(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】自律型車両についての乗員のピックアップおよびドロップオフに対する不便性
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2020564527
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 US2019031505
(87)【国際公開番号】W WO2019226356
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-01-12
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ダイアー,ジョン,ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】イエイケリス,レオニード
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パンディット,サリル
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0370194(US,A1)
【文献】特開平10-208195(JP,A)
【文献】特開2010-96890(JP,A)
【文献】国際公開第2019/220206(WO,A1)
【文献】特開2012-242370(JP,A)
【文献】特開2013-138278(JP,A)
【文献】特開2019-113347(JP,A)
【文献】米国特許第9613386(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G09B 23/00 - 29/14
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを生成する方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、乗員が第1の場所で車両に接近したときの前記車両の乗員の観測位置を含む複数の観測値に対応する、車両の認識システムによって生成されるデータを検索することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記データを使用して、前記車両に到達するために乗員が移動する観測距離を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の観測値の観測の観測位置から、前記観測位置に最も近い道路エッジまで
の道路エッジ距離を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記観測距離および前記道路エッジ距離を使用して、前記第1の場所についての不便性値を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記不便性値を使用して前記地図データを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記不便性値が、前記観測距離および前記道路エッジ距離の差にさらに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記地図データ
を地図
を補うために使用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記地図を使用して最も近い道路エッジを決定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記観測位置が、複数の場所のすべての時間内で最も早い、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記観測位置が、前記乗員が前記車両に到達した時間の所定の期間前である時間に対応するタイムスタンプを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
自律型車両がピックアップ場所を決定することを可能にするために、前記不便性値を自律型車両のコンピューティングデバイスに提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
クライアントコンピューティングデバイスから、移動のための1つ以上の可能なピックアップ場所を識別するための要求を受信することと、
前記クライアントコンピューティングデバイスへの前記要求に応答して、前記不便性値を使用して前記第1の場所を識別する情報を提供することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記クライアントコンピューティングデバイスへの前記要求に応答して、前記不便性値に基づいて前記第1の場所の便利性または不便性を識別する通知を提供することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記観測距離が、前記複数の観測値の隣接する観測位置の間の距離の差の合計に対応し、隣接が、時間的な隣接に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記データが、前記乗員が第2の場所で前記車両を出た後の前記車両の乗員の第2の観測位置を含む第2の複数の観測値をさらに含み、前記方法が、
前記データを使用して、目的地に到達するために乗員が移動する第2の観測距離を決定することと、
前記第2の複数の観測値の第2の観測の第2の観測位置
から、前記第2の観測位置に最も近い第2の道路エッジまでの第2の道路エッジ距離を決定することと、
前記第2の観測距離および前記第2の道路エッジ距離を使用して、前記第2の場所についての第2の不便性値を決定することと、
前記第2の不便性値を使用して前記地図データを生成することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の不便性値が、前記第2の観測距離および前記第2の道路エッジ距離の差にさらに基づいて決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記地図データ
を地図
を補うために使用することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記地図を使用して第2の最も近い道路エッジを決定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の観測位置が、複数の場所のすべての時間内で最も遅い、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の観測位置が、前記乗員が前記車両を去った時間の所定の期間後である時間に対応するタイムスタンプを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
自律型車両がドロップオフ場所を決定することを可能にするために、前記第2の不便性値を自律型車両のコンピューティングデバイスに提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
クライアントコンピューティングデバイスから、移動のための1つ以上の可能なドロップオフ場所を識別するための要求を受信することと、
前記クライアントコンピューティングデバイスへの前記要求に応答して、前記第2の不便性値を使用して前記第2の場所を識別する情報を提供することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記クライアントコンピューティングデバイスへの前記要求に応答して、前記第2の不便性値に基づいて前記第2の場所の便利性または不便性を識別する通知を提供することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の観測距離が、前記複数の観測値の隣接する第2の観測位置の間の距離の差の合計に対応し、隣接が、時間的な隣接に対応する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月21日出願の米国特許出願第15/985,144号の出願日の利益を主張し、その全体の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の運転手を必要としない車両などの自律型車両が、ある場所から別の場所への乗員または物品の輸送を支援するために使用される場合がある。かかる車両は、乗客が集荷または目的地などのいくつかの初期入力を提供することができ、かつ車両がその場所に車両自体を操縦する、完全な自律モードで動作することができる。
【0003】
