(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】連続用紙の加工装置
(51)【国際特許分類】
B65H 23/188 20060101AFI20220921BHJP
B65H 45/22 20060101ALI20220921BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
B65H23/188
B65H45/22
B41J11/70
(21)【出願番号】P 2019029556
(22)【出願日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000161057
【氏名又は名称】株式会社ミヤコシ
(73)【特許権者】
【識別番号】591211205
【氏名又は名称】福島印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利浩
(72)【発明者】
【氏名】杉山 誠康
(72)【発明者】
【氏名】大塚 貴康
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-086561(JP,A)
【文献】特開平10-017186(JP,A)
【文献】特開平11-139642(JP,A)
【文献】特開2014-184988(JP,A)
【文献】国際公開第2012/056829(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/00-70/99
B31C 1/00-99/00
B31D 1/00-99/00
B41J 11/00-11/70
B65H 23/18-23/198
26/00-26/08
37/00-37/06
41/00
45/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙部から給紙される連続用紙を複数のローラ搬送装置で搬送し、プラウ折装置を含む複数の加工ユニットによって前記連続用紙を加工する連続用紙の加工装置であって、
前記連続用紙の張力を検出可能な複数の張力検出装置と、
前記張力検出装置が検出した検出張力値が設定された設定張力値となるように、前記ローラ搬送装置のローラ回転量を制御する制御装置と、を備え、
前記複数のローラ搬送装置はそれぞれローラ回転量可変で、前記複数のローラ搬送装置のいずれか1つを選択してローラ回転量一定とし、他のローラ搬送装置のローラ回転量を検出張力値に応じて前記制御装置で制御する構成としたことを特徴とする連続用紙の加工装置。
【請求項2】
請求項
1記載の連続用紙の加工装置において、
ローラ回転量一定のローラ搬送装置より連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合は、そのローラ搬送装置よりも連続用紙搬送方向下流側に位置するローラ搬送装置のローラ回転量を、連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置から下流側のローラ搬送装置に向けて順次制御し、
ローラ回転量一定のローラ搬送装置より連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合は、そのローラ搬送装置よりも連続用紙搬送方向上流側に位置するローラ搬送装置のローラ回転量を、連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置から上流側のローラ搬送装置に向けて順次制御する構成とした連続用紙の加工装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の連続用紙の加工装置において、
前記プラウ折装置の連続用紙搬送方向上流側に、上流側ローラ搬送装置と上流側張力検出装置を設け、前記プラウ折装置の連続用紙搬送方向下流側に、下流側ローラ搬送装置と下流側張力検出装置を設け、
前記上流側ローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、前記下流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変えて前記プラウ折装置を紙通しされた連続用紙の張力を制御する場合は、前記下流側張力検出装置の検出張力値を用いて張力を制御する
第1の制御パターンと、
前記下流側ローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、前記上流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変えて前記プラウ折装置を紙通しされた連続用紙の張力を制御する場合は、前記上流側張力検出装置の検出張力値を用いて張力を制御する
第2の制御パターンを有し、
前記第1の制御パターンと前記第2の制御パターンのいずれかに選択して切り替え可能な構成とした連続用紙の加工装置
【請求項4】
請求項1から
3いずれかに記載の連続用紙の加工装置において、
前記加工ユニットは、前記連続用紙を定められた長さに切断する切断部を有し、
前記切断部は、前記連続用紙を切断する切断装置と、前記切断装置の連続用紙搬送方向上流側に設けられた前記連続用紙の印刷位置を読み取る読取装置と、を備え、
前記切断装置の前記連続用紙の切断位置を、前記読取装置の読取結果を基に調整する構成とした連続用紙の加工装置。
【請求項5】
請求項1記載の連続用紙の加工装置において、
前記複数の加工ユニットは、前記プラウ折装置と、前記プラウ折装置の連続用紙搬送方向下流側に設けた切断装置を備え、
前記複数のローラ搬送装置は、前記プラウ折装置の上流側に設けた第1のローラ搬送装置と前記切断装置の上流側に設けた第2のローラ搬送装置を備え、
前記第1のローラ搬送装置の回転量を一定とし、他のローラ搬送装置のローラ回転量を検出張力値に応じて前記制御装置で制御する構成とした連続用紙の加工装置。
【請求項6】
請求項1記載の連続用紙の加工装置において、
前記複数の加工ユニットは、前記プラウ折装置と、前記プラウ折装置の連続用紙搬送方向下流側に設けた切断装置を備え、
前記複数のローラ搬送装置は、前記プラウ折装置の上流側に設けた第1のローラ搬送装置と前記切断装置の上流側に設けた第2のローラ搬送装置を備え、
前記第2のローラ搬送装置の回転量を一定とし、他のローラ搬送装置のローラ回転量を検出張力値に応じて前記制御装置で制御する構成とした連続用紙の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷済の連続用紙に、プラウ折り加工を含む加工を施す連続用紙の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置にて印刷がなされた印刷済の連続用紙に加工を施す連続用紙の加工装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示されているように、連続用紙(ロール紙)を給紙する給紙部と、折り部と、加工部と、糊付け装置と、カット装置と、押圧装置などを備え、連続用紙を所定の張力で搬送し、折り、ファイルパンチ、糊付け、切断(カット)等の加工を施す連続用紙の加工装置が知られている。
折り部としては、特許文献2に開示されているプラウ折装置が知られている。このプラウ折装置は、2本のローラ間に掛け渡した連続用紙に張力を加えた状態で、連続用紙の上部又は下部からプラウの先端部を押し当て搬送方向と平行な方向に折り、V折り、Z折りなどのプラウ折り加工するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-86561号公報
【文献】特開2000-128426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の連続用紙の加工装置で、インクジェット装置により可変情報が印刷された連続用紙を加工したところ、プラウ折装置によるプラウ折り加工を正しく行うことができなかった。
出願人等は、その原因を調査したところ次のとおりであった。
従来の連続用紙の加工装置では、印刷ピッチ長を指定し、指定された印刷ピッチが一定の時間間隔で搬送されるように連続用紙の繰り出し量を制御している。インクジェット装置で可変情報が印刷されている連続用紙は、単位用紙長さごとに絵柄が変化するため、その連続用紙における搬送方向、又は搬送方向と直角方向の単位用紙長さあたりのインク量に差があり、このインク量の差のために連続用紙の伸び量が異なる。連続用紙の伸び量が異なると、印刷ピッチが変化するので、加工装置内の連続用紙の張力が変化する現象が発生する。
【0005】
プラウ折装置は、2本のローラ間に掛け渡し、張力を加えた連続用紙にプラウの先端部を押し当てることで連続用紙を折っているので、連続用紙の張力が変動すると、連続用紙に加わる圧力が変動する。
