(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ビスフェノールAを含まない冷間引抜ラミネート用接着剤
(51)【国際特許分類】
C08G 18/42 20060101AFI20220922BHJP
C08G 18/58 20060101ALI20220922BHJP
C08K 3/32 20060101ALI20220922BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20220922BHJP
C08L 67/02 20060101ALI20220922BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20220922BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20220922BHJP
C09J 167/00 20060101ALI20220922BHJP
C09J 167/02 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
C08G18/42
C08G18/58
C08K3/32
C08L63/00 Z
C08L67/02
C09J11/04
C09J11/06
C09J167/00
C09J167/02
(21)【出願番号】P 2017522883
(86)(22)【出願日】2015-11-10
(86)【国際出願番号】 US2015059965
(87)【国際公開番号】W WO2016077355
(87)【国際公開日】2016-05-19
【審査請求日】2018-10-29
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-01
(32)【優先日】2014-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ジェイ・ジュパンチッチ
(72)【発明者】
【氏名】アミラ・エイ・マリーン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィット・イー・ヴィエッティ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ・ヴィンチ
【合議体】
【審判長】細井 龍史
【審判官】土橋 敬介
【審判官】小出 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
C08L
C09D
C09J
CAPlus/Registry(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)50,000~125,000の平均分子量(Mw)を有する高分子量ポリエステル樹脂と、
b)構造
【化1】
を
有するエポキシ末端ポリエステルであって、
式中、-R
2-は、式IVに示される構造を有する二価の基であり、
【化10】
式
IV中、数pは、0~20であり、
各-R
3-及び各-R
5-は、独立して、1つ以上の二価脂肪族基、1つ以上の二価芳香族炭化水素基、またはこれらの混合物から選択され、
各-R
4-は、二価の脂肪族基または
式Vによって示される脂肪族エーテル基であり、
【化11】
式V中、-R
8
-及び-R
9
-(存在する場合)ならびに-R
10
-は、脂肪族基であり、rは、0~10であり、
R
1-は、
【化2】
及び
【化3】
からなる群から選択され、
式中、-A-は、二価アルキレン基であり、-CA-は、二価シクロアルキレン基であり、jは、0~5であり、
-R
21-は、二価アルキレン基であり、-R
22-は、二価アルキレン基であり、
G-は、
【化4】
である、エポキシ末端ポリエステルと、
c)リン酸及びオルトリン酸からなる群から選択される添加剤と、
d)イソシアネート系脂肪族化合物またはイソシアネート系芳香族化合物を含む硬化剤と、
e)溶媒と、を含む、硬化性配合物であって、
前記高分子量ポリエステル樹脂は、
(a1)(i)エチレングリコール、または、(ii)エチレングリコールと1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールもしくはネオペンチルグリコールとの組合せ、のいずれかと、
(a2)(i)テレフタル酸、または、(ii)イソフタル酸、のいずれかと、
(a3)(i)アゼライン酸、(ii)セバシン酸、(iii)アジピン酸、または(iv)これらの脂肪族二酸(i)~(iii)の組合せ、のいずれかと、
の組合せに基づくポリエステルであり、
硬化条件下で硬化すると、少なくとも1つの相互貫入ポリマー網目構造を形成する、前記硬化性配合物。
【請求項2】
前記硬化性配合物は、100:1.0~100:8.0の範囲の
、高分子量ポリエステル樹脂/エポキシ末端ポリエステルブレンドと硬化剤との混合比
(重量比)で、イソシアネート硬化剤で硬化させられる、請求項1に記載の硬化性配合物。
【請求項3】
前記エポキシ末端ポリエステルは500~8,000の数平均分子量(Mn)を有する、請求項1または2のいずれかに記載の硬化性配合物。
【請求項4】
相互貫入ポリマー網目構造は、前記エポキシ末端ポリエステルのエポキシド基と前記イソシアネート硬化剤のイソシアネート基との間に形成される、請求項1~3のいずれかに記載の硬化性配合物。
【請求項5】
