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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 350A
A63F7/02 340
A63F7/02 332
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018190019
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020058451
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 宗知
【審査官】大井 夕希奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-129796(JP,A)
【文献】特開2015-164667(JP,A)
【文献】特開2006-212286(JP,A)
【文献】特開2008-237799(JP,A)
【文献】特開2012-152371(JP,A)
【文献】特開2013-158587(JP,A)
【文献】特開2014-210045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置されるとともに、遊技機とは異なる位置に喫煙所が設けられた遊技場における遊技場用管理システムであって、
各遊技機において、遊技者が喫煙休憩を開始する際に、当該遊技者又は従業員が操作する喫煙開始操作手段と、
この喫煙開始操作手段の操作に基づいて、喫煙休憩状態にある遊技機の識別情報を記憶する喫煙情報記憶手段と、
各遊技機に設けられ、前記喫煙開始操作手段の操作に基づいて、当該遊技機が喫煙休憩状態であることを識別可能な情報を表示する遊技情報表示手段と、
前記喫煙所に設けられ、前記喫煙情報記憶手段の記憶内容に基づいて現在喫煙状態にある遊技機の識別情報を表示する喫煙所表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
前記喫煙所表示手段は、各遊技機について、喫煙休憩状態を開始してからの経過時間を識別可能な情報を表示することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用管理システム。
【請求項3】
前記遊技情報表示手段は、前記喫煙休憩状態が終了した時点からの遊技情報を区別して集計し、表示することが可能に構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の受動喫煙防止及び健康増進の要請を受け、各遊技場においては遊技中の喫煙を禁止するとともに、遊技場内の一角に喫煙所を設けるよう努めている。この場合、喫煙をする遊技者は遊技を一旦中断して喫煙所へ移動しなければならないが、喫煙しているときに遊技機が空席とみなされて、残っている持玉や入金残高が従業員に整理されてしまうという事態が発生する恐れがある。また、遊技場側にとっては、各遊技者の喫煙時間が長くなればなるほど遊技機の稼動率が低下してしまうという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-029690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者が適切に喫煙休憩を取ることができる遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
喫煙休憩の開始に際して喫煙開始操作をすることにより明確に喫煙休憩中であることを示すことができるので、喫煙休憩中に空台とみなされて自分の遊技機が整理されてしまうことがない。また、喫煙所内では喫煙休憩中の遊技機の識別情報が表示されるため、遊技者に対して喫煙休憩中であることを明示し、喫煙後は速やかに遊技機へ戻ることを意識付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
図2】遊技情報表示装置の正面図
図3】遊技情報表示装置を中心に示す機能ブロック図
図4】喫煙所用表示装置を中心に示す機能ブロック図
図5】遊技情報表示装置での喫煙休憩ボタン押下時の画面を示す図
図6】遊技情報表示装置で表示される喫煙休憩中の画面を示す図
図7】喫煙所用表示装置で表示される台番一覧の画面を示す図
図8】喫煙所用表示装置における表示処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システム100の全体構成を概略的に示している。遊技場内には、多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3がそれぞれ付設されている。遊技機1、計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