その結果、プラウの先端部が連続用紙に当たる搬送方向と直角方向の位置が変化し、連続用紙の折る位置がずれて正しくプラウ折り加工できない。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、その目的は、インクジェット装置で可変情報が印刷された連続用紙であっても、正しくプラウ折り加工できる連続用紙の加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の連続用紙の加工装置は、給紙部から給紙される連続用紙を複数のローラ搬送装置で搬送し、プラウ折装置を含む複数の加工ユニットによって前記連続用紙を加工する連続用紙の加工装置であって、前記連続用紙の張力を検出可能な複数の張力検出装置と、前記張力検出装置が検出した検出張力値が設定された設定張力値となるように、前記ローラ搬送装置のローラ回転量を制御する制御装置と、を備え、前記複数のローラ搬送装置はそれぞれローラ回転量可変で、前記複数のローラ搬送装置のいずれか1つを選択してローラ回転量一定とし、他のローラ搬送装置のローラ回転量を検出張力値に応じて前記制御装置で制御する構成としたことを特徴とする連続用紙の加工装置である。
【0009】
本発明の連続用紙の加工装置においては、ローラ回転量一定のローラ搬送装置より連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合は、そのローラ搬送装置よりも連続用紙搬送方向下流側に位置するローラ搬送装置のローラ回転量を、連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置から下流側のローラ搬送装置に向けて順次制御し、ローラ回転量一定のローラ搬送装置より連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合は、そのローラ搬送装置よりも連続用紙搬送方向上流側に位置するローラ搬送装置のローラ回転量を、連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置から上流側のローラ搬送装置に向けて順次制御する構成とした連続用紙の加工装置とすることができる。
【0010】
また、連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合には、その張力変化を連続用紙搬送方向下流側に逃がすことができる。連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合には、その張力変化を連続用紙搬送方向上流側に逃がすことができる。
【0011】
本発明の連続用紙の加工装置においては、前記プラウ折装置の連続用紙搬送方向上流側に、上流側ローラ搬送装置と上流側張力検出装置を設け、前記プラウ折装置の連続用紙搬送方向下流側に、下流側ローラ搬送装置と下流側張力検出装置を設け、
前記上流側ローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、前記下流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変えて前記プラウ折装置を紙通しされた連続用紙の張力を制御する場合は、前記下流側張力検出装置の検出張力値を用いて張力を制御する第1の制御パターンと、
前記下流側ローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、前記上流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変えて前記プラウ折装置を紙通しされた連続用紙の張力を制御する場合は、前記上流側張力検出装置の検出張力値を用いて張力を制御する第2の制御パターンを有し、前記第1の制御パターンと前記第2の制御パターンのいずれかに選択して切り替え可能な構成とした連続用紙の加工装置とすることができる。
【0012】
また、上流側ローラ搬送装置と下流側ローラ搬送装置のどちらをローラ回転量一定としても安定して張力を制御することができる。
【0013】
本発明の連続用紙の加工装置においては、前記加工ユニットは、前記連続用紙を定められた長さに切断する切断部を有し、前記切断部は、前記連続用紙を切断する切断装置と、前記切断装置の連続用紙搬送方向上流側に設けられた前記連続用紙の印刷位置を読み取る読取装置と、を備え、前記切断装置の前記連続用紙の切断位置を、前記読取装置の読取結果を基に調整する構成とした連続用紙の加工装置とすることができる。
また、連続用紙の伸び量が異なる場合でも切断装置の連続用紙切断位置を、連続用紙の印刷位置に合わせられるので、連続用紙を正確に切断できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の連続用紙の加工装置によれば、インクジェット装置で可変情報が印刷された連続用紙であっても正しくプラウ折り加工できる。
また、ローラ回転量一定とするローラ搬送装置を選択できるから、連続用紙の加工の種類に合わせた張力制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の連続用紙の加工装置の全体正面図である。
【
図4】
図1に示す第1の加工部と折り部の拡大図である。
【
図5】
図1に示す第2の加工部と切断部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の連続用紙の加工装置の全体構成を
図1に基づいて説明する。
図1は本発明の連続用紙の加工装置の全体正面図である。
図1に示すように、本発明の連続用紙の加工装置100は、印刷済みの連続用紙1(以下、単に連続用紙1という)を繰り出しする給紙部2と、給紙部2から繰り出しされた連続用紙1を搬送する搬送部と、搬送部で搬送される連続用紙を加工して所定の製品とする複数の加工ユニット、例えば塗工・乾燥部3、第1の加工部4、折り部5、第2の加工部6、切断部7、圧着部8と、複数の加工ユニットで加工した製品を搬出するデリバリ部9等を備えている。
複数の加工ユニットは連続用紙1の搬送方向に順次配置してある。例えば、塗工・乾燥部3は給紙部2の連続用紙搬送方向下流側に位置し、第1の加工部4は塗工・乾燥部3の連続用紙搬送方向下流側に位置している。
【0017】
折り部5は第1の加工部4の連続用紙搬送方向下流側に位置し、第2の加工部6は折り部5の連続用紙搬送方向下流側に位置している。つまり、折り部5の連続用紙搬送方向上流側と下流側に加工部(第1の加工部4、第2の加工部6)がそれぞれ設けてある。
切断部7は第2の加工部6の連続用紙搬送方向下流側に位置し、圧着部8は切断部7の連続用紙搬送方向下流側に位置している。
連続用紙1は、本発明の連続用紙の加工装置とは別の図示していない印刷装置、例えばインクジェット印刷装置等によって、あらかじめ片面、又は両面に情報、例えば可変情報が印刷された長尺な用紙である。
【0018】
給紙部2を
図2に基づいて説明する。
図2は
図1に示す給紙部2の拡大図である。
図2に示すように、給紙部2は給紙軸20を有している。連続用紙1は紙管21にロール状に巻かれ、その紙管21を給紙軸20に嵌め合せることで給紙部2に装着されている。
給紙部2から連続用紙1が塗工・乾燥部3に向けて繰り出しされる。
給紙部2には、図示しない給紙軸ブレーキ、例えばパウダーブレーキが設けられている。給紙軸ブレーキのブレーキ力を調整することによって連続用紙1の繰り出し量が制御される。
【0019】
塗工・乾燥部3は、最も給紙部2寄りに位置し、給紙部2から給紙された連続用紙1の一部分に糊を塗工し、その糊を乾燥させる。本発明で使用する糊は、塗工し乾燥した後に他の物を接しただけの通常状態では接着されず、他の物を接して圧力を加えることによって接着するものである。
塗工・乾燥部3を
図3に基づいて説明する。
図3は、
図1に示す塗工・乾燥部3の拡大図である。
図3に示すように、塗工・乾燥部3は連続用紙1の表面1a(表裏一方の面)に糊を塗工する第1の塗工装置30と、表面1aに塗工した糊を乾燥する第1の熱風乾燥装置31と、連続用紙1の裏面1b(表裏他方の面)に糊を塗工する第2の塗工装置32と、裏面1bに塗工した糊を乾燥する第2の熱風乾燥装置33を有している。
【0020】
第1の塗工装置30が最も給紙部2寄りに位置し、第1の熱風乾燥装置31は第1の塗工装置30の連続用紙搬送方向下流側に位置している。第2の塗工装置32は第1の熱風乾燥装置31の連続用紙搬送方向下流側に位置し、第2の熱風乾燥装置33は第2の塗工装置32の連続用紙搬送方向下流側に位置している。
これにより連続用紙1の表裏両面に糊が塗工される。これに限ることはなく連続用紙1の表裏のどちらか一方の面にのみ糊を塗工するようにしてもよい。この場合は連続用紙1の紙通し経路を変更する。例えば、第1の熱風乾燥装置31の連続用紙搬送方向下流側から第1の加工部4の連続用紙搬送方向上流側に紙通しすることで連続用紙1の表面1aのみに糊を塗工する。給紙部2から第2の塗工装置32の連続用紙搬送方向上流側に紙通しすることで連続用紙1の裏面1bに糊を塗工する。
【0021】
第1の加工部4を
図4に基づいて説明する。
図4は
図1に示す第1の加工部4と折り部5の拡大図である。
図4に示すように、第1の加工部4は連続用紙1に、その搬送方向と平行にミシン目を入れる複数の縦ミシン目装置40を有し、複数の縦ミシン目装置40は連続用紙搬送方向に間隔を置いて設けてある。
【0022】
折り部5を
図4に基づいて説明する。
図4に示すように、折り部5はプラウ折装置を有している。例えば、第1のプラウ折装置50、第2のプラウ折装置51、第3のプラウ折装置52を連続用紙搬送方向に間隔を置いて有している。第1のプラウ折装置50が第1の加工部4の連続用紙搬送方向下流側に位置し、第1のプラウ折装置50の連続用紙搬送方向下流側に第2のプラウ折装置51が位置している。第2のプラウ折装置51の連続用紙搬送方向下流側に第3のプラウ折装置52が位置している。
