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特許7144887ビリヤードゲームをプレーするための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ビリヤードゲームをプレーするための装置
(51)【国際特許分類】
   A63D 15/00 20060101AFI20220922BHJP
   A63B 71/14 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
A63D15/00 Z
A63B71/14 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021537023
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 US2018048293
(87)【国際公開番号】W WO2020046277
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】521084415
【氏名又は名称】ゴメス エドアルド ロベルト
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【弁理士】
【氏名又は名称】泉名 謙治
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス エドアルド ロベルト
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9067126(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0065262(US,A1)
【文献】米国特許第7611416(US,B1)
【文献】米国特許第9144731(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0031120(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0079421(US,A1)
【文献】米国特許第6042481(US,A)
【文献】米国特許第9539492(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63D 15/00-15/14
A63B 69/36
A63B 71/00-71/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビリヤードゲームをプレーするための装置であって、
(a)プレーヤの手の平及び手の甲の少なくとも一部を覆うとともに前記手に固定されるグローブと、
(b)親指、人差し指、又は前記手の甲の一部の上面側の少なくとも1つから選択される1つ又は複数の箇所に取り付け可能なキュー補助ガイドであって、前記キュー補助ガイドが、中空構造をした伸張可能な伸縮素材を有することを特徴とするキュー補助ガイドと
を含む装置。
【請求項2】
前記キュー補助ガイドの中空構造は、先細、円筒形、管状、又はそれらの組合せの群から選択される、請求項1に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項3】
前記キュー補助ガイドが、少なくとも、ボーニング強化材を含む、請求項2に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項4】
前記キュー補助ガイドが、面ファスナー、磁石、再剥離性接着剤、松脂、吸引カップ、スナップ、又はそれらの組合せの群から選択される締結材により、前記グローブに取り付け可能である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項5】
前記キュー補助ガイドを前記グローブに取り付ける前記締結材は、ベルクロ、磁石又はそれらの組合せの群から選択される、請求項4に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項6】
ビリヤードゲームをプレーするための装置であって、
(a)プレーヤの手の平及び手の甲の少なくとも一部を覆うとともに前記手に固定されるグローブと、
(b)親指、人差し指、又は前記手の甲の一部の上面側の少なくとも1つから選択される1つ又は複数の箇所に取り付け可能なキュー補助ガイドであって、前記キュー補助ガイドが、中空構造をした伸張可能な伸縮素材を有することを特徴とするキュー補助ガイドと、
(c)前記手の平側の下部中央にあるループ及び取り外し可能なリングと、
(d)Y字形ランヤードであって、前記ランヤードの先端に2つの調整可能な足場フック及び前記ランヤードに1つの調整可能な足場フックを含むY字形ランヤードと、又は、
(e)少なくとも、前記ランヤードに調整可能な足場フックとを含む閉鎖ランヤードと
を含む装置。
【請求項7】
前記キュー補助ガイドの前記中空構造は、先細、円筒形、管状、又はそれらの組合せの群から選択される、請求項に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項8】
前記キュー補助ガイドは、少なくとも、ボーニング強化材を含む、請求項に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項9】
前記ランヤードの先端は、ベルト、ズボン又は衣類に取り付けられる、請求項6乃至8のいずれか1項に記載のビリヤードゲームをプレーするための装置。
