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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】空調機及び空調機洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/48 20180101AFI20220921BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20220921BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20220921BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20220921BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20220921BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20220921BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20220921BHJP
   F24F 140/20 20180101ALN20220921BHJP
【FI】
F24F11/48
F24F11/64
F24F11/61
F24F11/86
F24F110:10
F24F110:12
F24F140:00
F24F140:20
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019571979
(86)(22)【出願日】2019-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2019110896
(87)【国際公開番号】W WO2021035892
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】201910785967.8
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910786747.7
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910786083.4
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910785987.5
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517383847
【氏名又は名称】海信家電集団股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】517383858
【氏名又は名称】海信(広東)空調有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】彭 炳全
(72)【発明者】
【氏名】胡 碧君
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 民安
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-090144(JP,A)
【文献】特開2018-200127(JP,A)
【文献】国際公開第2018/198397(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109708243(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機洗浄方法であって、
前記空調機は室外機及び室内機を備え、
前記室内機は、少なくとも室内機制御部、室内機ファン、室内機コイル、及び室内環境温度センサを含むものであり、
前記室外機は、少なくとも室外機制御部、室外機ファン、圧縮機、及び室外機コイルを含むものである、前記空調機洗浄方法において、
前記空調機が受信した乾燥指令に応じて洗浄方法を実行する場合と、前記空調機が受信した洗浄指令に応じて洗浄方法を実行する場合とを含み、
前記空調機が受信した乾燥指令に応じて洗浄方法を実行する場合には、
前記空調機が乾燥指令を受信する時、前記乾燥指令及び前記空調機の運転状態に応じて、前記空調機を乾燥状態に移行させるように制御し、
前記空調機を前記乾燥状態の加熱過程に移行させるように制御し、
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップを含み、
前記空調機が受信した洗浄指令に応じて洗浄方法を実行する場合には、
前記空調機が洗浄指令を受信する時、前記空調機を洗浄状態に移行させるように制御し、及び室内機導風板を上に向かせるか閉じさせるように制御し、
前記空調機を前記洗浄状態の冷却過程に移行させるように制御し、
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程に移行した後、前記室外機制御部に、前記室内環境温度センサによって測定された温度に応じて前記圧縮機の周波数を制御するように指示し、前記室内環境温度センサによって測定された温度が第2温度以上である場合、前記室外機制御部は、前記圧縮機の周波数を調整せず、前記室内環境温度センサによって測定された温度が第2温度より低い場合、前記室外機制御部は、前記圧縮機の周波数を減少させ、
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程を終了した後、前記空調機を前記洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御し、
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップを含む、
ことを特徴とする空調機洗浄方法。
【請求項2】
前記した、前記空調機が乾燥指令を受信する時、前記乾燥指令及び前記空調機の運転状態に応じて、前記空調機を乾燥状態に移行させるように制御することは、
前記空調機が冷却状態又は除湿状態で第6時間より長い時間持続運転した後に待機状態に移行し、且つ前記空調機が前記待機状態に移行する前に前記乾燥指令を受信した場合、前記空調機を前記乾燥状態に移行させるように制御するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項3】
前記室外機は室外環境温度センサをさらに有し、
前記した、前記空調機が洗浄指令を受信する時、前記空調機を洗浄状態に移行させるように制御することは、
前記空調機が待機状態にあり、前記洗浄指令を受信し、且つ前記室外環境温度センサによって測定された温度が第1温度より低くない場合、前記空調機を前記洗浄状態に移行させるように制御するステップ、又は、
前記空調機が待機状態にある時、前記空調機を前記洗浄状態に移行させるように制御するステップ、又は、
前記空調機が前記洗浄指令を受信し、且つ前記室外環境温度センサによって測定された温度が第1温度より低くない場合、前記空調機を前記洗浄状態に移行させるように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項4】
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップ、又は
