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特許7144659案内システム、その案内システムの認証装置、案内方法、及び、その認証装置のプログラム
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  • 特許-案内システム、その案内システムの認証装置、案内方法、及び、その認証装置のプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】案内システム、その案内システムの認証装置、案内方法、及び、その認証装置のプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20220922BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20220922BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20220922BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G06F21/31
G06Q40/02
G06Q30/04
H04M11/00 302
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018103341
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019207608
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】501032951
【氏名又は名称】株式会社クローバー・ネットワーク・コム
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100214226
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博文
(72)【発明者】
【氏名】長原 伸介
【審査官】岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-012368(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0358306(US,A1)
【文献】特開2018-026057(JP,A)
【文献】特開2015-060490(JP,A)
【文献】特開2017-073671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/31
G06Q 40/02
G06Q 30/04
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システムであって、
前記案内システムは、
前記ユーザが所持し、ネットワークに接続可能な携帯端末と、
記ネットワークに接続可能な前記事業者の事業者装置と、
前記事業者装置が提供するユーザ情報に基づいて、本人確認するとともに前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する、前記ネットワークに接続可能なサービス事業者の認証装置と、を備え、
前記ユーザ情報は、
前記携帯端末の携帯番号と、
前記ユーザ用画面に誘導するユーザ用画面のURLと、
前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報と、を含み、
前記認証装置は、
前記携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、前記本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、
前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面のURLに基づいて、前記事業者装置が提供するWeb画面を携帯端末に表示させる指示を行うことで、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する処理と、
を行うことを特徴とする案内システム。
【請求項2】
前記確認情報は、前記ユーザ本人であるかを確認するための情報として複数の認証キーを含むことを特徴とする請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システムのサービス事業者の認証装置であって、
前記認証装置は、
前記事業者の事業者装置が提供する前記ユーザの所持する携帯端末の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、
前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記事業者装置が提供する前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面に誘導するために前記事業者装置が提供するユーザ用画面のURLに基づいて、前記事業者装置が提供するWeb画面を携帯端末に表示させる指示を行うことで、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する処理と、を行うことを特徴とする認証装置。
【請求項4】
ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内するサービス事業者の認証装置における案内方法であって、
前記サービス事業者の認証装置が、
前記事業者の事業者装置が提供する前記ユーザの所持する携帯端末の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する手順と、
