(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220922BHJP
F24F 6/14 20060101ALI20220922BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20220922BHJP
A21C 13/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
F25D23/00 302D
F24F6/14
F24F6/00 E
F24F6/00 D
A21C13/00 C
(21)【出願番号】P 2018151294
(22)【出願日】2018-08-10
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮地 乃里子
(72)【発明者】
【氏名】溝口 岳博
(72)【発明者】
【氏名】近藤 直志
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-052900(JP,A)
【文献】特開平06-197675(JP,A)
【文献】特開2006-271586(JP,A)
【文献】特開平01-208689(JP,A)
【文献】特開平07-046975(JP,A)
【文献】特開平04-055645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F24F 6/14
F24F 6/00
A21C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵物を貯蔵する貯蔵室と、
前記貯蔵室内を加湿する加湿部であって、水と空気とを混合して霧状に噴霧する二流体ノズルを有し、前記二流体ノズルから空気だけを噴射することも可能な加湿部と、
制御部と、
前記二流体ノズルのクリーニング指示を受け付ける操作部と、
前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサと、
を備え、
前記制御部は、
前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿する加湿運転であって、前記湿度センサによって前記貯蔵室内の湿度を検出し、前記貯蔵室内の湿度が設定湿度となるように制御する加湿運転を行い、
前記加湿運転を停止した後、
前記操作部によって前記クリーニング指示を受け付けると前記二流体ノズルから空気だけを噴射させ
、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させた後、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿し、加湿を開始してから一定時間以内に前記貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、再度前記二流体ノズルから空気だけを噴射させる、貯蔵庫。
【請求項2】
貯蔵庫であって、
貯蔵物を貯蔵する貯蔵室と、
前記貯蔵室内を加湿する加湿部であって、水と空気とを混合して霧状に噴霧する二流体ノズルを有し、前記二流体ノズルから空気だけを噴射することも可能な加湿部と、
制御部と、
前記二流体ノズルのクリーニング指示を受け付ける操作部と、
前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサと、
当該貯蔵庫の使用者に情報を報知する報知部と、
を備え、
前記制御部は、
前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿する加湿運転であって、前記湿度センサによって前記貯蔵室内の湿度を検出し、前記貯蔵室内の湿度が設定湿度となるように制御する加湿運転を行い、
前記加湿運転を停止した後、前記操作部によって前記クリーニング指示を受け付けると前記二流体ノズルから空気だけを噴射させ、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させた後、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿し、加湿を開始してから一定時間以内に前記貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、前記クリーニング指示を再度行うよう使用者に促す情報を前記報知部に報知させる、貯蔵庫。
【請求項3】
貯蔵庫であって、
貯蔵物を貯蔵する貯蔵室と、
前記貯蔵室内を加湿する加湿部であって、水と空気とを混合して霧状に噴霧する二流体ノズルを有し、前記二流体ノズルから空気だけを噴射することも可能な加湿部と、
制御部と、
前記二流体ノズルのクリーニング指示を受け付ける操作部と、
前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサと、
当該貯蔵庫の使用者に情報を報知する報知部と、
を備え、
前記制御部は、
前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿する加湿運転であって、前記湿度センサによって前記貯蔵室内の湿度を検出し、前記貯蔵室内の湿度が設定湿度となるように制御する加湿運転を行い、