人(またはユーザ)は、車両を介して2つの場所の間で物理的に輸送されることを望むとき、任意の数のタクシーサービスを使用し得る。現在に至るまで、これらのサービスは通常、ユーザをピックアップおよびドロップオフするための場所への派遣命令が与えられる人間の運転手を伴う。一般に、これらの場所は、物理的な信号(すなわち、運転手を停止させること)、ユーザが実際にどこにいるかを説明する電話、または運転手とユーザとの間の直接の話し合いを介して解決される。自律型車両の場合、かかる調整は多くの場合、達成するのが困難であるか、または不可能であり、車両が乗員をピックアップするかまたはドロップオフするために停止する、車両または所望の目的地に到達するための距離の観点で、それぞれ、乗員に対して重大な不便性につながり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、乗員が第1の場所で車両に接近したときの車両の乗員の観測位置を含む複数の観測値に対応する、車両の認識システムによって生成されるデータを検索することと、データを使用して、車両に到達するために乗員が移動する観測距離を決定することと、複数の観測値の観測の観測位置から、観測位置に最も近い道路エッジまでの間の道路エッジ距離を決定することと、観測距離および道路エッジ距離を使用して、第1の場所についての不便性値を決定することと、不便性値を使用して地図データを生成することと、を含む、方法を提供する。
【0005】
不便性値が、観測距離および道路エッジ距離の差にさらに基づいて決定され得る。観測位置が、複数の場所のすべての時間内で最も早い場合がある。観測位置が、乗員が車両に到達した時間の所定の期間前である時間に対応するタイムスタンプを有し得る。観測距離が、複数の観測値の隣接する観測位置の間の距離の差の合計に対応し得、隣接が、時間的な隣接に対応する。
【0006】
本方法は、地図データを前の地図に組み込むことをさらに含み得る。本方法は、前の地図を使用して最も近い道路エッジを決定することをさらに含み得る。本方法は、自律型車両がピックアップ場所を決定することを可能にするために、不便性値を自律型車両のコンピューティングデバイスに提供することをさらに含み得る。
【0007】
本方法は、クライアントコンピューティングデバイスから、移動のための1つ以上の可能なピックアップ場所を識別するための要求を受信することと、クライアントコンピューティングデバイスへの要求に応答して、不便性値を使用して第1の場所を識別する情報を提供することと、をさらに含み得る。本方法は、クライアントコンピューティングデバイスへの要求に応答して、不便性値に基づいて第1の場所の便利性または不便性を識別する通知を提供することをさらに含み得る。
【0008】
データが、乗員が第2の場所で車両を出た後の車両の乗員の第2の観測位置を含む第2の複数の観測値をさらに含むとき、本方法が、データを使用して、目的地に到達するために乗員が移動する第2の観測距離を決定することと、第2の観測位置に最も近い道路エッジに対応する第2の複数の観測値の第2の観測の第2の観測位置の間の第2の道路エッジ距離を決定することと、第2の観測距離および第2の道路エッジ距離を使用して、第2の場所についての第2の不便性値を決定することと、第2の不便性値を使用して地図データを生成することと、をさらに含み得る。
【0009】
第2の不便性値が、第2の観測距離および第2の道路エッジ距離の差にさらに基づいて決定され得る。第2の観測位置が、複数の場所のすべての時間内で最も遅い場合がある。第2の観測位置が、乗員が車両を去った時間の所定の期間後である時間に対応するタイムスタンプを有し得る。第2の観測距離が、複数の観測値の隣接する第2の観測位置の間の距離の差の合計に対応し得、隣接が、時間的な隣接に対応する。
【0010】
本方法は、地図データを前の地図に組み込むことをさらに含み得る。本方法は、前の地図を使用して第2の最も近い道路エッジを決定することをさらに含み得る。本方法は、自律型車両がドロップオフ場所を決定することを可能にするために、第2の不便性値を自律型車両のコンピューティングデバイスに提供することをさらに含み得る。本方法は、クライアントコンピューティングデバイスから、移動のための1つ以上の可能なドロップオフ場所を識別するための要求を受信することと、クライアントコンピューティングデバイスへの要求に応答して、第2の不便性値を使用して第2の場所を識別する情報を提供することと、をさらに含み得る。本方法は、クライアントコンピューティングデバイスへの要求に応答して、第2の不便性値に基づいて第2の場所の便利性または不便性を識別する通知を提供することをさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の態様による、システムの絵図である。
【
図2】本開示の態様による、
図1のシステムの機能図である。
【
図3】本開示の態様による、自律運転モードを有する車両のための制御システムの例示的な機能図である。
【
図4】本開示の態様による、地図情報の例示的な表示である。
【
図5】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図6】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図7】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図8】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図9】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図10】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図11】本開示の態様による、停止場所で停止される車両の様々な例示的な図である。
【
図12】本開示の態様による、例示的なクライアントコンピューティングデバイスおよびスクリーンショットである。
【
図13】本開示の態様による、例示的なフロー図である。
【
図14】本開示の態様による、例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概要
本技術は、ピックアップする場所の不便性を評価し、その評価を使用して、輸送サービスを乗員に提供するときに、自律型車両についての将来のピックアップ場所をどこで試みるかを決定することに関する。ピックアップ場所は、移動のために乗員をピックアップするために待機するために自律型車両が停止する場所を指し得る。ドロップオフ場所は、乗員が移動後に車両を出ることを可能にするために自律型車両が停止する場所を指し得る。これらの場所は実際には、個別の所定のピックアップおよびドロップオフ場所であり得、いくつかの場合では、人間のオペレータによって手動で選択されるか、または時間の経過とともにコンピューティングデバイスによって学習され得る。特定の場所の不便性が評価され得、次いで、かかる情報の地図データおよび/または地図を生成するために使用され得る。次いで、この地図が、乗員をピックアップまたはドロップオフするための場所を識別するために、自律型車両によって使用され、それによって、サービスの不便性および安全性の両方に関して乗員の体験を向上させ得る。
【0013】
車両が走り回るとき、車両の認識システムは、歩行者を含む様々な情報および物体を検出、識別、およびログ記録し得る。各歩行者は、識別子を提供され得る。所定の距離内の歩行者が、車両のドアが開き、ドアが閉まり、歩行者がまだ認識システムに見えないときに車両の認識システムから「消える」場合、車両のコンピューティングデバイスは、イベントをログ記録し得る。車両がピックアップのために停止した場所の不便性を評価するために、ログが使用されて、乗員が車両の認識システムによって最初に検出されたときから乗員が車両に入ったときまでの乗員の動きを検索し得る。これらの動きは、乗員が移動した観測距離を決定するために使用され得る。
【0014】
車両がピックアップのために停止した場所の不便性は、乗員が車両に到達するために移動する必要があったかもしれない追加の距離に対応する不便性距離として決定され得る。例えば、不便性距離は、乗員が車両に到達するために移動した観測距離と、乗員についてのエッジ距離または道路エッジまでの距離との間の差であり得る。この不便性距離は、不便性値を決定するために使用され得る。同様のプロセスは、ドロップオフ場所についての不便性距離および値を決定するために使用され得る。
【0015】
車両が乗員をピックアップおよびドロップオフするために停止した、不便性値場所は、地図データおよび/または地図を生成するために使用され得る。この地図データは、ユーザまたは乗員がピックアップおよび/またはドロップオフ場所を識別するのを支援し、および自律型車両のコンピューティングデバイスが乗員をピックアップまたはドロップオフするために停止する場所を識別するのを支援するなど、様々な方法で使用され得る。
【0016】
本明細書に記載される特徴は、乗員をピックアップまたはドロップオフするための特定の場所の不便性(または便利性)の自動評価を可能にし得る。次に、これは、車両または目的地に到達するために歩く必要がある距離を制限し、および車両に到達するために歩く歩行者によってもたらされる長い遅延を回避することによって、(交差交通、他の歩行者などの)他の道路ユーザに対する不便性をできる限り制限することによって、より優れた、より安全な輸送サービスを提供するために使用され得る。これは、乗員が未成年者であるか、もしくは歩行が困難な者など、障害を有し、歩行器を有し、車椅子を使用している場合、または乗員が障害を有する人もしくは未成年者を同伴している場合に特に重要であり得る。
【0017】
例示的なシステム
図1および
