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特許7144459閉ループにより冷却される電気的に閉鎖されたキャビネットを備えるオゾン発生機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】閉ループにより冷却される電気的に閉鎖されたキャビネットを備えるオゾン発生機
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20220921BHJP
   B63B 13/00 20060101ALI20220921BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20220921BHJP
   C01B 13/10 20060101ALI20220921BHJP
   C02F 1/78 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C01B13/11 M
B63B13/00 Z
B63H21/38 A
C01B13/10 D
C01B13/11 E
C02F1/78
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019570428
(86)(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2018067521
(87)【国際公開番号】W WO2019002531
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】17305839.7
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518155247
【氏名又は名称】スエズ・グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(74)【復代理人】
【識別番号】100196449
【弁理士】
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】スタンラン,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】シェラー,ティト
(72)【発明者】
【氏名】ラモイノ,ルカ
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502476(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103159180(CN,A)
【文献】中国実用新案第201898690(CN,U)
【文献】特表2010-504855(JP,A)
【文献】特開2006-145125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/11
B63B 13/00
B63H 21/38
C01B 13/10
C02F 1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船内でオゾンを生成するためのオゾン発生機(OGM)であって、
-オゾン化ギャップ(OZ)および誘電体層によって分離された少なくとも2つの電極(E1、E2)を備えたオゾン発生器(OG)であって、二酸素を含む供給ガスを受け取るための少なくともガス入口(O2IN)と、オゾンを含む排出ガスを前記船のオゾン回路に排出するためのガス出口(O3OUT)とを備えるオゾン発生器(OG)と、
-主液体冷却回路(CWP、CWT)であって、前記主液体冷却回路(CWP、CWT)の少なくとも一部分が、前記オゾン発生器(OG)内に配置され、前記船の冷却回路に接続されている主液体冷却回路(CWP、CWT)と、
-前記主液体冷却回路(CWP、CWT)に接続された液液熱交換器(LLHEX)と、
-電流変換器(ECV)を備える電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)と
-前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)の底部に配置された液体逆止弁と
を備え、
前記オゾン発生機(OGM)が、前記液液熱交換器(LLHEX)に接続され、前記電流変換器(ECV)を冷却するために配置された変換器液体冷却部分(CECV)を備える閉ループ冷却液回路(CLC)をさらに備えることを特徴とする、オゾン発生機(OGM)。
【請求項2】
前記液液熱交換器(LLHEX)が、少なくとも2つの内部回路を備え、一方の内部回路は前記主液体冷却回路(CWP、CWT)に接続され、他方の内部回路は前記閉ループ冷却液回路(CLC)に接続されている、請求項1に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項3】
前記閉ループ冷却液回路(CLC)が、3リットル以下の総容積を有する、請求項1または2のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項4】
