(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】ドアーストッパー
(51)【国際特許分類】
E05C 17/54 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
E05C17/54
(21)【出願番号】P 2019134179
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2021-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】312014867
【氏名又は名称】黒田 まさみ
(72)【発明者】
【氏名】黒田 哲正
(72)【発明者】
【氏名】黒田 まさみ
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8296902(US,B1)
【文献】特開2001-323710(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193807(JP,U)
【文献】実開平2-105475(JP,U)
【文献】実開昭62-187171(JP,U)
【文献】実開昭57-120660(JP,U)
【文献】登録実用新案第3157699(JP,U)
【文献】特開2013-79561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 17/02-17/54
E05C 17/60
E05C 19/18
E05F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアーを開いたまま維持するドアーストッパーであって、このドアーストッパーは、ド アーストッパー本体と、このドアーストッパー本体に設けられた連結部を介して連結された吊り下げ部とから構成され、このドアーストッパー本体は略円錐形状の外形を有し、この吊り下げ部は吊り下げ紐を有し、この吊り下げ紐の上部にはドアーに取り付ける
取付部を有し、
この吊り下げ紐には、連結部と取付部の間に係止具を設け、この係止具を取付部又はドアーに係止したときはドアーストッパー本体が床から浮き上がりドアーストッパーが非作用状態となり、係止具を取付部又はドアーから取り外したときはドアーストッパー本体が床上に置かれて、ドアーストッパーが作用可能状態となることを特徴とするドアーストッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアーを開いた状態で維持する為のドアーストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、玄関等のヒンジ回りに回転して開閉するドアーは、荷物を持って出入りする場合、ドアーを開いたまま維持する必要があった。この場合、ドアーを開いたままにする道具として、ドアーストッパーが用いられていた。
【0003】
例えば、特許文献1に示すように、斜めに配置された板状体1と本体2を備えた技術が開示されていた。このドアーストッパーをドアーの下の隙間に差し込んで、ドアーが閉まるのを防止する道具であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この技術では、ドアーストッパーをドアーの下の隙間に差し込んだり、取り外したりする度にしゃがまなければならない問題があった。このとき、ドアーストッパーが裏返ったり、横倒しになったり、方向が違ってたりしているのを直すのが煩わしかった。特に妊婦や高齢者、障害者、腰痛のある人のみならず、健常者にとっても苦痛な作業であった。又、非使用時にドアーストッパーが床にころがっていて邪魔になる問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ドアーを開いたまま維持するドアーストッパーであって、このドアーストッパーは、ドアーストッパー本体と、このドアーストッパー本体に設けられた連結部を介して連結された吊り下げ部とから構成され、このドアーストッパー本体は略円錐形状の外形を有し、この吊り下げ部は吊り下げ紐を有し、この吊り下げ紐の上部にはドアーに取り付ける取付部を有し、このドアーストッパー本体は床上に置いて使用されることを特徴とするドアーストッパー。
【発明の効果】
【0007】
上記の問題点を解決し、立ったままで操作できるドアーストッパーを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一の実施例のドアーストッパーの正面図と左側面図を示す。
【
図2】第一の実施例のドアーストッパーの使用状態を示す。ドアーストッパーの非作用状態の正面図と右側面図を示す。
【
図3】第一の実施例のドアーストッパーの使用状態を示す。ドアーストッパーの作用可能状態の正面図と右側面図を示す。
【
図4】第一の実施例のドアーストッパーの使用時の動作状態を示す平面図である。
【
図5】第二の実施例のドアーストッパーの正面図と右側面図を示す。
【
図6】第二の実施例のドアーストッパーの使用状態を示す。ドアーストッパーの非作用状態の正面図と右側面図を示す。
【
図7】第二の実施例のドアーストッパーの使用状態を示す。ドアーストッパーの作用可能状態の正面図と右側面図を示す。
【
図8】第二の実施例のドアーストッパーの使用時の動作状態を示す平面図ある。
【
図9】第三の実施例のドアーストッパーの使用状態を示す。ドアーストッパーの非作用状態の正面図と右側面図を示す。
【