前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記事業者装置が提供する前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面に誘導するために前記事業者装置が提供するユーザ用画面のURLに基づいて、前記事業者装置が提供するWeb画面を携帯端末に表示させる指示を行うことで、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する手順と、を含むことを特徴とする案内方法。
【請求項5】
ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システムのサービス事業者の認証装置のプログラムであって、
前記認証装置に対して、
前記事業者の事業者装置が提供する前記ユーザの所持する携帯端末の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、
前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記事業者装置が提供する前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面に誘導するために前記事業者装置が提供するユーザ用画面のURLに基づいて、前記事業者装置が提供するWeb画面を携帯端末に表示させる指示を行うことで、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する処理と、を少なくとも実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システム、その案内システムの認証装置、案内方法、及び、その認証装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、申し込みがあった利用者(ユーザともいう)に対して、クレジットカードの利用明細書を、インターネットを介して電子メールで配信する配信方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-92325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、申し込みがないユーザに対しては、郵送等の手段で利用明細書等を送付することになるが、そうすると、郵送費用等がかかるという問題がある。
【0005】
また、利用明細書に限らず、個人情報に関連する情報をユーザに知らせるに当たっては、ユーザ以外の者に間違って漏れることがないように留意することも求められる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、郵送等の手段を用いずに、ユーザ以外の者に間違って漏れることがないように留意して事業者からユーザに情報を提供することができる案内システム、その案内システムの認証装置、案内方法、及び、その認証装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の案内システムは、ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システムであって、前記案内システムは、前記ユーザが所持し、ネットワークに接続可能な携帯端末と、前記事業者が提供するユーザ情報に基づいて、本人確認するとともに前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する、前記ネットワークに接続可能なサービス事業者の認証装置と、を備え、前記ユーザ情報は、前記携帯端末の携帯番号と、前記ユーザ用画面に誘導する誘導情報と、前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報と、を含み、前記認証装置は、前記携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、前記本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記誘導情報に基づいて、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する処理と、を行う。
【0008】
(2)上記(1)の構成において、前記案内システムが、前記ユーザ情報を前記認証装置に提供する前記ネットワークに接続可能な前記事業者の事業者装置を備える。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記確認情報は、前記ユーザ本人であるかを確認するための情報として複数の認証キーを含む。
【0010】
(4)本発明の認証装置は、ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システムのサービス事業者の認証装置であって、前記認証装置は、前記ユーザの所持する携帯端末の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記事業者の提供する前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面に誘導するために前記事業者の提供する誘導情報に基づいて、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する処理と、を行う。
【0011】
