(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】広告情報管理方法、広告情報管理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220922BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
(21)【出願番号】P 2018193821
(22)【出願日】2018-10-12
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390023168
【氏名又は名称】株式会社エヌケービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】久保田 充男
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-251159(JP,A)
【文献】特開2017-151909(JP,A)
【文献】特開2010-135991(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0122990(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02194501(EP,A2)
【文献】特開2001-297248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告素材の
印刷処理が可能な画像の制作又は編集に用いられる専用のデータ形式である第1形式データを代理店装置から取得し、
取得された第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換し、
前記第2形式データに変換された広告素材が
広告情報管理装置によって所定の審査条件に合格する
と判定された場合、前記審査条件に合格した第2形式データに変換した第1形式データを印刷会社装置へ出力する広告情報管理方法。
【請求項2】
変換された前記第2形式データを媒体社装置へ出力する請求項1に記載の広告情報管理方法。
【請求項3】
車両広告、駅広告及びデジタルサイネージ広告の少なくとも一つを含む広告メディアの選択を受け付け、
前記第2形式データに対応付けて前記広告メディアの選択結果を前記媒体社装置へ出力する請求項2に記載の広告情報管理方法。
【請求項4】
広告素材の第3形式データを代理店装置から取得し、
取得された第3形式データの広告素材が所定の審査条件に合格するかを判定する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の広告情報管理方法。
【請求項5】
取得された第3形式データが所定のフォーマットであるか否かを判定し、
前記所定のフォーマットでない場合、前記第3形式データを前記所定のフォーマットに変換し、
前記所定のフォーマットに変換された広告素材が前記所定の審査条件に合格するかを判定する請求項4に記載の広告情報管理方法。
【請求項6】
前記第1形式データ及び前記第2形式データの少なくとも一方のデータを学習モデルに入力し、
前記学習モデルは、
前記少なくとも一方のデータが前記所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を出力する請求項4又は請求項5に記載の広告情報管理方法。
【請求項7】
前記学習モデルは、
画像又は映像を教師データとし、さらに前記画像若しくは該画像に含まれる文字、又は前記映像に含まれる画像、文字若しくは音声の少なくとも一つが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を教師データとして学習されている請求項6に記載の広告情報管理方法。
【請求項8】
前記学習モデルが、前記第2形式データの広告素材が前記所定の審査条件に合格する合格情報を出力した場合、前記第2形式データに変換する前の第1形式データを印刷会社装置へ出力する請求項6又は請求項7に記載の広告情報管理方法。
【請求項9】
複数の代理店毎に広告素材が前記所定の審査条件に合格するか否かの合否情報の一覧を出力する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の広告情報管理方法。
【請求項10】
複数の代理店毎に広告素材の掲出報告までの進捗状況の一覧を出力する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の広告情報管理方法。
【請求項11】
広告素材の
印刷処理が可能な画像の制作又は編集に用いられる専用のデータ形式である第1形式データを代理店装置から取得する取得部と、
取得した第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換する変換部と、
前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格する
と判定した場合、前記審査条件に合格した第2形式データに変換した第1形式データを印刷会社装置へ出力する出力部と
を備える広告情報管理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
広告素材の
印刷処理が可能な画像の制作又は編集に用いられる専用のデータ形式である第1形式データを代理店装置から取得する処理と、
取得された第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換する処理と、
前記第2形式データに変換された広告素材が
広告情報管理装置によって所定の審査条件に合格する
と判定された場合、前記審査条件に合格した第2形式データに変換した第1形式データを印刷会社装置へ出力する処理と