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程を終了した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップをさらに有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項5】
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御し、前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程に移行して第1時間を経過した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップ、
又は、前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で第2時間運転させるように制御するステップ、
又は、前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で持続運転させるように制御するステップをさらに有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の空調機洗浄方法。
【請求項6】
前記室内機は、室内機コイル温度センサをさらに有し、前記洗浄方法は、前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程にあり、且つ停止条件が満たされる時、前記圧縮機を制御して作動を停止させるステップをさらに有し、
前記停止条件は、
前記室内機コイル温度センサによって測定された温度が第1冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、
前記室内環境温度センサによって測定された温度が第2冷却温度以下で、且つ持続時間が前記第1冷却時間より長いこと、又は、
前記洗浄状態の冷却過程の持続時間が第2冷却時間より長いことであり、前記第2冷却時間が前記第1冷却時間より長いことの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項7】
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップをさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項8】
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御することは、
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行して第3時間を経過した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップ、又は、
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で第4時間運転させるように制御するステップ、又は、
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で持続運転させるように制御するステップを有する、
ことを特徴とする請求項に記載の空調機洗浄方法。
【請求項9】
前記室内機は、室内機コイル温度センサをさらに有し、前記洗浄方法は、
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程にあり、且つ終了条件が満たされた場合、前記圧縮機の作動を停止させるように制御するステップをさらに有し、
前記終了条件は、
前記室内機コイル温度センサによって測定された温度が第1加熱温度より高く、且つ持続時間が第1加熱時間より長いこと、又は、
前記洗浄状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長く、前記第2加熱時間は、前記第1加熱時間より長いことの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項10】
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程にある時、模擬的な室内機コイル温度センサの温度を前記室外機制御部に送信するステップをさらに有し、
模擬的な室内機コイル温度センサの温度は、凍結防止温度より高い、ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項11】
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行する前、前記空調機を保護過程に移行させるように制御するステップをさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の空調機洗浄方法。
【請求項12】
記空調機を保護過程に移行させた後、前記洗浄方法は、
前記空調機が保護過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップ、又は
前記空調機が保護過程に移行した後、前記室内機ファンの運転を停止させるように制御するステップをさらに有し、
前記空調機が保護過程に移行して第5時間を経過した後、前記空調機を前記洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御する、ことを特徴とする請求項11に記載の空調機洗浄方法。
【請求項13】
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップをさらに有する、ことを特徴とする請求項1又2に記載の空調機洗浄方法。
【請求項14】
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御することは、
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行して第3時間を経過した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップ、又は、
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で第4時間運転させるように制御するステップ、又は、
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で持続運転させるように制御するステップを有する、ことを特徴とする請求項13に記載の空調機洗浄方法。
【請求項15】
前記室内機は、室内機コイル温度センサをさらに含み、
前記空調機洗浄方法は、
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程にあり、且つ終了条件が満たされる時、前記圧縮機の作動を停止させるように制御するステップをさらに有し、
前記終了条件は、
前記室内機コイル温度センサによって測定された温度が第1加熱温度より高く、且つ持続時間が第1加熱時間より長いこと、又は、
前記乾燥状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長く、前記第2加熱時間は、前記第1加熱時間より長いことの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1-2、13-14のいずれかに記載の空調機洗浄方法。
【請求項16】
前記空調機は室外機及び室内機を備え、
前記室内機は、少なくとも室内機制御部、室内機ファン、及び室内機コイルを含むものであり、
前記室外機は、少なくとも室外機制御部、室外機ファン、圧縮機、及び室外機コイルを含むものであり、
前記室内機制御部は、請求項1-15のいずれかに記載の空調機洗浄方法の実行に用いられる、ことを特徴とする空調機。