前記加湿運転を停止した後、前記操作部によって前記クリーニング指示を受け付けると前記二流体ノズルから空気だけを噴射させ、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させた後、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿し、加湿を開始してから一定時間以内に前記貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、前記二流体ノズルを手作業でクリーニングするよう使用者に促す情報を前記報知部に報知させる、貯蔵庫。
【請求項4】
請求項1乃至
請求項3のいずれか一項に記載の貯蔵庫であって、
前記加湿部は、前記二流体ノズルに外気を供給するエアポンプを有する、貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加湿部によって貯蔵室内を加湿する貯蔵庫が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載の製パン用温湿度調節庫は、製パン生地が載置されるトレイを多段状に収容する収容室と、収容室の湿度を調節する湿度調節手段とを備えている。当該製パン用温湿度調節庫では湿度調節手段により収容室内の湿度が調節され、製パン生地の熟成及び発酵が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の製パン用温湿度調節庫の湿度調節手段においては、超音波加湿器によって収容室に加湿用ミストを供給するようにしているが、超音波加湿器は貯水タンクと超音波振動子と蓋体とダクトとから構成されているために、部品点数が多くなってコストが高くなる問題があった。
また、貯水タンク内にヒータを設けることで加湿用ミストを供給するものもあるが、貯水タンク内の水が蒸発して加湿用ミストとなるまでの時間が長くかかるとともに、貯水タンク内から加湿用ミストの発生を抑えたくても抑えられず、加湿制御の応答性が良くない問題があった。
【0005】
これに対し、水と空気とを混合して霧状に噴霧する二流体ノズルを用いて加湿すると、超音波加湿器を用いる場合に比べて部品点数を低減できるのでコストを抑制できる。また、二流体ノズルを用いると貯水タンク内にヒータを設ける場合に比べて加湿制御の応答性が良いという利点もある。
【0006】
しかしながら、二流体ノズルを用いると二流体ノズルに固有の課題も生じる。例えば、二流体ノズルを用いると、噴射した水が二流体ノズルの空気の噴射口に付着し、空気の噴射口にカビが発生することが懸念される。あるいは、空気中に含まれる塵埃が二流体ノズルの空気の噴射口に詰まって加湿能力が低下することが懸念される。
【0007】
本明細書では、二流体ノズルを用いて貯蔵室内を加湿する場合の課題を改善する技術を開示する。
また、本明細書では、貯蔵室内の乾燥を促進する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示する貯蔵庫は、貯蔵物を貯蔵する貯蔵室と、前記貯蔵室内を加湿する加湿部であって、水と空気とを混合して霧状に噴霧する二流体ノズルを有し、前記二流体ノズルから空気だけを噴射することも可能な加湿部と、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿する加湿運転を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記加湿運転を停止した後、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させる。
【0009】
上記の貯蔵庫によると、加湿運転を停止した後、二流体ノズルから空気だけを噴射させることにより、二流体ノズルの空気の噴射口に付着している水を吹き飛ばすことができる。これにより二流体ノズルの空気の噴射口の乾燥が促進され、空気の噴射口にカビが発生することを抑制できる。
あるいは、加湿運転を停止した後、二流体ノズルから空気だけを噴射させて空気の噴射口内の塵埃を吹き飛ばすことにより、空気の噴射口の詰まりを抑制できる。また、空気の噴射口が詰まっている場合は、二流体ノズルから空気だけを噴射させることによって空気の噴射口の詰まりを解消できる。これにより加湿能力の低下を抑制できる。
このように、上記の貯蔵庫によると、二流体ノズルを用いて貯蔵室内を加湿する場合の課題を改善できる。
【0010】
前記制御部は、前記加湿運転を停止した後、定期的に前記二流体ノズルから空気だけを噴射させてもよい。
【0011】
上記の貯蔵庫によると、加湿運転を停止した後に二流体ノズルから空気だけを噴射させることを1度だけしか行わない場合に比べて二流体ノズルの空気の噴射口の乾燥をより促進することができる。
【0012】
前記二流体ノズルのクリーニング指示を受け付ける操作部を備え、前記制御部は、前記加湿運転を停止した後、前記操作部によって前記クリーニング指示を受け付けると前記二流体ノズルから空気だけを噴射させてもよい。
【0013】
上記の貯蔵庫によると、二流体ノズルから空気だけを噴射させて空気の噴射口内の塵埃を吹き飛ばすタイミング(言い換えると空気の噴射口をクリーニングするタイミング)を使用者が決定できる。
【0014】
