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  • 特許-部品実装システムおよび部品実装方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021510592
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2019013984
(87)【国際公開番号】W WO2020202248
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】新田 裕明
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-164018(JP,A)
【文献】特開2017-224720(JP,A)
【文献】特開2002-164697(JP,A)
【文献】特開2012-182246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置により基板に実装される部品が複数収容された部品収容部材を保管する部品保管庫と、
前記部品保管庫から前記部品収容部材を出庫する順番を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の前記部品収容部材について出庫予定がある場合に、出庫の優先度に基づいて、前記部品収容部材を出庫する順番を制御するように構成されており、
前記制御部は、前記部品収容部材を出庫中に、出庫の優先度が高い前記部品収容部材の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い前記部品収容部材の順番が早くなるように出庫する順番を制御するように構成されている、部品実装システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記部品実装装置において残りの部品により基板への実装を継続可能な時間に基づいて決定された優先度に基づいて、前記部品収容部材を出庫する順番を制御するように構成されている、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記部品実装装置から所定のタイミングにより送信される残りの部品数の情報に基づいて、前記部品収容部材の出庫の優先度を決定する優先度決定部をさらに備える、請求項2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記優先度決定部は、出庫の優先度に基づいて、前記部品収容部材の出庫グループを作成するように構成されている、請求項3に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記制御部は、出庫の優先度に基づいて分類された出庫グループごとに、前記部品収容部材を出庫するように制御するように構成されている、請求項4に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記制御部は、複数の前記部品収容部材を順次出庫する処理中に、出庫の優先度が高い前記部品収容部材の出庫要求が来た場合に、複数の前記部品収容部材を順次出庫する処理を中断して、出庫の優先度が高い前記部品収容部材の出庫を行う制御をするように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項7】
出庫が中断される前記部品収容部材は、部品実装を開始するために前記部品実装装置に供給して段取りされる前記部品収容部材である、請求項に記載の部品実装システム。
【請求項8】
前記制御部は、ユーザにより設定された優先度に基づいて、前記部品収容部材を出庫する順番を制御するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項9】
部品実装装置により基板に部品を実装するステップと、
前記部品実装装置により基板に実装される部品が複数収容された部品収容部材を部品保管庫から出庫するステップと、
前記部品保管庫において複数の前記部品収容部材について出庫予定がある場合に、出庫の優先度に基づいて、前記部品収容部材を出庫する順番を制御するステップと、を備え
前記部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、前記部品収容部材を出庫中に、出庫の優先度が高い前記部品収容部材の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い前記部品収容部材の順番が早くなるように出庫する順番を制御するステップを含む、部品実装方法。
【請求項10】
前記部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、前記部品実装装置において残りの部品により基板への実装を継続可能な時間に基づいて決定された優先度に基づいて、前記部品収容部材を出庫する順番を制御するステップを含む、請求項に記載の部品実装方法。
【請求項11】
前記部品実装装置から所定のタイミングにより送信される残りの部品数の情報に基づいて、前記部品収容部材の出庫の優先度を決定するステップをさらに備える、請求項10に記載の部品実装方法。
【請求項12】
前記部品収容部材の出庫の優先度を決定するステップは、出庫の優先度に基づいて、前記部品収容部材の出庫グループを作成するステップを含む、請求項11に記載の部品実装方法。
【請求項13】
前記部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、出庫の優先度に基づいて分類された出庫グループごとに、前記部品収容部材を出庫するように制御するステップを含む、請求項12に記載の部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装システムおよび部品実装方法に関し、特に、部品保管庫を備える部品実装システムおよび部品保管庫を用いる部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品保管庫を備える部品実装システムが知られている。このような部品実装システムは、たとえば、特開2018-164018号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2018-164018号公報には、基板に部品を実装する実装機と、実装機により基板に実装される部品を収容する部品収容体を保管する部品収容体保管庫(部品保管庫)と、部品収容体保管庫から取り出す部品収容体の準備指示を作成する準備指示部と、を備える部品実装システムが開示されている。この特開2018-164018号公報の部品実装システムは、準備指示部により作成された準備指示に基づいて、部品収容体保管庫から部品収容体を順次出庫するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-164018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2018-164018号公報の部品実装システムでは、準備指示部により作成された準備指示に基づいて、部品収容体保管庫から部品収容体を順次出庫するように構成されている。このため、準備指示の順番によっては、部品の残数が少なく迅速に部品を部品実装装置に供給しなくてはいけない種類の部品の出庫が後回しとなり、部品供給が必要な部品実装装置に部品を供給するまでの時間が長くなる場合があるという不都合がある。