(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】眼鏡取付型双眼鏡および眼鏡型双眼鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 23/18 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G02B23/18
(21)【出願番号】P 2022094776
(22)【出願日】2022-06-12
【審査請求日】2022-06-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-107817(JP,U)
【文献】米国特許第06236505(US,B1)
【文献】米国特許第04637696(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/00 - 23/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡に取り付けて使用する双眼鏡であって、眼鏡取り付け時において眼鏡前面中央上部付近に配置されるベース(3)と、ベース(3)に接続する左右の接眼レンズ(4)と、眼鏡の上部へ引っかけるためのベース(3)上部に配置されるフック(5)と、左右の接眼レンズ(4)近辺に配置される吸盤または粘着材(6)と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ(7)と、対物レンズ(7)の固定および位置調整を行うためのベース(3)中央上部付近に配置される保持調整機構(8)と、
を備えることを特徴とする、眼鏡取付型双眼鏡(1)。
【請求項2】
眼鏡型の双眼鏡であって、眼鏡のフレーム状のフレーム(9)と、フレーム(9)の前面中央上部付近に配置される接眼レンズホルダ(10)と、接眼レンズホルダ(10)に接続する左右の接眼レンズ(4)と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ(7)と、接眼レンズホルダ(10)および対物レンズ(7)の固定
、および、接眼レンズホルダ(10)および対物レンズ(7)の少なくとも一方の位置調整を行うためのフレーム(9)中央上部付近に配置される保持調整機構(8)と、を備え
、前記位置調整は焦点距離調整を行うものであることを特徴とする、眼鏡型双眼鏡(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の眼鏡に簡易に着脱して使用することができる双眼鏡、および、眼鏡のように使用することができる双眼鏡、に関する。
【背景技術】
【0002】
講義の聴講、発表会の鑑賞、スポーツ観戦、コンサート鑑賞、バードウォッチングなど、遠方のものを大きく見たい場合には、双眼鏡を使用することが多いが、双眼鏡を把持しなければならないため両手または片手がふさがってしまう。双眼鏡使用において両手を解放できる方法として、従来技術では、特許文献1に、メガネの上部フレームに対して係脱自在なメガネ着脱型双眼鏡が、特許文献2に、眼鏡のように使用することができる眼鏡型オペラグラスが、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実全昭60-107817号公報
【文献】特開平8-220445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
講義の聴講、発表会の鑑賞、スポーツ観戦、コンサート鑑賞、バードウォッチングなど、遠方のものを大きく見たい場合に、双眼鏡使用において両手を解放できる方法として、従来技術では、特許文献1に、メガネの上部フレームに対して係脱自在なメガネ着脱型双眼鏡が開示されているが、双眼鏡の固定方法がメガネの上部フレームに引っかけるだけのため、頭を振った場合などにおいて不安定となりやすいものとなっている。また、特許文献2に、眼鏡のように使用することができる眼鏡型オペラグラスが開示されているが、対物レンズを支える折りたたみ板が存在するため、接眼レンズから視線を外したときに、視界への影響が大きいものとなっている。
【0005】
