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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】拡幅車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/34 20060101AFI20220922BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20220922BHJP
   B62D 21/14 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
B60P3/34
B60P3/00
B62D21/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022075840
(22)【出願日】2022-05-02
【審査請求日】2022-05-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593157622
【氏名又は名称】株式会社ヨコハマ・モーターセールス
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永野 文義
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0217600(US,A1)
【文献】特開平03-043538(JP,A)
【文献】特開2013-147285(JP,A)
【文献】特開2002-321734(JP,A)
【文献】特表2019-506325(JP,A)
【文献】特開平10-218282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/34
B60P 3/00
B62D 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体の側面の幅方向に拡幅する拡幅部を備えた拡幅車両であって、
前記拡幅部は、それぞれ矩形状のパネルから成る天井部、床面部、側壁部、前壁部、および後壁部を備え、
折り畳んだ状態において、車両本体内側から、前記側壁部、前記前壁部と前記後壁部、前記床面部、前記天井部の順に積層され、
前記天井部は、拡幅時における上端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記床面部は、拡幅時における下端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記側壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記前壁部および前記後壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記天井部、前記床面部、前記側壁部、前記前壁部および前記後壁部の順にパネルを開くことにより、前記車両本体の側面に拡幅部が完成され
前記天井部および前記床面部を開閉するため、前記車両本体と前記天井部および前記床面部とに回動可能に固定され、棒状で伸縮可能なストッパー機能を有する第1開閉部および第2開閉部と、
前記側壁部を開閉するため、前記床面部と前記側壁部とに回動可能に固定された第3開閉部と、
前記前壁部および前記後壁部を開閉するため、前記床面部と前記前壁部および前記後壁部とに回動可能に固定された第4開閉部と
を備え、
前記拡幅部は、収納時には該拡幅車両の壁部を構成することを特徴とする拡幅車両。
【請求項2】
車両本体の側面の幅方向に拡幅する拡幅部を備えた拡幅車両であって、
前記拡幅部は、それぞれ矩形状のパネルから成る天井部、床面部、側壁部、前壁部、および後壁部を備え、
折り畳んだ状態において、車両本体内側から、前記前壁部と前記後壁部、前記側壁部、前記床面部、前記天井部の順に積層され、
前記天井部は、拡幅時における上端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記床面部は、拡幅時における下端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記側壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記前壁部および前記後壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記天井部、前記床面部、前記前壁部および前記後壁部、前記側壁部の順にパネルを開くことにより、前記車両本体の側面に拡幅部が完成され
前記天井部および前記床面部を開閉するため、前記車両本体と前記天井部および前記床面部とに回動可能に固定され、棒状で伸縮可能なストッパー機能を有する第1開閉部および第2開閉部と、
前記側壁部を開閉するため、前記床面部と前記側壁部とに回動可能に固定された第3開閉部と、
前記前壁部および前記後壁部を開閉するため、前記床面部と前記前壁部および前記後壁部とに回動可能に固定された第4開閉部と
を備え、
前記拡幅部は、収納時には該拡幅車両の壁部を構成することを特徴とする拡幅車両。
【請求項3】