この場合、基板に部品を実装する動作を継続することが困難となり、部品実装を一時中断する必要がある。その結果、基板に部品を実装する動作の効率が低下するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品保管庫からの部品の出庫状況に起因して基板に部品を実装する動作の効率が低下するのを抑制することが可能な部品実装システムおよび部品実装方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品実装システムは、基板に部品を実装する部品実装装置と、部品実装装置により基板に実装される部品が複数収容された部品収容部材を保管する部品保管庫と、部品保管庫から部品収容部材を出庫する順番を制御する制御部と、を備え、制御部は、複数の部品収容部材について出庫予定がある場合に、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材を出庫する順番を制御するように構成されており、制御部は、部品収容部材を出庫中に、出庫の優先度が高い部品収容部材の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い部品収容部材の順番が早くなるように出庫する順番を制御するように構成されている
【0008】
この発明の第1の局面による部品実装システムでは、上記のように構成することによって、迅速に供給する必要がある種類の優先度の高い部品の部品収容部材を優先して部品保管庫から出庫することができるので、部品供給が必要な部品実装装置に迅速に部品を供給することができる。これにより、部品実装装置により基板に部品を実装する動作が一時中断するのを抑制することができるので、部品保管庫からの部品の出庫状況に起因して基板に部品を実装する動作の効率が低下するのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御部は、部品実装装置において残りの部品により基板への実装を継続可能な時間に基づいて決定された優先度に基づいて、部品収容部材を出庫する順番を制御するように構成されている。このように構成すれば、部品の実装を継続可能な時間が短い部品の部品収容部材を優先して部品保管庫から出庫することができるので、部品実装装置により基板に部品を実装する動作が一時中断するのを効果的に抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、部品実装装置から所定のタイミングにより送信される残りの部品数の情報に基づいて、部品収容部材の出庫の優先度を決定する優先度決定部をさらに備える。このように構成すれば、部品実装装置の残りの部品数の情報に基づいて、複数の部品収容部材の出庫の優先度を優先度決定部により容易に決定することができる。
【0011】
上記優先度決定部を備える構成の部品実装システムにおいて、好ましくは、優先度決定部は、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材の出庫グループを作成するように構成されている。このように構成すれば、同等な優先度の部品収容部材を同じ出庫グループとして出庫の優先度を決定することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、出庫の優先度に基づいて分類された出庫グループごとに、部品収容部材を出庫するように制御するように構成されている。このように構成すれば、優先度が高い部品収容部材をまとめて出庫グループとして出庫することができる。
【0013】
上記第1の局面による部品実装システムでは、制御部は、部品収容部材を出庫中に、出庫の優先度が高い部品収容部材の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い部品収容部材の順番が早くなるように出庫する順番を制御するように構成されている。これにより、部品収容部材の出庫中でも出庫の順番を変更することができるので、迅速に供給する必要がある種類の部品の部品収容部材の出庫までの時間が長くなるのをより効果的に抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の部品収容部材を順次出庫する処理中に、出庫の優先度が高い部品収容部材の出庫要求が来た場合に、複数の部品収容部材を順次出庫する処理を中断して、出庫の優先度が高い部品収容部材の出庫を行う制御をするように構成されている。このように構成すれば、処理中のすべての部品収容部材の出庫を待つことなく優先度の高い出庫グループの部品収容部材の出庫を開始させることができる。
【0015】
上記出庫中の出庫グループの部品収容部材の出庫を中断する構成の部品実装システムにおいて、好ましくは、出庫が中断される部品収容部材は、部品実装を開始するために部品実装装置に供給して段取りされる部品収容部材である。このように構成すれば、段取りされる部品収容部材の出庫の優先度は比較的低いので、出庫が中断されたとしても基板に部品を実装する動作に影響することを抑制することができる。
【0016】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御部は、ユーザにより設定された優先度に基づいて、部品収容部材を出庫する順番を制御するように構成されている。このように構成すれば、ユーザの要求に応じて部品収容部材を迅速に出庫することができる。
【0017】
上記目的を達成するために、この発明の第2の局面による部品実装方法は、部品実装装置により基板に部品を実装するステップと、部品実装装置により基板に実装される部品が複数収容された部品収容部材を部品保管庫から出庫するステップと、部品保管庫において複数の部品収容部材について出庫予定がある場合に、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材を出庫する順番を制御するステップと、を備え、部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、部品収容部材を出庫中に、出庫の優先度が高い部品収容部材の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い部品収容部材の順番が早くなるように出庫する順番を制御するステップを含む
【0018】
この発明の第2の局面による部品実装方法では、上記のように構成することによって、迅速に供給する必要がある種類の優先度の高い部品の部品収容部材を優先して部品保管庫から出庫することができるので、部品供給が必要な部品実装装置に迅速に部品を供給することができる。これにより、部品実装装置により基板に部品を実装する動作が一時中断するのを抑制することができるので、部品保管庫からの部品の出庫状況に起因して基板に部品を実装する動作の効率が低下するのを抑制することが可能な部品実装方法を提供することができる。
【0019】
上記第2の局面による部品実装方法において、好ましくは、部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、部品実装装置において残りの部品により基板への実装を継続可能な時間に基づいて決定された優先度に基づいて、部品収容部材を出庫する順番を制御するステップを含む。このように構成すれば、部品の実装を継続可能な時間が短い部品の部品収容部材を優先して部品保管庫から出庫することができるので、部品実装装置により基板に部品を実装する動作が一時中断するのを効果的に抑制することができる。