前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサを備え、前記制御部は、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させた後、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿し、加湿を開始してから一定時間以内に前記貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、再度前記二流体ノズルから空気だけを噴射させてもよい。
【0015】
二流体ノズルから空気だけを噴射させても空気の噴射口の詰まりが解消されない場合もある。詰まりが解消されていない場合は、その後に貯蔵室内を加湿したとき、貯蔵室内が十分に加湿されないので、加湿を開始してから一定時間が経過しても貯蔵室内の湿度が上昇しない。
上記の貯蔵庫によると、二流体ノズルから空気だけを噴射させた後に貯蔵室内を加湿し、一定時間以内に貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は再度二流体ノズルから空気だけを噴射させるので、空気の噴射口の詰まりをより確実に解消できる。
【0016】
前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサと、当該貯蔵室の使用者に情報を報知する報知部と、を備え、前記制御部は、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させた後、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿し、加湿を開始してから一定時間以内に前記貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、前記クリーニング指示を再度行うよう使用者に促す情報を前記報知部に報知させてもよい。
【0017】
上記の貯蔵庫によると、二流体ノズルから空気だけを噴射させた後に貯蔵室内を加湿し、一定時間以内に貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合はクリーニング指示を再度行うよう使用者に促すので、空気の噴射口の詰まりをより確実に解消できる。
【0018】
前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサと、当該貯蔵庫の使用者に情報を報知する報知部と、を備え、前記制御部は、前記二流体ノズルから空気だけを噴射させた後、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿し、加湿を開始してから一定時間以内に前記貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、前記二流体ノズルを手作業でクリーニングするよう使用者に促す情報を前記報知部に報知させてもよい。
【0019】
上記の貯蔵庫によると、二流体ノズルから空気だけを噴射させた後に貯蔵室内を加湿し、一定時間以内に貯蔵室内の湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は二流体ノズルの空気の噴射口を手作業でクリーニングするよう使用者に促すので、空気の噴射口の詰まりをより確実に解消できる。
【0020】
前記加湿部は、前記二流体ノズルに外気を供給するエアポンプを有してもよい。
【0021】
加湿運転を行うと貯蔵室内の湿度が高くなるので、そのまま放置すると貯蔵室内にカビが発生することが懸念される。
上記の貯蔵庫によると、加湿部は二流体ノズルに外気を供給するエアポンプを有しているので、加湿運転を停止した後に二流体ノズルから空気だけを噴射させると貯蔵室内に外気が取り込まれる。これにより貯蔵室内の湿度が低下し、貯蔵室内にカビが発生することを抑制できる。
【0022】
本明細書で開示する貯蔵庫は、貯蔵物を貯蔵する貯蔵室と、前記貯蔵室内を加湿する加湿部と、前記貯蔵室内を冷却する冷却部と、前記加湿部によって前記貯蔵室内を加湿する加湿運転を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記加湿運転を停止した後、前記冷却部を動作させる。
【0023】
加湿運転を行うと貯蔵室内の湿度が高くなるので、そのまま放置すると貯蔵室内にカビが発生することが懸念される。
上記の貯蔵庫によると、加湿運転を停止した後に冷却部を動作させるので、貯蔵室内の湿度を低下させることができる。これにより、貯蔵室内にカビが発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例の貯蔵庫であるドゥコンディショナーの正面図
【
図2】ドゥコンディショナーの開閉扉等を取り外した状態を示す正面図
【
図6】ドゥコンディショナーの1つの空間内を概略的に示した側面図
【
図7】ドゥコンディショナーの1つの空間に対する機能部を概略的に示した図であり、庫内に流れる空気の流れを示す図
【
図8】ドゥコンディショナーの電気的構成を示すブロック図
【
図10】スプレーノズルの断面図(空気の噴射口に水が付着している状態)
【
図11】実施形態2に係るスプレーノズルの断面図(空気の噴射口に塵埃が付着している状態)
【
図12】実施形態6に係るドゥコンディショナーの状態遷移図
【
図13】他の実施形態に係るスプレーノズルの断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施できる。
