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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】シート状物の支持構造
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/32 20060101AFI20220921BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
E04G21/32 C
E04G5/00 301E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021013188
(22)【出願日】2021-01-29
(62)【分割の表示】P 2016066808の分割
【原出願日】2016-03-29
(65)【公開番号】P2021073397
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591126518
【氏名又は名称】林口工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】俣野 隆
(72)【発明者】
【氏名】米谷 隆行
(72)【発明者】
【氏名】林口 典雄
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-197026(JP,A)
【文献】実開平01-142742(JP,U)
【文献】国際公開第2012/176486(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/137293(WO,A1)
【文献】実開昭60-094544(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00
E04G 21/24,21/32
E01F 13/00
A44B 19/00-19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本の構造部材(P1~P4)にシート状物(S)を取り付けるシート状物の支持構造であって、
前記構造部材(P1~P4)に取り付けられる合成樹脂製の筒状のホルダ(10)と、
前記ホルダ(10)に取り付けられる、前記シート状物(S)とは異なる部材のテープ状部材(20B)と、
前記シート状物(S)と、
を備え、
前記テープ状部材(20B)の一方の側縁部に沿ってガイド部(22B)が設けられ、
前記テープ状部材(20B)の他方の側縁部及び前記シート状物(S)の側縁部に沿って、一対の互いに結合または分離可能な部材からなるファスナー部材(30)の片側がそれぞれ取り付けられ、
前記ファスナー部材(30)は、一対のファスナーテープ(31)と、前記一対のファスナーテープ(31)の対向するテープ側縁部に取り付けられる一対のファスナーエレメント(32)と、を備えるスライドファスナー(30)であり、
前記テープ状部材(20B)は合成樹脂製の押し出し部材であり、
前記テープ状部材(20B)は、前記ファスナー部材(30)の片側が取り付けられる基部(21B)と、前記基部(21B)の側縁部に一体形成される前記ガイド部(22B)と、を備え、
前記テープ状部材(20B)は、2種類の樹脂により形成されており、
前記ホルダ(10)は、周方向の一部に切り離し部(11a)を有する筒状部(11)と、前記筒状部(11)の前記切り離し部(11a)の対向する縁部に沿ってそれぞれ形成される支持部(12)と、前記支持部(12)の長さ方向に沿って形成され、前記テープ状部材(20B)の前記ガイド部(22B)を挿通させるガイド溝(13)と、を有し、
前記支持部(12)の前記ガイド溝(13)に前記テープ状部材(20B)の前記ガイド部(22B)を挿通することにより、前記テープ状部材(20B)が前記ホルダ(10)に取り付けられ、
前記ファスナー部材(30)の結合または分離により、前記シート状物(S)が前記ホルダ(10)に対して脱着され、
前記基部(21B)は軟質樹脂で成形され、前記ガイド部(22B)は硬質樹脂で成形されることを特徴とするシート状物の支持構造。
【請求項2】
前記ガイド部は、ファスナーエレメント(22)であることを特徴とする請求項1に記載のシート状物の支持構造。
【請求項3】
前記スライドファスナー(30)は、前記一対のファスナーエレメント(32)を結合・分離させるスライダー(33)を備え、
