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特許7144447床洗浄または修復のための組成物および方法
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  • 特許-床洗浄または修復のための組成物および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】床洗浄または修復のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20220921BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20220921BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20220921BHJP
   A47L 11/40 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D1/72
C11D3/20
A47L11/40
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019561795
(86)(22)【出願日】2018-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 US2018030658
(87)【国際公開番号】W WO2018208558
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】62/504,869
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ロバート リーフブラッド
(72)【発明者】
【氏名】グラント ダニエル リンド
(72)【発明者】
【氏名】アビラ エム.ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー リン ギオイノ
(72)【発明者】
【氏名】デイル カーティス ラーソン
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-089713(JP,A)
【文献】特開2001-131495(JP,A)
【文献】特開2002-065825(JP,A)
【文献】特開2010-077182(JP,A)
【文献】特開昭62-072800(JP,A)
【文献】特表平09-503804(JP,A)
【文献】特開2010-077181(JP,A)
【文献】特開平11-217541(JP,A)
【文献】特開2006-340931(JP,A)
【文献】特開昭59-206476(JP,A)
【文献】特開平11-217545(JP,A)
【文献】特開2005-008706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D1/00-19/00
A47L11、13
C09G1
B08B3
C08L1/00-101/16
C08K3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除去不可能なコーティングを有する床を修復する方法であって、前記方法は、
フロアケア組成物を前記床に塗布することを含み、前記フロアケア組成物が、
ワックスと、
メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)ポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマー及びこれらの組み合わせから選択される、500~2000の分子量を有するポリマーと
一つ又は複数の界面活性剤と、
80~99.9質量%の水と、を含み、
前記フロアケア組成物を前記床に塗布することが、60°で測定した前記床の光沢を、3ポイントを超えて増加させない、方法。
【請求項2】
前記フロアケア組成物を前記床に塗布することが、10回連続塗布後に、60°で測定した前記床の光沢を、5ポイントを超えて増加させない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フロアケア組成物の前記連続塗布が毎日塗布される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記フロアケア組成物の硬化を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フロアケア組成物が、モップがけ、ブラッシング、拭き取り、吹き付け、もしくは流し込みによって、または機械を用いて塗布される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記床が、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、またはUVコーティングされたポリウレタンの最上層を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、一時的なコーティングを提供する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、
0.001~0.1重量%のポリエチレンワックスエマルジョンと、
0.01~0.5重量%のアクリルコポリマーエマルジョンであって、前記アクリルコポリマーは、500~2000の分子量を有し、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)ポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマー及びこれらの組み合わせから選択される、アクリルコポリマーエマルジョンと、
0.005~0.5重量%のアルコールエトキシレートと、
0.001~0.1重量%のグリコールエーテル溶媒と、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
積層床を修復する方法であって、前記方法は、
フロアケア組成物を前記積層床に塗布することを含み、前記フロアケア組成物が、
ワックスと、
メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)ポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマー及びこれらの組み合わせから選択される、500~2000の分子量を有するポリマーと
一つ又は複数の界面活性剤と、
溶媒と、
80~99.9質量%の水と、を含み、
前記フロアケア組成物を前記積層床に5回連続で塗布することが、2μm未満の厚さの層の蓄積をもたらす、方法。
【請求項10】
前記フロアケア組成物を前記床に塗布することが、60°で測定した前記床の光沢を、3ポイントを超えて増加させない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フロアケア組成物を前記床に塗布することが、10回連続塗布後に、60°で測定した前記床の光沢を、5ポイントを超えて増加させない、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記フロアケア組成物の前記連続塗布が毎日塗布される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、前記フロアケア組成物の硬化を含まない、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記フロアケア組成物が、モップがけ、ブラッシング、拭き取り、吹き付け、もしくは流し込みによって、または機械を用いて塗布される、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記床が、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、またはUVコーティングされたポリウレタンの最上層を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、一時的なコーティングを提供する、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、
0.001~0.1重量%のポリエチレンワックスエマルジョンと、