【0026】
(1)ドゥコンディショナーの構成
図1から
図5を参照して、実施形態1に係る貯蔵庫としてのドゥコンディショナー10について説明する。ドゥコンディショナー10は成形したパン生地について冷凍から発酵までを管理するものである。具体的には、ドゥコンディショナー10は、パンの焼成工程に入るより前に、成形したパン生地に対して、フリーズ(冷凍)工程、リタード(冷蔵)工程、予熱工程及びホイロ(発酵)工程を順番に自動で実行すること、あるいは、いずれかの工程を単独で実行することが可能なものである。ドゥコンディショナー10はそれらの各工程に応じた温度制御を行うとともに、予熱工程およびホイロ工程においては温度制御に加えて湿度制御も行う。
【0027】
以降の説明ではフリーズ工程、リタード工程、予熱工程及びホイロ工程を順番に自動で実行することをプログラム運転といい、いずれかの工程を単独で実行することを単独運転という。
【0028】
図1ないし
図3に示すように、ドゥコンディショナー10は、前方に開口する箱状の筐体である貯蔵庫本体としてのハウジング11を主体として構成される。ハウジング11には、上下に並ぶ2つの空間12A,12Bが形成されており、それら空間内の各々に、パン生地(貯蔵物)を貯蔵する貯蔵室14A,14Bが設けられている。それら2つの貯蔵室14A,14Bは、前方側に開口しており、ハウジング11には、各貯蔵室14A,14Bを開閉する2枚の開閉扉15A,15Bが取り付けられている。以降の説明では貯蔵室14Aのことを上室、貯蔵室14Bのことを下室ともいう。
【0029】
各貯蔵室14A,14Bには、左右の側壁の各々に、左右で一対をなすトレイガイド(棚板支持部材)16が着脱可能に複数対設けられており、それら複数対のトレイガイド16の各々に、多数のパン生地を載せたトレイ(棚板)を載置可能とされている。
【0030】
ドゥコンディショナー10は、温度制御を行うための冷却装置20(冷却部の一例)および加熱装置21と、湿度制御を行うための加湿装置22(加湿部の一例)と、それら冷却装置20,加熱装置21および加湿装置22等を制御するための制御装置24(制御部の一例)と、を備えている。
【0031】
図2に示すように、ハウジング11の上側には、上方が開放された機械室25が設けられており、その機械室25に、上記の冷却装置20や加湿装置22の一部および制御装置24等が収容されている。
【0032】
図1に示すように、機械室25の前面には、上側の貯蔵室14Aに関する設定や操作等を行うための上室オペレーションパネル26A、及び、下側の貯蔵室14Bに関する設定や操作等を行うための下室オペレーションパネル26Bが設けられている。各オペレーションパネル26は貯蔵室14内の温度を7セグ表示する温度表示部を備えている。温度表示部は各種のエラーコードの表示にも用いられる。オペレーションパネル26は操作部及び報知部の一例である。
なお、各オペレーションパネル26はその他の表示部も備えている。各種のエラーコードは温度表示部以外の表示部を用いて表示されてもよい。
【0033】
図3に示すように、ハウジング11の空間12A,12Bの各々には、各貯蔵室14A,14Bの背面側(後側)に、貯蔵室14A,14Bの温度および湿度の調節を行う機能部としての冷却装置20,加熱装置21および加湿装置22の一部を収容する機能部室30A,30Bが形成されている。それら貯蔵室14A,14Bと機能部室30A,30Bとは、概して板状の部材である区画部材としての背面パネル32によって区画されている。
【0034】
図5に示すように、冷却装置20および加湿装置22等は、機械室25に設けられた部品と、機能部室30A,30Bに設けられた部品とが、ハウジング11の背面側において、配管や配線によって接続されている。
【0035】
以下に、ハウジング11の空間12A,12Bの各々の内部の構成について詳しく説明する。それら空間12A,12B内の構成は、ほぼ同様の構成であるため、空間12内の説明については、
図6をも参照しつつ、上側の空間12Aを代表して説明する。また、以下の説明において、上側の空間12Aに関係するものと、下側の空間12Bに関係するものと、を区別して説明する必要がある場合には、符号にA,Bを、それぞれ付すこととする。
【0036】
図6に示すように、空間12内には、上述した背面パネル32の他に、天面側と底面側との各々に、それぞれ、概して板状の部材である天面パネル33および底面パネル34が配されている。それら天面パネル33および底面パネル34の各々は、それぞれ空間12の天面との間、空間12の底面との間で、貯蔵室14と機能部室30とを接続し、空間12内の空気を循環させる循環路(ダクト)を形成するものとなっている。つまり、天面パネル33は、天面側ダクト部材として、底面パネル34は、底面側ダクト部材として機能するものとなっている。
【0037】
機能部室30には、循環ファン36が収容されており、その循環ファン36は、機能部室30において、空気を上方から下方へと送るものとされている。つまり、その循環ファン36によって、天面パネル33と空間12の天面とによって形成される循環路は、貯蔵室14から機能部室30へと空気を吸い込む吸気路37として機能し、底面パネル34と空間12の底面とによって形成される循環路は、機能部室30から貯蔵室14へと空気を吐き出す吐出路38として機能する。つまり、循環ファン36が作動すると、貯蔵室14の空気が吸気路37を介して機能部室30に吸い込まれ、機能部室30を通過した後、吐出路38を介して貯蔵室14に吐き出される。