【0008】
また、遊技場内には、景品交換端末(以下、POS)7が設置されており、このPOS7もLAN5を介して管理装置6と接続されている。POS7は、付属するカード処理機7aで一般カードや会員カード(図1の符号8,9参照)を読取って遊技価値(計数玉数・貯玉数)を特定し、その遊技価値に基づき景品交換処理を行う。
管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ6a、キーボード6b等が接続されている。管理装置6は、遊技機1、計数貸出ユニット2、遊技情報表示装置3等、上記した各種機器から出力される遊技信号を入力することで、各種機器の稼動状況を管理する。
【0009】
図1では図示を省略したが、同図のパチンコ機の他、所謂スロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、遊技場内に形成された複数の遊技機島に、それら遊技機1側の機器が設置されている。また、本実施形態の遊技場にあっては、遊技機1での遊技中の喫煙を禁止しており、遊技機1とは異なる位置(遊技機島から離間した位置)となる、当該場内の一角に喫煙所SAを設けている。喫煙所SAにおいては、喫煙する遊技者向けの喫煙所用表示装置10が設置されており、喫煙所用表示装置10もLAN5を介して管理装置6と接続されている。喫煙所SA並びに表示装置10に係る構成について、詳しくは後述する。
【0010】
図1に示す遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。
【0011】
遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉が盤面11に発射され、その玉が始動口16に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当り抽選を行ったりする。大当り抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当り図柄の場合に大当りが発生する。大当りが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。尚、遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、打ち込んだ玉の玉数である投入媒体数を特定可能なアウト信号、払出された玉の数である払出媒体数を特定可能なセーフ信号、大当り状態を特定可能な大当り信号等の各種の遊技信号を出力する。
【0012】
計数貸出ユニット2は、各遊技機1の左側に配置され、所謂各台計数機能を備える。計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(例えば正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部21、紙幣が投入される紙幣投入口22、タッチパネル式の液晶表示部23、1単位分(単位付与数)の玉を払い出すための払出ボタン25、払出された玉が通過する払出ノズル26、一般カード8或いは会員カード9が挿入されるカード挿入口27、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿28等を備えている。また、計数貸出ユニット2は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/Oを有する制御部、各種信号を送受信する送受信部等を備える。
【0013】
一般カード8には、カードを特定可能な一般IDが記録されているとともに、計数貸出ユニット2に入金された入金残高や持玉数が記録される。この一般カード8の持玉数は当日のみ有効で、入金残高は翌日以降も利用可能とされている。
会員カード9には、会員登録を行った遊技者を特定可能な会員IDが記録されているとともに入金残高が記録される。会員カード9に対応する持玉数や貯玉数は管理装置6の会員口座に記憶される。この会員カード9の持玉数、貯玉数、並びに入金残高は、翌日以降も利用可能とされている。
【0014】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)カード8,9の未挿入状態で紙幣投入口22から入金があったとき、図示しないカードストック部に収納している一般カード8をカードRW(図示略)へ繰り出して、その入金金額(1000円単位)を記憶するとともに、当該入金金額(入金残高)を液晶表示部23に表示する。このとき、1度数(500円)は、貸出単価が4円のパチンコ機では125玉、貸出単価が1円のパチンコ機では500玉であるから、入金残高に相当する度数を液晶表示部23に表示してもよい。
