(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】材料配合装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/34 20060101AFI20220922BHJP
B29C 31/06 20060101ALN20220922BHJP
B29C 31/10 20060101ALN20220922BHJP
B29C 31/00 20060101ALN20220922BHJP
G01G 19/30 20060101ALN20220922BHJP
B65G 65/40 20060101ALN20220922BHJP
【FI】
G01G19/34
B29C31/06
B29C31/10
B29C31/00
G01G19/30
B65G65/40 C
(21)【出願番号】P 2018198127
(22)【出願日】2018-10-22
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川上 一
(72)【発明者】
【氏名】米田 優也
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-021806(JP,A)
【文献】特開2012-176599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/00-19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機と、これら材料供給機から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機と、前記相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように前記材料供給機のそれぞれを制御し、前記計量機に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部と、を備えており、
前記制御部は、前記相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能とし
ており、
前記制御部は、前記第1の粉粒体材料の計量工程において、該第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値に達することなく予め設定された所定の第1時間が経過すれば、該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断することを特徴とする材料配合装置。
【請求項2】
相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機と、これら材料供給機から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機と、前記相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように前記材料供給機のそれぞれを制御し、前記計量機に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部と、を備えており、
前記制御部は、前記相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能としており、
前記制御部は、前記第1の粉粒体材料を貯留する容器の貯留レベルが所定レベルを下回っていれば、前記第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断することを特徴とする材料配合装置。
【請求項3】
相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機と、これら材料供給機から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機と、前記相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように前記材料供給機のそれぞれを制御し、前記計量機に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部と、を備えており、
前記制御部は、前記相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能としており、
前記制御部は、前記第1の粉粒体材料の計量工程において、該第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値に達することがなく、かつ該第1の粉粒体材料の計量値の上昇率がほぼゼロあるいは上昇していないと判断できる数値範囲であれば、該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断することを特徴とする材料配合装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記制御部は、前記第2計量モードにおける所定の計量異常処理として、異常報知及び計量停止を実行させることを特徴とする材料配合装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記相異なる粉粒体材料の質量比及び1バッチ目標量の入力を受け付ける操作入力部を備えており、
