(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ランプ装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/232 20160101AFI20220922BHJP
F21K 9/61 20160101ALI20220922BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20220922BHJP
F21V 17/14 20060101ALI20220922BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220922BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20220922BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220922BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220922BHJP
【FI】
F21K9/232 100
F21K9/61
F21V17/00 400
F21V17/14
F21V19/00 232
F21V8/00 360
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2018184201
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100200159
【氏名又は名称】河野 仁志
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 康広
(72)【発明者】
【氏名】小川 光三
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059441(JP,A)
【文献】実公昭47-042688(JP,Y1)
【文献】特開2016-162594(JP,A)
【文献】実開平04-046305(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/232
F21K 9/61
F21V 17/00
F21V 19/00
F21V 8/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に係合部を有する筐体と;
前記筐体の一端側に設けられる発光部と;
前記筐体の一端側を覆うグローブと;
前記グローブ内に配設され、前記発光部から放出された光が入射される光学部材と;
前記光学部材を保持するとともに前記筐体の一端側を覆うカバー部と、
前記カバー部の表面の周辺部から一端側に突出する複数の膨出部と、前記カバー部の側周部に設けられた
複数の係止部とを有し、
前記膨出部は、前記係止部に対応した位置に設けられ、前記係止部は、平面部とこの平面部から周方向に沿って徐々に厚さが減少する傾斜部とを有する爪部であり、前記平面部から前記傾斜部に沿った周方向に回動することで、前記傾斜部が前記係合部に入り込み、前記平面部が弾性変形するとともに前記係合部に入り込んで前記筐体に保持される支持体と;
を具備することを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記係止部は爪部であり、前記支持体は、前記爪部を少なくとも2つ以上有することを特徴とする請求項1に記載のランプ装置
。
【請求項3】
前記光学部材は、側周面から突出する取付部を有し、
前記カバー部は、前記光学部材の前記取付部を挟持して保持する光学部材保持部を有することを特徴とする請求項1
または2に記載のランプ装置。
【請求項4】
前記光学部材保持部の高さは、前記取付部の高さよりも低いことを特徴とする請求項
3に記載のランプ装置。
【請求項5】
請求項1ないし
4のいずれか一項に記載のランプ装置と;
前記ランプ装置の給電部を接続するソケットと;
を具備することを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ランプ装置、およびこのランプ装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明なガラスグローブを用い、フィラメントが直接見える白熱クリア電球がある。この白熱クリア電球の点灯時には、ガラスグローブを透過して直接見えるフィラメントから強い光が出ることで、きらめき感が得られ、照明の演出効果が得られる。
【0003】
また、発光素子を光源とし、透明なグローブを用い、白熱クリア電球に代替可能なランプ装置がある。このランプ装置は、光学部材である導光体を用いてきらめき感が得られるものであり、円柱状の導光体をカバー部で支持し、このカバー部を筐体の一端側にねじ止めすることにより、導光体およびカバー部を筐体に取り付けている。
【0004】