【0038】
また、ドゥコンディショナー10においては、循環ファン36によって上方から下方に送られた空気(言い換えると、機能部室30を通過する空気)に対して温度や湿度を調節し、その温度や湿度を調節した空気を貯蔵室14に送るようになっている。具体的には、まず、
図7の概略図に示すように、機能部室30には、冷却装置20を構成するエバポレータ(蒸発器)40が収容されている。冷却装置20は、循環ファン36から送り出された空気をそのエバポレータ40によって冷却することで、貯蔵室14の温度を低下させる。
【0039】
冷却装置20は、周知の冷却回路を用いたものであり、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張手段43と、上記のエバポレータ40と、を含んで構成される。簡単に説明すれば、圧縮機41によって圧縮された冷媒ガスは、凝縮器42によって冷却されて液化冷媒となり、その液化冷媒は膨張手段43で減圧されて低圧の気液混合冷媒となって、エバポレータ40に送られる。そして、エバポレータ40において、冷媒が蒸発し、その蒸発熱で空気を冷却する。
【0040】
なお、冷却装置20におけるエバポレータ40以外の構成要素については、
図2および
図4に示すように、機械室25に収容されている。そして、
図5に示すように、エバポレータ40に対し、圧縮機41および膨張手段43が冷媒配管44A,44Bによって接続されている。
【0041】
また、機能部室30には、加熱装置21が収容されている。加熱装置21は、3本のガラス管ヒータ46を主体として構成されるものであり、循環ファン36から送り出された空気をそれらヒータ46によって加熱することで、貯蔵室14の温度を上昇させる。
【0042】
なお、
図3に示すように、3本のヒータ46は、ヒータブラケット47によって、それぞれが左右方向に延びるとともに、前後方向に並んだ状態で保持され、エバポレータ40の下側に取り付けられている。つまり、加熱装置21は、輻射熱によって空気を効率的に加熱するともに、上側に配されたエバポレータ40のデフロストヒータとしても機能するものとなっている。
【0043】
さらに、機能部室30には、加湿装置22の一部が収容されている。加湿装置22は、水を霧状に噴霧する二流体ノズルであるスプレーノズル50と、給水源からスプレーノズル50に水を供給する給水管51と、スプレーノズル50に空気を供給する給気管52と、その給気管52を介してスプレーノズル50に空気を加圧状態で送るエアポンプ53と、を含んで構成されている。スプレーノズル50の構成については後述する。
【0044】
なお、給水管51には、給水弁51aが設けられており、その給水弁51aよりスプレーノズル50側に排水管54が接続され、その排水管54に排水弁54aが設けられている。また、エアポンプ53は、機能部室30内から吸い込んだ空気をスプレーノズル50に供給する構成となっている。
【0045】
図3に示すように、スプレーノズル50の先端は、加熱装置21の下側で、側面側から機能部室30の内側を向いた状態で取り付けられている。そして、加湿装置22は、給水弁51aを開くとともに、エアポンプ53を作動させ、スプレーノズル50から霧状の水を噴霧する。それにより、循環ファン36から送り出された空気を加湿し、貯蔵室14の湿度を上昇させる。
【0046】
なお、加湿装置22は、スプレーノズル50から水を噴霧しない場合には、給水管51に水が残らないように、排水弁54aを開いて、排水管54から水を排出させるようになっている。また、加湿装置22は給水弁51aを閉じた状態でエアポンプ53を作動させることにより、スプレーノズル50から空気だけを噴射させることも可能である。
【0047】
さらに、機能部室30には、温度センサ60および湿度センサ61(
図7参照)が収容されている。
【0048】
(2)ドゥコンディショナーの電気的構成
図8を参照して、ドゥコンディショナー10の電気的構成について説明する。制御装置24は基板であり、CPU、ROM、RAMなどが1チップ化されたマイコン56、時計部62などが実装されている。時計部62はマイコン56が現在時刻を取得するためのリアルタイムクロックである。
【0049】
制御装置24には循環ファン36、機能部19(冷却装置20、加熱装置21、加湿装置22)、温度センサ60、湿度センサ61、上室オペレーションパネル26A、下室オペレーションパネル26B、ブザ63(発音部の一例)などが接続されている。なお、ドゥコンディショナー10は貯蔵室14毎に循環ファン36、機能部19、温度センサ60及び湿度センサ61を備えているが、ここではそれぞれ一つのみ示している。
【0050】
各貯蔵室14には運転メニューが個別に設定される。制御装置24は運転メニューに基づいて各貯蔵室14の循環ファン36や機能部19を制御することにより、貯蔵室14毎に独立して温度と湿度とを調節する。具体的には、運転メニューには設定温度や設定湿度などが設定されている。制御装置24は温度センサ60及び湿度センサ61によって貯蔵室14の温度や湿度を検出し、貯蔵室14の温度や湿度が設定温度や設定湿度となるように循環ファン36や機能部19を制御する。
【0051】