0.01~0.5重量%のアクリルコポリマーエマルジョンであって、前記アクリルコポリマーは、500~2000の分子量を有し、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)ポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマー及びこれらの組み合わせから選択される、アクリルコポリマーエマルジョンと、
0.005~0.5重量%のアルコールエトキシレートと、
0.001~0.1重量%のグリコールエーテル溶媒と、を含む、請求項9~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
床を洗浄する方法であって、前記方法は、組成物を前記床に塗布することを含み、前記組成物が、
0.001~0.1重量%のポリエチレンワックスエマルジョンと、
0.01~0.5重量%のアクリルコポリマーエマルジョンであって、前記アクリルコポリマーは、500~2000の分子量を有し、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)ポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマー及びこれらの組み合わせから選択される、アクリルコポリマーエマルジョンと、
0.005~0.5重量%のアルコールエトキシレートと、
0.001~0.1重量%のグリコールエーテル溶媒と、
水と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年5月2日にPCT国際出願として出願され、2017年5月11日に出願された米国仮出願第62/504,869号の優先権と利益を主張し、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、床表面を処理するための組成物および組成物の使用方法に関する。開示された組成物は、床表面を洗浄するか、損傷を修復するか、または床の元の外観を維持する。開示された組成物はまた、床に恒久的な仕上げを提供しないか、一時的であるか、塗布後に床の光沢を有意に増加させないか、または塗布後に床の仕上げ外観を有意に変化させない。
【背景技術】
【0003】
全てのフローリングは、経時的に消耗されやすい。フローリング材料は、摩耗を防止または遅延させるために、製造業者によって処理され得るか、または取り付け後に処理され得る。高級ビニールフローリングと称されることもある改良されたビニールフローリング材料は、住宅環境および商業環境の両方においてますます人気が高まっている。以前は住宅での使用に割り当てられていたが、より優れた保護コーティングまたは「摩耗層」の進化により、救急病院、介護施設、ホスピタリティ、オフィスビル、学校、大学、小売り環境などの市場への浸透が可能になってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のビニール複合タイル(VCT)フローリングにおいて、ビニールは、使用すると比較的早く摩耗し、修復する必要がある仕上げで処理される。対照的に、特定のハイエンドの高級ビニール床材料では、耐摩耗性があり、実質的にメンテナンスフリーであるか、またはメンテナンスがほとんど必要ない、非常に硬く耐久性のある摩耗層が使用される。この層により、高級ビニール床材料は、住宅地において実質的にメンテナンスフリーになる。ただし、このようなフローリング材料が人の出入りが多いエリア、例えば小売り店、レストラン、ホテル、ヘルスケア施設、病院、介護施設などの商業ビルで使用される場合、経時によって、非常に硬い摩耗層でさえも摩耗し得、メンテナンスが必要になり得る。高度に架橋されたシステムおよび他の新規な化学作用による摩耗層の耐性品質のために、典型的な修復手段は効果がないことがわかっている。摩耗層は、典型的な剥離材料および方法に耐性があり、従来の床仕上げは、多くの場合床に付着しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、ワックス、樹脂、界面活性剤、および希釈剤を含むフロアケア組成物に関する。特定のワックス、樹脂、界面活性剤、および希釈剤は、本明細書に記載されているそれらの材料のリストからそれぞれ独立して選択され得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、ワックス、樹脂、界面活性剤、および希釈剤を含むフロアケア組成物に関する。好適な実施形態では、ワックスは、ポリエチレンワックスエマルジョンであり、樹脂は、アクリルコポリマーエマルジョンであり、界面活性剤は、アルコールエトキシレートであり、希釈剤は、グリコールエーテルである。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物を床に塗布することによって、床を修復する方法に関する。この組成物は、ワックス、樹脂、界面活性剤、および希釈剤を含む。好適な実施形態では、ワックスは、ポリエチレンワックスエマルジョンであり、樹脂は、アクリルコポリマーエマルジョンであり、界面活性剤は、アルコールエトキシレートであり、希釈剤は、グリコールエーテルである。この方法では、組成物を床に塗布することが、60°で測定した場合の床の光沢を、3ポイントを超えて変化させない。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物を床に塗布することによって、床を修復する方法に関する。この組成物は、ワックス、樹脂、界面活性剤、および希釈剤を含む。好適な実施形態では、ワックスは、ポリエチレンワックスエマルジョンであり、樹脂は、アクリルコポリマーエマルジョンであり、界面活性剤は、アルコールエトキシレートであり、希釈剤は、グリコールエーテルである。この方法では、組成物を連続で塗布することは、床に2μm未満の厚さの層の蓄積をもたらす。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物を床に塗布することによって、床を洗浄する方法に関する。組成物は、約0.001~約0.1重量%のポリエチレンワックスエマルジョン、約0.01~約0.5重量%のアクリルコポリマーエマルジョン、約0.005~約0.5重量%のアルコールエトキシレート、約0.001~約0.15重量%のグリコールエーテル溶媒、および水を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】積層床材料の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、床表面を維持するための方法および組成物に関する。具体的には、本開示は、床表面を洗浄または修復するための方法および組成物に関する。開示された組成物は、様々な床で使用され得るが、高級ビニールタイル、リノリウム、ゴム、およびシートビニールなどの特殊な床表面で特に有用である。
【0012】
従来の床仕上げ剤(床磨き剤、エマルジョン、ワックス、シーラー、またはシーラー仕上げ剤と称されることもある)は、典型的には、最初に床表面から以前の床仕上げ剤の層を剥離し、次いで床仕上げ剤組成物の1つ以上の層を表面に塗布することによって塗布される。剥離は、剥離組成物の使用、機械的手段、またはその両方によって行ってもよい。仕上げ組成物は、流し込み、モップがけ、吹き付けによって、または床洗浄機などの他の塗布手段によって、準備された(剥離された)床表面上に塗布および展延してもよい。床仕上げ組成物は、例えば、化学的硬化、またはUV使用によって硬化され得る。硬化仕上げは、光沢のある、メンテナンスしやすい仕上げのために、さらに研磨またはバフ研磨され得る。
【0013】
高耐久性の高級ビニール床などの特定のフローリング材料は、従来の剥離組成物および方法、ならびに従来の床仕上げ剤に対して耐性がある。図1に示されるように、高級ビニールフローリング1は、典型的には、コア層10(例えば、繊維板コア)と、木材、石、タイルなどの様々な他の材料を模倣し得る装飾着色および/またはテクスチャ層20とを含む多層製品として製造される。装飾層は通常、その装飾層を保護する透明摩耗層30で覆われている。フローリングはまた、下面40を含んでもよい。
【0014】
高耐久性ビニール床は、ポリシロキサン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン強化PVC、ポリウレタン、UVコーティングポリウレタン、または酸化アルミニウム、または石英強化ポリウレタンを含む摩耗層を有し得る。このような材料は、化学的および物理的摩耗の両方に耐性があるが、経時によって、高耐久性床、特に人の出入りが多い、商業用、または産業用にさらされるものでも、維持する必要がある。
