IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アボット・ラボラトリーズの特許一覧

<>
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図1A
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図1B
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図2
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図3
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図4
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図5
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図6
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図7
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図8
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図9
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図10
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図11
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図12
  • 特許-液体を撹拌する装置および方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】液体を撹拌する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G01N35/02 D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020062151
(22)【出願日】2020-03-31
(62)【分割の表示】P 2018121565の分割
【原出願日】2013-12-27
(65)【公開番号】P2020112571
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2020-04-20
(31)【優先権主張番号】13/801,154
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008788
【氏名又は名称】アボット・ラボラトリーズ
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ポール・ルオマ
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-102262(JP,A)
【文献】特表2005-502034(JP,A)
【文献】特表2007-524842(JP,A)
【文献】特開2002-196006(JP,A)
【文献】特表平11-515106(JP,A)
【文献】特開2005-181338(JP,A)
【文献】特表2009-544959(JP,A)
【文献】特開平04-208864(JP,A)
【文献】特開2004-061160(JP,A)
【文献】特公昭52-007758(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジであって、
基部と、基部から延在するカラーとを含むキャリアと、
頂部および底部を有する容器と
を備え、
容器の底部は、基部に対して選択的に回転可能であり、
容器は、容器の底部が基部に回転不能に結合される第1の位置から、容器の底部が基部に対して回転可能である第2の位置まで、基部から離れる方向に移動可能であり、
容器の底部は、カラー内に延在するポストを含み、容器が第2の位置にあるときに、ポストはカラー内で回転可能である、カートリッジ。
【請求項2】
キャリアは、基部から延在するリッジを含む、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項3】
リッジがリングを形成しており、カラーがリング内にある、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項4】
第1の位置において、リッジは、容器の底部と係合して、容器の底部を基部に回転不能に結合し、
第2の位置において、リッジは、容器の底部から外され、容器の底部は、カラーの周りで回転可能である、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
リッジは、基部から第1の距離だけ延在し、カラーは、基部から第1の距離よりも大きい第2の距離だけ延在する、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
第2の位置において、容器は、第1の距離と第2の距離との間の第3の距離だけ基部から離れる方向に移動される、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
容器の頂部が、容器内の液体にアクセスするためのピペットを受容するための第1の開口部を有するスロート部を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
キャリアは、第2の開口部を有するカバーを含み、スロート部は、第2の開口部内に少なくとも部分的に延在する、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
スロート部は、容器が第1の位置と第2の位置との間で移動されるときに、第2の開口部内で摺動可能である、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
スロート部は、容器が第2の位置にあるときに、第2の開口部内で回転可能である、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
