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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】演出出力玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/26 20060101AFI20220921BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20220921BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220921BHJP
   A63H 33/22 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H5/00 C
A63H33/00 P
A63H33/22 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021105657
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2022-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】勝野 真弥
(72)【発明者】
【氏名】木村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克也
(72)【発明者】
【氏名】宮本 栄一
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-007759(JP,A)
【文献】特開2019-208729(JP,A)
【文献】中国実用新案第201823289(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出出力が可能な第1玩具体と、
演出出力が可能な第2玩具体と、
前記演出出力の制御を行う制御部と、
前記第1玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第1受発光素子と、
前記第2玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第2受発光素子と、を備え、
前記第1受発光素子は第1動作情報を送信可能であり、
前記第2受発光素子は第2動作情報を送信可能であり、
前記第1受発光素子の受発光部と前記第2受発光素子の受発光部とを対面させることにより、前記第1玩具体と前記第2玩具体との間において前記第1動作情報及び前記第2動作情報の送受信が可能に構成され、
前記第1動作情報と前記第2動作情報の少なくとも一方に基づいて前記演出出力を行うことが可能であ
前記第2玩具体は、前記第1玩具体の一面と接触することにより第1玩具体に対応した画像を表示可能な画像表示部を備えている、
演出出力玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の演出出力玩具であって、
前記第2玩具体は、前記第1玩具体を装着可能な装着部を有し、
前記第1玩具体が前記装着部に装着された状態で前記第1動作情報及び前記第2動作情報の送受信が可能である、
演出出力玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の演出出力玩具であって、
前記第2玩具体は、本体部と前記第1玩具体を装着可能な装着部とを有し、前記装着部を前記本体部に対して移動することにより、前記第1玩具体からの演出出力が可能である、
演出出力玩具。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の演出出力玩具であって、
前記第1受発光素子は、前記装着部の装着面に対向する前記第1玩具体の被装着面に形成された一方の開口部に入り込むように設置され、
前記第2受発光素子は、前記第2玩具体の前記装着部の装着面に形成された他方の開口部に入り込むように設置されている、
演出出力玩具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記第1受発光素子及び前記第2受発光素子は、それぞれ赤外線の発光と受光が可能なLEDにて構成されている、
演出出力玩具。
【請求項6】
請求項の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記第2玩具体は、本体部と、前記第1玩具体を装着可能な装着部とを有し、
前記装着部は、前記本体部に対して前記第1玩具体を保持した状態で移動可能に設けられている、
演出出力玩具。
【請求項7】
請求項に記載の演出出力玩具であって、
前記画像表示部は、前記装着部の移動に連動する連動機構を介して移動可能に構成されている、
演出出力玩具。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記第1玩具体の前記一面には、磁界発生手段が設けられ、
前記画像表示部には、前記一面に対面可能な磁気シート面が設けられている、
演出出力玩具。
【請求項9】
請求項に記載の演出出力玩具であって、
前記第1玩具体の前記磁界発生手段が設けられた部位は、前記第1玩具体の本体部に対して弾性移動可能に設けられている、
演出出力玩具。
【請求項10】
請求項又はに記載の演出出力玩具であって、
前記画像表示部は、前記第2玩具体の本体部に対して前記磁気シート面の向きを変更可能に設けられている、
演出出力玩具。
【請求項11】
請求項10の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記画像表示部は、前記磁気シート面による画像を消去する画像消去部材を備えている、
演出出力玩具。
【請求項12】
請求項11に記載の演出出力玩具であって、
前記画像消去部材は、磁石を備えている、
演出出力玩具。
【請求項13】
請求項1に記載の演出出力玩具であって、
前記磁石による前記磁気シート面の画像の消去は、前記画像表示部の移動に連動する、
演出出力玩具。
【請求項14】
請求項~1の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記第1玩具体は、左右方向に傾倒動作可能であり、
前記画像表示部は、前記磁気シート面が上方向きと前方向きに切り替わるように回転動作するよう構成されている、
演出出力玩具。
【請求項15】
請求項~14の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記第2玩具体は、把持部を備えた武器形状に構成され、
前記武器形状における前記画像表示部の画像の消去は、前記把持部に設けられた操作部の操作にて行われる、
演出出力玩具。
【請求項16】
請求項1に記載の演出出力玩具であって、
前記第2玩具体は、銃身を備えた武器形状であって、
前記第1玩具体は、前記銃身に沿った位置に少なくとも1つ配置可能に構成され、