【0020】
この場合、好ましくは、部品実装装置から所定のタイミングにより送信される残りの部品数の情報に基づいて、部品収容部材の出庫の優先度を決定するステップをさらに備える。このように構成すれば、部品実装装置の残りの部品数の情報に基づいて、複数の部品収容部材の出庫の優先度を容易に決定することができる。
【0021】
上記優先度を決定するステップを備える構成の部品実装方法において、好ましくは、部品収容部材の出庫の優先度を決定するステップは、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材の出庫グループを作成するステップを含む。このように構成すれば、同等な優先度の部品収容部材を同じ出庫グループとして出庫の優先度を決定することができる。
【0022】
この場合、好ましくは、部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、出庫の優先度に基づいて分類された出庫グループごとに、部品収容部材を出庫するように制御するステップを含む。このように構成すれば、優先度が高い部品収容部材をまとめて出庫グループとして出庫することができる。
【0023】
上記第2の局面による部品実装方法では、部品収容部材を出庫する順番を制御するステップは、部品収容部材を出庫中に、出庫の優先度が高い部品収容部材の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い部品収容部材の順番が早くなるように出庫する順番を制御するステップを含む。これにより、部品収容部材の出庫中でも出庫の順番を変更することができるので、迅速に供給する必要がある種類の部品の部品収容部材の出庫までの時間が長くなるのをより効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上記のように、部品保管庫からの部品の出庫状況に起因して基板に部品を実装する動作の効率が低下するのを抑制することが可能な部品実装システムおよび部品実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による部品実装システムを示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による部品実装システムの部品実装装置の全体構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による部品実装システムにおける出庫要求リストの一例を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による部品実装システムの第1動作例を説明するためのシーケンス図である。
図5】本発明の一実施形態による部品実装システムの出庫指示部品の抽出処理を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態による部品実装システムの予約部品の出庫指示処理を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による部品実装システムの第2動作例を説明するためのシーケンス図である。
図8】本発明の一実施形態による部品実装システムの第3動作例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
【0028】
(部品実装システムの構成)
本実施形態による部品実装システム100は、基板Sに部品Eを実装して、部品Eが実装された基板Sを製造するように構成されている。部品実装システム100は、図1に示すように、部品実装ライン10と、部品保管庫20と、外部PC30と、ユーザが携帯する携帯端末40と、を備えている。なお、外部PC30は、請求の範囲の「優先度決定部」の一例である。
【0029】
部品実装ライン10は、複数設けられている。また、部品実装ライン10は、ローダ11と、印刷機12と、印刷検査機13と、ディスペンサ装置14と、複数の部品実装装置15と、外観検査装置16と、リフロー装置17と、外観検査装置18と、アンローダ19と、を含んでいる。また、部品実装ライン10では、製造ラインに沿って上流側(左側)から下流側(右側)に向かって基板Sが搬送されるように構成されている。
【0030】
(部品実装ラインの構成)
次に、部品実装ライン10を構成する各装置の構成について説明する。
【0031】
ローダ11は、部品Eが実装される前の基板(配線基板)Sを保持するとともに部品実装ライン10に基板Sを搬入する役割を有する。なお、部品Eは、LSI、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗器などの小片状の電子部品を含む。
【0032】
印刷機12は、スクリーン印刷機であり、クリーム半田を基板Sの実装面上に塗布する機能を有する。
【0033】
印刷検査機13は、印刷機12により印刷したクリーム半田の状態を検査する機能を有する。
【0034】
ディスペンサ装置14は、基板Sにクリーム半田や接着剤などを塗布する機能を有する。
【0035】
部品実装装置15は、クリーム半田が印刷された基板Sの所定の実装位置に部品を実装(搭載)する機能を有する。また、部品実装装置15は、基板Sの搬送方向に沿って複数(3つ)配置されている。複数の部品実装装置15は、同様の構成を有している。また、部品実装装置15は、図2に示すように、基台151と、一対のコンベア152と、部品供給部153と、ヘッドユニット154と、支持部155と、一対のレール部156と、部品認識撮像部157と、制御部158とを備えている。
【0036】
一対のコンベア152は、基台151上に設置され、基板SをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア152は、搬送中の基板Sを実装作業位置で停止させた状態で保持するように構成されている。また、一対のコンベア152は、基板Sの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0037】
部品供給部153は、一対のコンベア152の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部153には、複数のテープフィーダ153aが配置されている。
【0038】
テープフィーダ153aは、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール(部品Eが複数収容された部品収容部材200(図1参照))を保持している。テープフィーダ153aは、リールを回転させて部品Eを保持するテープを送出することにより、テープフィーダ153aの先端から部品Eを供給するように構成されている。部品Eを保持したテープが終わると、次のテープ(リール)に替えられる。取り替えられるテープ(リール)(部品収容部材200)は、部品保管庫20から出庫されて補給される。
【0039】
ヘッドユニット154は、一対のコンベア152の上方と部品供給部153の上方との間を移動するように設けられている。また、ヘッドユニット154は、ノズルが下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド154aと、基板認識撮像部154bと、を含んでいる。
【0040】