を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告情報管理方法、広告情報管理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅構内や駅ホーム、電車やバス、ビルなどの建物、店舗や映画館などの商業施設、空港など様々な公共施設では、ネットワークに接続された表示装置に広告などの情報を発信する広告配信システムが使用されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような広告配信システムを用いた広告配信サービスでは、例えば、広告代理店が空枠の確認、広告の申込、広告主からの映像などの広告素材の入稿などの業務を行う。また、広告配信の管理を行う媒体社(管理業者)は、広告の申込の管理、広告素材に不適切な表現が含まれていないかの審査、広告配信のスケジュール管理などの業務を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般ユーザに対して広告が提供される場所は様々であり、広告の提供場所に応じて、いわゆるデジタルサイネージのような映像だけでなく、紙媒体(フィルムなども含む)を使った広告も広く行われており、映像や紙媒体などの異なる広告素材を使って同じようなデザインの広告を提供する機会も増加している。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、紙媒体を含む広告素材の管理を行うことができる広告情報管理方法、広告情報管理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る広告情報管理方法は、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得し、取得された第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換し、前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて前記第1形式データを印刷会社装置へ出力する。
【0008】
本発明の実施の形態に係る広告情報管理装置は、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得する取得部と、取得した第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換する変換部と、前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて前記第1形式データを印刷会社装置へ出力する出力部とを備える。
【0009】
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得する処理と、取得された第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換する処理と、前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて前記第1形式データを印刷会社装置へ出力する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、紙媒体を含む広告素材の管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態の広告情報管理システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図2】媒体社端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】広告情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】映像のフォーマット判定のためのチェック対象の一例を示す説明図である。
【
図5】本実施の形態の広告情報管理装置によるメディア選択機能の一例を示す模式図である。
【
図6】本実施の形態の広告情報管理装置による広告の空き枠確認機能の一例を示す模式図である。
【
図7】本実施の形態の広告情報管理装置による広告の申込機能の一例を示す模式図である。
【
図8】本実施の形態の広告情報管理装置による広告の申込審査機能の一例を示す模式図である。
【
図9】本実施の形態の広告情報管理装置による意匠の入稿機能の一例を示す模式図である。
【
図10】本実施の形態の広告情報管理装置による審査機能の第1例を示す模式図である。
【
図11】本実施の形態の広告情報管理装置による審査機能の第2例を示す模式図である。
【
図12】本実施の形態の広告情報管理装置による審査機能の第3例を示す模式図である。
【
図13】本実施の形態の広告情報管理装置による審査機能の第4例を示す模式図である。
【
図14】本実施の形態の広告情報管理装置による進捗管理機能の一例を示す模式図である。
【
図15】本実施の形態の広告情報管理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】本実施の形態の広告情報管理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態の広告情報管理システムの構成の一例を示す模式図である。広告情報管理システムは、広告代理店に設けられた代理店端末装置10、…、10、媒体社に設けられた媒体社端末装置20、20、広告情報管理装置50、及び印刷会社に設置された印刷会社装置40が、インターネットなどのネットワーク1を介して接続されている。広告情報管理装置50は、例えば、代理店端末装置10及び媒体社端末装置20に対して、指定代理店機能、媒体社機能、及び広告情報管理機能などをクラウドサービスとして提供することができる。
【0013】