容器は、常磁性粒子を有する液体試薬を保持し、液体試薬は、診断分析に使用される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項12】
カートリッジであって、
基部を含むキャリアであって、基部が、基部の頂部側と底部側との間に延在する開口部を有し、開口部は、カートリッジが診断分析器のカルーセルに配置されたときにシャフトを受け入れる、キャリアと、
キャリア内の容器と
を備え、
容器は、キャリアに容器が回転不能に結合される第1の位置から、キャリアに容器が回転可能に結合される第2の位置まで、キャリア内で選択的に摺動可能であり、
シャフトが開口部を通って延在して容器に係合すると、容器は、基部から離れるように、第1の位置から第2の位置に摺動可能である、カートリッジ。
【請求項13】
キャリアが基部から延在するリッジと、基部から延在するカラーと、を含む、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
第1の位置において、リッジは、容器を基部に回転不能に結合するために容器と係合し、
第2の位置において、容器は、リッジから外され、容器は、カラーの周りで回転可能である、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
容器は、底部と、容器の底部から延在するリムとを含み、
リッジは、容器が第1の位置にあるときにリムと係合して、基部に対する容器の回転を防止する、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
カートリッジであって、
基部と基部から延在するカラーとを有するキャリアと、
基部に支持された容器と
を備え、
容器は、少なくとも部分的にカラー内に延在するポストを含み、
容器は、基部に容器が回転不能に結合されている第1の位置から基部に容器が回転可能に結合されている第2の位置まで、基部から離れる方向に移動可能であり、
基部は、カラーを通って基部の第1の面と第2の面との間に延在する開口部を有し、開口部は、開口部を通してシャフトが挿入されてポストに係合して第1の位置と第2の位置との間で容器を移動させることを可能にする、カートリッジ。
【請求項17】
ポストは、シャフト上の突出部を受容するための切欠部を含む、請求項16に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には、流体分析装置に関し、特に、液体を撹拌する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
診断用に患者から採取された生体物質を含む試料を分析するのに自動分析装置が使用される。一般に、試料の分析は、試料を液体容器内の1つまたは複数の試薬と反応させることを含む。一部の自動分析装置は、カルーセル上の容器に試薬を入れておく。特定の試薬が必要な場合、カルーセルは、試薬を入れた容器を吸引/分注装置に隣接した位置まで移動させるために回転される。カルーセルは、加速および減速することによって移動され、そのことにより試薬に回転力を付与して、微粒子を試薬内で懸濁させることができる。しかし、容器内の微粒子の一部は容器の底に堆積してしまう場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】複数の容器例を保持し、第1の位置で第1の容器を有するカルーセル例の一部に結合されたカートリッジ例を示した図である。
図1B】第2の位置で第1の容器を有する図1Aのカートリッジ例を示した図である。
図2図1AのラインA-Aに沿った断面図である。
図3】カルーセルから分離されて密閉された図1Aおよび図2のカートリッジ例および容器例の斜視図である。
図4図1A図3のカートリッジ例の容器用の複数の台座部を示した図である。
図5】カルーセル例から分離された図2の容器例およびカートリッジ例の下部の拡大図である。
図6図3のラインB-Bに沿った第1の容器例およびカートリッジ例の上部の断面斜視図である。
図7】係止解除位置にある図2の第1の容器の拡大図である。
図8図1AのラインC-Cに沿った第1の容器例の上面断面図である。
図9】カートリッジ例から取り外された第1の容器例の図3のラインD-Dに沿った断面図である。
図10】カートリッジ例から取り外された第1の容器例の図3のラインB-Bに沿った側面断面図である。
図11図6図9の第1の容器例の底壁の代替形態を示した図である。
図12図11の底壁例の上面図である。
図13】本明細書に開示されている方法例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
いくつかの図面もしくは図面の一部は正確な縮尺でない場合がある。それどころか、複数の層および領域を明確に示すために、図面内では層の厚さが増した状態で示されている。可能な限り、同じもしくは同様の部品を示すのに、図面(複数を含む)および図面に関する説明全体を通して同じ参照番号を使用する。本願で使用される場合、任意の部品(例えば、層、フィルム、領域、もしくはプレート)が何らかの形で別の部品上に位置決めされる(例えば、上に位置決めされる、上に配置される、上に設置される、もしくは上に形成されるなど)という表現は、上記部品が他方の部品と接触している、もしくは上記部品が他方の部品とに間に1つまたは複数の中間部品を介在させて他方の部品の上にあるということを意味する。任意の部品が別の部品と接触するという表現は、2つの部品間に中間部品が介在しないことを意味する。
【0005】
本明細書に開示されているのは、液体(例えば、液体試薬)を自動診断分析装置(例えば、臨床化学分析装置、免疫分析装置、および/または血液分析装置としてもよい)の容器内で撹拌する方法および装置である。自動診断分析器で使用される試薬の一部は液体と微粒子とを含み、微粒子は液体に混合され、いくつかの例では、液体の中でほぼ均一に分散される。自動診断分析器は、典型的には、軸を中心として試薬の容器もしくはボトルを回転させ、その回転により容器の内容物に力が加わり内容物が混合される。従来型の試薬ボトルは、円筒形であり、試薬液体の中で粒子を混合および分散させるのに使用される内部フィンを含む。
【0006】