実装ヘッド154aは、基板Sに対して部品Eを実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド154aは、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成され、空気圧発生部によりノズルの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ153aから供給される部品Eを吸着して保持し、基板Sにおける実装位置に部品Eを装着(実装)するように構成されている。
【0041】
基板認識撮像部154bは、基板Sの位置および姿勢を認識するために、基板SのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Sにおける部品Eの実装位置を正確に取得することが可能である。基板認識撮像部154bは、上方(Z1方向側)から基板Sを撮像するように構成されている。
【0042】
支持部155は、X軸モータ155aを含んでいる。支持部155は、X軸モータ155aを駆動させることにより、支持部155に沿ってヘッドユニット154をX方向に移動させるように構成されている。支持部155は、両端部が一対のレール部156により支持されている。
【0043】
一対のレール部156は、基台151上に固定されている。X1側のレール部156は、Y軸モータ156aを含んでいる。レール部156は、Y軸モータ156aを駆動させることにより、支持部155を一対のレール部156に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット154が支持部155に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部155がレール部156に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット154はXY方向に移動可能である。
【0044】
部品認識撮像部157は、基台151の上面上に固定されている。部品認識撮像部157は、一対のコンベア152の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部157は、部品Eの実装に先立って部品Eの吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド154aのノズルに吸着された部品Eを下方(Z2方向側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド154aのノズルに吸着された部品Eの吸着状態を取得することが可能である。
【0045】
制御部158は、CPUを含んでおり、一対のコンベア152による基板Sの搬送動作、ヘッドユニット154による実装動作、部品認識撮像部157、基板認識撮像部154bによる撮像動作などの部品実装装置15の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部158は、外部PC30に対して、生産情報や部品情報などの情報を送信するように構成されている。
【0046】
図1に示すように、外観検査装置16は、複数の部品実装装置15の下流に設けられている。外観検査装置16は、部品実装装置15により部品Eが実装された基板Sの外観を検査する機能を有する。
【0047】
リフロー装置17は、加熱処理を行うことにより半田を溶融させて部品Eを基板Sの電極部に接合する機能を有する。リフロー装置17は、レーン上の基板Sを搬送しながら、加熱処理を行うように構成されている。
【0048】
外観検査装置18は、リフロー装置17の下流に設けられている。外観検査装置18は、リフロー装置17により加熱処理が行われた後の基板Sの外観を検査する機能を有する。
【0049】
アンローダ19は、部品Eが実装された後の基板Sを部品実装ライン10から排出する役割を有する。
【0050】
(部品保管庫の構成)
部品保管庫20の構成について説明する。
【0051】
部品保管庫20は、部品実装装置15により基板Sに実装される部品Eが複数収容された部品収容部材200を保管するように構成されている。部品保管庫20は、保管部21と、制御部22と、操作部23と、表示部24と、を含んでいる。保管部21は、入出庫機構211と、入出庫口212とを有している。
【0052】
保管部21には、複数の部品収容部材200が保管されるように構成されている。保管部21に保管される複数の部品収容部材200は、各々の情報が記憶部に記憶されて管理される。部品収容部材200の情報は、部品Eの種類の情報、保持する部品Eの数量の情報、保管場所の情報、保管時間などの時間情報を含む。入出庫機構211は、部品収容部材200を搬送する機能を有する。具体的には、入出庫機構211は、入出庫口212に載置された部品収容部材200を搬送して保管部21の所定の保管位置に入庫する。また、入出庫機構211は、保管部21に保管された部品収容部材200を搬送して入出庫口212に出庫する。入出庫口212には、複数の部品収容部材200を配置することが可能に構成されている。つまり、保管部21には、同時に複数の部品収容部材200を入出庫することが可能である。
【0053】
たとえば、入出庫口212は、複数の段を有する部品載置棚(図示せず)を含んでいる。部品載置棚の段の各々には、入出庫機構211により順番に搬送された部品収容部材200が載置される。出庫が完了すると、部品載置棚の段の各々から作業者(ユーザ)が部品収容部材200を取り出すことができる。部品載置棚には、後述する出庫指示ファイルの単位で出庫指示ファイルに属する部品収容部材200が連続して順番に配置される。出庫指示ファイルに属する全ての部品収容部材200の部品載置棚への配置が完了した後に作業者が部品収容部材200を取り出す。部品載置棚の段数よりも出庫指示ファイルの部品収容部材200の数が多い場合には、部品載置棚のすべての段に部品収容部材200が配置された後、作業者が配置された部品収容部材200を全部取り出すのを待って、出庫指示ファイルに属する残りの部品収容部材200の部品載置棚への配置が実行される。
【0054】
制御部22は、部品保管庫20の各部を制御するように構成されている。具体的には、制御部22は、外部PC30からの出庫要求に応じて、保管部21から部品収容部材200を出庫する制御を行う。
【0055】
ここで、本実施形態では、制御部22は、部品保管庫20から部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成されている。また、制御部22は、複数の部品収容部材200について出庫予定がある場合に、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成されている。つまり、制御部22は、優先度が高い(出庫の緊急性が高い)部品収容部材200を優先して出庫する制御を行うように構成されている。
【0056】
また、制御部22は、部品実装装置15において残りの部品Eにより基板Sへの実装を継続可能な時間に基づいて決定された優先度に基づいて、部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成されている。また、制御部22は、出庫の優先度に基づいて分類された出庫グループごとに、部品収容部材200を出庫するように制御するように構成されている。
【0057】