代理店端末装置10では、広告情報管理装置50が提供する機能を用いて、例えば、指定代理店機能として、広告の空枠の確認、広告の申込、広告主からの広告素材(例えば、紙媒体や映像など)の広告素材の入稿などの業務を行うことができる。ここで、紙媒体には、フィルムのような素材も含まれる。
【0014】
媒体社端末装置20では、広告情報管理装置50が提供する機能を用いて、例えば、媒体社機能として、広告の空き枠の管理、広告の申込の管理、広告代理店の審査、広告素材に不適切な表現が含まれていないかの審査(意匠の審査ともいう)などの業務を行うことができる。
【0015】
審査に合格した広告素材は、媒体社の担当者によって、媒体社端末装置20を通じて、広告代理店に対して審査合格の通知が行われるとともに、例えば、駅構内や駅ホーム、電車やバス、ビルなどの建物、店舗や映画館などの商業施設、空港など様々な公共施設において、ネットワークに接続された表示装置に配信され、あるいは印刷物が掲出される。
【0016】
印刷会社装置40は、審査に合格した紙媒体の印刷用データを取得し、取得した印刷用データを用いて印刷物(ポスターやフィルムなど)を生成する。
【0017】
図2は媒体社端末装置20の構成の一例を示すブロック図である。媒体社端末装置20は、装置全体を制御する制御部21、通信部22、記憶部23、表示パネル24、表示処理部25、及び操作部26を備える。媒体社端末装置20は、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレットなどで構成することができる。制御部21は、CPU、ROM及びRAMなどで構成することができる。
【0018】
通信部22は、ネットワーク1を介して、代理店端末装置10、広告情報管理装置50及び印刷会社装置40との間で通信を行う機能を有し、所要の情報の送受信を行うことができる。
【0019】
記憶部23は、ハードディスク又はフラッシュメモリなどで構成され、広告主を含む広告代理店に関する情報、広告代理店から入稿された画像データ及び映像データ、媒体社端末装置20で行う処理に関連するデータ(例えば、処理結果のデータ)、広告情報管理装置50から受信したデータなどを記憶することができる。
【0020】
表示パネル24は、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成することができる。
【0021】
表示処理部25は、表示パネル24に所要の情報を表示するための制御を行う。表示処理部25は、例えば、広告代理店毎に入稿された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を表示することができる。この場合、広告情報管理装置50が所定の審査条件に合格するか否かの判定処理を自動で行う。
【0022】
操作部26は、例えば、ハードウェアキーボード、マウスなどで構成され、表示パネル24に表示されたアイコンなどの操作、文字等の入力などを行うことができる。なお、操作部26は、タッチパネルで構成してもよい。
【0023】
図3は広告情報管理装置50の構成の一例を示すブロック図である。広告情報管理装置50は、装置全体を制御する制御部51、通信部52、メモリ53、フォーマット判定部54、審査DB55、データ形式変換部56、フォーマット変換部57、及び処理部58を備える。処理部58は、学習モデル59、及び審査結果出力部60を備える。広告情報管理装置50は、1又は複数のサーバで構成することができる。制御部51は、CPU、ROM及びRAMなどで構成することができる。
【0024】
通信部52は、ネットワーク1を介して、代理店端末装置10、媒体社端末装置20及び印刷会社装置40との間で通信を行う機能を有し、所要の情報の送受信を行うことができる。具体的には、通信部52は、媒体社端末装置20が送信した、広告素材としての映像の動画データ、及び広告素材としての紙媒体の画像データを受信することができる。また、通信部52は、広告素材の審査の合否情報を媒体社端末装置20へ送信することができる。
【0025】
通信部52は、広告素材の第1形式データを代理店端末装置10から取得する。広告素材は、例えば、デジタルサイネージのように、表示装置などに表示される映像(動画及び静止画など)、ポスターやフィルムなどの紙媒体(印刷物)を含む。第1形式データは、印刷処理が可能な画像(ビットマップ画像やベクトル画像)の制作、編集及び加工等を行う際に用いられるデータ形式である。
【0026】
データ形式変換部56は、通信部52で取得された第1形式データを第1形式データと異なる第2形式データに変換することができる。第2形式データは、第1形式データのように、ビットマップ画像やベクトル画像などの制作や編集等に用いられる専用のデータ形式でなく、ソフトウェア、ハードウェア及びオペレーティングシステムに関係なく、文書や画像を確実に表示することができるデータ形式であり、例えば、PDF(Portable Document Format)とすることができる。
【0027】
また、通信部52は、広告素材の第3形式データを代理店端末装置10から取得する。第3形式データは、表示装置などに表示される映像のデータ形式である。
【0028】
メモリ53は、通信部52で受信した映像をフレーム単位で記憶することができる。映像には、フレーム単位の画像、文字、音声などが含まれている。フレームレートが、例えば、30fpsの場合、映像には、1秒間に30枚のフレーム(画像)が含まれる。
【0029】
フォーマット判定部54は、通信部52で受信した映像のフォーマットが、所定のフォーマットに一致するか否かを判定し、判定結果を出力する。所定のフォーマットは、映像を配信するために予め定められたフォーマットである。
【0030】
図4は映像のフォーマット判定のためのチェック対象の一例を示す説明図である。映像の形式チェック対象(フォーマットのチェック項目)は、動画用パラメータ、音声用パラメータ及び静止画用パラメータに分けることができる。動画用パラメータとしては、例えば、ファイルサイズ、動画の横幅及び縦幅、動画の長さ、ビットレート、フレームレート、及びVBR(Variable Bit Rate)からCBR(Constant Bit Rate)への変換の要否などをチェックし、これらのパラメータが所定の形式でない場合には、所定の形式に変換する。