【請求項10】
締結材パネルであって、その表面で別の締結材の表面に容易に取り付け可能な締結材パネルを含み、前記キュー補助ガイドが、中空構造をした伸張可能な伸縮素材を有することを特徴とする、ビリヤードゲームをプレーするためのキュー補助ガイド。
【請求項11】
前記キュー補助ガイドの前記中空構造は、先細、円筒形、管状、又はそれらの組合せの群から選択される、請求項10に記載のビリヤードゲームをプレーするためのキュー補助ガイド。
【請求項12】
少なくともボーニング強化材を含む、請求項11に記載のビリヤードゲームをプレーするためのキュー補助ガイド。
【請求項13】
前記締結材は、面ファスナー、磁石、再剥離性接着剤、松脂、吸引カップ、スナップ、又はそれらの組合せの群から選択される、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のビリヤードゲームをプレーするためのキュー補助ガイド。
【請求項14】
前記締結材は、ベルクロ、磁石又はそれらの組合せの群から選択される、請求項13に記載のビリヤードゲームをプレーするためのキュー補助ガイド。
【請求項15】
ビリヤードゲームをプレーするための装置を使用するための方法であって、
(a)プレーヤの手の平及び手の甲の少なくとも一部を覆うとともに前記手に固定されるグローブと、
(b)親指、人差し指、又は前記手の前記甲の一部の上面側の少なくとも1つから選択される1つ又は複数の箇所に取り付け可能なキュー補助ガイドであって、前記キュー補助ガイドが、中空構造をした伸張可能な伸縮素材を有することを特徴とするキュー補助ガイドと
を含む装置を入手し、
プールキューを前記グローブに取り付けられた前記キュー補助ガイドに挿入することにより、前記キューの移動をコントロールすることによって、全ての方向において前記プールキューに対するコントロールを強化する方法。
【請求項16】
前記キュー補助ガイドの前記中空構造は、先細、円筒形、管状、又はそれらの組合せの群から選択される、請求項15に記載のビリヤードゲームをプレーするための方法。
【請求項17】
前記キュー補助ガイドは、少なくとも、ボーニング強化材を含む、先細構造をした伸張可能な伸縮素材を有することを特徴とする、請求項16に記載のビリヤードゲームをプレーするための方法。
【請求項18】
前記キュー補助ガイドは、面ファスナー、磁石、再剥離性接着剤、松脂、吸引カップ、スナップ、又はそれらの組合せの群から選択される締結材により、前記グローブに取り付け可能である、請求項15乃至17のいずれか1項に記載のビリヤードゲームをプレーするための方法。
【請求項19】
前記キュー補助ガイドは、ベルクロ、磁石又はそれらの組合せの群から選択される締結材により、前記グローブに取り付け可能である、請求項18に記載のビリヤードゲームをプレーするための方法。
【請求項20】
前記装置は、さらに、(a)前記手の平側の下部中央にあるループ及び取り外し可能なリングと、(b)Y字形ランヤードであって、前記ランヤードの先端に2つの調整可能な足場フック及び前記ランヤードに1つの調整可能なスカフォードフックを含むY字形ランヤードと、又は(c)少なくとも、前記ランヤードに調整可能な足場フックを含む閉鎖ランヤードを含む、請求項15乃至17のいずれか1項に記載のビリヤードゲームをプレーするための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツゲームをプレー又は実施するための装置、より詳細には、ビリヤード又はプールゲームに関する。本発明は、トレーニンググローブと、グローブに対して容易に取り付け可能であるとともに取り外し可能なキュー補助ガイドとを含む。
【背景技術】
【0002】
ビリヤード及びプールゲームは、世界中で幅広い人種の人々により長年の間プレーされてきた。プール及びビリヤードは、多くの国において職業としてプレーされている。世界ビリヤードスポーツ連合(以降、「WCBS」)によると、ビリヤードの人気は近年かつてないレベルに高まっており、プールゲームは、世界で最も広く行われているスポーツの1つとなっている。ビリヤードを数字で表すと、WCBSは、世界中で200を超える試合を開催しており、参加者は、アメリカ合衆国(以降、「米国」)内だけでも、およそ3400万人である。玉突き台及び設備の販売による凡その収益は、20億ドルを超え、同時に、米国内だけでも32,500人を超える人が雇用されている。プールゲーム及びビリヤードの人気及び職業性は、世界プロフェッショナルビリヤード・スヌーカー連盟及びWCBSを含む多くの組織が、オリンピック委員会に。プールゲーム及びビリヤードを2024年オリンピック大会のためのスポーツとして含めるよう依頼しているほどである。
【0003】
プールゲーム及びビリヤードにおいて達せられるべき洗練性及びプロ性にもかかわらず、このゲームは、アマチュアによっても広くプレーされているとともに、アマチュアの間で急成長している活動となっている。このゲームは、自宅にビリヤード台がある人々によってプレーされていると同時に、ビリヤード場、酒場及び娯楽センターでもプレーされている。また、ビリヤードゲームは、全ての年齢の人がプレーすることができる。
【0004】
ゲーム人気が高まっているにもかかわらず、ゲームの習得は、困難な課題であり、アマチュアのパフォーマンスの向上及びゲームの人気を高める上で主な障害となり続けている。本、ビデオ、個別指導及び装置(これらの多くは高価で複雑である)は、ゲームをプレー及び習得し易くするための様々な試みの例である。
【0005】
