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特許7144782塑性伸長された掛止舌片および/または限界止めを有する金属薄板からなる電気コンタクトならびにその形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】塑性伸長された掛止舌片および/または限界止めを有する金属薄板からなる電気コンタクトならびにその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20220922BHJP
   H01R 13/42 20060101ALI20220922BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H01R13/11 A
H01R13/42 G
H01R43/16
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018159865
(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2019050195
(43)【公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】201741031018
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】518105024
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクス フランス エスアーエス
(73)【特許権者】
【識別番号】503388120
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ベルギー ビーブイ
(73)【特許権者】
【識別番号】514095099
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TE CONNECTIVITY INDIA PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】ルイヤール,グザヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ドッシュ,リーヴェン
(72)【発明者】
【氏名】シェター,ヴィナヤクマール
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-005465(JP,U)
【文献】実開平05-017951(JP,U)
【文献】特開2004-022482(JP,A)
【文献】特開2004-362973(JP,A)
【文献】特開平10-144378(JP,A)
【文献】特開2016-024902(JP,A)
【文献】米国特許第08944860(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
H01R 13/42
H01R 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ(2)用の電気コンタクト(1)であって、
前記電気コンタクト(1)は、打ち抜きおよび曲げ加工を施した1枚の金属薄板(6)からなり、
前記電気コンタクト(1)は、本体(12)と、掛止舌片(8)と、限界止め(38)と、を備え、
前記掛止舌片(8)は、ベース(10)で前記本体(12)につながり、前記ベース(10)とは反対側に自由端(22)を有し、かつ、
前記掛止舌片(8)は、前記掛止舌片(8)を前記ベース(10)から離れる方向に伸長させる複数のエンボス(48)を含み、
前記掛止舌片(8)は、静止位置(13)では前記限界止め(38)から隔置され、撓み位置(40)では前記限界止め(38)との重なり(42)を形成して前記限界止め(38)に当たる、
電気コンタクト(1)。
【請求項2】
電気コネクタ(2)用の電気コンタクト(1)であって、
前記電気コンタクト(1)は、打ち抜きおよび曲げ加工を施した1枚の金属薄板(6)からなり、
前記電気コンタクト(1)は、本体(12)と、掛止舌片(8)と、限界止め(38)と、を備え、
前記掛止舌片(8)は、ベース(10)で前記本体(12)につながり、前記ベース(10)とは反対側に自由端(22)を有し、かつ、
前記限界止め(38)は、前記限界止め(38)を前記ベース(10)の方へ伸長させる複数のエンボス(48)を含み、
前記掛止舌片(8)は、静止位置(13)では前記限界止め(38)から隔置され、撓み位置(40)では前記限界止め(38)に当たる、
電気コンタクト(1)。
【請求項3】
前記限界止め(38)は、前記限界止め(38)を前記ベース(10)の方へ伸長させる少なくとも1つのエンボス(48)を含んでいる、
請求項1に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項4】
前記掛止舌片(8)または前記限界止め(38)に設けられた前記複数のエンボス(48)は、前記ベース(10)に対して平行な方向に伸長されている、