前記ファスナーテープ(31)に取り付けられ、前記一対のファスナーエレメント(32)を覆うカバー部材(35)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシート状物の支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状物の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート状物の支持構造として、四辺形枠部を有するパイプ構造物と、そのパイプ構造物の四辺形枠部内に張設される矩形状のシート状物と、そのシート状物の少なくとも1組の対向辺縁部のそれぞれを四辺形枠部の少なくとも1組の対向一対のパイプのそれぞれに取り付けるパイプホルダとからなり、シート状物の1組の対向辺縁部に沿ってガイド突条が設けられ、パイプホルダが周方向の一部に切り離し部を有する筒状部の外周に長さ方向に延びる対向一対の突条が設けられ、その一対の突条のそれぞれにガイド突条が挿通されるガイド溝が形成され、そのガイド溝の開口部にガイド突条を抜止めする状態でスライド案内する内向きフランジが設けられた径方向に弾性変形可能な合成樹脂の成形品とされるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-197026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載のシート状物の支持構造では、シート状物を交換する場合、パイプ構造物である構造部材からパイプホルダを取り外す必要があるため、シート状物の交換作業が非常に煩瑣であり、作業時間が長くなってしまっていた。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造部材に対してシート状物を容易に脱着することができるシート状物の支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)少なくとも1本の構造部材にシート状物を取り付けるシート状物の支持構造であって、構造部材に取り付けられる合成樹脂製の筒状のホルダと、ホルダに取り付けられるテープ状部材と、テープ状部材に取り付けられるシート状物と、を備え、テープ状部材の一方の側縁部に沿ってガイド部が設けられ、テープ状部材の他方の側縁部及びシート状物の側縁部に沿って、一対の互いに結合または分離可能な部材からなるファスナー部材の片側がそれぞれ取り付けられ、ホルダは、周方向の一部に切り離し部を有する筒状部と、筒状部の切り離し部の対向する縁部に沿ってそれぞれ形成される支持部と、支持部の長さ方向に沿って形成され、テープ状部材のガイド部を挿通させるガイド溝と、を有し、支持部のガイド溝にテープ状部材のガイド部を挿通することにより、テープ状部材がホルダに取り付けられ、ファスナー部材の結合または分離により、シート状物がホルダに対して脱着されることを特徴とするシート状物の支持構造。
(2)ガイド部は、ファスナーエレメントであることを特徴とする(1)に記載のシート状物の支持構造。
(3)ファスナー部材は、スライドファスナーであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシート状物の支持構造。
(4)スライドファスナーは、一対のファスナーテープと、一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部に取り付けられる一対のファスナーエレメントと、一対のファスナーエレメントを結合・分離させるスライダーと、を備え、ファスナーテープに取り付けられ、一対のファスナーエレメントを覆うカバー部材を更に備えることを特徴とする(3)に記載のシート状物の支持構造。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、構造部材に取り付けられる合成樹脂製の筒状のホルダと、ホルダに取り付けられるテープ状部材と、テープ状部材に取り付けられるシート状物と、を備え、テープ状部材の一方の側縁部に沿ってガイド部が設けられ、テープ状部材の他方の側縁部及びシート状物の側縁部に沿って、一対の互いに結合または分離可能な部材からなるファスナー部材の片側がそれぞれ取り付けられ、ホルダは、周方向の一部に切り離し部を有する筒状部と、筒状部の切り離し部の対向する縁部に沿ってそれぞれ形成される支持部と、支持部の長さ方向に沿って形成され、テープ状部材のガイド部を挿通させるガイド溝と、を有し、支持部のガイド溝にテープ状部材のガイド部を挿通することにより、テープ状部材がホルダに取り付けられ、ファスナー部材の結合または分離により、シート状物がホルダに対して脱着されるため、構造部材に対してシート状物を容易に脱着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るシート状物の支持構造の一実施形態が採用された構造物を説明する平面図である。