しかしながら、本発明は、上記された障害を克服すると同時に、手ごろな価格の、ユーザフレンドリーであり、プレーヤのパフォーマンスを短期間で向上させることができる装置であり、また、プロ又は経験豊富なプレーヤだけのためのもののように見えるゲームをプレーすることを思いとどまることの多い、プールゲームに不慣れな初心者プレーヤにも好適である。
【0006】
いくつかの例外とバリエーションはあるが、プールゲーム及びビリヤードゲーム(プールゲーム及びビリヤードの用語は、互いに交換可能に使用される)は、大抵、キューと呼ばれる木又はそれと同様の材料のスティックを用いてプレーされる。キューは、様々な形状を有するとともに広範囲な材料で作られる。キューは、木(例えば、カエデ、アッシュ又はオーク)でできていることの方が多いが、この他のキュー材料には、アルミニウム、繊維ガラス及び炭素繊維が含まれる。それらを製造するのにどの材料が使用されるかは、問題ではなく、ビリヤードキューの構造又は部品は、基本的に2つの部分、すなわち、a)バット部、及びb)シャフト部を含む。バット部は、異なる部品、すなわち、i)バット部の終端にバンパー、ii)バンパーに続くバットキャップ、iii)ラップ又はグリップ、及びiv)フォアアームを含む。シャフト部は、i)バット部から突出する先細シャフト、ii)キューの先端の先角、及びさらに、iii)キューボールを撞くタップを含む。ゲームの目的は、ビリヤードプレーヤが、特定のボール(キューボール)を打ち、キューボールを転がして別のボールに当て、最後に触れられたボールをビリヤード台6つのポケットのうちの1つに入れることである。キューボールを打つために、ビリヤードプレーヤは、基本的に、キューのバットエンドを一方の手で握ることにより把持し、シャフトを他方の手で保持する。プレーヤが、自身の手でキューシャフトを保持する正しい方法は、ブリッジと呼ばれる。あるブリッジは、手を玉突き台の上に置き、キューが、キューシャフトを保持する指の間を滑らかに摺動することができるように指を離すように広げることにより形成される。最後に、ビリヤードプレーヤは、ストロークでブリッジハンドに対して長手方向にキューを動かすことによりショットを実行する。
【0007】
プールゲームでの主な問題のうちの1つは、ブリッジをどのように作るのか、より具体的には、正しいショットのための正しいブリッジを、どのように作るのか学ぶことである。多くのタイプのブリッジがあり、それらそれぞれにはそれ自体の目的がある。そのような発明の1つが、米国特許第3,416,794号明細書に記載されており、そこでは、ブリッジは、おそらく学んで習得するのに最も難しい技術であると記載している。素晴らしいストロークを達成するために、ブリッジハンドは、玉突き台の最上部の良いところにしっかりと位置付けられ、指を広げてキューシャフトを確保しながらも、後ろの手により作り出される前後の動きを可能にする必要がある。全てのこれらの動作は、初心者及びアマチュアプレーヤには達成するのが難しい。
【0008】
典型的には、ブリッジの主要な機能は、不必要な横向きの動きを減らす又は最少化するためにキューシャフトを適所にロックすることである。ブリッジは、2つの主要なカテゴリー、i)オープンブリッジ、及びii)クローズドブリッジに分類される。オープンブリッジは、クローズドブリッジに比べて形成するのが容易であるため、アマチュア及び不慣れなプレーヤにより用いられることが多い。さらに、オープンブリッジでプレーヤが行わなければならないことは、自らの親指及び人差し指を用いて、自らの手で「V」字形を形成し、キュースティックが、「V」字形により形成された角度にわたって動くことを可能にすることのみであるため、不慣れなプレーヤほど親しみ易い。しかしながら、オープンブリッジは、プレーヤがソフト又はフォローショットを行う必要があるときには極めて有用である。クローズドブリッジは、プロのプレーヤ間でより用いられる。クローズドブリッジにおいては、親指、人差し指及び中指でキューシャフトを包み、プレーヤが、キュースティックの移動をよりコントロールし、これにより、プレーヤは、キューボールをよりコントロールし、より大きな力で打つことが可能になる。ショット全体にわたってブリッジをどのように形成及び維持するかは、(オープンであれクローズドであれ)プレーヤが直面する唯一の問題ではない。ブリッジハンド及びキュースティックが関わる別の困難は、プレーヤの手の表面及び形状が、キュースティックを前後に移動させるために最適な摺動面ではないことであり、問題は、プレーヤの手が、汗をかき、及び/又は濡れ、滑動面が、粘り気を帯び、したがって、キューから理想的な滑らかな乗り具合が奪われるときに悪化する。こうした問題は、プレーヤが不慣れであるほど、ゲームをプレーして楽しむことを始める気を削ぐことになる。それだけでなく、これは、ゲームでモチベーションを保ちつつ自身の能力を可能な限り迅速に発達させることを望む初心者の進歩を遅らせることになる。
【0009】