【請求項17】
1つ又は複数のプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記1つ又は複数のプログラムは、コンピュータによって実行される時、前記コンピュータに請求項1-15のいずれかに記載の空調機洗浄方法を実行させるための指令を含む、ことを特徴とする1つ又は複数のプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項18】
請求項1-15のいずれかに記載の空調機洗浄方法を実行させるプログラムを記憶するためのメモリと、前記メモリに記憶された前記プログラムを呼び出すためのプロセッサとを備える、ことを特徴とする空調機洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年8月23日に出願された出願番号が201910785967.8で、発明の名称が「空調機及び空調機洗浄方法」である中国特許出願、2019年8月23日に出願された出願番号が201910786747.7で、発明の名称が「空調機及び空調機洗浄方法」である中国特許出願、2019年08月23日に出願された出願番号が201910786083.4で、発明の名称が「空調機及び空調機洗浄方法」である中国特許出願、及び2019年08月23日に出願された出願番号が201910785987.5で、発明の名称が「空調機及び空調機洗浄方法」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、空調機技術の分野に関し、特に空調機及び空調機洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
空調機は、長期間にわたって放置又は使用した後、熱交換器の表面に一定の塵埃が付着され、これらの塵埃は熱交換器の熱交換効率を低下させるが故に、空調機の性能が低下され、エネルギー消費が増大される。従来の空調洗浄方法は、主として、冷却により室内機の熱交換器の表面に凝縮水を生成させ、その後、加熱して凝縮水を乾燥させる、即ち、凝縮水を利用して塵埃を除去する。
【0004】
上述の空調機洗浄を実現する過程において、発明者らは、従来技術では少なくとも以下の問題が存在することを発見した。
【0005】
実際の実施過程では、凝縮水が少なすぎて洗浄効果が良くなく、凝縮水が効果的に乾燥されず、洗浄効果がない等の不具合が発生する可能性がある。これらの不具合は、ユーザ体験に悪影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施形態は、従来技術に存する空調機の洗浄効果が低いという問題を解決し、空調機を効果的に洗浄するための空調機および空調機洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本開示の実施例は、以下のような技術案を採用する。
【0008】
第1の態様は、空調機洗浄方法を提供する。
前記空調機は、室外機及び室内機を備え、前記室内機は、少なくとも室内機制御部室内機ファン、及び室内機コイル含むものであり;前記室外機は、少なくとも室外機制御部、室外機ファン、圧縮機、及び室外機コイルを含むものである。
前記洗浄方法は、前記空調機が受信した乾燥指令に応じて洗浄方法を実行する場合と、前記空調機が受信した洗浄指令に応じて洗浄方法を実行する場合とを含む。
前記空調機が受信した乾燥指令に応じて洗浄方法を実行する場合には、
前記空調機が乾燥指令を受信する時、前記乾燥指令及び前記空調機の運転状態に応じて、前記空調機を乾燥状態に移行させるように制御し、
前記空調機を前記乾燥状態の加熱過程に移行させるように制御し、
前記空調機が前記乾燥状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御するステップを含む。
前記空調機が受信された洗浄指令に従い洗浄方法を実行する場合には、
前記空調機が洗浄指令を受信する時、前記空調機を洗浄状態に移行させるように制御し、
前記空調機を前記洗浄状態の冷却過程に移行させるように制御し、
前記空調機が前記洗浄状態の冷却過程を終了した後、前記空調機を前記洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御し、
前記空調機が前記洗浄状態の加熱過程に移行した後、前記室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御する、ことを特徴とする。
【0009】
第2の態様では、本願の実施例は、空調機を提供する。前記空調機は、室外機及び室内機を備え、前記室内機は、少なくとも室内機制御部、室内機ファン、及び室内機コイルを含むものであり;前記室外機は、少なくとも室外機制御部、室外機ファン、圧縮機、及び室外機コイルを含むものであり;前記室内機制御部は、第1の態様に記載の空調機洗浄方法の実行に用いられる。
【0010】
第3の態様では、1つ又は複数のプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。前記1つ又は複数のプログラムは、コンピュータによって実行される時、コンピュータに第の態様に記載の空調機洗浄方法を実行させる指令を含む。
【0011】
第4の態様では、指令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。前記指令がコンピュータで実行される時、コンピュータに第の態様に記載の空調機洗浄方法を実行させる。
【0012】
第5の態様では、上述の第の様態に記載の空調機洗浄方法を実行させるプログラムを記憶するためのメモリと、メモリに記憶されたプログラムを呼び出すためのプロセッサとを備える空調機洗浄装置を提供する。
【0013】
本願の実施例に係る空調機及び空調機洗浄方法は、乾燥指令及び空調機の運転状態に応じて、空調機を乾燥状態に移行させるように制御するか、又は、洗浄指令を受信する時、空調機を洗浄状態に移行させるように制御し;乾燥状態の加熱過程において、加熱により室内機コイルの表面上の凝縮水の蒸発を加速させ、空調機の冷却状態又は除湿状態の運転中に生成した凝縮水を除去し;洗浄状態の冷却過程において、冷却により室内機コイルの表面に着霜させ、センサによって測定された温度と持続時間に応じて圧縮機を制御して作動を停止させ、十分な着霜時間を確保し;洗浄状態の加熱過程において、加熱により除霜を行い、凝縮水を生成して室内機コイルの表面の汚れを除去して、室内機コイルを洗浄し、そして加熱により余分な凝縮水を蒸発させる。室内機ファンが所定速度で運転することによって、室内機コイルの表面に残った凝縮水を蒸発乾燥させる。こうして、従来技術に存する空調機の洗浄効果が低いという問題を解決し、空調機を効果的に洗浄する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本願の実施例における技術案又は従来技術の技術案をより明確的に説明するため、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。
【0015】
図1】本願の実施例に係る空調機の構造を示す図である。
図2】本願の実施例に係る空調機洗浄方法のフローを示す図一である。
図3】本願の実施例に係る空調機洗浄方法のフローを示す図二である。
図4】本願の実施例に係る空調機ファンの制御フローを示す図一である。
図5】本願の実施例に係る空調機ファンの制御フローを示す図二である。
図6】本願の実施例に係る空調機洗浄方法のフローを示す図三である。
図7】本願の実施例に係る空調機洗浄方法のフローを示す図四である。