貨物車両または特装車両に用いられることを特徴とする請求項1または2記載の拡幅車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両本体の側面が拡幅する拡幅車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両本体の側面から拡幅する箱型の拡幅部(カプセル式)を備えた拡幅車両(例えば、特許文献1参照)が知られている。かかる拡幅車両において、拡幅部は、車両本体の床部から浮上した状態でスライドするため、拡幅部に重量物を積載することはできず、拡幅部の位置しない車両本体の床部に重量物を積載することにならざるを得ない。
【0003】
このため、拡幅車両において重量物を積載する場合には、たとえば、図9(a)に示すように、拡幅部102を車体前方部分のみに設け、車両本体104の後方の床部106を重量物積載の用途に使用することが考えられる。
【0004】
ここで、このようなタイプの拡幅車両において、拡幅部を堅固にし、重量物を積載可能に設計することにより、図9(b)に示すように、車両本体104´全体に拡幅部102´を延長することも考えられる。
【0005】
しかし、仮に、このようなタイプの拡幅車両を実現したとしても、拡幅部102´の後面のパネル108が積み下ろしの障害になるため、拡幅部102´を閉じた状態で荷物の積み下ろしをすることはできないという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-032126号公報
【文献】特許第5576996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のような問題を解決するため、拡幅部を閉じた状態で、車両本体に拡幅部の床が覆い被さらないようにした拡幅車両が存在する(例えば、特許文献2参照)。具体的には、図10に示すように、床102aを「へ」の字に折り畳むことができ、かつ荷物の積み降ろしの障害にならないように後ろ壁102bを「く」の字に折り畳んで収納することが可能な拡幅車両110が存在する。
【0008】
しかしながら、かかる拡幅車両の場合、拡幅部102´´を収納拡幅する図示しない機構が必要になるため、車両製造コストが増加するという問題が生じる。
また、機構は拡幅車両の床下に設けることになるため、自重が増加する分の積載重量が減少することとなる。さらに、床高が高くなる分、収容スペースが減少するという問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特装車両は、
車両本体の側面の幅方向に拡幅する拡幅部を備えた拡幅車両であって、
前記拡幅部は、それぞれ矩形状のパネルから成る天井部、床面部、側壁部、前壁部、および後壁部を備え、
折り畳んだ状態において、車両本体内側から、前記側壁部、前記前壁部と前記後壁部、前記床面部、前記天井部の順に積層され、
前記天井部は、拡幅時における上端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記床面部は、拡幅時における下端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記側壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記前壁部および前記後壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記天井部、前記床面部、前記側壁部、前記前壁部および前記後壁部の順にパネルを開くことにより、前記車両本体の側面に拡幅部が完成され
前記天井部および前記床面部を開閉するため、前記車両本体と前記天井部および前記床面部とに回動可能に固定され、棒状で伸縮可能なストッパー機能を有する第1開閉部および第2開閉部と、
前記側壁部を開閉するため、前記床面部と前記側壁部とに回動可能に固定された第3開閉部と、
前記前壁部および前記後壁部を開閉するため、前記床面部と前記前壁部および前記後壁部とに回動可能に固定された第4開閉部と
を備え、
前記拡幅部は、収納時には該拡幅車両の壁部を構成することを特徴とする。
【0011】
このように、車両本体の側面に折り畳んだパネルを備え、これらをそれぞれ回動させて開くことにより拡幅部を完成させることができる。拡幅部を構成するパネルは安価かつ軽量であり、拡幅部自体が収納拡幅することが無いため、重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供することができる。
【0012】
また、本発明の拡幅車両は、
車両本体の側面の幅方向に拡幅する拡幅部を備えた拡幅車両であって、
前記拡幅部は、それぞれ矩形状のパネルから成る天井部、床面部、側壁部、前壁部、および後壁部を備え、
折り畳んだ状態において、車両本体内側から、前記前壁部と前記後壁部、前記側壁部、前記床面部、前記天井部の順に積層され、
前記天井部は、拡幅時における上端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記床面部は、拡幅時における下端が回動可能に前記車両本体に固定され、
前記側壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記前壁部および前記後壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、
前記天井部、前記床面部、前記前壁部および前記後壁部、前記側壁部の順にパネルを開くことにより、前記車両本体の側面に拡幅部が完成され
前記天井部および前記床面部を開閉するため、前記車両本体と前記天井部および前記床面部とに回動可能に固定され、棒状で伸縮可能なストッパー機能を有する第1開閉部および第2開閉部と、