前記制御部は、前記操作入力部を介して入力された各粉粒体材料の質量比及び1バッチ目標量に基づいて各粉粒体材料の目標計量値を算出する構成とされ、前記第1計量モードにおいて、前記第1の粉粒体材料を最先に計量させ、該第1の粉粒体材料の計量値が前記目標計量値未満である場合には、前記1バッチ目標量から該第1の粉粒体材料の計量値を減算して得られた残りバッチ目標量及び残存する他の粉粒体材料の質量比に基づいて残存する他の粉粒体材料の目標計量値を再算出することを特徴とする材料配合装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記第1の粉粒体材料が必須の配合対象でない場合に対応する前記第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料が必須の配合対象である場合に対応する前記第2計量モードとのいずれかの実行モードの選択操作を可能としたモード選択部をさらに備えたことを特徴とする材料配合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の粉粒体材料を計量機において計量して配合する材料配合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数種の粉粒体材料を所定の配合比(質量比)になるように計量機において計量して配合する材料配合装置が知られている。このような材料配合装置においては、主材や各種添加材に加えて、成形機から取り出されて成形品と分離されたスプルやランナ、バリ等の成形副産物や、成形不良品等の被粉砕材を粉砕して得られた粉砕材を配合する場合がある。このような粉砕材は、成形機の稼働に応じて形成されるため、粉砕材を貯留する容器の貯留不足等によって所定量を計量できなかったり、成形準備が遅延したりするなどの問題があった。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、主材、粉砕材、マスターバッチ材及び添加材を貯留する4つの原料ホッパー(材料供給機)から供給された各原料を、所定の配合比率となるように計量ホッパー(計量機)において計量する構成とされた材料配合装置が開示されている。また、この材料配合装置においては、粉砕材を計量する際に、粉砕材の供給の開始から一定時間を経過することなく計量が完了すれば、次のバッチ動作における粉砕材の目標量を多配合量に設定する一方、粉砕材の計量が完了する前に一定時間が経過すれば、次のバッチ動作における粉砕材の目標量を少配合量に設定する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された材料配合装置では、例えば、成形初期の段階や成形機に一時停止が生じた際等において粉砕材が原料ホッパーに全くない場合にも、上記のような粉砕材の目標量の調整処理がなされてバッチ動作が完了する。そのため、粉砕材の配合が必須である場合には、対応が困難となり、更なる改善が望まれる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料を必須の配合対象としない場合及び必須の配合対象とする場合のいずれにも選択的に対応し得る材料配合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の材料配合装置は、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機と、これら材料供給機から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機と、前記相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように前記材料供給機のそれぞれを制御し、前記計量機に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部と、を備えており、前記制御部は、前記相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能としており、前記制御部は、前記第1の粉粒体材料の計量工程において、該第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値に達することなく予め設定された所定の第1時間が経過すれば、該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断することを特徴とする。
本発明の他の材料配合装置は、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機と、これら材料供給機から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機と、前記相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように前記材料供給機のそれぞれを制御し、前記計量機に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部と、を備えており、前記制御部は、前記相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能としており、前記制御部は、前記第1の粉粒体材料を貯留する容器の貯留レベルが所定レベルを下回っていれば、前記第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断することを特徴とする。