図8】本願の実施例に係る空調機洗浄方法のフローを示す図五である。
図9】本願の実施例に係る空調機洗浄方法のフローを示す図六である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本願の実施例を説明する。
【0017】
図1に示すように、本願の幾つかの実施例に係る空調機は、室外機10と室内機20とからなる分離型空調機であり得る。
【0018】
室外機10は、室外機制御部11、室外環境温度センサ12、圧縮機13、電子膨張弁14、室外機ファン15及び室外機コイル16を有しており、室内機20は、室内機制御部21、室内機コイル温度センサ22、室内機コイル23、室内機ファン24及び室内環境温度センサ25を有する。図1に示す構成は、概略的ななものであり、室外機10及び室内機20の構造を限定するものではないと当業者に理解されるだろう。例えば、室内機20は、図1より多い又は少ない部品を有してもよいし、又は図1に示すものとは異なる構成を有してもよい。
【0019】
室内機制御部21は、各センサの作動状態を特定し、各センサによって測定された温度を取得し、且つユーザから送信された指令に従い対応する信号を室外機制御部11に送信することができる。室外機制御部11は、室内機制御部21から送信された信号及びセンサによって測定された温度に応じて、圧縮機13及び電子膨張弁14を制御することができる。
【0020】
室内機制御部21は、以下の空調機洗浄方法を実行することができる。図2に示すように、当該空調機洗浄方法は、以下のステップを含む。
【0021】
S201:空調機が洗浄指令を受信する時、空調機を洗浄状態に移行させるように制御する。
【0022】
ユーザ指令は、ユーザが必要に応じてワイヤコントローラ又はリモートコントローラを介して室内機制御部21に送信する、例えば乾燥指令、洗浄指令、自動洗浄指令、起動指令、停止指令などの指令であってもよい。空調機の運転状態は、待機状態、冷却状態、加熱状態、除湿状態、乾燥状態、洗浄状態などの運転状態であってもよい。
【0023】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄指令を受信する時、室外環境温度センサ12によって測定された温度に応じて、洗浄状態に移行するか否かを確認する。
【0024】
例えば、洗浄指令を受信した後、室外環境温度センサ12によって測定された温度が第1温度より低いか否かを判定し、室外環境温度センサ12によって測定された温度が第1温度より低くない場合、空調機を洗浄状態に移行させるように制御する。
【0025】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄指令を受信する時、空調機の運転状態に応じて、洗浄状態に移行するか否かを確認する。
【0026】
空調機が待機状態にあると、洗浄状態に移行すると確認する。
【0027】
幾つかの実施例において、空調機が冷却状態、加熱状態、又は除湿状態などの運転状態にある場合、当該冷却状態、加熱状態、又は除湿状態が終了してから、洗浄状態に移行する。状態の急速な切替による圧縮機への損傷を回避する。
【0028】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄指令を受信する時、空調機の運転状態及び室外環境温度センサ12によって測定された温度に応じて、洗浄状態に移行するか否かを確認する。
【0029】
空調機が待機状態にあり、洗浄指令を受信し、且つ室外環境温度センサ12によって測定された温度が第1温度より低くない場合、空調機を洗浄状態に移行させるように制御する。
【0030】
室内機制御部21が洗浄指令を受信した後、室外環境温度センサ12によって測定された温度を取得して、室外環境温度が比較的低いか否かを判定する。これにより、室外環境温度が比較的低い状況下で洗浄指令を実行するが故に、排水管が詰まってしまい、生成した凝縮水が室内に流れ出し、ユーザ体験を大きく影響することを回避する。
【0031】
例えば、第1温度を摂氏0度、室外環境温度センサ12によって測定された温度を摂氏15度とする。洗浄指令を受信した後、現在の空調機の運転状態を判定する。現在の空調機が待機状態にあり、取得した室外環境温度センサ12によって測定された温度が摂氏15度である場合、室外環境温度センサ12によって測定された温度が第1温度である摂氏0度より高いと判定し、空調機を洗浄状態に移行させるように制御する。
【0032】
S202:空調機を洗浄状態の冷却過程に移行させるように制御する。
【0033】
空調機が洗浄状態に移行した後、まず、空調機を制御して洗浄状態の冷却過程に移行させ、室外機制御部11は、室内機制御部21の指示に従い圧縮機13及び電子膨張弁14を冷却状態に切り替えるように制御して、室内機コイル23の表面に着霜させる。
【0034】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態に移行した後、室内洗浄表示灯を点灯させるように制御し、これにより空調機が洗浄中であることをユーザに報知する。
【0035】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態に移行した後、いずれか1つのセンサが故障した場合、室内洗浄表示灯を点滅させるように制御して、センサが故障したことをユーザに報知する。
【0036】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態に移行した後、室内機導風板を上に向かせるか閉じさせるように制御して、ユーザ体験に悪影響を与えることを回避する。
【0037】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態に移行した後、起動指令を受信すると、洗浄状態を終了し、起動を実行する。
【0038】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態に移行した後、停止指令を受信すると、洗浄状態を終了し、待機状態に移行する。
【0039】
S203:圧縮機の周波数を制御する。
【0040】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の冷却過程に移行した後、室外機制御部11に、室内環境温度センサ25によって測定された温度に応じて圧縮機13の周波数を制御するように指示する。室内機コイル23の表面の着霜効果を確保する状況下、洗浄状態の冷却過程の消費を低減する。
【0041】
例えば、室内環境温度センサ25によって測定される温度が摂氏5度以上である場合、室外機制御部11は、圧縮機13の周波数を調整しなくてもよく、一方、室内環境温度センサ25によって測定される温度が摂氏5度より低い場合、室外機制御部は、圧縮機13の周波数を適当に減少してもよい。
【0042】
S204:室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御する。
【0043】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の冷却過程の第1時間に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で運転させるように制御する。
【0044】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の冷却過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で第2時間運転させるように制御する。
