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特許7144916全身のPETとCTを組み合わせた検出器、及びそれの装置と方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】全身のPETとCTを組み合わせた検出器、及びそれの装置と方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20220922BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G01T1/161 A
A61B6/03 377
G01T1/161 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021506303
(86)(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2019080783
(87)【国際公開番号】W WO2020042610
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】201810993764.3
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520447570
【氏名又は名称】シャンドン マディク テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG MADIC TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジーグオ
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-508048(JP,A)
【文献】特開2015-087260(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107550512(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103536308(CN,A)
【文献】特開2017-086903(JP,A)
【文献】特開2010-197140(JP,A)
【文献】特開2012-088306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161-1/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中軸線を共有し前後に配置されたCTスキャンフレームとPET検知腔を備え、
前記CTスキャンフレームは、ハウジングと、中軸線に垂直な円柱形状のCTスキャン通路を備え、
前記PET検知腔は、互いに隣接する複数のPET検知モジュールによって形成され、PET検知結晶は、いずれも腔内方向へ配置され、前記PET検知腔は、全体として封止され、又は前記CTスキャンフレームに隣接する側に第1開口が形成され、
前記複数のPET検知モジュールにおける各PET検知モジュールは、いずれもPET検知結晶、光電センサーアレイ、ライトガイドからなり、
各前記PET検知モジュールの具体的な構造は、検知器ハウジング、光電センサーアレイ、ライトガイド、PET検知結晶が外から内に順に設置され、ライトガイドは、光電センサーアレイに密接に結合され、PET検知結晶にも密接に結合され、
前記第1開口を除いて、このPET検知腔の全てのボイドの断面積は、いずれも前記PET検知結晶のうち最小のものの検知表面積よりも小さく、
前記CTスキャンフレームには、X線球管、線フィルター、コリメーター、参照検知器、検知器が含まれ、
前記PET検知腔が全体として封止された時、前記PET検知腔は、第1形態、第2形態、第3形態の何れかであり、且つ中軸線に垂直な前記PET検知腔の1端は、人体モジュール全体が進出することを許可する第1エンドカバーを有し、この第1エンドカバーは、PET検知腔に対して開いて完全に閉じることができる機械構造が配置され、
前記第1形態は、前記PET検知腔が円柱形状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの平面エンドカバーからなり、前記第2形態は、前記PET検知腔がカプセル形状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの内凹の曲面形状のエンドカバーからなり、前記第3形態は、前記PET検知腔が楕球形状形態であり、上下の半分楕球又は左右の半分楕球からなるか、バレルを間に挟んだ左右それぞれの半分楕球で構成されることを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出器。
【請求項2】
前記第1形態において、前記バレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、前記平面エンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶検知面が内に向かうように平行に配列され円盤形状又は略円盤形状になり、それによって形成される略円形状の平面エンドカバーの内側面の寸法は、前記バレル部の円形状開口よりも大きく、第1形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記平面エンドカバーのうちの1つであり、
前記第2形態において、前記バレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、前記内凹の曲面形状のエンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内へ凹むように一定の曲面弧度に配列され、それによって形成される内凹の曲面形状のエンドカバーのバレル部の軸線に垂直な横断面は、カプセル形状形態の前記バレル部の円形状開口よりも大きく、前記内凹の曲面形状のエンドカバーは、具体的には半球形状のエンドカバー、半分未満の楕球形状のエンドカバー、又は半分未満の球キャップ形状のエンドカバーの三つの状況の何れかであり、第2形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記内凹の曲面形状のエンドカバーのうちの一つであり、
前記第3形態において、前記上下の半分楕球は、鏡面対称であり、前記左右の半分楕球は、鏡面対称であり、前記バレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、又は楕球体の中部状を取り、前記バレル部における各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、前記第3形態での第1エンドカバーは、中軸線に垂直な検知腔の1端に位置し
記PET検知腔は、CTスキャンフレームに隣接する側に第1開口が形成され、このPET検知腔は、第1エンドカバーを除いた第1形態、第2形態、第3形態、第4形態のいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の全身のPETとCTを組み合わせた検出器。
【請求項3】
2つのPET検知モジュール間ごとに、いずれも合致回路が接続され、
前記PET検知結晶材料は、シンチレーション結晶であり、このシンチレーション結晶は、1つ以上の結晶ブロックからなる、ことを特徴とする請求項2に記載の全身のPETとCTを組み合わせた検出器。
【請求項4】
前記PET検知結晶の内への面は、いずれも平面又は略平面であり、