前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)の最下部の電気装置が、前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)の内部最下部面から所定の距離に設置され、それにより、電気装置のない電気的に閉鎖されたキャビネットの底部容積を画定し、
前記閉ループ冷却液回路(CLC)の液漏れの場合に、下部電気装置と閉ループ冷却液との接触を回避するために、前記閉ループ冷却液回路(CLC)が、前記電気的に閉鎖されたキャビネットの底部容積以下の総容積を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項5】
前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)が、前記閉ループ冷却液回路(CLC)に接続され、前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)内部の空気を冷却するように配置された気液熱交換器(ALHEX)をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項6】
前記気液熱交換器(ALHEX)が、前記閉ループ冷却液回路(CLC)に接続された内部回路を備える、請求項5に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項7】
前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)が、変流器と、前記気液熱交換器(ALHEX)から空気を吸い込んだ後、前記変流器に空気を吹き付けるように配置された変圧器ファン(FN)とをさらに備える、請求項5または6に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項8】
前記気液熱交換器(ALHEX)から空気を吸い込むように配置された熱交換器ファン(FN)をさらに備える、請求項5または6に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項9】
前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)内部に空気循環を生成するように配置されたキャビネットファン(FN)をさらに備える、請求項5または6に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項10】
前記電気的に閉鎖されたキャビネット(ECB)内部の空気温度を測定するように配置された少なくとも1つの空気温度センサ(ATS)をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項11】
前記閉ループ冷却液回路(CLC)内部の液体温度を測定するように配置された少なくとも1つの液体温度センサ(LTS)をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項12】
前記電流変換器(ECV)が冷却されていることを監視するために、
-前記閉ループ冷却液回路(CLC)内部の液体温度を測定するように配置され、前記電流変換器(ECV)の上流に配置された少なくとも1つの液体温度センサ(LTS)と、
-前記閉ループ冷却液回路(CLC)内部の液体流量を検出するために配置された少なくとも1つのフロースイッチと
をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項13】
前記閉ループ冷却液回路(CLC)内部の液圧を測定するように配置された少なくとも1つの液圧センサをさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項14】
前記閉ループ冷却液回路(CLC)に接続された液体循環ポンプ(CRP)をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のオゾン発生機(OGM)を備える船(S)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオゾンによる船内の水処理の分野に関し、特に、電気的に閉鎖されたキャビネットを装備したオゾン発生機に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術文献中国登録実用新案第201898690号から、熱気が上向きに流れ、冷気が下向きに流れるという物理的挙動を利用して、空気によって冷却されるオゾン発生器用の電気キャビネットが知られている。
【0003】