請求項1または2に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項5】
前記エンボス(48)は、急峻面(49)および傾斜面(50)を有し、
前記傾斜面(50)は、エンボス面に対して前記急峻面(49)より小さい傾斜を有している、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項6】
前記掛止舌片(8)は、補強機構(24)として少なくとも1つのビード(26)を備えており、
前記ビード(26)は、その長辺が、前記ベース(10)から前記自由端(22)の方への方向に延びるように形成されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項7】
前記限界止め(38)は、前記本体(12)から前記ベース(10)の方へ突出している、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項8】
前記撓み位置(40)で、前記掛止舌片(8)の前記自由端(22)は、前記限界止め(38)に当たる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項9】
前記限界止め(38)は、曲げフラップ(74)によって形成されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項10】
前記電気コンタクト(1)は、前記限界止め(38)の下に曲げられた支持体(80)を含み、
前記限界止め(38)は、前記撓み位置(40)で前記支持体(80)と前記掛止舌片(8)との間に配置されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項11】
前記限界止め(38)は、前記本体(12)に対して、前記掛止舌片(8)から離れる方向にずれている、
請求項1から10のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項12】
前記本体(12)は、立方形部分(14)を有し、
前記掛止舌片(8)は、前記立方形部分(14)内に配置され、前記立方形部分(14)の内部(20)から離れる方へ斜めに延び、
前記限界止め(38)は、前記掛止舌片(8)と前記内部(20)との間に配置されている、
請求項1から11のいずれか一項に記載の電気コンタクト(1)。
【請求項13】
金属薄板から電気コンタクト(1)を製造する方法であって、
ベース(10)によって前記金属薄板(6)の本体(12)に取り付けられたままである掛止舌片(8)を、1枚の前記金属薄板(6)から形成するステップと、
前記1枚の前記金属薄板(6)から、前記掛止舌片(8)に重なる前記掛止舌片(8)のための限界止め(38)を形成するステップと、
前記掛止舌片(8)に、前記掛止舌片(8)を前記ベース(10)から離れる方向に伸長させる複数のエンボス(48)を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
金属薄板から電気コンタクト(1)を製造する方法であって、
ベース(10)によって前記金属薄板(6)の本体(12)に取り付けられたままである掛止舌片(8)を、1枚の前記金属薄板(6)から形成するステップと、
前記1枚の前記金属薄板(6)から、前記掛止舌片(8)に重なる前記掛止舌片(8)のための限界止め(38)を形成するステップと、
前記限界止め(38)に、前記限界止め(38)を前記ベース(10)の方へ伸長させる複数のエンボス(48)を形成するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ用の電気コンタクトおよびそのような電気コンタクトを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの電気コンタクトは、電気コンタクトと嵌合電気コンタクト(相手側電気コンタクト)との間に電気接続を確立するために使用される。電気コンタクトは通常、コネクタ、特に電気コネクタのハウジング内へ挿入され、掛止によってその中に固定される。いくつかの例では、電気コンタクトは、検査および/または交換のために取り外すことができる。電気コンタクトをハウジング内にしっかりと留めるために、電気コンタクトは、コネクタ内の相補形の嵌合留め具に係合する掛止舌片を備える。電気コンタクトは、オスでもメスでもよい。電気コンタクトは、打ち抜きおよび曲げ加工を施した金属薄板の単一の断片から作ることができる。特に、掛止舌片は、ベースで本体につながれたまま、たとえば打ち抜きまたは切断によって3つの側で切り離すことができる。
ベースは、ヒンジを形成することができ、掛止舌片は、電気コンタクトが電気コネクタに抜挿されるとき、掛止動作を可能にするようにこのヒンジの周りで弾性的に撓み、またよけるように移動することができる。
【0003】
