(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】調整可能なハンドルを備えたハンドヘルドキューガイド
(51)【国際特許分類】
A63D 15/00 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
A63D15/00 Z
(21)【出願番号】P 2021537024
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(86)【国際出願番号】 US2018048299
(87)【国際公開番号】W WO2020046279
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】521084415
【氏名又は名称】ゴメス エドアルド ロベルト
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【氏名又は名称】横井 大一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【氏名又は名称】泉名 謙治
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス エドアルド ロベルト
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4147346(US,A)
【文献】米国特許第8870669(US,B1)
【文献】米国特許第9539492(US,B1)
【文献】実開昭50-54276(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0297977(US,A1)
【文献】米国特許第4053153(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビリヤードゲームをプレーするための調整可能なハンドルを備えた、長尺状「V」字形キューシャフトガイドを含むキューボールを撞くために使用される、キューシャフトのためのハンドヘルドガイドであって、前記調整可能なハンドルは、前記ハンドルが最大で180度関節式に連結されることを可能にする少なくとも1つの軸を有する、キューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項2】
前記調整可能なハンドルが、前記「V」字形ガイドに実質的に垂直に取り付けられる、請求項1に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項3】
前記調整可能なハンドルが、前記ハンドルが最大で180度関節式に連結されることを可能にする2つの軸を有する、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項4】
前記ハンドヘルドガイドの一方側の外端は、人が前記ガイドを使用するときに人差し及び/又は中指を置くために、少なくとも1つの溝を有する、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項5】
前記ハンドヘルドガイドの一方側の外端は、人がガイドを使用するときに人差し及び/又は中指を置くために2つの溝を有する、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項6】
前記ガイドの長尺状長さが、約5~15インチ
、約7~12イン
チ、又は約9インチである、請求項
2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項7】
前記ガイドは、プラスチック、ポリカーボネート、木、ガラス又はそれらの組合せの群から選択される材料でできている、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項8】
前記ガイドが、透明なポリカーボネートでできている、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項9】
前記ハンドルが、少なくとも1つの可動グリップを有する、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項10】
前記ハンドルが、2つの可動グリップを有する、請求項
1又は2に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項11】
各グリップは、ゴム、シリコーン又はそれらの組合せの群から選択される材料でできている、請求項9又は10に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【請求項12】
前記「V」字形ガイドが平らな底部を有する、請求項
1、2又は11に記載のキューシャフトのためのハンドヘルドガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツのゲームをプレー又は実施するための装置に、より詳細には、ビリヤード又はプールゲームに関する。本発明は、ビリヤード又はプールをプレーするための調整可能なハンドルを備えたキューシャフトのためのハンドヘルドガイドを提供する。
【背景技術】
【0002】
ビリヤード及びプールゲームは、世界中で幅広い人種の人々により長年の間プレーされてきた。プール及びビリヤードは、多くの国において職業としてプレーされている。世界ビリヤードスポーツ連合(以降、「WCBS」)によると、ビリヤードの人気は近年かつてないレベルに高まっており、プールゲームは世界で最も広く行われているスポーツの1つとなっている。ビリヤードを数字で表すと、WCBSは、世界中で200を超える試合を開催しており、参加者は、アメリカ合衆国(以降、「米国」)内だけでも、凡そ3400万人である。玉突き台及び設備の販売によるおおよその収益は20億ドルを超え、同時に、米国内だけでも32,500人を超える人が雇用されている。プールゲーム及びビリヤードの人気及び職業性は、世界プロフェッショナルビリヤード・スヌーカー連盟及びWCBSを含む多くの組織がオリンピック委員会にプールゲーム及びビリヤードを2024年オリンピック大会のためのスポーツとして含めるよう依頼しているほどである。