前記画像表示部は、前記把持部の近傍に配置されている、
演出出力玩具。
【請求項17】
請求項1~1の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記制御部は、前記第1玩具体に設けられた第1制御部と、前記第2玩具体に設けられた第2制御部と、を含み、
前記第1制御部は、前記第1受発光素子が前記第2受発光素子からの第2動作情報を受信したことを契機に前記第1玩具体の演出出力を実行し、前記第1玩具体の演出出力の実行完了後に、前記第1受発光素子から前記第2受発光素子に前記第1動作情報を送信し、
前記第2制御部は、前記第2受発光素子が前記第1受発光素子からの第1動作情報を受信したことを契機に前記第2玩具体の演出出力を実行し、前記第2玩具体の演出出力を実行完了後に、前記第2受発光素子から前記第1受発光素子に前記第2動作情報を送信する、
演出出力玩具。
【請求項18】
請求項1~1の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記第1動作情報は、前記第1玩具体に関する第1識別情報を含み、
前記第2動作情報は、前記第2玩具体に関する第2識別情報を含む、
演出出力玩具。
【請求項19】
請求項1~1の何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記演出出力は、光と音の少なくとも一方を用いた演出である、
演出出力玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出出力玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演出出力玩具には所定の操作に基づいて音等を発生するものが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された演出出力玩具は、タグリーダ部と、動作出力部と、記憶部と、制御部と蓋部等を備える筐体部と、この筐体部とは別体でICタグを備える別部材と、等を備える。筐体部のタグリーダ部に対してICタグを備える別部材を近づけてICタグの情報を読み込むことで発音可能に構成された発音玩具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-146784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、発音玩具にICタグを近づけると発音玩具が発音するのみで興趣性の乏しいものであった。
【0005】
本発明は、興趣性の高い演出出力玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る演出出力玩具は、例えば演出出力が可能な第1玩具体と、演出出力が可能な第2玩具体と、前記演出出力の制御を行う制御部と、前記第1玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第1受発光素子と、前記第2玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第2受発光素子と、を備え、前記第1受発光素子は第1動作情報を送信可能であり、前記第2受発光素子は第2動作情報を送信可能であり、前記第1受発光素子の受発光部と前記第2受発光素子の受発光部とを対面させることにより、前記第1玩具体と前記第2玩具体との間において前記第1動作情報及び前記第2動作情報の送受信が可能に構成され、前記第1動作情報と前記第2動作情報の少なくとも一方に基づいて前記演出出力を行うことが可能に構成される。 また本発明に係る演出出力玩具は、例えば演出出力が可能な第1玩具体と、演出出力が可能な第2玩具体と、前記演出出力の制御を行う制御部と、前記第1玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第1受発光素子と、前記第2玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第2受発光素子と、を備え、前記第1受発光素子は第1動作情報を送信可能であり、前記第2受発光素子は第2動作情報を送信可能であり、前記第1受発光素子の受発光部と前記第2受発光素子の受発光部とを対面させることにより、前記第1玩具体と前記第2玩具体との間において前記第1動作情報及び前記第2動作情報の送受信が可能に構成され、前記第1動作情報と前記第2動作情報の少なくとも一方に基づいて前記演出出力を行うことが可能であり、前記第2玩具体は、前記第1玩具体の一面と接触することにより第1玩具体に対応した画像を表示可能な画像表示部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い演出出力玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の演出出力玩具の操作の一例を示す斜視図である。
図2】演出出力玩具の操作の一例を示す斜視図である。
図3】演出出力玩具の操作の一例を示す正面図である。
図4】第2玩具体の装着部の外部構造を示す拡大斜視図である。
図5】第1玩具体の斜視図であって、(a)は、裏面側の構造を示し、(b)は表側の構造を示す斜視図である。
図6】第1玩具体の装着状態における装着部と第1玩具体の要部拡大断面図である。
図7】第1玩具体の装着部の内部構造を示す一部分解斜視図である。
図8】連動機構の動作前の状態で、正面から見たときの内部斜視図である。
図9図9は、連動機構の動作状態で、下方側から見たときの内部斜視図である。
図10図10は、画像表示部の画像形成可能状態における画像消去部材を示す側面図である。
図11図11は、画像消去部材の分解斜視図である。
図12図12は、画像消去部材の斜視図である。
図13図13は、画像表示部が正面を向いた状態における画像消去部材を示す一部分解斜視図である。
図14図14は、画像消去部材の動作状態を示す側面図である。
図15図15は、第1玩具体の内部の要部破断拡大面図である。
図16図16は、制御系を示すブロック図である。
図17図17は、第2玩具体の変形例を示す斜視図である。
図18図18は、図17に示す変形例において、第1玩具体を装着する前の状態を示す斜視図である。
図19図19は、図17に示す変形例において、図18とは異なる第1玩具体を装着する例を示す斜視図である。
図20図20は、第1玩具体の複数の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態の演出出力玩具について、図面を参照して説明する。
