(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20220922BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20220922BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20220922BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/20
H05B45/10
(21)【出願番号】P 2021102472
(22)【出願日】2021-06-21
(62)【分割の表示】P 2020005710の分割
【原出願日】2015-11-17
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100200159
【氏名又は名称】河野 仁志
(74)【代理人】
【識別番号】100142664
【氏名又は名称】熊谷 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洵子
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162300(JP,A)
【文献】国際公開第2010/061913(WO,A1)
【文献】特開2014-222581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/155
H05B 45/20
H05B 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体と;
前記器具本体内
の前記照射開口側に配設される主光源と;
前記主光源よりも前記器具本体内
の天板側に配設される副光源と;
を具備し、
前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、
前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であり、前記主光源は前記副光源よりも光束が大きいことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、主光源および副光源を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、器具本体に白色光を発光する主光源と白色光とは異なる任意の色の光を発光する副光源とを設け、これら光源を拡散カバーで覆った照明装置がある。この照明装置では、拡散カバーの全体が均一の色および輝度となるように制御している。
【0003】
また、主光源には例えば昼光色および電球色などの色成分の光を出力可能とし、主光源の調色ができるものがある。この主光源の調色時に、副光源の光によって違和感などが生じないように副光源を適切に制御する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、主光源の調色制御のときに副光源を適切に制御できる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体と;前記器具本体内の前記照射開口側に配設される主光源と;前記主光源よりも前記器具本体内の天板側に配設される副光源と;を具備し、前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であり、前記主光源は前記副光源よりも光束が大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光源の調色制御を適切に制御することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す照明装置での相関色温度と光の強さとの関係を示す説明図である。
【
図7】同上照明装置の用いた照明制御システムのブロック図である。
【
図8】第2の実施形態を示す照明装置での相関色温度と光の強さとの関係を示す説明図である。
【
図9】第3の実施形態を示す照明装置での相関色温度と光の強さとの関係を示す説明図である。
【
図10】第4の実施形態を示す照明装置での相関色温度と光の強さとの関係を示す説明図である。
【
図11】第5の実施形態を示す照明装置での相関色温度と光の強さとの関係を示す説明図である。
【
図12】第6の実施形態を示す照明装置での相関色温度と光の強さとの関係を示す説明図である。
【
図13】同上照明装置の用いた照明制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図7を参照して説明する。
【0010】
図5に示すように、照明装置10は、天井面11に形成された埋込孔に埋め込み設置される天井埋込形照明装置である。
【0011】
図2および
図3に照明装置10の構成を示す。照明装置10は、器具本体12、拡散カバー13、化粧枠14、主光源15および副光源16を備えている。
【0012】
