(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20220922BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220922BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20220922BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220922BHJP
【FI】
G07G1/00 301D
G07G1/12 321K
G07G1/01 301C
G06Q30/02 320
(21)【出願番号】P 2018079471
(22)【出願日】2018-04-17
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【氏名又は名称】宮崎 恭
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
(72)【発明者】
【氏名】岡田 悠里
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-241050(JP,A)
【文献】特開2001-312775(JP,A)
【文献】特開2003-044943(JP,A)
【文献】特開2014-026542(JP,A)
【文献】特開2016-081419(JP,A)
【文献】特開平04-372098(JP,A)
【文献】特開2005-284746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が自ら商品登録を行う携帯端末と、前記携帯端末の貸出管理を行う情報端末と、を備えた商品販売データ処理システムにおいて、
前記情報端末は、前記携帯端末を使用する利用者の利用者情報を入力する利用者情報入力手段と、
前記携帯端末で登録された登録情報に基づいて精算処理が完了したこと及び前記利用者が使用した前記携帯端末が返却されたことを条件に、前記利用者情報に対して特典情報を付与する特典付与手段を備える
商品販売データ処理システム。
【請求項2】
前記特典情報は、前記利用者の少なくとも購入点数または購入金額に応じて付与される
請求項1に記載の
商品販売データ処理システム。
【請求項3】
前記情報端末は、前記携帯端末の利用状況を監視する監視手段をさらに備え、
前記監視手段は、前記携帯端末の状態を表示する
請求項1
または2に記載の
商品販売データ処理システム。
【請求項4】
前記監視手段は、前記携帯端末の状態に応じて、前記携帯端末の状態を態様を変えて表示する
請求項3に記載の
商品販売データ処理システム。
【請求項5】
前記携帯端末の状態は、貸出経過時間である
請求項3または4に記載の
商品販売データ処理システム。
【請求項6】
前記携帯端末の状態は、精算処理完了であり、
前記監視手段は、前記携帯端末の精算処理完了を検出する
請求項3ないし5のいずれかに記載の
商品販売データ処理システム。
【請求項7】
前記監視手段は、前記精算処理完了の検出から該携帯端末の返却完了までの時間を計時し、
前記特典付与手段は、前記計時された時間に基づいて特典情報を付与する
請求項6に記載の
商品販売データ処理システム。
【請求項8】
利用者に貸し出して商品の登録処理を行う携帯端末の管理を行うプログラムであって、
コンピューターに、
前記携帯端末の貸出時に、携帯端末を利用する利用者の利用者情報を受け付ける手順と、
受け付けた利用者情報と貸し出した前記携帯端末の端末情報を紐づけして記憶する手順と、
前記貸し出した携帯端末の状態を監視する手順と、
前記貸し出した携帯端末の状態に応じて利用者に対して特典情報を付与する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量販店やスーパーマーケットなどで使用するPOSなどの商品販売データ処理システム及び商品販売データ処理システムに用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
量販店やスーパーマーケットなど、レジ係の人手不足対策や時間当たりのレジ通過客数の向上のために、顧客が商品登録から精算処理までを自分で行うフルセルフPOSシステム、店員が商品登録を行う登録装置と顧客が精算を行う精算装置が独立しているセミセルフPOSシステムなどが知られている。
【0003】
また、商品登録を顧客が携帯端末によって予め行うPOSシステムが知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のPOSシステムにおいては、店舗が貸出用の携帯端末を準備し、店舗又はチェーン店で会員登録をしている顧客や個人識別可能な顧客に対して携帯端末を貸出して、顧客自らに商品登録を行ってもらう。
商品登録が完了した段階で、顧客は任意の精算装置を選択し、選択した精算装置へ商品登録を行った登録データを送信して精算処理を行うことができる。
精算処理が終了した後は、携帯端末を貸し出し窓口などに返却することになる。
【0006】
しかし、上記のようなPOSシステムは、顧客によっては、精算処理後に携帯端末を返却することに手間を感じて、携帯端末の利用を躊躇してしまい、十分に普及しないことがあった。
また、精算処理後に携帯端末が速やかに返却されずに、利用したい顧客に対して十分な携帯端末を準備することができない可能性もあった。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、携帯端末によって商品登録処理を行うことができるPOSシステムを普及させ、人手不足を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、顧客が自ら商品登録を行う携帯端末と、前記携帯端末の貸出管理を行う情報端末と、を備えた商品販売データ処理システムにおいて、前記情報端末は、前記携帯端末を使用する利用者の利用者情報を入力する利用者情報入力手段と、前記携帯端末で登録された登録情報に基づいて精算処理が完了したこと及び前記利用者が使用した前記携帯端末が返却されたことを条件に、前記利用者情報に対して特典情報を付与する特典付与手段を備える商品販売データ処理システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯端末によって商品登録処理を行うことができるPOSシステムを普及させることができ、人手不足の解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)は、本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムの全体構成を示す模式図であり、(b)は、本発明の一実施形態のPOS装置等の商品販売データ処理装置のハード構成図である。