コンタクトの取り付けまたは取り外し中は、電気コンタクトが変形するというある種のリスクがある。この塑性変形は、掛止力を減少させ、かつ/またはハウジング内の電気コンタクトの位置に影響を及ぼす可能性がある。その結果、電気コネクタ内の電気コンタクトの固定が緩くなったり、固定が弱すぎ、したがって電気コンタクトと嵌合電気コンタクトを接続または切断するときに解放されたりする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、塑性変形のリスクを低減するが依然として非常に大量に低コストで製造できる電気コンタクトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によれば、電気コネクタ用の電気コンタクトによって解決される。この電気コンタクトは、打ち抜きおよび曲げ加工を施した金属薄板の断片から作られ、電気コンタクトは、掛止舌片および本体を備え、掛止舌片は、ベースで本体につながれ、ベースとは反対側に自由端を有する。電気コンタクトは、限界止めをさらに備え、掛止舌片は、静止位置では限界止めから隔置され、撓み位置では限界止めに当たる。
【0006】
この目的はまた、金属薄板から電気コンタクトを製造する方法であって、金属薄板の断片から掛止舌片を形成するステップであり、掛止舌片がベースによって断片の本体に取り付けられたままである、ステップと、この断片から掛止舌片のための限界止めを形成するステップであり、限界止めが掛止舌片に重なる、ステップとを含む方法によって満たされる。
【0007】
限界止めを提供することによって、弾性撓みだけが存在する領域に掛止舌片の撓みを制限することができる。したがって、掛止舌片の塑性撓みが残るのを回避することができる。したがって、掛止舌片が強い力で取り扱われた場合でも、これらの力が限界止めによって吸収されるため、電気コンタクトの幾何形状が保存される。限界止めを金属薄板の本体から形成することによって、打ち抜きおよび曲げ作業を行うことができるため、電気コンタクトを大量に低コストで製造することができる。
【0008】
本発明は、以下の特徴によってさらに改善することができ、これらの特徴はそれぞれ単独でも有利であるが、別個に他の特徴と組み合わせることもできる。
【0009】
たとえば、掛止舌片は、たとえば打ち抜きおよび/または切断によって本体内に形成された開口内に配置することができ、かつ/またはその開口内へ突出することができる。本体から隔置することによって、本体に対する掛止舌片の良好な可動性が確保される。開口は、少なくとも3つの側で掛止舌片を取り囲むことができる。
【0010】
限界止めは、ベースとは反対側である開口の側に配置することができる。特に、掛止舌片は、自由端で限界止めから切り離すことができる。この分離は、切断または打ち抜きから得ることができる。したがって、掛止舌片および限界止めはどちらも、同じ分離処理ステップから得られた端面を有することができる。これらの表面は、たとえば、類似の切断マークおよび変形を共有することができる。
【0011】
有利なてこの作用を獲得し、したがって限界止めに作用する力を減少させるために、撓み位置で、掛止舌片の自由端が限界止めに当たることが好ましい。
【0012】
掛止舌片の自由端が切断または打ち抜き作業によって限界止めから分離されている場合、最初は限界止めと掛止舌片との間に重なりは存在しない。したがって、本発明の一実施形態によれば、掛止舌片および/または限界止めが塑性変形によって伸長されることから、重なりが形成される。この塑性伸長により、掛止舌片および限界止めが重なり、したがって限界止めは、掛止舌片の撓みを制限するというその機能を実行することができるようになる。
【0013】
塑性伸長は、たとえば限界止めおよび/または掛止舌片のエンボスによって生み出すことができる。エンボスにより、薄板金属の材料がエンボスから押し出される。この材料の一部は、掛止舌片がエンボスされる場合は限界止めの方へ押し出され、または限界止めがエンボスされる場合は掛止舌片の方へ押し出され、したがってエンボスされる要素がわずかに伸長する。
【0014】
伸長の方向性は、伸長が生じる方向に、すなわち掛止舌片の自由端の方へ、またはベースの方を向いている限界止めの端部の方へ、エンボスが先細りする場合、改善することができる。先細りは、たとえば15°~60°の角度だけエンボス面に対して傾斜している傾斜面を有するエンボスによって実現することができる。反対側の面は、好ましくは、傾斜面より急峻な勾配を有しており、エンボス面に直交することができる。
【0015】
エンボスの深さは、材料厚さの2分の1、特に材料厚さの5分の1~3分の1未満とすることができる。伸長が生じる方向におけるエンボスの幅は、材料厚さ全体から材料厚さの3分の1の間とすることができる。これらの寸法は、エンボスとは反対側の面が変形しないことを確実にする。
【0016】
エンボスは、材料を突き抜けないこと、すなわちエンボスとは反対側の掛止舌片の表面および/または限界止めの表面が、変形しないで好ましくは平滑なままであることが好ましい。これは、挿入および取り外し時にコネクタのいくつかの部分の上を摺動することが必要になりうる掛止舌片にとって特に重要である。摺動面が平滑であることで、電気コンタクトが引っ掛かることなくコネクタの内外へ摺動することが確実になる。またこの理由で、エンボスは、限界止めの方を向いている掛止舌片の側および/または掛止舌片とは反対側を向いている限界止めの側に位置することが好ましいであろう。