(2)遊技機1の貸出ボタン(図示略)の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数に相当する玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す貸出処理を行う。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部23に表示されている入金残高から1度数分を減額するとともに、貸し出した玉数を示す貸出玉数を特定可能な売上信号を送信する。
【0015】
(3)遊技機1の下部受皿14から落下して計数受皿28で受けられた玉が図示しない計数部に流入することで、流入した玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部23に表示する。
(4)払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数ずつ前記払出機構から払い出す。
【0016】
(5)遊技機1の返却ボタン(図示略)の操作に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口27に挿入されている一般カード8に記録して発行する。会員カード9が挿入されている場合は、入金残高を会員カード9に記録すると共に持玉数を管理装置6に送信してから会員カード9を発行する。こうしたカード8,9の発行(返却)処理を行う場合、係る発行情報を管理装置6へ送信し、管理装置6側にも記憶する。
(6)一般カード8がカード挿入口27に挿入された場合は、一般カード8に記録されている入金残高及び持玉数を読出して液晶表示部23に表示する。会員カード9が挿入された場合は、会員カード9に記録されている入金残高を読出して液晶表示部23に表示すると共に持玉数を管理装置6から受信して表示し、又、暗証番号の入力を条件として貯玉数を管理装置6から受信して表示する。
【0017】
図2は遊技情報表示装置3の正面図であって、各種の遊技情報を表示する基本遊技情報画面を例示している。遊技情報表示装置3は、同図の遊技情報の他、遊技場からの案内情報等を表示可能である。遊技情報表示装置3は、遊技機1と1対1で対応しており、各遊技機1の上方に配置されている。
【0018】
遊技情報表示装置3は、液晶表示部31、ランプ部32、呼出ボタン33a、メニューボタン33b、その他リセットボタン等を含む操作ボタン群33、リモコン受光部34等を備えている。呼出ボタン33aは、遊技者が遊技場の従業員を呼び出すための操作ボタンであり、メニューボタン33bは、所定のメニューをポップアップ表示するための操作ボタンであり、前記リセットボタンは、個人の遊技情報を初期化するための操作ボタンである。リモコン受光部34は、遊技場の従業員が携帯する操作リモコン35(図3のみ図示)から送信されるリモコン信号を受光する。
【0019】
図3は、遊技情報表示装置3を中心に示す機能ブロック図である。遊技情報表示装置3の制御部30は、CPU30a、ROM30bやRAM30cといった記憶部30m、I/O30d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部30には、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部30eの他、上記した液晶表示部31、ランプ部32、呼出ボタン33a、操作ボタン群33、リモコン受光部34等が接続されている。また、制御部30には、液晶表示部31の前面側に重なるタッチパネル36が接続されており、タッチパネル36にて遊技者等のタッチ操作を受付ける。
【0020】
遊技情報表示装置3は、制御部30(以下、適宜「遊技情報表示装置3」と略す)の表示制御により、液晶表示部31における表示領域を複数の表示領域(例えば図2に示すメイン表示領域40と第1~第6サブ表示領域41~46)に区分可能である。遊技情報表示装置3は、遊技機1からの遊技信号を中継装置4経由で受信して各種の遊技情報を作成して、各表示領域40~46に表示したり記憶部30mに記憶したりする。また、遊技情報表示装置3は、管理装置6から受信した各種情報を、各表示領域40~46に表示したり記憶部30mに記憶したりする。
【0021】
図2に示すように、液晶表示部31において、基本遊技情報画面を表示する場合、メイン表示領域40は、大当り数を該当期間単位(営業日の当日、1日前、2日前)で表示するが、操作ボタン群33にて遊技情報の切替操作があった場合には、図示しない他の遊技情報を表示する表示状態へと表示を切替える。第1サブ表示領域41は、通常状態にて発生した大当りである初当り数(つまり確変状態での大当り数を除いた大当り数)を該当期間単位で表示する。第2サブ表示領域42は、大当り中の出玉が基準値(例えば1000玉)以上である大当りである「超」と、それ未満である「小」の大当り数を表示する。第3サブ表示領域43は、所定の基準時(例えば対応する機種の導入時)からの営業日単位の最高の獲得玉数を表示する。第4サブ表示領域44は、初期化条件の成立(営業開始や特別状態の終了等の成立)後からのスタート(図柄変動数)を表示する。第5サブ表示領域45は、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを表示する。第6サブ表示領域46は、機種名を表示する。