【
図2】(a)は、本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムの情報端末の機能ブロック図であり、(b)は、携帯端末の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける携帯端末使用情報テーブルを説明する図である。
【
図4】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける処理フロー図である。
【
図5】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける情報端末の商品登録画面の一例である。
【
図6】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける情報端末の携帯管理画面の一例である。
【
図7】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける携帯端末の表示画面の一例である。
【
図8】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける携帯端末の表示画面の一例である。
【
図9】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける携帯端末の表示画面の一例である。
【
図10】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける情報端末の携帯管理画面の一例である。
【
図11】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける情報端末の携帯管理画面の一例である。
【
図12】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける携帯端末の表示画面の一例である。
【
図13】本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける特典付与のためのテーブルを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
-POSシステムの基本構成-
本発明の一実施形態の商品販売データ処理システム(POSシステム)1について、図面を参考に説明する。
本発明の一実施形態の商品販売データ処理システム1は、
図1(a)に示すように、管理装置(ストアサーバー)10、POS端末(精算装置)20、情報端末(貸出用POS端末)30、携帯端末40、ネットワーク(アクセスポイント50a含む)50、充電装置60等により構成されている。
【0012】
なお、本実施形態の商品販売データ処理システムは、一例であって、商品販売データ処理システムを構成する各装置は、どのような形態で構成されていてもよい。
例えば、管理装置10と情報端末30が一体となっているものでも、POS端末20と情報端末30が一体となったものでもよく、POS端末20、情報端末30の機能を複数の装置に分担させるものでもよい。充電装置60が、情報端末30とは別に独立して設けられていてもよい。
【0013】
-管理装置(ストアサーバー)-
管理装置(ストアサーバー)10は、本実施形態の商品販売データ処理システム1全体を管理する情報処理装置であり、POS端末20、情報端末30、携帯端末40などを管理し、また、商品マスタなどの種々の情報を管理する装置である。
管理装置10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得し、必要に応じて各装置に適宜送信する。
商品マスタとは、各商品に割り当てられた商品識別情報(例えば、JANコード)に対して、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引情報などの商品情報が格納されたファイルである。
【0014】
-POS端末-
POS端末20は、携帯端末40により登録された商品の精算処理を行う装置である。
なお、POS端末20は、精算処理が行えればよく、商品の登録処理及び登録された商品の精算処理を行うことのできるPOS端末であっても、精算専用のPOS端末であってもよい。
また、POS端末における精算処理は、店員によるものであっても顧客自らが行うものであってもよい。
【0015】
-情報端末(貸出用POS端末)-
情報端末30は、例えば店舗のサービスカウンターなどに配置され、通常のPOS端末に携帯端末の貸出機能を追加した貸出用POS端末として構成されており、店舗において使用される複数の携帯端末40の貸出管理及び状態監視を行う装置である。なお、情報端末30は、携帯端末40を貸し出すための専用の装置としてもよい。
【0016】
情報端末30は、情報端末30を総括して制御する制御部を有し、バーコードリーダー、カードリーダー、RF(Radio Frequency)リーダ等の入力装置311、タッチパネル等の表示装置312、レシート等を発行する印刷装置313を備えている。
そして、情報端末30は、情報端末30が管理する各携帯端末40の状態を表示装置312に表示する。
【0017】
情報端末30は、前記携帯端末40の貸し出しの際に、携帯端末40を利用する利用者の情報(利用者情報)を受け付け(入力し)、記憶する。
利用者情報の受け付けは、例えば、店員が携帯端末を利用する利用者の会員カードを入力装置311によって読み取ることなどで行うことができる。また、タッチパネル等の表示装置312を介して利用者の情報を入力することもできる。
携帯端末40の初回利用時に利用者情報の入力をすることで、該利用者情報を記録した利用者カードを発行し、次回から、利用者カードを読み込むことによって行ってもよい。
情報端末30は、必要に応じて充電装置60を備えており、未貸出の携帯端末40を接続して携帯端末40の充電を行い、携帯端末40の充電状態を検出する。