そして、器具本体12は、四角形箱状に形成されており、天板20、この天板20に沿った第1の方向aで互いに対向する側板21、および第1の方向aに直交する第2の方向bで互いに対向する側板22を有している。器具本体12の下面には、四角形状の照射開口23が形成されている。天板20および側板21,22の組み立てには本体枠24が用いられている。
【0013】
天板20および側板21,22の内面は、例えば白色面などの反射率の高い反射面25に形成されている。
【0014】
また、
図2ないし
図4に示すように、拡散カバー13は、透光性および光拡散性を有する例えば乳白色の樹脂材料を用い、例えば圧空成形法によって一体に形成されている。拡散カバー13は、一方の対向する辺を結ぶ湾曲方向(第1の方向a)に湾曲されるとともに他方の対向する辺を結ぶ幅方向(第2の方向b)には直線状に形成されたカバー部13A、このカバー部13Aの湾曲方向(第1の方向a)に対して直交する幅方向(第2の方向b)の両側面に設けられた側面部13B、これらカバー部13Aおよび側面部13Bの下端周辺部から外側方向に突設された縁部13Cを有している。拡散カバー13は、周辺部の縁部13Cが化粧枠14に嵌め込まれて取り付けられている。
【0015】
拡散カバー13のカバー部13Aは、主光源15および副光源16からの光が照射されて発光する発光面13Dである。
【0016】
化粧枠14に取り付けられた拡散カバー13は、照射開口23を覆って器具本体12に配設され、器具本体12の内側に向けて窪むように湾曲されている。
【0017】
拡散カバー13(発光面13D)は、湾曲方向(第1の方向a)の中央領域13aおよびこの中央領域13aの両端の端部領域13bを有し、中央領域13aの頂部が器具本体12の中心に一致するように構成されている。
【0018】
また、化粧枠14は、中央に四角形状の開口部28を有する四角形枠状に形成され、器具本体12の側板21,22の下端に取り付けられている。すなわち、化粧枠14は、器具本体12の照射開口23の周囲に設けられている。
【0019】
化粧枠14は、四角形枠状に設けられた化粧板部29、およびこの化粧板部29の上面から立ち上げられて側板21,22に取り付けられる取付部30を備えている。
【0020】
化粧板部29の外周側には、天井面11の埋込孔を覆って天井面11に対向される縁部31が設けられている。
【0021】
第1の方向aの化粧板部29の内側縁には、それぞれ化粧枠14の中央方向に向けて突出する対向部32が設けられている。対向部32は、拡散カバー13の端部領域13bの下面との間に間隙を設けて、拡散カバー13の端部領域13bの下面に対向されている。対向部32の上面は、例えば白色面などの反射率の高い反射面に形成されている。
【0022】
本実施形態では、化粧枠14は、第1の方向aの両側に位置する化粧板部29の幅が、第2の方向bの両側に位置する化粧板部29の幅よりも広く設けられている。なお、第2の方向bの化粧板部29の内側縁にも対向部32を設けて、化粧板部29の全周の幅を同じ幅としてもよい。
【0023】
また、主光源15は、器具本体12内の第1の方向aの両端部側の位置で、それぞれ第2の方向bに沿って設けられている。
【0024】
主光源15は、調色制御が可能であって、所定の色成分の光を含み、例えば一般の照明光に用いられる昼光色、昼白色および電球色などの白色光が出射される。なお、主光源15としては白色光以外の光を出射できるように構成してもよい。本実施形態では、例えば、相関色温度が5000Kの昼光色の光を発光する第1の主光源15a、および相関色温度が2700Kの電球色の光を発光する第2の主光源15bを備えている。また、第2の主光源15bに比べて相関色温度が高い第1の主光源15aは、所定の色成分として青色が含まれる割合が高い。
【0025】
主光源15には、発光モジュール35が用いられている。発光モジュール35は、基板36、およびこの基板36に実装された複数の発光素子37を備えている。基板36は、器具本体12の第2方向bに細長い長方形に形成され、表面に配線パターンが形成されている。複数の発光素子37は、基板36の配線パターン上に、基板36の幅方向の中央に1列または複数列で、基板36の長手方向に沿って所定の間隔をあけて実装されている。発光素子37には、例えば表面実装形のLEDが用いられる。
【0026】
第1の主光源15aの発光素子37と第2の主光源15bの発光素子37とは基板36の長手方向に沿って2列に配列され、あるいは、第1の主光源15aの発光素子37と第2の主光源15bの発光素子37とは基板36の長手方向に沿って交互に1列状に配列され、第1の主光源15aの発光素子37と第2の主光源15bの発光素子37とが独立して点灯制御できるようにそれぞれ電気的に接続されている。
【0027】
発光素子37を用いた主光源15は、発光素子37の発光面の中心に垂直な方向であって配光ピークとなる光軸38を中心として例えば120°の範囲(
図1の破線の範囲)に光を照射する。
【0028】