【0003】
プールゲーム及びビリヤードにおいて達せられるべき洗練性及びプロ性にもかかわらず、このゲームは、アマチュアによっても広くプレーされているとともに、アマチュアの間で急成長している活動となっている。このゲームは、自宅にビリヤード台がある人々によってプレーされていると同時に、ビリヤード場、酒場及び娯楽センターでもプレーされている。また、ビリヤードゲームは全ての年齢の人がプレーすることができる。
【0004】
ゲームの人気が高まっているにもかかわらず、ゲームの習得は、困難な課題であり、アマチュアのパフォーマンスの向上及びゲームの人気を高める上で主な障害となり続けている。本、ビデオ、個別指導及び装置(これらの多くは高価で複雑である)は、ゲームをプレー及び習得し易くするための様々な試みの例である。
【0005】
しかしながら、本発明は上記した障害を克服すると同時に、手ごろな価格の、ユーザフレンドリーであり、プレーヤのパフォーマンスを短期間で向上させることができる装置であり、また、プロ又は経験豊富なプレーヤだけのためのもののように見えるゲームをプレーすることを思いとどまることの多い、プールゲームに初歩で不慣れなプレーヤに好適である。
【0006】
いくつかの例外とバリエーションはあるが、プールゲーム及びビリヤードゲーム(プールゲーム及びビリヤードの用語は、互いに交換可能に使用される)は、大抵、キューと呼ばれる木又はそれと同様の材料のスティックでプレーされる。キューは、様々な形状を有するとともに広範な材料で作られる。キューは木(例えば、カエデ、アッシュ又はオーク)でできていることの方が多いが、この他のキュー材料には、アルミニウム、繊維ガラス及び炭素繊維が含まれる。それらを製造するのにどの材料が使用されるかは問題ではなく、ビリヤードキューの構造又は部品は、基本的に2つの部分、すなわち、a)バット部及びb)シャフト部を含む。バット部は、異なる部品、すなわち、i)バット部の終端にバンパー、ii)バンパーに続くバットキャップ、iii)ラップ又はグリップ、及びiv)フォアアームを含む。シャフト部は、i)バット部から突出する先細シャフト、ii)キューの先端の先角、及びさらに、iii)キューボールを撞くタップを含む。ゲームの目的は、ビリヤードプレーヤが、特定のボール(キューボール)を打ち、キューボールを転がして別のボールに当て、最後に触れられたボールをビリヤード台の6つのポケットのうちの1つに入れることである。キューボールを打つために、ビリヤードプレーヤは基本的に、キューのバットエンドを一方の手で握ることにより把持し、シャフトを他方の手で保持する。プレーヤが、自らの手でキューシャフトを保持する正しい方法は、ブリッジと呼ばれる。あるブリッジは、手を玉突き台の上に置き、キューが、キューシャフトを保持する指の間を滑らかに摺動することができるように指を離すように広げることにより形成される。最後に、ビリヤードプレーヤは、ストロークでブリッジハンドに対して長手方向にキューを動かすことによりショットを実行する。
【0007】
プールゲームの主な問題のうちの1つは、ブリッジをどのように作るのか、より具体的には、正しいショットのための正しいブリッジを、どのように作るのか学ぶことである。多くのタイプのブリッジがあり、それらそれぞれにはそれ自体の目的がある。そのような発明の1つは、米国特許第3,416,794号明細書において記載されており、そこでは、ブリッジは、おそらく学んで習得するのに最も難しい技術であると記載している。素晴らしいストロークを達成するために、ブリッジハンドは、玉突き台の最上部の良いところにしっかりと位置付けられ、指を広げてキューシャフトを確保しながらも、後ろの手により作り出される前後の動きを可能にする必要がある。全てのこれらの動作は、初心者及びアマチュアプレーヤには達成するのが難しい。
【0008】
典型的には、ブリッジの主要な機能は、不必要な横向きの動きを減らす又は最少化するためにキューシャフトを適所にロックすることである。ブリッジは、2つの主要なカテゴリー、i)オープンブリッジ及びii)クローズドブリッジの間で分類される。オープンブリッジは、クローズドブリッジに比べて形成するのが容易であるため、アマチュア及び不慣れなプレーヤにより用いられることが多い。さらに、オープンブリッジでは、プレーヤが行わなければならないことは、自らの親指及び自らの人差し指を用いて、自らの手で「V」字形を形成し、キュースティックが、「V」字形により形成された角度にわたって動くことを可能にすることのみであるため、不慣れなプレーヤほど親しみ易い。しかしながら、オープンブリッジは、プレーヤがソフト又はフォローショットを行う必要があるときには極めて有用である。クローズドブリッジは、プロのプレーヤ間でより用いられる。クローズドブリッジにおいては、親指、人差し指及び中指でキューシャフトを包み、プレーヤがキュースティックの移動をよりコントロールし、これにより、プレーヤは、キューボールをよりコントロールし、より大きな力で打つことが可能になる。ショット全体にわたってブリッジをどのように形成及び維持するかは、(オープンであれクローズドであれ)プレーヤが直面する唯一の問題ではない。ブリッジハンド及びキュースティックが関わる別の困難は、プレーヤの手の表面及び形状が、キュースティックを前後に移動させるために最適な摺動面ではないことであり、問題は、プレーヤの手が汗をかき、及び/又は濡れ、滑動面が粘り気を帯び、したがって、キューから理想的な滑らかな乗り具合が奪われるときに悪化する。こうした問題点は、プレーヤが不慣れなほど、プールゲームをプレーして楽しむことを始める気を削ぐ。それだけでなく、ゲームでモチベーションを保ちつつ自身の能力を可能な限り迅速に発達させることを望む初心者の進歩を遅らせることになる。