各プラウ折装置は、従来のプラウ折装置(特開2000-128426号公報に示すプラウ折装置)と同様に、2本のローラ間に掛け渡した連続用紙に張力を加えた状態で、連続用紙の上部又は下部からプラウの先端部を押し当て搬送方向と平行な方向に折り、V折り、Z折りなどのプラウ折り加工するものであるが、V折り、Z折りの他、巻3つ折り、巻4つ折り、観音折り、W折り工程を施すことが可能である。
【0023】
第2の加工部6を
図5に基づいて説明する。
図5は
図1に示す第2の加工部6と切断部7の拡大図である。
図5に示すように、第2の加工部6は連続用紙1にファイルパンチ穴をあけるファイルパンチ装置60、連続用紙1に搬送方向と平行方向にスリットを入れるスリッター61を有する。
【0024】
切断部7を
図5、
図6に基づいて説明する。
図6は
図5に示す切断部周辺の拡大図である。
図5と
図6に示すように、切断部7は、切断装置70と連続用紙の印刷位置を読み取る読取装置、例えば切断自動見当カメラ71を有し、その切断装置70で連続用紙1を製品サイズに切断する。
切断装置70は切断胴72と切断受け胴73を有している。切断胴72と切断受け胴73は連続用紙1の幅(搬送方向と直角な方向の寸法)よりも長尺な円筒形状である。切断胴72の周面の複数個所に連続用紙1を切断するための切断刃(図示せず)が、軸方向に連続して固定されている。切断刃は切断胴72と同一の長さである。
切断胴72と切断受け胴73は鉛直方向に同じ位置に設置されており、切断胴72の周面と切断受け胴73の周面は離隔している。
【0025】
切断胴72と切断受け胴73は、切断装置用サーボモータ74を動力源として同一速度で反対方向に回転駆動される。例えば、切断胴72を回転する切断胴用歯車72aと切断受け胴73を回転する切断受け胴用歯車73aを噛合し、切断装置用サーボモータ74で回転駆動される歯車群75を切断受け胴用歯車73aに噛合する。これにより切断装置用サーボモータ74を駆動することで切断胴72と切断受け胴73を同一速度で反対方向に回転を駆動する。
連続用紙1は切断胴72の周面と切断受け胴73の周面の間を通過し、切断刃が連続用紙1に当接することで連続用紙1が切断される。
切断自動見当カメラ71は、切断胴72及び切断受け胴73(切断装置70)の連続用紙搬送方向上流側に設けられている。
【0026】
切断自動見当カメラ71で、連続用紙1の1面ごとに印刷された絵柄又はマーク又はパンチ穴の位置を読み取り、読み取った絵柄又はマーク又はパンチ穴の位置で連続用紙1の印刷位置を読み取る。
読み取りした印刷位置に応じて、切断装置用サーボモータ74の回転速度を制御し、切断胴72及び切断受け胴73の回転速度(単位時間当たりの回転量)を自動的に補正して、連続用紙1の定められた位置に切断刃が当接するようにする。これにより連続用紙1は、印刷に対して定められたカット位置に合せて正確に切断される。つまり、読み取りした連続用紙の印刷位置に応じて切断胴72の回転速度を制御し、連続用紙1が製品サイズ搬送された毎に切断刃が連続用紙1に当接するようにして、切断位置を調整するので、連続用紙1の伸び量が異なる場合でも正確に切断できる。切断装置用サーボモータ74の回転速度制御は後に説明する制御装置12で行う。
【0027】
圧着部8は、切断部7で製品長さに切断された用紙に圧力を加えて接着することで製品とする。
圧着部8を
図7に基づいて説明する。
図7は
図1に示す圧着部8の拡大図である。
図7に示すように、圧着部8は2つの圧着装置80を有している。各圧着装置80は上胴81と、上胴81に向けて上下に移動可能な下胴82と、下胴82を上下に移動する油圧シリンダー83と、電動油圧ポンプ(図示せず)と、電動油圧ポンプの吐出油を油圧シリンダー83に供給する切換弁(図示せず)をそれぞれ備えている。切換え弁の切換えは制御装置12で行われる。
上胴81と下胴82の間を連続用紙が通り、下胴82を上に移動することで連続用紙1を上胴81に押しつけて圧力を加え、糊によって接着することで製品とする。
製品はデリバリ部9に搬送され、デリバリ部9で排出され、スタッカ―により積み重ねる。
【0028】
図1に示す連続用紙の加工装置100は、連続用紙1を給紙部2から繰り出して搬送し、その連続用紙1に糊を塗工して乾燥し、縦ミシン目を加工してプラウ折り加工する。この後にファイルパンチ穴、スリットを加工して製品長さに切断される。切断された用紙は糊により接着されて製品となり、積み重ねられる。
本発明の連続用紙の加工装置は上記の構成に限ることはなく、ローラ搬送装置10と張力検出装置11で張力を制御しながら連続用紙を搬送し、プラウ折装置でプラウ折り加工する構成であればよい。
【0029】
図1に示すように、連続用紙の加工装置100は、連続用紙1を搬送する搬送部を構成するローラ搬送装置10と、連続用紙1の張力を検出する張力検出装置11と、検出した張力値に基づいて、ローラ搬送装置10の単位時間当りのローラ回転量(以下、単にローラ回転量という)を制御して連続用紙1の搬送速度を変える制御装置12を備え、これらにより、給紙部2から複数の加工ユニットに亘って搬送される連続用紙1の張力(テンション)を、予め設定した張力値となるように制御する張力制御部を構成している。この制御装置12が切断装置用サーボモータ74の回転速度制御、切換弁の切換えなどを行う。
ローラ搬送装置10は、連続用紙1の搬送方向に間隔を置いて複数設けてある。例えば、給紙部2と切断部7よりも連続用紙搬送方向上流側との間に、第1のローラ搬送装置10-1、第2のローラ搬送装置10-2、第3のローラ搬送装置10-3、第4のローラ搬送装置10-4が順次設けてある。
【0030】
ローラ搬送装置10は、ローラ回転量可変(搬送速度可変)で、連続用紙搬送方向下流側に位置するローラ搬送装置10のローラ回転量を、連続用紙搬送方向上流側に位置するローラ搬送装置10のローラ回転量よりも僅かに多くすることにより、両ローラ搬送装置10間の連続用紙1に張力を発生させている。両ローラ搬送装置10のローラ回転量差を変えることで連続用紙1の張力の大きさが変化する。
【0031】
第1のローラ搬送装置10-1は、
図3に示すように、塗工・乾燥部3の連続用紙搬送方向上流側に設けられている。第1のローラ搬送装置10-1が給紙部2に最も近く、第1のローラ搬送装置10-1で給紙部2から連続用紙1が繰り出しされる。
第2のローラ搬送装置10-2は、
図3に示すように、塗工・乾燥部3の第1の熱風乾燥装置31の連続用紙搬送方向下流側と第2の塗工装置32の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
第3のローラ搬送装置10-3は、
図4に示すように、塗工・乾燥部3の第2の熱風乾燥装置33の連続用紙搬送方向下流側と第1の加工部4の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
第4のローラ搬送装置10-4は、
図5に示すように、第2の加工部6の連続用紙搬送方向下流側と切断部7の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
【0032】
各ローラ搬送装置10は、プルローラと呼ばれている搬送ローラ101と押しローラ102を有し、その搬送ローラ101を回転駆動源で回転することで連続用紙1を搬送するもので、回転駆動源により搬送ローラ101のローラ回転量(回転速度)を変えることで連続用紙1の搬送速度を変える。
例えば、
図6に示すように、第4のローラ搬送装置10-4は連続用紙1の表裏両面に搬送ローラ101をそれぞれ接し、2つの搬送ローラ101に設けた歯車103を噛合する。1つの歯車103に搬送ローラ用サーボモータ104で駆動される駆動歯車105を噛合し、搬送ローラ用サーボモータ104を駆動することで、2つの搬送ローラ101を回転して連続用紙1を搬送する。第1~第3のローラ搬送装置10-1~10-3も同様の構成である。
第1のローラ搬送装置10-1と第3のローラ搬送装置10-3は、2つの搬送ローラ101を有しているが、第2のローラ搬送装置10-2は搬送ローラ101が1つである。
【0033】
張力検出装置11は連続用紙1の搬送方向に間隔を置いて複数設けてある。例えば、切断部7よりも連続用紙搬送方向上流側に第1の張力検出装置11-1、第2の張力検出装置11-2、第3の張力検出装置11-3、第4の張力検出装置11-4、第5の張力検出装置11-5、第6の張力検出装置11-6、第7の張力検出装置11-7、第8の張力検出装置11-8が設けてある。
第1の張力検出装置11-1は、
図1、
図2に示すように、第1のローラ搬送装置10-1よりも給紙部2寄りに設けられている。
第2の張力検出装置11-2は、
図3に示すように、第2のローラ搬送装置10-2の連続用紙搬送方向上流側と、塗工・乾燥部3の第1の熱風乾燥装置31の連続用紙搬送方向下流側との間に設けられている。
第3の張力検出装置11-3は、
図4に示すように、第3のローラ搬送装置10-3の連続用紙搬送方向上流側と、塗工・乾燥部3の連続用紙搬送方向下流側(第2の熱風乾燥装置33の連続用紙搬送方向下流側)との間に設けられている。
【0034】
第4の張力検出装置11-4は、
図4に示すように、第1の加工部4の連続用紙搬送方向下流側と折り部5(第1のプラウ折装置50)の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