主光源15は、取付部材39によって器具本体12の第1の方向aの側板21の内面に取り付けられている。取付部材39によって、主光源15は、発光素子37の光軸38が、器具本体12の下面に対して拡散カバー13の中央領域13aの方向に向けて所定の角度θで傾斜するように取り付けられている。その所定の角度θは、発光素子37からの光が拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに亘って照射されるように、例えば45°に設定されている。
【0029】
したがって、主光源15は、器具本体12内の第1の方向aの両端部側にそれぞれ設けられ、拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに亘って対向し、拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに亘って光を照射する。そして、1つの主光源15の光束は例えば3000lm程度で、照明装置10が備える2つの主光源15の合計の光束は6000lm程度となっている。
【0030】
なお、主光源15は、拡散カバー13の端部領域13bに光を均一に照射するために、光拡散性を有する光源カバーで覆うようにしてもよい。
【0031】
また、副光源16は、器具本体12内の中央の位置で、第2の方向bに沿って設けられている。
【0032】
副光源16は、主光源15が発光する光に含まれる所定の色光成分の光を発光する。副光源16が発光する色成分の光としては、例えば、青色や赤色のうちの1色またはそれらの2色、あるいは、赤色、緑色および青色の3色などの複数色の場合が含まれる。第1の実施形態では、副光源16は、青色の光を発光するものとする。
【0033】
副光源16には、発光モジュール42が用いられている。発光モジュール42は、基板43、およびこの基板43に実装された複数の発光素子44を備えている。基板43は、器具本体12の第
2方向bに細長い長方形に形成され、表面に配線パターンが形成されている。複数の発光素子44は、基板43の配線パターン上に、基板43の幅方向の中央に1列または複数列で、基板43の長手方向に沿って所定の間隔をあけて実装されている。発光素子44には、例えば表面実装形のLEDが用いられている。
【0034】
発光素子44を用いた副光源16は、発光素子44の発光面の中心に垂直な方向であって配光ピークとなる光軸45を中心として例えば120°の範囲(
図1の破線の範囲)に光を照射する。
【0035】
副光源16は、発光素子44の光軸45が拡散カバー13の中央領域13aの頂部に垂直に対向するように、すなわち、発光素子44の光軸45が器具本体12の下面に対して垂直となるように、器具本体12の天板20の下面中央に取り付けられている。
【0036】
したがって、副光源16は、器具本体12内の中央に設けられ、拡散カバー13の中央領域13aに対向し、拡散カバー13の中央領域13aに光を照射する。そして、副光源16の光束は、副光源16の光が青色光の場合には例えば270lm程度となっている。なお、照明装置10が主光源15からの光による主照明の機能を維持し、かつ副光源16からの光によって空間が変色することを抑制するためには、副光源16の光束は1つの主光源15の光束よりも小さく、例えば1/5以下、さらには1/7以下であることが好ましい。
【0037】
なお、副光源16は、拡散カバー13の中央領域13aに光を均一に照射するために、光拡散性を有する光源カバーで覆うようにしてもよい。
【0038】
また、
図6に示すように、照明装置10は、主光源15および副光源16をそれぞれ点灯、消灯、および調光させる調光信号を出力する調光装置50を備えている。調光装置50は、主光源15の第1の主光源15aおよび第2の主光源15bのそれぞれに個別に電源を供給する主電源部51,51b、副光源16に電源を供給する副電源部52に、調光信号を入力して主光源15の第1の主光源15aおよび第2の主光源15bおよび副光源16をそれぞれ点灯・消灯および調光させる。調光装置50は制御部53を備え、制御部53により、第1の主光源15aおよび第2の主光源15bのそれぞれを個別に調光制御し、これによって主光源15を調色制御する。制御部53は、入力される調光信号に応じて副光源16の光の増減を制御する。なお、主電源部51a,51b、副光源16に電源を供給する副電源部52を調光装置50と一体的に設ける構成としてもよい。
【0039】
また、
図7に、複数の照明装置10を用いた照明制御システム60を示す。この照明制御システム60は、制御装置61、複数の照明装置10、およびこれら制御装置61と各照明装置10とをそれぞれ通信可能に接続する2系統の信号線62を備え、各系統はそれぞれ2線の調光線で構成されている。そして、制御装置61は、調光信号を各照明装置10に送り、各照明装置10を点灯、消灯、調光および調色させる。調光信号には、第1の主光源15aおよび第2の主光源15bのそれぞれの調光率の信号が含まれている。すなわち、2系統の信号線62,62のうち一方は第1の主光源15aの調光率、他方は第2の主光源15bの調光率に関する情報を伝送する。
【0040】