本明細書に開示されている例は、長方形、角丸長方形、もしくは略長方形の試薬容器を使用している。本明細書に開示されている例は、試薬(例えば、微粒子を含む試薬)の均一な混合および分散を実現できる。これらの開示されている例は、多くの既知の構造に比べて、診断システム内で利用できる空間がより大きい。したがって、本明細書に記載されている例を使用すれば、分析装置は、多くの既知のシステムに比べて、処理量を増やすことができ、および/またはサイズを小さくすることができる。いくつかの例では、容器もしくはボトルの1つは、約20mmの深さ、約36mmの幅、約92mmの高さを有する。他の例では、他の寸法を有する場合もある。開示されている例の別の利点は、多くの既知の形態の製造技術に比べてコストを削減できる製造技術(例えば、ブロー成形)によってボトル例を作成できるという点である。
【0007】
本明細書に開示されている例では、ボトル例の両側平坦面は、ボトルの加速および減速に応じてボトルの液体内で混合作用を引き起こす。本明細書に開示されているボトル例は、長手方向中心軸を中心として揺動するように回転される。さらに、ボトルは、カルーセルの回転軸を中心として回転されるカートリッジに結合される。ボトルおよびキャップは、本明細書に開示されているように、ボトルが回転するための軸受面となる機能を含む。ボトルは、ボトルの1つまたは複数の表面を使い捨て軸受として機能させることができる1つまたは複数の材料で構成されてもよい。いくつかの例では、ボトルは、摩耗特性に優れ、ごくわずかな摩耗で、例えば、30日間の搭載使用期間(例えば、診断分析装置における連続使用)に耐えることができる高密度ポリエチレンで構成されてもよい。加速および減速と長方形壁とによりボトル内の液体に力が加わり、ボトルの内容物の混合が促進される。ボトル内部の丸みを帯びたもしくは曲線状の底部は、ボトルが静止している時に生じる沈殿によりボトルの底部に堆積する恐れのある粒子に上昇運動をもたらすことによって内容物の混合を助ける。より詳細には、ボトルの回転により生じる遠心力は、この沈殿粒子をボトル底部の中心から外に移動させ、粒子がボトル底部の輪郭に沿って移動するように粒子を上昇させる。いくつかの例では、均一な混合は、約1分間揺動させることにより視認できる。使用される試薬(複数可)、使用される微粒子(複数可)、行われる診断検査(複数可)、および/または他の要因に応じて、他の混合時間および揺動速度を使用してもよい。
【0008】
本明細書に開示されているのは、基部と、第1の端壁と、第2の端壁とを含む装置例である。装置例はさらに、角丸長方形断面形状を有し、角丸長方形ブロック、すなわち、丸みを帯びた縁部を有する棒状体(総じて、角丸長方形と呼ぶ)を形成する第1の容器および第2の容器を含む。さらに、装置例は、第1の容器を保持するための第1の容器支持部を含む。第1の容器支持部例は、第1の容器の第1のリムと係合して第1の容器を基部に回転不能に結合する第1のポストを含む。さらに、装置例は、第2の容器を保持するための第2の容器支持部を含む。第2の容器支持部例は、第2の容器の溝と係合するカラーと、第2の容器の第2のリムと係合するリッジとを含む。第2の容器例は、基部に対して選択的に回転可能である。
【0009】
いくつかの例では、装置例はさらに、第3の容器を保持するための第3の容器支持部を含む。第3の容器支持部例は、第3の容器の第3のリムと係合して第3の容器を基部に回転不能に結合する第2のポストを含む。
【0010】
いくつかの例では、装置は、第1の回転軸を中心として回転可能であり、第2の容器は第2の回転軸を中心として基部に対して回転可能である。
【0011】
いくつかの例では、第2の容器は、第2の容器の第2のリムがリッジと係合されて、第2の容器が基部に回転不能に結合される係止位置と、第2の容器が上昇して第2のリムがリッジから外され、溝がカラーを中心として回転可能になる係止解除位置との間で可動である。
【0012】
いくつかの例では、装置は、第1の容器にアクセスする第1の開口部と、第2の容器にアクセスする第2の開口部とを有するカバーを含む。
【0013】
さらに本明細書に開示されているのは、第1の側壁と、第1の側壁にほぼ平行な第2の側壁とを含む装置例である。装置例はさらに、第1の側壁および第2の側壁に結合される頂壁を含む。装置例はさらに、頂壁の反対側の、第1の側壁および第2の側壁に結合される底壁を含む。底壁は、液体を入れるためのキャビティを画定する第1の面を有する。装置例はさらに、底壁の第1の面から頂壁に向かって延在する突出部を含む。
【0014】
いくつかの例では、突出部は、底壁の中心に配置される。さらに、くつかの例では、突出部は、底壁の回転軸上に配置される。また、いくつかの例では、突出部は、底壁の回転軸に沿って配置される先端を有する。
【0015】
いくつかの例では、装置例は、第3の側壁と、第3の側壁の反対側の壁である第4の側壁とを含む。この例では、第3の側壁および第4の側壁は曲面である。
【0016】
いくつかの例では、底壁は第1の曲率半径を有し、突出部は第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有する。いくつかの例では、第1の曲率半径の向きは第1の方向であり、第2の曲率半径の向きは第1の方向とは異なる第2の方向である。
【0017】
いくつかの例では、第1の側壁は、第2の側壁に向かって延在するリブを含む。さらに、いくつかの例では、装置は、底壁の第1の面から垂下するポストを含む。この例では、突出部は底壁の第2の面から延在する。いくつかの例では、ポストは複数の切欠部を画定する。さらに、いくつかの例では、切欠部は、凹部と位置合わせされた回転軸、すなわち、凹部の中心軸と同軸である回転軸を中心として装置を回転させる回転機構と係合可能である。
【0018】
いくつかの例では、第1の側壁は第1の平面部を含み、第2の側壁は第2の平面部を含む。さらに、いくつかの例では、装置例は、第3の側壁と、第3の側壁の反対側の壁である第4の側壁とを含む。この例では、第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、および第4の側壁のうちの少なくとも2つは、容器を回転不能な位置で維持するために、キャリアのリッジと係合するリムを含む。
【0019】
さらに本明細書に開示されているのは、第1の容器のリムがキャリアのリッジと係合され、第1の容器の溝がキャリアのカラーと係合される第1の位置から、リムがリッジから外され、溝がカラーと係合される第2の位置まで、第1の容器を持ち上げるステップを含む方法例である。方法例はさらに、回転軸を中心として第1の容器を回転させるステップと、第1の容器の内容物を混合するステップとを含む。この例では、内容物は、第1の容器の略平坦な第1の側壁および第1の容器の底部突起部によって混合される。
【0020】