前記結晶ブロックは、具体的には複数の結晶ストリップから構成される結晶ストリップアレイからなるか、1つ以上の全体に切割された結晶からなり、
前記シンチレーション結晶の材料は、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)結晶、ヨウ化ナトリウム(NaI)結晶、NaI(Tl)単結晶、ケイ酸ルテチウム(LSO)結晶、ケイ酸ガドリニウム(GSO)結晶、イットリウムルテチウム(LYSO)のうちの1つまたは複数から選択され、
各検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、一部の検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、全ての検知モジュールリング間には、いずれもスペーサーが組立されなく、
前記高原子数物質は、鉛又はタングステンである、ことを特徴とする請求項3に記載の全身のPETとCTを組み合わせた検出器。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れか1項に記載の全身のPETとCTを組み合わせた検出器を備え、
給電回路、通信回線、PC端末、PETサポートブラケット、CTサポートブラケット、スキャニングベッド、ベッドフレーム、スキャニングベッドとベッドフレーム間に位置する電気ガイドレール、PET作動電源、CT作動電源、コンソール端末をさらに有し、
このPETサポートブラケットは、前記PET検知腔の全ての複数のPET検知モジュールを固定及び支持し、このPETサポートブラケットは、前記検知腔を連行して任意角度で回動させ、前記検知腔を連行して任意方向へ並進させることもでき、
前記配置されたPET検知腔に対して開いて完全に閉じることができる機械構造は、第1エンドカバーの自動又は手動開閉と連動するヒンジ構造であるか、第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま回転させ開閉させる回転機構であるか、第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま並進させ開閉させる並進機構であり、
このPC端末には、PET信号収集と演算分析システム、及びCT信号収集と演算分析システムが備え、
この給電回路は、前記PET作動電源、CT作動電源が投入され、前記PET作動電源、CT作動電源により、通信回線、PC端末、PETサポートブラケット、CTサポートブラケット、スキャニングベッド、ベッドフレーム、スキャニングベッドとベッドフレーム間に位置する電気ガイドレール、コンソール端末、及び全てのPET検知モジュールへ定格電圧での電気エネルギーを提供し、
全てのPET検知モジュールにより検出された信号は、この通信回線により前記PET信号収集と演算分析システムに送信され、CTスキャンフレームにおける前記検知器と参照検知器が受信された信号は、この通信回線により前記CT信号収集と演算分析システムに送信され、
前記スキャニングベッドは、ベッドフレームに水平に置かれ、スキャニングベッドとベッドフレームの間にガイドレールが設けられ、スキャニングベッドは、前記ガイドレールに沿って中軸線に平行な方向に前後へ移動でき、
前記PET検知腔の下部には、1つ又は複数のベッドフレームが貫通するボイドがあり、
前記PET検知腔が第1開口と第1エンドカバーを備える場合については、前記ベッドフレーム及び前記電気ガイドレールは、いずれも第1開口で中断された前後の両端を形成し、前記中断により、第1エンドカバーを妨げられることなく開閉できる、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置。
【請求項6】
前記ベッドフレームの下で、中軸線方向に沿って幾つかの垂直なピラーが設けられ、各ピラーの下方には、水平で高さ調節可能で安定して支持される1つのピラーベースが設けられ、
前記ガイドレールは、1つのガイドレール全体、又は中軸線の両側にある1つずつの1対のガイドレールである、ことを特徴とする請求項5に記載の全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PET検知器の技術分野に関し、特に、以往技術には現れなかった結晶の配列方式を検知するためにCTと並行して使用されるPET検知器、及び全身の全角度合致を用いるPET検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
ポジトロン放出断層イメージング(Positron Emission Tomography、以下、PETと単に称される)装置は、動物と人体の特異性イメージングに広く使用される。PETイメージングの時、先ずポジトロン核種でマークされたトレーサーをスキャン対象に注射し、次にスキャン対象内のトレーサーの分布をイメージングする必要がある。トレーサーによってマークされた部分のイメージングは、特異性が強く、動的にイメージングでき、認識度が高いである。伝統的なPET装置の検知器の軸方向の深さは不十分であり、一度にスキャンできるのは比較的限られた部分のみである。全身のPET画像を取得したい場合は、8~10床の複数の部分スキャン画像をつなぎ合わせて全身イメージングの画像を取得する必要がある。このイメージング方法には2つの問題がある。第1に、イメージング速度が遅く、伝統的な人体PET装置は、各ベッドで1~5分かかり、軸方向の視野は約20cmであり、1回の全身イメージングには8~10ベッドが必要であり、1回の全身のイメージングには少なくとも8分かかり、追加の計算時間が必要であり、ある装置では50分もかかる。第2に、PETの大きな利点は、トレーサーの動的情報を取得できるが、深さが不十分な検知器では全身のトレーサーの動的情報を取得できず、異なるベッドで取得した画像をつなぎ合わせて全身の動的情報を取得できないことであり、伝統的なPET装置の場合、これは完成できない作業であり、伝統的なPET機器を図1に示している。
【0003】
特別な場合において、全身の薬物代謝の状況を得るために、以往技術は、PET装置の軸方向の視野を延びることが現れた。軸方向の視野の長さ/深さが対象の長さを超えるか近づくと、スキャン対象に対して全身の動的イメージングを行うことができる。例えば、Cherry等の人によるSci.Transl.Med、vol.9、eaaf6169(2017)15March2017では、人体のPETの検知器リングの軸方向を2メートルに延びることにより、人体に対しての動的イメージングを行うことができる。ただし、これらの全身のイメージング装置のPETの検知器リングのサイズは、軸方向全体で完全に同じであり、検知器の長さ/深さのみが軸方向に延長される。この検知器リングの設計の問題点は、スキャン視野の感度が十分に均一でなく、感度は検知器の中央で最も高くなり、位置が検知器の中心から軸に沿って両端に移動することに従って、感度は急速に低下し、検知器の両端の位置は非常に低いレベル、またはゼロにまで低下し、図2は、以往技術の延ばされたPET装置を示している。
【0004】
この現象の理由は、PETが合致検知のデータ収集方式を採用しているためであり、511keVのガンマ線が2つの正反対の検知器結晶で同時に検出される場合、それは真の合致イベントと呼ばれ、これらの2つのガンマ線が1つの有効なポジトロンケースと見なされ、このポジトロンケースの発生位置は、検出したい部分である2つの結晶間の直線上にあり、この直線は反応線Line of Reactionと呼ばれ、以下、LORと単に呼ばれる。
【0005】