次に、照明装置10の動作について説明する。
【0041】
主光源15および副光源16にそれぞれ主電源部51a,51bおよび副電源部52から電源を供給することにより、主光源15および副光源16がそれぞれ点灯する。
【0042】
主光源15からの光が拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに照射され、副光源16からの光が拡散カバー13の中央領域13aに照射され、拡散カバー13の発光面13Dが光る。
【0043】
この場合、
図5に示すように、拡散カバー13の端部領域13bは主光源15からの光によって昼光色(または電球色)に光り、拡散カバー13の中央領域13aは副光源16からの光によって青色に光る。
【0044】
拡散カバー13を透過した主光源15からの光が照明空間に照射される。この場合、主光源15が器具本体12の端部側に設けられ、主光源15の光軸38を照明装置10の中央方向に向けて傾斜させていることにより、埋込形の照明装置10であっても広い配光角の領域に主光源15からの光を照射することができる。
【0045】
拡散カバー13の中央領域13aに照射される副光源16からの光は、その拡散カバー13の中央領域13aが青色に染まる程度の光束であるため、拡散カバー13の中央領域13aを透過して照明空間に照射される青色の光の光量は主光源15からの光に比べて少ない。
【0046】
そのため、照明空間には、主として主光源15からの光が照射され、例えば読書や作業を行うのに適した照明環境となる。
【0047】
また、拡散カバー13の中央領域13aには、主光源15からの光と副光源16からの光との両方が照射されるが、主光源15からの光の光量が拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに向かうに従って徐々に少なくなるとともに、副光源16からの光の光量が拡散カバー13の中央領域13aの周辺から中央に向かうに従って徐々に多くなる。そのため、拡散カバー13の端部領域13bと中央領域13aとの間には、白色と青色との間で徐々に色が変わるグラデーション領域が形成される。そのため、照明装置10を見上げた際、拡散カバー13の色がグラデーション領域を介して自然に変化しているように見え、光演出効果を高めることができる。
【0048】
拡散カバー13の中央領域13aは、副光源16の光色が青色であっても、この青色と主光源15から出射した白色光とが混色することで、空色に近い青色となる。この場合、照明装置10を見上げた人は、空が連想されやすく、開放感やリラックス感が得られやすくなる。
【0049】
したがって、照明装置10によれば、主光源15からの光による主照明の機能を維持しながら、光演出効果を得ることができる。
【0050】
さらに、拡散カバー13の中央領域13aが器具本体12の内側に窪むように湾曲しているため、副光源16からの光で光る拡散カバー13の中央領域13aが遠くにあるような奥行き感や開放感が得られやすく、光演出効果を向上できる。
【0051】
次に、主光源15を調色する場合について、制御部53による主光源15および副光源16の制御を、
図1を参照して説明する。
図1の横軸は主光源15の相関色温度、縦軸は主光源15および副光源16の光の強さを示している。
【0052】
主光源15の相関色温度が最も低い2700Kの場合には、第1の主光源15aの光の割合は略0%、第2の主光源15bの光の割合は100%である。また、主光源15の相関色温度が最も高い5000Kの場合には、第1の主光源15aの光の割合は100%、第2の主光源15bの光の割合は0%に近い小さい値にある。
図1は便宜上、主光源15の出力が一定となるように相関色温度が2700Kから5000Kまで変化するときの第1の主光源15aおよび第2の主光源15bの光の強さおよび副光源16の光の強さを示している。したがって、本実施形態では相関色温度を一定にした状態で主光源15の光出力を変化させることも可能である。
【0053】
そして、主光源15の明るさが一定(照度が一定)で、主光源15の相関色温度を調色する場合、相関色温度を2700Kから高くしていくと、第1の主光源15aの光が増加し、第2の主光源15bの光が減少していく。このとき、相関色温度の上昇とともに、出射光に含まれる割合が増加する色成分を主光源15に含まれる所定の色成分とする。本実施形態では所定の色成分を青色成分として説明する。同様に、相関色温度を5000Kから低くしていくと、第1の主光源15aの光が減少し、第2の主光源15bの光が増加していく。このとき、上述した通り相関色温度の低下とともに、出射光に含まれる所定の色成分の割合は減少する。したがって、第1の主光源15aの光の増減と第2の主光源15bの光の増減とが逆転していることにより、主光源15の明るさが一定(照度が一定)で、主光源15の相関色温度が調色される。
【0054】