第5の張力検出装置11-5は、折り部5の第1のプラウ折装置50の連続用紙搬送方向下流側と、第2のプラウ折装置51の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
第6の張力検出装置11-6と第7の張力検出装置11-7は、
図1、
図4に示すように、折り部5の第2のプラウ折装置51の連続用紙搬送方向下流側と、第3のプラウ折装置52の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
第8の張力検出装置11-8は、
図4に示すように、折り部5の連続用紙搬送方向下流側と、第2の加工部6の連続用紙搬送方向上流側との間に設けられている。
【0035】
各張力検出装置11は、連続用紙1に接した張力検出ローラ(テンションピックアップローラ)110と、その張力検出ローラ110に取り付けしたロードセル(図示せず)を有している。張力検出装置11は、ロードセルを用いたものに限ることはなく、他の構成の張力検出装置を用いることができる。
連続用紙1の張力に応じて張力検出ローラ110に付加する荷重が変化し、その荷重をロードセルで検出することによって連続用紙1の張力が検出される。
ロードセルとは、付加した荷重を電気信号に変換するもので、起歪体とひずみゲージを有する。起歪体が荷重に比例して変形し、その変形量をひずみゲージで検出することで、荷重に応じた電気信号に変換するもので、ロードセルの出力する電気信号で連続用紙1の張力が検出される。
各張力検出装置11が検出した検出張力値は制御装置12に入力される。
【0036】
制御装置12は、入力された検出張力値と、あらかじめ設定された設定張力値を対比し、検出張力値が設定張力値と異なる場合は、搬送ローラ用サーボモータ104を駆動制御して、搬送ローラ101のローラ回転量を変えて検出張力値が設定張力値と一致するようにする。検出張力値が設定張力値と一致している場合はローラ回転量を変えない。
制御装置12は、第1~第8の張力検出装置11-1~11-8が検出した張力値を、
図4に示すモニター13にそれぞれ表示する。これにより加工装置を操作する操作者が連続用紙搬送経路における各位置の張力を常に監視することができる。
【0037】
本発明の連続用紙の加工装置における連続用紙1の張力制御の実施の形態を説明する。
連続用紙1の張力を制御する区間を第1セクションから第4セクションの4区間に分け、各区間の連続用紙1の張力をそれぞれ制御する。
第1セクションは、給紙部2と第1のローラ搬送装置10-1の間である。つまり、給紙部2から第1のローラ搬送装置10-1まで搬送される連続用紙1の張力を制御する。
具体的には、給紙軸ブレーキのブレーキ力を変えて制御する。給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくすると張力は大きくなり、ブレーキ力を小さくすると張力は小さくなる。
【0038】
第2セクションは、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2の間である。つまり、塗工・乾燥部3の第1の塗工装置30から第1の熱風乾燥装置31まで搬送される連続用紙1の張力を制御する。
具体的には、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量より第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を多くして張力を発生し、そのローラ回転量の差を変えて張力を制御する。ローラ回転量の差が大きいと張力は大きくなり、ローラ回転量の差が小さいと張力は小さくなる。
第3セクションは、第2のローラ搬送装置10-2と第3のローラ搬送装置10-3の間である。つまり、塗工・乾燥部3の第2の塗工装置32から第2の熱風乾燥装置33まで搬送される連続用紙1の張力を制御する。
【0039】
具体的には、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量より第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を多くして張力を発生し、そのローラ回転量の差を変えて張力を制御する。ローラ回転量の差が大きいと張力は大きくなり、ローラ回転量の差が小さいと張力は小さくなる。
第4セクションは、第3のローラ搬送装置10-3と第4のローラ搬送装置10-4の間である。つまり、第1の加工部4から折り部5を経て第2の加工部6まで搬送される連続用紙1の張力を制御する。
具体的には、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量より第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を多くして張力を発生し、そのローラ回転量の差を変えて張力を制御する。ローラ回転量の差が大きいと張力は大きくなり、ローラ回転量の差が小さいと張力は小さくなる。
【0040】
第1セクションにおける目標とする張力値を制御装置12に予め設定する。つまり、連続用紙1を搬送開始する前に、給紙部2から第1のローラ搬送装置10-1まで搬送される連続用紙1の目標張力値を第1設定張力値として設定する。
第2セクションにおける目標とする張力値を、制御装置12に予め設定する。つまり、連続用紙1を搬送開始する前に、塗工、乾燥部3の第1の塗工装置30から第1の熱風乾燥装置31まで搬送される連続用紙1の目標張力値を、第2設定張力値として設定する。
第3セクションにおける目標とする張力値を、制御装置12に予め設定する。つまり、連続用紙1を搬送開始する前に、塗工、乾燥部3の第2の塗工装置32から第2の熱風乾燥装置33まで搬送される連続用紙1の目標張力値を、第3設定張力値として設定する。
【0041】
第4セクションにおける目標とする張力値を、制御装置12に予め設定する。つまり、連続用紙1を搬送開始する前に、第1の加工部4から折り部5を経て第2の加工部6まで搬送される連続用紙1の張力を第4設定張力値として設定する。
第1から第4設定張力値は、第1設定張力値が最も小さく、第2設定張力値は第1設定張力値より大きい。第3設定張力値は第2設定張力値より大きく、第4設定張力値は最も大きい。これに限ることはなく、第1から第4設定張力値は任意の大きさとすることができる。
各設定張力値は予め設定するようにしたが、連続用紙を搬送して加工している際に変更することが可能である。
【0042】
第1セクションにおける張力制御を説明する。
給紙部2から第1のローラ搬送装置10-1まで搬送される連続用紙1の張力は、第1の張力検出装置11-1で検出され、検出張力値は制御装置12に入力される。
検出張力値が第1設定張力値より大きい場合は、制御装置12が給紙軸ブレーキのブレーキ力を、第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで小さく制御する。
検出張力値が第1設定張力値より小さい場合は、制御装置12が給紙軸ブレーキのブレーキ力を、第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで大きく制御する。
【0043】
第2セクションの張力制御を説明する。
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するように、第1のローラ搬送装置10-1又は第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を制御する。
第3セクションの張力制御を説明する。
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するように、第2のローラ搬送装置10-2又は第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を制御する。
第4セクションの張力制御を説明する。
第4の張力検出装置11-4又は第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するように、第3のローラ搬送装置10-3又は第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を制御する。
【0044】
第2から第4セクションの張力制御をするために、第1のローラ搬送装置10-1から第4のローラ搬送装置10-4のいずれか1つのローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、残りの3つのローラ搬送装置をローラ回転量可変としている。
つまり、第1から第4のローラ搬送装置10-1~10-4をローラ回転量可変とすると、基準となるローラ回転量がないので張力制御が複雑で、時間がかかるので、いずれか1つのローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、そのローラ回転量を基準として張力を制御するようにしている。
【0045】
この実施の形態では、第1から第7張力制御パターンを設定し、いずれかの張力制御パターンによって張力制御を行うようにしている。各張力制御パターンは制御装置12に設定され、いずれかを選択する。
