042】
図25は、第8実施形態における包装体用挟持具1の第3の変形例について説明する斜視図である。この変形例では、包装体用挟持具1にチューブ30が設けられている点では上記第2の変形例と共通しているが、チューブ30の突出部30aに着脱可能に取り付けられるキャップ31が設けられている点で第2の変形例と異なっている。本例のキャップ31は、突出部30aの外周に形成された雄螺子32に対応する図示しない雌螺子が内部に形成され、これらの雄螺子32と雌螺子とを図中矢印で示す時計回りに回転させて螺合させることで突出部30aに着脱可能に取り付けられる。なお、突出部30aとキャップ31との取付構造については、雄螺子32と雌螺子とが螺合する構成には限られず、周知の種々の取付構造を採用することができる。このように、本構成では、キャップ31を取り付けることで突出部30aの口を塞ぐことができるため、包装体4の内容物がチューブ30から意図せず漏出することが防止される。このため、例えば、包装体4を飲み物等の液体を収容する簡易的な容器として使用することができる。なお、他の構成については、上記第2の変形例と同様である。
【0043】
図26は、第9実施形態における包装体用挟持具1の使用形態について説明する斜視図である。上記各実施形態においては、包装体4として口部分5が一か所の袋状のものを例示したが、これには限られず、
図23に示すように、口部分5を二か所に有する筒状の包装体34の各口部分5a,5bをそれぞれ包装体用挟持具1a,1bで挟持して閉鎖する用途にも用いることができる。また、各口部分5a,5bのうちの一方を包装体用挟持具1a,1bの一方で挟持して閉鎖することで、筒状の包装体34を恰も袋として使用することもできる。
【0044】
なお、以上で説明した各実施形態における構成、或は、各実施形態の変形例における構成は、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0045】
1…包装体用挟持具
2…第1挟持体
3…第2挟持体
4…包装体
5…口部分
6…第1挟持面
7…第2挟持面
8…突条
9…溝部
10…開口部
13…頭部
14…基部
16…第1爪部
17…第2爪部
18…嵌合空間
20…タブ
23…縦突条
24…縦溝部
25…外面
26…雄ボタン
27…雌ボタン
29…開口部
30…チューブ
31…キャップ
34…包装体