ブリッジの形成に関して、経験豊富なプレーヤが直面するなお別の困難には、以下の事項が含まれ得る、すなわち、a)プレーヤが、(例えば、ボールを跳ねあがらせる、又はオブジェクトボールを越えるショットを打つために)高架オープンブリッジを実施する必要がある場合、ブリッジを形成する指の表面のほとんどが玉突き台との接触を失うため、プレーヤは、キューのコントロール及び安定性を失うのが通常であり、b)プレーヤが、短いクローズドブリッジを形成するとき、人差し指がシャフトの周りに巻き付けられているため、プレーヤには、シャフトが見えなくなるので、プレーヤは、ショットの視認性を失い、同時に後ろの手に目を向けていられない(ラップ/グリップ上の手、これは、プレーヤがストローク(ショット)をコントロールしようとするときに別の困難を生じる)、c)なお別の困難は、キューボールがレールと接触している場合に、プレーヤがキューボールをショットする必要があるときである。これらは、プールゲーム及びビリヤードゲームにおいて最も難しいストロークの一つと考えられる。さらに、アマチュアゲームにおいて、プレーヤが、(困難な位置からショットを実行することを回避するために)キューボールを自らの手で異なる位置に移動させようとする、又は、キューボールをレールから分離しようとする場合について、多くの議論及びさらには争いが生じている。最後になったが、高齢者、関節炎を患っている人又は切断した指のある人が、特定のタイプのブリッジを行うことを望む場合に、重要な問題が生じる。
【0010】
ビリヤード及びプールゲームガイド並びに関連する装置の使用は、先行技術において既知である。いくつかの特許では、キュースティックが、ブリッジを形成するプレーヤの指により動けなくなる、詰まる又は遅くなるという問題を解決することを狙いとする。これらの特許の目的は、プールキュースティックに、グローブ、グライド又は関連する装置により作り出される、滑らかな乗り具合を提供することである。これらのグループに含まれる特許には、米国特許第4,025,962号明細書、米国特許第4,064,563号明細書、米国特許第4,103,362号明細書、米国特許第8,539,614号明細書及び米国設計特許第349,364号明細書がある。別の特許として、米国特許第9,067,126B2号明細書があり、これは、キュー保持ガイドであって、グローブと、親指及び人差し指の付け根により形成された「V」にしっかりと取り付けられたキューチャネルとを含むキュー保持ガイドを示している。この発明は、グローブに、剛性のキューチャネル部材を提供して、キュースティックをそれに向かって摺動させようとするが、この発明は、多くの理由から現実的及び実用的なトレーニング装置を提供しない。この結論の1つの理由は、キューチャネルが、プレーヤにプレーには不適切な位置を採用するよう強いる場所に位置付けられるという事実により与えられる。これによりプレーヤは、筋肉を固くするとともに不自然で不快なやり方で関節を固定し、自らはゲームをプレーする気を失う(例えば、いくつかのショットについて、プレーヤは、トレーニング装置を支える手の位置に対抗するために、自らの腕、肩又は手首を過度に曲げる必要があるだろう)。なお別の理由は、記載された装置は、a)装置は、プレーヤが特定のショットを実施するため及びストロークをよりコントロールするために必要なクローズドブリッジを実施することを妨げないため、並びに、b)キューチャネルの長さが、親指と人差し指とを合わせることにより作り出される長さとほぼ同じであり、この短い長さは、キュースティックの横向きの動きを妨げないため、プレーヤが、ストロークに対するコントロールを有することを可能にしないからである。したがって、記載された発明は、オープニングブレークショットを成功裏に実施するのに効率的なトレーニングツールではない。記載された装置でこれらのショットを実施するために、プレーヤは、自らの力を、突然、コントロールされていない動きにおいて集中させる必要がある。さらに、記載された装置には、以下を理由とする他の欠点もある、すなわち、i)これは、キュースティックがキューチャネルから外れることを防止しない、ii)これは、プレーヤがクローズドブリッジ及び/若しくは高架ブリッジを形成する必要があるとき、又は、多くの状況においてプレーヤが、玉突き台のレール上でブリッジを形成する必要があるときに使用され得ない、iii)キューチャネルの凹形状は、横向きの動きを防止しないため、撞きそこないを招く、iv)キューチャネルの剛性は、キュースティックがシャフト上を摺動する際にシャフトに損傷を与え得る、v)グローブに固定されたキューチャネルは、プレーヤのブリッジハンドに妨害的な部材を支えさせる、並びに、最後にvi)しばらく使用した後で、グローブに固定されたキューチャネルが、グローブの布帛を、シャフトがその上を摺動することにより掛けられる連続的な力を原因として、破り得る。
【0011】
キューボールを撞くために、キュースティックが前後に移動するときに、キュースティックの移動に滑らかさを提供すると言われる別の代替肢が、米国特許第9,144,731号明細書及び市販装置「The SleeveTM」により提供されている。この装置は、キューシャフト上に設置され、プレーヤにキュースティックを包むように握るための人間工学的グリップを提供する。この装置は、キュースティックが、ブリッジを形成するプレーヤの指により動けなくなる、詰まる又は遅くなるという問題を解決し得るが、これは、実際には、キュースティックの摩擦を増加させる(特許明細書において記載されているようには減少させない)。このとき「The SleeveTM」は、キュースティックの摩擦をいかなる度合いでも減少させることはできない。別の問題は、装置とキュースティックとの間の接触により生じる摩擦が、特定の期間使用された後で、キューのシャフトの表面に損傷を与え得るとともに当該表面を効果的に暗くし得るというものである。「The SleeveTM」の別の欠点は、これは、親指及び人差し指が、装置を適切に包むように握ることができないため、オープンブリッジ及び高架オープンブリッジで使用され得ないという点である。「The SleeveTM」が、親指の上、又は人差し指と親指とで作られた「V」字形の上に単に配置される場合、「The SleeveTM」が、エンボス加工されたグリップ強化要素を有する場合であっても、これは、手の上に位置すること及び/又は手の上でつかむことはできない。したがって、「The SleeveTM」が、オープンブリッジで使用されると、ゲーム中に必要とされる極めてやわらかいストロークに加えて、いずれのショットも、横向きの動きを生じ、及び/又はスリーブが、ブリッジハンドから完全に出る。別なスリーブが、米国特許第5,478,282号明細書において記載されている。