また、制御部22は、部品収容部材200を出庫中に、出庫の優先度が高い部品収容部材200の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い部品収容部材200の順番が早くなるように出庫する順番を制御するように構成されている。また、制御部22は、複数の部品収容部材200を順次出庫する処理中に、出庫の優先度が高い部品収容部材200の出庫要求が来た場合に、複数の部品収容部材200を順次出庫する処理を中断して、出庫の優先度が高い部品収容部材200の出庫を行う制御をするように構成されている。
【0058】
たとえば、出庫が中断される部品収容部材200は、部品実装を開始するために部品実装装置15に供給して段取りされる部品収容部材200である。また、制御部22は、ユーザにより設定された優先度に基づいて、部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成されている。
【0059】
また、制御部22は、図4に示すように、外部PC30により作成されて出庫指示ファイルを共有フォルダから取得する。また、制御部22は、取得した出庫指示ファイルに基づいて、部品収容部材200を順に出庫する制御を行う。出庫指示ファイルには前述する1つの出庫グループのデータが格納されている。
【0060】
操作部23は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部23は、キーボード、マウスなどの入力装置と、バーコードリーダなどのリーダとを含む。操作部23は、キーボード、マウスによるユーザの入力に基づいて、ユーザの指示を受け付ける。また、操作部23は、リーダによる部品収容部材200に貼付された識別子(バーコード、ICタグなど)を読み込み、入出庫する部品収容部材200の情報を受け付ける。
【0061】
表示部24は、部品保管庫20の状態や、操作のための画面を表示する。また、表示部24は、部品保管庫20から発する通知を表示する。
【0062】
(外部PCの構成)
外部PC(パーソナルコンピュータ)30の構成について説明する。
【0063】
外部PC30は、部品実装ライン10の管理を行う。また、外部PC30は、部品実装装置15から送信される生産情報、部品情報に基づいて、部品収容部材200の出庫の管理を行う。
【0064】
外部PC30は、CPU(中央演算処理装置)31と、メモリ32と、表示部33と、操作部34と、を含んでいる。CPU31は、外部PC30の各部を制御する。また、CPU31は、メモリ32を用いて、所定のプログラムを実行する。表示部33は、外部PC30の操作のための画面を表示する。操作部34は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部34は、キーボード、マウスなどの入力装置を含む。
【0065】
ここで、本実施形態では、外部PC30は、部品実装装置15から所定のタイミングにより送信される残りの部品数の情報に基づいて、部品収容部材200の出庫の優先度を決定するように構成されている。また、外部PC30は、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材200の出庫グループを作成するように構成されている。
【0066】
外部PC30は、一定時間間隔で、複数の部品実装装置15の各々から送信される生産情報(1基板のサイクルタイム、1基板の使用部品点数)と、部品情報(部品残数)と、に基づいて、生産可能時間を算出する。また、外部PC30は、算出した生産可能時間から部品保管庫20への出庫要求部品を抽出する。また、外部PC30は、抽出した出庫要求部品から生産可能時間が短いものから順に出庫グループを作成する。また、外部PC30は、作成した出庫グループを制御部22が利用可能に共有フォルダに保存する。
【0067】
(携帯端末の構成)
携帯端末40の構成について説明する。
【0068】
携帯端末40は、部品実装システム100を管理するユーザにより携帯される。携帯端末40は、部品実装システム100の情報を受信して表示部43に表示する。
【0069】
携帯端末40は、CPU(中央演算処理装置)41と、メモリ42と、表示部43と、操作部44と、を含んでいる。CPU41は、携帯端末40の各部を制御する。また、CPU41は、メモリ42を用いて、所定のプログラムを実行する。表示部43は、携帯端末40の操作のための画面を表示する。操作部44は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部44は、タッチパネルなどの入力部を含む。
【0070】
(出庫要求リストの説明)
図3を参照して、出庫要求リストについて説明する。
【0071】
出庫要求リストは、外部PC30により作成される。ここで、部品保管庫20は、要求部品の全てが入出庫口212に配置された状態で出庫完了となり、入出庫口212から部品収容部材200が取り出すことが可能となる。部品保管庫20は、1つの部品収容部材200を平均で、t1秒で出庫する。また、部品保管庫20は、最大で、部品収容部材200を、入出庫口212にa1個出庫することが可能である。つまり、最大数a1個の部品収容部材200を要求した場合、t2(=t1×a1)秒の時間が出庫に必要となる。また、部品収容部材200を出庫してから、対応する部品実装装置15にセットするまでに作業時間を要する。このため、生産可能時間と、出庫時間と、作業時間と、を考慮して出庫要求のグループが作成される。
【0072】
(部品出庫処理(第1動作例))
図4図6を参照して、第1動作例による部品出庫処理について説明する。
【0073】
図4に示すように、部品実装装置15から外部PC30に対して、生産情報、部品情報が通知される。生産情報、部品情報は、1基板実装完了時または部品実装装置15の停止時に通知される。なお、生産情報、部品情報は、設定による所定の時間間隔で通知されるようにしてもよい。
【0074】
生産情報、部品情報通知を受信した外部PC30は、ステップS1において、出庫指示部品の抽出を行う。出庫指示部品の抽出が行われると、外部PC30は、共有フォルダに出庫指示ファイルを格納する。出庫指示ファイルは、出庫の優先度に応じたグループごとに格納される。
【0075】
部品保管庫20(制御部22)は、共有フォルダを確認して、出庫指示ファイルがある場合は、出庫指示ファイルを取得する。この際、制御部22は、共有フォルダから取得した出庫指示ファイルを削除する。これにより、重複して出庫指示ファイルが取得されるのが抑制される。ステップS2において、出庫指示ファイルを取得した制御部22は、出庫指示ファイル単位において部品収容部材200を出庫する。
【0076】
図5を参照して、図4のステップS1の出庫指示部品の抽出処理について説明する。出庫指示部品の抽出処理は、外部PC30により行われる。
【0077】
図5のステップS11において、生産使用品数部のループ処理が開始される。つまり、対応する部品実装装置15の実装動作において、使用される部品Eの種類すべてについて、抽出処理が行われる。ステップS12において、生産情報(1枚の基板Sのサイクルタイム、1枚の基板に使用される部品Eの点数)と、部品情報(部品実装装置15の部品残数)とが取得される。
【0078】
ステップS13において、生産可能時間が計算される。具体的には、生産可能時間=((部品残数)/(使用部品点数))×(サイクルタイム)により生産可能時間が計算される。なお、生産可能時間の代わりに生産可能枚数(=(部品残数)/(使用部品点数))を算出してもよい。ステップS14において、計算された生産可能時間が第1しきい値以下か否かが判断される。第1しきい値以下であれば、ステップS15に進み、第1しきい値よりも大きければステップS18に進む。第1しきい値は、出庫が可能となる時間に基づいて設定される。たとえば、第1しきい値は、テープフィーダ153aに新たなリールを供給可能な時間に基づいて設定される。言い換えると、第1しきい値は、新たなリールを供給しても差し支えない生産可能時間に基づいて設定される。