【0009】
ブリッジの形成に関して経験豊富なプレーヤが直面するなお別の困難には、以下事項が含まれ得る、すなわち、a)プレーヤが、(例えば、ボールを跳ねあがらせる又はオブジェクトボールを越えるショットを打つために)高架オープンブリッジを実施する必要がある場合、ブリッジを形成する指の表面のほとんどが玉突き台との接触を失うため、プレーヤは、キューのコントロール及び安定性を失うのが通常であり、b)プレーヤが、短いクローズドブリッジを形成するとき、人差し指がシャフトの周りに巻き付けられているため、プレーヤには、シャフトが見えなくなるので、プレーヤは、ショットの視認性を失い、同時に後ろの手に目を向けていられない(ラップ/グリップ上の手、これは、プレーヤがストローク(ショット)をコントロールしようとするときに別の困難を生じる)、c)なお別の困難は、キューボールがレールと接触している場合に、プレーヤが、キューボールをショットする必要があるときである。これらは、プールゲーム及びビリヤードゲームにおいて最も難しいストロークの1つと考えられる。さらに、アマチュアゲームにおいて、プレーヤが(困難な位置からショットを実行することを回避するために)キューボールを自らの手で異なる位置に移動させようとする、又は、キューボールをレールから分離しようとする場合について、多くの議論及びさらには争いが生じている。最後になるが、高齢者、関節炎を患っている人又は切断した指のある人が、特定のタイプのブリッジを行うことを望む場合に、重要な問題が生じる。
【0010】
ビリヤード及びプールゲームガイド並びに関連する装置の使用は、先行技術において既知である。いくつかの特許は、キュースティックが、ブリッジを形成するプレーヤの指により動けなくなる、又は詰まる又は遅くなるという問題を解決することを狙いとする。これらの特許の目的は、プールキュースティックに、グローブ、グライド又は関連する装置により作り出される滑らかな乗り具合を提供することである。これらのグループに含まれる特許には、米国特許第3,416,794号明細書、米国特許第4,025,962号明細書、米国特許第4,064,563号明細書、米国特許第4,103,362号明細書、米国特許第8,539,614号明細書、及び米国意匠特許第349,364号明細書がある。別の特許、米国特許第9,067,126B2号明細書、これは、キュー保持ガイドであって、グローブと、親指及び人差し指の付け根により形成された「V」にしっかりと取り付けられたキューチャネルとを含むキュー保持ガイドを示している。この発明は、グローブに、剛性のキューチャネル部材を提供して、キュースティックをそれに向かって摺動させようとするが、この発明は、多くの理由から現実的及び実用的なトレーニング装置は提供しない。この結論の1つの理由は、キューチャネルが、プレーヤにプレーには不適切な位置を採用するよう強いる場所に位置付けられるという事実により与えられる。これにより、プレーヤは、筋肉を固くするとともに不自然で不快なやり方で関節を固定し、自らはゲームをプレーする気を失う(例えば、いくつかのショットについて、プレーヤは、トレーニング装置を支える手の位置に対抗するために自らの腕、肩又は手首を過度に曲げる必要があるだろう)。なお別の理由は、記載された装置は、a)装置が、プレーヤが特定のショットを実施するため及びストロークをよりコントロールするために必要なクローズドブリッジを実施することを妨げないため、及び、b)キューチャネルの長さが、親指と人差し指とを合わせることにより作り出される長さとほぼ同じであり、この短い長さは、キュースティックの横向きの動きを妨げないため、プレーヤが、ストロークに対するコントロールを有することを可能にしないからである。したがって、記載された発明は、オープニングブレークショットを成功裏に実施するのに効率的なトレーニングツールではない。記載された装置でこれらのショットを実施するために、プレーヤは、自らの力を、突然、コントロールされていない動きにおいて集中させる必要がある。さらに、記載された装置には、以下を理由とする他の欠点もある、すなわち、i)これは、キュースティックがキューチャネルから外れることを防止しない、ii)これは、プレーヤがクローズドブリッジ及び/若しくは高架ブリッジを形成する必要があるとき、又は、多くの状況においてプレーヤが玉突き台のレール上でブリッジを形成する必要があるときに使用され得ない、iii)キューチャネルの凹形状は横向きの動きを防止しないため、撞きそこないを招く、iv)キューチャネルの剛性は、キュースティックがシャフト上を摺動する際にシャフトに損傷を与え得る、v)グローブに固定されたキューチャネルは、プレーヤのブリッジハンドに妨害的な部材を支えさせる、並びに、さらに、vi)しばらく使用した後で、グローブに固定されたキューチャネルが、グローブの布帛を、シャフトがその上を摺動することにより掛けられる連続的な力を原因として、破り得る。
【0011】