また、第1の主光源15aと第2の主光源15bとの光が混光したときの相関色温度が所定値よりも小さい場合、すなわち所定の色成分の光が含まれる割合が所定値よりも小さい場合、第1の主光源15aの光の増加に準じて、副光源16の光を増減する。つまり、第1の主光源15aの光が増加して相関色温度が高くなるとき、言い換えると主光源15に含まれる所定の色成分の割合が高くなるときには副光源16の光も増加し、第1の主光源15aの光が減少し相関色温度が低くなるとき、言い換えると所定の色成分の光が含まれる割合が所定値よりも小さいときには副光源16の光も減少する。
【0055】
これにより、発光面13Dの端部領域13bが昼光色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの青色感を強くし、青空のような演出効果が得られ、また、発光面13Dの端部領域13bが電球色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの青色感を弱くし、夕焼け空のような演出効果を得ることができる。
【0056】
また、第1の主光源15aと第2の主光源15bとの光が混光したときの相関色温度が所定値よりも大きい場合、すなわち所定の色成分の光が含まれる割合が所定値よりも大きい場合、副光源16の光の増減を、第1の主光源15aの光の増減に対して逆転させる。つまり、第1の主光源15aの光が増加して相関色温度が高くなるとき、言い換えると主光源15に含まれる所定の色成分の割合が高くなるときには副光源16の光が減少し、第1の主光源15aの光が減少して相関色温度が低くなるとき、言い換えると所定の色成分の光が含まれる割合が小さくなるときには副光源16の光が増加する。なお、主光源15に含まれる所定の色成分の割合が所定値を超えたときには副光源16の光出力を低下させる態様については種々選択することができる。例えば、主光源15の出射光に含まれる所定の色成分の増加に伴って一定の割合で減少させても良いし、任意の相関色温度のときに消灯させてもよい。
【0057】
これにより、発光面13Dの端部領域13bに、例えば4500K以上の高い相関色温度の白色光が照射されるのに伴って、発光面13Dの中央領域13aが青くなり過ぎて違和感が生じ、演出効果が得られなくなるのを防止できる。
【0058】
なお、所定値Aは、主光源15の出力が一定となるように相関色温度を2700Kから5000Kまで変化させたときに、所定の色成分の割合が所定値になるときの第1の主光源15aの光の強さである。所定値Aのときの副光源16の光の強さは発光面13Dに形成される空の演出効果が得られるとともに違和感を感じないような値に適宜設定される。また、所定の相関色温度のときの副光源16の光の強さは、主光源15の出力が小さいほど小さくなり、その具体的な数値は適宜設定することができ、その値を変更することもできる。
【0059】
したがって、照明装置10によれば、主光源15の調色時に、副光源16を適切に制御することができ、そのため、照明装置10の発光面13Dで違和感のない演出効果が得られる。
【0060】
次に、
図8に第2の実施形態を示す。なお、第1の実施形態と同じ構成については同じ
符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
【0061】
図8の横軸は主光源15の相関色温度、縦軸は主光源15および副光源16の光の強さを示している。
【0062】
上述したように、制御部53により、主光源15は、明るさが一定(照度が一定)で、相関色温度が調色され、また、調色に応じて副光源16も制御される。
【0063】
本実施形態では主光源15に含まれる所定の色成分を赤色として説明する。第2の主光源15bの光が所定値Bよりも小さい場合、主光源15に含まれる所定の色成分の割合が所定値よりも小さいときに第2の主光源15bの光の増加に準じて、副光源16の光を増減する。つまり、第2の主光源15bの光が増加して相関色温度が低くなるときには副光源16の光も増加し、第2の主光源15bの光が減少して相関色温度が高くなるときには副光源16の光も減少する。
【0064】
これにより、発光面13Dの端部領域13bが電球色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aにおいて、日中から夕方にかけての空のような演出効果が得られ、また、発光面13Dの端部領域13bが昼光色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの赤色が弱くなって、違和感を感じることがないようにすることができる。
【0065】
また、第2の主光源15bの光が所定値Bよりも大きい場合、すなわち主光源15に含まれる所定の色成分の割合が所定値よりも大きい場合、副光源16の光の増減を、第2の主光源15bの光の増減に対して逆転させる。つまり、第2の主光源15bの光が増加して相関色温度が低くなるときには副光源16の光が減少し、第2の主光源15bの光が減少して相関色温度が高くなるときには副光源16の光が増加する。
【0066】
これにより、発光面13Dの端部領域13bの電球色感が強くなったときには、発光面13Dの中央領域13aが赤くなり過ぎるのを防止し、違和感のない夕焼け空のような演出効果が得られるようにできる。