本発明のさらに他の材料配合装置は、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機と、これら材料供給機から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機と、前記相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように前記材料供給機のそれぞれを制御し、前記計量機に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部と、を備えており、前記制御部は、前記相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、前記第1の粉粒体材料の計量工程において計量される該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能としており、前記制御部は、前記第1の粉粒体材料の計量工程において、該第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値に達することがなく、かつ該第1の粉粒体材料の計量値の上昇率がほぼゼロあるいは上昇していないと判断できる数値範囲であれば、該第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の材料配合装置は上述した構成とされているため、相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料を必須の配合対象としない場合及び必須の配合対象とする場合のいずれにも選択的に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る材料配合装置と、その周辺装置とを含む材料配合システムのシステム系統図である。
【
図2】
(a)は同材料配合装置の要部の基本ブロック
図、(b)は目標計量値の補正を説明するための図である。
【
図3】同材料配合装置の第1例における第1計量モードの基本動作を示すフローチャートである。
【
図4】同材料配合装置の第1例における第2計量モードの基本動作を示すフローチャートである。
【
図5】同材料配合装置の第2例における第1計量モードの基本動作を示すフローチャートである。
【
図6】同材料配合装置の第2例における第2計量モードの基本動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
まず、
図1のシステム系統図を参照しながら、本材料配合装置1と、その周辺装置とを含む材料配合システムAの概略構成について説明する。
【0011】
本材料配合装置1は、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留し下流側に向けて供給する材料供給機10と、これら材料供給機10から供給された各粉粒体材料を収容し計量する計量機20と、相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように材料供給機10のそれぞれを制御し、計量機20に向けて各粉粒体材料を順次供給させる制御部31とを備えている。
【0012】
材料供給機10は、粉粒体材料を貯留する貯留容器12と、粉粒体材料の供給先である計量機20に向けて供給する供給部11とを備えている。本実施形態では、この材料供給機10は、下方側に設置される計量機20(計量容器21)に向けて所定の計量目標値となるように粉粒体材料を供給する構成とされている。なお、材料供給機10の具体的構成については後述する。
【0013】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。また、粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだ構成としてもよい。
【0014】
本実施形態では、相異なる複数種の粉粒体材料に対応した複数の材料供給機10を、複数種の粉粒体材料を所定の配合比(質量比)になるように配合する材料配合装置1に組み込んだ構成としている。
【0015】
この材料配合システムAは、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機10(10A,10B,10C,10D)と、これら材料供給機10から供給された各粉粒体材料を受け入れて計量する計量機20とを備えている。図例では、4つの材料供給機10を設けた例を示している。これら4つの材料供給機10は、粉砕材を供給する第1材料供給機10A、主材となるナチュラル材を供給する第2材料供給機10B、マスターバッチ材を供給する第3材料供給機10C及び添加材を供給する第4材料供給機10Dを構成するものでもよい。なお、これら第1材料供給機10A、第2材料供給機10B、第3材料供給機10C及び第4材料供給機10Dの区別を要しない場合には、単に材料供給機10として説明する。
【0016】
また、第1材料供給機10Aには、第1の粉粒体材料(粉砕材)の材料供給機10内での下限レベルを検知するための第1粉粒体材料センサ14が設けてある。この第1粉粒体材料センサ14については、
図2、
図5及び
図6の説明において後述する。
【0017】
また、材料配合システムAは、計量機20において計量され排出された粉粒体材料を混合する撹拌羽根26を回転自在に配した混合槽25を備えている。図例では、これら計量機20(計量容器21)及び混合槽25(撹拌羽根26)を、ユニット化されたケーシング23内に設けた例を示している。このケーシング23の上端部には、各材料供給機10の貯留容器12を保持する適宜の保持部が設けられている。
【0018】
計量機20は、計量容器21と、ロードセルなどの質量検出器からなる検出部22とを備え、それらがケーシング23に保持されている。また、計量容器21の上端側には、上方側に向けて開口する投入口が設けられている。この計量容器21の投入口は、上流側(上方側)の各材料供給機10から供給される各粉粒体材料の受け入れが可能なように設けられている。また、この計量容器21の下端側には、下方側に向けて開口する排出口と、この排出口を開閉する開閉機構と、が設けられている。図例では、開閉機構として、斜め上方側に向けて振子状に移動されて排出口を開放させる蓋体を設けた例を示している。
【0019】
なお、開閉機構としては、このような態様に限られず、略水平方向にスライドされるスライドシャッターや、計量容器21の側方の回転軸回りに回転されるアーム状の支持部に支持されたフラップ状の弁体でもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。
【0020】