キューボールを撞くために、キュースティックが前後に移動するときにキュースティックの移動に滑らかさを提供すると言われる別の代替肢は、米国特許第9,144,731号明細書及び市販装置「The SleeveTM」により提供されている。この装置は、キューシャフト上に設置され、プレーヤにキュースティックを包むように握るための人間工学的グリップを提供する。この装置は、キュースティックが、ブリッジを形成するプレーヤの指により動けなくなる、詰まる、遅くなるという問題を解決し得るが、これは、実際には、キュースティックの摩擦を増加させる(特許明細書において記載されたようには減少させない)。このとき「The SleeveTM」は、キュースティックの摩擦をいかなる度合いでも減少させることはできない。別の問題は、装置とキュースティックとの間の接触により生じる摩擦が、特定の期間使用された後で、キューのシャフトの表面に損傷を与え得るとともに当該表面を効果的に暗くし得るというものである。「The SleeveTM」の別の欠点は、これは、親指及び人差し指が装置を適切に包むように握ることができないため、オープンブリッジ及び高架オープンブリッジで使用され得ないという点である。「The SleeveTM」が、親指の上、又は人差し指と親指とで作られた「V」字形の上に単に配置される場合、「The SleeveTM」が、エンボス加工されたグリップ強化要素を有する場合であっても、これは、手の上に位置すること及び/又は手の上でつかむことはできない。したがって、「The SleeveTM」が、オープンブリッジで使用されると、ゲーム中に必要とされる極めてやわらかいストロークに加えて、いずれのショットも、横向きの動きを生じ、及び/又はスリーブが、ブリッジハンドから完全に出る。別なスリーブが、米国特許第5,478,282号明細書において記載されている。
【0012】
プレーヤ(特に初心者)に、自らのストロークの安定性を提供するためにブリッジを取り除く又はブリッジの形成を支援するために先行技術において記載された他の代替肢は、ガイド又はレールの幅広い多様性により表される。米国特許出願公開第2011/0070959A1号明細書は、「ジュニア・シャーク・ガイディング・ホイール(Junior Shark Guiding Wheel)」として商業的に既知のクリップ/締結具であって、キューシャフトに取り付けるために車輪を備えたクリップ/締結具を提供する。この装置は、片方の手のみで使用されることが意図されており、制約が多い。米国特許第4,053,153号明細書は、ブリッジトレーニング装置であって、剛性ベースと特定の高さの支柱によりそれに取り付けられた長尺状ガイドとを含むブリッジトレーニング装置について記載する。米国特許第7,611,416号明細書は、キュースティックを内部に置くための固定管状アダプタについて記載する。米国特許第3,416,794号明細書は、リングの最上部でチャネルへ接合されるリング状部材により形成されたブリッジ支援装置について記載する。プールゲーム又はビリヤードキューのために提案された別の支援ガイド装置は、米国特許第3,851,876号明細書により提供され、使用者に、凹形キューガイドノッチであって、使用者が、自らキューボールを打つ間、その上にキュースティックを置くのを助ける凹形キューガイドノッチを備えた長方形の長尺状装置を提供する。
【0013】
他方、一群の特許が、ブリッジを作ることも、装置により支援されつつブリッジを作ることも無しにプレーヤにキューボールを撞かせる異なる装置を提供する、米国特許第9,539,492号明細書、米国特許第4,147,346号明細書、米国特許第3,416,794号明細書及び米国特許第5,238,457号明細書により範囲を定められている。米国特許第9,539,492号明細書は、高い位置からキューボールを打つために玉突き台又は三脚のいずれかに位置付けられ得る支持体の上に取り付けられたガイドレールを記載している。米国特許第4,147,346号明細書は、プールゲームをプレーするときに手で握られるとともにキューシャフトを受けるよう適合されたガイドを提供する。最後に、米国特許第5,238,457号明細書は、柱の底部に固定された半円形の円筒形ドラム部材と、柱の上部分に固定された水平スリーブとを備えた直立した柱を有する摺動キューホルダ装置を含む。
【0014】
これらの特許は、使用者に自らのストロークにおいてより多くの安定性を提供しブリッジの形成をほとんど除去しているが、それらは全て妨害的な部材を導入して、ビリヤード及び/又はプールゲームをプレーすることをより複雑で難しいものとする。米国特許第4,147,346号明細書は、ゲームをプレーしている間にプレーヤの邪魔となる嵩の高い装置を提供する。この装置が導入するいくつかの問題は以下の通りである、すなわち、(i)装置は嵩が高く、プレーヤの手がクローズドブリッジを実施するには大きすぎ、特許文献によると、スリーブを形成する2つの等しい部片を一緒に合わせるためにはクローズドブリッジが求められる、(ii)プレーヤの手が小さい場合(例えば一般に女性及び子ども)、自らは、装置を適切に使用することができず、撞きそこなう、(iii)スリーブのかさ張る大きさは、キューシャフトからのプレーヤの視点を取り除き、プレーヤのストロークに対するコントロールを失わせる、(iv)装置の管状のハンドルは取り外し可能とすることができ、プレーヤに装置を単独で使用させることができるが、スリーブのかさ張る大きさは、自らが異なるレールの上及び/又は玉突き台の上でプレーするとき、プレーヤから正しいショットを奪う(例えばスリーブのかさ張る大きさは、いくつかのショットを作るのに必要とされるであろうようなものにはなり得ない)、(v)スリーブは、内部の玉軸受けの形で複数の球状の部材を有するため、装置はキュースティックとスリーブとの間の摩擦を減少ではなく増加させる、(vi)これらの発明の別の欠点は、管状のスリーブ構造が手にしっかりと固定され、異なるストロークへのスリーブの動きを可能にしないという点である、及び最後に(vii)そのより広い部分、バット部により近いものがキューシャフトに適切に巻き付かず、撞くときにキューシャフトが円形の動きを実施することを可能にするため、キュースティックの半円錐台状の形はキュースティックの円形の動きを防ぎ得ない。
【0015】
