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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】チラー装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20220922BHJP
   F25B 45/00 20060101ALI20220922BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B1/00 396Z
F25B45/00 A
F24F5/00 101Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018150216
(22)【出願日】2018-08-09
(65)【公開番号】P2020026892
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼ 佳明
(72)【発明者】
【氏名】市ノ木 一智
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-067422(JP,A)
【文献】特開2000-018750(JP,A)
【文献】特許第5856134(JP,B2)
【文献】国際公開第2016/204076(WO,A1)
【文献】実開昭51-019556(JP,U)
【文献】実開昭60-004832(JP,U)
【文献】国際公開第2011/065075(WO,A1)
【文献】特開平03-244945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00-13/00
F25B 45/00
F24F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水が通流される第1冷媒路と、
戻り口から吐出口までフロン系冷媒が通流される第2冷媒路と、
前記第1冷媒路の一部と前記第2冷媒路の一部との間で前記冷却水によって前記フロン系冷媒の冷却を可能にする熱交換器と、
前記戻り口と前記熱交換器との間の前記第2冷媒路の一部に設けられたタンクと、
前記タンクと前記熱交換器との間の前記第2冷媒路の一部に設けられたポンプと、
前記熱交換器と前記吐出口との間の前記第2冷媒路の一部に設けられた流量調整バルブと、
前記熱交換器と前記流量調整バルブとの間の前記第2冷媒路の一部に設けられた逆止弁と、
を備えたチラー装置であって、
当該チラー装置の下方部において、主抜取開口、第1補助抜取開口及び第2補助抜取開口が設けられており、
前記熱交換器に対して前記吐出口側の前記第2冷媒路の一部と前記主抜取開口とが、第1主ドレン路によって接続されており、
前記ポンプが設けられた前記第2冷媒路の前記一部と前記主抜取開口とが、第2主ドレン路によって接続されており、
前記逆止弁と前記流量調整バルブとの間の前記第2冷媒路の一部と前記第1補助抜取開口とが、第1補助ドレン路によって接続されており、
前記戻り口と前記タンクとの間の前記第2冷媒路の一部と前記第2補助抜取開口とが、第2補助ドレン路によって接続されている
ことを特徴とするチラー装置。
【請求項2】
前記第1主ドレン路の途中に、第1主ドレンバルブが設けられており、
前記第2主ドレン路の途中に、第2主ドレンバルブが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のチラー装置。
【請求項3】
前記熱交換器と前記逆止弁との間の前記第2冷媒路の一部に、金属フィルタが更に設けられており、
当該チラー装置の下方部において、第3補助抜取開口が更に設けられており、
前記金属フィルタが設けられた前記第2冷媒路の前記一部と前記第3補助抜取開口とが、第3補助ドレン路によって接続されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のチラー装置。
【請求項4】
前記金属フィルタに対して前記熱交換器側の前記第2冷媒路の一部と前記タンクとが、戻し冷媒路によって接続されており、