撹拌羽根26は、計量容器21の下方側に位置するように設けられ、適宜の駆動部によって回転される。この撹拌羽根26を設けた混合槽25において混合された粉粒体材料は、材料配合システムAの供給先としての成形機2に向けて供給される。図例では、ケーシング23を成形機2上に設置した例を示している。なお、成形機2としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する射出成形機でもよいが、他の材料用の射出成形機でもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機でもよい。また、材料配合システムAの供給先としては、単一の供給先に限られず、複数の供給先でもよい。また、混合槽25において混合された粉粒体材料が供給先としての成形機2に向けて垂れ流し状に供給される態様に限られず、混合槽25またはその下流側(下方側)の貯留部から供給先に向けて空気輸送される態様としてもよい。この場合は、ケーシング23を成形機2上に設置する態様に代えて、適宜のフレームや架台に支持させるようにしてもよい。
【0021】
また、図例では、材料配合システムAに、材料元3からの粉粒体材料を各材料供給機10に向けて空気輸送する空気輸送機4を設けた例を示している。図例では、第1材料供給機10Aに材料輸送管路を介して接続された第1材料元3Aと、第2材料供給機10Bに材料輸送管路を介して接続された第2材料元3Bと、第3材料供給機10Cに材料輸送管路を介して接続された第3材料元3Cと、第4材料供給機10Dに材料輸送管路を介して接続された第4材料元3Dとを材料元3として設けた例を示している。なお、これら第1材料元3A、第2材料元3B、第3材料元3C及び第4材料元3Dの区別を要しない場合には、単に材料元3として説明する。
【0022】
また、図例では、第2材料元3B、第3材料元3C及び第4材料元3Dを、タンク状とした例を示している。また、第1材料元3Aを、成形機2から取り出されて成形品と分離されたスプルやランナ、バリ等の成形副産物や、成形不良品等の被粉砕材を粉砕する粉砕機とした例を示している。また、この第1材料元3Aには、粉粒体材料の貯留レベルを検知する粉砕材センサ3aが設けてある。なお、この粉砕機の投入ホッパーへの被粉砕材の投入は、適宜の成形副産物取出装置やベルトコンベア等の搬送手段によってなされるものでもよい。
【0023】
これら材料元3に接続された材料輸送管路は、各材料供給機10の貯留容器12の上端部に設けられたホッパー状の捕集部13に接続されている。これら捕集部13には、空気輸送機4に接続された空気吸引管路が接続されている。また、これら捕集部13には、空気吸引管路に向かう輸送空気から粉粒体材料を分離させる分離部が設けられている。このような分離部としては、粉粒体材料と輸送空気とを分離可能なものであればどのようなものでもよいが、輸送空気に加えて粉塵を通過させる一方、原料となる粉粒体材料の通過を阻止するパンチングメタルや網状(メッシュ状)の多孔板状体等でもよく、または、邪魔傘状とされたものでもよい。その他、種々の構成とされた分離部の採用が可能である。また、捕集部13の分離機構としては、いわゆるサイクロン式にて輸送空気から粉粒体材料を分離させる構造とされたものでもよい。
【0024】
これら捕集部13に接続された空気吸引管路は、輸送空気切替弁5を介して空気輸送機4に接続されている。輸送空気切替弁5は、複数の空気吸引管路のうちのいずれか一つを空気輸送機4の吸込側に連通させるように切り替えられる構成とされている。空気輸送機4には、バグフィルターやサイクロンフィルター等の適宜の集塵部や、輸送空気源を構成する吸引ブロワー等が設けられている。
【0025】
また、材料配合システムAは、材料配合システムAの各部を制御するCPUやプログラムなどからなる制御部31を有した制御パネル装置30を備えている。なお、この制御パネル装置30は、材料配合システムAの適所、例えば、ケーシング23や空気輸送機4等に付設状に設けられたものでもよく、または、離間した箇所に設置されるものでもよい。この制御パネル装置30の構成及び制御部31の動作の詳細については、
図2等の説明において後述する。
【0026】
上記のような構成とされた材料配合システムAにおいては、材料元3から材料供給機10に向けて粉粒体材料を空気輸送する輸送モードと、計量容器21における計量モードと、混合槽25における混合モードとが実行される。
【0027】
輸送モードにおいては、材料供給機10の材料センサが材料要求信号を出力していれば、その材料供給機10の捕集部13に接続された空気吸引管路と空気輸送機4とを連通させるように輸送空気切替弁5を切り替え、空気輸送機4の輸送空気源を起動する。これにより、材料元3から材料供給機10に粉粒体材料が輸送される。なお、当該材料配合システムAの稼働初期等において複数(全て)の材料供給機10の材料センサから材料要求信号が出力されている場合には、予め設定された優先順位等に従って各材料供給機10に向けて順次、輸送モードの実行がなされるものでもよい。
【0028】
上記のように輸送モードが実行され、各材料供給機10に粉粒体材料が貯留されれば、計量モードの実行がなされる。
【0029】
計量モードにおいては、相異なる粉粒体材料毎に予め設定された目標計量値となるように、各材料供給機10の供給部11のそれぞれを制御し、計量容器21に向けて各粉粒体材料を順次供給させて1バッチ計量を行うようにしてもよい。粉粒体材料毎の目標計量値は、1バッチ目標量及び粉粒体材料毎の質量比に基づいて算出されて設定されたものでもよい。
【0030】
計量容器21に1バッチ計量分の粉粒体材料が収容され、混合槽25の材料センサが材料要求信号を出力していれば、計量容器21の排出口を開放させ、混合槽25に向けて排出させ、撹拌羽根26を回転させて混合モードを実行するようにしてもよい。また、計量容器21が空状態となれば、計量モードを実行し、混合槽25の材料センサから材料要求信号が出力されるまで計量容器21に1バッチ計量分の粉粒体材料を収容させておくようにしてもよい。