(5)本発明の案内方法は、ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内方法であって、前記ユーザの所持する携帯端末の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する手順と、前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記事業者の提供する前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面に誘導するために前記事業者の提供する誘導情報に基づいて、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する手順と、を含む。
【0012】
(6)本発明のプログラムは、ユーザを事業者が提供する前記ユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システムのサービス事業者の認証装置のプログラムであって、前記認証装置に対して、前記ユーザの所持する携帯端末の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、前記携帯端末宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、前記サイトにアクセスして入力された入力情報と前記事業者の提供する前記ユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、前記ユーザ用画面に誘導するために前記事業者の提供する誘導情報に基づいて、前記携帯端末を前記ユーザ用画面に誘導する処理と、を少なくとも実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、郵送等の手段を用いずに、ユーザ以外の者に間違って漏れることがないように留意して事業者からユーザに情報を提供することができる案内システム、その案内システムの認証装置、案内方法、及び、その認証装置のプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る実施形態の案内システムを示す図である。
図2】本発明に係る実施形態の利用履歴データベースを説明するための図である。
図3】本発明に係る実施形態の案内システムの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図4】本発明に係る実施形態の携帯端末の画面にSMSメールを表示させたところを示す図である。
図5】本発明に係る実施形態の携帯端末の画面に認証装置が提供するWebアプリケーションのサイトのトップ画面が表示されているところを示す図である。
図6】本発明に係る実施形態の携帯端末の画面にキャンセル終了画面が表示されたところを示す図である。
図7】本発明に係る実施形態の携帯端末の画面にユーザへのお知らせ等を知らせる拡張メッセージ画面を表示したところを示す図である。
図8】本発明に係る実施形態の携帯端末の画面にユーザ用画面が表示されているところを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0016】
[案内システム1]
本実施形態の案内システム1は、ユーザを事業者が提供するユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システム1であって、例えば、ユーザ用画面には、そのユーザの利用明細書等が表示される。
【0017】
以下では、1つの具体例として、事業者がカード会社等の金融機関であり、ユーザ用画面に金融機関の利用明細書が表示され、本案内システム1でユーザが利用明細書を閲覧できるように案内する場合について説明する。
【0018】
しかしながら、利用明細書に限られる必要はなく、ユーザが住宅ローンを利用している場合に、定期的に通知されるローン金利の変更やローン残高等に関する内容がユーザ用画面に表示され、それをユーザが閲覧できるように案内する場合等であってもよい。
【0019】
また、事業者についても、金融機関に限定される必要はなく、ユーザ用画面に表示される内容も事業者からユーザ個人に宛てて連絡したい連絡事項等が表示されればよく、利用明細書に限定されるものではない。
【0020】
例えば、事業者が電話会社等である場合に、現在のユーザの携帯端末10の利用状況と、その利用状況を考慮した場合に、よりお得なプランをユーザ用画面に表示するようにしてもよい。
【0021】
図1は本発明に係る実施形態の案内システム1を示す図である。
図1に示すように、案内システム1は、ユーザが所持する携帯端末10と、事業者の管理する事業者装置20と、本案内システム1のサービスを提供するサービス事業者の認証装置30と、を備えている。
【0022】
なお、携帯端末10、事業者装置20、及び、認証装置30は、それぞれネットワークNに接続可能であり、それら携帯端末10、事業者装置20、及び、認証装置30は、ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0023】
また、認証装置30は、携帯端末10の携帯番号(携帯電話番号)の利用履歴を蓄積した利用履歴データベース40と通信可能に接続されている。
なお、本実施形態では、認証装置30とは別の外部記憶装置として設けられた利用履歴データベース40に認証装置30が通信可能に接続されているが、認証装置30自体が利用履歴データベース40を内蔵していてもよい。
【0024】
(携帯端末10)
携帯端末10は、例えば、ユーザが所持(所有)している端末であり、スマートフォン等のように、携帯番号(携帯電話番号)を有し、ショートメッセージサービス(SMS)の利用(SMSメールの利用)が可能な一般的な携帯端末である。
【0025】
携帯端末10は、タッチパネル機能を有する液晶画面や有機EL画面等(単に、画面11ともいう)を備え、特段、説明する必要もないと思われるが、画面11のタッチ操作等によって数字や文字等の入力が可能であるとともに、例えば、アンコンが表示された時にタッチ操作によって、アイコンの選択等が可能である。
