(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220922BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
F25D23/00 301Q
F25D23/00 301G
F25D29/00 Z
(21)【出願番号】P 2016179524
(22)【出願日】2016-09-14
【審査請求日】2019-09-03
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】金子 尚太
(72)【発明者】
【氏名】長坂 俊郎
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】河内 誠
【審判官】西村 泰英
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0184046(US,A1)
【文献】特開2005-55134(JP,A)
【文献】特開2014-240730(JP,A)
【文献】特開2013-72581(JP,A)
【文献】特開2000-74548(JP,A)
【文献】特開2001-33136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室の前面開口を開閉する扉と、
前記扉の開閉状態を検知する開閉検知部と、
前記扉に設けられている表示部と、
前記開閉検知部により前記扉の開閉状態が変化したことが検知されたタイミングで前記表示部の表示をオンす
る制御部と、を備え、
前記扉は、前記貯蔵室の前面に左右に並んで回動可能に設けられている回動式のものであって前記表示部が設けられているものと、前記表示部が設けられていないものとが設けられており、
前記制御部は、
前記表示部の表示がオフされているとき、前記貯蔵室の前面に設けられている扉のうち前記表示部が設けられている扉については当該扉が開放されたことが検知されたタイミングでは前記表示部の表示をオンせず、当該扉が閉鎖されたことが検知されたタイミングで前記表示部の表示をオンする一方、前記表示部が設けられていない扉については当該扉が開放されたことが検知されたタイミング、または、当該扉が閉鎖されたことが検知されたタイミングで前記表示部の表示をオンする冷蔵庫。
【請求項2】
前記表示部は、当該冷蔵庫の動作状態に応じて表示内容が切り替わる第1表示部と、ユーザの操作によって表示内容が切り替わる第2表示部とを有し、
前記制御部は、前記第1表示部および前記第2表示部の双方について、前記扉の開閉状態が変化したタイミングで前記表示部の表示を制御する請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記表示部に対応して設けられ、ユーザの操作を検知する操作検知部を備え、
前記制御部は、前記操作検知部によりユーザのタッチ操作が検知された場合、前記扉の開閉状態の変化にかかわらず前記表示部の表示をオンする請求項1または2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記制御部は、前記扉が閉鎖されたことを検出してから所定時間が経過したタイミングで前記表示部の表示をオフする請求項1から3のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記制御部は、前記所定時間を変更可能である請求項4記載の冷蔵庫。
【請求項6】
複数の前記表示部を備え、
前記制御部は、前記所定時間を、それぞれの前記表示部に対して個別に変更可能である請求項5記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯蔵室の扉に表示部を設けた冷蔵庫がある。このような冷蔵庫では、表示部の後方側に設けた光源を点灯することによって、冷蔵庫の動作状態等の表示を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、近年では、冷蔵庫のさらなる省電力化が求められている。その場合、表示部に関して言えば、光源を全て消灯すれば消費電力を削減することができるものと考えられる。
しかしながら、表示部には、例えば冷却負荷が適正であること、平易に言えば、貯蔵品を詰め込み過ぎていないことを示す表示等、積極的にユーザに認識して欲しい表示も行われる。そのため、単純に全ての表示部を消灯してしまうと、上記したような積極的に認識して欲しい表示も行われなくなってしまうという問題がある。