【0017】
各エンボスは、それぞれ掛止舌片および/または限界止めに対して制限された量の長さしか加えないため、掛止舌片および限界止めのうちの少なくとも1つに複数のエンボスが設けられることが好ましいであろう。
【0018】
自由端の幅にわたって伸長を均一に分散させるために、エンボスは、ベースに対して平行な方向に伸長させることが好ましい。
【0019】
当然ながら、エンボスはまた、ベースに直交する方向、すなわちベースから自由端への方向に対して平行な方向に伸長させることもできる。ただしこれは、平坦でない自由端を形成する可能性がある。
【0020】
エンボスは、互いに対して平行に向けることができ、かつ/または同一の形状を有することができ、したがってこれらのエンボスの形成に同一のエンボス加工ツールを使用することができる。
【0021】
ベースから自由端へ延びる掛止舌片の面を変形させないように、少なくとも1つのエンボスは、掛止舌片および/または限界止めのこれらの面から隔置されることが好ましいであろう。したがって、ベースに直交する方向に向けられた掛止舌片の縁部は、まっすぐに維持される。
【0022】
撓んだときに掛止舌片の弾性変形を回避し、掛止舌片の明確な剛性を提供するために、掛止舌片には、ビードなどの少なくとも1つの補強機構を設けることができ、たとえば圧印することができる。補強機構は、その長辺がベースから自由端の方への方向に延びるように、伸長させることができる。補強ビードは、限界止めの方を向いている掛止舌片の面に凸面、および/または限界止めとは反対側を向いている掛止舌片の面に凹面を形成することができる。この場合も、コネクタの要素の摺動が容易になる。補強機構は、これらの領域での塑性変形を回避するために、掛止舌片およびベースの面から隔置することができる。
【0023】
エンボスは、ビード内へかつ/またはビードを横切って延びることができる。製造中、エンボスは、補強機構前に形成されることが好ましいであろう。特に、エンボスは、掛止舌片がまだ平面である間に形成することができる。次いで、打ち抜きを使用して補強機構を形成することができる。この順序が維持される場合、エンボス加工ツールの形状も簡単にしておくことができる。
【0024】
一実施形態では、限界止めは、本体からベースの方へ、特に掛止舌片を取り囲む開口内へ突出することができる。
【0025】
限界止めは、一実施形態では、フラップによって形成することができる。このフラップは、掛止舌片の方へ、重なるように、すなわち180°、たとえば0または1T曲げで、折り畳んだり折り曲げたりすることができる。フラップは、掛止舌片に対して実質上平行に延びることができる。フラップは、特にその少なくとも1つの曲げまたは折り畳みに、ビードなどの少なくとも1つの補強機構を備えることができる。したがってフラップは、撓み位置で掛止舌片に作用する大きい力を壊れずに支持することができる。
【0026】
曲げフラップによって形成された限界止めを有する利点は、製造ステップおよび限界止めと掛止舌片との間の重なりの量をより容易に制御することができることである。他方では、フラップには、エンボスによる塑性伸長の場合より多くの材料が必要とされる。
【0027】
限界止めが掛止舌片に作用する非常に強い力を支持しなければならない場合、掛止舌片とは反対側を向いている側で限界止め自体が支持されることが有利であろう。これは、限界止めの下、すなわち掛止舌片とは反対である限界止めの側に、支持体を提供することによって実現することができる。支持タブ自体を、この位置へ曲げることができる。特に、支持体は本体の一体部分とすることができ、したがって追加の材料は必要ない。支持体は、たとえば、電気コンタクトの側壁もしくはその本体から形成することができ、または限界止めの方へ180°折り曲げられたフラップによって形成することができる。
【0028】
一実施形態では、本体は、掛止舌片とは反対側を向いている方向に、ベースおよび/または限界止めから離れる方へ延びる平面部分を含むことができる。限界止めは、掛止舌片またはその自由端とは反対側を向いている方向に、平面部分および/またはベースに対して変位させることができる。この変位は、限界止めの塑性変形、たとえば剪断または曲げによって引き起こすことができる。この変位により、掛止舌片は、撓み位置でさらによけることができる。これにより、電気コンタクトをコネクタ内へより容易に挿入することが可能になる。特に、掛止舌片は、掛止舌片が限界止めに当たっているとき、本体の平面部分またはベースと同じ高さにすることができる。
【0029】
限界止めおよび掛止舌片はそれぞれ、面取りを備えることができ、これらの面取りは、撓み位置で互いに当たる。またこれにより、撓み位置で掛止舌片の位置をさらに下げることが可能になる。
【0030】