前記戻し冷媒路の途中に、レリーフバルブが設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のチラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水によって冷却されるフロン系冷媒を用いて各種装置を冷却するチラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却水が通流される第1冷媒路と、戻り口から吐出口までフロン系冷媒が通流される第2冷媒路と、前記第1冷媒路の一部と前記第2冷媒路の一部との間で前記冷却水によって前記フロン系冷媒の冷却を可能にする熱交換器と、前記戻り口と前記熱交換器との間の前記第2冷媒路の一部に設けられたタンクと、前記タンクと前記熱交換器との間の前記第2冷媒路の一部に設けられたポンプと、前記熱交換器と前記吐出口との間の前記第2冷媒路の一部に設けられた流量調整バルブと、前記熱交換器と前記流量調整バルブとの間の前記第2冷媒路の一部に設けられた逆止弁と、を備えたチラー装置が、既に様々な用途に利用されている。
【0003】
このような従来のチラー装置においては、一般に、当該チラー装置の下方部において冷媒抜取開口が設けられ、熱交換器に対して吐出口側の第2冷媒路の一部と冷媒抜取開口とが第1ドレン路によって接続され、ポンプが設けられた第2冷媒路の前記一部と主抜取開口とが第2ドレン路によって接続され、当該チラー装置からフロン系冷媒を抜き取る際に、冷媒抜取開口から第1ドレン路及び第2ドレン路を介してフロン系冷媒を吸引するようになっている。
【0004】
また、一般に、第1ドレン路には、第1ドレンバルブが設けられ、第2ドレン路には、第2ドレンバルブが設けられ、第1ドレンバルブ及び第2ドレンバルブは、チラー装置からフロン系冷媒を抜き取る際にのみ開放されるようになっている。
【0005】
通常、製造工場において各種動作確認が行われたチラー装置は、出荷前にフロン系冷媒が抜き取られる。これは、主として、気化したフロン系冷媒が出荷中等において周囲に飛散することを防止するためである。フロン系冷媒が抜き取られた後、フロン系冷媒路には窒素が充填される。
【0006】
その他、本件出願人は、フロン系冷媒を用いて各種装置を冷却するチラー装置として、特許第6053907号(特許文献1)を取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6053907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本件発明者は、冷媒抜取開口から第1ドレン路及び第2ドレン路を介してフロン系冷媒を吸引するだけでは、チラー装置内にフロン系冷媒が残存してしまう可能性があることを知見した。
【0009】
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、所望の際にフロン系冷媒をより確実に抜き取ることができるチラー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、冷却水が通流される第1冷媒路と、戻り口から吐出口までフロン系冷媒が通流される第2冷媒路と、前記第1冷媒路の一部と前記第2冷媒路の一部との間で前記冷却水によって前記フロン系冷媒の冷却を可能にする熱交換器と、前記戻り口と前記熱交換器との間の前記第2冷媒路の一部に設けられたタンクと、前記タンクと前記熱交換器との間の前記第2冷媒路の一部に設けられたポンプと、前記熱交換器と前記吐出口との間の前記第2冷媒路の一部に設けられた流量調整バルブと、前記熱交換器と前記流量調整バルブとの間の前記第2冷媒路の一部に設けられた逆止弁と、を備えたチラー装置であって、当該チラー装置の下方部において、主抜取開口、第1補助抜取開口及び第2補助抜取開口が設けられており、前記熱交換器に対して前記吐出口側の前記第2冷媒路の一部と前記主抜取開口とが、第1主ドレン路によって接続されており、前記ポンプが設けられた前記第2冷媒路の前記一部と前記主抜取開口とが、第2主ドレン路によって接続されており、前記逆止弁と前記流量調整バルブとの間の前記第2冷媒路の一部と前記第1補助抜取開口とが、第1補助ドレン路によって接続されており、前記戻り口と前記タンクとの間の前記第2冷媒路の一部と前記第2補助抜取開口とが、第2補助ドレン路によって接続されていることを特徴とするチラー装置である。