【0022】
図3に示す管理装置6の制御部60は、CPU、ROMやRAMといった記憶部60m、I/O等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部60には、モニタ6a及びキーボード6b(図1参照)が接続されるとともに、各種信号を送受信する送受信部や、プリンタ(何れも図示略)が接続されている。
【0023】
また、管理装置6の制御部60(以下、適宜「管理装置6」と略す)は、上記した遊技機1や計数貸出ユニット2、遊技情報表示装置3等から送信される各種の遊技信号に基づいて、遊技情報を含む各種情報を管理・集計し、自身60の記憶部60mに記憶する。
【0024】
ところで、「背景技術」に記載したように、昨今の受動喫煙防止の要請を受け、各遊技場で遊技中の喫煙を禁止する一方、遊技場内の一角に喫煙所SAを設ける動きが広がりつつある。もっとも、遊技場側でこのような取組みを行った場合、喫煙をする遊技者は遊技を一旦中断して喫煙所SAへ移動せざるをえず、喫煙しているときに遊技機1が空席とみなされて、残っている持玉や入金残高が従業員に整理されてしまうという事態が発生する恐れがある。また、遊技場側にとっては、各遊技者の喫煙時間が長くなればなるほど遊技機1の稼動率が低下してしまうという問題もある。
【0025】
そこで、本実施形態の遊技場用管理システム100にあっては、各遊技機1にて遊技者が喫煙休憩を開始する際に、当該遊技者又は従業員が操作する喫煙開始操作手段を備えており、その喫煙開始操作手段の操作に基づいて、当該遊技機1が喫煙休憩状態であることを遊技情報表示装置3で表示し、或いは、現在喫煙状態にある遊技機1の台番を喫煙所SA用の表示装置10で表示する構成としている。係る構成について、「1.遊技情報表示装置での喫煙休憩開始操作と表示処理」、「2.喫煙所用表示装置の構成と表示処理」の順に説明する。
【0026】
<1.遊技情報表示装置での喫煙休憩開始操作と表示処理>
遊技者は、遊技機1での遊技中に喫煙をしたいとき例えば、対応する遊技情報表示装置3においてメニューボタン33bを押下することで、その表示部31に、図示しないメニュー画面を表示させ、そのメニュー画面で「喫煙」に関する項目をタッチ操作により選択する。このとき、遊技情報表示装置3は、遊技者の「喫煙」に関する項目が選択されると、これに応じてメニュー画面から図5の喫煙休憩ボタン表示画面に遷移する。
【0027】
図5の喫煙休憩ボタン表示画面では、表示部31において、「喫煙休憩を開始しますか?」とのメッセージ並びに「はい」ボタン51及び「いいえ」ボタン52をメイン表示領域40に表示するとともに、その余のサブ表示領域41~46に前記遊技情報を表示する。ここで、遊技者により、図5の表示画面で「いいえ」ボタン52のタッチ操作が行われると、遊技情報表示装置3は、元のメニュー画面或いは図2の基本遊技情報画面に戻る。
【0028】
一方、図5の表示画面で「はい」ボタン51のタッチ操作が行われると、遊技情報表示装置3は、カード挿入口27からカード8,9が排出されていることを条件に、図5の表示画面から図6の喫煙休憩中画面に遷移する。
【0029】
なお、「はい」ボタン51がタッチ操作された時点で、遊技情報表示装置3により排出すべきカード8,9があると判断された場合(例えば入金残高や持玉数が0でない一般カード8が挿入されている場合)、図5の表示画面に「カードを排出して下さい」とのメッセージを表示し、遊技機1の前記返却ボタンの操作に応じて当該カード8,9が挿入口27から排出されると、図6の喫煙休憩中画面に遷移する。このように、遊技情報表示装置3における液晶表示部31や操作ボタン群33、タッチパネル36、或いは前記返却ボタンは、遊技者が喫煙休憩を開始するときに当該遊技者が操作する喫煙開始操作手段に相当する。
【0030】
図6の喫煙休憩中画面では、表示部31において、「ただいま喫煙休憩中!」とのメッセージM並びに喫煙休憩開始からの「経過時間」tをメイン表示領域40に表示し、その余のサブ表示領域41~46に遊技情報を表示する。つまり、遊技情報表示装置3(遊技情報表示手段)は、「はい」ボタン51のタッチ操作に基づいて、当該遊技機1が喫煙休憩状態であることを識別可能なメッセージMを図6の如く画面表示するとともに、そのタッチ操作された時点を起算点(開始時刻)として計時を開始し、その開始時刻からの「経過時間」tを画面に表示する。また、遊技情報表示装置3は、図6の画面へ遷移するとき、喫煙休憩状態にある当該遊技機1の番号(識別情報としての台番)と当該開始時刻(喫煙休憩開始時刻)とを含む喫煙情報を管理装置6へ送信する。