この文献で開示されている電気キャビネットの欠点は、冷却効率が悪く、冷却再分配が電気構成要素または装置専用ではないため、電気キャビネット内に設置される要求の高い冷却電気構成要素に対して十分ではないことである。これにより、電気構成要素の寿命が短くなり、故障の場合に安全性が保証されない。さらに、船などの過酷な環境では、内部構成要素の冷却を複雑にする高温(55℃まで)の環境に設置されている間、電気キャビネットが侵入(埃、水)に対する所定の保護度を満たすことが必要になる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、上述の先行技術文献の欠点を克服することであり、特に、高い冷却能力、高効率の冷却の再分配、および高い安全レベルを備えた電気的に閉鎖されたキャビネットを備えるオゾン発生機を提案することである。
【0005】
本発明の第1の態様は、船内でオゾンを生成するためのゾーン発生機であって、
-オゾン化ギャップおよび誘電体層によって分離された少なくとも2つの電極を備えたオゾン発生器であって、二酸素を含む供給ガスを受け取るための少なくともガス入口と、オゾンを含む排出ガスを船のオゾン回路に排出するためのガス出口とを備えるオゾン発生器と、
-主液体冷却回路であって、主液体冷却回路の少なくとも一部分が、オゾン発生器内に配置され、船の冷却回路に接続されている主液体冷却回路と、
-主液体冷却回路に接続された液液熱交換器と、
-電流変換器を備える電気的に閉鎖されたキャビネットと、
を備え、
オゾン発生機が、液液熱交換器に接続され、電流変換器を冷却するために配置された変換器液体冷却部分を備える閉ループ冷却液回路をさらに備えることを特徴とする、ゾーン発生機である。
【0006】
これにより、高い冷却効率を含み、要求の厳しい冷却電気構成要素専用であり、その必要性に適合されたオゾン発生機を提案することができ、高い冷却能力、およびさらに冷却液回路の閉ループ配置により高い安全レベルを提供するオゾン発生機を提案することができる。実際に、液体回路に故障が発生した場合、閉ループの小さな体積だけが、電気的に閉鎖されたキャビネット内を流れることができるが、主液体冷却回路の大きな体積も船の冷却回路の大きな体積も流れることができない。言い換えれば、埃および湿気などの任意の他の障害物が電気的に閉鎖されたキャビネットの中に侵入するのを回避するために電気的に閉鎖されたキャビネットが閉鎖されているので、漏液は、電流変換器、または任意の他の電気構成要素または電気的に閉鎖されたキャビネット内部の付属構成要素など、前記電気的に閉鎖されたキャビネット内部に設置された電気構成要素を損傷する可能性がある。したがって、閉ループは液液熱交換器により主液体冷却回路から水理学的に(hydr
aulically)切断/分離されるため、このようなリスクは大幅に低減される。
【0007】
有利には、液液熱交換器が、少なくとも2つの内部回路を備え、一方の内部回路は主液体冷却回路に接続され、他方の内部回路は閉ループ冷却液回路に接続されている。
【0008】
有利には、液液熱交換器は、電気的に閉鎖されたキャビネットの外側の狭い領域に設置されている。
【0009】
これにより、2つの水理学(hydraulic)回路を構造的に切断することができ、つまり、主液体冷却回路と閉ループ冷却液回路との間で液体の交換は存在しない。熱的な接続は液液熱交換器によって行われ、電気的に閉鎖されたキャビネットおよび電流変換器の高い冷却効率を可能にする。液液熱交換器の配置により、電気的に閉鎖されたキャビネット内の液液熱交換器の任意の漏れを回避することができる。液液熱交換器は、必ずしもオゾン発生器内に配置される必要はない。
【0010】
有利には、閉ループ冷却液回路は、5リットル未満、より好ましくは3リットル未満の総容積を有する。
【0011】
閉ループ冷却液回路のこの限られた容積は、電気的に閉鎖されたキャビネット内の漏れまたは電気的に閉鎖されたキャビネットの電気構成要素の故障の場合に、液体と任意の電気または電子構成要素との間の接触のリスクを低減する。
【0012】
有利には、電気的に閉鎖されたキャビネットの最下部の電気装置が、電気的に閉鎖されたキャビネットの内部最下部面から所定の距離に設置され、それにより、電気装置のない電気的に閉鎖されたキャビネットの底部容積を画定し、
閉ループ冷却液回路の液漏れの場合に、下部電気装置と閉ループ冷却液との接触を回避するために、前記閉ループ冷却液回路が、前記電気的に閉鎖されたキャビネットの底部容積以下の総容積を有する。
【0013】
有利には、所定の距離は8cmである。
【0014】
有利には、所定の距離は16cmである。
【0015】
有利には、電気的に閉鎖されたキャビネットは、電気的に閉鎖されたキャビネットの底部に配置された液体逆止弁を装備し、電気的に閉鎖されたキャビネットから液体を排出し、電気的に閉鎖されたキャビネットの内部に入る空気を遮断する。
【0016】
これにより、高い安全性要求を含む電気的に閉鎖されたキャビネットを提案することができ、閉ループ冷却液回路の故障または漏れの場合に、液体のない底部領域の提供が可能になる。言い換えれば、漏れが発生した場合の液面が最も低い電気装置のレベルに達することは決してないため、電気の安全性と寿命を補強する。
【0017】
これにより、気密逆止弁を用いて、液体故障の場合に液体を排出して、任意の埃が電気的に閉鎖されたキャビネット内部に侵入することを回避し、故障の場合に液体を排出することができる。