【0045】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の冷却過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で持続運転させるように制御する。
【0046】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の冷却過程を終了した後、室内機ファン24を所定回転速度で持続運転させるように制御する。
【0047】
S205:空調機が洗浄状態の冷却過程にあり、且つ停止条件が満たされた場合、室外機制御部に、圧縮機の作動を停止させるように指示する。
【0048】
幾つかの実施例において、停止条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1冷却温度以下であり、且つ持続時間が第1冷却時間より長いことである。
【0049】
例えば、第1冷却温度を摂氏マイナス19度、第1冷却時間を6分とする。室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が摂氏マイナス19度以下で、持続時間が6分超である場合、室外機制御部11に、圧縮機13の作動を停止させるように指示する。
【0050】
幾つかの実施例において、停止条件は、室内機環境温度センサ25によって測定された温度が第2冷却温度以下であり、且つ持続時間が第1冷却時間より長いことである。
【0051】
例えば、第2冷却温度を摂氏5度、第1冷却時間を6分とする。室内機温度センサ25によって測定された温度が摂氏5度以下で、持続時間が6分超であった場合、室外機制御部11に、圧縮機13の作動を停止させるように指示する。
【0052】
幾つかの実施例において、停止条件は、洗浄状態の冷却過程の持続時間が第2冷却時間より長いことである。例えば、第2冷却時間を12分とする場合、洗浄状態の冷却過程の持続時間が12分超であると、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0053】
幾つかの実施例において、停止条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、室内機環境温度センサ25によって測定された温度が第2冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いことである。即ち、2つの条件のうち、少なくとも一方が満たされると、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0054】
幾つかの実施例において、停止条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1冷却温度以下であり、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、洗浄状態の冷却過程の持続時間が第2冷却時間より長いことである。ここでは、第2冷却時間は、第1冷却時間より長い。即ち、2つの条件のうち、少なくとも一方が満たされると、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0055】
幾つかの実施例において、停止条件は、室内機環境温度センサ25によって測定された温度が第2冷却温度以下であり、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、洗浄状態の冷却過程の持続時間が第2冷却時間より長いことである。ここで、第2冷却時間は、第1冷却時間より長い。即ち、2つの条件のうち、少なくとも一方が満たされると、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0056】
幾つかの実施例において、停止条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、室内機環境温度センサ25によって測定された温度が第2冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、洗浄状態の冷却過程の持続時間が第2冷却時間より長いことであり、ここで、第2冷却時間が第1冷却時間より長い。即ち、3つの条件のうち、少なくとも一方が満たされると、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0057】
例えば、第1冷却温度を摂氏マイナス19度、第2冷却温度を摂氏5度、第1冷却時間を6分、第2冷却時間を12分とする。室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が摂氏マイナス19度以下で、持続時間が6分超であり、又は室内機環境温度センサ25によって測定された温度が摂氏5度以下で、持続時間が6分超であり、又は洗浄状態の冷却過程の持続時間が12分超である、という3つの条件のうち少なくとも一つが満たされる時、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0058】
S206:空調機を洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御する。
【0059】
空調機が洗浄状態の加熱過程に移行した後、室外機制御部11は、室内機制御部21の指示に従い、圧縮機13及び電子膨張弁14を制御して加熱状態に切り替えさせ、室内機コイル23の表面を除霜する。
【0060】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の加熱過程の第3時間に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で運転させるように制御する。
【0061】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の加熱過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で第4時間運転させるように制御する。
【0062】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態の加熱過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で持続運転させるように制御する。
【0063】
S207:空調機が洗浄状態の加熱過程にあり、且つ終了条件が満たされた場合、室外機制御部に、圧縮機を制御して作動を停止させるように指示する。
【0064】
幾つかの実施例において、終了条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1加熱温度より高く、且つ持続時間が第1加熱時間より長いことである。
【0065】
例えば、第1加熱温度を摂氏50度、第1加熱時間を30秒とする。室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が摂氏50度超であり、持続時間が30秒超である場合、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0066】
幾つかの実施例において、終了条件は、洗浄状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長いことである。
【0067】
例えば、第2加熱時間は、7分とし、洗浄状態の加熱過程の持続時間が7分超である場合、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0068】