前記溶媒は、酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸メチル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載の硬化性配合物。
【請求項6】
前記高分子量ポリエステル樹脂は、65~95重量%の範囲の量で存在し、前記エポキシ末端ポリエステルは、2.0~25.0重量%の範囲の量で存在し、前記添加剤は、0.01~0.10重量%の範囲の量で存在する、請求項1~5のいずれかに記載の硬化性配合物。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれかに記載の硬化性配合物から作製されるラミネート用接着剤。
【請求項8】
前記ラミネート用接着剤は、
硬化されたラミネート用接着剤が、-5℃~30℃の範囲のガラス転移温度、及び2.0N/15mm~8.0N/15mmの範囲の接着強度を有することを特徴とする、請求項
7に記載のラミネート用接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2014年11月12日出願の米国仮出願第62/078,748号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ラミネート用接着剤の適用に好適な硬化性配合物、及びそれから作製されるラミネート用接着剤に関する。
【背景技術】
【0003】
深絞り及び冷間引抜性ラミネート用接着剤は、金属蓋または可撓性ヒートシール蓋を有する缶または容器で使用される。これらのラミネート用接着剤に関するさらなる使用としては、食品パウチ、インスタント食品、及び缶コーティングが挙げられる。これらのラミネート用接着剤は、接着強度性能の低下を最小限に抑えながら、それらをレトルト処理(121℃で1時間もしくは2時間、132℃で30もしくは45分)、またはホットフィル(66℃で1時間もしくは2時間)、またはボイルインバッグ用途(100℃で30分もしくは2時間)が可能な状態にする性能特性を維持することが可能である必要がある。可撓性ラミネートの高性能及び冷間引抜性を達成するために、1つのアプローチは、ポリエステル系中のエポキシ化ビスフェノールA樹脂の利用である。現在、産業は、食品包装のためのビスフェノールA系材料の使用を徐々に減らしている。したがって、ビスフェノールAを含まない、深絞りまたは冷間引抜性が可能な接着剤が望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ラミネート用接着剤の適用に好適な硬化性配合物、及びそれから作製されるラミネート用接着剤を提供する。
【0005】
一実施形態では、本発明は、a)高分子量ポリエステル樹脂と、b)構造
【0006】
【0007】
を有するエポキシ末端ポリエステルであって、
式中、-R2-は、二価有機基であり、
R1-は、
【0008】
【0009】
及び
【0010】
【0011】
からなる群から選択され、
式中、-A-は、二価アルキル基であり、-CA-は、二価シクロアルキル基であり、jは、0~5であり、-R2-は、二価有機基であり、-R21-は、二価アルキル基であり、-R22-は、二価アルキル基であり、
G-は、
【0012】
【0013】
である、エポキシ末端ポリエステルと、
c)リン酸及びオルトリン酸からなる群から選択される添加剤と、
d)イソシアネート系脂肪族化合物またはイソシアネート系芳香族化合物を含む硬化剤と、
e)溶媒と、を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる、ラミネート用接着剤の適用に好適な硬化性配合物を提供し、硬化条件下で硬化すると、硬化性配合物は、少なくとも1つの相互貫入ポリマー網目構造を形成する。
【0014】
別の代替の実施形態では、本発明は、本発明の硬化性配合物を含むラミネート用接着剤をさらに提供する。
【0015】
代替の実施形態では、本発明は、ラミネート用接着剤が20~35%の固体の適用固体、1.5~5.0g/m2のコーティング重量、採用される共反応物に応じて3~14日での常温硬化(25℃)から常温を超えた硬化(50℃)、完全硬化後の5.0~12.0N/15mm以上の接着強度、レトルト処理後の2.0~8.0N/15mm以上の接着強度、-5℃~30℃の単一ガラス転移温度(Tg)を有し、相分離を有しないことを特徴とすることを除いて、前述の実施形態のいずれかに従ったラミネート用接着剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、ラミネート用接着剤の適用に好適な硬化性配合物、及びそれから作製されるラミネート用接着剤を提供する。ラミネート用接着剤に好適な硬化性配合物は、a)高分子量ポリエステル樹脂と、b)構造
【0017】
【0018】
を有するエポキシ末端ポリエステルであって、
式中、-R2-は、二価有機基であり、
R1-は、
【0019】
【0020】
及び
【0021】
【0022】
からなる群から選択され、
式中、-A-は、二価アルキル基であり、-CA-は、二価シクロアルキル基であり、jは、0~5であり、-R2-は、二価有機基であり、-R21-は、二価アルキル基であり、-R22-は、二価アルキル基であり、
G-は、
【0023】
【0024】
である、エポキシ末端ポリエステルと、
c)リン酸及びオルトリン酸からなる群から選択される添加剤と、d)イソシアネート系脂肪族化合物またはイソシアネート系芳香族化合物を含む硬化剤と、e)溶媒と、を含み、硬化条件下で硬化すると、硬化性配合物は、少なくとも1つの相互貫入ポリマー網目構造を形成する。硬化性配合物は、ビスフェノールAまたは任意のビスフェノールA系材料を含有しない。