【0031】
音声用パラメータとしては、例えば、サンプリング周波数、ステレオからモノラルへの変換の要否、ビットレート及び音の良さを決定する量子化ビットなどをチェックし、これらのパラメータが所定の形式でない場合には、所定の形式に変換する。また、静止画用パラメータとしては、例えば、ファイルサイズ、静止画の横幅及び縦幅、及びCMYKからRGBへの変換の要否などをチェックし、これらのパラメータが所定の形式でない場合には、所定の形式に変換する。映像を配信する場合のフォーマットは、所定のフォーマットに定められているが、広告主が制作する映像のフォーマットは、必ずしも配信用のフォーマットと一致しない場合がある。
【0032】
フォーマット変換部57は、通信部52で受信した映像のフォーマットが、所定のフォーマットに一致しない場合、所定のフォーマットに変換することができる。なお、フォーマット判定部54及びフォーマット変換部57は、広告情報管理装置50とは別の動画変換サーバ(不図示)などに設けることもできる。
【0033】
審査DB55は、審査に必要な情報を記憶することができ、例えば、媒体社毎の広告審査基準などの情報を処理部58がアクセスできる形式でデータベース化したものである。また、審査DB55は、自然言語処理に必要な辞書データを記憶している。
【0034】
次に、処理部58について説明する。なお、処理部58は、例えば、CPU(例えば、複数のプロセッサコアを実装したマルチ・プロセッサなど)、GPU(Graphics Processing Units)、DSP(Digital Signal Processors)、FPGA(Field-Programmable Gate Arrays)などのハードウェアを組み合わせることによって構成することができる。また、量子プロセッサを組み合わせることもできる。
【0035】
学習モデル59は、多層のニューラルネットワークを用いることができ、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)及びリカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)を用いることができるが、他の機械学習を用いてもよい。学習モデル59は、第1形式データ及び第2形式データの少なくとも一方のデータ及び所定の審査条件に合格するのか否かを示す合否情報を学習データとして用いて生成することができる。
【0036】
これにより、第1形式データ及び第2形式データの少なくとも一方のデータを学習モデル59に入力すると、学習モデル59は、第1形式データ及び第2形式データの少なくとも一方のデータが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を出力することができる。
【0037】
これにより、紙媒体の広告(画像及び画像に含まれる文字)が所定の審査条件に合格するのか否かを自動的に判定し、合否情報を出力することができる。
【0038】
また、学習モデル59は、第3形式データとしての映像を教師データとし、さらに映像に含まれる画像、文字若しくは音声の少なくとも一つが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を教師データとして用いて生成することができる。そして、映像データを学習モデル59に入力すると、学習モデル59は、映像データが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を出力することができる。これにより、映像の広告が所定の審査条件に合格するのか否かを自動的に判定し、合否情報を出力することができる。
【0039】
より具体的には、学習モデル59は、入力層、畳み込み層、プーリング層、全結合層及び出力層などで構成される。入力層には、広告素材が映像の場合、映像に含まれる画像がフレーム単位で入力される。出力層は、フレーム単位で画像の合否情報を出力することができる。また、入力層には、広告素材が紙媒体(フィルムを含む)の場合、画像が入力される。出力層は、画像の合否情報を出力することができる。
【0040】
出力層を2つの出力ノードで構成し、所定の審査条件に合格する確率、及び不合格となる確率(信頼度)を出力してもよく、あるいは、合格又は不合格の少なくとも一方の信頼度を複数の区分(例えば、信頼度=100%、95%、90%、85%、80%、…、0%の如く)に分けて、区分の数だけ出力ノードを設け、各区分の確率を出力してもよい。
【0041】
また、出力層を複数の出力ノードで構成し、それぞれのノードを、画像が所定の審査条件に合格しない理由を定め、各理由の確率を出力してもよい。理由は、例えば、「肌の露出」、「性に関する表現」、「暴力的な表現」などとすることができるが、これらに限定されない。
【0042】
また、出力層を複数の出力ノードで構成し、それぞれのノードを、音声又は文字が所定の審査条件に合格しない理由を定め、各理由の確率を出力してもよい。理由は、例えば、「世界一の」、「業界初の」、「万能」などの表現を意味する文章又は音声の存在とすることができるが、これらに限定されない。
【0043】
審査結果出力部60は、学習モデル59の出力値に基づいて審査結果情報を出力することができる。
【0044】
次に、本実施の形態の広告情報管理方法(広告情報管理システムの動作)について説明する。
【0045】
図5は本実施の形態の広告情報管理装置50によるメディア選択機能の一例を示す模式図である。
図5に示すメディア選択画面101は、代理店端末装置10の表示パネルに表示され、広告代理店の担当者がメディアを選択することができる。
【0046】