図1は、演出出力玩具の全体を示す斜視図である。図2は、演出出力玩具の全体を示す斜視図である。図3は、演出出力玩具の操作の一例を示す正面図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、演出出力玩具1は、その構成を大きく分けると、例えばチェスの駒の形状を模してスタンプ機能を有する第1玩具体10(以下、「スタンプ10」という)と、スタンプ10を着脱できるバックル形の第2玩具体20(以下、「バックル20」と云う)と、を備える構成である。スタンプ10には、独立した電源が設けられており、スタンプ10に対応する第1識別情報を保持し、制御部71(70)(図16参照)により演出出力が制御される。一方、バックル20にも、独立した電源が設けられており、第1識別情報とは別のバックル20に対応する第2識別情報を保持し、制御部72(70)(図16参照)により演出出力が制御される。そして、スタンプ10とバックル20とは、それぞれ別々に制御されて演出出力が可能であるが、双方の情報をやり取りして、双方の情報に基づいた演出出力が可能となっている。なお、第1玩具体10、第2玩具体20の形状(デザイン)は特に限定されるものではなく、様々な形状をとることができる。
【0011】
演出出力玩具1は、例えば戦うヒーローが変身する様子を再現するときに使用する玩具である。チェス駒形のスタンプ10の使用例としては、バックル20の後述するスタンプ台40に押し当てる操作(図1参照)、バックル20の装着部30への装着操作(図2参照)、更に、図3に示すように、装着したスタンプ10を所定方向に回動傾斜させる操作を行うことができ、この操作に伴って、光(画像を含む)や音を用いた演出が行われる。
【0012】
バックル20は、フレキシブルなベルト部材22が左右両端に取り付け可能に構成されている。したがって、例えば遊戯者が腰に付けて遊ぶ際に、ベルト部材22を使って腰の前面側にバックル20を位置させて使用する。バックル20は、使用時においては左右方向に長く構成されている本体部21を有し、本体部21の前面には、スタンプ10を装着する装着部30、スタンプ10のスタンプ操作(図1に示すような下方への押圧操作)によって画像を表示可能な画像表示部40(以下、「スタンプ台40」という)が設けられている。そして、遊戯状態においては、装着部30は本体部21に対して回動して傾倒動作することで、スタンプ台40は、後述するように画像表示面である磁気シート面43が上方向き状態(図1に示す状態)と前方向き状態(図3に示す状態)に動作する。
【0013】
図4は、バックル20の装着部30の外部構造を示す拡大斜視図である。図5は、スタンプ10の裏面側及び前面側の構造を示す斜視図である。
装着部30は、図4に示すように、例えば前ハウジング30a及び後ハウジング30bの一対の組合せにて内部空間が形成されている。また、前ハウジング30aには、スタンプ10を上方から挿入装着可能な左右一対の突条の装着レール31を備えている。一対の装着レール31は、それぞれの突出先端部分が装着面30sに平行に屈曲して互いに向き合うフック片31fを備える。なお、装着面30sには、装着レール31間に、装着面30sから突出する後述する操作ピン35(図7参照)用の孔35h、受発光部28が設けられている。
【0014】
一方、スタンプ10は、その裏面側には、図5(a)に示すように、被装着面10sを構成する突出壁10cが設けられ、この突出壁10cの左右両端側に挿入係合片10dが設けられている。この挿入係合片10dは、突出壁10cの左右両側から張り出した形状でフック片31fの後側にスライドして挿入係合可能な構造となっている。したがって、スタンプ10は、挿入係合片10dをフック片31fの内側に挿入することで、装着面30sに対して被装着面10sが略密着するように装着される。
【0015】
また、スタンプ10は、その本体11の形状が前述の如くチェスの駒の形をしており、後述するように上下動可能なスタンプ下端部12を備え、被装着面10sには、受発光部18、スタンプ回転スイッチ16用の開口16h、及びリセットスイッチ17が設けられている。また、天面側には、電源スイッチを兼ねる天面スイッチ14が設けられており、表側には、図5(b)に示すように、スタンプ10の特徴(例えばヒーローの特徴)を現わすモチーフ部10eが描かれている。このモチーフ部10eは、後述する内部の光源によって、光演出が行われる。
【0016】
図6は、スタンプ10の装着状態における装着部30とスタンプ10の要部拡大断面図である。図6に示すように、スタンプ10の装着状態においては、被装着面10sの一方の開口部であるスタンプ側開口部18hと第1受発光素子18eとで構成されるスタンプ側の受発光部18は、装着面30sの他方の開口部である装着部側開口部28hと第2受発光素子28eとで構成される装着部側の受発光部28に対面(対向)している。本実施の形態において、装着部30にスタンプ10を装着した状態で、第1受発光素子18eは、第2受発光素子28eから送信された信号(赤外線発光)を受信(受光)可能であり、かつ第2受発光素子28eは、第1受発光素子18eから送信された信号(赤外線発光)を受信(受光)可能である。
【0017】
本実施形態において、第1受発光素子18eは、赤外線によってスタンプ10に対応する第1識別情報やコマンド情報等の制御情報を含む第1動作情報を送信可能であり、第2受発光素子28eは、赤外線によって第1識別情報とは別の第2識別情報やコマンド情報等の制御信号を含む第2動作情報を送信可能である。なお、ここで第1動作情報、第2動作情報は特に限定されるものではなく、それぞれの識別情報のみやコマンド情報等の制御情報のみ等であってもよい。
【0018】
第1受発光素子18e及び第2受発光素子28eは、赤外線の発光と受光が可能なLEDにて構成されている。このように、1つの素子同士を対面させることにより、スタンプ10とバックル20との間で信号を受信及び発信することができ、スタンプ10とバックル20との間で第1動作情報及び第2動作情報の相互の送受信が可能となる。
【0019】
図6に示すように、第1受発光素子18eは、その先端部分がスタンプ側開口部18hに入り込むように設置され、一方、第2受発光素子28eにおいても、その先端部分が装着部側開口部28hに入り込むように設置されている。この結果、第1受発光素子18eと第2受発光素子28eとは、極めて接近した状態で対面している。
【0020】
図7は、装着部30の内部構造を示す一部分解斜視図である。
装着部30は、装着部30の下端側から下方に向かって延出した下端突出部32が、本体部21内に設けられた軸部により、本体部21の前後方向に延びる回転中心C1を中心にして回転移動(揺動)可能に設けられている。
【0021】
装着部30は、下端突出部32が回転可能に支持されている他に、本体部21から装着部30の内部に突出する支持ピン部29によっても支持されている。すなわち、後ハウジング30bに設けられた円弧状の回転支持開口33を支持ピン部29が貫通していることで、装着部30が回転するときに、回転支持開口33が支持ピン部29にて案内される。また、支持ピン部29の屈曲した先端部29tによって後ハウジング30bが支持ピン部29から外れないように係止されている。
【0022】