【0025】
硬化性配合物は、高分子量ポリエステル樹脂を含む。
【0026】
「高分子量ポリエステル樹脂」という用語は、50,000~125,000の平均分子量(Mw)を有するポリエステルを指す。50,000~125,000の間の全ての個々の範囲及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、高分子量ポリエステル樹脂は、70,000~100,000の範囲の平均分子量(Mw)を有することができる。
【0027】
高分子量ポリエステル樹脂は、-25℃~40℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有する。-25℃~40℃の間の全ての個々の範囲及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、高分子量ポリエステル樹脂は、-15℃~5℃の範囲のTgを有することができるか、または高分子量ポリエステル樹脂は、-15℃~0℃の範囲のTgを有することができる。
【0028】
好適な高分子量ポリエステル樹脂の例としては、アゼライン酸、もしくはセバシン酸、もしくはアジピン酸(またはこれらの脂肪族二酸の組み合わせ)のいずれかとの、エチレングリコール(及び任意に1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、またはネオペンチルグリコールと組み合わせて)、テレフタル酸、イソフタル酸の組み合わせに基づくポリエステルが挙げられるがこれらに限定されない。ポリエステル樹脂は、50,000~125,000、好ましくは65,000~100,000の範囲の平均分子量(Mw)、≦2.0の酸価、約0.5~5.0のヒドロキシル価(OHN)、及び-25℃~40℃、好ましくは-15℃~5℃、より好ましくは-15℃~0℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0029】
高分子量ポリエステル樹脂は、65~98重量%の範囲で硬化性配合物中に存在する。65~98重量%の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、ポリエステル樹脂は、70~95重量%、76~92重量%、または80~91重量%の範囲で硬化性配合物中に存在することができる。
【0030】
様々な実施形態において、エポキシ末端ポリエステルは、以下の式Iによって示される組成物である。
【0031】
【0032】
式I中、2つの-R1基が同一であっても、または異なってもよい。各R1基は、式IIに示される構造または式IIIに示される構造のいずれかを有する。
【0033】
【0034】
【0035】
基-R2-は、50個よりも少ない炭素原子を有する二価有機基である。基G-は、構造
【0036】
【0037】
によって示されるように、ジグリシジルエーテル部分である。
【0038】
基-CA-は、二価シクロアルキル基である。基-A-は、二価アルキル基である。
【0039】
数jは、0~5である。0~5の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、jは、0、1、2、3、4、または5であってもよい。基-R21-及び-R22-は、同一であっても、または異なってもよく、二価アルキル基である。例としては、メチル基、メチレン基、エチル基、エチレン基、より大きいアルキル基、及びより大きいアルキレン基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
様々な実施形態において、エポキシ末端ポリエステルはまた、式Iに示される構造を有する1つ以上の化合物に加えて、以下の式IAに示される構造を有する1つ以上の化合物を含有してもよい。
【0041】
【0042】
式中、-B1-は、構造
【0043】
【0044】
を有し、-B2-は、構造
【0045】
【0046】
を有し、-Q-は、シクロアルキル基であるか、または構造
【0047】
【0048】
を有するかのいずれかである。
【0049】
jは、0~5であり、0~5の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、jは、0、1、2、3、4、または5であってもよい。nは、1~6である。1~6の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、nは、1、2、3、4、5、または6であってもよい。基-R21-は、アルキル基である。基-R22-は、アルキル基である。
【0050】
一実施形態では、-R2-は、式IVに示される構造を有する基である。
【0051】
【0052】
数pは、0~20である。0~20の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20であってもよい。各-R3-、各-R4-、及び各-R5-は、他から独立して二価有機基である。単一の-R2-基内で、pが2以上である場合、様々な-R3-基が互いに同一であっても、または互いと異なってもよい。単一の-R2-基内で、pが2以上である場合、様々な-R4-基が互いに同一であっても、または互いと異なってもよい。
【0053】