幾つかの実施例において、終了条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1加熱温度より大きく、且つ持続時間が第1加熱時間より長いこと、又は、洗浄状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長いことである。ここで、第2加熱時間は、第1加熱時間より長い。即ち、2つの条件のうち、少なくとも一方が満たされると、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0069】
例えば、第1加熱温度を摂氏50度、第1加熱時間を30秒、第2加熱時間を7分とする。室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が摂氏50度超で、持続時間が30秒超であり、又は、洗浄状態の加熱過程の持続時間が7分超である、という2つの条件のうち少なくとも一つが満たされた場合、室外機制御部11に圧縮機13を制御して作動を停止させるように指示する。
【0070】
S208:空調機を洗浄状態を終了させるように制御する。
【0071】
空調機は洗浄状態を終了した後、待機状態に移行させるように制御する。
【0072】
幾つかの実施例において、空調機が洗浄状態を終了した後、室内洗浄表示灯を消灯させるように制御する。
【0073】
幾つかの実施例において、図3に示すように、図2に示す方法において、該方法はステップS209をさらに含む。
【0074】
S209:空調機が洗浄状態の冷却過程にある時、模擬的な室内機コイル温度センサの温度を室外機制御部に送信する。
【0075】
ここで、模擬的な室内機コイル温度センサ22の温度は、凍結防止温度より高い。
【0076】
一部の空調機は、凍結防止機能を有しており、かかる空調機は、室内機コイル23の温度が凍結防止温度より低い場合、空調機の凍結防止機能が触発され、この時、室外機制御部11は、圧縮機13及び電子膨張弁14を制御して運行を停止させ、これにより空調機の低温状態での長時間運転による室内機コイル23等の部品への損傷を回避する。
【0077】
冷却過程において、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度は、凍結防止温度より低い可能性がある。凍結防止保護機能が室内機コイル23の着霜効果への影響を回避するため、室内機制御部21は、模擬的な室内機コイル温度センサ22の温度を室外機制御部11に送信することによって、室外機制御部11の凍結防止保護機能を無効にさせ、凍結防止保護の触発による影響を回避する。
【0078】
例えば、凍結防止保護温度を摂氏5度とする。圧縮機13と電子膨張弁14が冷却過程にある時、室内機制御部21は、模擬的な室内機コイル温度センサ22の温度摂氏10度を送信し続けることによって、室外機制御部11の凍結防止保護機能を無効にすることができる。
【0079】
幾つかの実施例において、図3に示すように、図2に示す方法において、該方法はステップS210をさらに含む。
【0080】
S210:空調機が洗浄状態の加熱過程に移行する前、空調機を保護過程に移行させるように制御する。
【0081】
空調機が洗浄状態の加熱過程に移行する前、空調機を保護過程に移行させるように制御し、状態の急速な切替による圧縮機への損傷を回避する。
【0082】
幾つかの実施例において、図4に示すように、空調機が保護過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で運転させるように制御する。
【0083】
幾つかの実施例において、図5に示すように、空調機が保護過程に移行した後、室内機ファン24の運転を停止させるように制御する。
【0084】
幾つかの実施例において、空調機が保護過程の第5時間に移行した後、空調機を洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御する。
【0085】
例えば、第5時間は3分とし、空調機が保護過程に移行して3分間経過後、空調機を洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御する。
【0086】
図6に示すように、本願の幾つかの実施例において、室内機制御部21は、洗浄指令を受信して空調機を洗浄状態に移行させるように制御する以外、空調機が乾燥指令を受信した時、乾燥指令及び空調機の運転状態に応じて、空調機を乾燥状態に移行するように制御し、乾燥状態を持って空調機を洗浄する。
【0087】
S601:空調機が乾燥指令を受信する時、乾燥指令及び空調機の運転状態に応じて、空調機を乾燥状態に移行させるように制御する。
【0088】
ユーザ指令は、ユーザの必要に応じてワイヤコントローラ又はリモートコントローラを介して室内機制御部21に送信する、例えば乾燥指令、洗浄指令、自動洗浄指令、起動指令、停止指令などの指令であり得る。空調機の運転状態は、待機状態、冷却状態、加熱状態、除湿状態、乾燥状態、洗浄状態などの運転状態であり得る。
【0089】
空調機が冷却状態又は除湿状態で一定時間持続運転した後、室内機コイル23の表面に凝縮水が生成し、この時、乾燥状態下の過程によって洗浄する必要がある。
【0090】
幾つかの実施例において、空調機が冷却状態又は除湿状態で第6時間より長い時間持続運転した後に待機状態に移行し、且つ待機状態に移行する前に乾燥指令を受信した場合、空調機を乾燥状態に移行させるように制御する。
【0091】
例えば、第6冷却時間を20分とする。空調機が冷却状態又は除湿状態で25分持続運転した後に待機状態に移行し、且つ空調機が待機状態に移行する前に乾燥指令を受信した場合、乾燥状態に移行することを確認する。
【0092】
幾つかの実施例において、自動洗浄指令を受信した後、空調機が冷却又は除湿状態で第6時間より長い時間持続運転した後に待機状態に移行する度に、空調機を加熱過程に移行させるように制御する。ユーザが自動洗浄指令を室内機制御部21に送信して、室内機コイル23の表面の凝縮水を自動的に除去することができ、これにより、ユーザ体験が向上される。
【0093】
幾つかの実施例において、空調機が冷却状態又は除湿状態で第6時間より長い時間持続運転した後に待機状態に移行し、且つ空調機が待機状態に移行する前に乾燥指令を受信した場合、空調機が待機状態に移行して所定時間経過後、空調機を乾燥状態に移行させるように制御する。状態の急速な切替による圧縮機への損傷を回避する。
【0094】
例えば、第6冷却時間を20分、所定時間を3分とする。空調機が冷却状態又は除湿状態で30分持続運転した後に待機状態に移行し、且つ空調機が待機状態に移行する前に乾燥指令を受信した場合、空調機が待機状態に移行し移行して3分間経過後、空調機を乾燥状態に移行させるように制御する。
【0095】
S602:空調機を乾燥状態の加熱過程に移行させるように制御する。
【0096】
空調機が乾燥状態の加熱過程に移行した後、室外機制御部11は、室内機制御部21の指示に従い、圧縮機13及び電子膨張弁14を制御して加熱状態に切り替えさせ、室内機コイル23の温度を上昇させて、表面の凝縮水の蒸発を促進する。
【0097】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態に移行した後、室内洗浄表示灯を点灯させるように制御して、空調機が洗浄中であることをユーザに報知する。
【0098】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態に移行した後、センサのいずれか1つが故障した場合、室内洗浄表示灯を点滅させるように制御して、センサが故障したことをユーザに報知する。