装着部30には、図7に示すように、第2受発光素子28eに隣接して操作ピン35が設けられており、この操作ピン35が、スタンプ10の開口16h内に進入するように構成されている。詳細には、例えば、操作ピン35は、その基部を構成するピン基部35bが周囲の壁部35wにガイドされて装着部30の厚み方向に移動可能に設けられている。ピン基部35bは、前ハウジング30aとの間に基部圧縮ばね35cにより後ハウジング30b側に押圧されている。また、ピン基部35bに隣接してピン基部35bに係合可能にアーム部材36が設けられている。
【0023】
アーム部材36は、アーム軸部36aを中心に、回転支持開口33内に進入するように設けられた第一アーム36bと、ピン基部35bの第一傾斜面35sに係合するように張り出した第二アーム36cと、を備えている。そして、第二アーム36cに設けられた第二傾斜面36sがピン基部35bに設けられた第一傾斜面35sに対して後ハウジング30b側から接触するように対面している。
【0024】
スタンプ10が装着部30に装着された状態において、装着部30を最大傾斜位置まで回転移動させる。これによって、アーム部材36は、第一アーム36bが支持ピン部29に当たり回転中心C4を中心にして回動する。これにより、第二傾斜面36sが第一傾斜面35sを押上げて、ピン基部35bを基部圧縮ばね35cの付勢力に抗して移動させる。したがって、操作ピン35は、スタンプ10の被装着面10sに配置されたスタンプ回転スイッチ16を押し込む。この結果、スタンプ10の音声や光による所定の演出が発現される。またスタンプ回転スイッチ16が押圧されることにより、第1受発光素子18eから動作情報を含む赤外線信号の送信が開始されるようにしてもよい。
【0025】
スタンプ台40は、箱型形状(図1及び図4参照)の台部ケーシング40bの一面(図中において上面)に、磁力によって画像形成が可能な磁気シート面43が設けられている。第1玩具体10の下端面に設けられた磁界発生手段であるスタンプ磁石13と接触させる(図1参照)ことで、例えば、磁気シート面43の表面にスタンプ磁石13に対応する画像(例えばスタンプ10のモチーフ部10eと同じ画像(図3参照)若しくはスタンプ10に関連する画像等)を表示することができる。
【0026】
次に、装着部30の回転移動によってスタンプ台40を操作する連動機構について説明する。図8は、連動機構の動作前の状態で、連動機構を正面から見たときの内部斜視図である。図9は、連動機構の動作状態で、連動機構を下方側から見たときの内部斜視図である。
【0027】
装着部30の回転動作は、連動機構50を介してスタンプ台40を回転移動するように伝達される。連動機構50は、大きく分けると、装着部30の下端突出部32に押されて本体部21の横方向にスライド移動するスライド部51と、スライド部51と接し回転中心C2を中心に回転する中間回転部52と、中間回転部52と噛み合って回転中心C3を中心にスタンプ台40を回転させる表示部回転部53と、を備える。
【0028】
装着部30の下端突出部32には、円弧状の押圧面32sを備える押圧アーム32bが設けられている。スライド部51は、この押圧アーム32bに一端側51aが接する横長の部材であり、他端側51bが中間回転部52の下端レバー部52aを接触し押圧可能に配置されている。スライド部51の他端側51bの上部には、中間回転部52の回動を係止するロックピン52pを上方に押上げる押上げ突起51cが突設されている。また、スライド部51は、戻しばね51dが配置されており、初期位置に戻す方向に付勢されている。また、スライド部51には、ラバースイッチ等の装着部回転スイッチ27を押圧可能なスイッチ用突起51eが設けられている。すなわち、スライド部51の移動により装着部30の回転を検出する機構が設けられている。
【0029】
中間回転部52は、スライド部51の他端側51bに押圧される下端レバー部52aを有するスプライン軸状の芯部材52bと、芯部材52bの外周面に噛合い且つ芯部材52bに対して軸方向に移動可能に設けられた環状係合部材52cと、環状係合部材52cの外周面に該外周面上を軸方向にスライド移動可能に設けられた第1歯車部材52dと、第1歯車部材52dの鍔部52eの外周縁の切込み52kに嵌合可能な係止爪52fを有するロックピン52pと、等を備えて回転中心C2を中心に回転する。
【0030】
ここで、芯部材52bは、下端レバー部52aの一端が引張ばね52gにて初期位置に戻る方向に回転するように引っ張られている。また、環状係合部材52cは、芯部材52bを囲むように設けられた押圧ばね52hによって上方へ押されており、外周面に形成された複数の係合爪52mが第1歯車部材52dの内周縁側に設けられたラチェット爪52nに係合するように押されている。ロックピン52pは、ピン押圧ばね52iによってロック爪52qが第1歯車部材52dの外周縁の切込み52kに嵌合する方向(下方)に押されている。
【0031】
表示部回転部53は、回転中心C3を構成する支軸部材53aと、支軸部材53aに回転可能に軸支され下端側の歯部が第1歯車部材52dに係合する第2歯車部材53bと、第2歯車部材53bの上端側の歯部に内周が係合する環状部材53cと、環状部材53cの上側で支軸部材53aの先端部に係合する照明支持部材53dと、環状部材53cの外周面に形成された係合溝53eに弾性的に嵌入可能な一対の係合爪部材53fと、等を備えている。ここで、照明支持部材53dは、その長手方向の両端に光源を有する光出力部82が設けられており、磁気シート面43を内側から灯光するように構成されている。
【0032】
また、環状部材53cに弾性係合している係合爪部材53fは、台ケーシング40a側に取り付けられており、環状部材53cとの係合によって装着部30に連動して台ケーシング40aが回転するように構成されている。したがって、例えば、スタンプ台40を無理やり回すような不測の操作が行われた場合には、係合爪部材53fとの係合が外れて空回りして、連動機構50の構成部品の破損防止機能を備えている。
【0033】
このように構成された連動機構50においては、装着部30が回転(揺動)されると、スライド部51が図中右方向に移動する。このスライド部51の移動によって、ロックピン52pが上方に移動されて第1歯車部材52dのロックが解除され、芯部材52bが回転する。これにより、環状係合部材52cが回転し、環状係合部材52cの係合爪52mがラチェット爪52nに係合した状態で第1歯車部材52dを回転させる。第1歯車部材52dの回転によって、第2歯車部材53bが回転してスタンプ台40が180度回転する。スタンプ台40が所定の回転をした後は、戻しばね51dの付勢力により、装着部30は、初期位置(立った状態の位置)に戻される。一方、スタンプ台40は、第2歯車部材53bのつば部53jに形成された切欠き53kに係合する係止部材(不図示)にて位置決め係止される。また、中間回転部52は、ロックピン52pによってロック状態とされ、更に、芯部材52bは引張ばね52gによって初期位置に戻される。なお、係合爪52mは、ラチェット爪52nの傾斜面に接した状態で次の係合位置へ移動する。