【0011】
本件発明者により開発されたチラー装置によれば、当該チラー装置からフロン系冷媒を抜き取る際に、第1主ドレン路及び第2主ドレン路に加えて、逆止弁と流量調整バルブとの間の第2冷媒路の一部と第1補助抜取開口とを接続する第1補助ドレン路と、戻り口とタンクとの間の第2冷媒路の一部と第2補助抜取開口とを接続する第2補助ドレン路と、を更に利用することができるため、より確実な抜き取りを実現することができる。
【0012】
通常は、第1主ドレン路には、第1主ドレンバルブが設けられ、第2主ドレン路には、第2主ドレンバルブが設けられ、第1主ドレンバルブ及び第2主ドレンバルブは、主抜取開口からフロン系冷媒を抜き取る際にのみ開放されるようになっている。
【0013】
また、好ましくは、前記熱交換器と前記逆止弁との間の前記第2冷媒路の一部に、金属フィルタが更に設けられており、当該チラー装置の下方部において、第3補助抜取開口が更に設けられており、前記金属フィルタが設けられた前記第2冷媒路の前記一部と前記第3補助抜取開口とが、第3補助ドレン路によって接続されている。
【0014】
この場合、当該チラー装置からフロン系冷媒を抜き取る際に、金属フィルタが設けられた第2冷媒路の一部と第3補助抜取開口とを接続する第3補助ドレン路を更に利用することができるため、より一層確実にフロン系冷媒の抜き取りを実現することができる。
【0015】
その他、前記金属フィルタに対して前記熱交換器側の前記第2冷媒路の一部と前記タンクとが、戻し冷媒路によって接続されており、前記戻し冷媒路の途中に、レリーフバルブが設けられていることが好ましい。
【0016】
なお、チラー装置の仕様(性能)としては、例えば、フロン系冷媒として「フロリナートFC-3283」を用いる場合、設定温度27℃、制御精度=設定温度±1.0℃、冷却能力1~45kW、最大循環流量90L/min、最大吐出圧力0/30MPa、を実現できることが確認されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フロン系冷媒を抜き取る際に、第1主ドレン路及び第2主ドレン路に加えて、逆止弁と流量調整バルブとの間の第2冷媒路の一部と第1補助抜取開口とを接続する第1補助ドレン路と、戻り口とタンクとの間の第2冷媒路の一部と第2補助抜取開口とを接続する第2補助ドレン路と、を更に利用することができるため、より確実な抜き取りを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態によるチラー装置の概略系統図である。
図2図1のチラー装置の概略正面図である。
図3図1のチラー装置の概略右側面図である。
図4図1のチラー装置の概略背面図である。
図5図1のチラー装置の概略左側面図である。
図6図1のチラー装置の第2冷媒路の詳細レイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるチラー装置100の系統図であり、図2乃至図5は、それぞれ、当該チラー装置100の正面図、右側面図、背面図及び左側面図である。また、図6は、当該チラー装置100の第2冷媒路の詳細レイアウト図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のチラー装置100は、冷却水が通流される第1冷媒路10と、戻り口21から吐出口29までフロン系冷媒(例えばフロリナートFC-3283)が通流される第2冷媒路20と、第1冷媒路10の一部と第2冷媒路20の一部との間で冷却水によってフロン系冷媒の冷却を可能にする熱交換器30と、を備えている。
【0021】
戻り口21と熱交換器30との間の第2冷媒路20の一部には、フロン系冷媒が一時的に貯留されるタンク23が設けられている。また、当該タンク23と熱交換器30との間の第2冷媒路20の一部には、フロン系冷媒に循環力を付勢するポンプ24が設けられている。ポンプ24は、公知の態様でインバータ制御されるようになっている。更に、戻り口21とタンク23との間の第2冷媒路20の一部には、通流量制御バルブ22が設けられている。
【0022】