【0031】
上記のように混合槽25において粉粒体材料の混合がなされれば、成形機2において適宜、捨て打ちや試し打ち等の成形準備工程が実行され、成形工程が逐次なされる定常運転工程に移行する。また、成形機2において発生した被粉砕材が適宜、第1材料元3Aを構成する粉砕機において粉砕される。以下、同様にして混合槽25の材料センサから材料要求信号が出力されれば、計量容器21の排出口を開放させて混合モードを実行し、計量容器21が空状態となれば、計量モードを実行する。また、各材料供給機10の材料センサから材料要求信号が出力されれば、輸送モードの実行がなされる。なお、材料配合システムAにおいて実行される各モードとしては、上記のような態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0032】
また、材料元3からの粉粒体材料を捕集部13に向けて空気輸送する態様としては、上記のような吸引輸送に限られず、材料元3の排出部に圧縮空気を供給し、捕集部13に向けて粉粒体材料を圧送する態様としてもよい。この場合は、捕集部13に適宜の集塵部を設けた排気管を接続した構成としてもよい。また、各材料供給機10への粉粒体材料の供給(補給)態様としては、空気輸送する態様に限られず、上流側(上方側)から自重落下させて供給(補給)する態様としてもよく、または、作業者によってなされるものでもよい。
【0033】
また、複数の材料供給機10のそれぞれに後記する供給部11を設けた態様に代えて、少なくとも一つに設けた態様とし、他の材料供給機には、他の供給部を設けた構成としてもよい。このような他の供給部としては、スライドシャッターや、スクリューフィーダー、振動フィーダー、マスフィーダー、ロータリーフィーダー、テーブルフィーダー等でもよく、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
【0034】
また、上述した例では、ケーシング23に混合槽25を設けた例を示しているが、このような態様に代えて、他の混合機構を設けた構成としてもよい。例えば、計量容器21において計量されて配合された粉粒体材料を、成形機の捕集部(不図示)まで空気輸送し、その捕集部において混合するような態様等としてもよい。材料配合システムAに組み込まれる各部材及び各部の具体的構成は、上述した構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0035】
ついで、上記材料配合システムA(材料配合装置1)に含まれる制御パネル装置30の構成、及び、その制御パネル装置30に含まれる制御部31の基本動作について、
図2を参照しながら説明する。
【0036】
制御パネル装置30は、CPUや各種プログラムなどよりなる制御部31と、本システムの制御、監視を行うための表示操作部32と、計量値や設定値など種々のデータを記憶する記憶部33と、タイマー(不図示)とを少なくとも備えている。
【0037】
制御部31は、相異なる粉粒体材料のうちの所定の第1の粉粒体材料の計量工程において計量される第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断し、他の粉粒体材料の計量工程が残存していれば、他の粉粒体材料の計量工程に移行する一方、他の粉粒体材料の計量工程が残存していなければ、1バッチ計量工程を完了させる第1計量モードと、第1の粉粒体材料の計量工程において計量される第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと判断すれば、所定の計量異常処理を行う第2計量モードと、を選択的に実行可能としている。
【0038】
第1の粉粒体材料としては、成形機2から取り出されて成形品と分離されたスプルやランナ、バリ等の成形副産物や、成形不良品等の被粉砕材を粉砕して得られた粉砕材が挙げられるが、これには限られず、配合必須ではないような添加材であってもよい。また、第1の粉粒体材料は一番目に計量される材料に限られない。
【0039】
また、第1の粉粒体材料が目標計量値に満たない旨の判別としては、第1の粉粒体材料の計量工程実行時における(タイマーによる)経過時間や、第1粉粒体材料センサ14(
図1参照)に基づく判別が挙げられるが、これらには限られず、計量機20において計量される第1の粉粒体材料の計量値の上昇率等に基づいて判別してもよい。
【0040】
本材料配合装置1は、この第1の粉粒体材料が目標計量値に満たない場合に、上記第1計量モードと上記第2計量モードを選択的に実行できるようにした装置である。なお、第1の粉粒体材料が所定レベルを下回ることで計量がされない場合、目標計量値に満たないと判断されるものとする。これについては、
図5、
図6の説明において後述する。
【0041】
また、制御部31は、
図2に示すように、信号線等を介して、ロードセル(検出部22)、材料供給機10の供給部11が有する弁体駆動部15(第1~第4弁体駆動部15A~15D)、材料供給機10に設けられた第1粉粒体材料センサ14、計量容器21の開閉機構、撹拌羽根26の駆動部、混合槽25に設けられた材料センサ等も信号線等を介して制御部31に接続されている。
【0042】
表示操作部32としては、材料配合システムAの計量や配合の状態表示や追跡表示、異常報知などを画面へ表示するための表示部と、種々の設定変更のための操作や予定、実績データの入力操作などを行うための操作入力部32とを一体化した構成とされている。操作入力部32には、第1計量モードと第2計量モードのいずれかを選択させるためのモード選択部32aと、1バッチ目標量の入力を受け付ける目標値入力部32bと、相異なる粉粒体材料の質量比の入力を受け付ける質量比入力部32cとを少なくとも備えている。
【0043】