【0079】
ステップS15において、出庫部品が予約される。具体的には、対応する部品Eの部品収容部材200が出庫要求リストに登録される。ステップS16において、計算された生産可能時間が第2しきい値+出庫時間以下か否かが判断される。第2しきい値+出庫時間以下であれば、ステップS17に進み、第2しきい値+出庫よりも大きければステップS18に進む。第2しきい値は、第1しきい値よりも小さい値に設定される。また、第2しきい値は、出庫必須時間に基づいて設定される。第2しきい値は、部品保管庫20までの移動時間+部品収容部材200の取付時間+余裕時間に基づいて設定される。出庫時間は、1つの部品収容部材200の出庫時間×出庫予約個数により算出される。
【0080】
ステップS17において、予約部品の出庫指示が行われる。ステップS18において、生産使用部品数分のループ処理が終了すれば、出庫指示部品の抽出処理が終了される。ループ処理が終了していなければ、ステップS12~ステップS17の処理が繰り返される。
【0081】
図6を参照して、図5のステップS17の予約部品の出庫指示処理について説明する。予約部品の出庫指示処理は、外部PC30により行われる。
【0082】
図6のステップS21において、生産可能時間が短い順にソートが行われる。ステップS22において、m=1、n=1とされる。mはグループ内の登録部品の数量を示し、nは、グループ数を示す。ステップS23において、生産可能時間が短い部品順にループ処理が開始される。
【0083】
ステップS24において、グループnに部品が登録される。なお、グループの番号は、小さいほど優先度が高くなる(出庫の優先順が早くなる)。つまり、生産可能時間が最も短い部品は、グループ1に登録される。ステップS25において、グループにおける最初の(最短の)部品の生産可能時間が((出庫時間×(m+1))+第2しきい値)よりも大きいか否かが判断される。大きければ、ステップS26に進み、大きくなければ、ステップS27に進む。つまり、該当するグループの部品収容部材200の出荷において、もっとも生産可能時間が短い部品の供給が間に合うか否かが判断される。
【0084】
ステップS26において、m=m+1とされる。ステップS27において、n=n+1とされ、m=1とされる。ステップS28において、生産可能時間が短い部品順のループ処理が終了すれば、ステップS29に進み、グループごとに出庫指示が行われる。ループ処理が終了していなければ、ステップS24~ステップS27の処理が繰り返される。
【0085】
図3を参照して、予約部品の出庫指示処理の一例について説明する。
【0086】
まず、出庫要求リストから、生産可能時間が短い順にソートされる。なお、図3の例では、第1しきい値が20分に設定され、移動時間が1分に設定される。また、部品取り付け時間が1.5分に設定され、余裕時間が1分に設定される。また、1つの部品収容部材200の出庫時間が0.5分に設定される。
【0087】
まず、P7(6分)の部品IDについて、グループが設定される。P7は、最初の部品であるため、グループG1に設定される。この場合、部品取り付けまでの時間は、出庫時間(0.5分)+移動時間(1分)+取付時間(1.5分)+余裕時間(1分)=4分となる。
【0088】
次に、P1(7分)の部品IDについて、グループが設定される。この場合、最初の部品取り付けまでの時間は、出庫時間(1分)+移動時間(1分)+取付時間(1.5分)+余裕時間(1分)=4.5分となる。このため、P7の生産可能時間6分以下となるため、P1は、グループG1に設定される。
【0089】
次に、P4(9分)の部品IDについて、グループが設定される。この場合、最初の部品取り付けまでの時間は、出庫時間(1.5分)+移動時間(1分)+取付時間(1.5分)+余裕時間(1分)=5分となる。このため、P7の生産可能時間6分以下となるため、P4は、グループG1に設定される。
【0090】
次に、P3(11分)の部品IDについて、グループが設定される。この場合、最初の部品取り付けまでの時間は、出庫時間(2分)+移動時間(1分)+取付時間(1.5分)+余裕時間(1分)=5.5分となる。このため、P7の生産可能時間6分以下となるため、P3は、グループG1に設定される。
【0091】
次に、P5(15分)の部品IDについて、グループが設定される。この場合、最初の部品取り付けまでの時間は、出庫時間(2.5分)+移動時間(1分)+取付時間(1.5分)+余裕時間(1分)=6分となる。このため、P7の生産可能時間6分以下となるため、P5は、グループG1に設定される。
【0092】
次に、P9(16分)の部品IDについて、グループが設定される。この場合、最初の部品取り付けまでの時間は、出庫時間(3分)+移動時間(1分)+取付時間(1.5分)+余裕時間(1分)=6.5分となる。このため、P7の生産可能時間6分よりも大きくなるため、P9は、グループG2に設定される。
【0093】
以下、P8(17分)、P2(18分)、P6(19分)およびP10(20分)についてもP7の生産可能時間6分よりも大きくなるため、P8、P2、P6およびP10は、グループG2に設定される。
【0094】
(部品出庫処理(第2動作例))
図7を参照して、第2動作例による部品出庫処理について説明する。
【0095】
第2動作例の場合においても、図4に示すフローのように出庫指示ファルにより部品収容部材200の出庫指示が行われる。この場合、出庫指示ファイルには、第1動作例と同様の処理により作成された出庫グループが格納されていてもよい。また、出庫指示ファイルには、所定時間毎に図5のステップS14にて生産可能時間が所定の第1しきい値よりも小さな部品IDを抽出した部品IDのみのグループを格納するものであってもよい。つまり、図5のステップS16の第2しきい値によるグループ分けを行わない図3の出庫要求リストの状態のグループを出庫指示ファイルに格納してもよい。
【0096】
第2動作例による部品出庫処理では、現在出庫中の部品と、要求を受けた部品との優先度を比較して、優先度の高い方の部品収容部材200の出庫を実施する。要求を受けた部品の優先度が高い場合には、現在の出庫動作を中断させて、要求を受けた部品の出庫を実施する。なお、優先度の判断は、出庫実行部品の部品切れまでの時間が短いものの優先度が高くなる。
【0097】
図7のステップS31において、外部PC30により出庫指示部品の抽出が行われ、出庫指示が送信される。ステップS32において、部品保管庫20(制御部22)は、出庫指示受信情報を表示部24に表示させる。ステップS33において、制御部22は、部品出庫を開始する。
【0098】
ステップS34において、外部PC30により出庫指示部品の抽出が行われ、出庫指示が送信される。ステップS35において、部品保管庫20(制御部22)は、出庫指示受信情報を表示部24に表示させる。ステップS36において、制御部22は、現在の部品収容部材200の出庫が優先か否かを判断する。現在の部品収容部材200の出庫が優先であれば、ステップS37に進み、ステップS34に基づく出庫指示の部品収容部材200の出庫が優先であれば、ステップS39に進む。
【0099】