【0005】
その一方で、積極的に認識して欲しい表示であっても、ユーザが不在であるにもかかわらず表示したままとすると、消費電力が増加してしまうという問題がある。
そこで、消費電力が増加することを抑制できるとともに、適切に表示を行うことができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する扉と、扉の開閉状態を検知する開閉検知部と、扉に設けられている表示部と、開閉検知部により扉の開閉状態が変化したことが検知されたタイミングで表示部の表示をオンする制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、
図1から
図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、冷蔵庫1は、断熱性を有するキャビネットにより構成されており、内部に複数の貯蔵室が形成されている。冷蔵庫1の場合、貯蔵室としては、上から順に冷蔵室2、野菜室3が設けられており、野菜室3の下に製氷室4と小冷凍室5が左右に並んで設けられ、最下部に主冷凍室6が設けられている。このうち、上部の冷蔵室2と野菜室3は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、製氷室4、小冷凍室5および主冷凍室6は冷凍温度帯の貯蔵室である。
【0009】
各貯蔵室は、周知のように前面が開口しており、その前面開口が扉によって開閉される。具体的には、冷蔵室2は、左右に並んで設けられ、左端側を軸に回動する左扉2aと、右端側を軸に回動する右扉2bとによって前面開口が開閉される。また、野菜室3、製氷室4、小冷凍室5および主冷凍室6は、引き出し式の野菜室扉3a、製氷室扉4a、小冷凍室扉5aおよび主冷凍室扉6aによってそれぞれの前面開口が開閉される。これら野菜室扉3a、製氷室扉4a、小冷凍室扉5aおよび主冷凍室扉6aには、図示は省略するが扉とともに引き出される貯蔵容器が設けられている。
【0010】
これら左扉2a、右扉2b、野菜室扉3a、製氷室扉4a、小冷凍室扉5aおよび主冷凍室扉6aは、後述する開閉検知部11(
図3参照)によって開閉状態が検知される。
冷蔵庫1に設けられている扉のうち、左扉2aには、操作パネル7が設けられている。つまり、冷蔵庫1には、表示部が設けられている扉と、表示部が設けられていない扉とが存在している。操作パネル7は、冷蔵庫1の動作状態や、ユーザによって設定された運転モード等の表示を行う表示部として機能する。また、操作パネル7は、図示しない静電式のタッチパッドが設けられており、ユーザのタッチ操作を受け付ける操作部としても機能する。
【0011】
具体的には、操作パネル7には、
図2に示すように操作領域8と表示領域9とが設定されている。操作領域8には、上から順に「冷蔵」、「冷凍」、「冷却モード」、「製氷」、「節電」、「ホーム」の文字と、それらの文字を囲む丸印とで構成された操作ボタンB1~B6が配置されている。この操作ボタンB1~B6は、ユーザによるタッチ操作を検出可能な図示しないタッチセンサの検出領域内に配置されている。
【0012】
各操作ボタンB1~B5については以下に個別に説明するが、「ホーム」の操作ボタンB6は、表示部の表示のオンオフを行ったり、長押しすることで操作パネル7に対する操作をロックしたりする等の機能を有している。
各操作ボタンB1~B6は、それぞれ背面側に図示しない光源が設けられており、その光源が点灯することによって上記した文字と丸印がユーザに視認可能に表示される。つまり、各操作ボタンB1~Bは、表示部として機能するとともに、各操作ボタンB1~Bが配置されている操作領域8は、操作検知部としても機能する。
【0013】
表示領域9には、上から順に冷却強さ表示部D1、冷凍機能表示部D2、製氷機能表示部D3、節電機能表示部D4、うるおい表示部D5、およびエコモード表示部D6が設けられている。各表示部(D1~D6)は、それぞれ背面側に図示しない光源が設けられており、その光源が点灯することにより冷蔵庫1の動作状態等がユーザに視認可能に表示される。つまり、各表示部(D1~D6)は、表示部として機能する。
【0014】