【0018】
所定の距離は、電気的に閉鎖されたキャビネットの底部に液体のない領域が存在することを保証するために画定される。有利な例として、深さ1メートル、幅1メートル、および高さ2メートルの寸法の電気キャビネット。したがって電気的に閉鎖されたキャビネットの底部容積を画定する所定の距離は、閉ループ冷却液回路のすべての液体を収容するの
に十分であり、高い安全マージンを保証する。
【0019】
有利には、電気的に閉鎖されたキャビネットは、閉ループ冷却液回路に接続され、電気的に閉鎖されたキャビネット内部の空気を冷却するように配置された気液熱交換器をさらに備える。
【0020】
これにより、電気的に閉鎖されたキャビネット内の空気を高効率で冷却することができる。
【0021】
有利には、気液熱交換器は、閉ループ冷却液回路に接続された内部回路を備える。
【0022】
これにより、閉ループ液体回路の冷却能力および安全レベルの利益を得ることができ、したがって高い冷却効率を保証する。
【0023】
有利には、電気的に閉鎖されたキャビネットが、変流器と、前記気液熱交換器から空気を吸い込んだ後、前記変流器に空気を吹き付けるように配置された変圧器ファンとをさらに備える。
【0024】
これにより、変流器を備えた電気的に閉鎖されたキャビネットを提案することができ、それにより、電気的に閉鎖されたキャビネットの電気容量を増加させて、オゾン発生機に適切な電流特性を提供する。変流器の必要な冷却は変圧器ファンによって保証され、気液熱交換器によって非常に効率的になる。
【0025】
有利には、オゾン発生機は、前記気液熱交換器から空気を吸い込むように配置された熱交換器ファンをさらに備える。
【0026】
これにより、気液熱交換器の冷却能力を拡大でき、その結果、必要な冷却が効率的に行われる。
【0027】
有利には、オゾン発生機は、前記電気的に閉鎖されたキャビネット内部に空気循環を生成するように配置されたキャビネットファンをさらに備える。
【0028】
これにより、電気的に閉鎖されたキャビネット内部に空気の高効率循環を提案できる。
【0029】
有利には、オゾン発生機は、前記電気的に閉鎖されたキャビネット内部の空気温度を測定するように配置された少なくとも1つの空気温度センサをさらに備える。
【0030】
これにより、例えば閉ループ冷却液回路の温度に作用することにより、電気的に閉鎖されたキャビネット内部の空気温度を監視し、温度をより適切に制御することができる。
【0031】
有利には、オゾン発生機は、閉ループ冷却液回路内部の液体温度を測定するように配置された少なくとも1つの液体温度センサをさらに備える。
【0032】
これにより、例えば閉ループ冷却液回路の温度に作用することにより、電気的に閉鎖されたキャビネット内部の液体温度を監視し、温度をより適切に制御することができる。
【0033】
有利には、オゾン発生機は、前記電流変換器が冷却されていることを監視するために、
-閉ループ冷却液回路内部の液体温度を測定するように配置され、電流変換器の上流に配置された少なくとも1つの液体温度センサと、
-閉ループ冷却液回路内部の液体流量を検出するために配置された少なくとも1つのフ
ロースイッチと
をさらに備える。
【0034】
有利には、オゾン発生機は、閉ループ冷却液回路内部の液体流量を測定するように配置された少なくとも1つの液体流量センサをさらに備える。
【0035】
有利には、オゾン発生機は、閉ループ冷却液回路内部の液圧を測定するように配置された少なくとも1つの液圧センサをさらに備える。
【0036】
有利には、オゾン発生機は、閉ループ冷却液回路内部の液圧を測定するように配置された少なくとも1つの液圧インジケータをさらに備える。
【0037】
これにより、電流変換器が十分に冷却されることを保証するために、高度に適合した温度管理システムを含む電気的に閉鎖されたキャビネットを備えるオゾン発生機を提案することができる。特に、上述のセンサによって検出された、閉ループ冷却回路内の流量の損失/減少、圧力の損失/減少は、それが回路の漏れを示す可能性があるので、警告メッセージを送信し、またはオゾン発生機のスイッチを切るのに使用され得る。同様に、上述の温度センサによって検出された密閉されたキャビネット内の高すぎる温度は、システムの冷却が失われたことを示す可能性があるので、警告メッセージを送信し、またはオゾン発生機のスイッチを切るのに使用され得る。
【0038】
有利には、オゾン発生機は、閉ループ冷却液回路に接続された液体循環ポンプをさらに備える。
【0039】
これにより、閉ループ冷却液回路内部の液体の循環を提供することが可能になり、その結果、より良い冷却効率が達成される。
【0040】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様によるオゾン発生機を備える船に関する。
【0041】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面によって例示される本発明の特定の非限定的な例の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、本発明による電気的に閉鎖されたキャビネットを備えるオゾン発生機の一部の概略図である。