第1制御パターンは、第1のローラ搬送装置10-1を回転量一定とし、第2、第3、第4のローラ搬送装置10-2、10-3、10-4を回転量可変とする。第2、第3、第8の張力検出装置11-2、11-3、11-8の検出張力値に基づき張力を制御する。
第2制御パターンは、第2のローラ搬送装置10-2を回転量一定とし、第1、第3、第4のローラ搬送装置10-1、10-3、10-4を回転量可変とする。第2、第3、第8の張力検出装置11-2、11-3、11-8の検出張力値に基づき張力を制御する。
【0046】
第3制御パターンは、第3のローラ搬送装置10-3を回転量一定とし、第1、第2、第4のローラ搬送装置10-1、10-2、10-4を回転量可変とする。第2、第3、第8の張力検出装置11-2、11-3、11-8の検出張力値に基づき張力を制御する。
第4制御パターンは、第4のローラ搬送装置10-4を回転量一定とし、第1、第2、第3のローラ搬送装置10-1、10-2、10-3を回転量可変とする。第2、第3、第4の張力検出装置11-2、11-3、11-4の検出張力値に基づき張力を制御する。
つまり、第1から第4の制御パターンは、回転量一定とする搬送ローラを設定している。
【0047】
第5制御パターンは、第1のローラ搬送装置10-1を回転量一定とし、第2のローラ搬送装置10-2と第3のローラ搬送装置10-3をローラ回転量可変で、かつ連動して同一ローラ回転量とし、第4のローラ搬送装置10-4を回転量可変とする。第3、第8の張力検出装置11-3、11-8の検出張力値に基づき張力を制御する。
つまり、第5制御パターンは、第1制御パターンにおいて第2のローラ搬送装置10-2と第3のローラ搬送装置10-3を連動してローラ回転量を同一としたもので、第3セクションの張力は第2セクションの張力と同一の大きさとなる。
【0048】
第6制御パターンは、第3のローラ搬送装置10-3を回転量一定とし、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2をローラ回転量可変で、かつ連動して同一ローラ回転量とし、第4のローラ搬送装置10-4を回転量可変とする。第2、第8の張力検出装置11-2、11-8の検出張力値に基づき張力を制御する。
つまり、第6制御パターンは、第3制御パターンにおいて、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2を連動してローラ回転量を同一としたもので、第3セクションの張力は第2セクションの張力と同一の大きさとなる。
【0049】
第7制御パターンは、第4のローラ搬送装置10-4を回転量一定とし、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2をローラ回転量可変で、かつ連動して同一ローラ回転量とし、第3のローラ搬送装置10-3を回転量可変とする。第2、第4の張力検出装置11-2、11-4の検出張力値に基づき張力を制御する。
つまり、第7制御パターンは、第4制御パターンにおいて、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2を連動してローラ回転量を同一としたもので、第3セクションの張力は第2セクションの張力と同一の大きさとなる。
【0050】
第1制御パターン(第1のローラ搬送装置10-1がローラ回転量一定)による張力制御を説明する。
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より小さい(第2セクションの張力が弱い)場合は、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が一定であるから、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を増加して第2セクションの張力を増大する。
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致したときは、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量増加を停止することによって、第2セクションの張力を制御する。つまり、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまでローラ回転量を増加する。
【0051】
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が増加したことで第3セクションの張力が減少するので、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を増加して、第3セクションの張力を第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで増大することによって、第3セクションの張力を制御する。
さらに、第3のローラ搬送装置10-3の回転量が増加したことで第4セクションの張力が減少するので、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0052】
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より大きい(第2セクションの張力が強い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第2セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2の回転量が減少したことで第3セクションの張力が増大するので、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を減少して、第3セクションの張力を第3の張力検出装置11-3の検出張力が第3設定張力値と一致するまで減少することによって、第3セクションの張力を制御する。
さらに、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量が減少したことで第4セクションの張力が増大するので、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0053】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より小さい(第3セクションの張力が弱い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量は変えず、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を増加して、第3セクションの張力を、第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで増大することによって、第3セクションの張力を制御する。
第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量が増加したことで第4セクションの張力が減少するので、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0054】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より大きい(第3セクションの張力が強い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量は変えず、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を減少して、第3セクションの張力を、第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第3セクションの張力を制御する。
第3のローラ搬送装置10-3の回転量が減少したことで第4セクションの張力が増加するので、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0055】
第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値より小さい(第4セクションの張力が弱い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量は変えず、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を、第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。
第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値より大きい(第4セクションの張力が強い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量は変えず、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0056】
第2制御パターン(第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量一定)による張力制御を説明する。