図2は、それぞれ、ネットワーク160を介して接続された複数のコンピューティングデバイス110、120、130、140、および記憶システム150を含む例示的なシステム100の絵図および機能図である。システム100はまた、車両101と、車両101と同様に構成され得る車両101Aと、を含む。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示しているが、通常のシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。
【0018】
図2に示されるように、コンピューティングデバイス110、120、130、140の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含み得る。かかるプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、以下でさらに論じられるような1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ112、メモリ114、データ116、および命令118と同様に構成され得る。
【0019】
メモリ114は、プロセッサ112によって実行され得るかまたは別の方法で使用され得る命令118およびデータ116を含む、1つ以上のプロセッサ112によってアクセス可能な情報を記憶する。メモリ114は、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスク、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリなどの電子デバイスを利用して読み取られ得るデータを記憶する他の媒体を含む、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる任意のタイプであり得る。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。
【0020】
データ116は、命令118に従ってプロセッサ112によって検索、記憶、または修正され得る。命令118は、プロセッサによって直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される、任意のセットの命令であり得る。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、区別なく使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためのオブジェクトコード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトもしくはコレクションを含む、いずれかの他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。
【0021】
1つ以上のプロセッサ112は、市販されているCPUなどの任意の従来のプロセッサであり得る。別の方法として、1つ以上のプロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。
図1は、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス110の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。いくつかの例では、このコンピューティングデバイスは、ユーザのクライアントデバイスと通信することができるユーザインターフェースコンピューティングデバイスであり得る。同様に、メモリは、コンピューティングデバイス110の筐体とは異なる筐体内に位置付けられたハードドライブ、または他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並行に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことを理解されたい。
【0022】
ネットワーク160および仲介ノードは、Bluetooth、Bluetooth LE、インターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFi、およびHTTP、ならびに上記の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む様々な構成およびプロトコルを含み得る。そのような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスへのデータ送信および他のコンピューティングデバイスからのデータ受信を行うことができるいずれかのデバイスによって容易に行われ得る。
【0023】
一実施例では、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110は、他のコンピューティングデバイス
からのデータ
受信、
データの処理、および
他のコンピューティングデバイスへのデータ送信
の目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する、複数のコンピューティングデバイス、例えば、負荷バランスサーバファームを含み得る。例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110は、ネットワーク160を介して、車両101の1つ以上のコンピューティングデバイス310(
図3参照)または車両101Aの同様のコンピューティングデバイス、およびクライアントコンピューティングデバイス120、130、140と通信することができる1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、車両101および車両101Aは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に派遣され得る車両群の一部であり得る。この点について、車両群は、車両のそれぞれの測位システムによって提供される場所情報を1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに定期的に送信し得、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、車両の場所を追跡し得る。
【0024】
さらに、サーバコンピューティングデバイス110は、ネットワーク160を使用して、コンピューティングデバイス120、130、140のディスプレイ124、134、144などのディスプレイ上に、ユーザ122、132、142などのユーザに情報を送信および提示し得る。この点について、コンピューティングデバイス120、130、140は、クライアントコンピューティングデバイスと見なされ得る。
【0025】
図2に示されるように、各クライアントコンピューティングデバイス120、130、140は、ユーザ122、132、142による使用を意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであり得、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を記憶するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ124、134、144などのディスプレイ(例えば、スクリーンを有するモニター、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能である他のデバイス)、およびユーザ入力デバイス126、136、146(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフォン)を含む、パーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用される構成要素のすべてを有し得る。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。
【0026】
クライアントコンピューティングデバイス120、130、および140は、各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを備え得るが、代替的に、インターネットなどのネットワーク上でサーバとデータを無線で交換することができるモバイルコンピューティングデバイスを備え得る。単なる例として、クライアントコンピューティングデバイス120は、携帯電話、もしくは無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイスもしくはシステムなどのデバイス、またはインターネットもしくは他のネットワーク上で情報を取得することができるネットブックであり得る。別の実施例では、クライアントコンピューティングデバイス130は、
図2でヘッドマウントコンピューティングシステムとして示される、ウェアラブルコンピューティングシステムであり得る。一例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いた映像信号、またはタッチスクリーンを使用して、情報を入力し得る。
【0027】
いくつかの実施例では、クライアントコンピューティングデバイス140は、コンシェルジュサービスをユーザ122および132などのユーザに提供するために、管理者によって使用されるコンシェルジュワークステーションであり得る。例えば、コンシェルジュ142は、コンシェルジュワークステーション140を使用して、車両101および101Aの安全な動作ならびに以下でさらに詳細に記載されるユーザの安全性を保証するために、それぞれのクライアントコンピューティングデバイスまたは車両101もしくは101Aを通して、ユーザと電話または音声接続を介して通信し得る。単一のコンシェルジュワークステーション140のみが