しかしながら、このようなランプ装置では、カバー部を筐体にねじ止めする場合、ねじの本数が多いほど組み立てに際しての作業時間がかかり煩雑になりやすい。また、各ねじの締め付けによる負荷が異なりカバー部に傾きが生じた場合、グローブ内での導光体の出射部側の位置のばらつきや導光体の入射部側と発光部との距離のばらつきが生じ、光学特性に影響する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、光学部材を保持したカバー部を容易に筐体部に取り付けることができるランプ装置および照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のランプ装置は、筐体と、発光部と、グローブと、光学部材と、支持体とを備える。筐体は、一端側に係合部を有する。発光部材は筐体の一端側に設けられる。グローブは筐体の一端側を覆う。光学部材はグローブ内に配設され発光部から放出された光が入射される。支持体は、光学部材を保持するとともに筐体の一端側を覆うカバー部と、カバー部の表面の周辺部から一端側に突出する複数の膨出部と、カバー部の側周部に設けられた複数の係止部を有する。膨出部は、係止部に対応した位置に設けられる。係止部は、平面部とこの平面部から周方向に沿って徐々に厚さが減少する傾斜部とを有する爪部であり、平面部から傾斜部に沿った周方向に回動することで、傾斜部が係合部に入り込み、平面部が弾性変形するとともに係合部に入り込んで前記筐体に保持される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光学部材を保持したカバー部を容易に筐体部に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態を示すランプ装置の一部の断面図である。
【
図4】同上ランプ装置の支持体および導光体の平面図である。
【
図6】同上ランプ装置の導光体と支持体との組立手順を説明する斜視図である。
【
図7】同上ランプ装置の
図6に続く組立手順を説明する斜視図である。
【
図8】同上ランプ装置の
図7に続く組立手順を説明する平面図である。
【
図9】同上ランプ装置を用いた照明装置の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1ないし
図3にランプ装置10を示す。ランプ装置10は、一般照明に用いられる白熱電球用のソケットに接続して使用可能な電球形ランプである。ランプ装置10は、たとえば、E17型口金を用いるミニクリプトンに相当する寸法および形状に形成されている。
【0012】
ランプ装置10は、筐体11を備えている。この筐体11の一端側に、放熱板12、発光モジュール13、光学ユニット14を構成する光学部材15および支持体16、グローブ17が配設され、また、筐体11の内部に、絶縁ケース18および電源部19が配設され、さらに、筐体11の他端側に、給電部20が配設されている。なお、ランプ装置10は、グローブ17から給電部20に亘って仮想のランプ中心軸zを有しており、このランプ中心軸zに沿った方向において、グローブ17側を一端側、給電部20側を他端側と呼んで説明する。
【0013】
筐体11は、金属材料によって形成されている。たとえば、筐体11はアルミダイカスト製である。筐体11は、一端側の径が他端側の径よりも大きく、一端側から他端側に向けて縮径する円筒状に形成されている。筐体11の内部には、一端および他端に開口する空洞部が形成されている。筐体11の一端面には、放熱板12の周辺部が載置される載置面23が形成され、この載置面23に放熱板12および発光モジュール13を一体に共締め固定する複数のねじ24が螺着するねじ孔を有する複数のボス部が形成されている。筐体11の一端側には、載置面23の周辺部から環状の環状部25が突設され、この環状部25の先端内周から環状の係止縁部26が突設されている。筐体11の一端側には、この載置面23と環状部25と係止縁部26とにより構成される溝部28が形成される。この載置面23と環状部25と係止縁部26は、支持体16の側周面から突出した係止部57を保持する係合部であり、係止縁部26には、係止部57が一端側から他端側へ向かって挿通する切欠部27が形成されている。この係止部57は、たとえば、爪状の突起である。以降、係止部57は爪部として説明する。爪部57の詳細については後述する。
【0014】
また、放熱板12は、たとえばアルミニウムなどの金属材料によって略円板状に形成されている。放熱板12の一端面に発光モジュール13が熱伝導可能に接触され、放熱板12の他端面の周辺部が筐体11の載置面23に載置されて熱伝導可能に接触される。
【0015】
また、発光モジュール13は、基板29、この基板29の一端側の面に形成された発光部30を備えている。
【0016】
基板29は、絶縁材料または金属材料で略円板状に形成され、一端側の面に配線パターンが形成されている。基板29が金属材料の場合には、基板29の一端側の面に絶縁膜が形成され、この絶縁膜上に配線パターンが形成されている。基板29の一端側の面の中央に発光部30が実装され、周辺部には電源部19との接続用のコネクタ31が実装されている。また、基板29の周辺部には、各ねじ24が挿通する挿通用の切欠きが複数形成されているとともに、発光モジュール13と電源部19との配線用の切欠きが形成されている。