いくつかの例では、方法例は、第1の容器を回転させながら第2の容器をキャリア上で回転不能に支持するステップを含む。さらに、いくつかの例では、方法例は、第1の位置まで第1の容器を押し下げて第1の容器をキャリアに回転不能に結合するステップを含む。
【0021】
ここで、図面について説明する。図1Aは、診断分析装置のカルーセル102に結合されるカートリッジ例100の斜視図である。図示されている例では、カルーセル102は、カートリッジ100が支承されるプラットフォーム104を含む。カートリッジ100は、手動で、ロボット装置によって、コンベヤを介して、および/または任意の他の装置および/または技術を使用して、プラットフォーム104上に搬送および/または配置される。カルーセル例102の動作時に、プラットフォーム104ひいてはカートリッジ100は、カルーセル102によって規定されるほぼ円形の軌道108に沿って第1の回転軸106を中心として回転する。いくつかの例では、複数のカートリッジがプラットフォーム104に結合される。
【0022】
いくつかの例では、プラットフォーム104は、一方向に、例えば、軌道108の方向に、周期的もしくは非周期的に移動する。他の例では、プラットフォーム104は、前後運動(例えば、揺動)しながら移動する。例えば、プラットフォーム104は、第1の方向(例えば、右回り)に第1の距離だけ繰り返し移動し、その後、第1の方向とは反対方向の第2の方向(例えば、左回り)に第2の距離だけ繰り返し移動する。いくつかの例では、プラットフォーム104上のカートリッジ100が前後運動によって第1の回転軸106を中心として回転するように、第1の方向は第2の方向より長い。いくつかの例では、プラットフォーム104が第1の方向に移動した後、プラットフォーム104は第2の方向に移動する前に所定時間の間ほぼ静止状態になる。
【0023】
図示されている例では、カートリッジ100は、基部もしくはキャリア110と、第1の容器112と、第2の容器114と、第3の容器116とを含む。いくつかの例では、他の数(例えば、1、2、4、5、6など)の容器が含まれる場合もある。さらに、いくつかの例では、キャリア上の区画の数を増やすために、1つまたは複数の容器が複数の区画に分割される場合もある。したがって、キャリアが3つの容器を含み、1つの容器が3つの区画を有することにより、キャリア上に合計5つの区画が存在することになる。他の組み合わせも可能である。図示されている例では、キャリア110は、プラットフォーム104に結合されて、プラットフォーム104と共に回転する。キャリア例110は、台座部118と、第1の端壁120と、第2の端壁122と、カバー124とを含む。図示されている例では、第1の容器112、第2の容器114、および第3の容器116それぞれの第1の端部126、128、130は、台座部118に結合され、第1の容器112、第2の容器114、および第3の容器116それぞれの第2の端部132、134、136は、カバー124に結合される。
【0024】
図示されている例では、第1の容器112、第2の容器114、および第3の容器116は、キャリア110内で、カルーセル102によって規定される円軌道108に対して半径方向に配置される。図示されている例では、第1の容器112は第1の端壁120に隣接して配置され、第3の容器116は第2の端壁122に隣接して配置され、第2の容器114は第1の容器112と第2の容器114との間に配置される。容器例112、114、116は、角丸長方形の形状を有する。他の例では、容器112、114、116は、他の形状(例えば、長方形、正方形、円筒形、三角形もしくは他の適切な形状)を有する。容器112、114、116それぞれは、液体を入れるための容器である。いくつかの例では、液体は、分析される試料、1つまたは複数の試薬および/または固体粒子(例えば、ラテックス被覆常磁性粒子および/または他の微粒子)を含む。カバー例124は、容器112、114、116にアクセスする3つの開口部138、140、142を含む。例えば、それぞれの開口部138、140、142を介して第1の容器112、第2の容器114、および第3の容器116内に液体を入れる、および/または第1の容器112、第2の容器114、および第3の容器116から取り出すことができる。いくつかの例では、第1の容器112、第2の容器114、および/または第3の容器116は、ほぼ同じ液体容積容量を有する。他の例では、第1の容器112、第2の容器114、および/または第3の容器116は、異なる液体容積容量を有する。第1の容器112、第2の容器114、および/または第3の容器116は、同じ量の液体で満たされてもよいし、もしくは異なる量の液体で満たされてもよい。
【0025】
図1Bは、第1の容器112が第2の回転軸144を中心としてキャリア110に対して回転される時のカートリッジ例100の斜視図である。図示されている例では、第1の容器112は、第1の容器112が第1の回転軸106を中心としてキャリア110と共に回転し、第2の回転軸144を中心としてキャリア110に対して回転することができるようにキャリア110に結合される。いくつかの例では、第1の容器112のキャリア110に対する回転は、プラットフォーム104の運動に対応する。図示されている例では、カートリッジ100がプラットフォーム104と共に第1の方向に移動すると、第1の容器112は第1の方向にキャリア110に対して2回転する。カートリッジ100がプラットフォーム104と共に第2の方向に移動すると、第1の容器112は第2の方向にキャリア110に対して1回転する。このように、第1の容器112は、キャリア110に対して前後運動および/または揺動しながら移動する。上述した第1の方向および第2の方向の第1の容器112のキャリア110に対する回転数および容器のキャリア110に対する移動の形態(例えば、前後運動)は、単なる例にすぎない。他の例では、第1の容器112は、その他の形態、回転数、方向などでキャリア110に対して回転する。いくつかの例では、第1の容器112は第2の回転軸144を中心として360°回転し、いくつかの例では、第1の容器112は第2の回転軸144を中心として前後に揺動する。また、いくつかの例では、第1の容器112は第2の回転軸144を中心として可動であるが、カルーセル102は第1の回転軸106に対して静止した状態である。
【0026】