米国特許第5,238,457号明細書は、柱の底部に半円形の円筒形ドラムを有する直立した柱と柱の上部分にわたって固定された水平なスリーブとを有するキュースライダ装置の別の例を提供する。この場合も、上記の段落において説明したのと同じ問題が、この発明に当てはまる。加えて、柱の底部上の半円形の円筒形ドラムは装置をより不快なものとする(例えば、プレーヤがポケットの近くのレールの上でショットを行うことを望む場合)。
【0016】
ごく最近、米国特許第9,539,492号明細書が、プール台の上で直接的に用いることができるか、三脚の上に取り付けられ得る支持体の上に取り付けられたキューガイド装置を提供している。支持体は、複雑な複数のV車輪のおかげで動きが可能となる。それにもかかわらず、支持体のサイズが、プレーヤに支持体をテーブルに置く余地を残さないため、提案されたキュー装置は嵩が高く、不快で、及び/又は、プレーヤがレールの近くでプレーするときに使用するのは不可能である。さらに、三脚ベースはプールゲームに不快で奇妙な要素を導入する。
【0017】
結果として、先行技術において記載された発明は、プレーヤに、自らのプールゲーム又はビリヤードのパフォーマンスを向上させるための有用な解決策を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
プールゲーム及び/又はビリヤードプレーヤの効率及びパフォーマンスを向上させるために、調整可能なハンドルを備えた単純で、有用で、ユーザフレンドリーで、手ごろな価格のハンドヘルドキューガイドを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述の目的によると、本発明は、異なるショットを実施するために関節式に連結されたハンドルを備えたプールゲーム又はビリヤードハンドヘルドキューガイドを提供し、プレーヤがゲームのプレー中に装置を容易に使用することを可能にする。本発明の効果は、それが単純で、小さく、柄が付いていて、全てのプレーヤの手に適合可能な装置を提示するという点である。技術的に、本発明は。先行技術より優れた2つの主な効果を奏する。第1の効果は、キューガイドの長尺状「V」字形が支え易く取り扱いやすいという点である。本装置の第2の効果は、ハンドルが容易に関節式に連結され、及び/又は調整可能であるという点である。
【0020】
キューガイドの「V」字形は、キューシャフトをガイド上に置くときにより高い安定性を提供し、キューシャフトの側方及び/又は横向きの動きを防ぎ、先行技術であって、以下、すなわち、凹形で短いスライダを提供する米国特許第3,416,794号明細書、半円錐台状の形のキューグライドガイドを提供する米国特許第4,147,346号明細書、及び凹形の円すい形チューブを提供する米国特許第5,238,457号明細書を含む先行技術よりも良い。好ましい実施形態において、「V」字形キューガイドは、長尺状ガイドであって、プレーヤがキューシャフトを固定されたポイントに位置付けることを可能にするのみならず、プレーヤがブリッジを形成するのを回避又は支援することを可能にする長尺状ガイドである。加えて、本装置は、米国特許第4,147,346号明細書及び米国特許第5,238,457号明細書と比較すると、小さくて包むように握りやすいため、プレーヤはクローズド及び高架ブリッジを実施し得る。さらに、本明細書において提案するキューガイドは、ガイドの「V」字形側面の片側の上に人差し指を位置付けるための少なくとも1つの凹形溝を有する。好ましい実施形態において、「V」字形キューガイドは、クローズドブリッジを実施している間に人差し及び/又は中指のいずれかを置くために2つの凹形溝を有する。2つの凹形の形状は、プレーヤが、自らの人差し指を置くために、どの凹形溝を選択するかに応じて、プレーヤが、シューティング角度を徐々に変えることを可能にする。したがって、親指をキューガイドより下に位置付け、キューガイドのエッジに最も近い凹形溝を選択することにより、プレーヤはキューガイドの角度を大きくする。他方、親指をキューガイドより下に位置付けキューガイドの中間に最も近い凹形溝を選択することにより、プレーヤは、キューガイドの角度を小さくする。この目的のために、親指はキューガイドの釣り合いをとる又はキューガイドを回転させるための支持ポイントとして機能する。
【0021】
キューガイドの別の特徴は、ショットの力は突然の移動に由来するのではなくキューガイドの長さに沿って案内されたストロークに由来するため、その長さが、より多くの安定性を伴ってストロークするためにプレーヤがキューシャフトを前後に十分な距離移動させることを可能にするという点である。これは、
図7に示された通り、プレーヤがブレーク又はオープンストロークを実施することを可能にする。長尺状ガイドは長さ5~15インチに及ぶ。好ましい実施形態において、ガイドの全長は7~12インチに及ぶ。最も好ましい実施形態において、「V」字形ガイドの長さは9インチである。代替的実施形態において、キューガイドは、キューガイドが玉突き台の上に配置されて横向きの動きを取り除くことを可能にする平らな底部を備えた「V」字形を含む。
【0022】
本装置の別の効果は、キューガイドが、使用し易くプール台の上又は玉突き台のレールの上に置きやすい調整可能なハンドルを有するという点である。調整可能なハンドルは2つの部片、下部片及び上部片でできている。下部片は、ナットに嵌合する調整可能ねじにより上部片に接合される。下部片の最上部は、上部片がその