図1および
図2に示されているが、任意の数の、かかるワークステーションが通常のシステムに含まれ得る。
【0028】
図3に示されるように、本開示の一態様による車両101(または101A)は、様々な構成要素を含む。本開示のある特定の態様は、特定のタイプの車両との接続で特に有用であるが、車両は、乗用車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション車両などを含むが、それらに限定されない、任意のタイプの車両であり得る。車両は、1つ以上のプロセッサ320、データ334および命令332を記憶するメモリ330、ならびにプロセッサ112およびメモリ114に関して上で論じられるような汎用コンピューティングデバイスに通常存在する他の構成要素を含むコンピューティングデバイス310と同様の1つ以上のコンピューティングデバイスを有し得る。
【0029】
一実施例では、コンピューティングデバイス310は、車両101(または101A)内に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであり得る。自律運転コンピューティングシステムは、車両の様々な構成要素と通信することが可能であってもよい。例えば、
図3に戻って、コンピューティングデバイス310は、車両の乗員からの連続的または定期的な入力を要求または必要としない自律運転モードで、メモリの命令に従って車両300の動き、速度などを制御するために、(車両の制動を制御するための)減速システム360、(車両の加速を制御するための)加速システム362、(車輪の配向および車両の方向を制御するための)ステアリングシステム364、(方向指示器を制御するための)シグナリングシステム366、(車両を場所または物体の周りにナビゲートするための)ナビゲーションシステム368、(車両の位置を決定するためのGPS受信機などの)測位システム370、(車両の環境における物体を検出するための様々なセンサーを含む)認識システム372、ならびに電力システム374(例えば、バッテリーおよび/またはガスもしくはディーゼル動力のエンジン)などの、車両101の様々なシステムと通信し得る。また、これらのシステムは、コンピューティングデバイス310の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムはまた、車両101を制御するための自律運転計算システムとして再度、コンピューティングデバイス310内に組み込まれ得る。
【0030】
コンピューティングデバイス310は、様々な構成要素を制御することによって、車両の方向および速度を制御し得る。例として、コンピューティングデバイス310は、地図情報およびナビゲーションシステム368からのデータを使用して、車両を目的地に完全に自律的にナビゲートし得る。コンピュータ310は、測位システム370を使用して車両の場所を決定し、その場所に安全に到達するために必要とされるとき、認識システム372を使用して物体を検出し、物体に対して応答し得る。そうするために、コンピュータ310は、車両を、(例えば、加速システム362によってエンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって)加速させ、(例えば、エンジンに供給される燃料を減少させ、ギアを切り替え、および/または減速システム360によってブレーキをかけることによって)減速させ、(例えば、ステアリングシステム364によって車両101の前輪または後輪の向きを変えることによって)方向を変更させ、(例えば、シグナリングシステム366の方向指示器を点灯することによって)かかる変更を伝達させ得る。したがって、加速システム362および減速システム360は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置の一部であり得る。また、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス310はまた、車両を自律的に操縦するために、車両の動力伝達装置を制御し得る。
【0031】
コンピューティングデバイス310はまた、サーバコンピューティングデバイス110およびユーザまたは乗員と通信するための様々な他の構成要素を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス310は、コンピューティングデバイスが、例えば、サーバコンピューティングデバイス110を含むネットワーク160の様々なコンピューティングデバイスと通信することを可能にするために、様々な無線ネットワーク接続を含み得る。さらに、ユーザまたは乗員は、内部電子ディスプレイ352のタッチスクリーン、ボタンのセットなどのユーザ入力350を使用してコンピューティングデバイス310に情報を入力し得る。同時に、無線ネットワーク接続356を介してネットワーク160上でユーザのクライアントコンピューティングデバイスに情報を送信することに加えて、コンピューティングデバイス310は、内部電子ディスプレイ352およびスピーカ354を介して、車両101(または101A)のユーザまたは乗員に情報を提供し得る。
【0032】
記憶システム150は、以下でより詳細に記載されるような様々なタイプの情報を記憶し得る。この情報は、本明細書で記載される特徴のうちのいくつかまたはすべてを実行するために、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110などのサーバコンピューティングデバイスによって検索または別の方法でアクセスされ得る。例えば、情報は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに対してユーザを識別するために使用することができる認証情報などのユーザアカウント情報(例えば、従来の単一要素認証の場合のユーザ名およびパスワード、ならびにランダムな識別子、生体認証などの多要素認証で通常使用される他のタイプの認証情報)を含んでいてもよい。ユーザアカウント情報はまた、ユーザの名前、連絡先情報、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス(または、同じユーザアカウントで複数のデバイスが使用されている場合はデバイス)の識別情報などの個人情報、ならびにユーザに関する1つ以上の固有の信号を含み得る。
【0033】
識別および認証の目的で使用され得る情報に加えて、アカウント情報は、サービスの使用の履歴などの他の情報を含み得る。この「移動履歴」は、サービスを使用した以前の移動の日付、時刻、ピックアップ場所、ドロップオフ場所、および目的地を含み得る。いくつかの実施例では、ユーザについてのユーザアカウント情報は、そのユーザについて、好ましいピックアップまたはドロップオフ場所を識別する自分のアカウントにユーザが保存した「お気に入り」スポットまたは以前に識別されたユーザの好ましい場所を含み得る。
【0034】
記憶システム150はまた
、政府機関、有料情報サービス、手動で入力された情報、自律型車両によってリアルタイムに収集および提供される情報などの様々なソースからの、道路、横断歩道、建物、標高、消火栓、建設ゾーン、リアルタイム交通状況などについての情報を含
む詳細な地図情報を記憶し得る。
図4は、地
図400についての地図情報の実施例である。この実施例では、地図情報は、道路402、404、建物406、408、および車線410、412(簡潔にするため、これらの特徴の各々のいくつかのみに番号付けされている)を識別する。
【0035】
詳細な地図情報はまた、自律型車両が乗員をピックアップまたはドロップオフするために停止し得る所定の停止場所を識別する情報を含み得る。例えば、地
図500は、所定の停止場所420~424(簡潔にするため、所定の停止場所のいくつかのみに番号付けされている)を含む。これらの所定の停止場所は、車両が手動でまたは各場所の特徴の何らかの分析を通して選択されて停止し得る所定の合理的な場所を含み得る。所定の停止場所はまた、自律型車両サービスのサービスエリア内の場所に限定され得る。停止場所のうちの少なくともいくつかは、車両が停止場所で
停止されるときに乗員が
ピックアップされる場合の乗員の不便性、車両が停止場所で停止されるときに乗員がドロップオフされる場合の乗員の不便性、および/またはこれらの組み合わせを表す不便性値に関連付けられ得る。
【0036】
メモリ114と同様に、記憶システム150は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能および読み取り専用メモリなどの、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110によってアクセス可能な情報を記憶することができる、任意のタイプのコンピュータ化された記憶装置であり得る。さらに、記憶システム150は、データが、同じまたは異なる地理的場所に物理的に位置付けられ得る複数の異なる記憶デバイス上に記憶される分散型記憶システムを含み得る。記憶システム150は、