【0031】
こうして、遊技者が喫煙のため離席するとき、直前まで遊技をしていた遊技機1について、喫煙休憩中である旨を、図5の表示画面でのボタン51操作により当該遊技情報表示装置3の表示部31で(図6の喫煙休憩中画面で)明示することができる。他方、管理装置6は、喫煙休憩開始操作たるボタン51操作に基づいて、遊技情報表示装置3から送信された開始時刻を当該遊技機1の台番と関連付けて自装置6の記憶部60m(喫煙情報記憶手段)に記憶し、係る喫煙情報(喫煙休憩状態)を遊技機1毎に管理する。
【0032】
この後、遊技者が喫煙所SAでの喫煙を終えて、同遊技機1で遊技を再開しようとするとき、遊技情報表示装置3では図6の喫煙休憩中画面が継続して表示されているため、喫煙休憩に要した時間t(図6の例では5分27秒)を把握できる。この場合、遊技者による喫煙休憩解除操作として、カード8,9を挿入口27へ挿入する操作が行われると、遊技情報表示装置3は、喫煙休憩中画面から元の基本遊技情報画面(図2参照)に遷移し、その解除操作がなされた旨(或いは喫煙休憩状態が終了した旨)と当該遊技機1の台番とを含む解除情報を管理装置6へ送信する。
【0033】
また、遊技情報表示装置3では、上記した喫煙休憩状態が終了した時点からの遊技情報を区別して集計し、表示部31で表示することが可能に構成されている。具体的には、遊技情報表示装置3は、遊技者による喫煙休憩解除操作後、遊技が再開されるときに、営業開始からのゲーム数(図2の第4サブ表示領域44のスタート)とは別に、ゼロリセットしたゲーム数(スタートの回数0)を他の表示領域43等に表示させ、集計を開始する。
【0034】
このように、喫煙休憩終了後遊技を再開してから大当りが発生するまでの期間、スタート等の遊技情報を別個に集計して、表示領域43,44に並べて表示させる(或いは操作ボタン群33での遊技情報の切替操作で交互に表示させる)ことにより、営業開始からのスタートの回数とは別に、喫煙休憩終了からのスタートの回数を把握することが可能となる。これにより、喫煙休憩と大当りに何らかの因果関係があると考えている遊技者に対して客観的な判断材料を提供することができる。
【0035】
<2.喫煙所用表示装置の構成と表示処理>
遊技場内で喫煙できるスペースとして区画された喫煙所SAには、灰皿等の他、喫煙所用表示装置10(喫煙所表示手段)が設けられている。喫煙所用表示装置10は喫煙所SAに一台以上設置されるものであり、図1では、喫煙所用表示装置10を複数(二台)設置した例を示している。また、図4では、喫煙所用表示装置10の機能ブロック図を示している。
【0036】
図4に示すように、喫煙所用表示装置10の制御部70は、CPU70a、ROM70bやRAM70cといった記憶部70m、I/O70d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部70(以下、適宜「喫煙所用表示装置10」と称す)には、管理装置6等との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部70eの他、液晶表示部71が接続されている。液晶表示部71は、喫煙所SA内で喫煙をしている遊技者に対して、喫煙休憩中の遊技機1に関する情報を表示する、比較的大型のディスプレイで構成されている。
【0037】
図7は、喫煙所用表示装置10の液晶表示部71に表示される台番一覧画面を示している。同図に示すように、台番一覧画面には、現在喫煙状態にある遊技機1の「台番」が表示されるとともに、その台番について喫煙休憩開始操作が行われた「開始時刻」と、その開始時刻から現在時刻までの「経過時間」tとが分単位で表示される。この表示は、管理装置6から送信される喫煙情報に基づくものであって自装置10の記憶部70mの記憶内容に基づいて表示されるものである。このように、喫煙情報は、喫煙所用表示装置10側の記憶部70mにも記憶され、各装置6,10の記憶部60m,70mは、喫煙情報記憶手段に相当する。
【0038】
また、図7の台番一覧画面では、台番「552」と「6」の「呼出」の表示がなされときの表示例を示している。喫煙所用表示装置10は、各遊技機1について、喫煙休憩状態を開始してからの経過時間tが予め記憶部70mに記憶された所定時間t0(例えば10分)に達したと判断した時点で、該当する「台番」の「呼出」表示を行う。図7の例では、台番「552」と「6」の欄をハッチングにより強調表示しているが、「呼出」の報知態様は、喫煙所SA内の遊技者による識別が可能な報知を行うものであればよい。喫煙休憩に係る所定時間は、遊技場側の任意で設定されるものであり、経過時間tが10分に達した時点で遊技者の「呼出」状態とし、速やかに遊技機1へ戻ることを促す。
【0039】