図2図1に示す左側のパイプ部材の一端部の周辺の拡大平面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4】シート状物をパイプホルダから取り外した状態を示す拡大平面図である。
図5】構造物の4本のパイプ部材にシート状物を取り付ける場合を説明する平面図である。
図6】本発明に係るシート状物の支持構造の第1変形例を説明する断面図である。
図7】本発明に係るシート状物の支持構造の第2変形例を説明する断面図である。
図8】本発明に係るシート状物の支持構造の一実施形態が採用された構造物の他の例を説明する側面図である。
図9図8の構造物の平面図である。
図10】シート状物の支持構造の第3変形例を説明する断面図である。
図11】シート状物の支持構造の第4変形例を説明する断面図である。
図12】シート状物の支持構造の第5変形例を説明する断面図である。
図13】シート状物の支持構造の第6変形例を説明する平面図である。
図14図13のシート状物の支持構造の断面図である。
図15】シート状物の支持構造の第7変形例を説明する平面図である。
図16】シート状物の支持構造の第8変形例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るシート状物の支持構造の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以後の説明において、上側とは図1の紙面に対して手前側、下側とは図1の紙面に対して奥側とする。
【0010】
本実施形態のシート状物の支持構造は、図1に示す構造物ST1に採用されており、この構造物ST1は、平面視四角形状に組み立てられた4本のパイプ部材(構造部材)P1~P4を備え、本実施形態では、対向する2本のパイプ部材P1,P2に平面視四角形状のシート状物Sが張った状態で取り付けられている。そして、2本のパイプ部材P1,P2にシート状物Sの縁部が本実施形態のシート状物の支持構造によりそれぞれ支持されている。なお、本実施形態のシート状物Sはメッシュシートである。
【0011】
本実施形態のシート状物の支持構造は、図2及び図3に示すように、パイプ部材P1,P2に取り付けられる合成樹脂製の筒状のパイプホルダ(ホルダ)10と、パイプホルダ10に取り付けられるハーフストリンガー(テープ状部材)20と、ハーフストリンガー20に取り付けられるシート状物Sと、を備える。
【0012】
パイプホルダ10は、合成樹脂製の円筒状部材であり、図2及び図3に示すように、周方向の一部に切り離し部11aを有する筒状部11と、筒状部11の切り離し部11aの対向する縁部に沿ってそれぞれ突条として形成される支持部12と、支持部12の長さ方向に沿って形成され、後述するハーフストリンガー20のファスナーエレメント22を挿通させるガイド溝13と、を有する。パイプホルダ10は、径方向に弾性変形可能な合成樹脂の押出し成形品であり、合成樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂が使用される。
【0013】
また、ガイド溝13の開口部には、ハーフストリンガー20のファスナーエレメント22を抜け止めする状態で、テープ長さ方向にスライド案内する一対の内向きフランジ13aが形成されている。
【0014】
また、筒状部11の内周面には、複数のリブ11bが周方向に所定の間隔を存して形成されている。なお、リブ11bはなくてもよい。
【0015】
そして、パイプホルダ10は、その筒状部11の切り離し部11aを押し広げて、径方向外方に広げられた筒状部11をパイプ部材P1,P2に被せることにより、パイプ部材P1,P2に取り付けらえる。筒状部11の復元弾性力により筒状部11がパイプ部材P1,P2の外周面を締め付けることにより、筒状部11がパイプ部材P1,P2に保持される。
【0016】
また、本実施形態では、パイプホルダ10の取り付け後に、筒状部11の切り離し部11aが開かないようにするために、パイプホルダ10の端部外周面に合成樹脂製の結束バンド15が取り付けられている。また、結束バンド15をパイプホルダ10の端部より内側に配置したい場合は、ハーフストリンガー20のファスナーテープ21に貫通穴を形成して、その貫通穴に結束バンド15を挿通させるようにする。また、その場合、ファスナーテープ21が貫通穴から解れないように貫通穴にハトメを取り付けるとより好ましい。また、ハトメの形状は、円形状や長円形状が好ましい。なお、結束バンド15は、金属製のホースバンドであってもよい。
【0017】