図2は、カルーセル102に結合されたカートリッジ例100の図1AのラインA-Aに沿った断面図である。カートリッジ例100は、キャリア110を介してカルーセル102に取り外し可能に結合される。図示されている例では、プラットフォーム104は、キャリア110上の対応する構造体(例えば、開口部、メスコネクタなど)と係合して、キャリア110をプラットフォーム104対して定位置で維持するための第1の突起部200と第2の突起部202とを含む。他の例では、カートリッジ100は、他の方法で(例えば、1つまたは複数のクランプ、クリップ、ボルト、スナップ、ばね式ピン、および/または他の機械的留め具によって)カルーセル102に取り外し可能に結合される。
【0027】
図示されている例では、第1の容器112、第2の容器114、および第3の容器116はそれぞれ、カバー124の開口部138、140、142の1つと連通した(例えば、延在した)スロート部203、205、206(例えば、容器112、114、116の1つと流体連通した管もしくはパイプ)を含む。カルーセル例102の動作時に、液体は容器112、114、116からスロート部203、205、206を通して(例えば、ピペットを使用して)分注され(例えば、入れられ)、および/または吸引され得る(例えば、取り出され得る)。
【0028】
図示されている例では、第2の容器114と第3の容器116は、カルーセル102の動作時(例えば、プラットフォーム104がカートリッジ100を円軌道108に沿って移動させる時)に、第2の容器114と第3の容器116がキャリア110に対してほぼ静止状態になるようにキャリア110に結合される。
【0029】
図示されている例では、カルーセル102は、第1の容器112をキャリア110に対して第2の回転軸144を中心として回転させるためのカップリング210を含む。図示されている例では、キャリア110の台座部118は、第1の容器112の第1の端部126に隣接した第4の開口部212を画定する。図示されている例では、カップリング210は、図2の向きでは、プラットフォーム104の下から延在して第4の開口部212を通って第1の容器112と係合する。図8に関してさらに詳細に説明されているように、カップリング210は、第1の容器112を台座部118から持ち上げて、第1の容器112を第2の回転軸144を中心としてキャリア110に対して回転させることができる。
【0030】
図2のカップリング例210は、第1の容器例112の第1の端部126に配置されたメスコネクタ214と係合するオスコネクタ210である。他の例では、オスコネクタ210とメスコネクタ214が逆の場合もある。図示されている例では、オスカップリング210は、突出部218を有するシャフト216を含み、メスコネクタ例214は、シャフト216の突出部218を受容する切欠部222を有するポスト220を含む。図示されている例では、カップリング210は、回転機構224(例えば、歯車)に動作可能に結合される。回転機構224は、カルーセル102の駆動機構(例えば、モータ)(図示せず)に動作可能に結合される。
【0031】
いくつかの例では、カルーセル102は、第1の回転軸106を中心としてプラットフォーム104を回転させ、回転機構224およびカップリング210は、第2の回転軸144を中心として回転されることにより、第1の容器112を第2の回転軸144を中心としてキャリア110に対して回転させる。したがって、図示されている例では、カップリング210は、第2の回転軸144を規定する。図示されている例では、第2の回転軸144は、第1の容器112の長手方向軸にほぼ平行である。
【0032】
図3は、図1A図2のカルーセル102から分離されたカートリッジ例100の斜視図である。図示されている例では、キャリア110は、人による(例えば、手動で)および/またはロボットによるカートリッジ100の把持、保持、持ち上げ、操作、および/または搬送を容易にするための第1のハンドル300と第2のハンドル302とを含む。図示されている例では、第1のキャップ304は第1の容器112に結合され、第2のキャップ306は第2の容器114に結合され、第3のキャップ308は第3の容器116に結合される。キャップ304、306、308は、容器112、114、116のスロート部203、205、206を実質的に覆い、および/または密閉する。いくつかの例では、第1の容器112、第2の容器114、および/または第3の容器116は、カートリッジ100がカルーセル102に結合される前に、少なくとも部分的に液体で満たされる。したがって、キャップ例304、306、308は、カートリッジ100の持ち上げ、取り扱い、操作、搬送などの際に、容器112、114、116から液体が流出するのを防ぐ。さらに詳細に後述するように、第1のキャップ例304は、第1の容器112を係止位置で保持することができる。
【0033】
図4は、図1A図3のキャリア110の台座部例118を示した図である。図示されている例では、台座部118は、支承面400と、第1の容器支持部402と、第2の容器支持部404と、第3の容器支持部406とを含む。第2の容器114および第3の容器116はそれぞれ、第2の容器支持部404および第3の容器支持部406によって台座部118に結合される。図示されている例では、第2の容器支持部404および第3の容器支持部406は、第1の突出部408(例えば、リッジ)と、第2の突出部410(例えば、ポスト)とを含む。図示されている例では、第2の容器114および第3の容器116が台座部118に結合されると、第2の容器114および第3の容器116は、支承面400上に載置され、第1の突出部408および第2の突出部410と係合する。第1の突出部408および第2の突出部410は、第2の容器114および第3の容器116を保持して、第2の容器114および第3の容器116がキャリア110に対して実質的に動かないようにする。他の例では、キャリア110は、第2の容器114および/または第3の容器116を保持するために、追加の突出部および/または異なる突出部、保持部材および/または保持具を使用する。
【0034】