別の実施形態では、電気コンタクトの本体は、立方形部分を有することができ、この立方形部分は、互いに直交する少なくとも2つの側壁を含む。掛止舌片は、この部分の外側の方へ突出することができる。特に、掛止舌片は、この部分の内部から離れる方へ斜めに延びることができる。そのような部分は特に、タブもしくはピンコンタクト用のレセプタクルとして使用することができ、またはタブを備える電気コンタクトのために使用することができる。どちらの場合も、立方体の形状により、電気コンタクトをコネクタ内に強く引き止めることが可能になる。
【0031】
立方形部分の内部には、少なくとも1つのコンタクトばねを配置することができる。メスコネクタの場合、コンタクトばねは、タブまたはピンコネクタを締め付け、しっかり固定された電気コンタクトを確実にするために使用することができる。コンタクトばねは、折り曲げることができ、本体の一体部分とすることができる。
【0032】
一実施形態では、コンタクトばねは、舌片の下に位置することができる。この場合、限界止めを設けると、限界止めが極度に撓んだ掛止舌片との接触を防止するため、特に有用であろう。極度に撓んだ掛止舌片は、電気コンタクトの内部へ到達し、次いでコンタクトばねを押し付ける可能性がある。これにより、ばねコンタクトが損傷し、接触力が不確定になる可能性がある。
【0033】
以下、本発明について、図面を参照して例示的にさらに説明する。様々な図面では、本発明による電気コンタクトの変形形態が示されている。上記で説明したように、異なる変形形態の要素を組み合わせることができる。たとえば、その要素の技術的効果が特定の応用例で必要とされる場合、その要素を1つの変形形態に1つまたは複数の他の変形形態から追加することができる。逆も同様であり、その要素の技術的効果が特定の応用例にとって必要でない場合、その要素を変形形態から省略することができる。
【0034】
図面全体にわたって、設計および/または機能に関して互いに対応する要素には、同じ参照番号が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による電気コンタクトの概略切断側面図である。
図2図1の切断面II-IIの概略図である。
図3図1の切断面III-IIIの概略図である。
図4図1の細部IVの概略図である。
図5】掛止舌片および/または限界止めが塑性伸長されていない電気コンタクトを部分的に切り開いた断面の斜視側面図である。
図6図1の電気コンタクトの変形形態を部分的に切り開いた断面の概略側面図である。
図7図7Aは、第1の状態にある打ち抜かれた金属薄板ブランクの概略平面図である。図7Bは、図7Aに示した金属薄板ブランクの切断面VII-VIIの概略図である。
図8図8Aは、第2の状態にある金属薄板ブランクの概略平面図である。図8Bは、図8Aに示した金属薄板ブランクの切断面VIII-VIIIの概略図である。
図9図9Aは、第3の状態にある図7Aの金属薄板ブランクの概略平面図である。図9Bは、図9Aに示した金属薄板ブランクの切断面IX-IXの概略図である。
図10図1の電気コンタクトの別の変形形態についての概略切断側面図である。
図11】線XI-XIに沿って切り取った、図10の電気コンタクトの変形形態についての概略切断図である。
図12図9の電気コンタクトの変形形態についての概略図であり、図10の矢印XIIに沿って見た概略図である。
図13図10の電気コンタクトの変形形態についての概略図であり、図10の矢印XIIIに沿って見た概略図である。
図14図10の電気コンタクトの変形形態についての概略切断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
第1に、本発明による電気コネクタの設計について、図1を参照して例示的に説明する。
【0037】
図1は、電気コネクタ2用の電気コンタクト1の切断図を示す。電気コンタクト1は、特に、電気コネクタ2のハウジング3内へ挿入方向4に沿って挿入することができる。ハウジング3は概略的にのみ示されている。
【0038】
電気コンタクト1は、打ち抜きおよび曲げ加工を施した金属薄板の単一の断片6から作られる。
【0039】
電気コンタクト1をハウジング3内にしっかりと留めるために、断片6によって形成された掛止舌片8が設けられる。掛止舌片8は、ポジティブロックまたはフォームフィットでハウジング3に係合することができる。
【0040】
掛止舌片8は、ベース10で電気コンタクト1の本体12につながれている。掛止舌片8は、その静止位置13で、本体12から離れる方へ斜めに延びることができる。このため、ベース10を曲げたり折り畳んだりすることができる。
【0041】
本体12は、少なくとも1つの側壁15を含む箱状または立方形の部分14を含むことができる。さらに、下壁16および上壁18を設けることができる。立方形部分14は、少なくとも上壁18および1つの側壁15を含むことができ、これら2つは、好ましくは互いに直交している。ベース10は、掛止舌片8を上壁18につなぐことができる。
【0042】