そして、検出した充電状態を記憶手段に記憶すると共に、必要に応じて表示装置312に表示する。
【0018】
情報端末30は、携帯端末40の貸出を行うに際して、貸し出しに適した携帯端末40を選択し、選択した携帯端末40が貸し出されるように店員等に指示をする。
店員等に対する貸し出す携帯端末40の指示は、特定の携帯端末40を指示することで行ってもよいが、表示装置312に表示された各携帯端末40の状態を見た店員等の判断によって携帯端末40を選択するようにしてもよい。
なお、前記携帯端末40の選択は、主に携帯端末40の検出した充電状態を参考にして行う。
【0019】
情報端末30は、携帯端末40の貸出を行うに際して、携帯端末40を識別する端末情報(端末識別情報)と入力した利用者情報とを紐づけして携帯端末使用情報テーブル100に記憶する。
図3に、携帯端末使用情報テーブル100を示す。
携帯端末使用情報テーブル100は、端末番号欄100a、利用者情報欄100b、貸出時刻100c,精算時刻100d、返却時刻100e等を有している。
【0020】
情報端末30は、携帯端末40が貸し出されることで、携帯端末40の貸出時刻を確定し、該貸出時刻を携帯端末使用情報テーブル100に記憶する。
また、情報端末30は、該貸出時刻からの経過時間を計時1しており、必要に応じて計時時間を携帯端末40の状態として表示装置312に表示もしくは態様を変えて表示する。また、必要に応じて貸し出された携帯端末40に対して計時時間の情報等を出力する。
【0021】
情報端末30は、POS端末20と連携し、貸出中の携帯端末40によって登録された商品の精算処理が実行された(完了したか)か否かを検出しており、精算処理完了を検出することで精算時刻を確定するとともに、計時1を終了して貸出から精算処理完了までの時間を計時時間1として算出する。そして、情報端末30は、該精算時刻及び計時時間1を携帯端末使用情報テーブル100に記憶する。
また、情報端末30は、該精算時刻からの経過時間を計時2しており、必要に応じて計時時間を携帯端末40の状態として表示装置312に表示もしくは態様を変えて表示する。また、必要に応じて貸し出された携帯端末40に対して計時時間情報等を出力する。
【0022】
情報端末30は、貸出中の携帯端末40が返却されたことを検出しており、該携帯端末40の返却を検出することで返却時刻を確定するとともに、計時2を終了して精算処理完了から返却完了までの時間を計時時間2として算出する。そして、情報端末30は、該返却時刻及び計時時間2を携帯端末使用情報テーブル100に記憶し、必要に応じて携帯端末40の状態を表示装置312に表示もしくは態様を変えて表示する。
【0023】
情報端末30は、貸し出した携帯端末40によって登録された商品の精算処理が実行され、該携帯端末40が返却されることを条件として、該携帯端末40に紐づけられている利用者情報に対して、適宜特典情報を付与する。
利用者に付与される特典は、携帯端末40の利用状態にかかわりなく一律でもいいが、携帯端末40の利用状態に応じて付与する特典を変更することもできる。
なお、特典情報としては、例えば店舗のお買い物ポイントが付与され、利用者情報に対応する顧客の会員カードにポイントが加算される。ポイント会員でない場合には、適宜クーポン券等が付与されるようにしてもよい。
【0024】
-携帯端末-
携帯端末40は、例えばタブレット等により構成され、店舗において顧客に貸与されて顧客自らの操作に基づいて、商品の登録処理等を行う装置である。
携帯端末40は、制御部を有し、購入する商品の登録処理を行うための入力部411(バーコードリーダー、プリセットキー、カメラ)、登録した情報を表示する表示部412(タッチパネル等)、レシート等を印刷する印刷部413を有する。
【0025】
携帯端末40は、開店時、通常のPOS端末20と同様に開設処理を行うことで最新のマスタデータを受信し、受信した情報を記憶手段に記憶する。なお、マスタデータの受信は開店時に限定されることなく、例えば、通信状態が良好になった時にデータ更新を行うようにしてもよい。
データの更新が行われていない携帯端末40については、貸出不可のステータスとしてもよい。
【0026】
携帯端末40に、マスタデータを記憶させることで、顧客が購入する商品の登録処理において読み取ったバーコード等に基づいて商品情報やクーポン情報を読み出して、直接精算処理に用いる精算情報を算出することができる。
【0027】
携帯端末40は、顧客によって登録された商品情報をバーコード等のコード情報として出力し、該コード情報をPOS端末20に読み取らせることなどで商品情報を伝達する。また、携帯端末40は、必要に応じて適宜情報を出力しており、出力された情報(信号)は、ネットワーク等を介して管理装置10、POS端末20、情報端末30に伝達される。
【0028】
なお、携帯端末40の形態は、タブレットに限定されるものではなく、ハンディタイプの登録装置であってもよく、その形態はどのようなものであってもよい。
【0029】
-情報端末及び携帯端末の機能ブロック図-
本実施形態の商品販売データ処理システム1の情報端末30及び携帯端末40の機能ブロック図の一例を
図2(a),(b)に示す。
情報端末30は、情報端末制御手段301と、監視手段302、利用者情報入力手段303,特典付与手段304と、を有しており、入力装置311、表示装置312、印刷装置313を備えている。
【0030】
前記情報端末制御手段301は、情報端末30全体を総括して制御する手段であり、例えば入力もしくは検出された各情報を適宜メモリなどの記憶手段に記憶したり、記憶手段から読み出して表示装置312に表示したり、他の装置に出力したりする。
前記監視手段302は、店舗で使用される複数の携帯端末40の状態を監視し、必要に応じて表示装置312に表示する。
前記利用者情報入力手段303は、携帯端末40を使用する利用者の情報を受け付ける(入力する)。
前記特典付与手段304は、携帯端末40の返却時に、前記携帯端末40を利用した利用者の利用者情報に対して特典情報を付与する。
【0031】
一方、携帯端末40は、携帯端末40を統括して制御する携帯端末制御手段401を有し、入力部411、表示部412、印刷部413を備えている。
前記携帯端末制御手段401は、携帯端末40全体を総括して制御する手段であり、例えば入力した商品情報を適宜メモリなどの記憶手段に記憶したり、記憶手段から読み出して表示部412に表示したり、他の装置に出力したりする。
【0032】