【0017】
発光部30は、発光素子を用いている。発光部30の表面は、平面状の発光面として構成されている。発光部30は、発光素子としてのLEDを用いたCOB(Chip On Board)モジュールが用いられている。なお、発光モジュール13はSMD(Surface Mount Device)パッケージで構成してもよく、また、発光部30にはLED以外のたとえば有機ELなどを用いてもよい。
【0018】
また、
図1ないし
図8に示すように、光学ユニット14は、光学部材15と支持体16とが一体に組み立てられて構成されている。
【0019】
光学ユニット14の光学部材15は、たとえばシリコーン樹脂等の透明な樹脂、またはガラスなどによって形成されている。光学部材15は、たとえば一端側がグローブ17内に突出するとともに他端側が発光部30に対向する円柱状の導光柱36、およびこの導光柱36の他端側部から突出する一対の取付部37を有した導光体である(以降、光学部材15を導光体15として説明する)。
【0020】
導光柱36の直径は、たとえば4~9mm程度である。導光柱36は、一端側の直径が他端側の直径よりも細く、一端側に向かって先細りとなる形状に形成されている。導光柱36の一端側は、グローブ17内の軸方向の中央域に突出されている。グローブ17内の軸方向の中央域は、グローブ17内の軸方向の中心、およびその中心付近を含む。
【0021】
導光柱36の他端側の面には、発光部30から放射される光が入射する入射面38が形成されている。入射面38の大きさ(直径)は、発光部30の発光面の外形よりも大きくなっている。
【0022】
導光柱36の一端側には、入射面38から入射して導光柱36内を導光される光を導光柱36の外部に放射する光放射部39が形成されている。この光放射部39には、導光柱36内を導光される光を、導光柱36の一端側である前方から他端側である斜め後方に亘る広い範囲へ向けて放射するためのプリズム40が形成されている。そして、この導光柱36の光放射部39から強い光を放射することにより、白熱クリア電球が点灯しているような、きらめき感が再現される。
【0023】
導光体15の取付部37は、一対で、導光柱36の他端側周面から互いに反対方向に向けて突設されている。取付部37と入射面38とにより、入射面38に対向する発光部30を収容する凹部35が形成されている。取付部37の外端面は、導光体15の中心軸を中心とする円弧状に形成されている。
【0024】
また、光学ユニット14の支持体16は、導光体15を保持し、筐体11の一端側に取り付けられる。支持体16は、絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。支持体16は、中央が一端側に突出する円錐状のカバー部42を有している。カバー部42は、筐体11の一端側に取り付けられ、その筐体11の一端側および発光モジュール13などを覆う。カバー部42の一端側の面である表面には、たとえばメッキ処理によって高反射率の反射面が形成されている。
【0025】
カバー部42の中央の頂部には、導光柱36が挿通される挿通孔43が形成されている。 カバー部42の他端側の面である内側には、挿通孔43を介して導光体15の取付部37を保持する光学部材保持部が形成される。この光学部材保持部は、取付部37が載置される一対の台部45および取付部37の側周面を挟み込む周壁部47を有する。この台部45の表面から周壁部47の表面までの高さは、取付部15の高さ(厚さ)よりも低く形成されている。導光体15は、取付部37が周壁部47に挟み込まれることでカバー部42に保持される。
【0026】
具体的には、
図4(支持体16を他端側から見た図)に示すように、カバー部42の周壁部47の短手方向の離間距離をA、長手方向の離間距離をBとし、導光体15の取付部37の短手方向の幅をC、長手方向の幅をDとした場合、周壁部47の短手方向の離間距離Aが導光体15の取付部37の幅Cよりも狭く、すなわち、短く形成されている。一方、周壁部47の長手方向の離間距離Bは、取付部37の長手方向の幅Dよりも広く、すなわち、長く形成される。この寸法関係により、導光柱36を支持体16の他端側から挿通孔43に挿入し、導光体15の取付部37を支持体16の台部45に当接させるとともに周壁部47の間に圧入し、導光体15を支持体16に取り付けることができる。これにより、周壁部47の短手方向の応力により導光体15が挟持され保持されるとともに、不必要な応力を長手方向に逃がすことができる。
【0027】
カバー部42の周辺部には、一端側に突出する膨出部53が3つ形成されている。
図3に示すように、そのうちの1つの膨出部53の内側は、空間が形成されこの空間に発光モジュール13の基板29に実装されているコネクタ31の少なくとも一部が収容配置される。この膨出部53は、後述するカバー部42の周辺部に設けられた爪部57に対応した位置に設けられる。
【0028】