【0043】
図2図2は、本発明によるオゾン発生機の斜視図である。
【0044】
図3図3は、本発明によるオゾン発生器の簡略化された断面図である。
【0045】
図4図4は、本発明によるオゾン発生機の概略図である。
【0046】
図5図5は、本発明によるオゾン発生機を装備した船を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1図2、および図3に示すオゾン発生機OGM機は、主に、オゾン発生器OG、2つの別々のまたは半分のキャビネットC1およびC2内でも行うことができる電気的に閉鎖されたキャビネットECB、ならびにオゾン発生器OGおよび電気的に閉鎖されたキャビネットECBを支持するフレームFを備える。もちろん、そのような発生機は、オゾンの自動生成を保証するための複数のバルブ、センサ、パイプ、電気装置もまた備える。特
に、描かれた発生機は、船または船舶で使用するために設計されており、例えば港間の水汚染を回避するためにバラスト水を消毒する必要がある。図5は、バラストBA(満水)と、オゾンをバラストBAに供給するために船Sのオゾン回路O3Cに接続されたオゾン発生機OGMとを備える船Sを表す。実際、バラストBAに含まれる水は、放出する前に処理/消毒する必要があり、オゾンはオゾン回路O3CによってバラストBAに直接供給され、オゾン泡が見える。
【0048】
オゾン発生器OGは、図3に示すように、ハウジングH内に配置された複数の電極セットESを備える。各電極セットは、オゾン化ギャップOZおよび誘電体層(明確にするために図には示されていない)によって分離された2つの電極E1およびE2を含む。オゾン発生機OGMは、電流を電極セットESのそれぞれに供給するための図4に示される電力ユニットEPUもまた備える。各オゾン化ギャップOZは、オゾン発生機OGMの運転時に、二酸素を含むガスを受け取るために、上流でオゾン発生器OGのガス入口O2INに接続され、オゾンを含むガスを排出するために、下流でガス出口O3OUTに接続される。
【0049】
一実施形態では、電極は金属であり、誘電体層は、電極の少なくとも1つに塗布されたセラミックコーティングを含む。
【0050】
二酸素を含むガスは、船ネットワーク、ボトルによって供給される可能性があり、または空気である可能性がある。電極に電力が供給され、ガスの流れが確立される場合、電極E1とE2との間のオゾン化ギャップOZで放電が発生し、コロナ効果を与え、ガス入口O2INで供給された酸素の一部がオゾンに変換され、それが所定量でガス出口O3OUTに排出される。
【0051】
オゾンの生成中に安定した状態を確保するために、液体冷却回路がオゾン発生器OG内に冷却経路を備えており、その結果、冷却液がオゾン発生器OGを通って流れて、各電極セットESを直接冷却することができる。図3は、冷却水WCがオゾン発生器OGのハウジングH内に存在することを示す。オゾン発生器OGは、図4に示すように冷却水入口WCINおよび冷却水出口WCOUTを備える。図1に示すように、オゾン発生機OGMは、主液体冷却回路CWP、CWT、およびオゾン発生器OGの内部に配置され、船の冷却回路に接続される主液体冷却回路CWP、CWTの少なくとも一部分をさらに備え、主液体冷却回路CWP、CWTに接続された液液熱交換器LLHEXをさらに備える。さらに、主液体冷却回路CWP、CWTは、液液熱交換器LLHEXの上流に配置された上流部分CWPと、液液熱交換器LLHEXの下流に配置された下流部分とを備える。液液熱交換器LLHEXは電気的に閉鎖されたキャビネットECBの外部に配置され、電気的に閉鎖されたキャビネットECBを狭くする。それにより、オゾン発生機OGMの内部に配置された主液体冷却回路CWP、CWTの少なくとも一部分は、図1および図4を一緒に検討すると、主液体冷却回路CWP、CWTの一部として、冷却水入口WCINおよび冷却水出口WCOUTに接続される。
【0052】
図1に示すように、電気的に閉鎖されたキャビネットECBは、オゾン発生器OGの電極セットESに電流を分配する電流変換器ECVを備える。電流変換器ECVの効率的な冷却を提供するために、オゾン発生機OGMは、液液熱交換器LLHEXに接続され、電流変換器ECVを冷却するように配置された変換器液体冷却部分CECVを備える閉ループ冷却回路液体CLCをさらに含む。オゾン発生機OGMは、閉ループ冷却液回路CLCに接続された液体循環ポンプCRPをさらに備え、閉ループ冷却液回路CLC内の液体の循環を可能にする。前記冷却液は、好ましくは水または添加物を含む水であるが、他の任意の発熱輸送流体でもよい。
【0053】