図4は、以往技術のPET検知器のLORの概略図であり、図の2つの発生位置を比較すると、一方の位置は検知器の軸方向視野の中心にあり、もう一方の位置は軸方向視野の中心ではなく縁にあることがわかる。位置が異なるため、位置によって発生するLORの検出確率は大きく異なり、中心の発生位置から発生するほとんどのLORは、水平でないか水平に近くない限り検出でき、縁の発生位置から発生する一部のLORは、軸方向に対して垂直またはほぼ垂直なもののみが検出でき、非中心の発生位置から検出できるLORの数は、中心点のLORの数よりも大幅に少ないため、結果として発生位置がLOR中心から外れることに従って、感度はどんどん低くなる。PET視野内の任意点の感度は、その点を通過するすべてのLORがカバーするソリッド角度によって決まり、LORがカバーするソリッド角度が大きいほど、この点の感度が高くなり、この感度と位置の関係を図3に示しており、重心に近いほど感度が高く、逆に、縁では感度が非常に低いことがわかる。
【0006】
これにより、例えば全身のPETスキャンの時、人間の頭と足の感度が視野の中心にある腹部の感度よりもはるかに低くなり、この問題は、検知器の軸方向の長さを延長するだけでは解決できない。具体的には、検出リングの長さが2メートルであっても、全身の動的画像を観察すると、腹部付近の動的画像のみが観察要件を満たし、頭と足に近い動的画像は、まだ信じられないほどで、適用することはできなく、より良い全身画像を取得するには、2~3回のステッチが必要である。検知器リングが大幅に長くなり、機器のコストが大幅に高くなるが、上記の分析から、一度に良好な全身画像や全身の動的画像を取得できないことがわかり、頭と足に近づくほど、得られた画像データの信頼性が疑わしくなり、1回限りの全身イメージングや1回限りの全身の動的イメージングの問題を根本的に解決することはできない。
【0007】
一方、CTなどの伝統的な技術と比較して、PETの登場はCTなどの伝統的な技術の弱点を効果的に補い、最近ではPETとCTを組み合わせた多くの技術が補完的な利点を持って登場している。
【0008】
PET-CT技術の急速な発展は、核医学の分野を活力に満ちたものにするだけでなく、放射線学の分野への大きな関心を呼び起こす。PET-CTを使用すると、核医学の医師は代謝の変化の位置決めをより正確に特定でき、放射線技師は形態と構造の変化の定性をより正確に特定できる。したがって、PET-CTはわずか数年で急速に開発され、絶えず更新されている。PET-CTは2000年末に正式に商品化されたが、2003年までにその販売シェアはPET全体の65%を占め、2004年には95%に増加した。
【0009】
現在、商品化されたPET-CTを提供しているメーカーは主に3社あり、Siemens会社とCTI会社が協力してそれぞれBiographとRevealシリーズと名付けている。これらのシリーズは高品質であるが、デザインコンセプトは、依然としてCTリングとPETリングの検知器を直列に接続したものであり、その効果は2つの機器の効果と同じである。GE会社はDiscovery LSとDiscovery STシリーズを提供している。このシリーズの製品は、主にPETとCTを混合するか、1つのハウジングに組立されて使用され、装置体積は小さいであるが、相互の電磁的影響は大きく、通常は同時に作動しない。Philips会社には、Gemini型のPET-CTがあり、そのCTとPETが分離されており、中央にボイドがあり、後部は必要に応じて一定距離移動できる。このオープンなデザインは、貫通孔での患者の閉経恐怖症を効果的に軽減し、CTガイド下生検などの一部の操作の検査中に患者に近づくのに役立つ。そのうち、CTの開口部は70cm、PETの開口部は63cmである。
【0010】
既存のPET-CTの設計は、PETとCTの設置をそれぞれ改善し、両者の相乗効果と連動方式を改善し、連動使用の利便性を向上させ、スペースを節約するなどであることがわかる。既存のCT装置には、全身を一度にスキャンできるPET装置が搭載されていなく、この連動により生成される画像情報は、リングCTとリングPETの画像のままであり、一度に全身画像を提供することはできないが、一度に全身の動的画像は言うまでもなく、LORを捕捉するための提供された画像の感度も不十分であり、この単純なジョイントによって得られたPET-CT間の結果は、通常の相互参照値しかなく、強力なガイダンス情報を提供することはできない。
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1目的は、以往技術に存在するCT-PETが通常のリング式CTおよびPTEの単純な追加であるという問題を解決することである。それは全身画像および全身の動的画像を一度に生成することはできないが、頭や胸などのある部分の通常のCT画像と、感度が不十分なPET画像との比較情報しか生成できなく、基準値が不十分であるというジレンマがある。有効な解決方案がない状況に対して、完全なPET-CT検知器の方案を提供する。この装置では、信頼性の高い高感度の全身画像を一度に取得でき、CT画像をターゲットにすることもできる。この問題を解決する方法は、以往技術にはまだ現れておらず、以往技術でさえ、以往技術におけるPETまたはPET-CTの感度欠陥の問題を明確に提起していない。以往技術では、PET検知腔を長くすることで全身画像が得られると考えられていたが、そのような全身画像がまだ使用に適さず、要件を満たしていないことは考えられなかった。このように、先ず全身のPET画像グループを取得すると、CTスキャンの実行方法、スキャン部分、およびスキャン方法については、明確で適切なガイダンスが得られる。
【0012】
全身のPETとCTを組み合わせた検出器であって、中軸線を共有し前後に配置されたCTスキャンフレームとPET検知腔を備え、前記CTスキャンフレームは、ハウジングと、中軸線に垂直な円柱形状のCTスキャン通路を備え、前記PET検知腔は、互いに隣接する複数のPET検知モジュールによって形成され、PET検知結晶は、いずれも腔内方向へ配置され、前記PET検知腔は、全体として封止され、又は前記CTスキャンフレームに隣接する側に第1開口が形成され、前記複数のPET検知モジュールにおける各PET検知モジュールは、いずれもPET検知結晶、光電センサーアレイ、ライトガイドからなり、前記第1開口を除いて、このPET検知腔の全てのボイド断面積は、いずれも前記PET検知結晶の最小の1つの検知表面積よりも小さい、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出器である。
【0013】
前記CTスキャンフレームには、X線球管、線フィルター、コリメーター、参照検知器、検知器が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