【0034】
スタンプ台40は、図1に示すように、磁気シート面43が上向きになっている状態において、磁気シート面43にスタンプ10を押圧することにより磁気シート面43上に画像が形成され、その後、装着部30を移動(回転)することによって、図3に示すように、磁気シート面43が前方向きに回転した状態となる。この状態では、磁気シート面43に画像が形成されている。しかし、その後、装着部30を再度移動(回転)させることで、磁気シート面43が再び上を向くように移動(回転)する。このとき、上向きになった磁気シート面43には、画像は形成されておらず再び画像を形成可能な状態となる。すなわち、磁気シート面43が正面を向いている状態から上方を向くまでの間に画像が消去される構造を備えている。
【0035】
図10は、画像表示部の画像形成可能状態における画像消去部材を示す側面図である。図11は、画像消去部材の分解斜視図である。図12は、画像消去部材の斜視図である。画像を消去する構造として、図10に示すように、スタンプ台40の中に、台ケーシング40aの内壁面の一面側に沿うように画像消去部材60が設けられている。この画像消去部材60は、図11及び図12に示すように、構成要素としては、図示の下から順に、第1動作部材61、第2動作部材62、及び第3動作部材63を備えている。
【0036】
第1動作部材61は、上端部61aには第1回動ピン61pが設けられ、この第1回動ピン61pが第2動作部材62の下端側の第1長孔62hに挿入されて、第2動作部材62に連結される。また、第1動作部材61は、圧縮ばね64により、その待機位置(初期位置)に戻る方向(図中下方)に付勢されている。第1動作部材61の下端部61bは、台ケーシング40aから下方に露出する。
【0037】
第2動作部材62は、回転軸芯部62aが台ケーシング40a側に支持されて回動可能に設けられる。また、回転軸芯部62aを中心に下端側の第1長孔62hとは反対側に延出された一対の張出しアーム62bを有する。そして、この一対の張出しアーム62bの先端にそれぞれ設けられる第2回動ピン62pが第3動作部材63の第2長孔63hに挿入され連結される。
【0038】
第3動作部材63は、磁気シート面43に対応する板状のキャンセラ磁石63aを保持する板面部63bを有し、板面部63bの一端側に第3回動ピン63pに貫通される回動軸部63cを中心に回転可能に台ケーシング40a側に取り付けられる。また、第3動作部材63は、引張ばね65により、磁気シート面43から離れる方向に引っ張られる。
【0039】
図13は、画像表示部が正面を向いた状態における画像消去部材を示す一部分解斜視図である。図14は、画像消去部材の動作状態を示す側面図である。画像消去部材60は、スタンプ台40の回転と一緒に回転するが、所定の位置以外では、図13に示すように動作しない状態である。しかし、第1動作部材61の下端部61bが本体部21側に設けられた傾斜突起21bの位置にさしかかると、下端部61bが傾斜突起21bに当接しながら移動して、第1動作部材61が上方に押上げられる。これにより、図14に示すように、第3動作部材63が、キャンセラ磁石63aを磁気シート面43の裏面に接触又は接近するように動作する。より詳細には、第1動作部材61が圧縮ばね64の付勢力に抗して押上げられると、第2動作部材62は、回転軸芯部62aを中心に反時計回りの方向に回転する。これにより、第3動作部材63は、回動軸部63cを中心に時計回りの方向に回転する。この画像消去部材60の動作は、磁気シート面43が上を向いた状態から、270度回転した位置にて行われる。
【0040】
図15は、スタンプ10の内部の要部破断拡大面図である。スタンプ10は、本体11の下端側のスタンプ下端部12に、磁界発生手段である例えば永久磁石にて構成されたスタンプ磁石13が設けられている。このスタンプ磁石13は、例えば、スタンプ10のモチーフ部10eと同じ図柄若しくは関連した図柄を模った磁石配列となっており、磁気シート面43に接触することで、磁気シート面43にスタンプ磁石13の図柄を転写・形成することができる。また、スタンプ下端部12は、第1玩具体10の本体11に対して移動可能に設けられている。例えば、スタンプ下端部12は、本体11の下端側の収容開口11aに上下移動可能に収容されている。また、スタンプ下端部12は、下端部押圧ばね12bにより本体11内側から外側に向かって押圧されている。したがって、スタンプ10を押す動作のときに、スタンプ下端部12が弾性的に引っ込むように動作する。
【0041】
また、スタンプ下端部12には、上方に向かって突出する突出壁12aが設けられており、突出壁12aにはテーパ面12tが形成されている。一方、突出壁12aの上方には、スタンプ10の前後方向にスライド移動可能なスライド操作片11sが設けられている。このスライド操作片11sには、テーパ面12tに対面する位置に対向テーパ面11tが形成されている。そして、スタンプ操作のときに、スタンプ下端部12が押されると、スライド操作片11sの対向テーパ面11tがテーパ面12tにより、図中左側に押されてラバースイッチのスタンプ押圧スイッチ15を押してスイッチ操作が行われる。これにより、LED等で構成された光出力部81スピーカの音出力部80にてスタンプ10の演出が発現される。なお、光出力部81は、スタンプ10の前方に向かって光を灯光するように配置されており、これにより、スタンプ10の先方側に設けられたモチーフ部10eを光らせることができる。
【0042】
図16は、演出出力玩具1における制御系のブロック図である。本実施形態における制御部70は、スタンプ10側の第1制御部71とバックル20側の第2制御部72で構成される。スタンプ10の第1制御部71には、1つの第1受発光素子18e、天面スイッチ14(電源スイッチ)、スタンプ押圧スイッチ15、スタンプ回転スイッチ16、リセットスイッチ17が接続されている。また、第1制御部71には、記憶部73が接続されている。記憶部73には、演出時に例えば、所定の台詞,起動音、変身音、必殺技キメ音等の音を音出力部80から発生させるための音楽・音声データ、光出力部81の発光色、発光パターンなどの発光データが記憶されている。また、記憶部73は、読取り情報を、一時的に記憶する一時記憶領域を有している。また、第1制御部71には、駆動部74が接続され、この駆動部74には、音出力部80、光出力部81が接続されている。スタンプ10は、スタンプ10側の第1識別情報と受信した第2識別情報との両情報に基づく情報によって、音出力部80及び光出力部81にて所定の演出を発現する。
【0043】
バックル20の第2制御部72には、1つの第2受発光素子28e、電源スイッチ24、スタンプ台スイッチ26、装着部回転スイッチ27が接続されている。また、第2制御部72には、記憶部76が接続されている。記憶部76には、光出力部82の発光色、発光パターンなどの発光データが記憶されている。また、記憶部76は、読取り情報を、一時的に記憶する一時記憶領域を有している。また、第2制御部72には、駆動部77が接続され、この駆動部77には、光出力部82が接続されている。バックル20においても、バックル20側の第2識別情報と受信した第1識別情報との両情報に基づいて所定の演出を発現する。