概して、-R3-は、1つ以上の二価脂肪族基、1つ以上の二価芳香族炭化水素基、またはこれらの混合物から選択される。脂肪族基の例としては、直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられるがこれらに限定されない。概して、脂肪族基は、1~12個の炭素原子を有する。1~12の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、脂肪族基は、2個の炭素原子、3個の炭素原子、6個の炭素原子、または8個の炭素原子を有することができる。脂肪族基の具体的な例は、-CH2CH2CH2CH2-である。
【0054】
芳香族基の例としては、異性体の混合物を含む、構造
【0055】
【0056】
を有する芳香族基、または構造
【0057】
【0058】
を有する芳香族基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0059】
-R5-に好適である基は、-R3-に対する基と同じである。基-R5-は、-R3-基のうちの全部と異なってもよく、または-R5-は、-R3-基のうちの1つもしくは全部と同じであってもよい。
【0060】
様々な実施形態において、-R4-は、脂肪族基、または式Vによって示される脂肪族エーテル基のいずれかであり、
【0061】
【0062】
式中、-R8-及び-R9-(存在する場合)ならびに-R10-は、脂肪族基であり、rは、0~10である。基-R8-及び-R9-(存在する場合)ならびに-R10-は、同一であってもよく、または互いと異なってもよい。-R4-が脂肪族エーテル基であるとき、以下の選好は、-R8-、-R9-(存在する場合)、-R10-、及びrに適用する。様々な実施形態において、-R8-及び-R9-(存在する場合)ならびに-R10-は、同一である。様々な実施形態では、-R8-及び-R9-(存在する場合)ならびに-R10-は、直鎖または分枝鎖アルキル基である。様々な実施形態では、-R8-及び-R9-(存在する場合)ならびに-R10-はそれぞれ、4個以下の炭素原子を有する。4以下の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、脂肪族基は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、または4個の炭素原子を有することができ、rは、0~10である。0~10の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、rは、0~5、0~2、またはゼロである。-R4-が脂肪族基であるとき、-R4-は、好ましくはアルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基である。-R4-が脂肪族基であるとき、-R4-は、1個以上の炭素原子を有する。-R4-が脂肪族基であるとき、-R4-は、好ましくは、6個以下の炭素原子、より好ましくは4個以下の炭素原子、より好ましくは3個以下の炭素原子、より好ましくはちょうど2個の炭素原子を有する。
【0063】
エポキシド末端ポリエステル及びその調製に関するさらなる情報は、PCT公開第WO/2015/073965号及びPCT公開第WO/2015/073956号で見られる。
【0064】
エポキシド末端ポリエステルは、概して、600~3000の範囲のエポキシド等量(EEW)を有する。600~3000の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、エポキシド末端ポリエステルは、700~2000の範囲のEEWを有することができる。
【0065】
エポキシ末端ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、概して、500以上になる。500以上の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、エポキシド末端ポリエステルは、1000以上の数平均分子量を有することができる。エポキシド末端ポリエステルの数平均分子量は、概して、8000以下になる。8000以下の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、エポキシド末端ポリエステルは、6000以下または5000以下の数平均分子量を有することができる。
【0066】
エポキシド末端ポリエステルは、概して、2.0~35.0重量%の範囲の量で配合物中に存在する。2.0~35.0の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、エポキシド末端ポリエステルは、3.0~25.0重量%または4.0~20.0重量%の範囲の量で存在することができる。
【0067】
様々な実施形態において、水中75%または85%のいずれかの固体としてのリン酸またはオルトリン酸は、全体的な接着剤の接着性及び性能特性を改善するために、ポリエステル/エポキシ末端構成成分に組み込むための添加剤として使用されてもよい。ピロリン酸、三リン酸、またはメタリン酸がリン酸の代替物として使用されてもよいが、ポリエステル/エポキシ末端ポリエステルブレンドまたは溶液中で限られた溶解性を有する可能性がある。
【0068】
添加剤は、概して、0.01~0.10重量%の範囲の量で配合物中に存在する。0.01~0.10の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、添加酸は、0.03~0.08重量%の範囲の量で存在することができる。