【0099】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態に移行した後、起動指令を受信すると、乾燥状態を終了して起動を実行する。
【0100】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態に移行した後、停止指令を受信すると、乾燥状態を終了して待機状態に移行する。
【0101】
S603:室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御する。
【0102】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態の加熱過程の第3時間に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で運転させるように制御する。
【0103】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態の加熱過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で第4時間運転させるように制御する。
【0104】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態の加熱過程に移行した後、室内機ファン24を所定回転速度で持続運転させるように制御する。
【0105】
S604:空調機が乾燥状態の加熱過程にあり、且つ終了条件が満たされる時、室外機制御部に圧縮機の作動を停止させるように指示する。
【0106】
幾つかの実施例において、終了条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1加熱温度より高く、且つ持続時間が第1加熱時間より長いことである。
【0107】
例えば、第1加熱温度を摂氏50度、第1加熱時間を30秒とする。室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が摂氏50度超で、且つ持続時間が30秒超の場合、室外機制御部11に圧縮機13の作動を停止させるように指示する。
【0108】
幾つかの実施例において、終了条件は、乾燥状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長いことである。
【0109】
例えば、第2加熱時間を7分とする。乾燥状態の加熱過程の持続時間が7分超の場合、室外機制御部11に圧縮機13の作動を停止させるように指示する。
【0110】
幾つかの実施例において、終了条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1加熱温度より高く、且つ持続時間が第1加熱時間より長いこと、又は、乾燥状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長いことである。第2加熱時間は、第1加熱時間より長い。即ち、2つの条件のうち、少なくとも一方が満たされると、室外機制御部11に圧縮機13の作動を停止させるように指示する。
【0111】
例えば、第1加熱温度を摂氏50度、第1加熱時間を30秒、第2加熱時間を7分とする。室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が摂氏50度超で、且つ持続時間が30秒超である、又は乾燥状態の加熱過程の持続時間が7分超である、という2つの条件のうち少なくとも一つが満たされた場合、室外機制御部11に圧縮機13の作動を停止させるように指示する。
【0112】
S605:空調機を、乾燥状態を終了させるように制御する。
【0113】
空調機を制御して乾燥状態を終了させ、待機状態に移行させる。
【0114】
幾つかの実施例において、空調機が乾燥状態を終了した後、室内洗浄表示灯を消灯させるように制御する。
【0115】
図7に示すように、本願の幾つかの実施例において、室内機制御部21は、それぞれ洗浄指令に応じて、空調機を洗浄状態に移行させ、そして乾燥指令に応じて空調機を乾燥状態に移行させるように制御して、空調機を洗浄する。
【0116】
S701:空調機が冷却状態又は除湿状態で第6時間より長い時間持続運転した後に待機状態に移行し、且つ空調機が待機状態に移行する前に乾燥指令を受信した場合、空調機を乾燥状態に移行させるように制御する。
【0117】
S702:空調機は、乾燥状態の加熱過程に移行させるように制御する。
【0118】
幾つかの実施例において、図8に示すように、空調機を制御して乾燥状態に移行した後、さらにステップS7021-S7022を含むことができる。
【0119】
S7021:室内機ファンを作動を停止させるように制御する。
【0120】
室内機制御部21は、室内機ファン24を作動を停止させるように制御することにより、加熱状態中に室内機コイル23の熱が室内に伝達して、ユーザ体験に悪影響を与えることを回避する。
【0121】
S7022:室外機制御部に、圧縮機及び電子膨張弁を制御して加熱状態に切り替えるように指示する。
【0122】
室外機制御部11は、室内機制御部21の指示に従い、圧縮機13及び電子膨張弁14を加熱状態に切り替えるように制御し、室内機コイル23の温度を上昇させ、表面の凝縮水の蒸発を促進する。
【0123】
S703:空調機が待機状態にあり、洗浄指令を受信し、且つ室外環境温度センサによって測定された温度が第1温度より低くない場合、空調機を洗浄状態に移行させるように制御する。
【0124】
S704:空調機を洗浄状態の冷却過程に移行させるように制御する。
【0125】
幾つかの実施例において、図9に示すように、空調機を制御して洗浄状態の冷却過程に移行した後、更にステップS7041-S7044を含むことができる。
【0126】
S7041:室内機ファンを所定回転速度で持続運転させるように制御する。
【0127】
S7042:室外機制御部に、圧縮機及び電子膨張弁を制御して冷却状態に切り替えさせ、且つ室内環境温度センサによって測定された温度に従い圧縮機の周波数及び電子膨張弁の開度を制御するように指示する。
【0128】
室外機制御部11は、室内機制御部21が送信した冷却信号に従い圧縮機13及び電子膨張弁14を制御して冷却状態に切り替えさせ、室内機コイル23の表面に着霜させる。
【0129】
S7043:空調機が洗浄状態の冷却過程にある時、室外機制御部に模擬的な室内機コイル温度センサの温度を送信する。
【0130】
ここで、模擬的な室内機コイル温度センサ22の温度は、凍結防止温度より高い。
【0131】
S7044:空調機が洗浄状態の冷却過程にあり、且つ停止条件が満たされる時、室外機制御部に、圧縮機を制御して作動を停止させるように指示する。
【0132】
ここでは、停止条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、室内機環境温度センサ25によって測定された温度が第2冷却温度以下で、且つ持続時間が第1冷却時間より長いこと、又は、洗浄状態の冷却過程の持続時間が第2冷却時間より長いことである。第2冷却時間は、第1冷却時間より長い。
【0133】
S705:空調機を洗浄状態の加熱過程に移行させるように制御する。
【0134】
室外機制御部11は、室内機制御部21の指示に従い圧縮機13及び電子膨張弁14を制御して加熱状態に切り替えさせ、室内機コイル23の温度を上昇させて室内機コイル23の表面を除霜する。
【0135】