【0015】
開示された組成物は、一時的または永続的ではないコーティングを床に適用する。本開示で使用されるように、「一時的」または「永続的ではない」という語句は、コーティングが通常の消耗または人の出入りで摩耗することを意味する。組成物はまた、中性またはアルカリ性の床洗浄剤、希釈された床剥離剤、または軽い圧力を使用して除去され得る。床の剥離プロセスで従来使用されていた激しい機械的作用や濃縮化学物質は、コーティングを除去するために必要ではない。
【0016】
「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt-%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(% by weight)」という用語、およびそれらの変形は、組成物の総重量に対する物質の重量としての、その物質の濃度を指す。「パーセント」および「%」という用語は、特に明記しない限り、「重量パーセント」および「重量%」と同義であることが意図される。
【0017】
本明細書で使用される、「実質的に含まない」という用語は、製品に含まれている成分の実質的な量がないことを示す(例えば、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または約5%などの付随的な量以下)。
【0018】
開示された組成物は、汚れを床から持ち上げて同時に除去し、保護膜の薄い層を床の消耗によって引き起こされた表面の傷に堆積させることによって、床表面を洗浄および修復する二重の利点を提供する。このような薄い膜層を堆積させることにより、組成物は、従来の床仕上げ剤のように床を「コーティング」しない。コーティングがないことは、開示された組成物での処理後、従来の床コーティングとして維持(例えば、除去、再塗布、バフ研磨、またはバニシング)される必要のあるコーティングが存在しないことを意味する。床の「メンテナンスなし」の利点は、組成物がメンテナンスの労力を増やしたり、バニシングまたは再コーティングの必要性をもたらさないため、そのまま残る。コーティングがないということはまた、床の元の外観が変わらないことを意味する。床は、家のような外観を保持し、表面にプラスチックの外観を与えない。開示された組成物は、床の光沢、床のトップコーティングの不透明度を変更したり、または床のパターンを遮ったり曇らせたりすることはない。組成物は、一時的または永続的ではないことを意図している。いくつかの実施形態では、組成物が一旦床に塗布されると、組成物は、5回連続塗布後、10回連続塗布後、または20回連続塗布後の、Bykのmicro-TRI-glossなどの業界標準の光沢計を使用して測定される、60°で測定した床の光沢が、5ポイントを超えて増加しない。いくつかの実施形態では、組成物を床に塗布することは、5回連続塗布後、10μm未満の厚さ、5μm未満の厚さ、または2μm未満の厚さの層の蓄積をもたらす。比較のために、典型的な床仕上げでは、厚さ約20~40μmのコーティングが作成される。
【0019】
組成物
組成物は、樹脂、1種以上の界面活性剤、および希釈剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、可塑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、可塑剤を含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、ウレタンを含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、床表面上で硬化せず、開示された方法は、フロアケア組成物の硬化を含まない。
【0020】
組成物は、1種以上のワックス、有機溶媒、希釈剤、増粘剤、湿潤剤、pH調整剤または緩衝剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、消泡剤、および可塑剤または合体剤を含む追加の機能成分をさらに含んでもよい。組成物はまた、香料や染料などの、組成物の外観を改良するための追加の成分を含んでもよい。
【0021】
好適なワックスの例としては、植物、動物、合成、および/または鉱物起源のワックス、ワックスエマルジョン、およびワックス分散液またはワックス混合物が挙げられる。代表的なワックスとしては、例えば、カルナバ、カンデリラ、ラノリン、ステアリン、蜜蝋、酸化ポリエチレンワックス、ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレン、エチレンとアクリル酸エステルのコポリマー、水素化ココナッツ油または大豆油、およびパラフィンまたはセレシンなどの鉱物ワックスが挙げられる。一つの好適なワックスは、ポリエチレンワックスエマルジョンである。
【0022】
好適な樹脂の例としては、天然樹脂、またはロジン樹脂、合成樹脂、アクリルポリマーまたはスチレン/アクリルポリマーなどの付加ポリマー、ポリエステルポリマーなどの縮合ポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリエーテルポリマー、ポリアルデヒドポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、およびそれらの組み合わせなどのポリマーが挙げられる。ポリマーは、典型的には、約500~2000の分子量を有する。例示的な有機ポリマーとしては、スチレンまたはビニルトルエンと、少なくとも1種のα-β-モノエチレン性不飽和酸、またはスチレン-無水マレイン酸樹脂、ポリオールと縮合したロジン/無水マレイン酸付加物などの無水物などとのコポリマーが挙げられる。例示的なアクリルポリマーとしては、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)ポリマーなどが挙げられるが、それらに限定されない。例示的なスチレン-アクリルポリマーとしては、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマーなどが挙げられるが、それらに限定されない。1つの好適なアクリルポリマーは、チェスターS.C.のOmnova Solutions、Inc.からの38%活性エマルジョンであるMor-Glo 2である。
【0023】
好適な有機溶媒の例としては、短鎖または長鎖または環状アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール)、アミン、アミド、エーテル(例えば、ヒドロキシエーテル)、ケトン、炭酸ジアルキル、精油、エステル(例えば、環状エステル、二塩基性エステル、およびフタル酸エステル)、含酸素溶媒(例えば、グリコールエーテル)、およびそれらの混合物が挙げられる。例示的な溶媒としては、アセトアミドフェノール、アセトアニリド、アセトフェノン、2-アセチル-1-メチルピロール、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ベンジルオキシエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリ(エチレンイミン)などの水溶性または水分散性高分子アミン、酢酸アミル、アミルアルコール、ブタノール、3-ブトキシエチル-2-プロパノール、酢酸ブチル、プロピオン酸n-ブチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジエトキシエタノール、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジイソブチルカルビノール、ジイソブチルケトン、ジメチルヘプタノール、ジプロピレングリコールtert-ブチルエーテル、エタノール、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、プロピオン酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、グリセリン、ヘキサノール、イソブタノール、酢酸イソブチル、イソブチルヘプチルケトン、イソホロン、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルアミルアルコール、メチルn-アミルケトン、2-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1-ペンタノール、n-ペンチルプロピオネート、1-プロパノール、n-プロピルアセテート、n-プロピルプロピオネート、プロピレングリコール、プロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチル3-エトキシプロピオネート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルが挙げられる。