【0067】
そして、所定値Bは、発光面13Dに形成される空の演出効果が得られるとともに違和感を感じないような値に適宜設定され、例えば相関色温度が3000Kのところが好ましい。
【0068】
したがって、照明装置10によれば、主光源15の調色時に、副光源16を適切に制御することができ、そのため、照明装置10の発光面13Dで違和感のない演出効果が得られる。
【0069】
次に、
図9に第3の実施形態を示す。なお、第1の実施形態と同じ構成については同じ符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
【0070】
図9の横軸は主光源15の相関色温度、縦軸は主光源15および副光源16の光の強さを示している。
【0071】
上述したように、制御部53により、主光源15は、明るさが一定(照度が一定)で、相関色温度が調色され、また、調色に応じて副光源16も制御される。
【0072】
所定値としては、第1の主光源15aの光の大きさを閾値となる第1の所定値C1と、第2の主光源15bの光を大きさの閾値となる第2の所定値C2が設けられている。
【0073】
第1の主光源15aの光が第1の所定値C1よりも小さいとともに第2の主光源15bの光が第
2の所定値C2よりも小さい場合、副光源16の光を一定、または相関色温度の上昇に伴って僅かに上昇または下降するものとする。
【0074】
また、第1の主光源15aの光が第1の所定値C1よりも大きい場合、第1の主光源15aの光の増減に対して逆転させて副光源16の光を増減する。つまり、第1の主光源15aの光が増加して相関色温度が高くなるときには副光源16の光が減少し、第1の主光源15aの光が減少し、第2の主光源15bの光が増加して相関色温度が低くなるときには副光源16の光が増加する。
【0075】
これにより、発光面13Dの端部領域13bが昼光色になっていくのに伴って、発光面13Dの中央領域13aが青くなり過ぎるのを防止できる。
【0076】
また、第2の主光源15bの光が所定値C2よりも大きい場合、つまり主光源15の出射光に所定の色成分が含まれる割合が所定値以下のときには副光源16の光が減少する。
【0077】
これにより、発光面13Dの端部領域13bの電球色感が強くなったときには、発光面13Dの中央領域13aの青色感を弱くし、夕焼け空のような演出効果が得られるようにできる。つまり、発光面13Dの端部領域13bの電球色感が強くなっていくのに、発光面13Dの中央領域13aの青色で光ってしまうと、夕焼け空のような演出効果が得られなくなるのを防止できる。
【0078】
そして、所定値C1,C2は、発光面13Dに形成される空の演出効果が得られるとともに違和感を感じないような値に適宜設定される。第1の所定値C1は、例えば相関色温度が4500Kのところが好ましく、第2の所定値C2は、例えば相関色温度が3500Kのところが好ましい。
【0079】
したがって、照明装置10によれば、主光源15の調色時に、副光源16を適切に制御することができ、そのため、照明装置10の発光面13Dで違和感のない演出効果が得られる。
【0080】
次に、
図10に第4の実施形態を示す。なお、第3の実施形態と同じ構成については同じ符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
【0081】
図10の横軸は主光源15の相関色温度、縦軸は主光源15および副光源16の光の強さを示している。
【0082】
上述した
図9の第3の実施形態に対して、第1の主光源15aの光が第1の所定値C1よりも小さいとともに第2の主光源15bの光が第2の所定値C2よりも小さい場合、第1の主光源15aの増減に準じて、あるいは、第2の主光源15bの増減に逆転させて、副光源16の光を増加させる。
【0083】
これにより、発光面13Dの端部領域13bが電球色から昼光色に変化する場合、発光面13Dの中央領域13aの青色感を強くし、青空のような演出効果を得ることができる。
【0084】
次に、
図11に第5の実施形態を示す。なお、第3の実施形態と同じ構成については同じ符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
【0085】
図11の横軸は主光源15の相関色温度、縦軸は主光源15および副光源16の光の強さを示している。
【0086】
上述した
図9の第3の実施形態に対して、第1の主光源15aの光が第1の所定値C1より
も小さいとともに第2の主光源15bの光が第2の所定値C2よりも小さい場合、第2の主光源15bの増減に準じて、あるいは、第1の主光源15aの増減に逆転させて、副光源16の光を増加させる。
【0087】
これにより、第1の主光源15aの光が強くなるにつれて、その光で発光面13Dの中央領域13aがより青色感が出るため、第2の主光源16の光を弱くすることにより、発光面13Dの中央領域13aが青色感を一定に保つことができる。
【0088】
次に、
図12および