底部に有する別のハーフクレスト(crest)と組み合うハーフクレストを有する。両方のハーフクレストは、円形の穴であって、それを通じてねじが既に言及されたナットに嵌入するまで横断する円形の穴を有する。好ましい実施形態において、ねじ頭は手で調整可能である。好ましい実施形態において、ナットは上部片に埋め込まれている。他方、上部片はその最上部に、「V」字形キューガイドに属する2つの他のクレストと組み合う3つのクレストを有する。「V」字形ガイドの2つのクレストは「V」字形キューガイドの側面に垂直である。したがって、上部片及びV字形キューガイドに属する5つのクレストの各々は、円形の穴であって、それを通じてねじがナットに嵌入して両部材を一緒につなぐまで横断する円形の穴を有する。上部片のナットは上部片上に埋め込まれている。好ましい実施形態において、ねじ頭は手で調整可能である。ハンドルの両ジョイントは少なくとも180度の回転を可能にし、プレーヤが正しいストロークを実施することを可能にする。したがって、ハンドルを調整することにより、プレーヤは多くのストロークをレールの上又はポケットの近くで実施することができる。加えて、本装置は、
図6において後で示される通り、プレーヤが、キューガイドをプール台の平らな位置で使用することを可能にする。さらに、プレーヤが、レールの上でストロークを実施する必要があるとき、自らは外部装置、例えば、米国特許第9,539,492号明細書において言及された三脚を使用する必要はない。プレーヤは、プレーヤが快適なストロークを実施することを可能にする位置においてハンドルを関節式に連結するだけでよい。玉突き台の真ん中でプレーしているとき、ハンドルを平らな位置に置くためにキューガイドを包むように握ることにより、又は単にキューガイドを自らの拳で包むように握りそれを玉突き台の上に置き、同時に
図6に示された通りハンドルは平らな位置に残したままとすることにより、プレーヤは通常のブリッジ(オープン又はクローズド)を実施することができる。
【0023】
このキューガイドのなお別の効果は、
図3に示されている通り、キューボールの近くに別のボールがある、又は実施に際して「球越し」と呼ばれているものを行うときに、本装置が、プレーヤがキューボールを撞くことを可能にするということにより提供される。このショットの実施に進むために、プレーヤは単に、ハンドルを「L」形状に関節式に連結し、自らのブリッジハンドをキューボールに平行に置き、越えられるボールの上にキューガイドエンドを持ってくるだけでよい。これは、ハンドルがプレーヤの視界を妨げないため、プレーヤがストロークを適切に実施することを可能にするのみならず、ショット全体の完全な視認性を有することも可能にする。好ましい実施形態において、キューガイドは透明なポリカーボネートでできている。好ましい実施形態において、キューガイドの上面は、キューシャフトがキューガイドの上を摺動するときにキューシャフトの摩擦を減少させるために滑らかでやわらかい材料で覆われている。
【0024】
代替的実施形態において、
図8に示されている通りキューガイドのハンドルは、1つのみの軸を含む。この実施形態において、ハンドルは1つの部片でできている。前記部片はその上部分に、「V」字形キューガイドに属する2つの他のクレストと組み合う3つのクレストを有する。「V」字形ガイドの2つのクレストは「V」字形キューガイドの側面に垂直である。したがって、ハンドルの部片及びV字形キューガイドに属する5つのクレストの各々は、円形の穴であって、それを通じてねじがナットに嵌入し両部材を一緒につなぐまで横断する円形の穴を有する。ハンドルの部片のナットは部片上に埋め込まれる。好ましい実施形態において、ねじ頭は手で調整可能である。ハンドルの両ジョイントは、プレーヤが正しいストロークを実施することを可能にする少なくとも180度の回転を可能にする。
【0025】
本明細書に組み込まれるとともにその一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を説明し、説明とともに、本発明の原理を説明する働きをする。添付図面は好ましい本発明の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定するものとして解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による調整可能なハンドルを備えたハンドヘルドキューガイドの実施形態の分解図である。
【
図2】本発明を3つの異なる視点から示す実施形態の代表図である。
【
図3】球越しのショットを実施するためにハンドルと「L」字形を形成する本発明の実施形態の代表図である。キューガイドの関節式に連結されたハンドルは2つの軸を含む。
【
図4】プレーヤが玉突き台のポケットの上でショットを実施するときの調整可能なハンドルを備えたハンドヘルドキューガイドの代表図である。
【
図6】ブリッジを実施せずに玉突き台上で平らな状態で通常のプレーで使用されるときのキューシャフトのためのハンドヘルドガイドの代表図である。
【
図7】ハンドヘルドキューガイドがレール上に置かれてブレーク又はオープニングショットを実施するときの、平らな位置にあるハンドヘルドキューガイドを使用しているプレーヤの代表図である。
【
図8】関節式に連結された1つの軸を含むハンドヘルドキューガイドの代表図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、添付図面、特に
図1を参照すると、例えば、プレーヤが、クローズドブリッジを実施するときに人差し及び/又は中指を位置付けるために、2つの凹形溝5(a)及び5(b)を備えたキューガイドが、符号1で示されている。さらに、
図1は、関節式に連結されたハンドルであって、上部片2に接続された、2つの可動グリップ13(a)及び13(b)を有する、その下部片3と、キューガイド1の「V」字形キューガイド4に属する2つのクレスト6とを有する関節式に連結されたハンドルを示す。
【0028】
図2は、キューガイド1の平面図を示し、キューガイド1は、その調整可能なハンドルがその2つの部片2及び3により形成されている。
図2は、それぞれ、上部片2に配置されたねじ9(a)及び埋め込み式ナット10(a)により接続されたハーフクレスト12及び11の両方による、下部片3と上部片2との間のジョイントを示す。さらに、