カバー部42の側周部41からは、支持体16を筐体11に取り付けるための爪部57が突設されている。爪部57は、3つ設けられ、それぞれが支持体16の中心に対して略120°の回転対称となる位置に設けられており、表面が周方向に沿って傾斜するように形成される。具体的には、
図5に示すように、爪部57は、筐体11の載置面23と係止縁部26と間の幅つまり溝部28と略同一の厚さである平面部58と、この平面部58から周方向に沿って徐々に厚さが減少する傾斜部59を有した構成である。
【0029】
これにより、カバー部42は、爪部57を筐体11の切欠部27に挿通し、カバー部42を平面部58から傾斜部59に沿った周方向に回動させることにより傾斜部59が溝部28に入り込み、平面部58が弾性変形するとともに溝部28に入りこむことで筐体11に保持される。
【0030】
つまり、筐体11の載置面23と環状部25と係止縁部26は、爪部57を保持する係合部である。また、グローブ17は、たとえば透明な材料によって形成されている。透明な材料としては、樹脂やガラスが用いられる。グローブ17は、中空状で、一端側が半球形状に形成され、他端側が開口されている。グローブ17の他端側には、筐体11の係止縁部26の内側に嵌合される嵌合縁61が突設されている。この嵌合縁61には係止縁部26に係止される複数の係止爪62が突設されている。そして、グローブ17の軸方向の中央領域に、導光体15の先端の光放射部39が配置されている。
【0031】
また、絶縁ケース18は、絶縁性を有する樹脂材料によって円筒状に形成されている。絶縁ケース18は筐体11に一端側から挿入され、筐体11の他端側から突出する絶縁ケース18の他端側に固定リング64が取り付けられることにより、絶縁ケース18が筐体11に固定されている。絶縁ケース18の他端側には給電部20が取り付けられている。絶縁ケース18内の対向する2箇所には、一対の基板保持部65が中心軸に沿って形成されている。
【0032】
また、電源部19は、給電部20から入力する交流電源などの外部電源を直流電源などの点灯電源に変換して発光モジュール13に供給する。電源部19は、回路基板、およびこの回路基板に実装された複数の回路部品を有している。回路基板は、絶縁ケース18の一端側から、一対の基板保持部65間に挿入されて絶縁ケース18に保持されている。そして、電源部19の外部電源の入力部は配線によって給電部20に電気的に接続され、電源部19の点灯電源の出力部は配線によって発光モジュール13のコネクタ31に電気的に接続されている。
【0033】
また、給電部20は、たとえばE17型の一般照明白熱電球用のソケットに接続可能な口金が用いられている。なお、給電部20は、ランプの種類に合わせてE26型などの口金を用いてもよい。また、給電部20は、口金に限らず、ランプの種類によっては一対のピンでもよい。
【0034】
次に、
図9には、ランプ装置10を使用する照明装置80の概略正面図を示す。照明装置80は、たとえば壁面取付器具であり、台座81の上面にたとえば透明な透光カバー82が配設されているとともに、この透光カバー82の内側にソケット83がランプ接続方向を上方へ向けて配設されている。
【0035】
ランプ装置10は、給電部20がソケット83に接続されることにより、グローブ17の頂部が上方に向けられた状態に装着される。
【0036】
次に、ランプ装置10の組み立てについて説明する。
【0037】
絶縁ケース18の一端側から電源部19を組み込むとともに、筐体11の一端側から絶縁ケース18を組み込み、固定リング64で固定する。筐体11の一端側に放熱板12および発光モジュール13を配置し、複数のねじ24で発光モジュール13の基板29および放熱板12を筐体11に共締め固定し、基板29および放熱板12を筐体11に熱的に結合する。電源部19と発光モジュール13のコネクタ31とを配線で接続する。
【0038】
その後、導光体15と支持体16を一体に組み立てた光学ユニット14を筐体11の一端側に取り付ける。
【0039】
光学ユニット14の導光体15と支持体16を組み立てるには、
図6および
図7に示すように、導光体15の導光柱36を支持体16の他端側から挿通孔43に挿入し、導光体15の取付部37を支持体16の台部45に当接させるとともに周壁部47の間に圧入し、導光体15を支持体16に取り付ける。
【0040】
そして、導光体15と支持体16を組み立てた状態では、導光体15の取付部37の一端側の面の両側部が支持体16の台部45に当接し、導光体15の取付部37の側周面が支持体16の周壁部47に挟まれた状態で、導光体15が支持体16に保持される。
【0041】
そして、光学ユニット14を筐体11の一端側に取り付けるには、
図8に示すように、支持体16の爪部57を筐体11の切欠部27の位置に合わせ、一方の方向に回転させる。この一方の方向とは、爪部57の平面部58から傾斜部59に沿った方向である(図示上、反時計方向)。この方向に支持体16を回転させることにより爪部57の傾斜部59が溝部28に入り込み、平面部58が弾性変形するとともに溝部28に入りこむことで筐体11に保持される。そのため、支持体16は導光体15を保持した状態で容易に筐体11に取り付けることができる。