【0012】
プレーヤ(特に初心者)に、自らのストロークの安定性を提供するためにブリッジを取り除く又はブリッジの形成を支援するために先行技術において記載された他の代替肢は、ガイド又はレールの幅広い多様性により表される。米国特許出願公開第2011/0070959A1号明細書は、「ジュニア・シャーク・ガイディング・ホイール(Junior Shark Guiding Wheel)」として商業的に既知のクリップ/締結具であって、キューシャフトに取り付けるために車輪を備えたクリップ/締結具を提供する。この装置は、片方の手のみで使用されることが意図されており、制約が多い。米国特許第4,053,153号明細書は、ブリッジトレーニング装置であって、剛性ベースと特定の高さの支柱によりそれに取り付けられた長尺状ガイドとを含むブリッジトレーニング装置について記載する。米国特許第7,611,416号明細書は、キュースティックを内部に置くための固定管状アダプタについて記載する。米国特許第3,416,794号明細書は、上述のリングの最上部でチャネルへ接合されるリング状部材により形成されたブリッジ支援装置について記載する。プールゲーム又はビリヤードキューのために提案された別の支援ガイド装置は、米国特許第3,851,876号明細書により提供され、ユーザに、凹形キューガイドノッチであって、ユーザは、自らがキューボールを打つ間、その上にキュースティックを置くのを助ける凹形キューガイドノッチを備えた長方形の長尺状装置を提供する。最後に、米国特許第9,539,492号明細書は、高い位置からキューボールを打つために、玉突き台又は三脚のいずれかに位置付けられ得る支持体の上に取り付けられたガイドレールについて記載している。これらの特許明細書は、ユーザに自らのストロークにおいて、より多くの安定性を提供しようとしている(ブリッジの形成をほぼ除去する)が、それらは、全て妨害的な部材を導入し、ビリヤード及び/又はプールゲームゲームをより複雑にする。
【0013】
要するに、先行技術において記載された発明は、プレーヤに自らのプールゲーム又はビリヤードのパフォーマンスを向上させるための有用な解決策を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ビリヤードゲームプレーヤの技能及びパフォーマンスを向上させるために、単純で、有用で、ユーザフレンドリーで手ごろな価格の装置を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の目的による観点から、本発明は、プールゲーム又はビリヤードグローブと、キューシャフトを位置付けるためのグローブに容易に取り付け可能なキュー補助ガイドとを提供する。前記グローブは、ビリヤードプレーヤの手の第4及び第5指の皮膚を玉突き台に接触するように露出させ、キューシャフトの位置及びコントロールに対する最大感度を提供し、同時に、親指、人差し指及び中指の表面を覆って、キュースティックの移動に対するより多くのコントロールを提供する、キュー補助ガイドを取り付けることができる、しつけられた面ファスナーパネルを備えた低摩擦面を提供する。さらに、本発明の目的のために、グローブは、親指、人差し指又は手の甲の上でグローブの上面側に配置される第1タイプの材料であって、任意の形状の、好ましくは面ファスナー(のループ側)を備え、第1のタイプの材料は、、キュー補助ガイドの表面上の第2タイプの材料であって、補助好ましくは、面ファスナー(のフック側)に取り付けられる。好ましい実施形態において、ガイド補助をグローブに取り付けるために組み込まれる材料は、ベルクロ(登録商標)である。ガイド補助をグローブに取り付けるために、本発明において使用される面ファスナーパネルは、プレーヤが、ゲーム中に必要とされるショットに応じて種々の方向においてキュー補助ガイドを配置することを可能にする。これはまた、他の発明(例えば米国特許第9,067,126B2号明細書)により提供された解決策と比較して、特定の位置に制限又は限定されることなしに、プレーヤに、キュースティックをグローブ上に位置付けるために、実用的で有用な装置を提供する。加えて、プレーヤは、ここに提案された発明を使用しながら、任意のタイプのブリッジを(クローズド、オープン若しくは高架の形式で)を実施すること、又は玉突き台のレールの箇所においてプレーすることが可能である。
【0016】
親指、人差し指又は手の甲の上面側に対して容易に取り付け可能であるとともに取り外し可能な補助ガイドを有することのもう一つの効果は、プレーヤがどんな不快な姿勢も取る必要がないという点である。このことは、プレーヤが筋肉、関節、肩及び手首がリラックスした状態でゲームを実施できることを意味する。
【0017】
さらに、補助ガイドの形態は、本発明に別の新規な特徴をもたらす。この意味において、キュー補助ガイドは、先細構造を有するとともに、少なくとも1つの、及び好ましくは3つの、ボーニング強化材を特徴とする少なくとも1つの弾性のある層により伸張可能である。これらの長手方向ボーンは、柔軟な性質にもかかわらず剛性を維持するために、キュー補助ガイドの外周の周りに、例えば、少なくとも1つの弾性層の間に配置され得る。弾性があることにより、キューシャフトの先細形状にぴったりと適合する。したがって、パネルの形態は、指の使用に気を使うことなく、キューシャフトがプレーヤのブリッジハンドで適所に保持されることを可能にし、より複雑なグリップを必要とする閉じた角度でより多く持ち上げることを可能にし、キューシャフトの安定性を増大させて、実際上撞きそこないを減少させる。