具体的には、冷却強さ表示部D1は、冷蔵温度帯の貯蔵室もしくは冷凍温度帯の貯蔵室の冷却強さを表示する。冷却強さ表示部D1は、円周上に配置された5つのバーによって構成されており、「冷蔵」の操作ボタンB1と「冷凍」の操作ボタンB2に対するタッチ操作に応じて表示するバーの数が増減することにより冷却の強さを表示する。つまり、冷却強さ表示部D1は、ユーザの操作によって表示内容が切り替わる第2表示部として機能する。
【0015】
冷凍機能表示部D2は、例えば「一気冷凍」、「熱もの冷凍」、「野菜冷凍」および「ドライ」の文字により、複数の冷凍機能のうち「冷凍機能」の操作ボタンB3に対するタッチ操作に応じて設定された機能を表示する。つまり、冷凍機能表示部D2は、ユーザの操作によって表示内容が切り替わる第2表示部として機能する。また、各機能の表示位置それぞれに対して、個別に光源が設けられている。
【0016】
製氷機能表示部D3は、例えば「一気製氷」や「製氷オフ」「製氷」のの文字により複数の製氷機能のうち「製氷」の操作ボタンB4に対するタッチ操作に応じて設定された機能を表示する。つまり、製氷機能表示部D3は、ユーザの操作によって表示内容が切り替わる第2表示部として機能する。また、各機能の表示位置それぞれに対して、個別に光源が設けられている。
【0017】
節電機能表示部D4は、例えば「節電」、「お出かけ」、「ピークシフト」の文字により、複数の節電機能のうち「節電」の操作ボタンB1に対するタッチ操作に応じて設定された機能を表示する。つまり、節電機能表示部D4は、ユーザの操作によって表示内容が切り替わる第2表示部として機能する。また、各機能の表示位置それぞれに対して、個別に光源が設けられている。なお、詳細な説明は省略するが、「節電」は除霜運転等を行わずに節電する運転モード、「お出かけ」はユーザの外出時等において冷却能力を下げて節電する運転モード、「ピークシフト」は、電力消費のピークとなる時間帯を避けて冷却運転を行う運転モードを示している。
【0018】
うるおい表示部D5は、「うるおい」の文字により、冷蔵庫1がうるおい運転中であることを表示する。うるおい運転は、図示しないエバポレータに付いた霜を飛ばして貯蔵室に水分を供給する運転モードであり、冷蔵庫1により自動的に制御が行われている。つまり、うるおい表示部D5は、冷蔵庫1の動作状態に応じて表示内容すなわち「うるおい」が表示されるか否かが切り替わる第1表示部として機能する。
【0019】
エコモード表示部D6は、「エコモード」の文字とエコモードを示す記号とにより、冷蔵庫1がエコモードで動作中であることを表示する。ここで、エコモードとは、冷却負荷が適正であること、平易に言えば、貯蔵品を詰め込み過ぎていないことを示す運転モードである。換言すると、エコモードの表示が行われていない場合には、貯蔵室内の食材等の貯蔵量を減らしたり、冷気の吹き出し口を塞がないように貯蔵したりする等、ユーザによって消費電力の改善が図れる状態であることを意味している。
【0020】
このため、エコモードであるか否かは、積極的にユーザに提示したい表示であると言える。このエコモードであるか否かの判定は、冷蔵庫1によって自動的に行われている。つまり、エコモード表示部D6は、冷蔵庫1の動作状態に応じて表示内容すなわち「エコモード」が表示されるか否かが切り替わる第1表示部として機能する。また、エコモード表示部D6は、文字と記号に対して1つの光源が設けられている。
【0021】
これら操作パネル7の表示および冷蔵庫1全体の制御は、
図3に示すように制御部10によって行われている。制御部10は、図示しないマイクロコンピュータで構成されている。この制御部10は、操作パネル7に接続されており、操作領域8に対するタッチ操作の検出や、光源の点灯または消灯つまりは表示のオンオフの制御を行うことで、操作パネル7を制御する。
【0022】
また、制御部10は、開閉検知部11に接続されており、左扉2a、右扉2b、野菜室扉3a、製氷室扉4a、小冷凍室扉5aおよび主冷凍室扉6aの開閉状態、具体的には、扉が開放されこと、および、扉が閉鎖されたことを検知する。なお、
図2には説明の簡略化のために1つの機能ブロックとして示しているが、開閉検知部11は、各扉の開閉状態を個別に検知可能に構成されている。
【0023】
また、制御部10は、機能部12に接続されている。この機能部12は、説明の簡略化のために