第1の容器支持部例402は、第1の容器112を保持し、および/または第1の容器112が係止位置(例えば、回転不能位置)(図5)にある時に、第1の容器112がキャリア110に対して回転するのを実質的に防ぐために、第3の突出部412(例えば、リッジ)を含む。図示されている例では、第3の突出部412は、第1の容器112の角丸長方形と一致する角丸長方形断面形状を有するリッジである。図示されている例では、第3の突出部412は、台座部118の支承面400に対して第1の高さまで隆起している。第1の容器支持部例402はさらに、環状リッジもしくはカラー414を含む。図示されている例では、第4の開口部212は第1の容器支持部402によって画定され、カラー414は支承面400上の第4の開口部212の周囲に配置される。カラー例414は軸受面を提供し、回転機構例224およびカルーセル例102の動作時に、第1の容器112を保持し、支持し、安定させ、位置合わせし、および/または配向する。カラー例414は、支承面400に対して第1の高さより高い第2の高さまで隆起している。図7に関してより詳細に後述するように、カートリッジ100がプラットフォーム104上に配置されると、カルーセル102のカップリング210は、第1の容器112と係合し、第1の容器112がカップリング210によって自由に回転できる係止解除位置まで第1の容器112をキャリア110の支承面400に対して持ち上げる。
【0035】
図5は、第1の容器112が下降位置もしくは係止位置にある時の第1の容器例112の第1の端部126の断面図である。図示されている例では、(例えば、カートリッジ100をプラットフォーム104に搬送する時に)カートリッジ100はカルーセル102から分離される。係止位置では、第1の容器112の第1の周縁部もしくはリム500は、キャリア110の支承面400上で支承される。第1の容器112の第1のリム500は、第3の突出部412が実質的にキャリア110に対して第1の容器112が回転するのを防ぐように(例えば、第3の突出部412が第1の容器112の回転を妨げるように)第3の突出部412と係合する。したがって、図示されている例では、第1の容器112は、第1の容器112が係止位置にある時にキャリア110に回転不能に結合される。いくつかの例では、第1の容器112の第1のリム500の形状およびサイズは、第3の突出部412の形状と実質的に一致する。図示されている例では、第1の容器112のメスコネクタ214は、カラー414によって画定される空間(例えば、第4の開口部212)内に配置され、カラー414は第1の容器112の溝501内に受容される。
【0036】
第2の容器例114は、第2のリム502と、第2の溝503とを含む。図示されている例では、第2のリム502は、第2の容器支持部404の第1の突出部408および第2の突出部410と係合して、第2の容器114をキャリア110に回転不能に結合する。第3の容器例116は、第3のリム504と、第3の溝506とを含む。図示されている例では、第3の容器支持部406の第1の突出部408および第2の突出部410は、第3の溝506内に配置され、第3の容器116の第3のリム504と係合されることにより、第3の容器116をキャリア110に回転不能に結合する。
【0037】
図6は、第1の容器112が係止位置にある時の第1の容器112の第2の端部132の図3のラインB-Bに沿った断面図である。図5の第1のキャップ例304は、カバー124の第1の開口部138まで延在し、第1の容器112のスロート部203に結合される。第1のキャップ例304は、カバー124を覆い、および/または第1の容器112のスロート部203を密閉するための密閉部600を含む。図示されている例では、第1のキャップ304は、密閉部600に結合されるハンドル602を含む。ハンドル602は、第1のキャップ304の取り扱い、第1のキャップ304の第1の容器112への結合、および第1のキャップ304の第1の容器112からの分離(例えば、取り外し)などを容易にする。
【0038】
第1の容器112がキャリア110に結合され、第1のキャップ304が第1の容器112に結合されると、第1のキャップ304はカバー124と係合(例えば、接触)することにより、実質的に第1の容器112を係止位置で維持もしくは保持する。図示されている例では、第4の突出部606は、第1のキャップ304の密閉部から延在する。第4の突出部例606は、密閉部600の周囲面608から半径方向に延在する。キャリア例110のカバー例124は、第1の開口部138の一部まで延在するリップ部610を含む。図6の向きでは、第1のキャップ304は、第4の突出部606がリップ部610の下に位置するように第1の位置にある。したがって、第1のキャップ304が第1の位置にある時、第4の突出部606はリップ部610と係合して、実質的に第1の容器112がキャリア110に対して第2の回転軸144に平行に移動しないようにする。例えば、第4の突出部606は、リップ部610と接触して、第1の容器112が第3の突出部412(図5)から持ち上げられないようにする。したがって、図示されている例では、第1のキャップ304は、第1の容器112を第3の突出部412と係合した状態で維持し、そのことにより第1の容器112を係止位置で保持する。
【0039】
第1のキャップ例304を取り外すことによって、第1の容器112を下降位置もしくは係止位置(図5)から、第1の容器112がキャリア110に対して回転することができる上昇位置もしくは係止解除位置(図7)まで移動させることができる。図6の第1のキャップ例304を第1の容器112から取り外すために、第1のキャップ304は、カバー124のリップ部610が無い第1の開口部138の切欠部もしくは空間612(例えば、第1の開口部138と連通したスロット)の位置に第4の突出部606が位置合わせされるまで回転される。第1のキャップ304は、その後、(例えば、ハンドル602を使用して)第1の容器112から取り外される。さらに詳細に後述するように、第1の容器112が係止解除位置にある時、第1の容器112が支承面400から持ち上げられることで、第1の容器112はキャリア110に対して回転することができる。第2のキャップ306および第3のキャップ308は同様に動作して、第2の容器114および第3の容器116をそれぞれ固定して、カバー124の位置を固定する。
【0040】
図7は、係止解除位置にある時の第1の容器例112を示した図である。図示されている例では、カートリッジ100はカルーセル102に結合され、第1のキャップ304は第1の容器112から取り外される。キャリア110のカップリング例210は、第4の開口部212を通って延在し、第1の容器112を第2の回転軸144に沿って移動させる(例えば、持ち上げる、もしくは上昇させる)。図示されている例では、カップリング210は、第3の突出部412の第1の高さ(図4および図5)より高く、カラー414の第2の高さより低い第3の高さまで第1の容器112を移動させる。第1の容器例112が第3の高さまで持ち上げられると、第1の容器112の第1のリム500は第3の突出部412から外れる。そのことにより、第1の容器112は第2の回転軸144を中心として自由に回転することができる(例えば、第3の突出部412は第1の容器112の回転を妨げない)。図示されている例では、第1の容器112が係止解除位置に移動された時に、メスコネクタ214は、カラー414によって画定された空間にとどまる。いくつかの例では、第1の容器112がキャリア110に対して回転する時に、第1の容器112のメスコネクタ214およびカラー414は軸受の機能を果たす。