【0044】
また、スタンプ10をバックル20に装着した状態において、第1制御部71は、第1受発光素子18eが第2受発光素子28eからの第2動作情報を受信したことを契機に第1玩具体10の演出出力を実行し、また、第1玩具体10の演出出力の実行が完了した後(第1玩具体10の所定の演出出力が終了した後)、第1受発光素子18eから第2受発光素子28eに第1動作情報を送信する。また、第2制御部72は、第2受発光素子28eが第1受発光素子18eからの第1動作情報を受信したことを契機に第2玩具体20の演出出力を実行し、また、第2玩具体の演出出力の実行が完了した後(第2玩具体20の所定の演出出力が終了した後)、第2受発光素子28eから第1受発光素子18eに第2動作情報を送信する。このように、第1受発光素子18eから第2受発光素子28eへの第1動作情報の送信と、第2受発光素子28eから第1受発光素子18eへの第2動作情報の送信と、が交互に行われる設定を有し、スタンプ10とバックル20との間で相互演出による掛け合い演出を実行することができる
【0045】
(変形例1)
第1玩具体の変形例1として、図17を参照して説明する。スタンプ10は、チェスの6種類の駒の内、例えばルーク(戦車)を模ったルーク型といえるが、このルーク型のスタンプ10において、外観的にはモチーフ部10eが異なるスタンプ10を複数用意することで、他のヒーローの異なる演出が可能である。この場合、モチーフ部10eが相違するだけでなく、スタンプ下端部12のスタンプ磁石13による画像もモチーフ部10eに合わせて変更される。また、複数のスタンプ10は、それぞれ個別の識別情報を備え、当該識別情報を赤外線信号に乗せて送信することにより、スタンプ10の種類を識別することができる。
【0046】
更に、図17に示すような5種類のスタンプを追加したコレクションとして用意することができる。図17に示したものは、前掲のものを含めてチェスの駒に見立てた6種類のスタンプ形状としている。例えば、モチーフ部10eが第1恐竜形状の前掲のルーク(戦車)型のスタンプ10に加えて、例えば、鳥形状のモチーフ部10eを有するポーン(兵隊)型のスタンプ10A、白馬形状のモチーフ部10eを有するナイト(騎士)型のスタンプ10B、第2恐竜形状のモチーフ部10eを有するビショップ(僧侶)型のスタンプ10C、植物形状のモチーフ部10eを有するクイーン(女王)型のスタンプ10D、第3恐竜形状のモチーフ部10eを有するキング(王様)型のスタンプ10E、というように設定して、スタンプ下端部12のスタンプ磁石も各モチーフ部10eに対応させた画像が形成されるようにして、その種類毎の音声、光、画像の演出種類を楽しむことができる。
【0047】
(変形例2)
第2玩具体の変形例2について、図18図20を参照して説明する。図18に示すように、本変形例においては、武器仕様の第2玩具体20A(以下、「武器20A」という)は、銃、及び手斧の両方の形状を模した構成となっている。武器20Aは、銃として遊戯をする場合或いは手斧として遊戯をする場合があり、銃としての遊戯の場合には、第1握り部(第1把持部)20gを手指にて握って使用する一方、手斧としての遊戯の場合には、第2握り部(第2把持部)20hを握るようにして使用する。すなわち、手斧の場合においては、第1握り部20gの下端部を手斧の刃部20kとして見立てた構成となる。
【0048】
スタンプ台40は、第1握り部20gの近傍、例えば第1握り部20gの上部に設けられている。また、スタンプ10を装着する部位は、スタンプ台40の上部の第1装着部34a及び銃身の先端側の第2装着部34bの2箇所となっている。スタンプ10側の受発光部18と武器20A側の受発光部28(不図示)は、両装着部34a,34bに設けても良いが、第1装着部34a或いは第2装着部34bに設けた構成であってもよい。
【0049】
第2玩具体20Aの遊び方としては、銃としての遊戯状態の場合には、第1握り部20gに設けられた引き金としての第1トリガーボタン(第1操作部)20mを利用する。一方、手斧としての遊戯状態の場合には、第2握り部20hに設けられた第2トリガーボタン(第2操作部)20nを利用する。また、両方のスタンプ10については、スタンプ下端部12が操作しやすい状態(スタンプ10が横向に装着されている)となっているので、スタンプ下端部12を手で操作することができる。
【0050】
また、スタンプ台40に形成された画像は、例えば、第1トリガーボタン20mや第2トリガーボタン20nの操作にて消去する行うことができる。なお、武器20Aは、電源スイッチ及びリセットスイッチ(不図示)等は、スタンプ台40が設けられた側とは反対側(図示の裏側)に設けられている。
【0051】
また、スタンプ10の取付け構造は、図19に示すように、例えば、スタンプ下端部12を銃口側に向けた状態で、銃口側からスライド移動させて挿入する構造である。すなわち、スタンプ10の挿入するときの向きが図1に示した装着部30の場合とは逆になるだけで両装着部34a,34bの挿入構造は同じ構造である。
【0052】
なお、スタンプ10の装着後の係止構造としては、例えば、両装着部34a,34bに設けられた係止突起38がスタンプ10の裏面側に設けられた係合凹部10m(図5参照)に嵌入する構造とする。また、スタンプ10の取り外しは、例えば、係止突起38が取付け面から引っ込むように動作させる取り外しボタン39を用いることができる。
【0053】
図18及び図19に示した武器20Aにおいては、バックル20に使用するスタンプ10と共通のものを使用したが、図20に示すように、武器専用のスタンプ10Gを用いるようにしても良い。図20においては、銃口(銃身の先端)に設けるスタンプ10Gは、例えば、天面スイッチ14の部位が円筒形に凹んだ窪み部10jとされている。一方、第2装着部34bは、窪み部10jに嵌入する円筒挿入部34jを備えており、円筒挿入部34jに窪み部10jを嵌合して装着する。このような嵌着構造により、銃口部分の形状が図19に示す構造よりもシンプルとなる。これにより、第2装着部34bにスタンプ10Gを装着するときの装着・操作感が、例えば銃弾を装填するような操作感を醸し出すことができる。また、銃身の下側には、銃身の長手方向に沿ってスライド移動する銃身下スライド部20rが設けられており、例えば、この銃身下スライド部20rのスライド移動によって、スタンプ台40の画像を消すようにしても良い。
【0054】
以下、演出出力玩具1の遊び方、演出の一例について説明する。
(スタンプ10及びバックル20を使用した遊び)
なお、遊び方には、例えば、主人公(ヒーロー)の変身モード、必殺技モード、2段変身モードの際の音や光の出力、変身後の必殺技のキメ音や光を出力するようになっている。ここでは、例えば、特定のヒーローの変身バージョンの一例について述べる。