ステップS37において、現在の部品収容部材200の出庫が継続される。ステップS38において、部品出庫が完了される。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫完了の通知を行う。外部PC30は、部品出庫完了の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫完了の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫完了の情報を表示部43に表示する。部品出庫完了の通知を受けたユーザは、部品保管庫20から出庫された部品収容部材200を取り出す操作を行う。
【0100】
ステップS39において、現在の部品収容部材200の出庫が中断される。ステップS40において、部品出庫が停止される。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫中断の通知を行う。外部PC30は、部品出庫中断の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫中断の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫中断の情報を表示部43に表示する。部品出庫完了の通知を受けたユーザは、部品保管庫20から中断前に出庫された部品収容部材200を取り出す操作を行う。
【0101】
ステップS41において、前回の部品収容部材200が取り出された後、次の優先度のグループの部品収容部材200の出庫が行われる。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫完了の通知を行う。外部PC30は、部品出庫完了の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫完了の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫完了の情報を表示部43に表示する。
【0102】
ステップS42において、制御部22は、部品収容部材200の出庫を中断したか否かを判断する。出庫を中断していれば、ステップS43に進み、出庫を中断していなければ、部品出庫処理が終了される。
【0103】
ステップS43において、部品収容部材200が取り出された後、中断したグループの部品収容部材200の出庫が行われる。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫完了の通知を行う。外部PC30は、部品出庫完了の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫完了の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫完了の情報を表示部43に表示する。
【0104】
(部品出庫処理(第3動作例))
図8を参照して、第3動作例による部品出庫処理について説明する。
【0105】
第3動作例の場合においても、図4に示すフローのように出庫指示ファルにより部品収容部材200の出庫指示が行われる。この場合、出庫指示ファイルには、第1動作例と同様の処理により作成された出庫グループが格納されていてもよい。また、出庫指示ファイルには、所定時間毎に図5のステップS14にて生産可能時間が所定の第1しきい値よりも小さな部品IDを抽出した部品IDのみのグループを格納するものであってもよい。つまり、図5のステップS16の第2しきい値によるグループ分けを行わない図3の出庫要求リストの状態のグループを出庫指示ファイルに格納してもよい。
【0106】
第3動作例による部品出庫処理では、ユーザにより、優先する部品収容部材200が選択されて優先度が設定される。
【0107】
図8のステップS51において、部品保管庫20(制御部22)は、ユーザによる出庫優先度の選択を受け付ける。ユーザは、外部PC30が部品実装装置15から抽出した出庫指示以外の出庫要求のリスト(部品IDのリスト)から出庫の優先度を選択する。たとえば、ユーザは、段取り替えの部品IDの出庫要求のリストから出庫の優先度を選択する。この場合、段取り替えの部品IDの出庫要求のリストは、外部PC30から要求される出庫要求リストを格納する共有フォルダにデータフォーマットを変えて保存されるか、外部PC30から要求される出庫要求リストを格納する共有フォルダとは別の共有フォルダ(外部PC30と部品保管庫20(制御部22)が共にアクセスできるフォルダ)に保存されることにより、外部PC30からの出庫指示とは区別のできるファイルとされる。ユーザは、表示部24に表示されたファイルを選択することにより、出庫の指示を行うことができる。この際に、優先度の選択をするか否かの表示もあわせて表示部24に表示される。ユーザは、この表示において、出庫の優先度を選択することができる。そして、ユーザによりファイルが選択されるとともに、出庫の優先度が選択される。ステップS52において、制御部22は、部品出庫を開始する。
【0108】
ステップS53において、外部PC30により出庫指示部品の抽出が行われ、出庫指示が送信される。ステップS54において、部品保管庫20(制御部22)は、出庫指示受信情報を表示部24に表示させる。
【0109】
ステップS55において、制御部22は、現在の部品収容部材200の出庫が優先か否かを判断する。現在の部品収容部材200の出庫が優先であれば、ステップS56に進み、ステップS53に基づく出庫指示の部品収容部材200の出庫が優先であれば、ステップS58に進む。
【0110】
ステップS56において、現在の部品収容部材200の出庫が継続される。ステップS57において、部品出庫が完了される。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫完了の通知を行う。外部PC30は、部品出庫完了の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫完了の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫完了の情報を表示部43に表示する。部品出庫完了の通知を受けたユーザは、部品保管庫20から出庫された部品収容部材200を取り出す操作を行う。
【0111】
ステップS58において、現在の部品収容部材200の出庫が中断される。ステップS59において、部品出庫が停止される。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫中断の通知を行う。外部PC30は、部品出庫中断の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫中断の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫中断の情報を表示部43に表示する。部品出庫完了の通知を受けたユーザは、部品保管庫20から中断前に出庫された部品収容部材200を取り出す操作を行う。
【0112】
ステップS60において、前回の部品収容部材200が取り出された後、次の優先度のグループの部品収容部材200の出庫が行われる。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫完了の通知を行う。外部PC30は、部品出庫完了の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫完了の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫完了の情報を表示部43に表示する。