ハーフストリンガー(テープ状部材)20は、図3に示すように、スライドファスナーの一対のファスナーストリンガーの片側であり、ファスナーテープ21と、ファスナーテープ21の一方の側縁部に取り付けられるファスナーエレメント(ガイド部)22と、ファスナーテープ21の他方の側縁部に取り付けられる後述するスライドファスナー(ファスナー部材)30の一対のファスナーストリンガーの片側と、を備える。ファスナーエレメント22は、例えば、モノフィラメントがらせん状に巻かれたコイルエレメントである。
【0018】
そして、パイプホルダ10の支持部12のガイド溝13にハーフストリンガー20のファスナーエレメント22を挿通することにより、ハーフストリンガー20がパイプホルダ10に取り付けられる。
【0019】
また、支持部12のガイド溝13の長手方向の端部が開口していると、ガイド溝13からハーフストリンガー20のファスナーエレメント22が抜け出てしまうため、ガイド溝13の長手方向の端部に栓部材14が取り付けられている。なお、本実施形態では、栓部材14には、ねじが使用されている。
【0020】
シート状物Sは、図2及び図3に示すように、その側縁部に沿って後述するスライドファスナー(ファスナー部材)30の一対のファスナーストリンガーの片側が取り付けられる。
【0021】
スライドファスナー(ファスナー部材)30は、図2及び図3に示すように、一対のファスナーテープ31と、一対のファスナーテープ31の対向するテープ側縁部に取り付けられる一対のファスナーエレメント32と、一対のファスナーエレメント32を結合・分離させるスライダー33と、一対のファスナーテープ31のテープ側縁部の上端部にそれぞれ取り付けられる不図示の上止部と、一対のファスナーテープ31のテープ側縁部の下端部に取り付けられる開き具34と、を備える。なお、一対のファスナーテープ31と一対のファスナーエレメント32により一対のストリンガーが構成され、これらは互いに結合または分離可能である。
【0022】
つまり、スライドファスナー30の一方側(図3の左側)のファスナーテープ31にハーフストリンガー20のファスナーテープ21が取り付けられ、スライドファスナー30の他方側(図3の右側)のファスナーテープ31にシート状物Sが取り付けられる。なお、ファスナーテープ同士の取り付け、及びファスナーテープとシート状物との取り付けには、縫着や溶着が用いられる。
【0023】
次に、本実施形態のシート状物の支持構造におけるシート状物Sの取り付け手順の一例について説明する。まず、パイプ部材P1,P2にパイプホルダ10を取り付ける。次いで、パイプホルダ10のガイド溝13にハーフストリンガー20を取り付ける。次いで、ハーフストリンガー20に取り付けられているスライドファスナー30の一方側のファスナーテープ31のファスナーエレメント32に、シート状物Sが取り付けられている他方側のファスナーテープ31のファスナーエレメント32をスライダー33の摺動により結合させる。以上の作業により、シート状物Sがパイプホルダ10に取り付けられる。
【0024】
そして、シート状物Sを交換する際には、まず、スライダー33の摺動によりスライドファスナー30の一対のファスナーエレメント32を分離させ、スライドファスナー30を開くことにより、古いシート状物Sがパイプホルダ10から取り外される(図4参照)。次に、新しいシート状物Sを所定の位置に配置した後、スライダー33の摺動によりスライドファスナー30の一対のファスナーエレメント32を結合させ、スライドファスナー30を閉じることにより、新しいシート状物Sがパイプホルダ10に取り付けられる。従って、本実施形態のシート状物の支持構造は、スライドファスナー30の開閉により、シート状物Sがパイプホルダ10に対して脱着されるように構成されている。
【0025】
以上説明したように、本実施形態のシート状物の支持構造によれば、パイプ部材P1,P2に取り付けられるパイプホルダ10と、パイプホルダ10に取り付けられるハーフストリンガー20と、ハーフストリンガー20に取り付けられるシート状物Sと、を備え、ハーフストリンガー20のファスナーテープ21の側縁部及びシート状物Sの側縁部に沿ってスライドファスナー30の一対のファスナーストリンガーの片側がそれぞれ取り付けられ、スライドファスナー30の開閉により、シート状物Sがパイプホルダ10に対して脱着されるため、パイプ部材P1,P2に対してシート状物Sを容易に脱着することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、2本のパイプ部材P1,P2にシート状物Sを取り付ける場合を例示したが、これに限定されず、図5に示すように、4本のパイプ部材P1~P4にシート状物Sを取り付けるようにしてもよい。