一方、熱交換器30と吐出口29との間の第2冷媒路20の一部には、流量調整バルブ28が設けられており、熱交換器30と流量調整バルブ28との間の第2冷媒路20の一部には、逆止弁27が設けられている。
【0023】
本実施形態では、更に、熱交換器30と逆止弁27との間の第2冷媒路20の一部に、金属フィルタ26が設けられている。
【0024】
そして、図2乃至図6に示すように、チラー装置100の下方部において、主抜取開口40、第1補助抜取開口50及び第2補助抜取開口60が設けられている。
【0025】
そして、熱交換器30に対して吐出口29側の第2冷媒路20の一部と主抜取開口40とが、第1主ドレン路41によって接続されており、ポンプ24が設けられた第2冷媒路20の前記一部(図6の例では、ポンプ24の筐体の出口側の底部)と主抜取開口40とが、第2主ドレン路42によって接続されている。
【0026】
第1主ドレン路41には、第1主ドレンバルブ43が設けられ、第2主ドレン路42には、第2主ドレンバルブ44が設けられ、第1主ドレンバルブ43及び第2主ドレンバルブ44は、主抜取開口40からフロン系冷媒を抜き取る際にのみ開放されるようになっている。第1主ドレンバルブ43及び第2主ドレンバルブ44は、それぞれ、例えばボールバルブによって構成され得る。
【0027】
また、逆止弁27と流量調整バルブ28との間の第2冷媒路20の一部と第1補助抜取開口50とが、第1補助ドレン路51によって接続されており、第1補助ドレン路51は不図示のプラグによってプラグ止めされている。当該プラグは、第1補助ドレン路51からフロン系冷媒を抜き取る際にのみ開放されるようになっている。
【0028】
また、戻り口21と通流量制御バルブ22との間の第2冷媒路20の一部と第2補助抜取開口60とが、第2補助ドレン路61によって接続されており、第2補助ドレン路61も不図示のプラグによってプラグ止めされている。当該プラグは、第2補助ドレン路61からフロン系冷媒を抜き取る際にのみ開放されるようになっている。
【0029】
更に、本実施形態では、チラー装置100の下方部において、第3補助抜取開口70が設けられており、金属フィルタ26が設けられた第2冷媒路20の一部(図6の例では、金属フィルタ26の筐体の底部)と第3補助抜取開口70とが、第3補助ドレン路71によって接続されており、第3補助ドレン路71も不図示のプラグによってプラグ止めされている。当該プラグは、第3補助ドレン路71からフロン系冷媒を抜き取る際にのみ開放されるようになっている。
【0030】
その他、本実施形態では、金属フィルタ26に対して熱交換器30側の第2冷媒路20の一部とタンク24とが、戻し冷媒路80によって接続されており、戻し冷媒路80の途中に、レリーフバルブ81が設けられている。
【0031】
以上に説明したチラー装置100は、冷却対象装置のフロン系冷媒路に吐出口29と戻り口21とを接続することによって、当該冷却対象装置を冷却することができる。具体的には、所望の低温に制御された状態のフロン系媒体が吐出口29から吐出される。吐出量は流量制御バルブ28によって制御される、吐出されたフロン系冷媒は、冷却に利用された後(高温になる)、戻り口21に戻る。戻り口21に戻ったフロン系媒体は、熱交換器30によって第1冷媒路の冷却水と熱交換し、再び所望の低温に制御された状態となる。
【0032】
次に、以上に説明したチラー装置100において、フロン系冷媒を抜き取る際の作業手順を説明する。
【0033】
まず、吸引機能を有する不図示のフロン系冷媒タンクが、主抜取開口40に接続される。そして、第1主ドレンバルブ43及び第2主ドレンバルブ44が手動で開放され、フロン系冷媒タンクの吸引機能を利用して、第1主ドレン路41及び第2主ドレン路42を介して、第2冷媒路20内にあったフロン系冷媒が抜き取られる。所定時間の経過後、第1主ドレンバルブ43及び第2主ドレンバルブ44が再び閉塞され、フロン系冷媒が主抜取開口40から取り外される。
【0034】
続いて、本実施形態のチラー装置100においては、フロン系冷媒タンクが第3補助抜取開口70に接続される。そして、第3補助ドレン路71をプラグ止めしていた不図示のプラグが手動で取り外され、フロン系冷媒タンクの吸引機能を利用して、第3補助ドレン路71を介して、金属フィルタ26の下方の比較的低い位置からフロン系冷媒が抜き取られる(特に図6参照)。所定時間の経過後、第3補助ドレン路71が再びプラグ止めされ、フロン系冷媒が第3補助抜取開口70から取り外される。