以上説明した情報端末30のブロック図の一例を、
図1(b)に示すブロック図を用いて説明する。
本実施形態の情報端末30は、制御部として、CPU31と、ROM32と、RAM33と、メモリ34と、ネットワークI/F35と、入力装置I/F36と、表示装置I/F37と、印刷装置I/F38などを有している。
そして、バーコードスキャナ等の入力装置311、タッチパネル等の表示装置312、プリンタ等の印刷装置313と接続されている。
【0033】
CPU31は、コンピューターを構成し、ソフトウエアプログラムの命令を実行する。ROM32は、CPU31上で動作するためのプログラム等を予め記憶している。なお、プログラム等は、CD-ROMなどの可搬型記憶媒体に記憶させ、CD-ROMドライブなどの外部装置により読み取るように構成してもよい。
【0034】
RAM33は、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用される。
メモリ34は、ハードディスク装置等から構成され商品マスタ等の情報を記憶している。
ネットワークI/F35は、ネットワーク50上に接続された手段とデータのやり取りを行うための回路である。
入力装置I/F36は、バーコードスキャナ等の入力装置311との入出力を行うための回路である。
表示装置I/F37は、タッチパネル等の表示装置312との入出力を行うための回路である。
印刷装置I/F38は、プリンタ等の印刷装置313との入出力を行うための回路である。
【0035】
次に、本発明の一実施形態の商品販売データ処理システムにおける携帯端末40の監視及び返却に関する特典付与の動作(商品販売データ処理プログラムによる処理)の一例を、
図4に示すフローチャートを参考にして説明する。
【0036】
本実施形態において、商品販売データ処理システム1の情報端末30は、店員などによって、携帯端末40の貸出希望があったか否かを検出しており(S101)、携帯端末40の貸出の希望が検出された場合には、携帯端末40を使用する利用者の利用者情報の入力を求める(S102)。
【0037】
情報端末30は、店員などの操作によって利用者情報の入力がなされたら、当該利用者に貸し出す携帯端末40を選択し、選択した携帯端末40を貸し出すように店員等に指示をする(S103)。
貸し出す携帯端末40を選択した情報端末30は、該携帯端末40の識別情報と入力した利用者情報を紐づけて携帯端末使用情報テーブル100に記憶する(S104)。
【0038】
選択された携帯端末40が貸し出されることで、情報端末30は、貸出時刻を携帯端末使用情報テーブル100に記憶し、貸出時刻からの経過時間の計時1を開始する(S105)。
情報端末30は、計時1による計時時間が所定時間を超えた場合には、表示装置312に表示するとともに、携帯端末40に対して貸出時間が所定時間を超えた旨の報知を行う(S106)。
【0039】
携帯端末40を貸し出した情報端末30は、該携帯端末40によって登録された登録情報に基づいて精算処理が完了したか否か(精算処理を実行したか否か)を検出しており(S107)、上記精算処理の完了が検出されなければ、ステップs106に戻る。
【0040】
情報端末30は、ステップS107で、該携帯端末40によって精算処理が完了したことを検出した場合には、計時1を終了し、精算処理が完了した精算時刻及び貸出から精算処理完了時刻までの計時時間1を携帯端末使用情報テーブル100に記憶するとともに、精算処理が完了した時刻からの経過時間の計時2を開始する(S108)。
情報端末30は、計時2による計時時間2が所定時間を超えた場合には、表示装置312に表示するとともに、携帯端末40に対してその旨の報知を行う。(S109)。
【0041】
情報端末30は、携帯端末40の返却が完了したか否かを検出しており(S110)、携帯端末40が情報端末30に返却されたら計時2を終了し、返却時刻及び精算処理完了時刻から返却時刻までの計時時間2を携帯端末使用情報テーブル100に記憶する(S111)。一方、該携帯端末40の返却完了が検出されない場合は、ステップs109に戻る。
【0042】
返却時刻及び計時時間2を記憶した情報端末30は、携帯端末使用情報テーブル100に記憶された情報に基づいて、返却された該携帯端末40に紐づけられた利用者情報に対して、特典情報を付与する(S112)。
なお、情報端末30は、上記処理中において、取得した情報に基づいて携帯端末40の情報を表示装置312に適宜表示する。
以上、本実施形態の商品販売データ処理システム1における携帯端末40の監視及び返却に関する特典付与の動作について説明した。
【0043】
―携帯端末の貸出時の動作―
次に、情報端末30における携帯端末40の貸出時の処理について、通常のPOS端末20に携帯端末の貸出機能を追加した情報端末(貸出用POS端末)30によって貸出処理を行う商品販売データ処理システムの例を用いて説明する。
【0044】
携帯端末40の利用を希望する顧客がサービスカウンター等へ行き携帯端末40による商品登録を希望する旨を店員へ告げることで、店員は、貸出用POS端末30の画面操作により携帯端末40の貸出作業を行う。
携帯端末40の貸出の際の画面操作を説明するために、貸出用POS端末30における商品登録画面500の一例を
図5に示す。
【0045】
商品登録画面500は、商品の登録時に通常のPOS端末20のタッチパネル等の表示装置に表示されるものと同じであり、商品登録欄501、合計表示欄502、登録商品一覧503、プリセットキー504、小計キー505を有している。
【0046】
さらに、携帯端末の貸出機能が追加されることで、携帯端末40を貸し出す際に操作される端末貸出キー506と、貸し出した携帯端末40のうち未精算の携帯端末の一覧表示を指示するための未精算一覧キー507及び異常表示欄508を有している。なお、異常表示欄508は、通常時には表示されていない。
【0047】
そして、顧客に携帯端末40を貸し出す際に、店員が商品登録画面500の端末貸出キー506を操作することで、貸出用POS端末30は、表示装置312に携帯端末40の貸出を管理するための端末管理画面600を表示する。
また、店員が未精算一覧キー507を操作することで、貸し出した携帯端末40のうち未精算の携帯端末の件数、未精算合計金額及び未精算端末の識別番号や登録金額等の一覧を表示する。
【0048】
貸出用POS端末30の表示装置312に表示される端末管理画面600の一例を