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より小さい(第2セクションの張力が弱い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が一定であるので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1の回転量が減少したことで第1セクションの張力が減少するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで増大することによって、第1セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量は一定であるから、第2、第3、第4セクションの張力は変化しない。
【0057】
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より大きい(第2セクションの張力が強い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が一定であるので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を増加して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1の回転量が増大したことで第1セクションの張力が増大するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を小さくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで減少することによって、第1セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量は一定であるから、第2、第3、第4セクションの張力は変化しない。
【0058】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より小さい(第3セクションの張力が弱い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が一定であるから、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を増加して、第3セクションの張力を、第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで増大することによって、第3セクションの張力を制御する。
第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量が増加することで第4セクションの張力は減少するので、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。第1、第2セクションの張力は変化しない。
【0059】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より大きい(第3セクションの張力が強い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が一定であるから、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を減少して、第3セクションの張力を、第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで減少することによって、第3セクションの張力を制御する。
第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量が減少することで、第4セクションの張力は増大するので、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0060】
第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値より小さい(第4セクションの張力が弱い)場合は、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量は変えず、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を、第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。
第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値より大きい(第4セクションの張力が強い)場合は、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0061】
第3制御パターン(第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量一定)による張力制御を説明する。
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より小さい(第2セクションの張力が弱い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を変えずに、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1の回転量が減少したことで第1セクションの張力が減少するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで増大することによって、第1セクションの張力を制御する。第3、第4セクションの張力は変化しない。
【0062】
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より大きい(第2セクションの張力が強い)場合は、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を変えずに、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を増加して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1の回転量が増加したことで第1セクションの張力が増大するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を小さくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。第3、第4セクションの張力は変化しない。
【0063】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より小さい(第3セクションの張力が弱い)場合は、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量は一定であるので、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を減少して、第3セクションの張力を、第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで増大することによって、第3セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が減少することで第2セクションの張力が減少するので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が減少したことで第1セクションの張力が減少するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一定するまで増大することによって、第1セクションの張力を制御する。第4セクションの張力は変化しない。
【0064】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より大きい(第3セクションの張力が強い)場合は、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量は一定であるので、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を増加して、第3セクションの張力を第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで減少することによって、第3セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が増加することで第2セクションの張力が増大するので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を増加して、第2セクションの張力を第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が増加したことで第1セクションの張力が増大するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を小さくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一定するまで減少することによって、第1セクションの張力を制御する。第4セクションの張力は変化しない。
【0065】