【0069】
様々な実施形態において、上記の構成成分は、溶媒中に溶解される。使用され得る溶媒の例としては、酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸メチル、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0070】
配合物は、概して、30~45重量%の固体を含む。30~45の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、配合物は、35~40重量%の固体を含むことができる。
【0071】
硬化性配合物は、触媒などのさらなる構成成分をさらに含んでもよい。使用され得る触媒としては、テトラアルキルチタネート、Tyzor TPTテトライソプロピルチタネート、Tyzor TnBTテトラ-n-ブチルチタネート、Tyzor TOTテトラキス(2-エチルヘキシル)チタネート、ヒドロキシブチルスズオキシド、2-エチル-ヘキサン酸スズ(II)、及びブチルスズトリス(2-エチル-ヘキサン酸)が挙げられるがこれらに限定されない。触媒は、活性に応じて5ppm~2000ppm(樹脂固体に基づく)のレベルで利用され得る。様々な実施形態において、テトラアルキルチタネートは、5~50ppmのレベルで、かつ様々な他の実施形態において10~25ppmのレベルで利用され得る。スズ触媒は、様々な実施形態において50~2000ppmのレベルで、かつ様々な他の実施形態において75~1000ppmのレベルで、かつ様々な他の実施形態において100~500ppmのレベルで利用され得る。
【0072】
任意の従来の重合プロセスが、高分子量ポリエステルを生成するために採用されてもよい。そのような従来の重合プロセスとしては、1つ以上の従来の反応器、例えば、オートクレーブ反応器、等温反応器、撹拌槽反応器、並列、直列のバッチ反応器、及び/またはこれらの組み合わせを使用した固相重合プロセスが挙げられるがこれらに限定されない。
【0073】
ポリエステルは、例えば、1つ以上のループ反応器、等温反応器、及びこれらの組み合わせを使用した固相重合プロセスを介して生成され得る。
【0074】
様々な実施形態において、エポキシド末端ポリエステルは、少なくとも1つのジカルボン酸と少なくとも1つのジエポキシドを反応させることによって作製され得る。少なくとも1つのジカルボン酸と少なくとも1つのジエポキシドの反応において、カルボン酸ポリエステルのモルに対するエポキシのモルの比は、概して、2:1~2:1.4になる。2:1~2:1.4の間の全ての個々の範囲及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、カルボン酸ポリエステルのモルに対するエポキシのモルの比は、2:1.1~2:1.35または2:1.15~2:1.30であってもよい。
【0075】
ジカルボン酸とジエポキシドの反応は、任意に、触媒の存在下で実施される。触媒の例としては、可溶性クロム化合物を有するトリアリルリン化合物、テトラ置換ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩、炭酸塩、水酸化物塩、及びカルボン酸の塩が挙げられるがこれらに限定されない。テトラ置換ホスホニウム塩、炭酸塩、及びカルボン酸の塩がより好ましい。
【0076】
次いで、配合物は、任意の組み合わせまたは部分的組み合わせで個々の構成成分を混合することなど、任意の好適な方法によって調製され得る。
【0077】
硬化性配合物は、イソシアネート硬化剤で硬化される。イソシアネート硬化剤/プレポリマーの例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)系プレポリマー、メタ-キシレンジイソシアネート(m-XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などのイソシアネートが挙げられるがこれらに限定されない。利用され得るイソシアネート末端プレポリマーの例としては、これらのプレポリマー(樹脂)、例えば、IPDI-トリメチロールプロパン付加物(IPDI-TMP付加物)、IPDI三量体(イソホロンジイソシアネートイソシアヌレート(Vestanat T1890/100))、XDI-トリメチロールプロパン付加物(XDI-TMP付加物)(Takenate D-110N、Takenate D-110NB、Desmodur XP-2843)、HDI三量体(HDI-ビウレット(Desmodur N 75 BA)、またはHDI-イソシアヌレート(Desmodur N 3390 BAもしくは75HDIホモポリマー))、TDI-トリメチロールプロパン-ジエチレングリコールプレポリマー(Desmodur L-75)、MDI-トリメチロールプロパンプレポリマー(共反応物CT)などが挙げられるがこれらに限定されない。食品包装中のレトルト用途のために、脂肪族イソシアネートが概して使用される。
【0078】
硬化性配合物は、100:1.0~100:8.0の範囲の混合比で、イソシアネート硬化剤で硬化される。100:1.0~100:8.0の間の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0079】