S706:空調機が乾燥状態の加熱過程又は洗浄状態の加熱過程の第3時間に移行した後、室内機ファンを所定回転速度で運転させるように制御する。
【0136】
S707:空調機が乾燥状態の加熱過程又は洗浄状態の加熱過程にあり、且つ終了条件が満たされる時、室外機制御部に、圧縮機を制御して作動を停止させるように指示する。
【0137】
ここでは、終了条件は、室内機コイル温度センサ22によって測定された温度が第1加熱温度より長く、且つ持続時間が第1加熱時間より長いこと、又は、乾燥状態の加熱過程又は洗浄状態の加熱過程の持続時間が第2加熱時間より長いことである。第2加熱時間は、第1加熱時間より長い。
【0138】
S708:空調機を乾燥状態又は洗浄状態を終了させるように制御する。
【0139】
空調機を乾燥状態又は洗浄状態を終了させ、待機状態に移行させるように制御する。
【0140】
本発明の実施例は、1つ又は複数のプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。前記1つ又は複数のプログラムは、コンピュータによって実行される時に、コンピュータに図2図3及び図6図9に記載の空調機洗浄方法を実行させるための指令を含む。
【0141】
本願の実施例は、指令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。前記指令がコンピュータで実行される時、コンピュータに図2図3及び図6図9に記載の空調機洗浄方法を実行させる。
【0142】
本願の実施例は、図2図3及び図6図9に記載の空調機洗浄方法を実行させるプログラムを記憶するためのメモリと、メモリに記憶されたプログラムを呼び出すプロセッサとを備える空調機洗浄装置を提供する。
【0143】
本発明の実施例における空調機洗浄装置、コンピュータ読取可能な記憶媒体及びコンピュータプログラム製品は、上述の空調機洗浄方法に適用することができるため、成しえる技術的効果も、上述した方法の実施例を参照すれば分かるので、ここではその説明を省略する。
【0144】
本発明の種々の実施例において、上述した各過程の順序番号の大きさは、実行順序の前後を意味せず、各過程の実行順序は、その機能及び内部論理によって決定されるべきであり、本発明の実施例の実施過程に対して如何なる限定を意図しないと理解すべきである。
【0145】
本明細書に開示される実施例に記載の各例示的な要素及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組合せで実現し得ることは、当業者であれば理解できるだろう。これらの機能がハードウェアで実行されるかソフトウェアで実行されるかは、技術案の特定適用や設計上の規制条件に依存する。当業者は、特定適用の各々に関して、記載の機能を実現するために異なる方法を用いることができるが、かかる実施は、本願の保護範囲から逸脱するものと考えられるべきではない。
【0146】
当業者であれば明確に理解できるように、説明の便宜上及び簡潔さのために、上述のシステム、装置及び手段の具体的な作動過程は、前述の方法の実施例における対応過程を参照すればよく、ここではその説明を省略する。
【0147】
本願に係る幾つかの実施例に関して、理解すべきなのは、開示されたシステム、装置及び方法は、他の方法でも実現されることができる。例えば、上述に記載の装置の実施例は単なる概略的なものであり、一例として、前記手段の区分は、論理的機能の区分のみであり、実際に実現される時は、別の区分方法があってもよく、例えば、複数の手段又は要素が、別のシステムに結合又は統合されてよく、又は幾つかの特徴が省略されてもよいし、又は実施しなくてもよい。別の点では、表示又は検討された互いの結合、又は直接結合、又は通信接続は、幾つかの接続口を介して実現されてもよく、設備又は手段の間接結合又は通信接続は、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0148】
前記分離部材として説明される手段は、物理的に分離されるものであってもよいし、分離されないものであってもよいし、手段として示される部材は、物理的な手段であってもよいし、物理的な手段でなくてもよいし、即ち一箇所に位置してもよいし、複数のネットワーク手段に分布してもよい。本実施例の方案の目的は、実際の必要に応じて、手段の一部又は全部を選択して実現することができる。
【0149】
なお、本発明の各実施例における各機能手段は、1つの処理手段に統合されてもよいし、又は各手段は、物理的に個別で存在してもよく、又は2つ以上の手段が1つの手段に統合されてもよい。
【0150】
上述した実施例は、その全部又は一部がソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せによって実現されてもよい。ソフトウェアプログラムによって実現する場合、その全部又は一部がコンピュータプログラム製品の形で実現されてもよい。当該コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ指令を含むものである。コンピュータにおいてコンピュータプログラム指令をアップロードして実行する時、本願の実施例に記載のプロセス又は機能の全部又は一部が生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又はその他のプログラマブル装置であってもよい。前記コンピュータ指令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよいし、又は一つのコンピュータ読取可能な記憶媒体から別のコンピュータ読取可能な記憶媒体に転送されてもよい、例えば、前記コンピュータ指令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバー、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line、DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、マイクロ波など)方式によって、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターへ送信することができる。前記コンピュータ読取可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる如何なる使用可能な媒体であってもよいし、又は、1つ又は複数の媒体によって統合できるサーバ、データセンター等を含むデータ記憶装置であってもよい。前記使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(Solid State Disk、SSD))等であり得る。
【0151】
以上に説明したのは、本願の具体的な実施形態のみであり、本願の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本発明の要旨を逸脱しない範囲内に容易に想到できる変形や置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本願の保護範囲は、前記特許請求の範囲に記載された権利範囲を準拠するものとする。
【符号の説明】
【0152】
10 室外機
11 室外機制御部
12 室外環境温度センサ
13 圧縮機
14 電子膨張弁
15 室外機ファン
16 室外機コイル
20 室内機
21 室内機制御部
22 室内環境温度センサ
23 室内機コイル
24 室内機ファン
25 室内機温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9