前記PET検知腔が全体として封止された時、前記PET検知腔は、第1形態、第2形態、第3形態、第4形態の何れかであり、且つ中軸線に垂直な前記PET検知腔の1端は、人体モジュール全体が進出することを許可する第1エンドカバーを有し、この第1エンドカバーは、PET検知腔に対して開いて完全に閉じることができる機械構造が配置され、1)前記第1形態は、前記PET検知腔が円柱形状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの平面エンドカバーからなり、このバレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、この平面エンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶検知面が内に向かうように平行に配列され円盤形状又は略円盤形状になり、それによって形成される略円形状の平面エンドカバーの内側面の寸法は、前記バレル部の円形状開口よりも大きく、第1形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記平面エンドカバーのうちの1つであり、2)前記第2形態は、前記PET検知腔がカプセル形状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの内凹の曲面形状のエンドカバーからなり、このバレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、この内凹の曲面形状のエンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内へ凹むように一定の曲面弧度に配列され、それによって形成される内凹の曲面形状のエンドカバーのバレル部の軸線に垂直な横断面は、前記バレル部の円形状開口よりも大きく、前記内凹の曲面形状のエンドカバーは、具体的には半球形状のエンドカバー、半分未満の楕球形状のエンドカバー、又は半分未満の球キャップ形状のエンドカバーの三つの状況の何れかであり、第1形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記内凹の曲面形状のエンドカバーのうちの一つであり、3)前記第3形態は、前記PET検知腔が楕球形状形態であり、a>b=cであり、上下の半分楕球又は左右の半分楕球からなるか、左右の半分楕球の中間にバレルのうちの1つを挟むようにかななり、前記上下の半分楕球は、鏡面対称であり、前記左右の半分楕球は、鏡面対称であり、このバレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、又はa>b=cを満たすある楕球体の中部状を取り、このバレル部における各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、前記第3形態での第1エンドカバーは、中軸線に垂直な検知腔の1端に位置し、形状がa>b=cであるa軸の端側から取られ、4)前記第4形態は、前記PET検知腔が正多面形の柱状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの平面エンドカバーからなり、このバレル部は、正多面形の柱状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列され正多角の形状になり、この平面エンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように平行に配列され円盤形状、略円盤形状、正多角の形状、略正多角の形状の何れかになり、それによって形成される略円形状の平面エンドカバーの内側面の寸法は、前記バレル部の正多角の形状の開口よりも大きく、第4形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記平面エンドカバーのうちの1つである。
【0015】
前記PET検知腔は、CTスキャンフレームに隣接する側に第1開口が形成され、このPET検知腔は、上記の第1エンドカバーを除いた第1形態、第2形態、第3形態、第4形態のいずれかである。
【0016】
2つのPET検知モジュール間ごとに、いずれも合致回路が接続され、各前記PET検知モジュールの具体的な構造は、検知器ハウジング、光電センサーアレイ、ライトガイド、PET検知結晶が外から内に順に設置され、ライトガイドは、光電センサーアレイに密接に結合され、PET検知結晶にも密接に結合され、前記PET検知結晶材料は、シンチレーション結晶であり、このシンチレーション結晶は、1つ以上の結晶ブロックからなり、前記第4形態では、前記正多角形プリズムは、正六角形プリズム又は正八角形プリズムであり、前記正多角の形状は、正六角形又は正八角形である。
【0017】
前記PET検知結晶の内への面は、いずれも平面又は略平面であり、前記結晶ブロックは、具体的には複数の結晶ストリップから構成される結晶ストリップアレイからなるか、1つ以上の全体に切割された結晶からなり、前記シンチレーション結晶の材料は、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)結晶、ヨウ化ナトリウム(NaI)結晶、NaI(Tl)単結晶、ケイ酸ルテチウム(LSO)結晶、ケイ酸ガドリニウム(GSO)結晶、イットリウムルテチウム(LYSO)のうちの1つまたは複数から選択される。
【0018】
各検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、一部の検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、全ての検知モジュールリング間には、いずれもスペーサーが組立されない。
【0019】
前記高原子数物質は、鉛又はタングステンである。
【0020】
本発明は、全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置をさらに提供し、給電回路、通信回線、PC端末、PETサポートブラケット、CTサポートブラケット、スキャニングベッド、ベッドフレーム、スキャニングベッドとベッドフレーム間に位置する電気ガイドレール、PET作動電源、CT作動電源、コンソール端末をさらに有することを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置である。
【0021】
このPETサポートブラケットは、前記PET検知腔の全ての複数のPET検知モジュールを固定及び支持し、このPETサポートブラケットは、前記検知腔を連行して任意角度で回動させ、前記検知腔を連行して任意方向へ並進させることもできる。
【0022】
前記配置されたPET検知腔に対して開いて完全に閉じることができる機械構造は、第1エンドカバーの自動又は手動開閉と連動するヒンジ構造であるか、第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま回転させ開閉させる回転機構であるか、第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま並進させ開閉させる並進機構である。
【0023】
このPC端末には、PET信号収集と演算分析システム、及びCT信号収集と演算分析システムが備える。
【0024】
この給電回路は、前記PET作動電源、CT作動電源が投入され、前記PET作動電源、CT作動電源により、通信回線、PC端末、PETサポートブラケット、CTサポートブラケット、スキャニングベッド、ベッドフレーム、スキャニングベッドとベッドフレーム間に位置する電気ガイドレール、コンソール端末、及び全てのPET検知モジュールへ定格電圧での電気エネルギーを提供する。
【0025】
全てのPET検知モジュールにより検出された信号は、前記通信回線により前記PET信号収集と演算分析システムに送信され、CTスキャンフレームにおける前記検知器と参照検知器が受信された信号は、前記通信回線により前記CT信号収集と演算分析システムに送信される。
【0026】
前記スキャニングベッドは、ベッドフレームに水平に置かれ、スキャニングベッドとベッドフレームの間にガイドレールが設けられ、スキャニングベッドは、前記ガイドレールに沿って中軸線に平行な方向に前後へ移動できる。
【0027】