図1に示されるようなネットワーク160を介してコンピューティングデバイスに接続され得、および/またはコンピューティングデバイス110、120、130、140、310などのうちのいずれかに直接接続もしくは組み込まれ得る。
【0037】
例示的な方法
上述し、図に例示した動作に加えて、様々な動作が、ここで説明される。以下の動作は、以下に説明する正確な順序で実行される必要がないことを理解されたい。むしろ、様々なステップが、異なる順序で、または同時に処理されてもよく、ステップもまた、追加または省略されてもよい。
【0038】
車両101などの車両が走り回るとき、認識システム372は、歩行者を含む様々な物体を検出、識別し得る。各歩行者は、例えば、車両がその歩行者がどこに行く可能性が高いかについて予測を行い、衝突を回避することを可能にするために、車両が歩行者の動きを追跡することを可能にするための識別子を提供され得る。歩行者がある特定のセットの条件を満たすとき、コンピューティングデバイス310は、乗員のピックアップについてイベントをログ記録し得る。一例として、セットの条件は、歩行者が0.5メートル以上または以下などの所定の距離内にあり、次いで、車両のドアが開き、その後ドアが閉まり、歩行者がまだ認識システムに見えないときに歩行者が車両の認識システムから「消える」ことを含み得る。このログ記録されたイベントは、歩行者の識別子、移動識別子、およびイベントについてのタイムスタンプを含み得る。さらに、コンピューティングデバイス310はまた、他の物体のすべての観測値、および車両についての場所、配向、進行方向、速度などの、認識システム372によって生成され、コンピューティングデバイスに提供されるすべての認識データをログ記録し得る。
【0039】
サーバコンピューティングデバイス110がログにアクセスして処理することを可能にするために、車両101からの、任意のイベントを含むログ、ならびに車両101Aおよび他の車両からのログが送信され得るか、または別の方法で記憶システム150にロードされ得る。この点について、認識データおよびイベントをログ記録しながら輸送サービスを提供されるか、またはそれを提供している群内の車両の数が多いほど、ログおよびそれらのログ内のイベントの数が多くなる。
【0040】
コンピューティングデバイスは、ログ記録されたイベントが生成されたときに車両が停止した停止場所で乗員をピックアップすることについての不便性値を決定するために、ピックアップに対応するログ記録されたイベントを識別し、ログデータを処理し得る。例えば、ログおよびそのログについてのピックアップに対応するログ記録されたイベントについて、コンピューティングデバイス110は、ログ記録されたイベントについてのタイムスタンプを使用して、ログから車両の場所を識別し得る。この場所は、ピックアップのときか、またはログ記録されたイベントがログ記録されたときの車両の停止場所を識別するために、地図情報に対応し得るか、またはそれと比較され得る。
【0041】
ログが使用されて、乗員が車両の認識システムによって最初に検出されたときから乗員が車両に入ったときまでの乗員の動きを検索し得る。例えば、サーバコンピューティングデバイス110は、ログ記録されたイベントから歩行者識別子を識別し得る。歩行者識別子を使用して、乗員に対応する認識データが、そのログ記録されたイベントのログから検索され得る。歩行者識別子についてのすべての認識データは、ログから検索され得る。これらの観測値の時間の順序は、乗員が認識システム372によって最初に観測された時から車両に到達する前に世界を通る乗員の経路に対応し得る。
【0042】
これらの観測値は、乗員が移動した観測距離を決定するために使用され得る。例えば、最初の観測から始まりイベントがログ記録される前の時間での最後の観測までの時間で隣接する各観測の場所の間の差を合計することによって、サーバコンピューティングデバイス110は、乗員が移動した観測距離を決定し得る。
【0043】
道路エッジ距離はまた、歩行者についての観測値を使用して計算され得る。例えば、サーバコンピューティングデバイス110は、時間内の最初の観測の場所と乗員についての関連する道路エッジとの間の差を計算することによってエッジ距離を決定し得る。道路エッジは、地図で識別され、および/または認識システム372によって決定されるような、縁石、草が茂ったエッジ、歩道の端、運転可能な表面のエッジなどに対応し得る。歩行者識別子についての最初または最も早い時間観測の位置を使用し、その位置から最も近い道路エッジまでの距離(すなわち、直線距離)を決定して、エッジ距離が決定され得る。
【0044】
ピックアップについての不便性距離は、乗員が車両に到達するために移動する必要があったかもしれない追加の距離として決定され得る。例えば、サーバコンピューティングデバイス110は、観測距離とエッジ距離との間の差を計算することによって、ピックアップ場所の停止場所についての不便性距離を決定し得る。したがって、この不便性距離は、乗員が停止場所および/または車両に到達するために歩く必要があった追加の距離を表し得る。
【0045】
ピックアップについてのこの不便性距離は、そのピックアップについての停止場所の不便性値を決定するために使用され得る。例えば、不便性距離を不便性値に変換することは、手動の分析または機械学習を伴い得る、直接の1対1の変換、または1対0.1などの何らかの他のスケールへの変換であり得る。別の例として、不便性値は、歩行距離、および乗員が車両まで歩くのにかかった期間(すなわち、乗員が便利性距離または観測距離だけを歩くのにかかった時間)の両方を考慮に入れ得る。例えば、乗員は、かなり短い距離であり得るストリートを横断する必要があり得るが、その乗員が、横断する「歩行」信号、またはライトが緑色に変わるのに45秒待機する必要がある場合、不便性値は、乗員が待機する必要なくストリートを横断する必要があるだけの場合よりも大きい。実際の値は、任意のスケールであり得るが、不便性距離が増加するにつれて、不便性値も増加し得る。
【0046】
同様のプロセスは、ドロップオフ場所についての不便性値を決定するために使用され得る。例えば、移動の終わりに、乗員が車両を出るとき、乗員は、車両の認識システムによって歩行者として検出され得る。歩行者がある特定のセットの条件を満たすとき、コンピューティングデバイス310は、乗員のドロップオフについてイベントをログ記録し得る。一例として、セットの条件は、車両のドアが開いているときに歩行者が0.5メートル以上または以下などの所定の距離内にあり、車両のドアが開いているときに歩行者が車両の認識システムから「現れる」ことを含み得る。それに応答して、車両のコンピューティングデバイスは、乗員(現在は歩行者)に識別子を割り当て、イベントをログ記録し得る。このログ記録されたイベントは、歩行者識別子、移動識別子、およびイベントについてのタイムスタンプを含み得る。上記のように、サーバコンピューティングデバイス110がログにアクセスして処理することを可能にするために、車両101からの、任意のイベントを含むログ、および他の車両からのログが送信され得るか、または別の方法で記憶システム150にロードされ得る。
【0047】
コンピューティングデバイスは、ログ記録されたイベントが生成されたときに車両が停止した停止場所で乗員をドロップオフすることについての不便性値を決定するために、ドロップオフに対応するログ記録されたイベントを識別し、ログデータを処理し得る。例えば、所与のログおよびそのログのドロップオフに対応するログ記録されたイベントについて、コンピューティングデバイス110は、ログ記録されたイベントについてのタイムスタンプを使用して、ログから車両の場所を識別し得る。この場所は、ドロップオフのときか、またはログ記録されたイベントがログ記録されたときの車両の停止場所を識別するために、地図情報に対応し得るか、またはそれと比較され得る。
【0048】
ログは、乗員が車両を出た時から乗員が車両の認識システムによって最後に観測された時までの乗員の動きを検索するために使用され得る。また、上記のように、コンピューティングデバイス310によってログ記録される任意の所与のイベントについて、サーバコンピューティングデバイス110は、歩行者識別子を識別し得る。歩行者識別子を使用して、乗員に対応する認識データは、コンピューティングデバイス310によって生成されるログから検索され得る。これは、認識データのすべてを含み得、歩行者識別子についての観測値は、ログから検索され得る。この場合、これらの観測値の時間の順序は、乗員が認識システム372によって最初に観測された時から車両101を出た後に世界を通る乗員の経路に対応し得る。
【0049】
さらに、ログ記録されたイベントについてのタイムスタンプを使用して、コンピューティングデバイス110は、その時にログから車両の場所を検索することができ得る。この場所は、ピックアップのときか、またはログ記録されたイベントがログ記録されたときの車両の停止場所を識別するために、地図情報に対応し得るか、またはそれと比較され得る。
【0050】
乗員の観測値は、乗員が車両の認識システムによって最後に観測されるまで乗員が移動した観測距離を決定するために使用され得る。例えば、乗員が車両を出たときにイベントがログ記録された時間での最初の観測から始まり、時間内の最後の観測までの時間で隣接する各観測の場所の間の差を合計することによって、サーバコンピューティングデバイス110は、乗員が移動した観測距離を決定し得る。
【0051】