前記側壁部を開閉するため、前記床面部と前記側壁部とに回動可能に固定された第3開閉部と、
前記前壁部および前記後壁部を開閉するため、前記床面部と前記前壁部および前記後壁部とに回動可能に固定された第4開閉部と
を備え、
前記拡幅部は、収納時には該拡幅車両の壁部を構成することを特徴とする。

【0013】
このように、前壁部および後壁部を側壁部よりも車両本体内側に設け、前壁部および後壁部を側壁部よりも先に開くことで拡幅部を完成させる構成を採用しても、重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供することができる。
【0014】
また、本発明の拡幅車両によれば、
貨物車両または特装車両に用いられることを特徴とする。
すなわち、これらの用途に用いるのが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態に係る拡幅車両を上方から視た斜視図である。
図2】実施の形態に係る拡幅車両において、拡幅部が拡幅された状態を示す図である。
図3】実施の形態に係る拡幅車両において、天井部が上側に開いた状態を示す図である。
図4】実施の形態に係る拡幅車両において、さらに床面部が下側に開いた状態を示す図である。
図5】実施の形態に係る拡幅車両において、床面部が下側に開いた状態のパネルの積層状態を示す図である。
図6】実施の形態に係る拡幅車両において、さらに側面部が開いた状態を示す図である。
図7】実施の形態に係る拡幅車両において、側面部が開いた状態の後壁部を構成するパネルの積層状態を示す図である。
図8】他の実施の形態に係る拡幅車両において、床面部が下側に開いた状態を示す図である。
図9】従来のカプセル式の拡幅部を備えた拡幅車両を示す概念図である。
図10】従来の折り畳み式の床と壁を有する拡幅部を備えた拡幅車両を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る拡幅車両について説明する。図1は、実施の形態に係る拡幅車両2を上方から視た斜視図である。拡幅車両2は、運転席4と貨物室6から成る車両本体8を備え、貨物室6の側面に後述する折り畳み式の拡幅部10を備え、後方に後方開口部11を備えている。なお、図1における拡幅部10は、折り畳まれた状態を示している。
【0018】
図2は、拡幅車両2において、拡幅部10が拡幅された状態を示す図である。図2に示すように、拡幅部10は、天井部12、床面部14、側壁部16、後壁部18、および図示しない前壁部を備えている。なお、前壁部は後壁部18と同様の構造機能を有するため、本実施の形態においては説明を省略する。また、拡幅部10を形成する天井部12、床面部14、側壁部16、後壁部18、および前壁部は、何れも矩形状のパネルで形成されている。これらのパネルは、折り畳んだ状態において、車両本体8内側から、側壁部16、前壁部と後壁部18、床面部14、天井部12の順に積層されている。
【0019】
また、車両本体8側面の前方および後方には、天井部12を開閉する伸縮可能な棒状の第1開閉部20、および床面部14を開閉する伸縮可能な棒状の第2開閉部22がそれぞれ上下に備えられている(図1、2参照)。さらに拡幅部10には、後述するように、側壁部16を開閉するための第3開閉部24(図1、5参照)、および後壁部18と前壁部を開閉するための第4開閉部26(図7参照)が備えられている。
【0020】
ここで、第1開閉部20、第2開閉部22としては、好ましくは、ストッパー機能を有する油圧シリンダーが用いられる。また、第3開閉部24としては、好ましくは、油圧ポンプ、バルブ、シリンダーを一体化したリニアアクチュエータが用いられる。さらに、第4開閉部26としては、好ましくは、300~380Nのガスダンパーが用いられる。
【0021】
なお、車両本体8には、第1開閉部20、第2開閉部22を車両本体8から突出させずに配置するための第1凹部28、第2凹部30が形成されている。そして、第1開閉部20の上端は、天井部12に回動可能に固定され、下端は第1凹部28内に回動可能に固定されている。同様に、第2開閉部22の下端は、床面部14に回動可能に固定され、上端は第2凹部30内に回動可能に固定されている。
【0022】
次に、図面を参照しながら、折り畳まれた拡幅部10の構造について、拡幅部10を拡幅する手順を踏まえながら説明する。まず、図1に示すように、拡幅部10が折り畳まれた状態において、作業者は、図示しない駆動装置を操作し、第1開閉部20を伸長させる。ここで、天井部12はその上端部がヒンジで回動可能に車両本体8に固定されているため、第1開閉部20を伸長させることにより、図3に示すように、天井部12が上側に開き、天井部12と車両本体8側面とが略垂直となる開状態が実現し、拡幅部10の天井が形成される(天井形成工程)。
【0023】
次に、作業者が図示しない駆動装置により、第2開閉部22を伸長させると、床面部14の下端部もまたヒンジで回動可能に車両本体8に固定されているため、図4に示すように、床面部14が下側に開き、床面部14と車両本体8側面とが略垂直となる開状態が実現し、拡幅部10の床が形成される(床形成工程)。
【0024】