硬化すると、少なくとも1つの相互貫入ポリマー網目構造系(IPN)が形成される。IPNは、少なくとも1つのポリマーが他のポリマーの存在下で網目構造として重合及び/または架橋される網目構造を形成する、2つ以上のポリマーの組み合わせである。一実施形態では、相互貫入ポリマー網目構造は、エポキシ末端ポリエステルのペンダントエポキシドまたはヒドロキシル基のいずれかとイソシアネート硬化剤のイソシアネート基との間に形成される。エポキシ末端ポリエステルとイソシアネート硬化剤の一次反応は、エポキシ末端ポリエステルのペンダントヒドロキシル基の反応によって生じることが予想される。二次反応は、アミン官能基を形成するための樹脂中またはフィルムもしくはホイルの表面上の残留水とイソシアネート基の反応であり、アミン官能基は、次いで、エポキシド官能基とさらに反応する。イソシアネート部分とエポキシド基の直接反応は、典型的には、高温(150℃~200℃)で生じ、したがって、オキサゾリドン部分を得るためのこの反応は、本発明のための主反応経路であると予想されない。
【0080】
本発明に従った硬化性配合物は、ラミネート用接着剤に形成され得、様々な包装用途、例えば、食品包装用途で使用され得る。本発明に従って調製されたラミネートは、様々な包装用途、例えば、金属蓋もしくは可撓性ヒートシール蓋を有する缶または容器、パウチ、または包装用トレーなどの食品包装用途で使用され得る。本発明に従ったラミネート用接着剤は、-5℃~30℃、例えば、-5℃~10℃の範囲、例えば、約0℃の単一ガラス転移温度(Tg)を有する。本発明に従ったラミネート用接着剤はまた、5.0~12.0N/15mm、例えば、7.0N/15mmの範囲の硬化後の接着強度を有する。本発明に従ったラミネート用接着剤はまた、2.0~8.0N/15mm、例えば、6.0N/15mmの範囲のレトルト処理後の接着強度を有する。
【実施例】
【0081】
比較例として採用された市販のポリエステル樹脂は、Adcote 1189B、Adcote 102A、Adcote 102E、及びAdcote 506-40である。これらの樹脂のそれぞれの特性は、表1に要約される。
【0082】
【0083】
100%固体樹脂に対する粘度は、スピンドル#27を有するサーモスタット小型サンプルアダプタを有するBrookfield RV DV-II+粘度計を採用して、25~70℃の範囲にわたる温度を5℃ずつ変化させ、粘度を記録する前に試料を20~30分間温度で安定させることによって測定される。粘度は、センチポイズに等しいミリパスカル*秒(mP*s)で報告される。
【0084】
溶液粘度は、ASTM D2196-10(ASTM,West Conshohocken,PA,USA)の方法に従って、Brookfield粘度計を用いて測定される。
【0085】
酸価(AV)は、ASTM D3655-06(American Society for Testing and Materials,West Conshohocken,PA,USA)の方法によって測定される。
【0086】
エポキシ当量(EEW)は、ASTM D1652-11(American Society for Testing and Materials,West Conshohocken,PA,USA)の方法によって測定される。
【0087】
密度は、ASTM D1475-98(2012)(American Society for Testing and Materials,West Conshohocken,PA,USA)の方法によって測定される。
【0088】
サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)は、2つのPLgel Mix-B及びPLgel Mixed-DカラムならびにViscotekのトリプル検出器を使用した。ポリスチレン標準を使用して、重量平均分子量及び数平均分子量を決定する普遍検量線を構築した。分析前に、試料をTHFで約2.5mg/mLのポリマー濃度まで希釈した。
【0089】
【0090】
項目1~3を周囲温度(25~30℃)で槽に充填した。樹脂を撹拌しながら窒素下で、100℃まで加熱した。次いで、理論上の水の約50%がなくなったとき、樹脂を225℃まで加熱し、225℃で維持した。AV及びプロセス中粘度を監視した。AV<約75まで、樹脂を225℃で維持した。次いで、樹脂を<125℃まで冷却した。次いで、項目4を添加し、樹脂を125~135℃で0.50時間維持した。その温度を225℃まで上昇させ、225℃で維持した。AVを最終目標特性まで低下させるために、必要に応じて真空を327mmで適用した。AV及び粘度を監視した。AV<約150まで、温度を225℃で維持した。次いで、樹脂を約150℃まで冷却し、濾過し、包装した。
【0091】
最終樹脂は、以下の特性を有した。酸価(AV)149.73、Mn950、Mw1750、Mz2550、重量分率≦500ダルトン10.6%、重量分率≦1000ダルトン32.1%、29500mPa*sの25℃での粘度。
【0092】
【0093】
項目1~4を周囲温度(25~30℃)で槽に充填した。樹脂を撹拌しながら窒素下で、100℃まで加熱した。次いで、理論上の水の約50%がなくなったとき、樹脂を225℃まで加熱し、225℃で維持した。AV及びプロセス中粘度を監視した。AV<約80まで、樹脂を225℃で維持した。次いで、樹脂を<125℃まで冷却した。次いで、項目5を添加し、樹脂を125~135℃で0.50時間維持した。その温度を225℃まで上昇させ、225℃で維持した。AVを最終目標特性まで低下させるために、必要に応じて真空を327mmで適用した。AV及び粘度を監視した。AV<約105まで、温度を225℃で維持した。次いで、樹脂を約150℃まで冷却し、濾過し、包装した。