本発明は、双眼鏡使用において、眼鏡に簡易に着脱することができ、頭を振った場合などにおいても固定が不安定となりにくく、接眼レンズから視線を外したときに視界への影響が小さくなるようにした、眼鏡取付型双眼鏡を提供するものである。また、双眼鏡使用において、眼鏡のように使用することができ、接眼レンズから視線を外したときに視界への影響が小さくなるようにした、眼鏡型双眼鏡を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
眼鏡に取り付けて使用する双眼鏡であって、眼鏡取り付け時において眼鏡前面中央上部付近に配置されるベース3と、ベース3に接続する左右の接眼レンズ4と、眼鏡の上部へ引っかけるためのベース3上部に配置されるフック5と、左右の接眼レンズ4近辺に配置される吸盤または粘着材6と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ7と、対物レンズ7の固定および位置調整を行うためのベース3中央上部付近に配置される保持調整機構8と、を備えることを特徴とする、眼鏡取付型双眼鏡1とする。
または、眼鏡型の双眼鏡であって、眼鏡のフレーム状のフレーム9と、フレーム9の前面中央上部付近に配置される接眼レンズホルダ10と、接眼レンズホルダ10に接続する左右の接眼レンズ4と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ7と、接眼レンズホルダ10および対物レンズ7の固定、および、接眼レンズホルダ10および対物レンズ7の少なくとも一方の位置調整を行うためのフレーム9中央上部付近に配置される保持調整機構8と、を備え、前記位置調整は焦点距離調整を行うものであることを特徴とする、眼鏡型双眼鏡2とする。
【発明の効果】
【0007】
本眼鏡取付型双眼鏡1は、フック5と吸盤または粘着材6により眼鏡上部と眼鏡レンズの複数箇所で固定されるため、使用時に両手を解放することができるとともに、頭を振った場合などにおいても不安定となりにくい。また、本眼鏡取付型双眼鏡1は、眼鏡に取り付ける構造のため、使用者の頭部に固定するための部材が必要なく、小型軽量にすることができ、持ち運びや収納に便利である。さらに、本眼鏡取付型双眼鏡1は、鏡筒に相当する部材がないことや、対物レンズ7全体が透明部材であることや、保持調整機構8が視界の上部中央付近にしかないため、接眼レンズ4から視線を外したときに視界への影響が小さく、かつ、軽量に製作することができる。
【0008】
本眼鏡型双眼鏡2は、鏡筒に相当する部材がないことや、対物レンズ7全体が透明部材であることや、保持調整機構8が視界の上部中央付近にしかないため、接眼レンズ4から視線を外したときに視界への影響が小さく、かつ、軽量に製作することができる。
【0009】
上記の、接眼レンズ4から視線を外したときに視界への影響が小さいということは、例えば、講義の聴講中にノートをとる場合やスポーツ観戦中に手元を見る場合などにおいて、本眼鏡取付型双眼鏡1や本眼鏡型双眼鏡2を使用したままであっても、その存在が邪魔になりにくいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の三面図である。(a)は上面図、(b)は背面図、(c)は側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
眼鏡に取り付けて使用する双眼鏡であって、眼鏡取り付け時において眼鏡前面中央上部付近に配置されるベース3と、ベース3に接続する左右の接眼レンズ4と、眼鏡の上部へ引っかけるためのベース3上部に配置されるフック5と、左右の接眼レンズ4近辺に配置される吸盤または粘着材6と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ7と、対物レンズ7の固定および位置調整を行うためのベース3中央上部付近に配置される保持調整機構8と、を備えることを特徴とする、眼鏡取付型双眼鏡1とする。
または、眼鏡型の双眼鏡であって、眼鏡のフレーム状のフレーム9と、フレーム9の前面中央上部付近に配置される接眼レンズホルダ10と、接眼レンズホルダ10に接続する左右の接眼レンズ4と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ7と、接眼レンズホルダ10および対物レンズ7の固定、および、接眼レンズホルダ10および対物レンズ7の少なくとも一方の位置調整を行うためのフレーム9中央上部付近に配置される保持調整機構8と、を備え、前記位置調整は焦点距離調整を行うものであることを特徴とする、眼鏡型双眼鏡2とする。