道路エッジ距離はまた、歩行者についての観測値を使用して計算され得る。例えば、サーバコンピューティングデバイス110は、最も近い道路エッジに対する乗員の「所望の目的地」、または乗員がドロップオフされた後に行きたい場所の間の距離(すなわち、直線距離)を計算することによって、エッジ距離を決定し得る。これは、常に明確であるわけでないため、道路エッジ距離を決定するために使用される所望の目的地は、歩行者識別子についての最後もしくは最新の時間観測の場所、および/または、30秒以上もしくは以下などのログ記録されたイベントのタイムスタンプ後の何らかの最大所定期間の後の最初の観測、その間の観測、もしくはその直前の最後の観測であり得る。
【0052】
停止場所でのドロップオフについての不便性距離は、乗員の所望の目的地に到達するために乗員が移動する必要があったかもしれない追加の距離として決定され得る。例えば、サーバコンピューティングデバイス110は、観測距離とエッジ距離との間の差を計算することによって、ドロップオフ場所の停止場所についての不便性距離を決定し得る。したがって、この不便性距離は、乗員が停止場所および/または車両から乗員の所望の目的地に到達するために歩く必要があった追加の距離を表し得る。この不便性距離は、ピックアップ場所についての停止場所の不便性値に関して上で論じられるように、そのドロップオフ場所についての停止場所の不便性値を決定するために使用され得る。
【0053】
図5は、地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例500を表す。車両に隣接しているのは、道路エッジ510である。矩形A~Jは、乗員の観測値を表し、そのため、破線520は、世界を通る乗員の経路を表し、破線520の長さは、乗員についての観測距離を表す。実施例500が乗員のピックアップを指す場合、矩形Aは、歩行者の最も早い時間観測を表し、観測Jは、乗員が車両101内に「消える」前の最後の時間観測を表す。実施例500が乗員のドロップオフを指す場合、矩形Jは、歩行者が車両を出た直後の最も早い時間観測を表し、矩形Aは、歩行者識別子についての最後もしくは最新の時間観測、および/または最新の時間観測、ログ記録されたイベントのタイムスタンプ後の何らかの最大所定期間の後の最初の観測、その間の観測、もしくはその直前の最後の観測を表す。いずれかの実施例では、エッジ距離は、矩形Aの観測の場所から道路エッジ510までの間の最短距離、または破線530によって表される距離である。破線520および破線530の距離の差は、実施例500の停止場所での(ピックアップまたはドロップオフについての)不便性距離である。
【0054】
図6は、ボックス640の場所から非常にゆっくりと停止場所に接近した後、乗員をピックアップするために地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例600を表す。車両に隣接しているのは、道路エッジ610である。矩形Mは、乗員の最も早い時間観測を表し、破線
620は、矩形Mの場所から車両101までの世界を通る乗員の経路を表す。破線620の長さは、乗員についての観測距離を表す。エッジ距離は、矩形Mの観測の場所から道路エッジ610までの間の最短距離、または破線630によって表される距離である。破線620および破線630の距離の差は、実施例600の停止場所でのピックアップについての不便性距離である。破線620の経路は、ボックス640の場所で車両が減速するのを見て反応した乗員の経路を表すが、実施例600の停止場所まで続く。例えば、乗員は、ボックス640の場所で車両に会おうとしたかもしれないが、車両101に、乗員を実施例600の停止場所まで通過させ続けただけであった。したがって、この実施例では、不便性距離および不便性値は、比較的高い。
【0055】
図7は、建物740の出口から出てくる乗員をピックアップするために地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例700を表す。車両に隣接しているのは、道路エッジ710である。矩形Nは、乗員の最も早い時間観測を表し、破線720は、矩形Nの場所から車両101までの世界を通る乗員の経路を表す。破線720の長さは、乗員についての観測距離を表す。エッジ距離は、矩形Nの観測の場所から道路エッジ710までの間の最短距離、または破線730によって表される距離である。破線720および破線730の距離の差は、実施例700の停止場所でのピックアップについての不便性距離である。したがって、この実施例では、不便性距離は、車両101が建物740の出口にどれくらい近いかに依存し、そのため、車両が入口から遠いほど、不便性距離が大きくなり、車両が入口に近いほど、不便性距離が小さくなる。
【0056】
図8は、道路エッジ810で、またはほぼ道路エッジ810で待機している乗員をピックアップするために地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例800を表す。矩形Oは、乗員の最も早い時間観測を表し、破線820は、矩形Oの場所から車両101までの世界を通る乗員の経路を表す。破線820の長さは、乗員についての観測距離を表す。エッジ距離は、矩形Oの観測の場所から道路エッジ810までの間の最短距離、またはここでゼロもしくはほぼゼロである。ここで、実施例800の停止場所でのピックアップについての不便性距離は、破線820の長さによって表される距離である。したがって、この実施例では、不便性距離は、車両101が道路エッジ810にどれくらい近いかに依存し、そのため、車両が道路エッジから遠いほど、不便性距離が大きくなり、車両が道路エッジに近いほど、不便性距離が小さくなる。
【0057】
図9は、道路エッジ910で、またはほぼ道路エッジ910で待機している乗員をピックアップするために地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例900を表す。車両に隣接しているのは、道路エッジ
920である。矩形Pは、乗員の最も早い時間観測を表し、破線
940は、矩形Pの場所から車両101までの世界を通る乗員の経路を表す。破線920の長さは、乗員についての観測距離を表す。エッジ距離は、矩形Pの観測の場所と、ここで道路エッジ910であるクローゼット道路エッジとの間の最短距離
、または破線930で表される距離である。破線920および破線930の距離の差は、実施例900の停止場所でのピックアップについての不便性距離である。したがって、この実施例では、不便性距離は、車両101が、必ずしも車両に最も近い道路エッジではなく、乗員に対する道路エッジクローゼットにどれくらい近いかに依存する。言い換えると、不便性距離は、乗員が車両に到達するために道路を横断する必要があるという事実を考慮に入れる。
【0058】
図10は、車両が停止される道路エッジ1012からのコーナー1040の周りにある道路エッジ1010で、またはほぼ道路エッジ1010で待機している乗員をピックアップするために地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例1000を表す。矩形
Nは、乗員の最も早い時間観測を表し、破線1020は、矩形
Nの場所から車両101までの世界を通る乗員の経路を表す。破線1020の長さは、乗員についての観測距離を表す。エッジ距離は、矩形
Nの観測の場所と、ここで道路エッジ1010であるクローゼット道路エッジとの間の最短距離である。破線1020および破線1030の距離の差は、実施例1000の停止場所でのピックアップについての不便性距離である。また、この実施例では、不便性距離は、車両101が、必ずしも車両に最も近い道路エッジではなく、乗員に対する道路エッジクローゼットにどれくらい近いかに依存する。言い換えると、不便性距離は、乗員が車両に到達するためにコーナーの周りを歩く必要があるという事実を考慮に入れる。
【0059】
いくつかの例では、群衆の中、大きな植生の周り、または他の閉塞がある場合などで、時には、特定の乗員(または歩行者識別子)が車両の認識システムに対して消え得、その歩行者が再び現れるとき、それは、異なる歩行者識別子を割り当てられ得る。これに対処し、乗員についての観測値のすべてを識別するために、クライアントコンピューティングデバイスによって、車両のコンピューティングデバイスおよび/またはサーバコンピューティングデバイスに、ピックアップ前またはドロップオフ後の何らかの期間で時間の経過とともに報告される、GPSまたは他の場所情報は、実際には同じ人に対応し得る異なる歩行者識別子を「マージ」するために使用され得る。修正がなければ、これは、不便性距離、したがって、実際の値よりも低い、所与の停止場所についての不便性値をもたらし得、そうでない場合は、(ピックアップについての)乗員の最初の観測の場所または(ドロップオフについての)乗員の最後の観測の場所は、実際には正しくない場合がある。
【0060】
図11は、乗員をピックアップするために地図情報の停止場所で停止される車両101の実施例1100を表す。矩形
Rは、歩行者の最も早い時間観測を表し、破線
1122は、矩形