前記PET検知腔の下部には、1つ又は複数のベッドフレームが貫通するボイドがあり、前記PET検知腔が第1開口と第1エンドカバーを備える場合については、前記ベッドフレーム及び前記電気ガイドレールは、いずれも第1開口で中断された前後の両端を形成し、前記中断により、第1エンドカバーを妨げられることなく開閉できる。
【0028】
前記ベッドフレームの下で、中軸線方向に沿って幾つかの垂直なピラーが設けられ、各ピラーの下方には、水平で高さ調節可能で安定して支持される1つのピラーベースが設けられ、前記ガイドレールは、1つのガイドレール全体、又は中軸線の両側にある1つずつの1対のガイドレールである。
【0029】
前記の全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置を用いて実施される全身のPETとCTを組み合わせた検出方法であって、1)被検出対象をスキャニングベッドに置き、プレスキャン部分が円柱形状のCTスキャン通路の中間に位置するまでスキャニングベッドを内側へ移動させ、CTスキャン検出を行い、複数のCTスキャン静止画像を取得するCTスキャンステップと、2)前記PET検知腔が第1開口を備える場合については、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入るまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、又は、前記PET検知腔が全体として封止され場合については、前記第1エンドカバーを開き、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入って前記第1エンドカバーを完全に閉じるまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、前記被検出対象に対してPETスキャン検出を行い、複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像を取得し、前記複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像に応じて、1つ以上の関心のある部分を確定するPET検出ステップと、3)1つ以上の前記関心のある部分から1つの再スキャン部分を選択し、ここでのスキャン部分が円柱形状のCTスキャン通路の中間に位置するまでスキャニングベッドに被検出対象を載せて外へ移動させ、さらにCTスキャン検出を行い、複数のCTスキャン静止画像を取得する再CTスキャンステップとを備える、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出方法である。
【0030】
前記被検出対象は、人体検出モジュール又は人体である。
【0031】
前記の全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置を用いて実施される全身のPETとCTを組み合わせた検出方法であって、1)前記PET検知腔が第1開口を備える場合については、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入るまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、又は、前記PET検知腔が全体として封止され場合については、前記第1エンドカバーを開き、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入って前記第1エンドカバーを完全に閉じるまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、前記被検出対象に対してPETスキャン検出を行い、複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像を取得し、前記複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像に応じて、1つ以上の関心のある部分を確定するPET検出ステップと、2)1つ以上の前記関心のある部分から1つの関心のある部分を選択し、ここでの関心のある部分が円柱形状のCTスキャン通路の中間に位置するまでスキャニングベッドに被検出対象を載せて外へ移動させ、CTスキャン検出を行い、複数のCTスキャン静止画像を取得するCTスキャンステップとを備える、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出方法である。
【0032】
本発明の利点は、2点に分割できることであり、第1に、全身画像と全身の動的画像を一度に取得する問題を完全に解決することであり、本発明の検知器により、真の合致イベントのほぼすべてのLORを瞬時に捕捉できるため、基本的に1回のイメージングの成功率が保証される。第2に、イベント捕捉の感度の問題が完全に解決される。たとえば、検知器の長さを長くするという観点からのみ考慮した場合、1メートルを超える人体のすべての発生位置を高感度で捕捉する場合、検知器の長さを4メートルにする必要があり、全身を捕捉する感度は要件を満たすことができる。ゲルマニウム酸ビスマスなどの結晶は高価であるため、これは非常に不経済であるが、本発明の方法は長さ4メートルの検知器リングよりも必要な材料が少ないが、効果はより良く、ほとんどすべての発生部分の感度はほぼ同じ効果である。これは以往技術では誰も考えていなく、誰もこれを達成できない。第3に、PET-CTで得られる画像の価値をさらに高める一方、CTと同時に得られるPET画像は全身であるだけでなく、また、感度が非常に高く、解像度が非常に高く、全身の動的画像が得られるため、基準値が倍になる。別の例として、先ず全身のPET検出を行って非常に強力な指向性情報を取得した後、関心のある部分に対して詳細なCT検出を行い。このようにして得られた画像情報は非常に強い指向性を持っており、一般的なPET-CTを組み合わせた「ブラインドテスト」と比較して非常に実用的な価値がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の実施例または以往技術の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例または以往技術の説明に使用する必要のある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施例である。当業者にとって、他の図面は、創造的な作業なしに、これらの図面に基づいて得ることができる。
【0034】
図1】は、以往技術の伝統的なPET検知器リングと被検出対象の概略図である。
図2】は、近年出現した軸方向に延びされた検知器リングと被検出対象の概略図である。
図3】は、内部の各部分に対する軸方向に延びされた検知器リングの異なる感度の概略図である。
図4】は、軸方向に延びされた検知器リングにおける異なる検出点のLORを捕捉できる概略図である。
図5】は、PET-CTにおけるPET検知腔が第1開口を有する概略図であり、それは、中間の円柱形状のバレル部と外側の1端の半球形状の封止端部からなり、内側は、第1開口として開かれる。
図6】は、PET-CTにおけるPET検知腔が第1開口を有する概略図であり、それは、中間の円柱形状のバレル部と内側の1端の約1/4の球形状により制限された第1開口からなり、外側が半球形状の端部に封止される。
図7】は、PET-CTにおけるPET検知腔が第1開口と外側の第2開口を有する概略図であり、内側の1端の約1/4の球形状により第1開口が制限され、外側の1端の約1/4の球形状により第2開口が制限された。
図8】は、ハウジングの一部が切り取られたPET検知モジュールの概略図である。
【符号の説明】
【0035】