【0027】
また、本実施形態のシート状物の支持構造の第1変形例として、図6に示すように、スライドファスナー30の一方のファスナーテープ31の上面に、一対のファスナーエレメント32を覆うカバー部材35を取り付けてもよい。そして、本変形例によれば、一対のファスナーエレメント32がカバー部材35により覆われるため、一対のファスナーエレメント32の耐候性を向上することができる。
【0028】
また、本実施形態のシート状物の支持構造の第2変形例として、図7に示すように、一対のファスナーエレメント32が下向きになるようにスライドファスナー30を配置すると共に、スライドファスナー30の一方のファスナーテープ31の上面に、一対のファスナーエレメント32を覆うカバー部材35を取り付けてもよい。この場合、一対のファスナーテープ31間の隙間を覆えばよいため、カバー部材35の材料を少なくすることができ、製品コストを低減することができる。
【0029】
さらに、本発明のシート状物の支持構造が採用される構造物の他の例として、図8及び図9に示す導風装置ST2を挙げることができる。この導風装置ST2は、導風板60の高い方から低い方に風を通過させて、風の流速を上げる装置である。なお、図8中の矢印Wは通過させる風を表している。
【0030】
導風装置ST2は、図8及び図9に示すように、複数の支柱51を有するベースフレーム50と、ベースフレーム50の複数の支柱51の上端部に取り付けられる導風板60と、を備える。
【0031】
導風板60は、平面視四角形状且つ側面視下方に湾曲する形状に形成されるフレーム61と、フレーム61に張った状態で取り付けられる平面視四角形状のシート状物Sと、を備える。
【0032】
フレーム61は、6本の横パイプ部材61A~61Fと、4本の横パイプ部材61A~61Dの両端部をそれぞれ連結する6本の縦パイプ部材62A~62Fと、2本の横パイプ部材61E,61Fの両端部をそれぞれ連結する2本の縦パイプ部材62G,62Hと、を備える。
【0033】
そして、横パイプ部材61A,61F及び8本の縦パイプ部材62A~62Hに、上記パイプホルダ10がそれぞれ取り付けられ、その各パイプホルダ10に、上記ハーフストリンガー20及びスライドファスナー30を介してシート状物Sが取り付けられている。また、上記ハーフストリンガー20及びスライドファスナー30は、シート状物Sの各辺にそれぞれ取り付けられている。また、シート状物Sは、横パイプ部材61B~61Eの下方を通過するように配置されている。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、1本のパイプ部材に1つのパイプホルダを取り付けているが、これに限定されず、1本のパイプ部材に複数に分割されたパイプホルダを取り付けてもよい。
また、スライドファスナーは、一対のスライダーを配置した両開き可能なスライドファスナーであってもよい。この場合、スライドファスナーの両端からの取り外し、取り付けが可能となる。
また、スライダーの引手は、金属製に限定されず、紐やテープをループ状に結んだ引手であってもよい。この場合、引手に柔軟性があるため、作業性を向上することができる。
【0035】
また、上記実施形態では、ファスナー部材としてスライドファスナー30を使用しているが、これに限定されず、ファスナー部材として面ファスナー30B(図10参照)又はスナップボタン30C(図11参照)を使用してもよい。なお、面ファスナー30B及びスナップボタン30Cは、互いに結合または分離可能な一対の係合部材からなる。この場合も、ハーフストリンガー(テープ状部材)20のファスナーテープ21の側縁部及びシート状物Sの側縁部に沿って、面ファスナー(ファスナー部材)30B又はスナップボタン(ファスナー部材)30Cの片側がそれぞれ取り付けられている。
【0036】
また、上記実施形態では、テープ状部材としてハーフストリンガー20を使用しているが、これに限定されず、テープ状部材として図12に示す樹脂製の押し出し部材20Bを使用してもよい。
【0037】
押し出し部材20Bは、スライドファスナー30の一方側のファスナーテープ31が取り付けられる基部21Bと、基部21Bの側縁部に一体形成される頭部(ガイド部)22Bと、を備え、合成樹脂の押し出し成形により形成される。そして、押し出し部材20Bの頭部22Bは、パイプホルダ10の支持部12のガイド溝13に挿通される。
【0038】