【0035】
続いて、本実施形態のチラー装置100においては、フロン系冷媒タンクが第1補助抜取開口50に接続される。そして、第1補助ドレン路51をプラグ止めしていた不図示のプラグが手動で取り外され、フロン系冷媒タンクの吸引機能を利用して、第1補助ドレン路71を介して、比較的低い位置からフロン系冷媒が抜き取られる(特に図6参照)。所定時間の経過後、第1補助ドレン路51が再びプラグ止めされ、フロン系冷媒が第1補助抜取開口50から取り外される。
【0036】
続いて、本実施形態のチラー装置100においては、フロン系冷媒タンクが第2補助抜取開口60に接続される。そして、第2補助ドレン路61をプラグ止めしていた不図示のプラグが手動で取り外され、フロン系冷媒タンクの吸引機能を利用して、第2補助ドレン路61を介して、比較的低い位置からフロン系冷媒が抜き取られる(特に図6参照)。所定時間の経過後、第2補助ドレン路61が再びプラグ止めされ、フロン系冷媒が第2補助抜取開口60から取り外される。
【0037】
更に、本実施形態のチラー装置100においては、フロン系冷媒タンクが再び第3補助抜取開口70に接続される。そして、第3補助ドレン路71をプラグ止めしていた不図示のプラグが手動で再び取り外され、フロン系冷媒タンクの吸引機能を利用して、第3補助ドレン路71を介して、金属フィルタ26の下方の比較的低い位置からフロン系冷媒が再び抜き取られる。所定時間の経過後、第3補助ドレン路71が再びプラグ止めされ、フロン系冷媒が第3補助抜取開口70から取り外される。
【0038】
その後、本実施形態のチラー装置100においては、戻り口21及び吐出口29の周辺に残留しているフロン系冷媒が除去される。具体的には、例えば戻り口21及び吐出口29がカプラの形態で構成されている場合には、受け皿をセットして当該カプラの口を押すことで、当該カプラ周辺に残留していたフロン系冷媒を受け皿上に除去することができる。
【0039】
以上の各工程を経てフロン系冷媒が除去された第2冷媒路には、例えば窒素が充填される。チラー装置100は、この状態で、例えば出荷等される。
【0040】
以上の通り、本実施形態のチラー装置100によれば、フロン系冷媒を抜き取る際に、第1主ドレン路41及び第2主ドレン路42に加えて、逆止弁27と流量調整バルブ28との間の第2冷媒路20の一部と第1補助抜取開口50とを接続する第1補助ドレン路51と、戻り口21とタンク23との間の第2冷媒路20の一部と第2補助抜取開口60とを接続する第2補助ドレン路61と、を更に利用することができるため、より確実な抜き取りを実現することができる。
【0041】
更に、本実施形態のチラー装置100によれば、金属フィルタ26が設けられた第2冷媒路20の一部と第3補助抜取開口70とを接続する第3補助ドレン路71をも利用することができるため、より一層確実なフロン系冷媒の抜き取りを実現することができる。
【0042】
なお、補助抜取開口(第1補助抜取開口50、第2補助抜取開口60、第3補助抜取開口70)を介してフロン系冷媒を抜き取る態様の詳細について、本件発明者による知見によれば、前述した順序(第3補助抜取開口70を利用→第1補助抜取開口50を利用→第2補助抜取開口60を利用→第3補助抜取開口70を再び利用)が好適例ではあるが、順序を入れ替える等の適宜の変更も許容され得る。
【符号の説明】
【0043】
100 チラー装置
10 第1冷媒路(冷却水用)
20 第2冷媒路(フロン系冷媒用)
21 戻り口
22 通流量制御バルブ
23 タンク
24 ポンプ
26 金属フィルタ
27 逆止弁
28 流量制御バルブ
29 吐出口
30 熱交換器
40 主抜取開口
41 第1主ドレン路
42 第2主ドレン路
43 第1主ドレンバルブ(ボールバルブ)
44 第1主ドレンバルブ(ボールバルブ)
50 第1補助抜取開口
51 第1補助ドレン路
60 第2補助抜取開口
61 第2補助ドレン路
70 第3補助抜取開口
71 第3補助ドレン路
80 戻し冷媒路
81 レリーフバルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6