図2は、キューガイド1の「V」字形キューガイド4から延在する2つのクレスト6とハンドルの上部片2の3つのクレスト7とが組み合わさることにより作り出された、上部片2とキューガイド1との間のジョイントを示す。ジョイントにおける5つのクレストは、ねじ9(b)であってナット10(b)に到達するまで、5つのクレストにおける穴を横断するねじ9(b)により固定される。
図2はまた、グリップ13(a)及び13(b)並びに凹形溝5(a)及び5(b)を示す。
【0029】
図3は、球越しのショットを実施しているプレーヤを示す。このストロークを実施するために、プレーヤは、「L」形状を形成する90度の角度を作るように下部片3及び上部片2を関節式に連結する。キューシャフト15は、キューガイド1の「V」字形4の上を摺動する。ハンドルの上部片2の3つのクレスト7とキューガイド部片1の2つのクレスト6との間のジョイント、並びに下部片3と上部片2との間のそれらのハーフクレスト部材12及び11でのジョイントが、
図3に示されている。さらに、好ましい実施形態において、キューガイドは、透明であり、関節式に連結されたハンドルを保持している、プレーヤの手は、自らの視界を妨げないため、この図は、プレーヤがどのようにしてショット全体にわたって完全な視認性を有するかを示す。
【0030】
図4は、プレーヤが、ポケットの近くでショットを打つとともに、部片3及び2で構成されるハンドル並びにキューガイド1をほぼ平らな位置に置き、自らの指が、ポケットの境界線でハンドルを保持することが可能になっているところを示す。この図は、プレーヤが、いかにしてキューシャフト15を部片1の「V」字形ガイド4の表面全体に沿って移動させるかを示す。
図4において、プレーヤは、グリップ13(b)をポケットの上部の境界線にやわらかく接触させるように調整している。
【0031】
図5は、本発明において提案する装置の全体の分解図を示し、下部片3に嵌合する2つのグリップ13(a)及び13(b)を示してある。下部片3は、一端に、上部片2に属する別のハーフクレスト11と組み合うハーフクレスト12を有する。上部片2は、ねじ9(a)及び9(b)の対とナット10(a)及び10(b)の対、上部片2の外側8(a)及び8(b)に埋め込み式皿穴、皿穴及び/又は座ぐり穴を含む。加えて、部片2は、上縁に、キューガイド1から延在する2つの他のクレスト6と組み合う3つのクレスト7を含む。符号1で示されたキューガイドは、人差し及び/又は中指を置くための2つの凹形溝5(a)及び5(b)を含む「V」字形4を有する。
【0032】
図6は、プレーヤが、ハンドルを保持するためにブリッジを形成せずに自らの手を玉突き台に置いてショットを実施しているところ示す。上部片2と2つのクレスト6とのジョイントは、ショットを実施するためにハンドルの快適な関節式連結を示す。
図6は、プレーヤが、ブリッジを実施せずに単に自らの拳でキューガイド1のハンドルを包んでいることを示す。グリップ13(a)は、玉突き台とやわらかく接触している。
【0033】
図7は、レール上でプレーしているとともにブレーク又はオープニングショットを実施しているときに、ハンドヘルドキューガイド1を使用しているプレーヤの代表図を示す。こうしたショットのために、プレーヤは、ハンドヘルドキューガイド1を平らな位置において使用する。図は、プレーヤが、ブレークショットを実施するために、キュースティック15をキューガイド1の「V」字形4上を可能な限り後ろに移動させているのを示す。
図7は、プレーヤがどのようにして、人差し指を凹形溝5(a)に置きながら、グリップ13(a)をハンドルの端部に向かって移動させて関節式に連結されたハンドルを平らな位置に位置付けるかを示す。ガイドが許す限りキュースティックを移動させる動きは、まるでプレーヤがハンドヘルドキューガイド1を使用していないかのように、突然の動きによってではなく距離によって、より大きなコントロール力をショットに対して生じることを可能にする。
【0034】
図8は、関節式に連結された1つの軸を含むハンドヘルドキューガイド1の代表図である。さらに、
図8は、ハンドルの部片14とキューガイド1との間のジョイントを示す。上記した部分間のジョイントは、キューガイド1の「V」字形4から延在する2つのクレスト6とのハンドルの部片14の3つのクレスト16の組み合いにより生じた。ジョイントにおける5つのクレストは、5つのクレストの穴を通ってナット18に到達するまで横断するねじ17により固定される。
【0035】
本発明は好ましい実施形態に関して、特に詳細に説明したが、他の実施形態もほぼ同じ結果を達成し得る。本発明の変更形態及び修正形態は当業者にとって明らかであると考えられ、全てのそのような修正形態及び均等物を添付の特許請求の範囲において含めることが意図されている。
【0036】
この明細書において説明したいずれの実施形態も本発明の方法、用具、試薬、又は組成物のいずれかで実施でき、逆もまた同様であることが理解されたい。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用され得る。
【0037】
本明細書において説明した特定の実施形態は、本発明の説明のために示されており、本発明の限界として示されているのではないことが理解されたい。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱すること無しに、様々な実施形態において用いられ得る。当業者は、単なるルーチンワークに過ぎない実験を行って、本明細書において説明した特定の手順にについて数多くの均等物を認識する、又は突き止めることが可能である。そのような均等物は、本発明の範囲にあるとみなされるとともに特許請求の範囲に含められる。