【0094】
最終樹脂は、以下の特性を有した。酸価(AV)98、Mn1200、Mw2450、Mz3900、重量分率≦500ダルトン7.6%、重量分率≦1000ダルトン22.2%、271,500mPa*sの25℃での粘度。
【0095】
【0096】
項目1~4を周囲温度(25~30℃)で槽に充填した。樹脂を撹拌しながら窒素下で、100℃まで加熱した。次いで、理論上の水の約50%がなくなったとき、樹脂を225℃まで加熱し、225℃で維持した。AV及びプロセス中粘度を監視した。AV<約80まで、樹脂を225℃で維持した。次いで、樹脂を<125℃まで冷却した。次いで、項目5を添加し、樹脂を125~135℃で0.50時間維持した。その温度を225℃まで上昇させ、225℃で維持した。AVを最終目標特性まで低下させるために、必要に応じて真空を435mmで適用した。AV及び粘度を監視した。AV<約160まで、温度を225℃で維持した。次いで、樹脂を約150℃まで冷却し、濾過し、包装した。
【0097】
最終樹脂は、以下の特性を有した。酸価(AV)153、Mn650、Mw1550、Mz2650、重量分率≦500ダルトン19.2%、重量分率≦1000ダルトン42.8%、173,750mPa*sの25℃での粘度。
【0098】
実施例4~8:エポキシド末端ポリエステル樹脂の調製
実施例3~5の調製は同様であった。ジエポキシド、1つ以上の二酸、及び触媒を反応器に充填した。135~140℃までゆっくりと加熱した。135~140℃で約0.50時間維持し、次いで、150~155℃まで加熱し、150~155℃で約1.5~2時間維持し、次いで、AV及び粘度を監視した。150~155℃で維持し、AV<1.0までAV及び粘度を監視し、樹脂を移し、包装した。
【0099】
実施例4~8の配合物は、以下の表2に示される。
【0100】
【0101】
実施例9~11の配合物は、以下の表3に示される。
【0102】
【0103】
【0104】
項目1を3リットルの一体型反応器に充填し、35~40℃まで加熱した。項目2及び3の溶液を0.50時間の期間にわたってゆっくりと添加し、次いで、充填タンクを項目4で洗浄した。樹脂を35~40℃で1時間維持し、濾過し、包装し、固体を必要に応じて項目5で調節した。
【0105】
最終特性:ASTM固体72.78%、11.50%NCO、粘度576cps。
【0106】
【0107】
項目1を3リットルの一体型反応器に充填し、40~43℃まで加熱した。項目2及び3の溶液を0.50時間の期間にわたってゆっくりと添加し、次いで、充填タンクを項目4で洗浄した。樹脂を40~43℃で1時間維持し、次いで、項目5及び6を反応器に添加し、40~43℃で1時間維持し、濾過し、包装した。
【0108】
最終特性:ASTM固体74.43%、13.75%NCO、粘度400cps。
【0109】
実施例14~18:エポキシ末端ポリエステル樹脂溶液の調製
エポキシ末端ポリエステルをガラスボトル中に充填し、続いて酢酸エチルを添加し、溶液の外見が均一になるまで混合し、50℃まで加熱することによって、エポキシ末端ポリエステル樹脂を酢酸エチルに溶解して、60重量%溶液を調製した。樹脂は識別され、特性は表4に要約される。
【0110】
【0111】
実施例19~23:エポキシ末端ポリエステル樹脂溶液の調製
配合物19~23は、表5に要約される。
【0112】
【0113】
実施例24~26:エポキシ末端ポリエステル樹脂溶液の調製
配合物24~26は、表6に要約される。
【0114】
【0115】
実施例27:
280.00gのAdcote 1189Bを70.00gの酢酸エチルで希釈して、ポリエステル樹脂の36.0%固体溶液を調製した。
【0116】
実施例28~55:ポリエステル/エポキシ末端ポリエステル樹脂ブレンド溶液の調製
高分子ポリエステル(Adcote 1189B、Adcote 102A、またはAdcote 102E)をボトルに充填し、次いで、エポキシ末端ポリエステル樹脂溶液を添加し、続いて、酢酸エチル及び85%リン酸を添加することによって、ポリエステル/エポキシ末端ポリエステル樹脂ブレンド溶液を調製した。次いで、溶液の外見が均一になるまで、溶液混合物を混合し、50℃まで加熱した。樹脂は識別され、表7~12に要約される。
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
脂肪族イソシアネート硬化剤:
ポリエステル及びポリエステル/エポキシ末端ポリエステルを:1)酢酸エチル中75%Vestanat T1890/100からなる硬化剤1、2)75HDIホモポリマーからなる硬化剤2、3)実施例12の共反応物である硬化剤3、及び4)実施例13の共反応物である硬化剤4で硬化させた。
【0124】
実施例56~129:純接着剤キャスティングの調製及びDMA特性評価
様々なポリエステル/エポキシ末端ポリエステル樹脂ブレンド系を、様々な混合比で、多くの異なる脂肪族イソシアネート硬化剤で硬化させた。13.0グラムのポリエステル/エポキシ末端ポリエステルブレンド溶液をとり、それをボトル中で、様々な混合比で脂肪族イソシアネートと混合することによって、接着剤キャスティングを調製した。接着剤溶液を約15~30分間混合し、次いで、ポリメチルペンテンペトリ皿に注入した。溶媒を水平面上のドラフトチャンバ中で一晩蒸発させ、次いで、キャスティングを対流式オーブン中に配置し、45℃で7日間硬化させた。キャスティングを、マルチ周波数-歪みモードを使用して、DMA(TA Instruments Q800)を介して分析した。3℃/分の加熱速度、0.01%の適用歪み、及び0.01Nの前負荷力と共に、-100℃~150℃の1Hzの単一の適用周波数を使用した。表13~19は、分析された試料及び決定的特性を要約する。