【0042】
さらに、光学ユニット14を筐体11に取り付けると導光体15は、取付部37の他端側が基板29に当接されるととともに一端側がカバー部42の台部45に押圧される。つまり、支持体16の台部45の表面から周壁部47の表面までの高さは、取付部15の高さよりも低く形成されているため、周壁部47が基板29に当たることなく取付部37を基板29に当接することができる。そのため、導光体15は、取付部37が基板29およびカバー部42で上下方向に挟まれ押圧されるとともに、周壁部47により横方向に挟持されるため、カバー部42の簡易な構成で安定した保持をすることができる。
【0043】
その後、載置面23と係止縁部26との間の溝に例えばシリコーン樹脂の接着材を充填しグローブ17を筐体11の一端側に取り付け、また、給電部20を筐体11(絶縁ケース18)の他端側に取り付ける。
【0044】
なお、ランプ装置10の組立順序は、このような順序に限定されるものではなく、組立順序を適宜変更してもよい。
【0045】
そして、ランプ装置10を装着した照明装置80において、外部電源がソケット83を通じてランプ装置10に供給されると、電源部19が外部電源を所定の点灯電源に変換して発光モジュール13に供給する。これにより、発光モジュール13の発光部30から光が放射される。
【0046】
発光部30から放射される光は、導光体15の入射面38から導光柱36内に入射し、導光柱36内を光放射部39へ向けて導光される。光放射部39に導光された光は、プリズム40の作用により、導光柱36の一端側である前方から他端側である斜め後方に亘る広い範囲へ向けて放射される。導光柱36の光放射部39から放射される光は、グローブ17を透過し、照明空間に照射される。
【0047】
ランプ装置10の点灯時には、導光体15の導光柱36の先端つまり光放射部39から強い光が放射されるため、白熱クリア電球が点灯しているような、きらめき感を再現することができる。
【0048】
支持体16のカバー部42の表面に高反射率の反射面が形成されているため、カバー部42の表面に向かった一部の光がグローブ17の外へ反射され、ランプ効率が向上する。
【0049】
このように、本実施形態のランプ装置10は、光学部材15を保持した支持体16の側周部41から突出した爪部57を有し、支持体16を周方向の回動することにより容易に筐11の一端側に装着することができる。
【0050】
さらに、導光体15は、導光柱36を挿通孔43に挿通させ取付部37を周壁部47に圧入することにより支持体16に保持されるため、容易に導光体15を支持体16に保持させることができる。このため、ねじなどの取付部品を必要としないため材料および組立て時の作業工程を削減できるとともにコスト削減をすることができる。
【0051】
また、支持体16は、爪部57によって筐体11に取り付けることができるため、金属製ねじなどの別の取付部品を不要にすることができる。このように、熱膨張係数が大きい金属製ねじなどを使用しないことで済むことにより、金属製ねじなどの熱膨張や熱収縮による支持体16への応力の影響による破損を防止することができるとともに、金属製ねじなどの締め付け度合の違いによる支持部16および導光体15の傾きの発生を軽減できるため、安定した光学特性を得ることができる。
【0052】
さらに、支持体16の爪部57は、カバー部42の周辺部の他の箇所よりも強度の高い膨出部53の側周部41に設けられているため、組立時の爪部57の破損を防止できるとともに、爪部57による筐体11への取付強度を向上できる。
【0053】
また、膨出部53は爪部57に対応して設けられているため、カバー部42を筐体11に取り付ける際に、爪部57の位置を容易に確認できるとともに、カバー部42を周方向に回動する際にこの膨出部53に指を掛けて回すことができるため施工性が良好となる。
【0054】
さらに、膨出部53設けることで発光モジュール13の基板29と膨出部53との間に空間が形成されるため、発光モジュール13の基板29に実装されているコネクタ31とカバー部42が接触することを防ぐことができる。そのため、膨出部53を設けることによりコネクタ31の配置の自由度を得ることができる。つまり、膨出部53を設けることで、良好な施工性とコネクタ31の配置の自由度を得ることができる。
【0055】
なお、実施形態では、光学部材15に導光体としてプリズムを形成した構成について説明したがプリズムに限ったものではなく、たとえば、ガラスや樹脂製のレンズなどを適用してもよい。
【0056】
また、実施形態では爪部57および膨出部53がそれぞれ3つ設けられた構成について説明したが、これに限るものではなく2つ以上であればよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10 ランプ装置
11 筐体
15 光学部材(導光体)
16 支持体
17 グローブ
20 給電部
30 発光部
36 導光柱
37 取付部
41 側周部
42 カバー部
43 挿通孔
53 膨出部
57 係止部(爪部)
80 照明装置
83 ソケット