(3)スプレーノズル
図9を参照して、スプレーノズル50の構成について説明する。スプレーノズル50は筒体を2重に配設したものであり、内側の筒体70の先端部に水の噴射口72が設けられている。内側の筒体70と外側の筒体71との間には隙間が確保されており、その隙間が空気の噴射口73として機能する。空気の噴射口73は水の噴射口72より後方に控えた位置にあり、噴射された水に対して空気を噴射することで、スプレーノズル50の前方で水を霧状にする。すなわち、スプレーノズル50は水と空気とをスプレーノズル50の外部で混合する所謂外部混合型の二流体ノズルである。
なお、
図9に示すスプレーノズル50の形状は一例である。スプレーノズル50の形状は適宜に決定することができる。
【0052】
(4)スプレーノズルの空気の噴射口の乾燥
図10に示すように、スプレーノズル50から水を噴射すると噴射された水75が空気の噴射口73に付着し、それにより空気の噴射口73にカビが発生する虞がある。このため、制御装置24は、貯蔵室14内を加湿する加湿運転(具体的にはプログラム運転、予熱工程の単独運転、及び、ホイロ工程の単独運転)を行った後、定期的にスプレーノズル50から空気だけを噴射させて水75を吹き飛ばすことにより、空気の噴射口73の乾燥を促進させる。具体的には例えば、制御装置24は加湿運転を行った後、10分毎にスプレーノズル50から空気だけを10秒間噴射させる。10分や10秒は一例である。これらの時間は適宜に決定できる。
【0053】
なお、ここでは加湿運転を行った後に定期的にスプレーノズル50から空気だけを噴射させる場合を例に説明したが、スプレーノズル50から空気だけを噴射させる動作は加湿運転を行った後に1度だけ行ってもよい。あるいは、スプレーノズル50から空気だけを噴射する指示を受け付けるボタンをオペレーションパネル26に設け、当該ボタンが操作された場合にスプレーノズル50から空気だけを噴射させてもよい。
【0054】
(5)実施形態の効果
実施形態1に係るドゥコンディショナー10によると、加湿運転を停止した後、スプレーノズル50から空気だけを噴射させるので、スプレーノズル50の空気の噴射口73の乾燥を促進させることができる。本願発明者が実験を行ったところ、空気の噴射口73の乾燥を促進させるとともにカビの胞子を吹き飛ばすことにより、空気の噴射口73でのカビの成長を抑制できた。このように、ドゥコンディショナー10によると、スプレーノズル50を用いて貯蔵室14内を加湿する場合の課題を改善できる。
【0055】
ドゥコンディショナー10によると、加湿運転を停止した後に定期的にスプレーノズル50から空気だけを噴射させるので、加湿運転を停止した後にスプレーノズル50から空気だけを噴射させることを1度だけしか行わない場合に比べて空気の噴射口73の乾燥をより促進することができる。
【0056】
<実施形態2>
次に、実施形態2を
図11によって説明する。エアポンプ53は空気中の塵埃を除去するフィルタを備えているが、必ずしも塵埃を完全に除去できるとは限らず、
図11に示すように塵埃76が空気の噴射口73に詰まってしまう可能性がある。空気の噴射口73が詰まると水が十分に霧状にならないことにより、貯蔵室14内を十分に加湿できなくなる。
【0057】
このため、実施形態2に係るドゥコンディショナー10は、加湿運転(具体的にはプログラム運転、予熱工程の単独運転、及び、ホイロ工程の単独運転)を行った後にスプレーノズル50から空気だけを噴射して空気の噴射口73をクリーニングする。
【0058】
具体的には、前述したようにドゥコンディショナー10はオペレーションパネル26を備えている。オペレーションパネル26にはクリーニングボタン(不図示)が設けられている。制御装置24は、加湿運転を行った後にクリーニングボタンが押されると(言い換えるとクリーニング指示を受け付けると)、クリーニングボタンが押されている間、スプレーノズル50から空気だけを噴射させる。これにより、空気の噴射口73に付着している塵埃を吹き飛ばすことができる。言い換えると、スプレーノズル50の空気の噴射口73をクリーニングできる。また、スプレーノズル50が詰まっている場合はクリーニングを行うことにより、詰まりを解消できる。
【0059】
なお、ここではクリーニングボタンが押されている間だけ空気が噴射される場合を例に説明したが、クリーニングボタンを押すと一定時間(例えば5秒)だけ空気が噴射される構成であってもよい。
【0060】
ただし、クリーニングは失敗する可能性もある。このため、制御装置24は、スプレーノズル50の空気の噴射口73をクリーニングした後、クリーニングの成否を確認し、正常にクリーニングされなかった場合は空気の噴射口73を再度クリーニングする。以下、具体的に説明する。
【0061】
制御装置24は、スプレーノズル50の空気の噴射口73をクリーニングした後、加湿装置22によって貯蔵室14内を加湿する。空気の噴射口73が正常にクリーニングされた場合は水が霧状に噴霧されるので貯蔵室14内の湿度が上昇する。これに対し、空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合は水が十分に霧状にならないことにより、貯蔵室14内の湿度が上昇しない。
【0062】