また、押し出し部材20Bは、同じ樹脂により成形されてもよいが、2種類の樹脂により成形されていてもよい。例えば、基部21Bを軟質樹脂、頭部22Bを硬質樹脂で成形してもよい。この場合、基部21Bが軟質樹脂で成形されているため、押し出し部材20Bをファスナーテープ31に縫着可能となる。また、頭部22Bが硬質樹脂で成形されているため、ガイド溝13との係合力を向上することができる。さらに、基部21Bを硬質樹脂で成形してもよい。この場合、シート状物Sの張り具合を高めることができ、ファスナーテープ31に溶着により取り付けられる。
【0039】
また、図13及び図14に示すように、スライドファスナー30の一方側のファスナーテープ31の外側縁部に、パイプホルダ10の支持部12のガイド溝13に挿通される樹脂製のガイドエレメント(ガイド部)22Cを形成して、スライドファスナー30の一対のファスナーストリンガーの片側をテープ状部材としてもよい。この場合、テープ状部材の一方の側縁部にガイドエレメント(ガイド部)22Cが形成され、他方の側縁部にファスナーエレメント(ファスナー部材)32が形成される。そして、ガイドエレメント22Cは、ファスナーテープ31の外側縁部に連続的に射出成形されている。この場合、ファスナーテープ31にガイドエレメント22Cを直接射出成形するため、ファスナーテープ31にハーフストリンガー20などを縫着する手間を省くことができる。また、ガイドエレメント22Cを連続的に射出成形するため、シート状物Sの張り具合を高めることができる。シート状物Sの側縁部にも、ファスナーエレメント(ファスナー部材)32が形成され、テープ状部材及びシート状物Sに設けられたファスナーエレメント32の結合または分離により、シート状物Sがパイプホルダ10に対して脱着される。なお、ファスナーエレメント32をシート状物に取り付ける際に、ファスナーテープ31を介するか否かは問わない。
【0040】
また、図15に示すように、図13に示すガイドエレメント22Cを、ファスナーテープ31の外側縁部に間欠的に射出成形してもよい。この場合、ガイドエレメント22Cを間欠的に射出成形するため、カーブした形状の構造部材にも対応することができる。
【0041】
また、図16に示すように、スライドファスナー30の一方側のファスナーテープ31の外側縁部に、パイプホルダ10の支持部12のガイド溝13に挿通される膨出部(ガイド部)22Dを設けて、スライドファスナー30の一対のファスナーストリンガーの片側をテープ状部材としてもよい。この場合、テープ状部材の一方の側縁部に膨出部(ガイド部)22Dが形成され、他方の側縁部にファスナーエレメント(ファスナー部材)32が形成される。この膨出部22Dは、ファスナーテープ31の外側縁部に形成される袋状部25と、袋状部25内に挿通される芯材26と、を備える。シート状物Sの側縁部にも、ファスナーエレメント(ファスナー部材)32が形成され、テープ状部材及びシート状物Sに設けられたファスナーエレメント32の結合または分離により、シート状物Sがパイプホルダ10に対して脱着される。なお、ファスナーエレメント32をシート状物に取り付ける際に、ファスナーテープ31を介するか否かは問わない。
【0042】
袋状部25は、ファスナーテープ31の外側縁部を折り返し、その折り返した部分をファスナーテープ31に縫着又は溶着することにより形成される。芯材26は、モノフィラメントワイヤー、金属ワイヤー、及び間欠ボールチェーンなどである。この場合、ファスナーテープ31に膨出部22Dを直接設けるため、ファスナーテープ31にハーフストリンガー20などを縫着する手間を省くことができる。また、芯材26がモノフィラメントワイヤーや金属ワイヤーの場合、シート状物Sの張り具合を高めることができ、芯材26が間欠ボールチェーンの場合、カーブした形状の構造部材にも対応することができる。なお、モノフィラメントワイヤーや金属ワイヤーの断面形状は、円形状、楕円形状、長円形状などを採用してよく、その形状に制限はない。
【符号の説明】
【0043】
10 パイプホルダ(ホルダ)
11 筒状部
11a 切り離し部
12 支持部
13 ガイド溝
20 ハーフストリンガー(テープ状部材)
21 ファスナーテープ
22 ファスナーエレメント(ガイド部)
30 スライドファスナー(ファスナー部材)
31 ファスナーテープ
32 ファスナーエレメント
33 スライダー
34 開き具
35 カバー部材
20B 押し出し部材(テープ状部材)
21B 基部
22B 頭部(ガイド部)
30B 面ファスナー(ファスナー部材)
30C スナップボタン(ファスナー部材)
P1~P4 パイプ部材(構造部材)
S シート状物
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11
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図16