図6(a)に示す。
貸出用POS端末30の端末管理画面600は、当該貸出用POS端末30が管理する携帯端末40の状態を示すステータス欄601、携帯端末40の貸出を指示する端末貸出キー602、各端末の情報を更新する端末状態更新キー603等を有している。
【0049】
ステータス欄601には、各携帯端末40について、端末番号(識別番号)、携帯端末40の充電状況、端末状況、端末を利用している利用者情報(会員番号など、ステータス欄601cは会員以外の利用)、携帯端末による商品の登録情報等が一覧で表示されており、本画面例では、6つの携帯端末(端末番号401ないし406)のステータス欄601aないし601fが表示されている。
端末番号の欄には、各携帯端末の識別番号が表示されており、端末状況の欄には、例えば未貸出、貸出中が表示され、また、貸出中であり精算が完了している場合には精算完了が表示され(ステータス欄601e)、登録操作中等に店員に返却された場合などには店員返却などの表示がされている(ステータス欄601f)。なお、未貸出であって貸出可能である場合には、貸出可等の表示をしてもよい(ステータス欄601b)。
【0050】
未貸出の携帯端末40については、充電状況の欄に各携帯端末40のバッテリー残量がパーセントで表示されている。
さらに、貸出中で商品の登録中である場合には、商品の登録点数及び登録商品の合計金額等を表示してもよい(ステータス欄601c,601d)。
【0051】
店員が、端末管理画面600の端末貸出キー602を操作することで、貸出用POS端末30は、店員等に対して、携帯端末40を貸出す利用者の情報の入力を求める。
例えば、店員等が端末貸出キー602を押下することで、端末管理画面600上に「会員情報を入力して下さい」などの操作案内がポップアップ表示され、店員等は指示にしたがって、会員カードの情報を入力装置311によりスキャンするなどして利用者情報を入力すればよい。
【0052】
店員により、利用者情報が入力され、入力した利用者情報の照合に問題なければ、貸出用POS端末30は、接続されて未貸出状態の携帯端末40のなかから貸出に適した携帯端末40を選択する。
例えば、貸出用POS端末30は、未貸出中として管理している携帯端末40の中から最もバッテリー残量の多い携帯端末40を貸出携帯端末として選択する。そして、
図6(b)に示すように、端末管理画面600に貸与する携帯端末を指定する端末指定欄611をポップアップ表示することで、店員等に貸し出すべき携帯端末を指示する。
【0053】
店員は、端末指定欄611に表示された端末番号の端末をホルダー等から外して、利用者に貸与する。
携帯端末40が貸し出されることで、貸出用POS端末30は、入力された利用者情報と貸し出された携帯端末の識別番号を紐づけて携帯端末使用情報テーブル100に記憶する。また、貸出用POS端末30は、貸出開始時刻を確定して携帯端末使用情報テーブル100に記憶し、計時1を開始する。
【0054】
なお、本実施形態においては、情報端末30は、最もバッテリー残量の多い携帯端末40を貸出携帯端末として選択しているが、携帯端末を選択するための情報は、バッテリー残量に限定されるものではない。例えば、前回の貸出時間、スキャン回数などから貸し出す携帯端末を選択しても良い。また、同じバッテリー残量、例えば開店直後などであれば識別番号の昇順・降順でも良いし、操作エラー発生件数の少ないものからでも良く、携帯端末を順番づけることができる如何なる条件も選択基準として用いることもできる。
なお、店員は、例えば充電器が通信制御されていてバッテリーのガスゲージなどの情報により充電残量を認識し、IPアドレスやMACアドレスなどで号機を識別することで、充電残の一番多い携帯端末を指定することもできる。
【0055】
また、携帯端末40の貸し出しを行う際に、ホルダー等から取り外した携帯端末40が利用者情報に紐づけられた正しい携帯端末40であることを確認するための表示を行うようにしてもよい。
例えば、取り外すべき携帯端末40の表示部に、
図7(a)に示すように、携帯端末40の識別番号と入力した利用者情報(会員番号)を同時に表示して誤りの発生を防止したり、指定した携帯端末40以外の携帯端末をホルダー等から取り外した際には、
図7(b)に示すように、取り外した携帯端末40が誤りである旨を知らせるエラー表示をしたりしてもよい。
【0056】
なお、充電装置60が情報端末30と別体に構成され、携帯端末40を保持するホルダーと情報端末30とが通信等で接続されていない場合は、店員等が、情報端末30の入力手段により直接携帯端末の識別情報を入力することにより、携帯端末40の識別番号と入力した利用者情報(会員番号)を紐づけても良い。
【0057】
この場合は、貸し出しに適した携帯端末は、充電装置60に表示してもよいし、携帯端末にバッテリー残量を表示するなどして、店員等に対して認識可能にしても良い。また、バッテリー残量が所定の閾値以下の携帯端末40の識別番号を入力した際に、貸し出しには適していない旨の報知を行うようにしてもよい。
【0058】
-顧客による商品の登録-
携帯端末40を貸し出された顧客は、商品に添付されたバーコードや商品の売価プレートに貼付されたバーコードを携帯端末40の入力部411によりスキャンすることで購入する商品の登録を行うことができる。また、商品の登録は、携帯端末40の表示部412に表示されるプリセットキーによる入力や撮像手段によって商品を撮像することで行うことができるようにしてもよい。
なお、携帯端末40は、顧客に貸与されることで、表示部412に商品の登録方法を表示するなどしてもよい。
【0059】
携帯端末40は、商品を入力するごとに、
図8(a)に示すように、携帯端末40の表示部412に登録された商品の情報を表示する。同じ商品を複数個購入する場合には、該商品を複数回スキャンすることでカウントアップさせることができるが、
図8(b)に示すように、同じ商品を複数回スキャンした場合に数量確認のアラームを表示して、複数個の購入であることを確認しても良い。
【0060】
また、登録した商品の購入を取消す場合や商品の数量を訂正する場合の操作は、携帯端末40によって顧客自らが行っても良いが、不正防止のために修正作業を精算時に店員が行うようにしても良い。また、商品の登録中に、店員に修正作業を依頼して携帯端末40で行っても良い。商品の数量の訂正及び購入中止は、店員コードの入力、さらにパスワード入力を求めて行うことが望ましい。