図2には1つの機能ブロックとして示しているが、例えば冷凍サイクルや庫内灯、温度センサ、自動製氷装置等、冷蔵庫1に必要とされる様々な機能である。
【0024】
次に上記した構成の作用について説明する。
冷蔵庫1の省電力化のためには、不要な電力消費を削減すればよいと考えられる。そして、ユーザが不在の時等に表示を行っていることは、不要な電力消費の一つであると考えられる。ただし、表示部には、上記したエコモード表示部D6のように、積極的にユーザに認識して欲しい情報も表示される。そのため、単純に全ての表示部を消灯してしまうと認識して欲しい表示も行われなくなってしまう一方で、積極的に認識して欲しい情報であってもユーザが不在であるにもかかわらず表示したままとすると消費電力の増加を招いてしまう。
【0025】
そこで、冷蔵庫1では、
図4に示す表示処理を実行することにより、消費電力の増加の抑制と、積極的に認識させたい情報の表示とを両立させている。なお、
図4に示す表示処理は制御部10によって実行されるものであるものの、説明の簡略化のために、以下では冷蔵庫1を主体として説明する。
【0026】
冷蔵庫1は、
図4に示す表示処理において、いずれかの扉の開放を検知したか(S1)、および、いずれかの扉の閉鎖を検知したか(S2)を判定している。この扉の開放および閉鎖の検知は、開閉検知部11によって行われている。つまり、つまり、冷蔵庫1は、ステップS1、S2において、扉の開閉状態が変化したか否かを検知している。
【0027】
冷蔵庫1は、いずれかの扉の開放を検知した場合には(S1:YES)、表示部がある扉であるか否か、本実施形態の場合には操作パネル7が設けられている左扉2aであるか否かをさらに判定する(S8)。そして、冷蔵庫1は、表示部がある扉ではないと判定した場合には(S8:NO)、表示をオンする(S10)。このステップS10では、操作パネル7に設けられている表示部のうち、操作ボタンB1~B6や現在の設定状態あるいは動作状態に対応した表示部の光源をオンする表示制御が行われる。
【0028】
一方、冷蔵庫1は、表示部がある扉であると判定した場合には(S8:YES)ステップS2に移行する。つまり、冷蔵庫1は、扉が開放されたことが検知された場合には、ユーザが操作パネル7を視認できる状態であるか否かに基づいて、つまりは、開放された扉に表示部が設けられているか否かに基づいて、表示制御を行うか否かを選択する。これは、冷蔵庫1の扉を開閉する場合、ユーザは一般的に冷蔵庫1の正面に位置していると考えられるため、左扉2aが開放された状態ではユーザが操作パネル7を見ることができない可能性があるためである。
【0029】
これに対して、冷蔵庫1は、いずれかの扉の閉鎖を検知した場合には(S2:YES)、表示部がある扉であるか否かをさらに判定し(S9)、表示部がある扉の場合には(S9:YES)、表示をオンする(S10)。つまり、左扉2aが開閉された場合には、左扉2aが閉鎖されたされたことが検知されたタイミングで表示制御を行う。一方、冷蔵庫1は、表示部がある扉でない場合には(S9:NO)、ステップS10を省略する。
【0030】
このように、扉の開閉状態の変化が検知されたタイミングで、表示部が設けられている扉であるか否かに基づいて、表示制御を行っている。これにより、冷蔵庫1の正面に位置していると考えられるユーザに対して、操作パネル7つまりは冷蔵庫1の動作状態等の情報を視認可能に表示することができる。
【0031】
さて、操作パネル7には、上記したように操作領域8が設けられている。冷蔵庫1の場合、詳細は後述するが、扉が閉鎖されてから所定時間が経過した時点で(S6:YES)表示がオフされる(S7)。そのため、ユーザが操作パネル7を操作したいと考えたときに、表示がオフされており、操作ボタンB1~B6の位置が判りづらくなっている可能性がある。
【0032】
そのため、冷蔵庫1は、扉の開閉状態が変化していない場合において(S1:NO、S2:NO)、操作領域8に対するタッチ操作を検知した場合には(S3:YES)、表示をオンする(S4)。これにより、各操作ボタンB1~B6に対応する光源が点灯し、各操作ボタンB1~B6の位置を把握しやすくなる。つまり、冷蔵庫1は、操作検知部として操作領域8に対するユーザのタッチ操作が検知された場合には、扉の開閉状態の変化にかかわらず表示部の表示をオンする。
【0033】