符号に対応する装置は、以下のようになる。
1 スキャニングベッド、2 電気ガイドレール、3 ベッドフレーム、4 CTスキャンフレーム、5 PET検知腔、6 PET検知モジュール、7 PET検知モジュール、8 光電センサーアレイ、9 ライトガイド、10 PET検知結晶。
【0036】
本発明の好ましい実施例は、添付の図面と併せて以下に詳細に説明されるので、本発明の利点および特徴は、当業者により容易に理解され、本発明の保護範囲は、より明確に定義される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
実施例1
全身のPETとCTを組み合わせた検出器であって、中軸線を共有し前後に配置されたCTスキャンフレームとPET検知腔を備え、前記CTスキャンフレームは、ハウジングと、中軸線に垂直な円柱形状のCTスキャン通路を備え、前記PET検知腔は、互いに隣接する複数のPET検知モジュールによって形成され、PET検知結晶は、いずれも腔内方向へ配置され、前記PET検知腔は、全体として封止され、又は前記CTスキャンフレームに隣接する側に第1開口が形成され、前記複数のPET検知モジュールにおける各PET検知モジュールは、いずれもPET検知結晶、光電センサーアレイ、ライトガイドからなり、前記第1開口を除いて、このPET検知腔の全てのボイド断面積は、いずれも前記PET検知結晶の最小の1つの検知表面積よりも小さい、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出器である。これには、本願のコアとなる発明思想が含まれ、つまり、CTスキャンフレームと全身PET検知腔が順番に配列されている。ここでは、2つの腔室を順番に並列して配置し、1つのスキャンベッドが被検出対象を連行して、両者間を簡単に移動できるだけで、全身のPETとCTのシンプルで直接的な組み合わせを実現でき、両者の利点を直接補完することができる。
【0038】
前記CTスキャンフレームには、X線球管、線フィルター、コリメーター、参照検知器、検知器が含まれるが、これらに限定されない。ここでの説明は最も一般的なCTスキャンフレームであるが、現在、類似した設置、または類似する機能を持つ他のCTスキャンフレームの構造がここに適用される。
【0039】
前記PET検知腔が全体として封止された時、前記PET検知腔は、第1形態、第2形態、第3形態、第4形態の何れかであり、且つ中軸線に垂直な前記PET検知腔の1端は、人体モジュール全体が進出することを許可する第1エンドカバーを有し、この第1エンドカバーは、PET検知腔に対して開いて完全に閉じることができる機械構造が配置され、1)前記第1形態は、前記PET検知腔が円柱形状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの平面エンドカバーからなり、このバレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、この平面エンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶検知面が内に向かうように平行に配列され円盤形状又は略円盤形状になり、それによって形成される略円形状の平面エンドカバーの内側面の寸法は、前記バレル部の円形状開口よりも大きく、第1形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記平面エンドカバーのうちの1つであり、2)前記第2形態は、前記PET検知腔がカプセル形状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの内凹の曲面形状のエンドカバーからなり、このバレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、この内凹の曲面形状のエンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内へ凹むように一定の曲面弧度に配列され、それによって形成される内凹の曲面形状のエンドカバーのバレル部の軸線に垂直な横断面は、前記バレル部の円形状開口よりも大きく、前記内凹の曲面形状のエンドカバーは、具体的には半球形状のエンドカバー、半分未満の楕球形状のエンドカバー、又は半分未満の球キャップ形状のエンドカバーの三つの状況の何れかであり、第1形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記内凹の曲面形状のエンドカバーのうちの一つであり、3)前記第3形態は、前記PET検知腔が楕球形状形態であり、a>b=cであり、上下の半分楕球又は左右の半分楕球からなるか、左右の半分楕球の中間にバレルのうちの1つを挟むようにかななり、前記上下の半分楕球は、鏡面対称であり、前記左右の半分楕球は、鏡面対称であり、このバレル部は、円柱形状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、又はa>b=cを満たすある楕球体の中部状を取り、このバレル部における各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列されてリング状になり、前記第3形態での第1エンドカバーは、中軸線に垂直な検知腔の1端に位置し、形状がa>b=cであるa軸の端側から取られ、4)前記第4形態は、前記PET検知腔が正多面形の柱状形態であり、中間のバレル部と両端の2つの平面エンドカバーからなり、このバレル部は、正多面形の柱状を形成するように幾つかの検知モジュールリングにより密接に配列され、各検知モジュールリングは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように円周に配列され正多角の形状になり、この平面エンドカバーは、一定の数の検知モジュールが結晶の検知面が内に向かうように平行に配列され円盤形状、略円盤形状、正多角の形状、略正多角の形状の何れかになり、それによって形成される略円形状の平面エンドカバーの内側面の寸法は、前記バレル部の正多角の形状の開口よりも大きく、第4形態での前記第1エンドカバーは、2つの前記平面エンドカバーのうちの1つである。上記の4つの形態は完全なリストではなく、実際、無駄が少なく、人体対象の全身カバレッジ検出に適した上記の4つの形態の類似する形状は、いずれも出願人によって試行的に作成され操作でき、上記は、製造と設計のいくつかの比較的単純な方法の説明にすぎない。
【0040】
前記PET検知腔は、CTスキャンフレームに隣接する側に第1開口が形成され、このPET検知腔は、上記の第1エンドカバーを除いた第1形態、第2形態、第3形態、第4形態のいずれかである。
【0041】
2つのPET検知モジュール間ごとに、いずれも合致回路が接続され、各前記PET検知モジュールの具体的な構造は、検知器ハウジング、光電センサーアレイ、ライトガイド、PET検知結晶が外から内に順に設置され、ライトガイドは、光電センサーアレイに密接に結合され、PET検知結晶にも密接に結合され、前記PET検知結晶材料は、シンチレーション結晶であり、このシンチレーション結晶は、1つ以上の結晶ブロックからなり、前記第4形態では、前記正多角形プリズムは、正六角形プリズム又は正八角形プリズムであり、前記正多角の形状は、正六角形又は正八角形である。上記の光電センサーアレイ、ライトガイド、PET検知結晶の設計方法は、全身をカバーする検知腔を連動して、ほぼすべてのLORイベントを捕捉でき、検出感度は非常に高くなっている。
【0042】