1バッチ目標量とは、第1の粉粒体材料を含む複数の粉粒体材料の目標量合計であり、それぞれの目標計量値は、入力された質量比で分配算出される。例えば、目標値入力部32bで入力された1バッチ目標量が500gであり、質量比入力部32cで入力された、第1、第2、第3の粉粒体材料の値が3:1:6であれば、第1の粉粒体材料の目標計量値が150g、第2の粉粒体材料の目標計量値が50g、第3の粉粒体材料の目標計量値が300gと算出される(
図2(b)参照)。
【0044】
また、記憶部33に設定記憶されるデータとしては、例えば目標計量値までを計量するための最大許容時間値などが挙げられる。第1の粉粒体材料については第1時間、第2~第4の粉粒体材料については第2~第4時間(以下では、第n時間と表記する)などのように材料毎に設定記憶されればよい。
【0045】
つぎに、
図3、
図4(第1例)及び
図5、
図6(第2例)に示したフローチャートを参照しながら、本材料配合装置1の制御部31による基本動作の例について説明する。これらの2例では、それぞれにおいて第1計量モード(
図3、
図5)と第2計量モード(
図4、
図6)の動作流れを示した。これらのフローチャートには、第1の粉粒体材料の計量ののちに、未計量の他の粉粒体材料の計量が後続することを前提として動作流れが示してある。
【0046】
図3及び
図4は本実施形態の材料配合装置1の第1例の基本動作を示す図である。この第1例は、第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値に達することなく予め設定された所定の第1時間が経過すれば、第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと制御部31が判断するものである。この第1時間は記憶部33に書き換え可能に保存されている。
【0047】
図3のフローチャートは、第1例における第1計量モードの動作例を示した説明図であり、このフローチャートに沿って説明する。
【0048】
まず第1の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS100)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第1時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合、あるいは目標計量値に達することなくタイムアップした場合には、計量を終了する(ステップS101~S103)。
【0049】
第1の粉粒体材料の計量が終了したのちに、未計量の他の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS104)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第n時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合には、他の粉粒体材料の計量を終了する(ステップS105、S106、S108)。
全ての他の粉粒体材料の計量が終了していれば本モードを終了し(ステップS109のYES)、終了していなければ(ステップ109のNO)、ステップS104に戻り、つぎの粉粒体材料の計量処理を行う。
【0050】
一方、目標計量値に達することなくタイムアップした場合(ステップS105のNO、S106のYES)には、計量異常処理を実行し(ステップS107)、本モードを終了する。
【0051】
計量異常処理としては、異常報知及び計量停止のうちの両方または一方が行われればよい。特に、他の粉粒体材料の計量時のものについては、どの粉粒体材料であるかを区別できる表示とすることが望ましい。
【0052】
図4のフローチャートは、第1例における第2計量モードの動作例を示した説明図であり、このフローチャートに沿って説明する。
【0053】
まず第1の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS200)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第1時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合には、第1の粉粒体材料の計量を終了する(ステップS201、S204)。
一方、目標計量値に達することなくタイムアップした場合には、計量異常処理を実行する(ステップS201~S203)。
【0054】
また、第1の粉粒体材料の計量が正常終了(ステップS204)した場合には、その後、未計量の他の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS205)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第n時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合には、他の粉粒体材料の計量を終了する(ステップS206、S207、S209)。
全ての他の粉粒体材料の計量が終了していれば本モードを終了し(ステップS210のYES)、終了していなければ(ステップ210のNO)、ステップS205に戻り、つぎの粉粒体材料の計量処理を行う。
【0055】
一方、目標計量値に達することなくタイムアップした場合(ステップS206のNO、S207のYES)には、計量異常処理を実行し(ステップS208)、本モードを終了する。
【0056】
第2計量モードにおける上記2つの計量異常処理は、第1計量モードのもの(
図3のステップS107)と同種の処理でよいが、第1の粉粒体材料の計量の際の計量異常処理(ステップS203)については、第1の粉粒体材料の計量における異常であることが明示されるようにすることが望ましい。
【0057】
以上のように、本実施形態の第1例の基本動作は、第1計量モードでは、第1の粉粒体材料の計量が異常となった場合でも、他の粉粒体材料の計量を実行する一方、第2計量モードでは、第1の粉粒体材料の計量が異常となった場合に、異常終了し、他の粉粒体材料の計量を実行しないものとなっている。