なお、携帯端末の利用回数の多い客や、購入金額、来店回数などにより顧客に顧客度信頼レベル(会員レベルなど)を設定し、該レベルによって、顧客自身で携帯端末40において修正作業ができる権限を与えるようにしてもよい。
【0061】
-商品の精算-
顧客は、携帯端末40による商品の登録が完了したら、該商品について精算処理を行う。
精算処理は、フルセルフやセミセルフの精算専用のPOS端末によっても行うことができるが、店員によって登録処理及び精算処理を行っている通常のPOS端末によっても行うことができることが望ましい。
なお、以下の説明では、精算処理を行うPOS端末20として精算用POS端末20を用いた例で説明する。
【0062】
精算処理を行う精算用のPOS端末20の選択は、商品の登録処理を完了した後に顧客によって選択できる。例えば、顧客は、いずれかの精算用POS端末20に携帯端末40に貼付されたラベル(携帯端末の識別番号が記録されたバーコード)をスキャンすることで、当該精算用POS端末20に登録した精算情報を出力して、当該精算用POS端末20において顧客自ら精算処理を行うようにしてもよい。
【0063】
また、携帯端末40に貼付されたラベルをスキャンして精算情報を出力することに代えて、精算用バーコードを印刷したレシート等を印刷部413により印刷し精算用POS端末20に読み込ませることで精算情報を伝達してもよいし、携帯端末40の表示部412に表示された精算用バーコードを精算用POS端末20に読み込ませることで精算情報を伝達してもよい。
携帯端末40の表示部412に表示された精算画面の例を、
図9(a)に示す。
精算画面の精算用バーコードの部分は、取引識別情報を一次元バーコードにて表示したものでよいが、
図9(b)に示すような取引情報と購入金額などの取引明細情報を二次元バーコードにて表示したものでも良い。
表示するバーコードは、通信状態が不良の場合は取引明細情報を二次元バーコードに記録して表示し、通信状態が良好な場合は取引識別情報を一次元バーコードに記録して表示するなど、通信状態に応じて切替え可能に表示しても良い。
【0064】
また、携帯端末40によって、各精算用POS端末20に貼付されたラベル(精算用POS端末の識別番号が記録されたバーコード)を読み込むことによって、読み込んだ精算用POS端末20に対して登録した商品情報を出力して精算処理を行うようにしてもよい。
さらには、精算用POS端末20に利用者情報を入力することで、登録情報を取得するようにしてもよい。具体的には会員カードなど利用者を識別可能な情報を、精算用POS端末20において、手入力や、スキャナ入力や、ICカードなどを認識することによって行えば良い。
【0065】
なお、携帯端末40による商品の登録処理は、携帯端末40の小計キー等を操作することで完了してもよいが、精算用POS端末に携帯端末のバーコードを読み取らせることで、もしくは、携帯端末によって精算用POS端末20の識別子を読み込むことで、携帯端末40による商品の登録処理を自動的に完了するようにしてもよい。
【0066】
携帯端末40により登録処理された商品の精算処理は、セルフ精算用POS端末における精算処理と同様に行うことができる。
なお、精算処理に先立って、利用する決済手段の選択を、携帯端末40において行うことができるようにしても良い。この場合、
図9(c)に示すように、携帯端末40の表示部に決済手段の選択画面を表示して、顧客自身の操作によって決済手段を選択することができる。それにより、精算用POS端末20で決済選択を行う手間が省ける。携帯端末40で決済手段を選択した場合であっても、精算用POS端末20で決済手段の変更を行えることが好ましい。
【0067】
なお、精算用POS端末20によって、利用できる決済手段が異なる場合、具体的にはクレジット専用精算装置などがあった場合は、
図9(a)に示すように、決済手段に応じて精算する精算用POS端末20の案内pを表示してもよい。
【0068】
精算用POS端末20における精算処理は、選択した決済手段の決済方法にしたがって行われる。
このとき、セルフ精算機などで利用者自ら精算処理を行った場合、精算処理を実行した装置は精算終了後に、携帯端末の返却を案内する画面を表示しても良い。また、携帯端末をスムーズに返却することで、買い物に付与されるポイントがアップすることや、返却状況、具体的には精算終了から返却までの経過時間などで特典ランクが変わる条件などを併せて表示しても良い。
【0069】
また、精算用POS端末20は、精算処理が終了することで、領収証や買上レシート、電子レシート等を発行して一取引を完了する。
なお、サービスカウンターの貸出POS端末に未精算の状態で返却処理された場合は、自動的に精算画面が立ち上がり、精算処理が実行できる様にしても良い。
【0070】
-商品登録処理中の携帯端末の付加機能-
携帯端末40は、商品登録中の顧客に対して、各種の情報を報知することができるようにしてもよい。
例えば、携帯端末40の表示部412にタイムセールの情報を表示して報知するようにしてもよく、音声等によってタイムセールの情報の報知を行ってもよい。
【0071】
また、顧客が商品を登録した際に、該登録した商品に関連したカテゴリ(牛肉を登録したら精肉部門のタイムセールやお得情報を案内)についての特別情報を表示してもよい。また、売り場にバーコードを配置して、そのバーコードをスキャンすることにより「タイムセール」「お得情報」を報知するようにしても良い。バーコードのスキャンにより顧客は所望する情報を入手でき、画面操作のわずらわしさも回避できる。
【0072】
また、携帯端末40は、店員呼び出し機能を備えていてもよい。その際、店員を呼び出した後に、近くにある商品をスキャンすることで店員は、顧客がどこにいるのかがわかるようにしてもよい。
尚、位置情報に関連する情報はGPSやビーコンなど、位置情報が分かる場合は、現在の位置情報に応じて、「タイムセール」「お得情報」を報知するようにしても良いし、店員呼出しの際は、位置情報を表示すれば良い。
【0073】
また、携帯端末40は、クーポン券等の情報を読み取ることができるようにしてもよい。
例えば、クーポン券等に記載されたコードを入力部411により読み取ることで、コードに記録されたクーポン情報を取得すればよい。具体的には、コードに記録された個数制限・有効期限・値下げ価格の下限値,上限値、部門、商品コードなどを読み取ればよい。
なお、クーポン情報による値引が一取引のうち最高値の商品に適用されるものであれば、携帯端末40の表示部412にクーポン情報による値引対象となる商品や値引情報等を併せて表示してもよい。