【0055】
先ず、操作者は、バックル20の電源スイッチ24(例えば、バックル裏面側に設けられた)をオン(起動音)にし、操作を開始する。そして、変身前のヒーローとして、スタンプ10の天面スイッチ14(電源スイッチ)をオンにする。このとき、音出力部80にて起動音が発現され、更に光出力部81が発光しスタンプ10のモチーフ部10eに内側から光が当てられる。この演出は、例えば、デジタルグラフィックが投影されるイメージを演出する。また、スタンプ10に設けられた第1受発光素子18eはオン状態(赤外線受光状態)となる。
【0056】
その後、スタンプ10のスタンプ下端部12をスタンプ台40の上面(磁気シート面43)に合わせるように押す(図1参照)。これにより、磁気シート面43上にモチーフ部10eに関連した画像が形成される。このスタンプ押し操作により、スタンプ下端部12がスタンプ内方に移動してスタンプ押圧スイッチ15が押される。更に、バックル20側においては、磁気シート面43が押されこれに連動する押圧部材44(図8及び図9参照)にてスタンプ台スイッチ26(図8及び図9参照)がオンになり、光出力部82が発光する。このスタンプ10の押印操作を、デジタル認証操作として演出し、更に、スタンプ台40上の画像形成によって、スタンプモチーフの力を認証として演出し、その結果、エフェクトが出現する、という演出が行われる。なお、スタンプ10の押圧で、バックル20に設けられた第2受発光部28eの赤外線はオン状態(赤外線発光状態)となる。
【0057】
その後、スタンプ10を、バックル20の装着部30に装着する。スタンプ10に設けられた第1受発光素子18eと、バックル20の装着部30に設けられた第1受発光素子18eが対向し、第2受発光素子28eから発光する赤外線を第1受発光部18eが受光することにより、バックル20からスタンプ10に対して動作信号が送信される。これにより、スタンプ10側では、装填音と共に発光が発現される。バックル20側では、スタンプ10にてスタンプ台を押されたときの発光が引き続いて行われている。なお、第2受発光素子28eから送信される第2動作情報には、バックル20に関する第2識別情報とスタンプ10の演出出力に関するコマンド情報等の制御情報が含まれ、第1受発光部18eにおいて当該第2動作情報を受信することにより、スタンプ10はバックル20に装着されていることを認識し、第2識別情報に対する当該制御情報に応じた演出を出力する。
【0058】
スタンプ10の装着後、スタンプ10を装着部30と一緒に右に大きく傾けるように移動(回転)する。装着部30の移動(回転)によって、装着部回転スイッチ27がスライド部51にて押され、第2受発光部28eから新たな動作情報を含む赤外線信号が送信され、第1受発光部18eで第2受発光部28eからの赤外線信号を受信することにより、スタンプ10において、変身レバー音、変身音楽、等の音出力及び光出力による演出が行われる。また、第1受発光部18eで第2受発光部28eからの赤外線信号を受信してスタンプ10からの所定の演出出力が完了した後、第1受発光部18eから第2受発光部28eに向けて赤外線信号(第1動作情報)の送信が開始され、当該赤外線信号を受信したバックル20において、変身発光演出が行われ、ヒーローの変身が完了する。なお、第1受発光素子18eから送信される第1動作情報には、スタンプ10に関する第1識別情報とバックル20の演出出力に関するコマンド情報等の制御情報が含まれ、第2受発光部28eにおいて当該第1動作情報を受信することにより、バックル20は装着されているスタンプ10の種類を認識し、第1識別情報に対する当該制御情報に応じた演出を出力する。
【0059】
ここで、装着部30の移動(回転)によって、スタンプ台40は、磁気シート面43が前方に向く状態に移動(回転)され、スタンプ10のモチーフ部10eとスタンプ台40の画像とが前方から並んで見えるようになる。
【0060】
変身モードが完了した後の待機状態(スタンプ10が装着された状態で、直立した初期位置状態)において、例えば、スタンプ10を再び倒すように操作すると、スタンプ台40の磁気シート面43が上方に向くように移動(回転)し、磁気シート面43の表示が消去される。それとともに、第1受発光部18eと第2受発光部28eとの間で信号の送受信が行われ、スタンプ10およびバックル20において、発光や発音の演出(必殺技演出)が行われる。また、この状態でスタンプ10の天面スイッチ14を押した後にスタンプ10を倒すように回転移動すると、第1受発光部18eと第2受発光部28eとの間で信号の送受信が行われ、スタンプ10およびバックル20において、発光や発音の演出(2段必殺技演出)が行われる。
【0061】
ここで、異なるモチーフ部10eを有するスタンプ10は、モチーフ毎の第1識別情報を持っているので、スタンプ10毎のモチーフに合わせた音声、発光色、発光パターンの演出を楽しむことができる。
【0062】
(スタンプ10の単独の遊び)
スタンプ10の単独の遊び方としては、例えば、スタンプ下端部12を押す操作によりスタンプ押し音と共に所定の発光色にて発光演出を行うことができる。また、天面スイッチ14を押す操作によって、そのモチーフに合わせたスタンプ起動音と共に所定色によって発光演出が行われる。なお、スタンプ10を装着部30から取り外したときには、短い取り外し音が発現される。
【0063】
(武器仕様の遊び)
スタンプ10を武器20Aに装着する場合の遊び方としては、例えば、スタンプ10を装着することで、スタンプ10と武器20Aとの赤外線送受信が可能となり、スタンプ10から送信される第1動作信号や武器20Aから送信される第2動作信号のやりとりにより、装填音及び発光を発現させることができる。この音及び光の演出については、スタンプ10側の発現だけでなく、武器20A側からも発現させることができる。
【0064】
例えば、武器20Aに設けられた第2受発光素子28eから送信される第2動作情報には、武器20Aに関連する第2識別情報とスタンプ10の演出出力に関するコマンド情報等の制御情報が含まれ、第1受発光部18eにおいて当該第2動作情報を受信することにより、スタンプ10は武器20Aに装着されていることを認識し、第2識別情報に対する当該制御情報に応じた演出を出力する。
【0065】
また、スタンプ10に設けられた第1受発光素子18eから送信される第1動作情報には、スタンプ10に関連する第1識別情報と武器20Aの演出出力に関するコマンド情報等の制御情報が含まれ、第2受発光部28eにおいて当該第1動作情報を受信することにより、武器20Aは装着されているスタンプ10の種類を認識し、第1識別情報に対する当該制御情報に応じた演出を出力する。また、武器特有の必殺モードについても、第1及び第2トリガーボタン20m,20nの操作によって銃撃音や斧撃音にあわせて発光演出を行う。また、スタンプ10の天面スイッチ14を操作し、その後、銃の第1トリガーボタン20m、或いは手斧の第2トリガーボタン20nを操作することで、スタンプ10のモチーフ部10eの図柄に合わせた特有の演出を行うことができる。