【0018】
プレーヤが直面する最も共通する問題の1つは、ストロークを実施しながらキュースティックをどのようにコントロールするかである。ストロークの動きには、3つの軸線、すなわちX軸線(水平)、Y軸線(垂直)及びZ軸線(キュースティックの前後の動きにより表される)がある。キュースティックをX、Y及びZ方向にコントロールする一つの方法は、しっかりとしたハンドブリッジ及びしっかりとした肩-肘-手首-バックハンドの関係を保つことである。初心者、アマチュアプレーヤ及びプロは、知識、指導及び専門的技術が欠けているために、コントロールの問題に直面する場合がある。しかしながら、本明細書において提案するグローブ及びキュー補助ガイドを使用するだけで、本発明は、これらの問題を解決する。何故なら、本発明による装置が、長尺状キュー補助ガイドでのしっかりとしたハンドブリッジ及びキューの取り付けをもたらし、望ましくない動きを防ぐのに役立つからである。ハンドブリッジの構造により、プレーヤは、望ましくない左右の動きに対処しなければならず、この望ましくない左右の動きを引き起こしているのは、オープンであれクローズドであれ、通常のハンドブリッジであり、その理由は、手は、キューシャフトが移動するのに十分な表面を作り出さず、短すぎ、したがって、ブリッジは、キューシャフトのためのキューガイドというよりもむしろ回動点として機能するためである。他方、プレーヤが、キューシャフトをキュー補助ガイドに挿入し、それをグローブに動かないように固定すると、自らは、あたかもトンネルのように、キューシャフトが通過するためのより長い表面を作り出すことになり、このとき、横向き又は水平な動きを引き起こす回動要因が大きく減少する。第2に、プレーヤは、いくつかのショット(例えば、球越し及びジャンプショット)を行うときにY座標軸上で表される垂直運動(上下方向)に対してコントロールする必要がある。ここでの課題は、高架ブリッジが求められるため、プレーヤは、高架ハンドブリッジを使用している間は親指及び人差し指でキューシャフトを包むように握ることができないという点である。プレーヤは、オープンブリッジをする必要があることになり、オープンブリッジは、撞きそこない、完全にキューボールを外す、又はキュースティックをプレーヤの手から離してしまうことを回避するためにプレーヤに対して、より多くの専門的技術を求めることになる、これらの位置においてはより困難である。本発明による装置を使用する結果として、プレーヤは、オブジェクトボールに、及びキュースティックを前後に移動させる(Z座標軸の運動)ことに集中する必要があり、結果として、プレーヤは、ストロークをより正確に実施することになる。さらに、通常のプレーヤは、前後の動き(Z座標軸の運動)をコントロールする必要がある。ここでは、キュースティックが前後に動く限り、横向きの動きが生じる傾向がある。これらの動きは、X座標軸上の左又は右半円により表される。しかしながら、プレーヤが、キュー補助ガイドであって、その強化材を含むキュー補助ガイドを使用する場合、プレーヤは、キューシャフトを摺動させ横向きの動きを取り除くために固定されたガイドを作り出すことになる。結果として、本明細書において提案された装置の使用することにより、プレーヤのパフォーマンスを実際に向上させ、プレーヤにより純粋なストロークをもたらす。
【0019】
さらに、本発明において説明するキュー補助ガイドを備えたグローブは、取り外し可能なリングが置かれる手の平側の下部中央にループを含む。代替的実施形態において、本発明による装置は、マグネシウム酸化物(MGO)製の足場フックであってもよい、3つの足場フックを備える二重Y字形ランヤードを含む。2つの足場フックは、ランヤードをプレーヤのズボンに取り付けるために使用されるランヤードの先端に配置され、3番目の調整可能な足場フックは、エアブリッジを実施するために装置の取り外し可能なリングに掛けるためにY字形ランヤードの中央にしつけら配置される。エアブリッジは、玉突き台に接触することなしに空中でブリッジハンドを動かないように保持するための1つの方法である。
【0020】
本明細書に組み込まれるとともに、その一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を説明し、説明とともに、本発明の原理を説明する働きをする。添付図面は、好ましい本発明の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定するものとして解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるグローブ及びキュー補助ガイドの実施形態の分解図である。
図2】親指に取り付けられる際に、種々の位置状態で使用される、キュー補助ガイドの実施形態の代表図である。
図3】使用者が高架ブリッジを実施するときのように、人差し指に取り付けられるときの、キュー補助ガイドの実施形態の代表図である。
図4】キュー補助ガイドの実施形態の代表図である。
図5】グローブの、手の甲側の実施形態の代表図である。
図6】グローブの、手の平側の実施形態の代表図である。
図7】レールの上で使用されているキュー補助ガイドの代表図である。