図10】第四の実施例のドアーストッパーの使用状態を示す。ドアーストッパーの非作用状態の正面図と右側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記の吊り下げ部を引き上げたときはドアーストッパー本体が床から浮き上がってドアーストッパーが非作用状態となり、吊り下げ部を下げたときはドアーストッパー本体が床上に置かれて、ドアーストッパーが作用可能状態となることを特徴とするドアーストッパー。
【0010】
上記の吊り下げ紐には、連結部と取付部の間に係止具を設け、この係止具を取付部又はドアーに係止したときはドアーストッパー本体が床から浮き上がりドアーストッパーが非作用状態となり、係止具を取付部又はドアーから取り外したときはドアーストッパー本体が床上に置かれて、ドアーストッパーが作用可能状態となることを特徴とするドアーストッパー。
【0011】
上記の何れかのドアーストッパー本体の円錐形状の頂角は鈍角であり、その連結部はその頂角近傍に設けたことを特徴とするドアーストッパー。
上記の何れかのドアーストッパー本体の円錐形状の頂角は鋭角であり、その連結部はその底部に設けたことを特徴とするドアーストッパー。
ドアーを開いたまま維持するドアーストッパーは、略円錐形状のドアーストッパー本体を有しその頂角は鋭角であり、底部には凸部を有し、このドアーストッパーは床の上に置いて使用することを特徴とするドアーストッパー。
【実施例】
【0012】
図1、
図2、
図3、
図4により第一の実施例のドアーストッパー10を説明する。ドアーストッパー10は、ドアーを開いたまま維持するドアーストッパー10であって、ドアーストッパー10は、ドアーストッパー本体20と、ドアーストッパー本体20に設けられた連結部21を介して連結された吊り下げ部30とから構成されている。
【0013】
ドアーストッパー本体20は鈍角の頂角を有する略円錐形状の外形を有し、ドアーストッパー本体20の円錐の頂部には連結部21が設けられている。ドアーストッパー本体20はプラスチック、ゴムなどのエラストマー、木材等の固形材又は弾性材で形成されている。吊り下げ部30は第一の吊り下げ紐31と第二の吊り下げ紐32を連結して形成されている。
【0014】
吊り下げ部30を形成する第一の吊り下げ紐31、第二の吊り下げ紐32は、軟質プラスチック、エラストマー、繊維紐、チェイン、ゴム、バネ等の可撓性の材料で構成されている。吊り下げ部30の上部にはドアー50に取り付ける取付部40を有している。取付部40は、磁石、吸盤、ネジ、粘着剤等によりドアー側に取付が可能である。係止具33は、金属又はプラスチックで形成された環状のリングである。係止具33は、磁力により取付部40又はドアー50に磁着するようにしてもよい。
【0015】
図2のように、係止具33を取付部40のフックに掛けると、ドアーストッパー本体20は床52から浮き上がり、ドアーストッパー10は非作用状態になる。
図3のように、係止具33を取付部40のフックから外すと、ドアーストッパー本体20は床52上に置かれて、ドアーストッパー10は作用可能状態になる。
【0016】
図2のように、ドアーストッパー本体20は底面が下になるように吊り下げられているので、ドアーストッパー本体20を下すと
図3のように、ドアーストッパー本体20は底面を下にして床52の上に置かれる。
図4のように、ドアー50を閉めようとすると、ドアーストッパー本体20の円錐の裾部は、ドアー50と床52の隙間51に入り込み、ドアー50はロックされる。ドアーストッパー本体20はどの方向に向いていても作用可能であり、人がかがんで方向を調整する必要はない。
【0017】
図5、
図6、
図7、
図8は第二の実施例のドアーストッパー10であり、第一の実施例とは、ドアーストッパー本体20の円錐形状の頂角を鋭角とし、連結部21を円錐形状の底面に設けた点が異なる。連結部21は、底面から凸となる凸部を形成しているので、ドアストッパー本体20は底面を下にして床上に立つことはない。
【0018】
図7のように、ドアーストッパー本体20を床52の上に下すと、ドアーストッパー本体20は任意の方向を向いて横たわるが、
図8のように、ドアーストッパー本体20がドアー50に押されると、ドアーストッパー本体20が転がって行く。このとき、円錐形の性質によりドアストッパー本体20は方向を変えて行き、頂角がドアー50の方向に向いたとき、頂角が隙間51の間に入り込みドアーはロックされる。
【0019】
図9は、第三の実施例であり、係止具33には磁石が設けてあり、金属製のドアーの任意の個所に付着することができる。又、取付部40は、フック又は基部が鉄でできているので係止具33が磁着可能である。
【0020】
図10は、第四の実施例であり、第一の吊り下げ紐31をゴムやバネの弾性材で形成したものである。非作用時には、第一の吊り下げ紐31は収縮して、ドアーストッパー本体20は床から浮き上がって、ドアーストッパー10は作用しない。吊り下げ部30を下に引き下げると、第一の吊り下げ紐31は伸展してドアストッパー本体20は下がって作用可能状態となる。この実施例では、係止具33を掛けたり、外したりする必要がない。
【0021】
このように、第一の実施例、第二の実施例、第三の実施例、第四の実施例では、どのドアストッパー10も、立ったままで吊り下げ部を操作してドアーストッパー10を操作できる効果を奏する。第二の実施例、第三の実施例、第四の実施例では、ドアーストッパー本体20がよりコンパクトになり、裏返ってしまうことも防止できる利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明は、玄関等のドアーだけでなく、家具等の開き戸にも利用可能である。
【符号の説明】
【0023】
10はドアーストッパー
20はドアーストッパー本体
21は連結部
30は吊り下げ部
31は第一の吊り下げ紐
32は第二の吊り下げ紐
33は係止具
40は取付部
50はドアー
51は隙間
52は床
53はノブ
54はヒンジ