前記PET検知結晶の内への面は、いずれも平面又は略平面であり、前記結晶ブロックは、具体的には複数の結晶ストリップから構成される結晶ストリップアレイからなるか、1つ以上の全体に切割された結晶からなり、前記シンチレーション結晶の材料は、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)結晶、ヨウ化ナトリウム(NaI)結晶、NaI(Tl)単結晶、ケイ酸ルテチウム(LSO)結晶、ケイ酸ガドリニウム(GSO)結晶、イットリウムルテチウム(LYSO)のうちの1つまたは複数から選択される。これを除いて、ポジトロン捕捉に適した他の市販の検出結晶も、本願の技術案に適している。
【0043】
各検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、一部の検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、全ての検知モジュールリング間には、いずれもスペーサーが組立されない。前記高原子数物質は、鉛又はタングステンであることが好ましい。
【0044】
実施例2
前記の全身のPETとCTを組み合わせた検出器を備える検出器装置であって、給電回路、通信回線、PC端末、PETサポートブラケット、CTサポートブラケット、スキャニングベッド、ベッドフレーム、スキャニングベッドとベッドフレーム間に位置する電気ガイドレール、PET作動電源、CT作動電源、コンソール端末をさらに有することを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置である。
【0045】
このPETサポートブラケットは、前記PET検知腔の全ての複数のPET検知モジュールを固定及び支持し、このPETサポートブラケットは、前記検知腔を連行して任意角度で回動させ、前記検知腔を連行して任意方向へ並進させることもできる。ここでのPETサポートブラケットの固定および移動機能により、この検知腔を上下、左右、回転、およびさまざまな位置に調整して、他の機器との調整の下で調整のニーズを満たすことができ、さまざまな複雑な状況の検出ニーズを満たすことができる。
【0046】
前記配置されたPET検知腔に対して開いて完全に閉じることができる機械構造は、第1エンドカバーの自動又は手動開閉と連動するヒンジ構造であるか、第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま回転させ開閉させる回転機構であるか、第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま並進させ開閉させる並進機構である。第1のエンドカバーの自動または手動の開閉と連動するこのヒンジ構造は、具体的には、水平に回転して開閉し、一般的なドラム洗浄機の開閉方法に特に類似している。第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま回転させ開閉させる回転機構は、中軸線に垂直な垂直面で回転する開閉方法である。この方法では、シーリングを容易にするために、第1エンドカバーと検知腔に適切なゴム製シーリング部品を設計する必要がある。第1エンドカバーを中軸線に垂直な状態まま並進させ開閉させる並進機構は、具体的には、第1のエンドカバーがスライドインおよびスライドアウトできるように、検知腔の少なくとも2つの側面にスライド溝のを設計することができる。
【0047】
このPC端末には、PET信号収集と演算分析システム、及びCT信号収集と演算分析システムが備える。2つのシステムも、予設された調整値に従って、CTおよびPETスキャン信号を受信し、時系列に従って複雑な画像またはビデオストリームに変換できる。
【0048】
この給電回路は、前記PET作動電源、CT作動電源が投入され、前記PET作動電源、CT作動電源により、通信回線、PC端末、PETサポートブラケット、CTサポートブラケット、スキャニングベッド、ベッドフレーム、スキャニングベッドとベッドフレーム間に位置する電気ガイドレール、コンソール端末、及び全てのPET検知モジュールへ定格電圧での電気エネルギーを提供する。
【0049】
全てのPET検知モジュールにより検出された信号は、前記通信回線により前記PET信号収集と演算分析システムに送信され、CTスキャンフレームにおける前記検知器と参照検知器が受信された信号は、前記通信回線により前記CT信号収集と演算分析システムに送信される。このような通信回線は、たとえば、シリアルバス、IDE回線、またはデータ光ファイバである。
【0050】
前記スキャニングベッドは、ベッドフレームに水平に置かれ、スキャニングベッドとベッドフレームの間にガイドレールが設けられ、スキャニングベッドは、前記ガイドレールに沿って中軸線に平行な方向に前後へ移動できる。PET検知腔を完全に封止する必要がある場合、つまり第1端口を有する場合、ガイドレールとベッドフレームを両端に設定できる場合、たとえば、中央で30~60cmの中断がある。この設計では、PET検知腔が完全に封止することを考慮に入れるだけでなく、内へ移動するときにスキャンベッドが脱線または落下するのを防ぎ、スキャンベッドは、落下する前に中断の前でガイドレールに接続される。
【0051】
前記PET検知腔の下部には、1つ又は複数のベッドフレームが貫通するボイドがあり、前記PET検知腔が第1開口と第1エンドカバーを備える場合については、前記ベッドフレーム及び前記電気ガイドレールは、いずれも第1開口で中断された前後の両端を形成し、前記中断により、第1エンドカバーを妨げられることなく開閉できる。たとえば、PET検知腔の下部には、3つのベッドフレームが貫通するためのボイドがある。たとえば、PET検出キャビティの外側にガイドレール全体をサポートする5つのベッドフレームがある。
【0052】
前記ベッドフレームの下で、中軸線方向に沿って幾つかの垂直なピラーが設けられ、各ピラーの下方には、水平で高さ調節可能で安定して支持される1つのピラーベースが設けられ、前記ガイドレールは、1つのガイドレール全体、又は中軸線の両側にある1つずつの1対のガイドレールである。
【0053】
実施例3
図5に示されたように、スキャニングベッドの設置高さは、その上にある人体モジュールの中心線が装置の中軸線とほぼ一致するようになっている。スキャニングベッド1が前後に移動するとき、人体モデルの中心線は、基本的に中軸線と一致するか、またはわずかなズレを有する。電気ガイドレール2の可動性により、スキャニングベッド1を前後に移動することができ、ガイドレール2は全体であり、ガイドレール2の中心線は中軸線に平行であり、中軸線よりわずかに下に位置しているため、人体または人体モジュールの中心線は中軸線と一致し、スキャニングベッド1の両側の下端には、内へ座屈するスライドバックル部を有し、ガイドレール2の両側で正確に座屈されるので、スキャニングベッドは、移動中のスキャニングベッドの水平を確保するために中軸線の両側に位置される。図5は1つのベッドフレームのみを示しているが、実際には、例えば、CTスキャンフレームの外側に1つ、CTスキャンフレームの内側に1つ、水平を保持するためにガイドレールの中断での両端に1つ、PET検知腔の下部からの隙間を通じてPET検知腔の内部に挿入する少なくとも2つ、という少なくとも6つのベッドフレームが必要である。ここのボイドはベッドフレームの挿入しかできないので、検出感度に大きな影響はない。
【0054】
実施例4