掛止舌片8は、その無負荷の静止位置13で、立方形部分14または電気コンタクト1の内部20から離れる方へ突出する。掛止舌片8は、ベース10とは反対側に位置する自由端22を含む。掛止舌片8は、ビード26などの少なくとも1つの補強機構24を備えることができる。補強機構24は、好ましくは、ベース10および/または自由端22から隔置される。補強機構24は、伸長させることができ、長い方の寸法が、ベース10から自由端22への方向に延びる。
【0043】
掛止舌片8は、矢印28によって示すように、ベース10の周りで弾性的に撓むことができる。補強機構24が設けられた場合、矢印28に沿ってベース10の周りで掛止舌片8を撓ませる力29が、掛止舌片8を曲げることはなく、ベース10は、ヒンジとして作用することができる。したがって、補強機構24は、掛止舌片8を堅くする。
【0044】
電気コンタクト1をハウジング3内へ挿入する場合、または電気コンタクト1をハウジング3から取り外す場合、ハウジング3内のあらゆる掛止係合を解放するように掛止舌片8を撓ませる必要がある。このため、掛止舌片8は本体12の方へ、特に存在する場合は立方形部分14の方へ動かされる。
【0045】
掛止舌片8の下、特に内部20内には、内部20内へ挿入することができるコンタクトタブ34などの嵌合電気コンタクト32との電気接触を確立するために、コンタクトばね30を設けることができる。掛止舌片8の下にコンタクトばね30が位置することで、力29によって掛止舌片8がコンタクトばね30に押し付けられるというリスクが生じる。そのような場合にコンタクトばね30が掛止舌片8によって変形されると、コンタクトばね30と嵌合電気コンタクト32との間に生じる接触力が不確定になり、所定の限度を超える可能性がある。
【0046】
これを回避するために、限界止め38が設けられる。限界止め38は、断片6から作られており、静止位置13で、掛止舌片8から、特に掛止舌片8の自由端22から隔置される。参照番号40で示すように、掛止舌片8が完全に撓んだ位置で、掛止舌片8、特にその自由端22は、限界止め38に当たる。このため、限界止め38は、掛止舌片8との重なり42を有する。
【0047】
図1では、掛止舌片8が完全に撓んだ位置40で自由端22が限界止め38に当たることが示されているが、他の実施形態では、完全に撓んだ位置40で、自由端22に加えて、または自由端22の代わりに、掛止舌片8の他の部分が限界止め38に当たることもできる。たとえば、限界止め38は、ベース10と自由端22との間に位置する掛止舌片8の任意の部分と相互作用して、掛止舌片8の過度の撓みを阻止することができる。
【0048】
図1では、一体の断片6が単に切断されて、掛止舌片8を限界止め38から分離している。したがって、掛止舌片8の端面44および限界止め38の端面46は、以前は一体的につながれていたが、互いに切り離されている。
【0049】
重なり42を形成するために、掛止舌片8および限界止め38のうちの少なくとも1つを塑性伸長させることができる。たとえば、掛止舌片および限界止めのうちの少なくとも1つの中にエンボス48を設けることによって、塑性伸長を生み出すことができる。
【0050】
エンボスは、図4により詳細に示されている。エンボス48内では、掛止舌片8および/または限界止め38の材料内へ打ち抜き型(図示せず)が押し込まれて、したがって材料が塑性変位する。エンボス48によって材料が変位することで、それぞれエンボスされた掛止舌片8および/または限界止め38の伸長が生み出される。この伸長により、エンボス48がなければ存在しないはずの重なり42が生じる。エンボス48は、傾斜した、たとえば面取りしたまたは斜角を付けた面50に比べて、エンボス面に対してより急峻に、特に直交して傾斜している面49を有することができる。面50は、エンボス面に対してより浅い角度、たとえば15°~60°、特に30°~50°で傾斜させることができる。面49、50は、ベース10に対して好ましくは平行に延びる。
傾斜が小さい方の面50が、それぞれの端面44、46により近い。この傾斜は、好ましくは、エンボス48の底部まで連続して延びる。
【0051】
エンボス48は、好ましくは、限界止め38および内部20の方を向いている掛止舌片8の面51に位置する。これにより、限界止め38とは反対側を向いている掛止舌片8の面52は、平滑な状態のままであり、したがって掛止舌片8は、電気コネクタ2の内外へより容易に摺動することができる。これを実現するために、エンボス48は、好ましくは、対応する反対側の面52まで突き抜けない。好ましくは、伸長部および任意選択の補強機構24を除いて、どちらがエンボス48を有するとしても、特に掛止舌片8および/または限界止め38の伸長の方向に直交する他の変形は存在しない。
【0052】
伸長を増大させるために、それぞれ掛止舌片および/または限界止め内に、2つ以上のエンボスを設けることができる。
【0053】
図2は、線II-IIに沿って切り取った切断図を示し、エンボス48での掛止舌片8および補強機構24の断面形状を識別することを可能にする。
【0054】