液液熱交換器LLHEXは、少なくとも2つの内部回路を備え、一方の内部回路は主液体冷却回路CWP、CWTに接続され、他方の内部回路は閉ループ冷却液回路CLCに接続される。それにより、閉ループ冷却液回路CLCは、電気的に閉鎖されたキャビネットECB内部に部分的に配置される。電気的に閉鎖されたキャビネットECBは、内部に埃などが入り、汚染を生成するのを回避するために閉鎖されるので、電気的に閉鎖されたキャビネットECBの電気構成要素または装置は、電気キャビネットを開放することに関して自然の新鮮な空気対流がないので、冷却する必要がある。主電気構成要素は、変換器液体部分CECVによって冷却される電流変換器ECVである。電気的に閉鎖されたキャビネットECBの気液熱交換器ALHEXから空気を吸引した後、変流器に空気を吹き付けるように配置された変圧器ファンFNによって、前記変流器などの他の電気構成要素が冷却される。気液熱交換器ALHEXは、閉ループ冷却液回路CLCに接続された内部回路を備える。変圧器ファンFNは、空気を吹き込んで、電気的に閉鎖されたキャビネットECB内部に空気循環を生成することもできる。
【0054】
電気的に閉鎖されたキャビネットECBには、電気的に閉鎖されたキャビネットECB内部の空気温度を測定するように配置された空気温度センサATS、閉ループ冷却液回路CLC内の液体温度を測定するように配置された液体温度センサLTS、閉ループ冷却液回路CLC内の液体流量を検出し、または測定するように配置されたフロースイッチまたは流量センサLPSなどのセンサのセットが提供される。したがって、センサのセットは電気的に閉鎖されたキャビネットECBの健全性に関する情報を提供することができ、例えば閉ループ冷却液回路CLC内の液体の流量および/または温度の調整、変圧器ファンFNの速度の変更、または電気的に閉鎖されたキャビネットECBの温度管理を可能にするその他の調整または遡及的修正など、電気的に閉鎖されたキャビネットECBをよりよく冷却するためにパラメータを変更することができる。
【0055】
さらに、閉ループ冷却液回路CLC上の点線は、その配置の一例を表している。閉ループ冷却液回路CLCは、主液体冷却回路CWP、CWTと比較して小さい、例えば3リットルなどの限られた容積を提供する。これにより、電気的に閉鎖されたキャビネットECB内部で漏れまたは故障が発生した場合に、少量の液体を有することができる。電気的に閉鎖されたキャビネットECB内部の装置の電気構成要素は、10cmまたは50cmなどの所定の距離に配置され、したがって液体と電気構成要素との間の任意の接触を回避するために、電気的に閉鎖されたキャビネットの底部容積を画定する。電流変換器ECVまたは変流器についても同じことが行われる。閉ループ冷却液回路CLCには、低点バルブまたは排水バルブおよびその他の必要な接続点が装備され、電気的に閉鎖されたキャビネットECBには、液漏れが排出されることを可能にするが、電気的に閉鎖されたキャビネットECBを気密に維持する低点逆止弁が装備されている。
【0056】
また、安全のため、電流変換器ECVのセンサには、必要に応じて電流変換器ECVをオフにするためのスイッチオフ機能が装備されている。安全管理およびスイッチオフの順序は、通常PLCとして知られるプログラマブルロジックコントローラを介して管理される。
【0057】
一方、オゾン発生機OGMは通常、次の範囲で運転され得る。
【0058】
電力密度の範囲:電極の1平方メートルあたり[0.1~10]kW
【0059】
電流周波数の範囲:[10~30000]Hz
【0060】
ピーク電圧の上限:[2~20]kV
【0061】
ガス出口でのオゾン濃度:1~16重量%
【0062】
供給ガスの絶対圧力の範囲、[0.5バール(a)~6.0バール(a)]
【0063】
窒素(N2)および/またはアルゴン(Ar)が、少なくとも0.1~5重量%の濃度で供給ガスに存在し、残りが二酸素であることが望ましい場合がある。別法として、オゾン発生器OGに空気を供給することができる。
【0064】
オゾン発生機OGMは、オゾンの生成を監視および点検するための適切なセンサも装備しており、発生機は、図4に示すように、酸素濃度センサOCS、酸素圧力センサOPS、酸素流量センサOFS、オゾン濃度センサO3S、オゾン圧力センサO3PS、オゾン循環流量センサO3Q、冷却水入口温度センサIWCTSおよび冷却水出口温度センサOWCTS、冷却水入口流量センサIWCQSおよび冷却水出口流量センサOWCQS、例えば電極強度センサ、電極電圧センサ、および周波数センサを含む電極電力測定手段EPSを備えることができる。これらのセンサには、電気的に閉鎖されたキャビネットECB内部に配置された輸送ディスプレイ(deported display)が装備されている。
【0065】
フレームFは、頂部サブフレームTSFを介してオゾン発生器OGを支持し、基部Bを介して床面(ground)に置かれていて、頂部サブフレームTSFと基部Bとの間に柱Pを備える。基部Bもやはり、電気的に閉鎖されたキャビネットECBを支持している。必要に応じて、電気的に閉鎖されたキャビネットECBを支持するために、柱Pおよび頂部サブフレームTSFと同じ構想が使用され得る。
【0066】