代表的な炭酸ジアルキルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、および炭酸ジブチルが挙げられる。代表的な精油としては、ベンズアルデヒド、ピネン(アルファ、ベータなど)、テルピネオール、テルピネン、カルボン、シンナムアルデヒド、ボルネオールおよびそのエステル、シトラール、イオネン、ジャスミン油、リモネン、ジペンテン、リナロールおよびそのエステルが挙げられる。代表的な二塩基性エステルとしては、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、およびグルタル酸ジブチルが挙げられる。代表的なフタル酸エステルとしては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシル、およびフタル酸ジエチルが挙げられる。
【0024】
好適な界面活性剤の例としては、水溶性または水分散性非イオン性、半極性非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性、もしくは双性界面活性剤、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。界面活性剤は、界面活性剤の組み合わせであってもよい。
【0025】
非イオン性界面活性剤
好適な非イオン性界面活性剤の例としては、BASF Corp.製の市販品Pluronic(登録商標)およびTetronic(登録商標)を含むブロックポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物;Rhone-Poulenc製の市販品Igepal(登録商標)およびUnion Carbide製の市販品Triton(登録商標)を含むアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物;BASF製の市販品Lutensol(登録商標)、Shell Chemical Co.製の市販品Neodol(登録商標)、およびVista Chemical Co.製の市販品Alfonic(登録商標)を含む4~24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物;Henkel Corporation製の市販品Nopalcol(登録商標)、およびLipo Chemicals, Inc.製の市販品Lipopeg(登録商標)を含む直鎖または分岐鎖カルボン酸とエチレンオキシドとの縮合生成物;ならびにグリセリド、グリセリン、および多価アルコールとの反応により形成されるアルカン酸エステルが挙げられる。
【0026】
非発泡性、低発泡性、または消泡性の非イオン性界面活性剤の特定の例としては、商品名Genapol EP(登録商標)で市販されている脂肪アルコールポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン付加物;商品名Pluronic(登録商標)RおよびTetronic(登録商標)Rで市販されている、「逆」PluronicsまたはTetronicsと称されることもある、分子の外側(端部)に疎水性ブロック有するブロックポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物;および疎水性小分子との反応によって、または末端ヒドロキシル基を塩化物基に変換することによって、末端ヒドロキシル基を「キャップする」または「端部ブロックする」ことで変性される非イオン性界面活性剤が挙げられる。非発泡性の非イオン性界面活性剤の他の例としては、米国特許第2,903,486号において提示されているアルキルフェノキシポリエトキシアルカノール;米国特許第3,048,548号のポリアルキレングリコール縮合物;米国特許第3,382,178号の一般式Z[(OR)OH]を有する消泡性の非イオン性界面活性剤(式中、Zは、アルコキシル化可能な物質であり、Rは、ラジカルであり、nは、10~2,000であり、zは、反応性のオキシアルキル化可能な基の数によって決定される);米国特許第2,677,700号に記載されている共役ポリオキシアルキレン化合物;および米国特許第2,674,619号に記載されている共役ポリオキシアルキレン化合物が挙げられる。
【0027】
アルコキシル化(例えば、エトキシル化またはプロポキシル化)C~C18脂肪アルコールは、本発明の組成物中の使用に適切な界面活性剤である。適切なアルコキシル化アルコールの例は、ニュージャージー州、フローハムパークのBASF Corp.からLUTENSOL XP(登録商標)として市販されているエトキシル化C10アルコールである。
【0028】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は、洗剤界面活性剤として有用であるが、ゲル化剤、またはゲル化もしくは増粘システムの一部として、可溶化剤として、また屈水性効果および曇り点制御にも有用である。本組成物は、1つ以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。本組成物に好適なアニオン性界面活性剤として、アルカン酸およびアルカノエート、カルボン酸エステル(例えば、コハク酸アルキル)、エーテルカルボン酸などのカルボン酸およびそれらの塩;リン酸エステルおよびそれらの塩;イセチオネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルホネート、スルホサクシネートなどのスルホン酸およびそれらの塩;ならびに、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェートなどの硫酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
【0029】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤の一般的に使用される基は、アルキルアミンおよびアミドアミンなどのアミンである。アミン基は、例えば、アルキルアミンおよびそれらの塩、アルキルイミダゾリン、エトキシル化アミン、ならびに第四級アンモニウム化合物およびそれらの塩を含む。他のカチオン性界面活性剤は、アミン化合物に類似した硫黄(スルホニウム)およびリン(ホスホニウム)系化合物を含む。
【0030】
両性(amphoteric)および双性(zwitterionic)界面活性剤
両性および双性界面活性剤としては、第二級および第三級アミンの誘導体、複素環式第二級および第三級アミンの誘導体、または第四級アンモニウムの誘導体、第四級ホスホニウムもしくは第三級スルホニウム化合物が挙げられる。アンモニウム、ホスホニウム、またはスルホニウム化合物は、脂肪族置換基、例えば、アルキル基、アルケニル基、もしくはヒドロキシアルキル基か、アルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基か、またはカルボキシレート基、スルホネート基、サルフェート基、ホスホネート基、もしくはホスフェート基かで置換され得る。ベタインおよびスルタイン界面活性剤は、組成物中で使用するための例示的な双性イオン性界面活性剤である。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物は、配合の柔軟性および可塑性を促進するための可塑剤としても作用する界面活性剤を含む。可塑剤としても機能し得る例示的な界面活性剤としては、アルコールエトキシレート、両性カルボキシレート、スルホン酸ナトリウム、アミノカルボキシレート、アミンオキシド、アルコキシレートポリマー、EO/POコポリマー、およびオクチルアミノプロプリオネートが挙げられる。界面活性剤の選択は、可塑剤特性も有する界面活性剤に限定されず、追加のまたは異なる界面活性剤が選択され得る。