【0113】
ステップS61において、制御部22は、部品収容部材200の出庫を中断したか否かを判断する。出庫を中断していれば、ステップS62に進み、出庫を中断していなければ、部品出庫処理が終了される。
【0114】
ステップS62において、部品収容部材200が取り出された後、中断したグループの部品収容部材200の出庫が行われる。その後、制御部22は、外部PC30に対して部品出庫完了の通知を行う。外部PC30は、部品出庫完了の情報を表示部33に表示する。また、外部PC30は、携帯端末40に対して部品出庫完了の通知を行う。携帯端末40は、部品出庫完了の情報を表示部43に表示する。
【0115】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0116】
本実施形態では、上記のように、制御部22を、複数の部品収容部材200について出庫予定がある場合に、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成する。これにより、迅速に供給する必要がある種類の優先度の高い部品Eの部品収容部材200を優先して部品保管庫20から出庫することができるので、部品供給が必要な部品実装装置15に迅速に部品Eを供給することができる。これにより、部品実装装置15により基板Sに部品Eを実装する動作が一時中断するのを抑制することができるので、部品保管庫20からの部品Eの出庫状況に起因して基板Sに部品Eを実装する動作の効率が低下するのを抑制することができる。
【0117】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22を、部品実装装置15において残りの部品Eにより基板Sへの実装を継続可能な時間に基づいて決定された優先度に基づいて、部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成する。これにより、部品Eの実装を継続可能な時間が短い部品Eの部品収容部材200を優先して部品保管庫20から出庫することができるので、部品実装装置15により基板Sに部品Eを実装する動作が一時中断するのを効果的に抑制することができる。
【0118】
また、本実施形態では、上記のように、部品実装装置15から所定のタイミングにより送信される残りの部品数の情報に基づいて、部品収容部材200の出庫の優先度を決定する外部PC30を設ける。これにより、部品実装装置15の残りの部品数の情報に基づいて、複数の部品収容部材200の出庫の優先度を外部PC30により容易に決定することができる。
【0119】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫の優先度に基づいて、部品収容部材200の出庫グループを作成するように構成する。これにより、同等な優先度の部品収容部材200を同じ出庫グループとして出庫の優先度を決定することができる。
【0120】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22を、出庫の優先度に基づいて分類された出庫グループごとに、部品収容部材200を出庫するように制御するように構成する。これにより、優先度が高い部品収容部材200をまとめて出庫グループとして出庫することができる。
【0121】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22を、部品収容部材200を出庫中に、出庫の優先度が高い部品収容部材200の出庫要求が来た場合に、出庫の優先度が高い部品収容部材200の順番が早くなるように出庫する順番を制御するように構成する。これにより、部品収容部材200の出庫中でも出庫の順番を変更することができるので、迅速に供給する必要がある種類の部品Eの部品収容部材200の出庫までの時間が長くなるのをより効果的に抑制することができる。
【0122】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22を、複数の部品収容部材200を順次出庫する処理中に、出庫の優先度が高い部品収容部材200の出庫要求が来た場合に、複数の部品収容部材200を順次出庫する処理を中断して、出庫の優先度が高い部品収容部材200の出庫を行う制御をするように構成する。これにより、処理中のすべての部品収容部材200の出庫を待つことなく優先度の高い出庫グループの部品収容部材200の出庫を開始させることができる。
【0123】
また、本実施形態では、上記のように、出庫が中断される部品収容部材200は、部品実装装置15が部品Eの実装を行う基板Sの種類が変更になりその生産に対応した部品実装を開始するために部品実装装置15に供給して段取りされる部品収容部材200である。これにより、段取りされる部品収容部材200の出庫の優先度は比較的低いので、出庫が中断されたとしても基板Sに部品Eを実装する動作に影響することを抑制することができる。
【0124】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22を、ユーザにより設定された優先度に基づいて、部品収容部材200を出庫する順番を制御するように構成する。これにより、ユーザの要求に応じて部品収容部材200を迅速に出庫することができる。
【0125】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0126】
たとえば、上記実施形態では、部品収容部材を出庫する順番を制御する制御部が部品保管庫に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品収容部材を出庫する順番を制御する制御部が部品保管庫とは別個に独立して設けられていてもよい。また、部品収容部材を出庫する順番を制御する制御部は、優先度を決定する優先度決定部と一体的に設けられていてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、部品収容部材が複数の部品を保持するテープが巻きまわされたリールである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品収容部材は、複数の部品が載置されたトレイでもよい。また、部品収容部材は、長尺のケースの長手方向に部品が隣接して格納されるとともに、長手方向に直交する端面の開口から部品が1個ずつ供給されるスティックでもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、1つの部品実装ラインに3つの部品実装装置が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つの部品実装ラインに2つ以下または4つ以上の部品実装装置が設けられていてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、1つの部品保管庫が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の部品保管庫が設けられていてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0131】
15 部品実装装置
20 部品保管庫
22 制御部
30 外部PC(優先度決定部)
100 部品実装システム
200 部品収容部材
E 部品
S 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8