補強機構24により、掛止舌片8は、限界止め38とは反対側を向いているその面52上で凸面形状を有していることを見ることができる。限界止め38の方を向いている面51は、凹面である。補強機構24、たとえばビード26は、好ましくは、縁部54から隔置される。縁部54は、面51および52をつなぎ、ベース10から自由端22まで延びる。縁部54は、本体12から隔置されて、掛止舌片8の自由な可動性を可能にする。最初、縁部54は、本体12に一体的につながれていたが、掛止舌片8を形成するために本体12から切り離されている。したがって、掛止舌片8は、開口56内に位置することができ、開口56は、ベース10を除いて、掛止舌片8を少なくとも3つの側で取り囲む。
【0055】
図2からさらに見ることができるように、エンボス48は、補強機構24を横切って延びる。これは、まず掛止舌片8内にエンボス48を形成し、次いで補強機構24を形成することによって実現することができる。エンボス48は、補強機構24と同様に、好ましくは縁部54から隔置される。エンボス48の深さは、好ましくは、材料厚さの2分の1未満であり、特に材料厚さの5分の1~3分の1とすることができる。伸長が生じる方向、すなわちベースと限界止めとの間に延びる方向におけるエンボス48の幅は、材料厚さ全体から材料厚さの3分の1の間とすることができる。これらの寸法は、エンボス48が掛止舌片8内にあるか、それとも限界止め38内にあるかに依存しない。
【0056】
図1および図2の比較から、エンボス48は細長い形状を有し、長辺58が、ベース10から自由端22への方向に直交し、かつベース10に対して平行に延びることを見ることができる。
【0057】
限界止め38は、掛止舌片8から離れる方向に、すなわち立方形部分14の内部20の方へ、ベース10に対してずらすことができる。限界止め38を内部20の方へ変位させることで、掛止舌片8が本体12の方へさらに撓むことが可能になり、したがって掛止舌片8と本体12、特に本体12の実質上平面の部分60(図1)、または対応する上壁18とのより良好な位置合わせが可能になる。平面部分60は、掛止舌片8とは反対側のベース10の側に、かつ/または限界止め38を越えて位置することができる。そのように掛止舌片8を同じ高さで位置合わせすることで、電気コンタクト1の挿入のために電気コネクタ2内に必要とされる開口のサイズを削減することが可能になる。
【0058】
図3では、限界止め38のエンボス48が示されている。エンボス48は、実質上立方体の形状の細長い刻印とすることができ、エンボス48の長辺58は、自由端22またはベース10それぞれに平行に向けられている。限界止め38のエンボス48は、補強機構24が生成されるときに掛止舌片8のエンボス48が変形されていることを除いて、図4に示したものと実質上同じ形状とすることができる。
【0059】
エンボス48の作用について、図5および図6を参照してより詳細に説明する。図5で、掛止舌片8にエンボス48が設けられていない比較例が示されている。掛止舌片8は、限界止め38から切断されており、したがって撓み位置40で重なり42は存在しない。力29によって掛止舌片8が本体12の方へ撓まされた場合、掛止舌片8は、限界止め38を通り過ぎる。
【0060】
比較として、たとえばそれぞれ上記の図2に示す形状である3つのエンボス48が、掛止舌片8内へ刻み込まれている。エンボス48の結果、図5に比べて、ベース10から自由端22までの掛止舌片8の長さ62が増大される。この増大の結果、自由端22と限界止め38との間に重なり42が生じる。重なり42により、掛止舌片8は、限界止め38を通り過ぎることができなくなり、力29を受けて本体12の方へ撓まされた場合、限界止め38によって支持される。当然ながら、代替として、4つ以上または2つ以下のエンボスを設けることもできる。
【0061】
次に、電気コンタクト1を製造するステップについて、図7A~9Bを参照して説明する。
【0062】
図7Aおよび図7Bは、薄板材料から作られている打ち抜かれた平面のブランクとして断片6を示す。図7Aおよび図7Bに示す状態で、掛止舌片8は、分離線64で限界止め38から分離されただけである。2つの端面44、46は、分離のみによって形成される。
【0063】
さらに、分離線64を含む開口56を見ることができる。掛止舌片8は、限界止め38に向かって開口56内へ突出する。また、限界止め38が掛止舌片8に向かって開口56内へ突出することもできる。
【0064】
図7Aおよび図7Bで、断片6はまだ曲げられていない。これは、以下の処理ステップのうちの1つで行われるものであり、その結果は、図8Aおよび図8Bに示されている。舌片8は、ブランク断片6の平面66から塑性的に撓んでいる。電気コンタクト1の本体12になる部分、特にその上壁18と、掛止舌片8との間の鋭角68は、2°~10°、好ましくは3°~8°、特に約5°とすることができる。ブランクの平面66に対する掛止舌片8の傾斜をもたらす塑性変形は、好ましくは、ベース10内に集中している。ベース10と自由端22との間で、掛止舌片8は、好ましくはまっすぐなままである。
【0065】