【0041】
図8は、図1A図7の第1の容器例112の図1AのラインC-Cに沿った断面図である。図示されている例では、第1の容器112は、第1の側壁800と、第2の側壁802と、第3の側壁804と、第4の側壁804とを含む。第1の側壁800は、第2の側壁802の反対側の壁である。図示されている例では、第1の側壁800は、第2の側壁802に向かって延在する第1のリブ808を含む。第2の側壁例802は、第1の側壁800に向かって延在する第2のリブ810を含む。第1のリブ例808および第2のリブ例810はそれぞれ、第2の回転軸144にほぼ平行に第1の側壁800および第2の側壁802に沿って延在する。図示されている例では、第1のリブ808および第2のリブ810はそれぞれ、第3の側壁804および第4の側壁806からほぼ等距離に配置される。図8に示されている第1のリブ808および第2のリブ810は、単なる例にすぎない。したがって、他の例では、第1のリブ808および/または第2のリブ810は、他の向き、形状、サイズなどを有する場合がある。いくつかの例では、第1の側壁800および/または第2の側壁802は、他の数(例えば、0、2、3など)のリブを含んでもよい。また、いくつかの例では、1つまたは複数のリブの一部のみが、第2の回転軸144に対して傾いた向きで、および/または端壁804、806の他方より一方に近い位置で壁の下方へと延在する場合もある。
【0042】
第1の容器例112は、角丸長方形を有する。図示されている例では、第1の側壁800は第2の側壁802にほぼ平行である。第1の側壁例800は、第1の平坦部分もしくは平面部分812を含み、第2の側壁例802は、第1の平面部分812に平行な第2の平坦部分もしくは平面部分814を含む。図示されている例では、第3の側壁804は第4の側壁806の反対側の壁であり、第3の側壁804および第4の側壁806は曲面である。図示されている例では、第3の側壁804および第4の側壁806は、第1の容器112の長手方向軸に対して外側に湾曲している。図示されている例では、第1の側壁800と第2の側壁802との間の第1の距離は、第3の側壁804と第4の側壁806との間の第2の距離より短い。他の例では、第1の距離は第2の距離以上である。いくつかの例では、第1の容器112は、約20mmの深さ(例えば、第1の側壁800の最外点から第2の側壁802の最外点までの距離)と、約36mmの幅(例えば、第3の側壁804の最外点から第4の側壁806の最外点までの距離)とを有する。他の例は、他の寸法を有する。他の例では、第1の容器112は、例えば、長方形、正方形、円筒形、三角形、および/または他の適切な形状、あるいはこれらの形状の組み合わせの他の形状を有する。
【0043】
図9は、カートリッジ100から取り外された状態の図3のラインD-Dに沿った図1A図8の第1の容器例112の断面図である。図10は、図6と同様の図3のラインB-Bに沿った第1の容器例112の断面図であるが、第1の容器112全体を示した断面図である。図9を参照すると、第1の容器例112は、底壁900と、底壁900の反対側の壁である頂壁902とを含む。頂壁例902は、第1の側壁800と、第2の側壁802と、第3の側壁804と、第4の側壁806とに結合される。図示されている例では、頂壁902は、ほぼ平面である。スロート部203は、図9の向きでは、頂壁例902から上に延在する。図示されている例では、スロート部203および第1のキャップ304を除いた第1の容器112の高さ(例えば、第1のリム500の最外点から頂壁902の最外点まで)は、約94mmである。他の例は、他の高さを含む場合もある。
【0044】
図9の底壁例900は、第1の側壁800と、第2の側壁802と、第3の側壁804と、第4の側壁806とに結合される。図示されている例では、底壁900は、第1の側壁800および第2の側壁802を通る第1の軸を中心として頂壁902から離れる方向に反った面もしくは湾曲した面である。したがって、底壁900は、容器112の外側から(例えば、容器112の底部外側から)見ると凸状であり、または容器112の内側から見ると凹状である。さらに、底壁例900は、第3の側壁804および第4の側壁806を通る第2の軸を中心として頂壁902から離れる方向に反った面もしくは湾曲した面である。したがって、底壁例900はボウル状構造を成す。
【0045】
いくつかの例では、第1の容器112は、固体粒子(例えば、ラテックス被覆常磁性粒子)を含む試薬で少なくとも部分的に満たされる。液体内の粒子の一部は、沈殿して、(例えば、カートリッジ100をカルーセル102に搬送する時に)底壁900に残る場合がある。カルーセル102の動作時に、第1の容器112は第1の回転軸106を中心として移動し(例えば、前後運動)、第2の回転軸144を中心として移動することにより、液体を撹拌し、および/または液体内で粒子を分散させる。例えば、第1の容器112がカルーセル102によって移動される時に、底壁900の湾曲部が液体および/または粒子を底壁900上もしくは底壁900近くへと方向付けて、頂壁902に向かって移動させる(例えば、流れさせる)ことにより、液体を撹拌して粒子を分散させる。さらに、側壁800、802、804、806、第1のリブ808および/または第2のリブ810が液体と共におよび/または液体に対して動くことにより、液体が撹拌され、粒子が分散される。いくつかの例では、第1の容器112は、カルーセル102の動作時に粒子が液体内でほぼ均一に分散されるように液体を撹拌する。
【0046】