【0058】
ようするに、第1例においては、相異なる粉粒体材料のうちの第1の粉粒体材料を必須の配合対象としない場合には第1計量モードを実行すればよく、第1の粉粒体材料を必須の配合対象とする場合には第2計量モードを実行すればよく、いずれの場合にも選択的に対応することができる。
【0059】
図3、
図4に示した第1例では、タイマーを用いて、第1の粉粒体材料の目標計量値への達/不達の判断処理を行っているが、上述したように、計量機20において計量される第1の粉粒体材料の計量値の上昇率(計量値グラフにおける傾き)に基づいて不達を判別してもよい。
【0060】
すなわち、第1の粉粒体材料の計量が順調に上昇していない、つまり計量値の上昇率がほぼゼロあるいは上昇していないと判断できる数値範囲であれば、それを不達(目標計量値に満たない)と判断するようにしてもよい。具体的には、
図3におけるステップS102及び
図4におけるステップS202のそれぞれに代えて、上昇率による達/不達を判断すればよい。なお、他の粉粒体材料の計量についても、タイマーに代えて計量値の上昇率を参照するようにしてもよい。
【0061】
ついで、第2例について説明する。この第2例では、第1粉粒体材料センサ14が用いられる。つまり、第1の粉粒体材料を貯留容器12の貯留レベルが所定レベルを下回っていれば、タイムアップがなくとも(
図5のS123、
図6のS223参照)、第1の粉粒体材料が目標計量値に満たないと制御部31が判断するものである。なお、第1粉粒体材料センサ14に代えて、あるいは加えて粉砕材センサ3a(
図1参照)を用いて、計量を開始するかどうかを判断するようにしてもよい。
【0062】
図5のフローチャートは、第2例における第1計量モードの動作例を示した説明図であり、このフローチャートに沿って説明する。
【0063】
まず、第1の粉粒体材料の計量を開始する前に、第1の粉粒体材料が所定レベル以上かどうかを判別する(ステップS120)。この判別は、第1粉粒体材料センサ14の検知により行う。つまり、第1粉粒体材料センサ14が所定レベルを下回っていることを検知すれば、目標計量値に達しないものと判断して、計量を開始することなく、第1の粉粒体材料の計量自体をスキップするものである(ステップS120のNO、ステップS125に進む)。
【0064】
また、第1の粉粒体材料が所定レベル以上であれば、第1の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS121)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第1時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合、あるいは目標計量値に達することなくタイムアップした場合には、計量を終了する(ステップS122~S124)。
【0065】
第1の粉粒体材料の計量が終了したのちに、または第1の粉粒体材料の計量をスキップした場合には、未計量の他の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS125)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第n時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合には、他の粉粒体材料の計量を終了する(ステップS126、S127,S129)。
全ての他の粉粒体材料の計量が終了していれば本モードを終了し(ステップS130のYES)、終了していなければ(ステップ130のNO)、ステップS125に戻り、つぎの粉粒体材料の計量処理を行う。
【0066】
一方、目標計量値に達することなくタイムアップした場合(ステップS126のNO、S127のYES)には、計量異常処理を実行し(ステップS128)、本モードを終了する。
【0067】
計量異常処理としては、異常報知及び計量停止のうちの両方または一方が行われればよい。特に、他の粉粒体材料の計量時のものについては、どの粉粒体材料であるかを区別できる表示とすることが望ましい。
【0068】
図6のフローチャートは、第2例における第2計量モードの動作例を示した説明図であり、このフローチャートに沿って説明する。
【0069】
第2計量モードについても、まず、第1の粉粒体材料の計量を開始する前に、第1の粉粒体材料が所定レベル以上かどうかを判別する(ステップS220)。この判別は、第1粉粒体材料センサ14の検知により行う。つまり、第1粉粒体材料センサ14が所定レベルを下回っていることを検知すれば、目標計量値に達しないものと判断して、計量を開始することなく、第1の粉粒体材料の計量自体をスキップし、計量異常処理を実行するものである(ステップS220のNO、ステップS224に進む)。
【0070】
また、第1の粉粒体材料が所定レベル以上であれば、第1の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS221)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第1時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合には、第1の粉粒体材料の計量を終了する(ステップS222、S225)。
一方、目標計量値に達することなくタイムアップした場合には、計量異常処理を実行する(ステップS222~S224)。また、第1粉粒体材料センサ14が所定レベルを下回っていることを検知した場合にも、この計量異常処理を実行する(ステップS220のNO、ステップS224)。
【0071】
また、第1の粉粒体材料の計量が正常終了(ステップS225)した場合には、その後、未計量の他の粉粒体材料の計量を開始する(ステップS226)。