【0038】
本明細書において記載された、公報及び特許出願の全ては、本発明が関連する当業者の技術のレベルを示している。全ての公報及び特許出願は、公報又は特許出願の各々は、具体的に及び個別に参照により組み込まれるとのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
請求の範囲及び/又は明細書において、「含む(comprising)」という用語とあわせて使用される場合、「a」又は「an」という言葉の使用は、「1つの」を意味し得るだけでなく、「1つ又は複数の」、「少なくとも1つの」、及び「1つ又は2つ以上の」をも意味する。請求項における「又は」という用語の使用は、代替肢のみに言及することが明らかに示されていない限り「及び/又は」を意味するために使用され、又は代替肢は互いに排他的であるが、本開示は、代替肢のみ及び「及び/又は」を指す定義の根拠となる。本願全体にわたって、「約」という用語は、ある値が、本装置についての誤差の固有のばらつきを含むということを示すために使用され、方法は、試験対象間に存在する値又はばらつきを決定するために用いられる。
【0040】
この明細書及び請求項において使用される際、「含む(comprising)」(及び含む(comprising)のいずれの形、例えば、「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」)、「有する(having)」(及び有する(having)のいずれの形、例えば、「有する(have)」及び「(有する)has」)、「含む(including)」(及び含む(including)のいずれの形、例えば、「含む(includes)」及び「含む(include)」)又は「含む(containing)」(及び含む(containing)のいずれの形、例えば、「含む(contains)」及び「含む(contain)」)という言葉は、包含的又はオープンエンドであり、追加的な、挙げられていない要素又は方法ステップを排除しない。本明細書において提案された組成物及び方法のいずれのものの実施形態において、「含む(comprising)」は、「から本質的になる」又は「からなる」と交換され得る。本明細書で使用する際、「から本質的になる」という表現は、特定の整数又はステップ、及び特許請求された発明の特徴又は機能に物質的に影響を及ぼさないものを必要とする。本明細書で使用する際、「からなる」という用語は、挙げられた整数(例えば、特徴部、要素、特徴、性質、方法/プロセスステップ若しくは限界)又は整数の群(例えば特徴部、要素、特徴、性質、方法/プロセスステップ若しくは限界)のみの存在を示すために使用される。
【0041】
「又はそれらの組合せ」という用語は、本明細書で使用する際、当該用語に先行する挙げられた項目の全ての順列及び組合せを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを含むことを意図し、特定の文脈において順番が重要である場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABも含むことを意図する。この例を続けると、明確に含まれているのは、1つ又は複数の項目又は用語の繰り返し、例えばBB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどを含む組合せである。当業者は、文脈から明らかでない限り、典型的にはいずれの組合せにおいても項目又は用語の数に制限はないことを理解する。
【0042】
本明細書で使用する際、近似を意味する言葉、例えば、非限定的に、「約」、「実質的な」又は「実質的に」は、ある条件であって、そのように修飾された場合、必ずしも絶対的でも完璧でもなくてよいと理解されるが、当業者にとって、条件が存在するものと指定することを正当化するのに十分似ていると考えられるという条件を指す。説明が変動し得る範囲はどのくらい大きな変化が起こされ得、当業者に依然として、修正された特徴部が、修正されていない特徴部の必要とされる特徴及び能力を有しているとして認識させるかに依存する。一般に、しかし先行する議論に依存して、近似を意味する言葉、例えば「約」により修飾される本明細書における数値は、挙げられた値から少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12又は15%だけ変動し得る。
【0043】
本明細書において開示及び特許請求された組成物及び/又は方法の全ては、本発明の開示に照らして過度の試験無しに作られるとともに実行される。本発明の組成物及び方法は好ましい実施形態に関して説明したが、組成物及び/又は方法に対して、並びに本明細書において記載した方法のステップにおいて又はステップの順序において、本発明の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなしに変更がなされ得ることは当業者には明らかである。当業者に明らかな全てのそのような同様の代替形態及び修正形態は、添付の請求の範囲により定義された本発明の趣旨、範囲及び概念内にあるとみなされる。
【0044】
特許庁、及びこの出願で基づいて発行された、いずれの特許のいずれの読者も本願に添付された請求の範囲を解釈するのを支援するために、出願人らは、「ための手段」又は「ためのステップ」という言葉が、特定の請求項において明確に使用されない限り、出願人らは添付の請求の範囲のいずれも米国特許法第112条パラグラフ6をそれがこの出願日に存在する通りに適用させることを意図していないことを留意したい。
【0045】
請求項の各々について、先行する請求項が、請求項の用語又は要素について適切な先行詞を持つ限り、全ての請求項について、各従属請求項は、独立請求項及び先行する従属請求項の各々に従属し得る。