第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値より小さい(第4セクションの張力が弱い)場合は、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量は一定であるから、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。
第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値より大きい(第4セクションの張力が強い)場合は、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第8の張力検出装置11-8の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
【0066】
第4制御パターン(第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量一定)による張力制御を説明する。
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より小さい(第2セクションの張力が弱い)場合は、第2、第3のローラ搬送装置10-2、10-3のローラ回転量を変えずに、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1の回転量が減少したことで第1セクションの張力が減少するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで増大することによって、第1セクションの張力を制御する。第3、第4セクションの張力は変化しない。
【0067】
第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値より大きい(第2セクションの張力が強い)場合は、第2、第3のローラ搬送装置10-2,10-3のローラ回転量を変えずに、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を増加して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が増加したことで第1セクションの張力が増大するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を小さくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一定するまで減少することによって、第1セクションの張力を制御する。第3、第4セクションの張力は変化しない。
【0068】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より小さい(第3セクションの張力が弱い)場合は、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を変えずに、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第3セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が減少したことで第2セクションの張力が減少するので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が減少したことで第1セクションの張力が減少するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一定するまで増大することによって、第1セクションの張力を制御する。第4セクションの張力は変化しない。
【0069】
第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値より大きい(第3セクションの張力が強い)場合は、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を変えずに、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を増加して、第3セクションの張力を第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで減少することによって、第3セクションの張力を制御する。
第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量が増加したことで第2セクションの張力が増大するので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を増加して、第2セクションの張力を第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が増加したことで第1セクションの張力が増大するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を小さくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一定するまで減少することによって、第1セクションの張力を制御する。第4セクションの張力は変化しない。
【0070】
第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値より小さい(第4セクションの張力が弱い)場合は、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量は一定であるから、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を減少して、第4セクションの張力を第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで増大することによって、第4セクションの張力を制御する。
第3のローラ搬送装置10-3の回転量が減少したことで第3セクションの張力が減少するので、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を減少して、第3セクションの張力を第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで増大することによって、第3セクションの張力を制御する。
【0071】
第2のローラ搬送装置10-2の回転量が減少したことで第2セクションの張力が減少するので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を減少して、第2セクションの張力を、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで増大することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1の回転量が減少したことで第1セクションの張力が減少するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を大きくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一致するまで増大することによって、第1セクションの張力を制御する。
【0072】
第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値より大きい(第4セクションの張力が強い)場合は、第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量は一定であるから、第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を増加して、第4セクションの張力を第4の張力検出装置11-4の検出張力値が第4設定張力値と一致するまで減少することによって、第4セクションの張力を制御する。
第3のローラ搬送装置10-3の回転量が増加したことで第3セクションの張力が増大するので、第2のローラ搬送装置10-2のローラ回転量を増加して、第3セクションの張力を第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するまで減少することによって、第3セクションの張力を制御する。
【0073】
第2のローラ搬送装置10-2の回転量が増加したことで第2セクションの張力が増大するので、第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を増加して、第2セクションの張力を第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するまで減少することによって、第2セクションの張力を制御する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量が増加したことで第1セクションの張力が増大するので、給紙軸ブレーキのブレーキ力を小さくして、第1セクションの張力を第1の張力検出装置11-1の検出張力値が第1設定張力値と一定するまで減少することによって、第1セクションの張力を制御する。
各セクションの張力制御は制御装置12により行われる。
【0074】
第1制御パターンから第4制御パターンの張力制御を要約すると、次のようである。