このため、制御装置24は、加湿を開始した後、湿度センサ61によって湿度を検出し、一定時間以内に貯蔵室14内の湿度が基準値以上まで上昇した場合はクリーニングが成功したと判断する。これに対し、一定時間以内に湿度が基準値以上まで上昇しなかった場合は、制御装置24は正常にクリーニングされなかったと判断する。制御装置24は、正常にクリーニングされなかった場合は、再度スプレーノズル50から空気だけを噴射させて空気の噴射口73を再度クリーニングする。
【0063】
制御装置24は、スプレーノズル50を再度クリーニングした場合は、詰まりが解消されたと見做してクリーニングを終了してもよい。あるいは、制御装置24はクリーニングが成功するまでクリーニングとクリーニングの成否の確認とを繰り返してもよい。
【0064】
実施形態2に係るドゥコンディショナー10によると、加湿運転を停止した後、スプレーノズル50から空気だけを噴射させて空気の噴射口73内の塵埃76を吹き飛ばすことにより、空気の噴射口73の詰まりを抑制できる。また、空気の噴射口73が詰まっている場合は、スプレーノズル50から空気だけを噴射させることによって空気の噴射口73の詰まりを解消できる。このように、ドゥコンディショナー10によると、スプレーノズル50を用いて貯蔵室14内を加湿する場合の課題を改善できる。
【0065】
ドゥコンディショナー10によると、使用者がクリーニングボタンを押してクリーニング指示を行うとスプレーノズル50から空気だけが噴射されるので、空気の噴射口73内の塵埃を吹き飛ばすタイミング(言い換えると空気の噴射口73をクリーニングするタイミング)を使用者が決定できる。
【0066】
ドゥコンディショナー10によると、スプレーノズル50の空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合は再度スプレーノズル50から空気を噴射させるので、空気の噴射口73の詰まりをより確実に解消できる。
【0067】
<実施形態3>
次に、実施形態3を説明する。実施形態3は実施形態2の変形例である。前述した実施形態2では1度目のクリーニングで空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合は自動的に2度目のクリーニングを行う。これに対し、実施形態3では、1度目のクリーニングで空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合は、クリーニングボタンを再度操作してクリーニングを行うよう使用者に促すことを意味するコード(クリーニング指示を再度行うよう使用者に促す情報の一例)をオペレーションパネル26に表示する。
【0068】
オペレーションパネル26に当該コードを表示すると、使用者は操作マニュアルを調べることにより、当該コードがクリーニングの再実行を促すものであることを理解する。このため、使用者はクリーニングボタンを再度押す。これによりスプレーノズル50が再度クリーニングされる。
【0069】
実施形態3に係るドゥコンディショナー10によると、スプレーノズル50の空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合はクリーニング指示を再度行うよう使用者に促すので、空気の噴射口73の詰まりをより確実に解消できる。
【0070】
<実施形態4>
次に、実施形態4を説明する。実施形態4は実施形態2の変形例である。前述した実施形態2では1度目のクリーニングで空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合は自動的に2度目のクリーニングを行う。これに対し、実施形態4では、1度目のクリーニングで空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合は、スプレーノズル50を手作業でクリーニングするよう使用者に促すコード(手作業でクリーニングするよう使用者に促す情報の一例)をオペレーションパネル26に表示する。
【0071】
オペレーションパネル26に当該コードを表示すると、使用者は操作マニュアルを調べることにより、当該コードがスプレーノズル50を手作業でクリーニングするよう促すものであることを理解する。このため、使用者はスプレーノズル50を手作業でクリーニングする。
【0072】
実施形態4に係るドゥコンディショナー10によると、スプレーノズル50の空気の噴射口73が正常にクリーニングされなかった場合はスプレーノズル50の空気の噴射口73を手作業でクリーニングするよう使用者に促すので、空気の噴射口73の詰まりをより確実に解消できる。
【0073】
<実施形態5>
次に、実施形態5を説明する。加湿運転(具体的にはプログラム運転、予熱工程の単独運転、及び、ホイロ工程の単独運転)を行うと貯蔵室14内の湿度が高くなる。このため、加湿運転を停止した後に貯蔵室14内をそのまま放置するとカビが発生し易くなる。このため、実施形態5に係るドゥコンディショナー10は、加湿運転を停止した後にドゥコンディショナー10の庫外の空気(すなわち外気)を貯蔵室14内に取り込むことによって貯蔵室14内の湿度を低下させる。
【0074】
具体的には、実施形態5に係るエアポンプ53は空気の吸い込み口がドゥコンディショナー10の庫外に配されている。制御装置24は、加湿運転を停止した後、エアポンプ53を一定時間(例えば3分間)動作させて貯蔵室14内に外気を取り込む。これにより貯蔵室14内の湿度が低下し、カビの発生を抑制できる。なお、上述した3分間は一例であり、エアポンプ53を動作させる時間は適宜に決定できる。