図8】取り付けられたリングとY字形ランヤードとがエアブリッジを実施するめに使用される実施形態の代表図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、添付図面、特に図1を参照すると、プール又はビリヤードグローブ2が示されており、プール又はビリヤードグローブ2には、先細キュー補助ガイド1が取り付けられており、先細キュー補助ガイド1の内部で、キューシャフト5が、滑らかに前後に摺動する。プール又はビリヤードグローブ2は、締結材、例えば、キュー補助ガイド1をグローブ2に取り付ける働きをする親指の上面側3(a)、人差し指及び手の甲の上面側3(b)を覆うベルクロを包含する。なお、図1では、調整可能なベルクロタブを備えた上部締結材を符号4で示している。
【0023】
キュー補助ガイド1を保持している親指の上面側3(a)及び人差し指の上面側3(b)において使用されるベルクロパネルは、図2及び図3の各々に示されており、プール又はビリヤードゲーム中に必要とされるストロークに応じて、図2において示される通り、プレーヤが、キュー補助ガイド1を複数の位置状態に置くことを可能にする。図2及び図3は、調整可能なベルクロタブを備えた上部締結材を符号4で示す。
【0024】
図3は、補助ガイド1を人差し指の上面及び手の甲3(b)を覆っている面ファスナー上に取り付けている、キューボールを跳ねあがらせるために高架ブリッジを実施しているプレーヤを示す。キューシャフト5は、キュー補助ガイド1中を貫通する。
【0025】
図4は、キュー補助ガイド1の3つの異なる方向からの図を示し、符号6(a)、6(b)及び6(c)で表された3つのボーニング強化材と、キュー補助ガイド1上のベルクロ(登録商標)バンド7とを示す。本明細書で使用する際、「ボーニング」という用語は、例えば、シャツ、ブラジャー、コルセット、ビスチュ、水着又は肩つりひもなしのガウンのために使用され、幅広い種類の材料又は複合材料、例えば、鋼ボーニング、フェザーライト(Featherlite)ボーニング、フレキシカーブ(Flexicurve)ボーニング、又は当業者に知られている他の均等物から作られ得る、服飾技術における強化材の一般的なものを指し、例えば、グローブに直接縫い付けられる、又は布において形成されたポケット内に配置され得る金属(一般的に鋼)、ポリマー、又はプラスチックを含み得る。
【0026】
図5は、親指3の上面側(a)、人差し指及び手の甲の上面側3(b)の一部の上を覆うベルクロパネルを付けた手の甲側(上面側)を示す。さら、図5には、中指の内側を覆う強化バンド8(a)を示す。さらに、人差し指及びグローブ2が玉突き台とより快適に接触できるように、人差し指の上面側9に設けたフラットフェルシームが示されている。
【0027】
図6は、符号8(a)、8(b)及び8(c)により表される3つの強化部分を備えたグローブ2の手の平側を示す。手の平側の下部中央に、グローブ2は、取り外し可能なリング11が置かれるループ10を備える。図7は、玉突き台のレール上に位置付けられているグローブ2及びキュー補助ガイド1を示し、親指の上面側3(a)を覆うベルクロパネルに取り付けられたキュー補助ガイド1が、上記レールに対して完全に平らである状態を示す。
【0028】
図8に示された、別の実施形態において、本装置は、3つの足場フック、例えばマグネシウム酸化物(MGO)製足場フックからなる二重Y字形ランヤード13を備える。この内、2つの足場フックは、Y字形ランヤードをプレーヤのズボン、ベルト又は衣類に取り付けるために使用されるランヤード先端12(b)及び12(c)に配置され、3つ目の調整可能な足場フック12(a)は、エアブリッジを実施するために、本装置1で取り外し可能なリング11に引っ掛けられるように、Y字形ランヤード13の中央にしつけられ配置される。エアブリッジは、ブリッジハンドを玉突き台に接触させずに空中で動かないように保持する方法である。
【0029】
本発明について、好ましい実施形態に特に言及して詳細に説明したが、他の実施形態もほぼ同じ結果を達成し得る。本発明には、種々の変更形態及び修正形態があることは、当業者にとって明らかであると考えられ、そのような修正形態及び均等物は、全て添付のクレームに含まれることが意図されている。
【0030】
この明細書において説明したいずれの実施形態も、本発明の方法、用具、試薬、又は組成物のいずれかで実施でき、逆もまた同様であることを理解されたい。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用され得る。
【0031】
本明細書において説明した特定の実施形態は、本発明の説明のために示されており、本発明の限界として示されているのではないことが理解されたい。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な実施形態において用いられ得る。当業者は、単なるルーチンワークの実験を行って、本明細書において説明した特定の手順について、数多くの均等物を認識する、又は撞き止めることが可能である。そのような均等物は、本発明の範囲にあるとみなされるとともにクレームに包含される。
【0032】
本明細書において記載した公報及び特許出願の全ては、本発明が関連する当業者の技術のレベルを示している。全ての公報及び特許出願は、公報又は特許出願の各々は、具体的に及び個別に参照により組み込まれるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