複数のローラ搬送装置はそれぞれローラ回転量可変で、そのいずれか1つを選択してローラ回転量一定とし、他のローラ搬送装置のローラ回転量は制御装置12で制御する。
ローラ回転量一定のローラ搬送装置より連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合は、そのローラ搬送装置よりも連続用紙搬送方向下流側に位置するローラ搬送装置のローラ回転量を、連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置から下流側のローラ搬送装置に向けて順次制御する。これにより張力変化を連続用紙搬送方向下流側に逃がすことができる。
ローラ回転量一定のローラ搬送装置より連続用紙搬送方向上流側のローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御した場合は、そのローラ搬送装置よりも連続用紙搬送方向上流側に位置するローラ搬送装置のローラ回転量を、連続用紙搬送方向下流側のローラ搬送装置から上流側のローラ搬送装置に向けて順次制御する。これにより張力変化を連続用紙搬送方向上流側に逃がすことができる。
【0075】
プラウ折り装置を有するセクションの場合は、そのセクションの連続用紙搬送方向上流側に上流側ローラ搬送装置、上流側張力検出装置を設け、そのセクションの連続用紙搬送方向下流側に下流側ローラ搬送装置、下流側張力検出装置を設ける。
上流側ローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、下流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御する場合は、下流側張力検出装置の検出張力値を用いて張力を制御する。
下流側ローラ搬送装置をローラ回転量一定とし、上流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変えて張力を制御する場合は、上流側張力検出装置の検出張力値を用いて張力を制御する。
【0076】
したがって、下流側ローラ搬送装置と上流側ローラ搬送装置どちらのローラ回転量を変える場合でも、ローラ搬送装置と張力検出装置の連続用紙搬送方向の距離(紙パス)を短くでき、ローラ回転量を変える反応速度が速く、外乱が入りにくいので、ローラ回転量を安定して変えることができるので、張力を安定して制御できる。
つまり、プラウ折装置の連続用紙搬送方向長さは他の加工ユニットよりも長いので、張力検出装置が連続用紙搬送方向上流側にのみ設けてあると、下流側ローラ搬送装置のローラ回転量を変える場合に下流側ローラ搬送装置と張力検出装置の連続用紙搬送方向の距離が長くなり、ローラ回転量を変える反応速度が速く、外乱が入り易いので、ローラ回転量を安定して変えることができないから張力制御が不安定となる。張力検出装置を連続用紙搬送方向下流側に設けた場合も同様に、ローラ回転量を安定して変えることができず、張力制御が不安定となる。
【0077】
第5制御パターン(第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量一定、第2のローラ搬送装置10-2と第3のローラ搬送装置10-3が連動)による張力制御を説明する。
第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量一定であるから、第1制御パターンと同様に張力制御するが、第2のローラ搬送装置10-2と第3のローラ搬送装置10-3が連動しているので、第2、第3のローラ搬送装置10-2、10-3のローラ回転量は同一となり、第2セクションと第3セクションは同一の張力値に制御される。つまり、第3の張力検出装置11-3の検出張力値が第3設定張力値と一致するように第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量を制御する。
【0078】
第6制御パターン(第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量一定、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2が連動)による張力制御を説明する。
第3のローラ搬送装置10-3のローラ回転量一定であるから、第3制御パターンと同様に張力制御するが、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2が連動しているので、第1、第2のローラ搬送装置10-1、10-2のローラ回転量は同一となり、第2セクションと第3セクションは同一の張力値に制御される。つまり、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するように第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を制御する。
【0079】
第7制御パターン(第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量一定、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2が連動)による張力制御を説明する。
第4のローラ搬送装置10-4のローラ回転量一定であるから、第4制御パターンと同様に張力制御するが、第1のローラ搬送装置10-1と第2のローラ搬送装置10-2が連動しているので、第1、第2のローラ搬送装置10-1、10-2のローラ回転量は同一となり、第2セクションと第3セクションは同一の張力値に制御される。つまり、第2の張力検出装置11-2の検出張力値が第2設定張力値と一致するように第1のローラ搬送装置10-1のローラ回転量を制御する。
【0080】
第5~第7制御パターンは、連続用紙1の表面と裏面のどちらかにのみ糊を塗工する片面糊塗工の場合に利用することができる。
例えば、連続用紙1の表面にのみ糊を塗工する場合は、連続用紙1を第1の塗工装置30と第1の熱風乾燥装置31(第2セクション)から第1の加工部4に紙通し、第2の塗工装置32と第2の熱風乾燥装置33(第3セクション)には紙通しをしない。連続用紙1の裏面にのみ糊を塗工する場合は、連続用紙1を第2の塗工装置32と第2の熱風乾燥装置33(第3セクション)から第1の加工部4に紙通し、第1の塗工装置30と第2の熱風乾燥装置31(第2セクション)には紙通しをしない。
したがって、第5~第7制御パターンによれば、第2セクションと第3セクションのどちらか一方にのみ連続用紙1を紙通しできるので、連続用紙1の表面と裏面のどちらかにのみ糊を塗工することが可能である。
【0081】
第5~第7制御パターンの張力制御を要約すると、次のとおりである。
連続用紙搬送方向に連続した2つのローラ搬送装置のローラ回転量を、独立してそれぞれ変える状態と、連動して同一のローラ回転量とする状態に切り替えできる制御パターン。
各制御パターンは次のように選択することができる。
連続用紙1の表裏両面に糊を塗工して加工する場合は、第1~第7制御パターンの中から、連続用紙1の紙厚、紙幅などの種類、バックテンションなどの状態、加工の種類などを考慮して、最も張力の変動が少なく、一定の切断位置で切断できる制御パターンを選択する。
連続用紙1の表裏どちらかの面に糊を塗工して加工する場合は、第5~第7制御パターンの中から、連続用紙1の紙厚、紙幅などの種類、バックテンションなどの状態、加工の種類などを考慮して、最も張力の変動が少なく、一定の切断位置で切断できる制御パターンを選択する。
【0082】
このように、張力検出装置11が各セクションの張力を常時監視し、各セクションの検出張力値が設定張力値と異なる場合には、ローラ搬送装置10のローラ回転量を、設定張力値と一致するように変化することによって、張力を常時制御しているので、インクジェット装置で可変情報が印刷され伸び量が異なる連続用紙でも張力を常に設定の大きさで搬送できるので、プラウ折装置のプラウの先端部を連続用紙の幅方向所定の位置に押し当て、正しくプラウ折り加工できる。
なお、本発明の連続用紙の加工装置は、インクジェット装置で可変情報が印刷された連続用紙に限ることはなく、インクジェット装置以外の印刷装置で印刷された連続用紙、印刷されていない連続用紙等、何らかの原因で搬送中に張力が変化することがある連続用紙を用いることが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…連続用紙、1a…表面、1b…裏面、2…給紙部、3…塗工・乾燥部、4…第1の加工部、5…折り部、6…第2の加工部、7…切断部、8…圧着部、9…デリバリ部、10…ローラ搬送装置、10-1…第1のローラ搬送装置、10-2…第2のローラ搬送装置、10-3…第3のローラ搬送装置、10-4…第4のローラ搬送装置、11…張力検出装置、11-1…第1の張力検出装置、11-2…第2の張力検出装置、11-3…第3の張力検出装置、11-4…第4の張力検出装置、11-5…第5の張力検出装置、11-6…第6の張力検出装置、11-7…第7の張力検出装置、11-8…第8の張力検出装置、12…制御装置、30…第1の塗工装置、31…第1の熱風乾燥装置、32…第2の塗工装置、33…第2の熱風乾燥装置、50…第1のプラウ折装置、51…第2のプラウ折装置、52…第3のプラウ折装置、70…切断装置、71…切断自動見当カメラ、80…圧着装置、100…連続用紙の加工装置、101…搬送ローラ、110…張力検出ローラ。