図13に第6の実施形態を示す。なお、上述した各実施形態と同じ構成については同じ符号を用い、その構成および作用効果についての説明を省略する。
【0089】
図13に示すように、副光源16は、青色の光を発光する第1の副光源16a、および赤色の光を発光する第2の副光源16bを備える。また、副電源部として、第1の副光源16aに電源を供給する第1の副電源部52a、および第2の副光源16bに電源を供給する第2の副電源部52bを備える。
【0090】
図12の横軸は主光源15の相関色温度、縦軸は主光源15および副光源16の光の強さを示している。
【0091】
上述したように、制御部53により、主光源15は、明るさが一定(照度が一定)で、相関色温度が調色され、また、調色に応じて副光源16も制御される。
【0092】
所定値としては、第1の主光源15aの光の大きさを閾値となる第1の所定値C1と、第2の主光源15bの光を大きさの閾値となる第2の所定値C2が設けられている。
【0093】
そして、第1の主光源15aの光が第1の所定値C1よりも小さい場合、第1の主光源15aの光の増加に準じて、第1の副光源16aの光を増減する。つまり、第1の主光源15aの光が増加して相関色温度が高くなるときには第1の副光源16aの光も増加し、第1の主光源15aの光が減少し相関色温度が低くなるときには第1の副光源16aの光も減少する。これにより、発光面13Dの端部領域13bが昼光色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの青色感を強くし、青空のような演出効果が得られ、また、発光面13Dの端部領域13bが電球色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの青色感を弱くし、夕焼け空のような演出効果を得ることができる。
【0094】
さらに、第2の主光源15bの光が第2の所定値C2よりも小さい場合、第2の主光源15bの光の増加に準じて、第2の副光源16bの光を増減する。つまり、第2の主光源15bの光が増加して相関色温度が低くなるときには第2の副光源16bの光も増加し、第2の主光源15bの光が減少して相関色温度が高くなるときには第2の副光源16bの光も減少する。これにより、発光面13Dの端部領域13bが電球色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの赤色感を強くし、日中から夕方にかけての空のような演出効果が得られ、また、発光面13Dの端部領域13bが昼光色になっていくのに伴って発光面13Dの中央領域13aの赤色感を弱くし、違和感を感じることがないようにすることができる。
【0095】
また、第1の主光源15aの光が第1の所定値C1よりも大きい場合、第1の副光源16aの光の増減を、第1の主光源15aの光の増減に対して逆転させる。つまり、第1の主光源15aの光が増加して相関色温度が高くなるときには第1の副光源16aの光が減少し、第1の主光源15aの光が減少して相関色温度が低くなるときには第1の副光源16aの光が増加する。これにより、発光面13Dの端部領域13bが昼光色になっていくのに伴って、発光面13Dの中央領域13aの青くなり過ぎるのを防止し、演出効果が得られなくなるのを防止できる。
【0096】
また、第2の主光源15bの光が第2の所定値C2よりも大きい場合、第2の副光源16bの光の増減を、第2の主光源15bの光の増減に対して逆転させる。つまり、第2の主光源15bの光が増加して相関色温度が低くなるときには第2の副光源16bの光が減少し、第2の主光源15bの光が減少して相関色温度が高くなるときには第2の副光源16bの光が増加する。これにより、発光面13Dの端部領域13bの電球色感が強くなったときには、発光面13Dの中央領域13aが赤くなり過ぎるのを防止し、違和感のない夕焼け空のような演出効果が得られるようにできる。
【0097】
なお、各実施形態において、拡散カバー13は、中心を頂部として周辺部に向けて湾曲する球面状に形成してもよい。この場合、拡散カバー13の周辺部は、四角形状および円形状のいずれでもよい。さらに、主光源15は、器具本体12の側面全周域に設けて、拡散カバー13の外径側から拡散カバー13に白色光を照射するようにすればよい。
【0098】
また、拡散カバー13は、平板状でもよく、あるいは、中央領域13aが器具本体12から突出するように湾曲していてもよい。
【0099】
また、器具本体12の拡散カバー13の中央領域13aに対向してプロジェクタを配設し、拡散カバー13の中央領域13aに対して例えば雲などの映像を投影するようにしてもよい。この場合、福光源16は、主光源15とともに器具本体12の端部側に設けて、光を拡散カバー13の中央領域13aと端部領域13bとの間に照射するようによればよい。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
10 照明装置
15 主光源
16 副光源
53 制御部
60 照明制御システム
61 制御装置
A,B 所定値
C1 第1の所定値
C2 第2の所定値