つぎに、目標計量値までの計量を、タイマーを用いて監視する。具体的には、設定記憶された第n時間がタイムアップするまでに目標計量値に達した場合には、他の粉粒体材料の計量を終了する(ステップS227、S228、S230)。
全ての他の粉粒体材料の計量が終了していれば本モードを終了し(ステップS231のYES)、終了していなければ(ステップ231のNO)、ステップS226に戻り、その粉粒体材料の計量処理を行う。
【0072】
一方、目標計量値に達することなくタイムアップした場合(ステップS227のNO、S228のYES)には、計量異常処理を実行し(ステップS229)、本モードを終了する。
【0073】
第2計量モードにおける上記2つの計量異常処理は、第1計量モードのもの(
図5のステップS128)と同種の処理でよいが、第1の粉粒体材料の計量の際の計量異常処理(ステップS224)については、第1の粉粒体材料の計量における異常であることが明示されるようにすることが望ましい。
【0074】
以上のように、本実施形態の第2例の基本動作は、第1計量モードでは、第1の粉粒体材料の計量が異常となった場合でも、他の粉粒体材料の計量を実行する一方、第2計量モードでは、第1の粉粒体材料の計量が異常となった場合に、異常終了し、他の粉粒体材料の計量を実行しないものとなっている。
【0075】
ようするに、第2例においても第1例と同様に、相異なる粉粒体材料のうちの第1の粉粒体材料を必須の配合対象としない場合には第1計量モードを実行すればよく、第1の粉粒体材料を必須の配合対象とする場合には第2計量モードを実行すればよく、いずれの場合にも選択的に対応することができる。
【0076】
また第2例では、第1粉粒体材料センサ14を用いて、計量を開始する前に第1の粉粒体材料が目標計量値に満たない旨の判断を行うようにしてあるため、第1計量モードでは第1の粉粒体材料の計量をスキップして他の粉粒体材料の計量を継続でき、第2計量モードでは第1の粉粒体材料の計量をスキップして計量異常処理を実行することができる。よって計量時間を短縮化することができる。
【0077】
図5、
図6に示した第2例においても、計量機20において計量される第1の粉粒体材料の計量値の上昇率(計量値グラフにおける傾き)に基づいて不達を判別してもよい。他の粉粒体材料の計量についても、タイマーに代えて計量値の上昇率を参照するようにしてもよい。
【0078】
以上に説明した第1例、第2例のいずれにおいても、第1計量モードを実行した場合には、計量値が目標計量値に達することなく後続の他の粉粒体材料を計量することになるため、その場合には、実績の1バッチ計量値が1バッチ目標計量値と乖離することになる。これを是正するために、第1の粉粒体材料を最先に計量し、その計量値が目標計量値未満である場合には、他の粉粒体材料の目標計量値を補正するようにしてもよい。
【0079】
具体的には、例えば
図2(b)に示すように、第1の粉粒体材料の目標計量値が150g、第2の粉粒体材料の目標計量値が50g、第3の粉粒体材料の目標計量値が300gである場合を想定する。このような設定の下、第1の粉粒体材料の計量値が80gで計量が終了した場合に、1バッチ目標量の500gより実績の計量値である80gを減算し、その減算値である420gを残りバッチ目標量とする。そして、その目標量を第2、第3の粉粒体材料の設定質量比である1:6に基づき、再振り分けし、第2の粉粒体材料の目標計量値を60g、第3の粉粒体材料の目標計量値を360gと補正すればよい。
【0080】
その他の場合として、以上に説明した第1例、第2例のいずれにおいても、第1計量モードを実行した場合に、第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値未満である場合には、1バッチ計量値が目標計量値に達することなく、後続の他の粉粒体材料を計量することになるが、他の粉粒体材料は当初の設定質量比に基づいて計量してもよい。この場合第1の粉粒体材料の計量順序は、最先にする必要はない。
【0081】
具体的には、例えば
図2(b)に示すように、第1の粉粒体材料の目標計量値が150g、第2の粉粒体材料の目標計量値が50g、第3の粉粒体材料の目標計量値が300gである場合を想定する。このような設定の下、第1の粉粒体材料の計量値が80gで計量が終了した場合であっても、当初の1バッチ目標量が500gであり、第1、第2、第3の粉粒体材料の設定質量比が3:1:6であることに基づき、第2の粉粒体材料の目標計量値50g、第3の粉粒体材料の目標計量値300gのままとしてもよい。このような方法を採るのであれば、計量順序は第1の粉粒体材料を最先にしなくてもよい。
【0082】
すなわち、制御部31は、操作入力部32を介して入力された各粉粒体材料の質量比及び1バッチ目標量に基づいて各粉粒体材料の目標計量値を算出する構成とされ、第1計量モードにおいて、第1の粉粒体材料を最先に計量させ、第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値未満である場合には、1バッチ目標量から第1の粉粒体材料の計量値を減算して得られた残りバッチ目標量及び残存する他の粉粒体材料の質量比に基づいて残存する他の粉粒体材料の目標計量値を再算出するようにすればよい。また第1の粉粒体材料の計量値が目標計量値未満である場合、1バッチ目標量の計量値合計は考慮せず、当初の粉粒体材料の質量比に基づいて残存する他の粉粒体材料の目標計量値を算出するようにすることもできる。この場合計量順序は第1の粉粒体材料から行わなくてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 材料配合装置
10 材料供給機
14 第1粉粒体材料センサ
20 計量機
22 検出部(ロードセル)
30 制御パネル装置
31 制御部
32 表示操作部(操作入力部)
32a モード選択部
32b 目標量入力部
32c 質量比入力部
33 記憶部