【0012】
図1に本願発明の実施例1を示す。実施例1は請求項1に係る実施例である。実施例1では、ベース3と接眼レンズ4を一体成型としており、左右の対物レンズ7も一体成型としている。また、保持調整機構8を、ベース3上部中央から前方に張り出す2本の棒材と、棒材の間に配置したねじ部材で構成するものとし、これにより、対物レンズ7が棒材上をスライドしてねじ部材による位置調整を行えるものとしている。また、ベース3上部左右端付近にフック5を配置し、フック5は可塑性部材として各種眼鏡形状に適合させたり、固定位置を調整できるものとしている。また、接眼レンズ4の上部に粘着材6を配置して眼鏡レンズへの粘着を行えるものとしている。
実施例1では、本眼鏡取付型双眼鏡1の取付位置を眼鏡の上部にしている。これにより、遠くを見るときには本眼鏡取付型双眼鏡1を使用し、手元を見るときには接眼レンズ4から視線を外して眼鏡レンズの下部を使用することができる。
【0013】
図2に本願発明の実施例2を示す。実施例2は請求項2に係る実施例である。実施例2では、接眼レンズ4と接眼レンズホルダ10を一体成型としており、左右の対物レンズ7も一体成型としている。また、保持調整機構8を、フレーム9上部中央から前方に張り出す2本の棒材と、棒材の間に配置したねじ部材で構成するものとし、これにより、接眼レンズホルダ10および対物レンズ7が棒材上をスライドしてねじ部材による位置調整を行えるものとしている。
【0014】
本眼鏡取付型双眼鏡1や本眼鏡型双眼鏡2は、既存の眼鏡に取り付けて使用したり眼鏡のように使用するものなので軽量化が重要であることから、ベース3や接眼レンズホルダ10やレンズなどの材質を樹脂とすることが望ましいが、金属製の保持調整機構8やガラス製のレンズなど、他の材質を排除するものではない。
【0015】
吸盤の材質としては樹脂を想定し、粘着材6の材質としては、耐震マットなどで使用され、水洗いで粘着力が回復する材質である、ウレタンジェルを想定するが、他の材質を排除するものではない。
【0016】
本眼鏡型双眼鏡2は、フレーム9が眼鏡のフレーム形状であるため、フレーム9に眼鏡のレンズを取り付けられるようにすることもできる。
また、本眼鏡型双眼鏡2は、保持調整機構8をねじ込みやはめ込みなどでフレーム9から着脱できるようにすることで、フレーム9のみでの使用することができるため、フレーム9に眼鏡レンズを取り付けて通常の眼鏡として使用することができる。
さらに、本眼鏡型双眼鏡2では、接眼レンズ4の配置位置を視界の上部にすることで、遠くを見るときには本眼鏡型双眼鏡2を使用し、手元を見るときには接眼レンズ4から視線を外して本眼鏡型双眼鏡2を使用しないことができる。
【0017】
図1~
図2に示した実施例1~2は、本発明の実施例に過ぎず、眼鏡取付型双眼鏡1や眼鏡型双眼鏡2の形状・大きさ、フック5や粘着材6の形状・配置位置・個数、保持調整機構8の構造・配置位置、ベース3やフレーム9と保持調整機構8の接合方法、等を限定するものではない。
【符号の説明】
【0018】
1 眼鏡取付型双眼鏡
2 眼鏡型双眼鏡
3 ベース
4 接眼レンズ
5 フック
6 粘着材
7 対物レンズ
8 保持調整機構
9 フレーム
10 接眼レンズホルダ
【要約】
【要約】
【課題】既存の眼鏡に簡易に着脱して使用することができる双眼鏡、および、眼鏡のように使用することができる双眼鏡を提供する。
【解決手段】眼鏡に取り付けて使用する双眼鏡であって、眼鏡取り付け時において眼鏡前面中央上部付近に配置されるベース3と、ベース3に接続する左右の接眼レンズ4と、眼鏡へ引っかけるためのベース3上部に配置されるフック5と、左右の接眼レンズ4近辺に配置される吸盤または粘着材6と、左右一体成形または透明部材により左右一体となっている対物レンズ7と、対物レンズ7の固定および位置調整を行うためのベース3上部付近に配置される保持調整機構8と、
を備えることを特徴とする、眼鏡取付型双眼鏡1とする。
【選択図】
図1