Rの場所から植生1140の隣の場所までの世界を通る歩行者の経路を表す。この実施例では、一旦、歩行者が植生の隣に来ると、歩行者は、認識システム372のビューから「消える」。言い換えると、植生1140は、歩行者の認識システム372のビューを遮る。したがって、破線1120の長さは、歩行者についての観測距離を表す。乗員についてのエッジ距離は、矩形Qの観測の場所と道路エッジ1010との間の最短距離、または破線1130によって表される距離である。したがって、破線1120および破線1130の距離の差は、停止場所でのピックアップについての不便性距離である。
【0061】
矩形Rは、歩行者の最も早い時間観測を表し、破線1120は、植生1140の隣の矩形Rの場所から車両101までの世界を通る乗員の経路を表す。破線1122の長さは、歩行者についての観測距離を表す。この実施例では、乗員は、植生の隣に「現れ」、乗員および歩行者は、実際には同じ人であり得るが、コンピューティングデバイス310は、乗員および歩行者の観測値に異なる歩行者識別子を割り当て得る。したがって、不便性値を評価するとき、コンピューティングデバイス110が乗員の観測値を考慮するだけの場合、結果として生じる不便性値は、不正確であり得る。
【0062】
異なる歩行者識別子についての観測値を「マージ」し、上記のように、より正確な観測距離および道路エッジ距離を使用するために、乗員のクライアントコンピューティングデバイスによって報告されるGPSまたは他の場所情報および他の情報が使用され得る。例えば、乗員がドロップオフされるときの車両から目的地までの歩行方向は、コンピューティングデバイス110および/または310によって乗員のクライアントコンピューティングデバイスに提供され得、ならびに乗員の歩行者識別子の観測値に基づいてコンピューティングデバイス110および/または310によって生成される乗員についての行動予測は、乗員の歩行者の観測値に時間および空間的に近似する他の歩行者識別子を識別するために使用され得る。この点について、乗員のクライアントコンピューティングデバイスによって報告される場所情報、歩行方向、および/または行動予測と一致する動きを示す歩行者識別子についての観測値は、乗員の歩行者識別子の観測値とマージされ得る。
【0063】
一旦マージされると、観測距離は、異なる歩行者識別子の両方についての時系列の観測値のすべての間の距離の合計、または破線1120および1122によって表される総距離に、歩行者が消えた場所と矩形Qの場所との間の最短距離を加えたものであり、エッジ距離は、矩形Rの観測の場所から測定されるか、または破線1132によって表される距離である。観測距離および破線1132の差は、実施例1000の停止場所でのピックアップについての不便性距離である。
【0064】
異なる停止場所でのピックアップおよびドロップオフについての不便性値は、複数の異なる車両および移動にわたって集約され、地図データを生成するために使用され得る。一例として、すべての乗員、乗員のサブセット、または特定の乗員についての所与の停止場所についての不便性値が、集約され、いくつかの例では、平均化または別の方法で正規化され得る。例えば、所与の停止場所についての不便性値は、所与の停止場所および/または近くの停止場所についての不便性距離の平均または加重平均(例えば、道路エッジおよび/または観測距離によって加重)を使用して決定され得る。いくつかの例では、その平均不便性値は、0対1または他のスケールに変換され得る。同様に、所与の停止場所についての不便性値は、所与の停止場所についての不便性値のすべてを平均することによって決定され得る。
【0065】
これらの集約された値は、地図データを生成するために使用され得る。この地図データは、地図または地図を補うために使用される情報であり得る。例えば、不便性値は、道路地図または道路グラフ上にプロットされ、それによって、ピックアップ場所またはドロップオフ場所について最大の不便性を有する場所を識別し得る。いくつかの例では、別個の地図データもしくは地図が、同じもしくは異なる停止場所についてのピックアップおよびドロップオフ不便性値について生成され得るか、または代替的に、これらの値が、各停止場所についての単一の不便性値に組み合わされ得る。
【0066】
この地図データおよび地図は、様々な方法で使用され得る。例えば、ユーザまたは乗員は、車両をクライアントコンピューティングデバイスに要求するためのアプリケーションをダウンロードし得る。例えば、ユーザ122および132は、電子メールのリンクを介して、ウェブサイトから直接、またはアプリケーションストアからクライアントコンピューティングデバイス120および130にアプリケーションをダウンロードし得る。例えば、クライアントコンピューティングデバイスは、例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110にネットワークを介してアプリケーションの要求を送信し、それに応答して、アプリケーションを受信することができる。アプリケーションは、クライアントコンピューティングデバイスにローカルにインストールされ得る。
【0067】
次に、ユーザは自分のクライアントコンピューティングデバイスを使用してアプリケーションにアクセスし、車両を要求することができる。一例として、ユーザ132などのユーザは、車両について1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110に要求を送信するためにクライアントコンピューティングデバイス130を使用し得る。この一部として、ユーザは、ピックアップ場所、目的地、およびドロップオフ場所を識別し得る。この点について、ドロップオフ場所は、目的地とは物理的に異なる場所であり得る。
【0068】
ピックアップまたはドロップオフについての初期の場所は、ユーザまたは乗員のクライアントコンピューティングデバイスによって、ネットワークを介して1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに送信され得る。ユーザまたは乗員は、様々な方法でこの初期の場所を指定し得る。一例として、ピックアップ場所は、デフォルトで乗員のクライアントコンピューティングデバイスの現在の場所にし得るが、また、乗員のアカウントに関連付けられる現在の場所の近くの最近の場所または保存された場所であり得る。乗員は、ピックアップおよび/または目的地を識別するために、住所または他の場所情報を入力するか、地図上の場所をタップするか、またはリストから場所を選択し得る。例えば、ピックアップ場所について、クライアントコンピューティングデバイス120は、GPS場所などのその現在の場所を、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110に送信し得る。
【0069】
初期の場所の受信に応答して、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、表示のためにクライアントコンピューティングデバイスに地図を提供し得る。例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110は、初期の場所を使用して、記憶システム150の地図情報から関連する地図エリアを識別し、
図12に示されるように、表示のためにこの地図をクライアントコンピューティングデバイス130に送信し得る。この実施例では、マーカー1224は、クライアントコンピューティングデバイス130の推定された場所を表す。したがって、この実施例は、ピックアップ場所の指定に対応し得るが、同じまたは同様のプロセスが、ドロップオフ場所の指定のために使用され得る。マーカー
1236は、地
図1228上に表示されるような初期の場所を表す。
【0070】
さらに、サーバコンピューティングデバイスは、関連する地図エリア内の1つ以上の提案された停止場所、ならびにそれらの提案された停止場所についての任意の対応するピックアップ、ドロップオフ、および/または組み合わされたピックアップおよびドロップオフ不便性値をクライアントコンピューティングデバイスに提供し得る。一例として、提案された停止場所は、関連する地図エリア内のすべての停止場所、または初期の場所に最も近い5個もしくは10個以上もしくは以下の停止場所を含み得る。例えば、円1230、1232、1234、1226、1238は、初期の場所に最も近い地図情報400の5個の停止場所を表す。
【0071】
これらの提案された停止場所は、乗員が実際の停止場所を選択することを可能にするために、クライアントコンピューティングデバイスで表示され得る。一例として、乗員がピックアップ場所を指定している場合、ピックアップもしくは組み合わされた不便性値を有しないか、閾値よりも低いピックアップもしくは組み合わされた不便性値を有する停止場所、または最も低いピックアップもしくは組み合わされた不便性値を有する5個もしくは10個以上もしくは以下の停止場所が、特定のエリアについて最も便利な場所であるとして、フラグが立てられ得るか、または別の方法で強調表示され得る。同様に、乗員がドロップオフ場所を指定している場合、ドロップオフもしくは組み合わされた不便性値を有しないか、最も低いドロップオフもしくは組み合わされた不便性値を有するか、閾値よりも低いドロップオフもしくは組み合わされた不便性値を有する停止場所もしくは場所、または最も低いドロップオフ不便性値を有する5個もしくは10個以上もしくは以下の停止場所が、特定の地理的エリアについて最も便利な場所であるとして、フラグが立てられ得るか、または別の方法で強調表示され得る。例えば、円1238は、円1238が低い不便性値を有するか、または乗員についての最も便利なピックアップ場所である可能性が高いことを示すように、円1230、1232、1234、1236とは異なって描かれる。さらに、または代替的に、乗員は、エリア内のすべての可能なピックアップ場所を表示するオプションを提供され得、それらのいくつかは、最も便利または最も不便であるとしてフラグが立てられ得る。