【0032】
組成物はまた、希釈剤も含み、これは、典型的には水であり、1種以上の好適な有機溶媒を含有してもよい。
【0033】
組成物は、任意に1種以上の増粘剤を含んでもよい。例示的な増粘剤としては、カラギーナン、カッシアガム、ジウタンガム、ジェランガム、グアルガム、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、ウィーランガム、およびキサンタンガムなどのゴムおよび他の多糖類;寒天などのアルギン酸塩;エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のアルキルまたはヒドロキシアルキルセルロースエーテルなどのセルロースエーテル;アクリル酸コポリマー;ポリエチレングリコールおよびメトキシポリエチレングリコールなどのポリエチレンオキシド(例えば、高分子量ポリエチレンオキシド);ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;澱粉;ポリウレタン;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー;ならびにそれらの混合物が挙げられる。水増粘剤としてはまた、疎水性変性エトキシウレタン(HEUR)増粘剤、疎水性変性アルカリ可溶性エマルジョン(HASE)増粘剤、疎水性変性ヒドロキシエチルセルロース(HM-HEC)増粘剤、およびHEUR-ASE組み合わせ増粘剤も挙げることもできる。固体として表される増粘剤の量は、総濃縮物重量の約0.1~約30%、約2~約20%、または約3~約10%であってもよい。
【0034】
組成物は、床上への組成物の展延を支援するために、1種以上の湿潤剤を任意に含んでもよい。例示的な湿潤剤として、アニオン性フッ素系界面活性剤、シリコーン変性ポリアクリレート、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、脂肪アルコールアルコキシレート、およびポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが挙げられる。湿潤剤の固体としての量は、総濃縮物重量の約0.05~約0.20%、約0.05~約0.50%、または約0.01~約1.0%であってもよい。
【0035】
組成物のpHは、好ましくは約5~約10、または約6~約8の範囲である。pHは、様々な塩基、酸、または緩衝剤を使用して調整され得る。例示的な酸としては、クエン酸、酢酸、乳酸などの有機酸、および無機酸が挙げられる。例示的な塩基としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。例示的な緩衝剤としては、ホスフェート、カルボネート、アミン、ビカルボネート、およびシトレートが挙げられる。例示的なホスフェートとしては、無水モノ-、ジ-、またはトリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、およびピロリン酸四カリウムが挙げられる。例示的なカルボネートとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸セスキが挙げられる。例示的なクエン酸塩としては、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムが挙げられる。例示的なアミンとしては、尿素、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびモルホリンが挙げられる。
【0036】
組成物として、任意に1種以上のヒドロトロープまたは可溶化剤を挙げることができる。ヒドロトロープは、組成物の安定性を補助するため、かつ他の成分とカップリングさせることによって水性配合物中の他の成分を可溶化するのを助けるために、組成物中に含まれ得る。用いられ得るヒドロトロープカップリング剤または安定化剤の代表的な部類は、アルキルスルフェートおよびアルカンスルホネート、線状アルキルベンゼンまたはナフタレンスルホネート、二級アルカンスルホネート、アルキルエーテルスルフェートまたはスルホネート、アルキルホスフェートまたはホスホネート、ジアルキルスルホコハク酸エステル、糖エステル(例えばソルビタンエステル)、アミンオキシド(モノ-、ジ-、またはトリ-アルキル)およびC8~10アルキルグルコシド等のアニオン性界面活性剤を含む。好ましいヒドロトロープとしては、ミネソタ州、セントポールのEcolab Inc.からNAS 8Dとして入手可能なn-オクタンスルホネート;n-オクチルジメチルアミンオキシド;アルキルベンゼンスルホネート(例えば、キシレンスルホネート)またはナフタレンスルホネートなど一般に入手可能な芳香族スルホネート;および1~約40のエチレン、プロピレン、またはブチレンオキシド単位を有するアリール、またはアルカリールホスフェートエステル、またはそれらのアルコキシル化類似体が挙げられる。他の好ましいヒドロトロープには、C~C24アルコールアルコキシレート(エトキシレート、プロポキシレート、またはブトキシレート)の非イオン性界面活性剤、C~C24アルキルフェノールアルコキシレート、C~C24アルキルポリグリコシド;C~C24脂肪酸エステルエトキシレート、プロポキシレートまたはグリセリド、およびC~C12モノまたはジアルカノールアミドが挙げられる。組成物は、約0~約15重量%、約0.005~約7重量%、約0.1~約12重量%、約0.5~約10重量%、約1.0~約8重量%、または約2.0~約5.0重量%のヒドロトロープまたは可溶化剤を含有してもよい。
【0037】
組成物は、任意に可塑剤または合体剤を含有してもよい。可塑剤は、典型的には、ポリマーと会合することができ、それによりポリマーまたは組成物自体の物理的特性を変性できる化合物または混合物である。例えば、可塑剤は、硬度、柔軟性、ガラス転移温度(Tg)を変化させて、連続膜を形成するのに役立ち得る。例示的な可塑剤としては、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、リン酸トリフェニル、フタル酸2-エチルヘキシルベンジル、フタル酸ブチルシクロヘキシル、混合安息香酸、およびペンタエリスリトールの脂肪油酸エステル、ポリ(アジピン酸プロピレン)ジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、テトラブチルチオジ-スクシネート、ブチルフタリルブチルグリコレート、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、セバシン酸ジベンジル、リン酸トリクレシル、リン酸トリブトキシエチル、トルエンエチルスルホンアミド、ヘキサメチレングリコールジフタレートのジ-2-エチルヘキシルエステル、ジ-(メチルシクロヘキシル)-フタレート、およびリン酸トリブチルが挙げられる。例示的な合体剤としては、ジエチレングリコールまたはジプロピレングリコールのモノブチル、モノエチル、モノメチルまたは他のモノアルキルエーテル、イソホロン、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、および3-メトキシブタノール-1が挙げられる。いくつかの実施形態では、可塑剤または合体剤は、約0~約10重量%、約0~約5重量%、または約0~約2重量%で存在する。いくつかの実施形態では、可塑剤の量は、1.0重量%未満、または0.5重量%未満に限定される。いくつかの実施形態では、組成物は、可塑剤または合体剤を含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、界面活性剤特性と可塑剤特性の両方を有する界面活性剤を含む。
【0038】
組成物は、任意に消泡剤を含有してもよい。例示的な消泡剤は、ポリジメトシロキサンである。いくつかの実施形態では、消泡剤は、約0~約2重量%、約0~約1重量%、または約0~約0.5重量%で存在する。いくつかの実施形態では、消泡剤の量は、0.3重量%未満、または0.2重量%未満に限定される。
【0039】
組成物は、1種以上の香料または染料をさらに含み得る。
【0040】
組成物は、濃縮物として、またはすぐに使用できる溶液として提供され得る。濃縮物は、そのまま使用することができるか、またはさらに希釈されて使用溶液を提供することができる。組成物が濃縮物として提供される場合、組成物は、固体の形態(例えば、粉末、ブロック、錠剤、ペレット、顆粒など)、または液体の形態(例えば、自由流動性液体、増粘された液体、エマルジョン、ゲル、またはペースト)であってもよい。すぐに使用できる溶液は、水薄液、増粘された液体、エマルジョン、ゲル、またはペーストとして配合され得る。