【0074】
-検品-
携帯端末40は、顧客が登録した商品の検品機能を備えていてもよい。
例えば、商品の登録後に使用した携帯端末40を検品モードに変更して、購入したすべての商品をスキャンすることで、検品することができるようにしてもよい。
すべての商品を対象とした場合は、全ての商品をスキャンしてもまだ商品が残っていれば、追加登録することができる。
【0075】
また、携帯端末40は、高額商品(価格設定による)等条件を指定してスキャンして検品をすることができるようにしてもよい。高額品など条件指定を行った場合は、対象の商品のみ表示部に一覧表示して、スキャンによって消込みをすればよい。未入力の商品が存在するなど商品の登録に誤りがある場合には、その旨を伝える報知を行うようにしてもよい。
【0076】
-携帯端末の返却-
携帯端末40の利用者は、精算処理が完了した後に、利用者は、貸し出しを受けたサービスカウンター等に携帯端末40を持っていき、店員に返却する。
携帯端末40を受け取った店員が携帯端末40をホルダー等に戻すことで携帯端末40は情報端末30に接続され、返却が行われる。情報端末30は、該携帯端末40の返却時刻を確定して携帯端末使用情報テーブル100に記憶する。情報端末30と充電装置60が別体のシステムなど、情報端末30がホルダー等と未接続の場合は、情報端末30の表示画面上で携帯端末40の識別情報を入力するなど、返却操作を行うことで返却時間を確定しても良い。具体的には、携帯端末に貼付された号機番号のバーコードをスキャンするなどの操作により返却操作を行ってもよい。
【0077】
なお、携帯端末40の返却は、最寄りの店員へ返却することもでき、そのような場合には、携帯端末に店員コードなどを権限のあるものの操作により、返却処理を行っても良い。その場合は、情報端末30に接続されるまでの状態を「店員返却」として情報端末30の端末管理画面600に表示することが好ましい。また、店員返却の場合には、特典付与において調整を行うこともできる。
【0078】
-情報端末における携帯端末の利用状況監視-
情報端末30は、携帯端末40の利用状況を監視し、適宜表示装置312に表示する。
具体的には、情報端末30は充電装置60を有しており、未貸出中の携帯端末40を接続することで、携帯端末40の充電を行っている。
情報端末30は、接続された未貸出の携帯端末40の充電状況を検出し、表示装置312に表示される端末管理画面600のステータス欄601に表示する。
【0079】
また、情報端末30は、貸出中の携帯端末40について、貸出時刻からの経過時間を計時1しており、該計時1による計時時間(貸出経過時間)が所定時間を超えた場合や、最後の商品登録処理からの経過時間が所定時間を超えた場合などに、
図10(a)に示すように、端末管理画面600にその旨を知らせるポップアップ表示612等による異常報知を行うことができる。
また、上記異常報知は、商品登録画面500においては行われず、
図5(a)に示す、商品登録画面500の異常表示欄508を表示もしくは強調表示して、異常を報知してもよい。
【0080】
図10(a)に示す報知画面において、店員は、ポップアップ表示612のOKキー612aを操作することで、ポップアップ表示が消えて端末管理画面600に戻るが、
図10(b)に示すように、異常が検知された端末のステータス欄601eは、異常が発生していることがわかるように太字表示にしたり、色付き表示にしたりするなど他のステータス欄とは異なる表示態様となっている。
【0081】
一方、店員が、ポップアップ表示612の詳細キー612bを操作することで、情報端末30は、
図11(a)に示すような、異常が発生した携帯端末40についての詳細表示画面613を表示する。なお、詳細表示画面613には、OKキー613aと明細キー613bが配置されており、OKキー613aを操作することで、端末管理画面600に戻り、明細キー613bを操作することで、さらに
図11(b)に示すような取引明細画面614を表示する。
なお、端末管理画面600のステータス欄601を操作することで、詳細表示画面613を表示することもできる。
【0082】
取引明細画面614には、当該携帯端末40による商品の登録、取消なども明細が表示されている。取引明細画面614のOKキー614aを操作することで、端末管理画面600に戻る。
なお、詳細表示画面613及び取引明細画面614は、ポップアップ表示でなくてもよい。
【0083】
また、精算処理が終了しているにもかかわらず返却されず、計時2している時間が所要の閾値を超過した場合にも同様に報知処理がなされ、異常報知を行うことができる。
情報端末30による上記異常報知は、携帯端末40にも出力され、携帯端末40の表示手段に、「携帯端末を返却してください。」等の報知情報を表示させてもよい。
【0084】
さらに、携帯端末40のブザー等を鳴らすことで、携帯端末40の位置を店員に教えてもよい。これにより、店員は、特定の携帯端末40の場所を把握することができる。
【0085】
-特典情報の付与-
顧客により携帯端末が返却され、携帯端末40の返却時刻が確定すると、情報端末30は、携帯端末40の精算処理完了からの計時2を完了し、計時時間2を携帯端末使用情報テーブル100に記憶する。
そして、情報端末30は、携帯端末40の返却完了を検出すると、返却した顧客の利用者情報に対して特典情報を付与する。
【0086】
具体的には、携帯端末40をサービスカウンターで貸し出された顧客が携帯端末40によって、商品を登録し、該登録した商品の精算処理を行い、その後携帯端末40をサービスカウンターに返却することによって、携帯端末40に紐づけられていた顧客情報に特典ポイントが付与される。
付与される特典ポイントは、商品の購入点数や購入金額に応じて、通常のお買い物ポイントに加算されるように付与されてもよいが、お買い物ポイントの合計ポイントとして付与されてもよい。
すなわち、精算時にお買い物ポイントが付与され、携帯端末40の返却時にさらに特典ポイントが付与されてもよいし、携帯端末40の返却時にまとめてポイントが付与されるようにしてもよい。
なお、付与される特典ポイントは、商品の購入点数や購入金額に関係なく、一律に付与されてもよい。
【0087】
また、該ポイント付与に変えてクーポンを発行してもよい。なお、特典は、キャッシュバック等であってもよい。