結果が図9Aおよび図9Bに示されている次の処理ステップの1つにおいて、まず掛止舌片8内へエンボス48が刻み込まれる。次いで、ビード26などの補強機構24が、エンボスされた掛止舌片8内へ形成される。当然ながら、まず掛止舌片8内へ補強機構24を形成し、次いでエンボス48によって掛止舌片8を伸長させることも可能である。しかし後者の手法では、補強機構24の形状を考慮しなければならないため、エンボス48を形成するパンチの形状をより複雑にする必要がある。また、掛止舌片8は、少なくとも1つのエンボス48および/または補強機構24が形成されて初めて、平面66から曲げることができる。
【0066】
さらに、限界止め38は、好ましくは掛止舌片8とは反対側を向いている方向に、平面66からずらされる。限界止め38がずらされる量70は、本体12の材料厚さ72の4分の1から全体の間とすることができる。
【0067】
図10に示すように、限界止め38はまた、掛止舌片8の下で、特に掛止舌片8と電気コンタクト1の内部20との間および/または掛止舌片8とコンタクトばね30との間で、ベース10の方へ突出するフラップ74によって、形成することができる。フラップ74は、上壁18の下に、すなわち静止位置13で掛止舌片8とは反対側を向いている上壁18の側に、特に上壁18に対して平行に延びることができる。そのようなフラップ74は、限界止め38および掛止舌片8のうちの少なくとも1つを伸長させる代わりに、またはそれに加えて、設けることができる。フラップ74は、たとえば0または1T曲げで折り曲げたり折り畳んだりすることができ、すなわち180°折り曲げたり折り畳んだりすることができる。この場合も、フラップ74の自由端75によって重なり42が形成される。
【0068】
フラップ74は、特に曲げまたは折り畳み76などの弱い区域内に、補強機構(図示せず)を備えることができる。そのような補強機構24は、力29が強い場合に限界止め38の撓みを回避する。
【0069】
限界止め38の下には、支持体80を形成することができる。したがって、限界止め38は、掛止舌片8と支持体80との間に配置される。そのような支持体の例が、図11~14に示されている。
【0070】
支持体80は、曲げまたは折り畳みによって、本体12から、たとえば側壁15から形成することができる。側壁15は、掛止舌片8に直交して延びており、電気コンタクト1の立方形部分14の一部とすることができる。支持体80は、図11に示す深絞りプロセスによって形成することができる。ここでは、側壁15は、限界止め38の下で単に曲げられている。支持体80は、限界止め38の方を向く方向、限界止め38とは反対側を向いている方向において、側壁15から分離することができる。
【0071】
別法として、図12および図13に示すように、支持体80は、舌片8と同様に剪断プロセスによって形成することができる。この場合、支持体80は、少なくとも3つの側で側壁15から分離され、限界止め38の下に曲げられる。図12に示すように、支持体80の自由端が、限界止め38の方へ向かうことができ、または図13に示すように、支持体80の自由端に直交して延びる面が、限界止め38に面することができる。
【0072】
支持体80はまた、図1~9Bに示すように、限界止め38とともに使用することができる。
【0073】
支持体80はまた、限界止め38の下で、掛止舌片8とは反対側を向いている限界止め38の面に、本体12に対して180°の曲げまたは折り畳み76によって折り曲げられまたはつながれたフラップ74によって形成することができる。これは図14に示されている。この場合も、フラップ74を補強するために、フラップ74および/または曲げもしくは折り畳み76内に、ビード26などの補強機構24を設けることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 電気コンタクト
2 電気コネクタ
3 ハウジング
4 挿入方向
6 電気コンタクトを形成する金属薄板の断片
8 掛止舌片
10 掛止舌片を本体につなぐベース
12 電気コンタクトの本体
13 掛止舌片の静止位置
14 電気コンタクトの立方形部分
15 電気コンタクトの側壁
16 電気コンタクトの下壁
18 電気コンタクトの上壁
20 内部
22 掛止舌片の自由端
24 掛止舌片の補強機構
26 ビード
28 矢印
29 掛止舌片に作用する力
30 コンタクトばね
32 嵌合電気コンタクト
34 タブ
38 限界止め
40 完全に撓んだ位置
42 重なり
44 掛止舌片の端面
46 限界止めの端面
48 エンボス
49 エンボスの急峻面
50 エンボスの傾斜面
51 限界止めの方を向いている掛止舌片の面
52 限界止めとは反対側を向いている掛止舌片の面
54 端面と面をつなぐ掛止舌片の縁部
56 掛止舌片を取り囲む開口
58 エンボスの長辺
60 本体の平面部分
62 掛止舌片の長さ
64 分離線
66 電気コンタクトのブランクの平面
68 掛止舌片がブランクの平面から撓む角度
70 限界止めが平面からずれる量
72 本体および/または断片の材料厚さ
74 フラップ
75 フラップの自由端
76 曲げ
80 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14