【0072】
代替的に、サーバコンピューティングデバイスは、不便性値を有しないか、または最も低い不便性値を有するそれらの停止場所のサブセットを識別および提供し得る。一例として、乗員がピックアップ場所を指定している場合、ピックアップもしくは組み合わされた不便性値を有しないか、閾値よりも低いピックアップもしくは組み合わされた不便性値を有する停止場所、または最も低いピックアップもしくは組み合わされた不便性値を有する5個もしくは10個以上もしくは以下の停止場所が、サブセットに含まれ得る。同様に、乗員がドロップオフ場所を指定している場合、ドロップオフもしくは組み合わされた不便性値を有しないか、閾値よりも低いドロップオフもしくは組み合わされた不便性値を有する停止場所、または最も低いドロップオフもしくは組み合わされた不便性値を有する5個もしくは10個以上もしくは以下の停止場所が、サブセットに含まれ得る。
【0073】
他の例では、地図データ、不便性値、および/またはこれらの不便性値を含む地図は、1つ以上の自律型車両のコンピューティングデバイスに送信され、ピックアップおよび/またはドロップオフ場所を識別するために使用され得る。例えば、サーバコンピューティングデバイス110は、ネットワーク160を介してこの情報をコンピューティングデバイス310に送信し得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイス110は、車両101を制御するためにコンピューティングデバイスによって使用される地図情報に不便性値を組み込み得、および/または地図情報を強化するために使用される不便性値を地図情報に組み込み得る。
【0074】
上記の実施例のように、乗員が特定の停止場所をピックアップまたはドロップオフ場所として指定したかもしれないが、時には、この特定の場所は、別の車両によって占有され得るか、または別の方法で妨害され得る。次いで、コンピューティングデバイス110は、最も低い不便性値を有する次のまたは最も近い利用可能な停止場所を特定するために地図を参照し、乗員をピックアップまたはドロップオフするためにその停止場所に進み得る。例えば、車両が乗員をピックアップしている場合、コンピューティングデバイスは、地図情報内の停止場所を検索して、高すぎないピックアップ(またはピックアップおよびドロップオフの組み合わせ)不便性値を有する最も近い利用可能な(すなわち、占有されていないか、または妨害されていない)停止場所を見つけ得る。これはまた、乗員のためのより安全な出入りを意味する可能性が高いため、車両へのより低い不便性を有する停止場所を選択することを含み得る。かかる状況では、乗員のクライアントデバイスは、(車両および/またはサーバコンピューティングデバイスを介して、)車両が乗員にとってより不便な選択であると思われることを行う理由を乗員に知らせるために通知を提供され、それを表示し得る。これは、彼らに、変更に対してより快適および満足に感じさせ得る。
【0075】
いくつかの例では、不便性値を評価するとき、サーバコンピューティングデバイス110は、ログを使用して、(ピックアップの場合では、)乗員が車両に入ってドアを閉じるために停止場所で停止された後に車両が待機する必要があった時間、または(ドロップオフの場合では、)乗員が車両を出てドアを閉じるために停止場所で停止された後に車両が待機する必要があった時間を決定し得る。かかる場合、ピックアップについて、車両がより長く待機する可能性が高く、ドロップオフについて、乗員が通常、はるかに速く現れるとき、これらの待機時間は正規化され得る。もちろん、多数のイベントが含まれている場合、これらの差は、平均化され得る。この追加の情報は、乗員をピックアップおよびドロップオフするための最も便利な、または最も不便でない停止場所の選択をより適切に最適化するのに役立ち得る。
【0076】
上で論じられるように、より多くのログ記録されたイベントがサーバコンピューティングデバイス110によって処理されるにつれて、追加の情報が収集され得る。例えば、さらなる分析は、階段、建物入口、アクセス容易なスロープなどの近くにあるなど、いくつかの停止場所が他よりも優れている理由の特徴を識別し得る。この情報から、サーバコンピューティングデバイスは、他の停止場所の特徴と、関連付けられた不便性値を有する停止場所の特徴との間の類似性を識別することによって、ログ記録されたイベントを有しないか、またはそれをほとんど有しない他の停止場所の不便性値を評価することができ得る。これは、手動、自動(例えば、機械学習を使用)、または別の方法で実行され得る。例えば、少なくとも最初に、ある特定の近くの特徴および/または停止場所は、それらが非常に高い、非常に低い、上昇傾向にある、および/または下降傾向にある不便性値を示す場合、手動または自動で(例えば、機械学習を使用して)タグ付けされ得る。このタグ付け、ならびに識別する情報および/または(手動または自動で生成された可能性もあり得る)特徴自体についての情報は、停止場所についての不便性値を自動で識別および/または推定するようにモデルを訓練するために使用され得る。
【0077】
図13は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110などの1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行され得る、上記の態様のうちのいくつかによる、例示的なフロー
図1300である。ブロック1310で、車両の認識システムによって生成されるデータが検索される。データは、乗員が第1の場所で車両に接近したときの車両の乗員の観測位置を含む複数の観測値に対応する。ブロック1320で、車両に到達するために乗員が移動する観測距離は、複数の観測値を使用して決定される。ブロック1330で、複数の観測値の観測の観測位置から、観測位置に最も近い道路エッジまでの間の道路エッジ距離が決定される。ブロック1340で、第1の場所についての不便性値は、観測距離および道路エッジ距離を使用して決定される。ブロック1350で、地図データは、不便性値を使用して生成される。
【0078】
図14は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110などの1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行され得る、上記の態様のうちのいくつかによる、例示的なフロー
図1400である。ブロック1410で、車両の認識システムによって生成されるデータが検索される。データは、乗員が第1の場所で車両を出た後の車両の乗員の観測位置を含む複数の観測値を含む。ブロック1420で、目的地に到達するために乗員が移動する観測距離が決定される。ブロック1430で、観測位置に最も近い道路エッジに対応する複数の観測値の観測の観測位置の間の道路エッジ距離が決定される。ブロック1440で、第1の場所についての不便性値は、観測距離および第2の道路エッジ距離を使用して決定される。ブロック1450で、地図データは、第2の不便性値を使用
して生成される。
【0079】
本明細書での実施例は、不便性を評価すること、および不便性距離から不便性値を決定することに関するが、これらの不便性距離は、便利性値を決定するために使用され得る。一例として、所与の停止場所についての便利性スコアは、所与の場所についての不便性スコアに反比例して関連し得る。不便性スコアはまた、局所的な最小値に関して正規化され得る。これは、最も便利な停止場所が入口および/または出口の真正面にあり得ることを意味する。それが不便性の局所的な最小値であるためである。これらの便利性値は、ユーザまたは乗員がピックアップおよび/またはドロップオフ場所を識別し、ならびに自律型車両のコンピューティングデバイスが、不便性値に関して上で論じられる方法と同じまたは同様の方法で乗員をピックアップまたはドロップオフするために停止する場所を識別するのを支援し得る、地図および/または地図データを生成するために使用され得る。もちろん、より高い便利性値を有する停止場所は、より低い便利性値を有する停止場所よりも好ましい。同様に、高い便利性値を有する停止場所は、低い不便性値を有するはずであり、低い便利性値を有する停止場所は、高い不便性値を有するはずである。
【0080】
別段の記載がない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施されてもよい。上述した特徴のこれらおよび他の変形および組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用することができるので、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題を限定するのではなく、実例としてみなされるべきである。さらに、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、実施例は、多くの可能な実施形態のうちの1つだけを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を特定することができる。