【0026】
また、携帯端末10は、画面11に表示したい内容が画面11のサイズに収まっていないときには、画面11に指を当てて、左右、上下、斜めの方向に指を動かすことでその方向にスクロール操作ができるようになっている。
【0027】
したがって、そのスクロール操作によって、画面11で見えていない表示内容の部分を画面11に表示される位置に移動し、内容を確認することができる。
【0028】
なお、図1では、1つの携帯端末10がネットワークNに接続されている場合について示しているが、実際には、多数の携帯端末10がネットワークNに接続されている。
【0029】
(事業者装置20)
事業者装置20は、本実施形態では、先に、触れたようにカード会社等の金融機関(例えば、銀行、クレジットカード会社、信販会社、消費者金融、決済代行会社、証券会社等の金融関係の会社)の装置であり、ユーザのためのユーザ用画面を提供するWebサーバとして機能する。
【0030】
ただし、事業者装置20は、金融関係の会社の装置に限定される必要はなく、金融関係以外にも、先に触れた電話会社(通信事業者ともいう)等の装置であってもよく、さらには、保険関係の会社(生命保険会社、損害保険会社)、及び、不動産関係の会社等の装置であってもよい。
【0031】
また、事業者装置20は、各ユーザに対応したユーザ情報を記憶しており、ユーザ用画面に誘導したいユーザのユーザ情報を、ネットワークNを介して認証装置30に提供する。
【0032】
ただし、事業者からサービス事業者へのユーザ情報の提供方法は、これに限定される必要はなく、例えば、FAX等の連絡手段でサービス事業者に提供するようなものであってもよく、この場合には、サービス事業者の社員が認証装置30に、事業者から提供されたユーザ情報の入力を行うようにすればよい。
【0033】
ユーザ情報は、例えば、ユーザごとに、そのユーザの携帯端末10の携帯番号(携帯電話番号)と、そのユーザのためのユーザ用画面に誘導する誘導情報(例えば、ユーザ用画面のURL)と、ユーザ本人であるかを確認するための確認情報と、を含んでいる。
【0034】
確認情報は、ユーザ本人であるかを確認するための認証キーとして利用できる情報であればよく、例えば、ユーザに事業者から通知されている顧客番号、ユーザの生年月日、年齢、住所等でよい。
【0035】
なお、確認情報がユーザ本人であるかを確認するための情報として1つの認証キーだけを有する場合に限定される必要はなく、複数の認証キーを含むものであってもよい。
このように、複数の認証キーを含んでいれば、それらの全ての認証を行うことで、本人確認の精度を大幅に向上させることができる。
【0036】
また、図1では、ネットワークNに1つの事業者装置20が接続されている場合について示しているが、ネットワークNに複数の事業者の複数の事業者装置20が接続され、案内システム1が、複数の事業者装置20を有していてもよい。
このことから、案内システム1は、少なくともネットワークNに接続された1つ以上の事業者装置20を備えていればよい。
【0037】
また、事業者装置20は、図1では、1つのサーバの形態の装置として描いているが、ユーザのためのユーザ用画面を提供するWebサーバとして機能する装置(PC、サーバ等)と、各ユーザに対応したユーザ情報を記憶し、ネットワークNを介してユーザ用画面に誘導したいユーザのユーザ情報を認証装置30に提供する装置(PC、サーバ等)と、が別体のものとなっているものであってもよく、事業者装置20はハードウエアとして一体に構成されたものに限定されるものではない。
【0038】
(認証装置30)
認証装置30は、ユーザの本人確認を行うWebアプリケーションのサイトを提供するWebサーバとして機能する。
そして、後ほど詳細に説明するように、認証装置30は、事業者が提供するユーザ情報に基づいて、本人確認するとともに携帯端末10を事業者が提供するユーザ用画面に誘導する。
【0039】
(利用履歴データベース40)
図2は利用履歴データベース40を説明するための図である。
利用履歴データベース40は、特開2012-129869号公報や特開2014-150581号公報に開示されているような電話番号調査装置を用いて、携帯番号として利用可能な全ての番号に対して、例えば、少なくとも1月に1回以上、発呼を行い、その発呼に対する応答メッセージに基づいて蓄積されたものである。
【0040】
図2(A)は利用履歴データベース40に記録されている携帯番号が「090-XXXX-YYYY」である携帯番号の利用履歴であり、図2(B)は利用履歴データベース40に記録されている携帯番号が「090-ZZZZ-WWWW」である携帯番号の利用履歴である。
【0041】
図2(A)に示すように、「090-XXXX-YYYY」の携帯番号は、2016年11月15日から2018年01月15日に至るまでステータスが常に「実在」になっていることから、同一のユーザが1年以上の長きにわたって使用している携帯番号であるということが利用履歴からわかる。
【0042】
なお、携帯番号の後に記載の「(第1キャリア)」は、直近の調査で、この携帯番号の通信事業者が複数ある電話会社(第1キャリア、第2キャリア、第3キャリア・・・等)のうち第1キャリアであったことを示している。
【0043】
一方、図2(B)に示すように、「090-ZZZZ-WWWW」の携帯番号は、直近の2か月(2018年01月15日、2017年12月15日)の調査では「実在」になっているが、その前の8か月間(2017年11月15日から2017年04月15日の間)の調査では「欠番」になっている。
【0044】
また、「090-ZZZZ-WWWW」の携帯番号は、2017年03月15日以前が「実在」であるため、この8か月間(2017年11月15日から2017年04月15日の間)は使用するユーザがいなかったものと考えられる。
【0045】