【0041】
実施形態に従って、組成物は、1種以上の希釈剤を含んでもよい。好適な実施形態では、希釈剤は水である。本組成物の濃縮液は、約10~約95重量%、約25~約75重量%、または約30~約70重量%の希釈剤(例えば、水または水性液体)を含んでもよい。濃縮物(液体または固体)は、使用溶液を調製するために、使用者によって水または別の好適な希釈剤で希釈してもよい。例えば、濃縮物組成物は、使用前に、約10部~1,000部の水に対して約1部の濃縮物の比率で水で希釈することができる。希釈が、濃縮物の濃度および所望の使用溶液に依存することは、当業者に理解される。
【0042】
いくつかの実施形態において、使用溶液(使用溶液または濃縮物から調製される使用溶液のいずれかとして調合された組成物)は、約80~約99重量%、または約90~約99重量%、または約95~約99重量%の水を含む。例示的な実施形態において、使用溶液は、約97~約99重量%の水を含む。本組成物の例示的な配合物は、以下の表1に示される。
【表1】
【0043】
床の光沢は、Bykのmicro-TRI-glossなどの業界標準の光沢計を使用して試験され得る。
【0044】
床のコーティングの厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して決定され得る。
【0045】
塗布方法
開示された組成物は、洗浄するか、損傷を修復するか、またはフローリング表面を元の外観に修復する方法で使用され得る。いくつかの実施形態では、床は、任意に最初に洗浄されるか、掃き掃除されるか、または掃除機がけされて、ゆるい破片を取り除く。組成物は、吹き付け(例えば、トリガー噴霧器、ポンプ噴霧器、エアロゾルを用いて、またはモップに設置された内蔵の噴霧装置を用いて)、潮吹き、ブラッシング、フラットまたはストリングモップがけ、ロールコーティング、ペイントローラーを用いる塗布、Tバーアプリケーターを用いる塗布、床洗浄機などの機械の使用、およびフラッドコーティングを含む、様々な方法および道具を使用して塗布され得る。モップ塗布、特にフラットモップがけは、ほとんどの床のコーティングに好適である。好適なモップとしては、米国特許第5,315,734号、第5,390,390号、第5,680,667号、および第5,887,311号に記載されているものが挙げられ、その全開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。組成物は、擦り磨きパッド、研磨パッド、ラグ、または任意の他の好適な方法など、パッドを使用して床上でこすり落とされ得る。展延およびこすり落としは、別々のステップとして実行することも、単一のステップとして同時に実行することもできる。
【0046】
例示的なモップヘッドとしては、Amsanから入手可能なものなどのストリングモップ、およびRubbermaid、Unger、またはEcolabから入手可能なものなどのフラットモップが挙げられる。モップヘッド材料は、例えば、綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、またはそれらの組み合わせで作製され得る。モップヘッドは、好ましくは、ポリエステルおよびナイロンミクロ繊維から作製されるフラットモップである。典型的な塗布率は、1ガロンあたり2000平方フィートであるが、床表面および所望の性能に応じて、他の率を使用してもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、1日に複数回、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1日置き、週に1回、週に数回、隔週、または1月に1回、床に塗布される。
【0047】
組成物は、様々な床基材に塗布され得る。組成物は、高級ビニール、積層体、ゴム、リノリウム、およびシートビニール床に特に有用であるが、床の外観を維持するか、床の剥離と再仕上げの間の時間を延長するか、または消耗の出現を低減させるために、任意の床に使用され得る。代表的なフローリング基材としては、例えば、シート製品(例えば、ビニールフローリング、リノリウム、またはゴムシート)、ビニール複合タイル、高級ビニールタイル、ビニールアスベストタイル、ゴムタイル、コルク、合成スポーツ床などの弾力性基材、コンクリート、石、大理石、木材、竹、セラミックタイル、グラウト、テラゾー、および他の流し込み、または「ドライシェーク」床、エポキシ、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびメチルメタクリレート(MMA)などの非弾力性基材が挙げられる。組成物は、(例えば、マット床仕上げから光沢仕上げへの変更、または光沢床仕上げからマット仕上げへの変更のいずれかによる)床の元の外観または仕上げの変更をせずに、消耗からの損傷の可視性を低減させることが望ましい、高級ビニールタイルおよび他のフローリングタイプでの使用に特に有用である(例えば、マット床仕上げから光沢仕上げへの変更、または光沢床仕上げからマット仕上げへの変更のいずれかによる)。
【実施例
【0048】
実施例1
実施例1は、組成物の連続塗布後の高級ビニールタイル材料の光沢の変化を評価した。試験した配合を、以下の表2に示す。
【表2】
【0049】
配合AおよびBを、使い捨てピペットを使用して液体製品のラインをタイルに塗布すること、およびマイクロファイバー床仕上げアプリケーターパッドで展延することによって、4種類異なる色の高級ビニールタイル試料に塗布した。タイル試料は、Tardus Centiva American Cherry(色が茶色)、Johnsonite Falcon(色が濃い茶色)、Natural Creations Ronoak Charcoal(色が黒)、およびNatural Creations Fruitwood Alabaster(色が白)であった。組成物を乾燥させ、次いでタイルの光沢を、Bykのmicro-TRI-glossなどの業界標準の光沢計を用いて測定した。光沢測定を、20度および60度で行った。再びマイクロファイバー仕上げアプリケーターパッドを用いて組成物をタイル上に展延することによって、組成物の追加の層を前の層の上のタイルに塗布した。新規な組成物を乾燥させ、次いで追加の光沢測定を行った。合計20回の塗布でプロセスを繰り返した。結果を表3および4に記録する。
【表3】
【表4】
【0050】
経験則では、訓練を受けたオペレーターは、3ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得るが、一方、平均的な人は、5ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得る。表3および4は、20回の連続塗布を通してのタイルの光沢の変化は、訓練を受けた観察者または訓練されていない観察者のいずれにとっても重要ではなく視覚的に知覚できないことを示している。
【0051】
実施例2
実施例2は、表5に記載される2種の配合の連続塗布後のリノリウムタイル材料の光沢の変化を評価し、市販の競合製品に対して試験した。
【表5】
【0052】
Forboリノリウムフローリングの6種の異なる試料を、荷重緑色の擦り磨きパッドを使用して、最初に傷を付け、Modular T3233、MCT-621、Concrete 3707、Real 3136、Piano 3629、およびStriato 5216フローリングを含むガードナー直線摩耗装置で20回または40回通過させた。競合他社の製品を、製造業者のラベルの指示に従って、2オンス/ガロンと13オンス/ガロンに希釈した。次いで、使い捨てピペットを使用して液体使用溶液製品のラインをタイルに塗布し、マイクロファイバー床仕上げアプリケーターパッドを用いて展延することによって、傷の付いたリノリウムを処理した。組成物を乾燥させ、次いでタイルの光沢を、Bykのmicro-TRI-glossなどの業界標準の光沢計を用いて測定した。光沢測定を、20度および60度で行った。再びマイクロファイバー仕上げアプリケーターパッドを用いて組成物をタイル上に展延することによって、組成物の追加の層を前の層の上のタイルに塗布した。新規な組成物を乾燥させ、次いで追加の光沢測定を行った。より濃縮された溶液の合計5回の塗布、またはより希釈された溶液の合計20回の塗布についてのプロセスを繰り返した。結果を表6~9に記録する。