そして、冷蔵庫1は、操作受付中であるかを判定する(S5)。具体的には、このステップS5では、冷蔵庫1は、直近のタッチ操作の入力から予め定められている入力待機時間が経過するまでの期間を、操作受付中と判定する。そして、冷蔵庫1は、操作受付中であると判定した場合には(S5:YES)待機する。
【0034】
一方、冷蔵庫1は、操作受付中でないと判定した場合には(S5:NO)、冷蔵庫1の扉が閉鎖されたことを検知してから所定時間が経過したかを判定する(S6)。ここで、所定時間とは、ユーザが操作パネル7の表示を認識することができると考えられる時間であり、例えば30秒程度に予め設定されている。
【0035】
冷蔵庫1は、扉が閉鎖されてから所定時間が経過したと判定すると(S6:YES)、表示をオフする(S7)。そして、表示をオフすると、冷蔵庫1は、ステップS1に移行して、扉の開閉状態の変化と、タッチ操作が入力された否かとの判定を繰り返す。
【0036】
このように、冷蔵庫1は、扉の開閉状態が変化してステップS10において表示をオンした後に扉が閉鎖された場合には、所定時間が経過するまでは表示をオンし続ける一方、所定時間が経過したタイミングで表示をオフする。
【0037】
なお、扉の開閉を伴わずに操作パネル7だけが操作されている場合にはステップS6において直ぐに所定時間が経過したと判定されるものの、ステップS5において操作受付中であるか否かを判定しているため、つまりは、ユーザの操作を待機する時間を設けているため、入力中に表示がオフされることは防止される。
【0038】
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
冷蔵庫1は、扉の開閉状態が変化したことが検知されたタイミングで表示部つまりは操作パネル7の表示をオンする。扉の開閉状態が変化したということは、冷蔵庫1の前にユーザが存在していることを示している。また、仮にユーザが冷蔵庫1の前に居たとしても、扉の開閉状態が変化していない場合には、ユーザは冷蔵庫1に対して意識を向けていないと考えられる。換言すると、扉の開閉状態が変化していない場合には、表示をオンしてもユーザが認識しない可能性がある。
【0039】
そこで、表示部がオフされているとき、扉の開閉状態が変化したタイミングで表示部をオンすることにより、冷蔵庫1の前に居るユーザであって、且つ、冷蔵庫1に意識を向けているユーザに対して表示を行うことができるとともに、冷蔵庫1に意識を向けていないと考えられる場合には表示をオンしない。したがって、消費電力が増加することを抑制できるとともに、適切に表示を行うことができる。
【0040】
冷蔵庫1は、扉が開放されたことが検知されたタイミングで表示部の表示をオンする。扉を開放する場合、ユーザは冷蔵庫1を視認していると考えられる。これにより、ユーザに認識可能な状態で表示を行うことができる。
冷蔵庫1は、扉が閉鎖されたことが検知されたタイミングで表示部の表示をオンする。扉を閉鎖する場合、ユーザは冷蔵庫1を視認していると考えられる。これにより、ユーザに認識可能な状態で表示を行うことができる。
【0041】
冷蔵庫1は、表示部が設けられている扉については当該扉が閉鎖されたことが検知されたタイミングで表示部の表示をオンする一方、表示部が設けられてない扉については当該扉が開放されたことが検知されたタイミングで表示部の表示をオンする。
実施形態の操作パネル7のような表示部が設けられている左扉2aが開放された場合には、左扉2aが開放された状態では、左扉2aの前面に設けられている操作パネル7がユーザの視界に入らない可能性がある。そのため、左扉2aが閉鎖されたタイミングで表示をオンすることにより、ユーザが視認可能な状態において表示を行うことができる。
【0042】
一方、左扉2a以外の例えば右扉2bや野菜室扉3a等、表示部が設けられていない扉の場合には、その扉が開放されたタイミングにおいて、ユーザは、操作パネル7を視認できると考えられる。そのため、表示部が設けられていない扉については開放されたタイミングで表示をオンすることにより、ユーザが視認可能な状態において表示を行うことができる。
【0043】
冷蔵庫1は、実施形態のうるおい表示部D5やエコモード表示部D6のように動作状態に応じて表示内容が自動で切り替わる第1表示部と、冷却強さ表示部D1や冷凍機能表示部D2等のようにユーザの操作によって表示内容が切り替わる第2表示部とを有している。そして、冷蔵庫1は、第1表示部および第2表示部の双方について、扉の開閉状態が変化したタイミングで表示をオンする。つまり、冷蔵庫1は、動作状態に応じて表示内容が自動で切り替わる第1表示部についても、ユーザが不在と思われる状態では、表示をオンしない。これにより、消費電力が増加することを抑制できる。