なお、図2(B)でも同様に、携帯番号の後に記載の「(第2キャリア)」は、直近の調査で、この携帯番号の通信事業者が複数ある電話会社のうち第2キャリアであったことを示している。
【0046】
ここで、通信事業者(キャリア)は、携帯電話等の携帯端末10に付与される携帯番号の場合、解約から6か月以上経過した後に、その解約された携帯番号を別のユーザに割り当てることを行っている。
【0047】
このことから、「090-ZZZZ-WWWW」の携帯番号は、2017年03月15日以前に契約していたユーザが解約した後、6か月以上の「欠番」を経て、別のユーザに割り当てられたものと考えられ、「090-ZZZZ-WWWW」の携帯番号は、現在のユーザになってから2か月しか利用されていないことがわかる。
【0048】
なお、最近は、電話番号に使用できる番号の不足に対応するために、ユーザが解約した後、3か月以上の「欠番」を経て、別のユーザに解約された携帯番号を割り当てるようにしている通信事業者(キャリア)もあるので、その場合には、3か月以上の「欠番」を経ていることで携帯番号の利用者が変わったものと判断すればよい。
【0049】
そして、最近、利用が始まった携帯番号の場合、ユーザ用画面に誘導したいユーザと異なるユーザがその電話番号を使用している可能性があるため、このような場合には、不用意に案内を行わない方が望ましい。
【0050】
本実施形態の案内システム1では、後ほど説明するように、このようなことも考慮し、ユーザ以外の者に間違って情報が漏れることがないように留意して事業者からユーザに情報を提供できるものになっている。
【0051】
次に、本案内システム1の処理の流れを説明するためのフローチャートである図3を参照しながら、事業者としてのカード会社が、本案内システム1を利用して、あるユーザに利用明細書を閲覧できるようにした場合を例にとって、より詳細な説明を行う。
【0052】
まず、事業者がユーザをユーザ用画面に誘導するために、事業者装置20を操作して、ネットワークNを介して認証装置30にユーザ情報を送信(提供)すると、図3に示すフローチャートの動作が開始される。
【0053】
なお、本例では、ユーザ情報として、ユーザの携帯番号、ユーザ用画面に誘導する誘導情報(例えば、ユーザ用画面のURL)、及び、ユーザ本人であるかを確認する確認情報としての2つ(複数)の認証キー(ユーザに以前に連絡している「顧客番号」及びユーザの「年齢」)が認証装置30に提供されているものとする。
【0054】
認証装置30は、事業者装置20が送信したユーザ情報を受信すると、まず、ユーザ情報の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしているかを判定する(ステップS1)。
【0055】
例えば、認証装置30は、利用履歴データベース40(図1参照)の中のユーザ情報の携帯番号の利用履歴(図2参照)を参照して、直近の所定の期間に「欠番」がないかを基準として、「欠番」がない場合、条件をクリアしたものと判定(ステップS1:YES)し、「欠番」がある場合、条件をクリアしないものと判定(ステップS1:NO)する。
【0056】
なお、条件とする所定の期間は、例えば、3か月や6か月のように定めてもよいが、例えば、事業者にユーザの携帯番号が登録された日(年月日)を基準日として、現在から基準日までの期間としてもよい。
この場合、認証装置30に提供するユーザ情報に、事業者へのユーザの携帯番号の登録日を加えるようにすればよい。
【0057】
そして、認証装置30は、条件をクリアしないものと判定(ステップS1:NO)すると、事業者装置20に、本ユーザの携帯番号が条件をクリアしない携帯番号であった旨の通知を送信し、処理を終了する(エンド)。
【0058】
このようにして、条件をクリアしない携帯番号であった旨の通知を受け取った事業者は、従来と同様に、ダイレクトメール等を郵送することで利用明細書をユーザに送ることになる。
【0059】
なお、このときには、ユーザの携帯番号が変更になっている可能性があるので、事業者は、ダイレクトメールに携帯番号が変更になっている場合には、ご連絡ください等の案内を加えるようにしてもよい。
【0060】
一方、認証装置30は、条件をクリアしたものと判定(ステップS1:YES)すると、ユーザ用画面に案内してよいかを判定するために本人確認処理を実行する。
具体的には、まず、認証装置30は、ユーザの所持する携帯端末10宛に、本人確認を行う認証装置30が提供するWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報(例えば、URL「https://XXX.jp/XXX」)を付加したSMSメール(ショートメッセージ)を送信する(ステップS2)。
【0061】
つまり、ユーザ情報の携帯番号のキャリアのSMS(ショートメッセージサービス)のアドレスのドメイン名に、そのユーザ情報の携帯番号を結合させて作成したメールアドレス宛に、Webアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報(例えば、WebアプリケーションのサイトのURL「https://XXX.jp/XXX」)を付加したSMSメール(ショートメッセージ)を送信する。
【0062】
図4は携帯端末10の画面11にSMSメールを表示させたところを示す図である。
図4に示すように、SMSメールの本文中に、例えば、ハイパワーリンクの態様でWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報であるURL「https://XXX.jp/XXX」が付加されている。
【0063】
したがって、ユーザは、そのURL(https://XXX.jp/XXX)の部分を指でタッチ操作すれば、携帯端末10は、本人確認を行う認証装置30が提供するWebアプリケーションのサイトにアクセスすることになる。