例えば、情報端末30は、付与される特典を選択する特典選択画面を表示して、顧客が選択できるようにしてもよい。また、情報端末30は、特典が付与されることによって特定のポイント値に達したことを知らせるアラート等を表示してもよい。
【0088】
情報端末30は、情報端末30の表示装置312にポイントが付与されたことを表示したり、ポイントが付与された旨もしくはクーポンを発行した旨の証明レシート等を発行したりすることで、顧客に対して知らせることができる。
図12(a)に、情報端末30が発行したポイント付与の証明レシートを示し、
図12(b)に、同発行したクーポン券を示す。
【0089】
ここで、付与されるポイントは、顧客の利用頻度や顧客が精算処理を行った精算装置20の種類によって付与されるポイントを異ならせることができる。
ポイント付与時に参照される利用者別特典付与テーブル200Aの一例を、
図13(a)に示す。
【0090】
利用者別特典付与テーブル200Aに示されるように、例えば、直近3か月の買い物金額によって、会員ランクを設定し、会員ランクに応じて付与されるポイントの割合を変えてもよい。また、顧客自らの操作によって精算処理を行うセルフ精算装置20で精算する場合、有人のPOS端末で精算する場合などに応じて、付与されるポイントの割合を変えてもよい。
【0091】
さらには、会員ランクに応じて、付与されるポイントの範囲を変えてもよい。例えば、会員クラスAの顧客に対しては、制限を設けずに、会員クラスBの顧客に対しては、2,000円から20,000円の購入金額に対して特典ポイントを付与し、会員クラスCの顧客に対しては、3,000円から10,000円の購入金額に対して特典ポイントを付与するようにしてもよい。
【0092】
また、付与されるポイントは、精算完了時刻から返却完了時刻までに計時2された計時時間2によって異ならせることができるようにしてもよい。
ポイント付与時に参照される返却時間別特典付与テーブル200Bの一例を、
図13(b)に示す。
返却時間別特典付与テーブル200Bに示されるように、例えば、計時時間2すなわち返却時間が短いほど、付与されるポイントが大きくすることができる。これにより、精算処理後の素早い返却を促すことができる。
【0093】
ここで、ポイント付与の割合は、利用者別特典付与テーブル(精算装置の違い)に基づいて行っても、返却時間別特典付与テーブル(返却時間)に基づいて決定しても、さらには、両方のテーブル(両条件)に基づいて行ってもよい。
両方のテーブルに基づいて行う場合には、付与されるポイント割合の合計の割合に基づいてポイント付与を行えばよい。
【0094】
なお、特典ポイントを付与する割合は、店員等により適宜設定できるようにすればよく、また、特典ポイントを付与する割合を変える要素は、
図13(a),(b)に示されたものに限定されるものでもない。例えば、携帯端末を店員に返却したり、サービスカウンターで精算処理を行った場合など、様々な状況に対してポイント付与の割合を設定してもよい。
【0095】
また、商品の種類や商品券の使用によっては、顧客の都合ではなく有人のPOS端末でしか精算できない場合もあり、そのような場合には、セルフ精算装置20で精算する場合と同等のポイントを付与してもよい。
すなわち、店舗によって負担の少ない登録精算処理を行った顧客に対して、高いポイントを付与するようにすればよい。
【0096】
また、なんら商品登録せず、または商品登録を中断して、携帯端末を返却する場合は、ポイントは付与されない。この時、付与されない旨を報知しても良い。具体的には、「携帯端末で買い物されませんでした。ポイント0です」などを画面に表示しても良い。
【0097】
以上のように、本実施形態の商品販売データ処理システムによれば、携帯端末40を貸し出す情報端末30は、携帯端末40の利用状況に応じて該携帯端末40を利用した利用者に対して特典を付与するので、利用者に対して携帯端末40の利用を促すことができ、また、携帯端末40に対する迅速な処理を期待することができる。
【0098】
なお、携帯端末の貸出を行う情報端末(貸出用POS端末)20は、例えば複数の充電ホルダーと利用者情報を入力する機能を備えるセルフ携帯端末貸出装置であってもよい。セルフ携帯端末貸出装置においては、店員の介在無しに利用者がカードリーダーに会員カードを読み取らせることにより、セルフ携帯端末貸出装置が自動的に貸与する携帯端末を指定する。携帯端末は、充電が十分であるもの等が選択され、ランプ等を点灯・点滅することなどにより指示されればよい。顧客が携帯端末を取り外すことにより、会員情報と携帯端末が紐づけられる。
【0099】
なお、セルフ携帯端末貸出装置から貸与された携帯端末40については、貸与されたセルフ携帯端末貸出装置に返却すればよい。顧客は、精算が終了した後に、セルフ携帯端末貸出装置の所定のホルダーに携帯端末40を装着することで返却を完了する。
セルフ携帯端末貸出装置より貸与した顧客は、携帯端末40をセルフ携帯端末貸出装置の元の充電ホルダーに装着することで、ポイント付与もしくはクーポンを付与したことを示すレシート等を発行してもよい。なお、特典は、キャッシュバック等であってもよい。
【0100】
また、精算装置は、精算用POS端末に限らず、フルセルフPOSや対面セミセルフとして利用できるPOS装置については、登録処理中でなければ、切替ボタンを操作したり、精算用バーコードを読み込むことによって精算画面に自動的に移行して使用してもよい。
【0101】
また、精算用POS端末で精算処理を行うにあたって、ビーコンなどを利用して携帯端末40の表示部に近くの精算用POS端末の状態を表示するなど、精算用POS端末へ誘導する案内を行っても良い。
なお、精算処理を、携帯端末40を貸出したサービスカウンターの情報端末30によって行うことができるようにしてもよい。なお、例えばハウスカード会員などは、携帯端末の返却とともに、自動で精算処理が行えるようにしてもよい。
【0102】
また、情報端末は、POS端末に限らず、パソコン、ノートパソコン、タブレットPCなどでも構成することができる。
【0103】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0104】
1 :商品販売データ処理システム
10 :管理装置
20 :精算装置
30 :情報端末
301 :情報端末制御手段
302 :監視手段
303 :利用者情報入力手段
304 :特典付与手段
40 :携帯端末
50 :ネットワーク
50a :アクセスポイント