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
実施例130~297:接着積層スクリーニング検査
様々なポリエステル/エポキシ末端ポリエステル樹脂ブレンド系を、様々な混合比で、多くの異なる脂肪族イソシアネート硬化剤で硬化させた。30.0グラムのポリエステル/エポキシ末端ポリエステルブレンド溶液をとり、それをボトル中で、様々な混合比で脂肪族イソシアネートと混合することによって、接着剤コーティング溶液を調製した。接着剤組成物の組成は、表20~22に要約される。接着剤溶液を約15~30分間混合し、次いで、メイヤーロッドを有する50ミクロンのアルミニウムホイル上にコーティングして、5.70g/m2のコーティング重量を得、次いで、82℃(180°F)のニップ温度を使用して、25ミクロンのキャストポリプロピレンフィルムに積層した。ラミネートは、硬化サイクルAまたは硬化サイクルBのいずれかによって硬化される。
【0133】
硬化サイクルA:ラミネートを周囲温度で1日硬化させ、次いで、14日間45℃で、対流式オーブン中で硬化させた。硬化サイクルB:ラミネートを7日間45℃で、対流式オーブン中で硬化させた。
【0134】
10.0cm/分の速度で50ニュートンロードセルを有するトウィング-アルバート引張試験機(Model QC-3A)上で、15mm幅のラミネート片に対する接着剤強度を決定した。以下の略語は、試験結果を記載するために使用される。as:接着剤分裂、ftr:フィルム断裂、fst:フィルム伸び、at:接着剤転移、af:接着剤不良、pfs:部分的フィルム伸び、us:ラミネート分離不可能。インストロン引張試験機を利用して、15mm×175mmのラミネート片に対して縦方向及び横方向のラミネートの%伸びを検査することによって、ラミネートの引抜性を決定した。試験条件:インストンに対する試験条件は、固定具間隙12.7cm、ロードセル0~50ニュートン、伸び速度(ヘッドスピード)5.08cm/分、100%伸び。5つの試料に対する縦方向及び横方向の%破断時歪み(%)及び破断時応力(psi)が測定及び平均化される。
【0135】
表23~25は、様々な接着剤調合物及びラミネートに対する特性を要約する。
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【表25】
本発明は次の実施態様を含む。
[1]
a)高分子量ポリエステル樹脂と、
b)構造
【化1】
を有するエポキシ末端ポリエステルであって、
式中、-R
2
-は、二価有機基であり、
R
1
-は、
【化2】
及び
【化3】
からなる群から選択され、
式中、-A-は、二価アルキル基であり、-CA-は、二価シクロアルキル基であり、jは、0~5であり、-R
2
-は、二価有機基であり、-R
21
-は、二価アルキル基であり、-R
22
-は、二価アルキル基であり、
G-は、
【化4】
である、エポキシ末端ポリエステルと、
c)リン酸及びオルトリン酸からなる群から選択される添加剤と、
d)イソシアネート系脂肪族化合物またはイソシアネート系芳香族化合物を含む硬化剤と、
e)溶媒と、を含む、硬化性配合物であって、
硬化条件下で硬化すると、少なくとも1つの相互貫入ポリマー網目構造を形成する、前記硬化性配合物。
[2]
前記硬化性配合物は、100:1.0~100:8.0の範囲の混合比で、イソシアネート硬化剤で硬化させられる、[1]に記載の硬化性配合物。
[3]
前記高分子量ポリエステル樹脂は、エチレングリコール、テレフタル酸、及びイソフタル酸からなる群から選択される、[1]または[2]のいずれかに記載の硬化性配合物。
[4]
相互貫入ポリマー網目構造は、前記エポキシ末端ポリエステルのエポキシド基と前記イソシアネート硬化剤のイソシアネート基との間に形成される、[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性配合物。
[5]
前記溶媒は、酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸メチル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性配合物。
[6]
前記高分子量ポリエステル樹脂は、65~98重量%の範囲の量で存在し、前記エポキシ末端ポリエステルは、2.0~35.0重量%の範囲の量で存在し、前記添加剤は、0.01~0.10重量%の範囲の量で存在する、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性配合物。
[7]
30~45重量%の範囲の固体を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性配合物。
[8]
[1]~[7]のいずれかに記載の硬化性配合物から作製されるラミネート用接着剤。
[9]
前記ラミネート用接着剤は、-5℃~30℃の範囲のガラス転移温度、及び2.0N/15mm~8.0N/15mmの範囲の接着強度を有することを特徴とする、[8]に記載のラミネート用接着剤。