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0053】
経験則では、訓練を受けたオペレーターは、3ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得るが、一方、平均的な人は、5ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得る。表4および5は、全ての連続塗布を通してのタイルの光沢の変化は、訓練を受けた観察者または訓練されていない観察者のいずれにとっても重要ではなく視覚的に知覚できないことを示している。表8および9は、競合製品の結果を示しており、対応する本発明の配合と比較すると、より高い推奨濃度で使用した場合、光沢が向上する。さらに、競合製品によって引き起こされる光沢の増加は、より高い推奨濃度で使用した場合、容易に認識できる。
【0054】
実施例3
実施例3は、表10に記載された2種の配合の連続塗布後のシートビニール材料の光沢の変化を評価した。
【表10】
【0055】
シートビニールフローリングの2つの異なる試料、Johnsonite Melodia QuartzおよびMannington Biospec Bright Whiteを、荷重緑色の擦り磨きパッドを使用して、最初に傷を付け、ガードナー直線摩耗装置で30回通過させた。市販の競合製品を、製造業者のラベルの指示に従って、2オンス/ガロンと13オンス/ガロンに希釈し、比較のためにJohnsonite Melodia Quartzで試験した。次いで、使い捨てピペットを使用して液体使用溶液製品のラインをタイルに塗布し、マイクロファイバー床仕上げアプリケーターパッドを用いて展延することによって、傷の付いたシートビニールを処理した。組成物を乾燥させ、次いでタイルの光沢を、Bykのmicro-TRI-glossなどの業界標準の光沢計を用いて測定した。光沢測定を、20度および60度で行った。再びマイクロファイバー仕上げアプリケーターパッドを用いて組成物をタイル上に展延することによって、組成物の追加の層を前の層の上のタイルに塗布した。新規な組成物を乾燥させ、次いで追加の光沢測定を行った。より濃縮された溶液の合計5回の塗布、またはより希釈された溶液の合計20回の塗布についてのプロセスを繰り返した。結果を表11および12に記録する。
【表11】
【表12】
【0056】
経験則では、訓練を受けたオペレーターは、3ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得るが、一方、平均的な人は、5ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得る。表11は、全ての連続塗布を通してのタイルの光沢の変化は、訓練を受けた観察者または訓練されていない観察者のいずれにとっても重要ではなく視覚的に知覚できないことを示している。表12は、競合製品の結果を示しており、対応する本発明の配合と比較すると、より高い推奨濃度で使用した場合、光沢が向上する。さらに、競合製品によって引き起こされる光沢の増加は、容易に認識できる。
【0057】
実施例4
実施例4は、表13に記載された2種の配合の連続塗布後のゴムフローリングの光沢の変化を評価し、市販の競合製品に対して試験した。
【表13】
【0058】
Noraゴムフローリングの2つの異なる試料、Norament Hammered Dust GreyおよびNoraplan Valua Charboalを、荷重緑色の擦り磨きパッドを使用して、最初に傷を付け、ガードナー直線摩耗装置で10回または20回通過させた。競合他社の製品を、製造業者のラベルの指示に従って、2オンス/ガロンと13オンス/ガロンに希釈した。次いで、使い捨てピペットを使用して液体使用溶液製品のラインをタイルに塗布し、マイクロファイバー床仕上げアプリケーターパッドを用いて展延することによって、傷の付いたリノリウムを処理した。組成物を乾燥させ、次いでタイルの光沢を、Bykのmicro-TRI-glossなどの業界標準の光沢計を用いて測定した。光沢測定を、20度および60度で行った。再びマイクロファイバー仕上げアプリケーターパッドを用いて組成物をタイル上に展延することによって、組成物の追加の層を前の層の上のタイルに塗布した。新規な組成物を乾燥させ、次いで追加の光沢測定を行った。より濃縮された溶液の合計5回の塗布、またはより希釈された溶液の合計20回の塗布についてのプロセスを繰り返した。結果を表14および15に記録する。
【表14】
【表15】
【0059】
経験則では、訓練を受けたオペレーターは、3ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得るが、一方、平均的な人は、5ポイント以上の光沢の変化を視覚的に検出し得る。表14は、Norament Hammered Dust Grey上での繰り返しの製品の使用により、60°で測定した場合のいくらかの光沢が形成されることを示している。しかし、表15は、同等の高い希釈率で競合製品の繰り返しの使用により、60°で測定した場合のさらに増した光沢が形成されることを示している。
【0060】
実施例5
実施例5は、床タイルへの組成物の付着性を調査した。実施例5に使用される配合を、以下の表16に記載する。
【表16】
【0061】
付着性試験を、Armstrong Natural Creations Fruitwood Alabaster(色が白)およびCentiva Starnet(色が濃い灰色)の2種の高級ビニールタイル試料で実行した。ASTM D3359に準拠して、硬化コーティングをマルチプライドスコアリングツールを使用してクロスハッチパターンでカット/スコアリングし、テープをスコアリング領域に貼り付けて、テープをタイルから素早く引き剥がした。組成物の床への付着性を、テープによってどれだけのコーティングが除去されたかに応じて、0~5のスケールで視覚的に評価した。評価5は、コーティング損失がないことに起因する完全な付着性であり、評価4は、コーティング損失が5%未満であり、評価3は、コーティング損失が5~15%である。試験を、フローリングを乾燥させ、床にスコアリングする前後の両方で水を床につけた状態で実行した。その結果を表17に示す。
【表17】
【0062】
表17は、床に床仕上げ剤を塗布する場合に必要なものに匹敵すると考えられる方法で、本発明が高級ビニールに付着することを示している。フローリング基材に塗布された膜は、湿潤条件下、特に半永久的または永久的とは見なされないコーティングの下で試験する場合、完全ではないにしても部分的に除去されることが多いことは当業者に周知である。
【0063】
実施例6
実施例6は、現在市場で入手可能な競合製品と比較した、リノリウム、ゴム、およびシートビニールに関する表18に記載された配合の付着性能を判定した。
【表18】
【0064】
各フローリング基材の6”×6”試料を、フローリング1平方フィート当たり2gの製品の率で塗布される試験溶液で処理した。試験溶液を5回塗布して、試験を可能にするのに十分な材料がフローリングに残っていることを確認した。5回目の塗布後、フローリングを、試験前に1週間硬化させた。試験を、NORA RubberのNoraplan Valua、Norament Hammered、およびNorament Granoの3種の試料で実行した。この試験を、シートビニールの2種の試料、Johnsonite Melodia QuartzおよびMannington Biospec Bright Whiteでも実行した。さらに、試験を、Forboリノリウムの6種の試料、Modular T3233、MCT-621、Concrete 3707、Real 3136、Piano 3629、およびStriato 5216で実行した。
【0065】
ASTM D3359に準拠して、硬化コーティングをマルチプライドスコアリングツールを使用してクロスハッチパターンでカット/スコアリングし、テープをスコアリング領域に貼り付けて、テープをタイルから素早く引き剥がした。組成物の床への付着性を、テープによってどれだけのコーティングが除去されたかに応じて、0~5のスケールで視覚的に評価した。評価5は、コーティング損失がないことに起因する完全な付着性であり、評価4は、コーティング損失が5%未満であり、評価3は、コーティング損失が5~15%である。試験を、フローリングを乾燥させ、床にスコアリングする前後の両方で水を床につけた状態で実行した。その結果を表19に示す。