【0064】
なお、本実施形態では、携帯端末10で行わなければならない操作の指示等を、Webアプリケーションを用いて認証装置30側から行うものとしている。
このため、携帯端末10に専用アプリケーションをインストールする必要がないため、専用アプリケーションをユーザが携帯端末10にインストールするような手間がかかる作業が発生しない。
【0065】
また、専用アプリケーションの場合、携帯端末10の動作環境に合わせた専用アプリケーションを作成する必要があるが、そのように動作環境ごとにアプリケーションを作成する手間も省くことができる。
【0066】
図5は携帯端末10の画面11に認証装置30が提供するWebアプリケーションのサイトのトップ画面が表示されているところを示す図である。
携帯端末10が、本人確認を行う認証装置30が提供するWebアプリケーションのサイトにアクセスすると、認証装置30の指示に従って、携帯端末10の画面11には、図5に示すようなトップ画面が表示され、このトップ画面は本人確認画面になっている。
【0067】
事業者装置20から認証装置30に送信(提供)されたユーザ情報には、ユーザ本人であるかを確認する情報(確認情報)として、本例では、ユーザに以前に連絡している「顧客番号」とユーザの「年齢」の2つの認証キーが含まれていたので、この本人確認画面では「顧客番号を入力してください」の表示の下に顧客番号を入力する入力欄と、「年齢を入力してください」の表示の下に年齢を入力する入力欄と、が設けられている。
【0068】
そこで、ユーザは携帯端末10を操作(タッチ操作)して各入力欄に入力を行うとともに、画面11に表示されている入力内容を認証装置30に送信するための送信アイコン(「送信」)をタッチ操作して、入力した入力情報を認証装置30に送信する(ステップS3)。
【0069】
そして、認証装置30は、認証装置30が提供するWebアプリケーションのサイトにユーザが携帯端末10でアクセスして入力した入力情報を受信すると、その入力情報と事業者装置20から提供されたユーザ情報の確認情報が一致するかを判定する(ステップS4)。
【0070】
ここで、認証装置30は、入力情報と確認情報が一致せず(ステップS4:NO)、本人確認ができなかった場合、携帯端末10に処理の受付をキャンセルするキャンセル終了画面を画面11に表示させる指示を行い、処理を終了する(エンド)。
【0071】
図6は、携帯端末10の画面11にキャンセル終了画面が表示されたところを示す図であり、入力情報と確認情報が一致せず(ステップS4:NO)、本人確認ができなかった場合、認証装置30は、このようなキャンセル終了画面を表示させる指示を携帯端末10に行った後、処理を終了する(エンド)。
【0072】
一方、認証装置30は、入力情報と確認情報が一致し、本人確認できた場合(ステップS4:YES)、事業者装置20から提供されたユーザ情報のユーザ用画面に誘導する誘導情報(例えば、ユーザ用画面のURL)に基づいて、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理(ステップS7)を実行することになるが、本例では、実際に携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理(ステップS7)を実行する前に、ユーザへのお知らせの処理を行う場合について説明する。
【0073】
ただし、ユーザへのお知らせの処理は、ユーザへのお知らせ等がある場合に適宜追加で行われる処理であって、必須の処理ではない。
したがって、ユーザへのお知らせの処理(ステップS6)を設けないときには、認証装置30は、入力情報と確認情報が一致し、本人確認できた場合(ステップS4:YES)に、事業者装置20から提供されたユーザ情報のユーザ用画面に誘導する誘導情報(例えば、ユーザ用画面のURL)に基づいて、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理(ステップS7)を実行することになる。
【0074】
図7は、携帯端末10の画面11にユーザへのお知らせ等を知らせる拡張メッセージ画面を表示したところを示す図である。
認証装置30は、本例のように、明細表示タイミングが変わる等といったユーザにお知らせしてもらいたい内容の連絡(例えば、ユーザ情報に付加された連絡)がある場合、付加的な処理として、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理(ステップS7)を実行する前に、携帯端末10にユーザへのお知らせ等を知らせる拡張メッセージ画面を画面11に表示させる表示指示(ステップS6)を行う。
【0075】
そして、ユーザが内容を確認した後に、図7に示すように、画面11に表示されている拡張メッセージ画面の次の画面に移るための画面移動アイコン(「次へ」)をタッチ操作すると、認証装置30は、事業者装置20から提供されたユーザ情報のユーザ用画面に誘導する誘導情報(例えば、ユーザ用画面のURL)に基づいて、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理(ステップS7)を実行する。
【0076】
図8は携帯端末10の画面11にユーザ用画面が表示されているところを示す図である。
この画面11に表示されているユーザ用画面(図8参照)は、事業者装置20が提供するWeb画面である。
そして、認証装置30は、先に説明した画面移動アイコン(「次へ」)のタッチ操作を起点として、携帯端末10に事業者装置20が提供するWeb画面に遷移して、それを画面11に表示させる指示を行うことで、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理を実行する。
【0077】