図11および図12は、本明細書で開示されている代替形態の底壁1100を有する第1の容器112を示している。図11は、底壁例1100を示した第1の容器112の下部の斜視断面図である。図示されている例では、側壁800、802、804、806、頂壁902、および底壁1100は、液体を受容して保持するためのキャビティ1101を画定する。図示されている例では、底壁1100は、第1の側壁800から第2の側壁802に延在し、かつ第3の側壁804から第4の側壁806に延在する(容器112の内側から見た場合)たらい状部もしくは凹部1102を含む。凹部例1102は、第1の軸1104および第2の軸1106(例えば、互いに垂直であり、第2の回転軸144に対して垂直である軸)を中心として頂壁902から離れる方向に外側に向かって反った部分である。いくつかの例では、凹部1102は、ボウル状もしくは半球の構造である。
【0047】
底壁例1100はさらに、底壁1100の第1の面1110から頂壁902に向かって延在する(例えば、キャビティ1101へと延在する)膨出部もしくは突出部1108を含む。図示されている例では、メスコネクタ214のポスト220は、突出部1108と位置合わせされ、底壁1100第1の面1110の反対側の第2の面1112から垂下する。図示されている例では、突出部1108は、頂点もしくは先端1114を有する凸状(例えば、丸みを帯びたもしくは曲線的な突出部もしくは膨出部)である。したがって、図11の底壁例1100は、凹部1102と凸部(例えば、突出部例1108)とを含む。他の例では、突出部1108は、他の形状(例えば、円錐形、ピラミッド形状など)を有する。図12の突出部例1108は第1の曲率半径を有し、凹部例1102は第2の曲率半径を有する。図示されている例では、第1の曲率半径は第2の曲率半径未満である。さらに、図示されている例では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は反対方向に向けられる。
【0048】
図12は、図11の底壁例1100の上面図である。図示されている例では、突出部1108は、底壁1100の中心1202に配置される略円形の基部1200を有する。図示されている例では、底壁1100の中心1202は第2の回転軸144に沿っている。したがって、第1の容器例112が第2の回転軸144を中心として回転すると、底壁1100は第2の回転軸144を中心として回転する。さらに、図示されている例では、突出部例1108の先端1114は、底壁1100の中心1202に配置され、したがって、先端1114は第2の回転軸144に沿って配置される。したがって、突出部1108は第2の回転軸144から下方に傾斜している。
【0049】
第1の容器例112が第2の回転軸144を中心として回転する時に、第1の容器112の液体内で第2の回転軸144に沿って並んだ粒子は、遠心力をほとんど受けることはない、もしくは全く受けることはない。その結果、これらの粒子は、底壁1100の突出部1108上もしくは突出部1108近くに沈殿する可能性がある。図示されている例では、粒子が底壁1100の突出部1108上に沈殿すると、粒子は、先端1114から突出部1108上に滑り落ちる、および/または転がり落ちる。その結果、粒子は側壁800、802、804、806に向かって移動し、そこで遠心力を受けて粒子は液体内で均一に分散しやすくなる。
【0050】
方法例を示したフローチャートが図13に示されている。図13に示されているフローチャートを参照しながらプロセス例について説明するが、多くの他の代替方法が使用されてもよい。例えば、ブロックの実行順序を変更してもよいし、および/または記載されているブロックの一部を変更してもよいし、削除してもよいし、もしくは組み合わせてもよい。
【0051】
図13の方法は、ブロック1302で、第1の容器112を第1の位置まで押し下げて、第1の容器112をキャリア110に回転不能に結合することにより開始される。例えば、図1A図12の第1の容器112は、キャリア110の台座部118の第1の容器支持部402まで押し下げられる。いくつかの例では、第1の容器112は、第1の位置で、キャリア110の第1の部分および第2の部分と係合する。例えば、第1のリム500は第3の突出部412と係合し、メスコネクタ214はカラー414と係合する。いくつかの例では、第1のキャップ304が第1の容器112に結合されることで、第1の容器112が第1の位置で維持もしくは保持される。
【0052】
ブロック1304では、第2の容器114がキャリア110に回転不能に支持される。いくつかの例では、第2の容器114は、第2の容器支持部404の第1の突出部408および第2の突出部410によって第2の容器支持部404に回転不能に結合される。いくつかの例では、第3の容器116も同様にして、第3の容器支持部406の第1の突出部408および第2の突出部410によってキャリア110に回転不能に結合される。
【0053】
ブロック1306では、第1の容器112は第1の位置から第2の位置まで持ち上げられ、第1の容器112がキャリア110の第1の部分から外されると同時に、キャリア110の第2の部分との係合状態が維持される。例えば、第1の容器112は、カルーセル102のカップリング例210によって支承面から第3の高さまで持ち上げられてもよい。カートリッジ100がカルーセル102に結合されると、カップリング210は、第4の開口部212まで延在し、第1の容器112を第3の高さまで持ち上げる。第1の容器112が第3の高さまで持ち上げられると、第1のリム500は第3の突出部412から外れ、メスコネクタ214がカラー414によって画定された空間内に配置される。
【0054】
ブロック1308では、第1の容器112は、回転軸を中心として回転される(例えば、揺動および/またはスピンされる)。いくつかの例では、第1の容器112は、プラットフォーム104と共に第1の回転軸106を中心として回転され、カップリング210によって第2の回転軸144を中心として回転される。ブロック1310では、第1の容器112の内容物が混合される。例えば、容器内の液体および/または粒子は、第1の側壁800および/または第2の側壁802の平面部によって撹拌される。いくつかの例では、第1の容器112の内容物はさらに、容器の底部突出部(例えば、図11および図12の底壁1100の突出部1108)によって混合される。いくつかの例では、第1の容器112の内容物は、第1の容器112の液体内で粒子がほぼ均一に分散されるように混合される。
【0055】
本明細書において特定の方法例、装置例、および製品例について説明してきたが、本願の対象範囲はこれらに限定されない。それどころか、本願は、まさしく本願の請求項の範囲内にある全ての方法、装置、および製品を対象とする。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13