特許請求の範囲及び/又は明細書において、「含む(comprising)」という用語とあわせて使用される場合、「a」又は「an」という言葉の使用は、「1つの」を意味し得るだけでなく、「1つ又は複数の」、「少なくとも1つの」、及び「1つ又は2つ以上の」をも意味する。特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、代替肢のみに言及することが明らかに示されていない限り「及び/又は」を意味するために使用され、又は、代替肢は、互いに排他的であるが、本開示は、代替肢のみ及び「及び/又は」を指す定義の根拠となる。本願全体にわたって、「約」という用語は、ある値が装置についての誤差の固有のばらつきを含むということを示すために使用され、方法は、試験対象間に存在する値又はばらつきを決定するために用いられる。
【0034】
この明細書及び特許請求の範囲において使用される際、「含む(comprising)」(及び含む(comprising)のあらゆる形、例えば、「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」)、「有する(having)」(及び有する(having)のあらゆる形、例えば、「有する(have)」及び「(有する)has」)、「含む(including)」(並びに含む(including)のあらゆる形、例えば、「含む(includes)」及び「含む(include)」)又は「含む(containing)」(及び含む(containing)のあらゆる形、例えば、「含む(contains)」及び「含む(contain)」)という言葉は、包含的又はオープンエンドであり、追加的な、挙げられていない要素又は方法ステップを排除しない。本明細書において提示された組成物及び方法のいずれかの実施形態において、「含む(comprising)」は、「から本質的になる」又は「からなる」と交換され得る。本明細書で使用する際、「から本質的になる」という表現は、特定の整数又はステップ、及び特許請求された発明の特徴又は機能に物質的に影響を及ぼさないものを必要とする。本明細書で使用する際、「からなる」という用語は、挙げられた整数(例えば、特徴部、要素、特徴、性質、方法/プロセスステップ若しくは限界)又は整数の群(例えば特徴部、要素、特徴、性質、方法/プロセスステップ若しくは限界)のみの存在を示すために使用される。
【0035】
「又はそれらの組合せ」という用語は、本明細書で使用する際、当該用語に先行する挙げられた項目の全ての順列及び組合せを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを含むことを意図し、特定の文脈において順番が重要である場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABも含むことを意図する。この例を続けると、明確に含まれているのは、1つ又は複数の項目又は用語の繰り返し、例えばBB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどを含む組合せである。当業者は、文脈から明らかでない限り、典型的にはいずれの組合せにおいても項目又は用語の数に制限はないことを理解する。
【0036】
本明細書で使用する際、近似を意味する言葉、例えば、非限定的に、「約」、「実質的な」又は「実質的に」は、ある条件であって、そのように修飾された場合、必ずしも絶対的でも完璧でもなくてよいと理解されるが、当業者にとって、条件が存在するものと指定することを正当化するのに十分似ていると考えられるという条件を指す。説明が変動し得る範囲はどのくらい大きな変化が起こされ得、当業者に依然として、修正された特徴部が、修正されていない特徴部の必要とされる特徴及び能力を有しているとして認識させるかに依存する。一般に、しかし先行する議論に依存して、近似を意味する言葉、例えば「約」により修飾される本明細書における数値は、挙げられた値から少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12又は15%だけ変動し得る。
【0037】
本明細書において開示及び特許請求された組成物及び/又は方法の全ては、本発明の開示に照らして過度の試験なしに作られるとともに実行される。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態に関して説明したが、組成物及び/又は方法に対して、並びに本明細書において説明した方法のステップにおいて又はステップの順序において、本発明の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなしに変更がなされ得ることは当業者には明らかである。当業者に明らかな全てのそのような同様の代替形態及び修正形態は、添付の特許請求の範囲により定義された本発明の趣旨、範囲及び概念内にあるとみなされる。
【0038】
特許庁、及びこの出願に基づいて発行されたいずれかの特許のいずれかの読者が、本願に添付された請求項を解釈するのを支援するために、出願人らは、「ための手段」又は「ためのステップ」という言葉が、特定の請求項において明確に使用されない限り、出願人らは添付の請求項のいずれも、米国特許法第112条パラグラフ6を、それがこの出願日に存在する通りに適用させることを意図していないことを留意したい。
【0039】
請求項の各々について、先行する請求項が、請求項の用語又は要素について適切な先行詞を持つ限り、全ての請求項について、各従属請求項は、独立請求項及び先行する従属請求項の各々に従属し得る。
図1
図2
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図7
図8