なお、本例では、ユーザ用画面は、事業者装置20が提供するユーザの利用明細書のPDFが閲覧できる画面になっているが、PDFを表示する画面でなくても問題はなく、ユーザ用画面は、ユーザに対して事業者装置20が提供したい内容を表示する、事業者装置20が提供する画面(Web画面)であればよい。
【0078】
そして、画面移動アイコン(「次へ」)のタッチ操作を起点として、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理を実行したら、ユーザがユーザ用画面を閲覧したことが確定するので、認証装置30は、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理を実行したら、事業者装置20に向けて、ユーザがユーザ用画面を閲覧した旨(つまり、開封確認)の連絡を送信して一連の処理を終了する(エンド)。
【0079】
これによって、事業者はユーザがユーザ用画面を閲覧したことを知ることができ、ユーザにダイレクトメール等で利用明細書を郵送することを省略する等して、業務改善(手間の削減、及び、費用の節約等)を行うことができる。
【0080】
以上のように、本実施形態の案内システム1によれば、まず、携帯端末10の携帯番号の利用履歴に基づいて、携帯端末10にユーザ用画面に案内するためのSMSメールを送信するか否かを選別し、別のユーザがその携帯番号を使用しているおそれがある場合には、SMSメールの送信を行わないようにしている。
【0081】
したがって、事業者がユーザ用画面に誘導したいユーザ以外にSMSメールが送信される確率を大幅に低減できるため、ユーザ以外の者に間違って情報等が漏れるのを未然に防止することができる。
【0082】
その上で、SMSメールの送信を行ったユーザに対しても本人確認を経た上で、ユーザ用画面に誘導するものとしているので、より一層、確実に、ユーザ以外の者に間違って情報等が漏れるのを防止することができる。
【0083】
[認証装置30]
既に、案内システム1の説明を通じて詳細に説明したが、本明細書には、ユーザを事業者が提供するユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システム1のサービス事業者の認証装置30も開示されている。
そして、その認証装置30は、ユーザの所持する携帯端末10の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、携帯端末10宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、サイトにアクセスして入力された入力情報と事業者の提供するユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、ユーザ用画面に誘導するために事業者の提供する誘導情報に基づいて、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理と、を行うものとなっている。
【0084】
なお、認証装置30の行う処理は、認証装置30のROMやRAMを有する記憶部に記憶されている動作プログラムと、認証装置30の全体的な制御を司るCPUを有する制御部と、が協業することで実現され、認証装置30は、Webアプリケーションのサイトを提供しているので、そのためのプログラムも記憶部に記憶されており、携帯端末10に対するWebアプリケーションによる動作も、このプログラムと制御部との協業によって実現される。
【0085】
[案内方法]
また、案内システム1の説明を通じて理解される通り、本明細書には、ユーザを事業者が提供するユーザのためのユーザ用画面に案内する案内方法も開示されている。
そして、その案内方法は、ユーザの所持する携帯端末10の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、携帯端末10宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する手順と、サイトにアクセスして入力された入力情報と事業者の提供するユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、ユーザ用画面に誘導するために事業者の提供する誘導情報に基づいて、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する手順と、を含んでいる。
【0086】
[プログラム]
さらに、本明細書には、ユーザを事業者が提供するユーザのためのユーザ用画面に案内する案内システム1のサービス事業者の認証装置30のプログラムについても開示されていると言え、そのプログラムは、認証装置30に対して、ユーザの所持する携帯端末10の携帯番号の利用履歴が条件をクリアしている場合、携帯端末10宛に、本人確認を行うWebアプリケーションのサイトにアクセスするアクセス情報を付加したSMSメールを送信する処理と、サイトにアクセスして入力された入力情報と事業者の提供するユーザ本人であるかを確認する確認情報が一致し、本人確認できた場合、ユーザ用画面に誘導するために事業者の提供する誘導情報に基づいて、携帯端末10をユーザ用画面に誘導する処理と、を少なくとも実行させるものになっている。
【0087】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、技術思想を逸脱しない範囲での変更又は改良を加えたものも本発明の技術的範囲に含まれ、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0088】
1…案内システム、10…携帯端末、11…画面、20…事業者装置、30…認証装置、40…利用履歴データベース、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8