【0044】
冷蔵庫1は、実施形態の操作領域8のように、表示部に対応して設けられ、ユーザの操作を検知する操作検知部を備えている。そして、冷蔵庫1は、操作検知部によりユーザのタッチ操作が検知された場合には、扉の開閉状態の変化にかかわらず、表示部の表示をオンする。これにより、操作パネル7を操作する際に、表示をオンするためにわざわざ扉を開閉する必要が無くなる。
【0045】
このとき、冷蔵庫1は、実施形態のようにある程度大きい範囲が設定された操作領域8のような操作検知部にタッチ操作が入力された場合に表示をオンする。これにより、例えば「ホーム」の操作ボタンB1といった固定且つ特定の位置を操作することなく表示をオンすることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0046】
冷蔵庫1は、扉が閉鎖されたことを検出してから所定時間が経過したタイミングで表示部の表示をオフする。このとき、所定期間としては、実施形態のようにユーザが表示内容を把握できる程度の時間に設定することができる。これにより、ユーザが認識可能な状態で表示を行うことができるとともに、表示が自動的にオフされるので、オフし忘れて消費電力が増加してしまうことを防止できる。
【0047】
(その他の実施形態)
実施形態で例示した冷蔵庫1の構成は一例であり、貯蔵室の数や配置、種類や大きさ等が異なっていてもよい。例えば、小冷凍室5は、温度帯を変更可能ないわゆる多目的室等であってもよい。また、実施形態では冷蔵室2にいわゆる観音開きの扉2a、扉2bを設けた例を示したが、片開きの扉を設けたものにも適用することができる。
実施形態で例示した操作パネル7は一例であり、ボタンや表示部の数や配置、種類や大きさ等が異なっていてもよい。
【0048】
また、実施形態の「ホーム」の操作ボタンB1のように表示をオンオフする機能、つまりは、操作パネル7を操作する際に最初に触れると思われる機能を有するボタン(表示部、操作検知部)については、扉の開閉状態にかかわらず表示を視認可能にする構成とすることができる。すなわち、表示部に、常時表示部を設けることができる。この場合、光源の設け、常時点灯させるようにすることもできるが、消費電力に鑑みて、印刷等により常時視認可能に表示される構成とすることもできる。
【0049】
また、表示部の表示をオフするタイミングつまりは所定時間の長さを変更可能とすることもできる。この場合、ユーザによる設定が可能とすることもできる。また、実施形態のように複数の表示部(D1~D6)が設けられている場合には、所定時間を、複数の表示部(D1~D6)に対して一括で、または、各表示部(D1~D6)に対して個別に変更可能とすることもできる。
【0050】
例えば、実施形態のエコモード表示部D6のような第1表示部については、例えば冷却強さ表示部D1のような第2表示部よりも所定時間を長くすることができる。これにより、第2表示部の表示がオフされてもしばらくはエコモード表示部D6がオンされることになり、積極的にユーザに提示したい表示内容を、より一層ユーザが認識しやすい態様で表示することができる。
実施形態で示した文字や数字あるいか記号等は一例であり、それらに限定されるものではない。
【0051】
各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
図面中、1は冷蔵庫、2は冷蔵室(貯蔵室)、2aは左扉(扉)、2bは右扉(扉)、3は野菜室(貯蔵室)、3aは野菜室扉(扉)、4は製氷室(貯蔵室)、4aは製氷室扉(扉)、5は小冷凍室(貯蔵室)、5aは小冷凍室扉(扉)、6は主冷凍室(貯蔵室)、6aは主冷凍室扉(扉)、7は操作パネル(表示部、操作検知部)、8は操作領域(表示部、操作検知部)、9は表示領域(表示部、操作検知部)、10は制御部、11は開閉検知部、B1~B6は操作ボタン(表示部、操作検知部)、D1は冷却強さ表示部(表示部、操作検知部)、D2は冷凍機能表示部(表示部、操作検知部)、D3は製氷機能表示部(表示部、操作検知部)、D4は節電機能表示部(表示部、操作検知部)、D5はうるおい表示部(表示部、操作検知部)、D6はエコモード表示部(表示部、操作検知部)、を示す。