【0075】
実施形態5に係るドゥコンディショナー10によると、エアポンプ53はスプレーノズル50に外気を供給するので、加湿運転を停止した後にスプレーノズル50から空気だけを噴射させると貯蔵室14内に外気が取り込まれる。これにより貯蔵室14内の湿度が低下し、貯蔵室14内にカビが発生することを抑制できる。
【0076】
<実施形態6>
次に、実施形態6を
図12によって説明する。加湿運転(具体的にはプログラム運転、予熱工程の単独運転、及び、ホイロ工程の単独運転)を行うと貯蔵室14内の湿度が高くなる。このため、加湿運転を停止した後に貯蔵室14内をそのまま放置するとカビが発生し易くなる。このため、実施形態6に係るドゥコンディショナー10は、加湿運転を停止した後、冷却装置20を動作させて貯蔵室14内を除湿する。
【0077】
具体的には、冷却装置20を動作させると低温の冷媒がエバポレータ40に供給され、エバポレータ40と貯蔵室14内の空気との間で熱交換が行われる。このとき空気中の水分が霜となってエバポレータ40に付着するため、貯蔵室14内の湿度が低下する。
【0078】
図12を参照して、制御装置24の状態遷移について説明する。ここではプログラム運転を例に説明する。
図12において待機状態S100はドゥコンディショナー10が停止している状態である。待機状態S100で使用者がプログラム運転S101を開始する操作を行うと、制御装置24はプログラム運転S101に遷移する。プログラム運転S101が終了すると、制御装置24は湿度センサ61によって貯蔵室14内の湿度(以下、庫内湿度という)を検出し、庫内湿度が除湿運転必要湿度以上であるか否かを判断する(S102)。制御装置24は、除湿運転必要湿度以上である場合は除湿運転S103を開始し、除湿運転必要湿度未満である場合は待機状態S100に戻る。
【0079】
除湿運転S103では、制御装置24は冷却装置20を動作させる。冷却装置20を動作させると庫内湿度が低下する。制御装置24は湿度センサ61によって庫内湿度を一定時間間隔で検出し、庫内湿度が除湿運転終了湿度以下になると除湿運転S103を終了して待機状態S100に戻る。
【0080】
除湿運転S103から待機状態S100に戻ると冷却装置20が停止することによって貯蔵室14内の温度が上昇し、エバポレータ40に付着している霜が溶ける。霜が溶けた水である除霜水はドレンパンによって受けられて庫外に排出されるため、溶けた霜が蒸発して貯蔵室14内の湿度が再び上昇することが防止される。
【0081】
除湿運転S103中に使用者がプログラム運転S101を開始する操作を行うと、制御装置24は除湿運転S103を終了してプログラム運転S101を開始する。
なお、ここではプログラム運転を例に説明したが、予熱工程を単独運転する場合やホイロ工程を単独運転する場合も同様である。
【0082】
実施形態6に係るドゥコンディショナー10によると、加湿運転を停止した後に冷却装置20を動作させて貯蔵室14内を除湿するので、貯蔵室14内の湿度を低下させることができる。これにより、貯蔵室14内にカビが発生することを抑制できる。
【0083】
また、ドゥコンディショナー10によると、ドゥコンディショナー10が元から備えている冷却装置20を用いて貯蔵室14内を除湿するので、貯蔵室14内を除湿するための装置を別途備えなくてよいという利点もある。
【0084】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0085】
(1)上記実施形態では二流体ノズルとして外部混合型のスプレーノズル50を例に説明したが、
図13に示すスプレーノズル80のように、二流体ノズルは水と空気とを二流体ノズルの内部で混合する所謂内部混合型であってもよい。その場合は噴射口81が水の噴射口と空気の噴射口とを兼ねることになる。
【0086】
(2)上記実施形態2~4ではクリーニングボタンが押されると1度目のクリーニングを行う場合を例に説明した。これに対し、加湿運転を行った後、自動で1度目のクリーニングを行ってもよい。
【0087】
(3)上記実施形態2~4ではスプレーノズル50の空気の噴射口73をクリーニングした後にクリーニングの成否を確認する場合を例に説明した。しかしながら、この確認は必ずしも行わなくてもよい。
【0088】
(4)上記実施形態では貯蔵庫としてドゥコンディショナー10を例に説明したが、貯蔵庫はドゥコンディショナー10に限られない。例えば、貯蔵庫は貯蔵室14内の冷却は行わず、加熱と加湿とを行うものであってもよい。あるいは、貯蔵庫は貯蔵室14内の加熱は行わず、冷却と加湿とを行うものであってもよいし、貯蔵室14内の加湿だけを行うものであってもよい。
【0089】
(5)上記実施形態では貯蔵室14を2つ備える貯蔵庫を例に説明したが、貯蔵室14の数は1つ以上であれば任意の数であってよい。
【符号の説明】
【0090】
10…ドゥコンディショナー(貯蔵庫の一例)、14A,14B…貯蔵室、20…冷却装置(冷却部の一例)、22…加湿装置(加湿部の一例)、24…制御装置(制御部の一例)、26A,26B…オペレーションパネル(操作部及び報知部の一例)、50…スプレーノズル(二流体ノズルの一例)、53…エアポンプ、61…湿度センサ、73…空気の噴射口、80…スプレーノズル(二流体ノズルの一例)、81…噴射口(空気の噴射口の一例)