図8は、上記した台番一覧画面の表示に関して喫煙所用表示装置10により所定周期で実行される処理の例を表している。ここで、管理装置6は、遊技者による喫煙休憩開始操作(或いは喫煙休憩解除操作)に伴い、遊技情報表示装置3から送信された喫煙情報(或いは解除情報)を、喫煙所用表示装置10へ送信するものとする。
【0040】
即ち先ず、喫煙所用表示装置10は、管理装置6から喫煙情報を受信したと判定すると(S1:YES)、その受信した台番について前記開始時刻からの経過時間tを求める(S2)。そして、喫煙所用表示装置10は、該当する「台番」について「開始時刻」と、「経過時間」を識別可能なtとを分単位で表す表示用データを作成して画面表示し(S3、図7参照)、リターンする。尚、係る画面表示は、経過時間そのものを数値tで表示する態様に代えて(或いは併せて)、例えばインジケータの如き図表で表示する態様でもよく、経過時間を識別可能な情報であれば、どのような表示態様の情報(表示用データ)であってもよい。
【0041】
喫煙所用表示装置10は、管理装置6から喫煙情報を受信していない場合(S1:NO)、表示用データを作成した台番について(つまり経過時間tを計時している遊技機1について)、その経過時間tが所定時間t0の10分に達したか否かを判定する(S4)。喫煙所用表示装置10は、経過時間tが10分に達したと判定すると(S4:YES)、該当する台番の「呼出」表示を行う(S5)。
【0042】
また、喫煙所用表示装置10は、表示用データを作成した台番について(S1とS4で夫々NO)、解除情報を受信したか否かを判定する(S6)。喫煙所用表示装置10は、解除情報を受信したと判定すると(S6:YES)、該当する台番の表示をクリアして(S7)、この処理を終了する(リターンする)。
【0043】
以上の実施形態によれば、次のような効果を奏する。
遊技場用管理システム100において、喫煙休憩の開始に際して喫煙開始操作(喫煙休憩開始操作)をすることにより明確に喫煙休憩中であることを遊技情報表示装置3にて示すことができるので、喫煙休憩中に空台とみなされて自分の遊技機1が整理されてしまうことがない。また、喫煙所SA内では喫煙休憩中の遊技機1の識別情報が喫煙所用表示装置10で表示されるため、遊技者に対して喫煙休憩中であることを明示し、喫煙後は速やかに遊技機1へ戻ることを意識付けることができる。
【0044】
遊技情報表示装置3における喫煙休憩開始操作に際し、計数貸出ユニット2のカード挿入口27にカード8,9が挿入されている状態では喫煙休憩を不可とし、カード8,9が排出されたことを条件として喫煙休憩を許可するようにしたので、喫煙休憩中のカード盗難を予防することができる。
【0045】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組合せるようにしてもよい。
【0046】
喫煙休憩開始操作に際し、計数貸出ユニット2からカード8,9が排出されたことを条件として喫煙休憩を許可するようにしたが、図5の「はい」ボタン51のタッチ操作がなされると、無条件に喫煙休憩を許可する(図6の喫煙休憩中画面に遷移する)ようにしてもよい。この場合、喫煙休憩状態において、対応する計数貸出ユニット2での各種操作を制限する。具体的には、計数貸出ユニット2における持玉の払い出し、前記貸出処理、カード8,9の発行処理等を禁止し、係る禁止状態を、遊技情報表示装置3にて喫煙休憩解除操作がなされるまで継続する。このときの喫煙休憩解除操作は、例えば遊技情報表示装置3における表示部31でのタッチ操作により、喫煙休憩終了ボタン(図示略)を表示させ、同ボタンのタッチ操作により行うようにしてもよい。
【0047】
遊技者自らが喫煙休憩開始操作を行うようにしたが、遊技場の従業員が喫煙休憩開始操作を行うようにしてもよい。この場合例えば、遊技者が遊技情報表示装置3の呼出ボタン33aを押下することで従業員を呼び出し、喫煙休憩を申告する。これに応じて従業員がリモコン35(喫煙開始操作手段)を操作して、遊技情報表示装置3に対し喫煙休憩開始を示す信号を送信することにより、喫煙休憩開始を認識させ、図2の基本遊技情報画面から図6の喫煙休憩中画面に遷移させることができる。
【0048】
遊技機1としてパチンコ機を例示したが、スロットマシンや、じゃん球遊技機であってもよい。
また、上記した各数値は例示であり、どのような数値を採用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置(遊技情報表示手段)、10は喫煙所用表示装置(遊技情報表示手段)、31は液晶表示部(喫煙開始操作手段)、33は操作ボタン群(喫煙開始操作手段)、36はタッチパネル(喫煙開始操作手段)、60m,70mは記憶部(喫煙情報記憶手段)、100は遊技場用管理システム、SAは喫煙所である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8