ここで、図5(a)は、床形成工程における拡幅部10の状態を図4のA方向(車体後方側)から視た概要断面図である。図5(a)に示すように、床形成工程において、拡幅部10の床は、上方から下方に向かい、側壁部16、後壁部18、および床面部14の順にパネルが積層されている。そして、床面部14には第3開閉部24が配置されている。ここで、第3開閉部24の上端は、側壁部16に回動可能に固定され、下端は床面部14に回動可能に固定されている。なお、第3開閉部24は、後壁部18と前壁部の間に位置しているため、これらの位置とは重複しない(図1、4等参照)。
【0025】
次に、作業者が図示しない電源スイッチを操作し、第3開閉部24を伸長させる。ここで、側壁部16の下端部もまたヒンジで回動可能に床面部14の拡幅側端部に固定されている。このため、上述の操作を行うことにより、図5(b)に示すように、第3開閉部24が伸長し、側壁部16は床面部14の拡幅側端部を軸として上方に開き、床面部14の拡幅側端部に立設される。
【0026】
ここで、天井部12の先端には、開状態において下方に突出するストッパー12aが設けられている。このため、側壁部16は、ストッパー12aの位置でそれ以上開くことが無いように、垂直に保持された状態で回動が停止される。
【0027】
これにより、図6に示すように、床面部14と車両本体8側面とが略垂直となる開状態が実現し、拡幅部10の床が形成され、拡幅部10の側壁が形成される(側壁形成工程)。ここで、側壁形成工程においては、後壁部18と前壁部のみが、床面部14上に積層された状態で配置されている。なお、後壁部18、前壁部の下端部もまた、床面部14の進行方向端部にヒンジで回動可能に固定されている。
【0028】
図7(a)は、側壁形成工程における拡幅部10の状態を図6のB方向(車体側方側)から視た概要断面図である。図7(a)に示すように、床面部14には第4開閉部26が配置されている。ここで、第4開閉部26の上端は、それぞれ後壁部18および前壁部に回動可能に固定され、下端は床面部14に回動可能に固定されている。
【0029】
このため、作業者が後壁部18および前壁部の自由端部を持ち上げることにより、第3開閉部24が伸長することによる助力により円滑に、後壁部18および前壁部が固定側端部を軸として上方に開き、図7(b)に示すように、床面部14の車体進行方向側端部に立設され、拡幅部10の前後壁が形成される(前後壁形成工程)。
【0030】
最後に、第1開閉部20を短縮させることにより、天井部12がやや下がり、側壁部16、後壁部18、および前壁部の上端に取り付けられているゴム状のウェザーストリプ(不図示)を圧縮する。これにより、拡幅部10の防水性が高まり、雨の浸入を防止することができる。以上の手順によって、図2に示すように、拡幅部10が完成する。
【0031】
この実施の形態に係る発明によれば、車両本体8の側面に折り畳んだパネルを備え、これらをそれぞれ回動させて開くことにより拡幅部10を完成させることができる。拡幅部10を構成するパネルは安価かつ軽量であり、拡幅部10自体が収納拡幅することが無いため、重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供することができる。
【0032】
また、拡幅部10を収納拡幅させる機構を床下に備える必要が無いため、その分も車両本体8内空間を広げることができる。
なお、上述の実施の形態において、拡幅部10を形成するパネルが、車両本体8内側から、前壁部と後壁部18、側壁部16、床面部14、天井部12の順に積層されていてもよい。この場合、拡幅部10を形成する際には、図8に示すように、拡幅部10の床が形成された後、前壁部と後壁部18が形成され、その次に、側壁部16が形成される。このタイプの拡幅部によっても、重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供することができる。
【0033】
また、上述の実施の形態においては、拡幅部10が車両本体8片面のみに配置される場合を例示しているが、拡幅部10は車両本体8の両側面に備えられていてもよい。
また、実施の形態に係る拡幅車両2は、貨物車両の他、特装車両などに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
2 拡幅車両
4 運転席
6 貨物室
8 車両本体
10 拡幅部
11 後方開口部
12 天井部
12a ストッパー
14 床面部
16 側壁部
18 後壁部
20 第1開閉部
22 第2開閉部
24 第3開閉部
26 第4開閉部
28 第1凹部
30 第2凹部
102、102´、102´´ 拡幅部
102a 床
102b 壁
104、104´ 車両本体
106 床部
108 パネル
110 拡幅車両
【要約】
【課題】重量物積載スペースが広く軽量で省コストな拡幅車両を提供する。
【解決手段】拡幅部が、それぞれ矩形状のパネルから成る天井部、床面部、側壁部、前壁部、および後壁部を備え、折り畳んだ状態において、車両本体内側から、前記側壁部、前記前壁部と前記後壁部、前記床面部、前記天井部の順に積層され、前記天井部は、拡幅時における上端が回動可能に前記車両本体に固定され、前記床面部は、拡幅時における下端が回動可能に前記車両本体に固定され、前記側壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、前記前壁部および前記後壁部は、拡幅時における下端が回動可能に前記床面部に固定され、前記天井部、前記床面部、前記側壁部、前記前壁部および前記後壁部の順にパネルを開くことにより、前記車両本体の側面に拡幅部が完成される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10