通常、基部Bおよび頂部サブフレームTSFは、オゾン発生機の構成要素を取り付けるための適切な静止面またはプラテン領域を保証するために、溶接ビームおよびプレートを含む金属構造である。溶接技術は組み立ての一例であるが、ビームおよびプレートはナット/ボルト/ネジで一体に取り付けられて、フレームFを容易に分解/輸送/設置することができる。実際、オゾン発生機OGMは船内に設置されるように設計される場合、アクセスが制限された縮小されたスペースでの設置を考慮する必要がある。これにより、小さい寸法/フットプリントを有する部品の溶接組立と、大きい方の寸法/フットプリントを有する部品のナット組立との間で選択することにつながる。
【0067】
柱Pは頂部サブフレームTSFを支持しており、基部Bに取り付けられている。
【0068】
図2に示すように、オゾン発生器OGは通常、図3に示すように、メンテナンスのために、オゾン発生器OG内に配置される電極E1、E2に簡単なアクセスを提供するように、胸の高さ(床面から1m~1.6m)に配置される。これは、上半分のキャビネットC1にも当てはまる。
【0069】
オゾン発生器OGの重量および寸法は重要であり(直径(Φ)約[300~800]mmおよび長さ[800~3000]mm、重量50kg~1500kg)、オゾン発生機OGMの他の器官(電気キャビネットC1、C2、パイプ、バルブなど)の重量に追加されて、発生機が一般に海洋用途に存在する振動にさらされる場合、応力、ひずみ、変位が生じる。
【0070】
例として、電気的に閉鎖されたキャビネットECBまたはOGMの任意の構成要素は、2~100Hzの振動の振動範囲を満たしている必要があり、共振周波数では:
【0071】
-2~13.2Hzで1mmを超える変位、および
【0072】
-特にオゾン発生機OGMの頂部にある他の部品と基部フレームを比較して、13.2~100Hzで6860mm/sを超える加速度を有することが許可されていない(2006年4月の「計装装置および自動化設備の環境試験仕様(Environmental test specification for instrumentation
and automation equipment)」認証No.2.4のD.N.V規格に記載されるように)。
【0073】
振動にさらされた場合の加速度および/または変位を最小限に抑えるために、フレームFは次の特定の方法で設計されている。クロスブレースビームは、オゾン発生器OGの下に配置された柱Pの対を連結するために、発生機の長手方向に配置される。その結果、クロスブレースビームによって一体に連結された柱Pはしっかりと一体に保持される。
【0074】
加えて、フレームFは、補強板、特に、2本のボルトを介して柱Pの頂部に取り付けられ、かつ2本のボルトを介して頂部サブフレームTSFに取り付けられた頂部補強板を備え、それにより接合部の剛性を高める。同様に、底部補強板は、2本のボルトを介して柱Pの底部に取り付けられ、かつ2本のボルトを介して基部Bに取り付けられ、それにより接合部の剛性を高める。
【0075】
クロスブレースビームもやはり2本のボルトを介して補強板に取り付けられて、簡単で堅牢な構造を提供する。
【0076】
さらに、ダンパDは床面と基部Bとの間に配置されて、フレームFへの振動の伝達を最小限に抑える。少なくとも4つのダンパDがオゾン発生器OGの真下に配置されるが、図2に示すように、合計10個のダンパが基部Bの底面に取り付けられている。これらのダンパのいくつかは床面に直接取り付けられて、床面とオゾン発生機OGMとの間の相対的な動き(滑り、転倒など)を防止する。
【0077】
ダンパDは、小さい垂直サイズ(100mm未満)を有し、発生機の重量に耐えるように選択されている。典型的に、そのようなダンパDは、フレームFに取り付けられた第1の取り付け部分と、床面に取り付けられた、または置かれた第2の取り付け部分との間に配置されたゴムを備える。
【0078】
少なくとも4つのダンパDがオゾン発生器OGの下に垂直に配置され、中間ダンパIDがオゾン発生器OGと頂部サブフレームTSFとの間に配置されて、オゾン発生機OGMの最も重い部分(オゾン発生器OG)の振動をできる限り小さく抑える。
【0079】
加えて、クロスブレースビームは、オゾン発生機OGMの長手方向の寸法に平行に配置され、オゾン発生器OGの軸方向によって画定されることに留意すべきである。したがって、器官または装置は、2対のクロスブレースビームの間に配置されることができ、発生機は、2対のクロスブレースビームの間に配置される器官または装置がメンテナンスのために取り外され、または挿入されるフレームFの開口部を閉じるための少なくとも1つのドアを備える。特に、安定性を高めるために、オゾン発生機OGMの底部に変流器または変換器などの重い電気装置を配置し、取り付けることが有利である。横のドアおよびその開口部は、これらの装置が通過できるように十分に大きく配置されているため、クロスブレースビームを取り外す必要がない。
【0080】
当然のことながら、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にありながら、当業者にとって明らかな改良および/または修正が実施され得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5