【0066】
また、変身モード、武器モードの何れにおいても、スタンプ10は、そのモチーフに合わせた特色を発現するものである。例えば、装着音、待機音、必殺技音、台詞、発光色、発光パターン、などを種々の演出要素がモチーフ毎に変更されており、多様な演出モードを出力することができる。
【0067】
本実施形態の演出出力玩具1によれば、スタンプ10側の1つの第1受発光素子18eと、バックル20(武器20Aを含む)の1つの第2受発光素子28eと、を対面配置させる構造が採用されていることで、位置合わせが容易で正確な位置合わせができるので、双方の部材が保持している固有の情報(第1識別情報、第2識別情報等)を確実且つ正確に送受信することができる。この結果、赤外線を使用した通信であっても、スタンプ10側の固有情報とバックル20側の固有情報との両情報に基づく情報によって、通信エラーのないきわめ正確な演出を実現することができ、演出出力玩具1として興趣性の高い玩具を提供できる。
【0068】
また、本実施形態の演出出力玩具1においては、第1受発光素子18eが第2受発光素子28eからの第2動作情報を受信したことを契機として、第1玩具体10の演出出力を実行し、第2受発光素子28eが第1受発光素子18eからの第1動作情報を受信したことを契機として、第2玩具体20の演出出力を実行する、というような、相互演出による掛け合い演出を実行することができるので、より多様な演出を行うことができる。
【0069】
また、本実施形態の演出出力玩具1では、スタンプ10が装着部30に装着され、第1受発光素子18eと第2受発光素子28eとの位置が固定された状態で、第1動作情報及び第2動作情報の送受信が可能であるので、送受信の的確性を保証することができる。
【0070】
更に、スタンプ10側の第1受発光素子18eは、被装着面10sに開けられたスタンプ側開口部18hに入り込むように設置され、一方、バックル20側の第2受発光素子28eは、装着面30sに開けられた装着部側開口部28hに入り込むように配置されているので、装着面30sと被装着面10sとが接触状態(スタンプ10の装着状態)において、第1受発光素子18eと第2受発光素子28eとは、極めて接近した状態にすることができ、相互通信の正確性を更に高めることができる。
【0071】
また、本実施形態の演出出力玩具1では、装着部30は、スタンプ10を装着した状態のままで移動するので、スタンプ10間との送受信を行なう受発光部18,28の位置は、合わされたままで移動することができるので、受発光部18,28の位置ずれの問題は発生しない。
【0072】
本実施形態の演出出力玩具1においては、バックル20は、スタンプ10の一面と接触してスタンプ10のモチーフに対応した画像表示が可能なスタンプ台40を備えているので、玩具間の関連性を映像にて演出することができ、演出効果の高い演出ができる。
【0073】
本実施形態の演出出力玩具1においては、スタンプ10側の設けられたスタンプ磁石13によって、スタンプ台40の磁気シート面43に画像を形成することができるので、変身時のギミック性を効果的に演出することができる。
【0074】
また、スタンプ10は、スタンプ下端部12が本体11に対して弾性移動可能に設けられているので、スタンプ時のスタンプ操作の正確性が保証されて正確な画像形成ができるだけでなく、スタンプ操作の操作感を高めることができる。
【0075】
本実施形態の演出出力玩具1においては、スタンプ台40は、本体部21に対して磁気シート面43の向きを回転により変更可能して正面に向けることができるので、画像の演出効果を高めることができる。
また、このスタンプ台40の回転動作は、装着部30の回転に連動する連動機構50によって行われるので、メカニカルな演出ができ、しかも、装着部30の移動量(回転量が90度以内)に対して、画像表示部の40の回転が180度と大きくなっており、ギミック性の演出ができる。
【0076】
本実施形態の演出出力玩具1においては、スタンプ台40は、磁気シート面43の面に対応する大きさの平面形状のキャンセラ磁石63aを有する画像消去部材60を備えているので、磁気シート面43に形成された磁気画像を1回の動作で消去することができる。
【0077】
また、画像消去部材60による画像の消去は、スタンプ台40の回転に連動するように構成されているので、そのギミック性の演出に加えて、画像形成の操作性に優れ興趣性を高めることができる。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、バックル20は、光演出のみの構成となっていたが、光演出以外に音演出をするように構成してもよい。
【0079】
また、上記実施形態においては、スタンプ磁石13並びにキャンセラ磁石63aは永久磁石を用いた構成としたが、これに限るものではなく、電磁石を用いた構成であっても良い。
【0080】
また、上記実施形態における演出出力玩具1の形状については、図示のものに何ら制限されるものではない。また、上記実施形態における遊び方の一例について説明したが、これは、ほんの一例に過ぎず必ずしもこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 演出出力玩具
10 スタンプ(第1玩具体)
10s 被装着面
13 スタンプ磁石(磁界発生手段)
18,28 受発光部
18e 第1受発光素子
18h スタンプ側開口部(一方の開口部)
20 バックル(第2玩具体)
20A 武器(第2玩具体)
20m 第1トリガーボタン(トリガーボタン)
20n 第2トリガーボタン(トリガーボタン)
21 本体部
28e 第2受発光素子
28h 装着部側開口部(他方の開口部)
30 装着部
30s 装着面
40 画像表示部
43 磁気シート面
50 連動機構
60 画像消去部材
63a キャンセラ磁石
70 制御部
【要約】
【課題】興趣性の高い演出出力玩具を提供する。
【解決手段】演出出力が可能な第1玩具体と、演出出力が可能な第2玩具体と、演出出力の制御を行う制御部と、第1玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第1受発光素子と、第2玩具体に設けられた、発光可能且つ他の受発光素子の発光を受光可能な1つの第2受発光素子と、を備え、第1受発光素子は第1動作情報を送信可能であり、第2受発光素子は第2動作情報を送信可能であり、第1受発光素子の受発光部と第2受発光素子の受発光部とを対面させることにより、第1玩具体と第2玩具体との間において第1動作情報及び第2動作情報の送受信が可能に構成され、第1動作情報と第2動作情報の少なくとも一方に基づいて演出出力を行うことが可能である、演出出力玩具。
【選択図】図1

図1
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