【表19】
【0066】
表19は、床に床仕上げ剤を塗布する場合に必要なものに匹敵すると考えられる方法で、本発明がシートビニール、リノリウム、および一部のゴム製フローリングに付着するが、市場で入手可能な現在の製品は付着しないことを示している。フローリング基材に塗布された膜は、湿潤条件下、特に半永久的または永久的とは見なされないコーティングの下で試験する場合、完全ではないにしても部分的に除去されることが多いことは当業者に周知である。
【0067】
実施例7
例7は、例5の配合についての接触角を決定した。接触角を、液滴形状分析ソフトウェアを備えるFTA200接触角ゴニオメーターを使用して、洗浄液の液滴とタイル表面の交点の角度を測定することにより決定した。実験配合をHP Neutralに対して試験しHP Neutralは、Ecolab Inc.(ミネソタ州セントポール)から市販されている高性能中性床洗浄剤である。その結果を表20に示す。
【表20】
【0068】
表20は、本発明が、確立された床洗浄剤よりも良くないにしても、それに匹敵する表面を効果的に濡らすことを示している。経験則では、測定された接触角が90°未満であると、溶液が表面を効果的に濡らし、測定された接触角の5度超の差は有意な相違と見なされ、濡れの実際の差と観察可能な差が示される。
【0069】
実施例8
例8は、反射率の変化率パーセンテージを決定した。反射率の変化率パーセンテージは、除去された汚れの量の指標であり、値が高いほど、汚れの除去と洗浄性能が良好である。反射率の変化率パーセンテージを、洗浄前後のタイルのHunter MiniScan測定器で測定されたL*の合成色数を比較することによって決定した。試験された配合を、ブランクとしての普通水と、市販の高性能中性床洗浄剤であるHP Neutralと比較した。試験した配合を、以下の表21に記載する。
【表21】
【0070】
結果を表22および23に示す。
【表22】
【表23】
【0071】
表22および23からの結果は、本発明が、普通水よりも有意に良好であり、確立された中性床洗浄剤に匹敵する業界標準の黒い汚れを除去することを示している。
【0072】
実施例9
実施例9は、フローリングが標準的な床洗浄剤で洗浄される場合の本発明の除去可能性を示している。様々な接触時間で洗浄剤をタイルに塗布し、ペーパータオルでタイルをそっと拭いて、除去が発生したかどうかを判定した。結果を表24に記載する。
【表24】
【0073】
表24からの結果は、標準的な洗浄剤化学作用を使用して、床から本発明を除去する能力を示している。
【0074】
開示された組成物および方法の特定の実施形態が説明されてきたが、他の実施形態も存在し得る。本明細書は詳細な説明を含むが、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。さらに、本明細書は、構造的特徴および/または方法的作用に特異的な言語で記載されているが、特許請求の範囲は、上述の特徴または作用に限定されない。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、組成物および方法の例示的な態様および実施形態として開示される。様々な他の態様、実施形態、修正、およびそれらの等価物は、本明細書の説明の読後、発明の主旨または特許請求される主題の範囲から逸脱することなく当業者には連想され得る。本開示の実施形態の例を以下の項目[1]~[30]に列記する。
[1]
除去不可能なコーティングを有するフローリング用のフロアケア組成物であって、前記組成物は、
約1~約8重量%の樹脂、
約0.02~約40重量%の界面活性剤、および
希釈剤を含む、組成物。
[2]
約0.1~約2重量%のワックスをさらに含む、項目1に記載の組成物。
[3]
前記ワックスが、ポリエチレンワックスエマルジョンである、項目2に記載の組成物。
[4]
前記樹脂が、アクリルコポリマーエマルジョンである、項目1~3のいずれか一項に記載の組成物。
[5]
前記界面活性剤が、アルコールエトキシレートである、項目1~4のいずれか一項に記載の組成物。
[6]
前記希釈剤が、有機溶媒および水のうちの少なくとも1つを含む、項目1~5のいずれか一項に記載の組成物。
[7]
前記有機溶媒が、グリコールエーテルを含む、項目6に記載の組成物。
[8]
前記界面活性剤が、可塑剤として作用し、前記組成物が他の可塑剤を含まない、項目1~7のいずれか一項に記載の組成物。
[9]
前記アルコールエトキシレートが、他の可塑剤の非存在下で、可塑剤として作用するのに有効な濃度で存在する、項目5に記載の組成物。
[10]
前記アルコールエトキシレートが、前記組成物の約0.02~約25重量%で存在する、項目5または9に記載の組成物。
[11]
前記アルコールエトキシレートが、ゲルベアルコールである、項目5に記載の組成物。
[12]
前記アルコールエトキシレートが、分岐アルコールエトキシレートである、項目5に記載の組成物。
[13]
前記組成物が、約0.005~約0.5重量%のシリコーンエマルジョンをさらに含む、項目1~12のいずれか一項に記載の組成物。
[14]
前記界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である、項目1に記載の組成物。
[15]
前記組成物が、ウレタンを含まない、項目1~14のいずれか一項に記載の組成物。
[16]
ヒドロトロープをさらに含む、項目1~15のいずれか一項に記載の組成物。
[17]
前記ヒドロトロープが、前記組成物の約0.005~約7%を構成する、項目16に記載の組成物。
[18]
除去不可能なコーティングを有する床を修復する方法であって、前記方法は、
フロアケア組成物を前記床に塗布することを含み、前記フロアケア組成物が、
ワックス、
樹脂、
一つ又は複数の界面活性剤、および
希釈剤、を含み、
前記フロアケア組成物を前記床に塗布することが、60°で測定した前記床の光沢を、3ポイントを超えて増加させない、方法。
[19]
前記フロアケア組成物を前記床に塗布することが、10回連続塗布後に、60°で測定した前記床の光沢を、5ポイントを超えて増加させない、項目18に記載の方法。
[20]
前記フロアケア組成物の前記連続塗布が毎日塗布される、項目19に記載の方法。
[21]
前記方法が、前記フロアケア組成物の硬化を含まない、項目18~20のいずれか一項に記載の方法。
[22]
前記フロアケア組成物が、モップがけ、ブラッシング、拭き取り、吹き付け、もしくは流し込みによって、または機械を用いて塗布される、項目18~21のいずれか一項に記載の方法。
[23]
前記床が、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、またはUVコーティングされたポリウレタンの最上層を含む、項目18~22のいずれか一項に記載の方法。
[24]
前記組成物が、一時的なコーティングを提供する、項目18~23のいずれか一項に記載の方法。
[25]
前記フロアケア組成物が、ワックスをさらに含む、項目18~24のいずれか一項に記載の方法。
[26]
前記希釈剤が、水を含む、項目18~25のいずれか一項に記載の方法。
[27]
前記希釈剤が、有機溶媒をさらに含む、項目26に記載の方法。
[28]
前記組成物が、
約0.001~約0.1重量%のポリエチレンワックスエマルジョン、
約0.01~約0.5重量%のアクリルコポリマーエマルジョン、
約0.005~約0.5重量%のアルコールエトキシレート、および
約0.001~約0.1重量%のグリコールエーテル溶媒、を含む、項目18~27のいずれか一項に記載の方法。
[29]
積層床を修復する方法であって、前記方法は、
フロアケア組成物を前記積層床に塗布することを含み、前記フロアケア組成物が、
ワックス、
樹脂、
一つ又は複数の界面活性剤、
溶媒、および
水、を含み、
前記フロアケア組成物を前記積層床に5回連続で塗布することが、2μm未満の厚さの層の蓄積をもたらす、方法。
[30]
床を洗浄する方法であって、前記方法は、組成物を前記床に塗布することを含み、前記組成物が、
約0.001~約0.1重量%のポリエチレンワックスエマルジョン、
約0.01~約0.5重量%のアクリルコポリマーエマルジョン、
約0.005~約0.5重量%のアルコールエトキシレート、
約0.001~約0.1重量%のグリコールエーテル溶媒、および
水、を含む、方法。
図1