前記の全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置を用いて実施される全身のPETとCTを組み合わせた検出方法であって、1)被検出対象をスキャニングベッドに置き、プレスキャン部分が円柱形状のCTスキャン通路の中間に位置するまでスキャニングベッドを内側へ移動させ、CTスキャン検出を行い、複数のCTスキャン静止画像を取得するCTスキャンステップと、2)前記PET検知腔が第1開口を備える場合については、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入るまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、又は、前記PET検知腔が全体として封止され場合については、前記第1エンドカバーを開き、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入って前記第1エンドカバーを完全に閉じるまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、前記被検出対象に対してPETスキャン検出を行い、複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像を取得し、前記複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像に応じて、1つ以上の関心のある部分を確定するPET検出ステップと、3)1つ以上の前記関心のある部分から1つの再スキャン部分を選択し、ここでのスキャン部分が円柱形状のCTスキャン通路の中間に位置するまでスキャニングベッドに被検出対象を載せて外へ移動させ、さらにCTスキャン検出を行い、複数のCTスキャン静止画像を取得する再CTスキャンステップとを備える、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出方法である。前記被検出対象は、人体検出モジュール又は人体である。
【0055】
このように、PET-CT検出を使用して、CT結果を効果的に修正したり、CT検出の方法を効果的に変更したりできる。CTスキャンの特性により、検出結果の直観性、完全性、正確性についての理解が不十分であり、必要な画像読み取りの経験が非常に高くなっているが、PETの結果の助けを借りて、CTの結果を効果的に修正したり、より良いCTの結果を得ることができる。
【0056】
実施例5
前記の全身のPETとCTを組み合わせた検出器装置を用いて実施される全身のPETとCTを組み合わせた検出方法であって、1)前記PET検知腔が第1開口を備える場合については、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入るまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、又は、前記PET検知腔が全体として封止され場合については、前記第1エンドカバーを開き、すべての被検出対象が前記PET検知腔に入って前記第1エンドカバーを完全に閉じるまでスキャニングベッドが被検出対象を連行して内へ移動させ続け、前記被検出対象に対してPETスキャン検出を行い、複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像を取得し、前記複数のPETスキャン静止画像と少なくとも1つの動的画像に応じて、1つ以上の関心のある部分を確定するPET検出ステップと、2)1つ以上の前記関心のある部分から1つの関心のある部分を選択し、ここでの関心のある部分が円柱形状のCTスキャン通路の中間に位置するまでスキャニングベッドに被検出対象を載せて外へ移動させ、CTスキャン検出を行い、複数のCTスキャン静止画像を取得するCTスキャンステップとを備える、ことを特徴とする全身のPETとCTを組み合わせた検出方法である。
【0057】
PETとCTを組み合わせた検出の利点は、たとえば、一般的な身体検査中に、可能性のある病変の場所がまったくわからない場合、全身のPETモニタリングに依存することで、CTがセグメント化された推定スキャンを実行しなくても、病変を直接明確に見つけることができる。全身PETとCTを組み合わせた場合、まず全身PETスキャンを行い、最短時間で病変を発見し、CTスキャンのどの部分とどのように行うかを判断することで、検出効率と妥当性をある程度向上させることができる。
【0058】
上記は、本発明の具体的な実施形態に過ぎないが、本発明の保護範囲はそれに限定されない。創造的な作業を通じて考えられないいかなる変更または置換も、本発明の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって限定される保護範囲に従うべきである。
【0059】
実施例6
2つのPET検知モジュール間ごとに、いずれも合致回路が接続され、各前記PET検知モジュールの具体的な構造は、検知器ハウジングを外面に包み、光電センサーアレイを外に設置し、PET検知結晶を内に設置し、光電センサーアレイとPET検知結晶の間にライトガイドが設置され、ライトガイドは、光電センサーアレイに密接に結合され、PET検知結晶にも密接に結合され、前記PET検知結晶は、シンチレーション結晶である。
【0060】
前記合致回路はLORの計算に必要であり、真の合致イベントのLORを最も迅速に除外できる。PET検出結晶の外側の前記検知器ハウジングの部分は、開口部として設計され、又は、使用される材料は、ポジトロン放出信号の収集に影響を与えない。
【0061】
前記シンチレーション結晶は、結晶ストリップアレイからなり、前記結晶ストリップアレイは、複数の結晶ストリップからなるか、1つ以上の結晶ブロックからなる。前記1つ以上の結晶ブロックの各々は、1つ以上の全体に切割された結晶からなる。上記の2つの加工設置を提案し、結晶ブロック方法は加工が簡単で、前記結晶ストリップアレイ方法はライトガイドとの結合効果が高く、応答速度が速くなる。
【0062】
前記シンチレーション結晶の材料は、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)結晶、ヨウ化ナトリウム(NaI)結晶、NaI(Tl)単結晶、ケイ酸ルテチウム(LSO)結晶、ケイ酸ガドリニウム(GSO)結晶、イットリウムルテチウム(LYSO)のうちの1つまたは複数から選択される。実験後、既存のすべてのシンチレーション結晶は、いずれも本願のPET検知に使用することができ、実際に使用できるのは上記の結晶タイプに限定されなく、他の使用可能なシンチレーション結晶も、本願のPET検知結晶に使用できる。
【0063】
各検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、一部の検知モジュールリング間には、高原子数物質からなるスペーサーが組立されるか、全ての検知モジュールリング間には、いずれもスペーサーが組立されない。前記高原子数物質は、鉛又はタングステンである。この技術案は、スペーサーがまったく組立されなくても実施できるが、スペーサーを取り付けると、PET検知モジュール間のクロストークと電磁的影響を適切に減らすことができ、これは、考慮できる方法であり、ここでのスペーサーは、完全に組立されることも、具体的な状況やニーズに応じて、あるモジュール間の位置に組立されることもできるが、他の位置には組立されないこともできる。
【0064】
上記は本発明の具体的な実施形態に過ぎないが、本発明の保護範囲はそれに限定されない。創造的な作業を通じて考えられないいかなる変更または置換も、本発明の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって限定される保護範囲に従うべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8