制御部51は、車両広告、駅広告及びデジタルサイネージ広告の少なくとも一つを含む広告メディアの選択を代理店端末装置10から受け付ける。広告メディアは、車両広告、駅広告及びデジタルサイネージ広告の他に、例えば、屋外広告、バス広告、ネット広告、マス広告などを含めることができる。また、車両広告には、中づり、まど上、ドア横、ドア上、つり革、ステッカーなどが含まれる。なお、車両広告は、これらに限定されるものではなく、例えば、車両ビジョンなどを含めることもできる。
【0047】
図5の例では、メディア102として、「車両メディア」が選択され、選択された「車両メディア」の掲出場所103として「中づり」が選択され、路線区分104として「名古屋エリア」が選択された状態を示す。決定アイコン105を操作することにより、メディアの選択結果が広告情報管理装置50へ出力される。また、クリアアイコン106を操作することにより、選択をやり直すことができる。
【0048】
図6は本実施の形態の広告情報管理装置50による広告の空き枠確認機能の一例を示す模式図である。
図6に示す空き枠確認画面111は、代理店端末装置10の表示パネルに表示され、広告代理店の担当者が広告の空き枠を確認することができる。
図6に示すように、広告を掲出する際の空き枠の数、空き枠の月日などが表示され、広告代理店の担当者は、広告主の要求に基づいて、所望の空き枠を申し込むことができる。枠アイコン112を操作することにより、所望の月日及び空き枠数を設定できる。選択アイコン113を操作することにより、設定結果が広告情報管理装置50へ出力される。また、クリアアイコン114を操作することにより、設定をやり直すことができる。
【0049】
図7は本実施の形態の広告情報管理装置50による広告の申込機能の一例を示す模式図である。
図7に示す申込み画面121は、代理店端末装置10の表示パネルに表示され、広告代理店の担当者が広告の申込みを行うことができる。
図7に示すように、申込期間欄122、枠数欄123、広告主名欄124、広告内容欄125、コメント欄126に表示された内容を確認し、内容が正しければ確認アイコン127を操作することにより、申込みが完了する。また、クリアアイコン128を操作することにより、申込み内容をクリアすることができる。
【0050】
図8は本実施の形態の広告情報管理装置50による広告の申込審査機能の一例を示す模式図である。
図8に示す申込み審査画面201は、
図7に例示する申込み画面121で申込みが完了すると、媒体社端末装置20の表示パネル24に表示され、媒体社の担当者が広告の申込みの審査を行うことができる。
図8に示すように、詳細アイコン202を操作すると申込み内容の詳細を表示することができる。媒体社の担当者は、申込み内容に不備がなければ申込みOKアイコン203を操作し、申込み内容に不備がある場合、コメント欄205にコメントを入力して申込みNGアイコン204を操作することができる。
【0051】
図9は本実施の形態の広告情報管理装置50による意匠の入稿機能の一例を示す模式図である。
図9に示す入稿画面131は、
図8に例示する申込み審査画面201で申込み審査が完了すると、代理店端末装置10の表示パネルに表示され、広告代理店の担当者が広告素材の入稿(意匠の入稿ともいう)を行うことができる。
図9に示すように、動画のファイル(広告素材が映像の場合)又は画像のファイル(広告素材がフィルムを含む紙媒体の場合)をファイル領域132にドロップするか、あるいは選択アイコン133を操作してファイルを選択し、素材名欄134に素材名を入力することにより、広告素材であるファイルが広告情報管理装置50へ出力される。
【0052】
図10は本実施の形態の広告情報管理装置50による審査機能の第1例を示す模式図である。
図10に示す紙媒体審査画面211は、
図9に例示する入稿画面131で紙媒体の広告素材、すなわち画像のファイルが入稿されると、媒体社端末装置20の表示パネル24に表示される。画像表示領域212には、広告素材の画像データがPDF形式のデータに変換された画像が表示される。
【0053】
すなわち、データ形式変換部56は、代理店端末装置10からアップロードされた第1形式データを第2形式データ(例えば、PDF形式のデータ)に変換することができる。制御部51は、データ形式変換部56で変換したPDF形式のデータを媒体社端末装置20へ出力する。表示処理部25は、PDF形式の画像を表示パネル24に表示する。
【0054】
上述の構成により、媒体社では、紙媒体用の専用の制作アプリケーションがインストールされていない媒体社端末装置20でも紙媒体の広告素材の画像を簡単に表示することができ、広告素材の審査を簡単に行うことができる。
【0055】
媒体社の担当者は、画像表示領域212に表示された画像を確認して、広告審査基準などに規定されている審査条件に合格するか否かを判断することができる。担当者は、審査基準に合格すると判断した場合には、入稿審査OKアイコン214を操作し、審査基準に合格しないと判断した場合には、コメント欄216にコメントを入力して、入稿審査NGアイコン215を操作することができる。担当者による審査結果は、広告情報管理装置50に出力される。
【0056】
また、結果表示領域213には、広告メディア選択結果が表示される。広告メディア選択結果は、前述の
図5に例示したメディア選択画面101で決定した内容を含む。
【0057】
すなわち、制御部51は、PDF形式のデータに対応付けて広告メディアの選択結果を媒体社端末装置20へ出力する。表示処理部25は、広告メディアの選択結果を表示パネル24に表示する。広告メディアの選択結果には、選択の結果、掲出場所に応じて決定される印刷物のサイズ(縦横の寸法)などが含まれる。
【0058】
これにより、媒体社は、同じようなデザインの広告であっても広告の掲出場所の違いによるサイズの違い等を考慮して所定の審査条件に合格するか否かを判定できるので、審査の効率を高めることができる。
【0059】
制御部51は、PDF(第2形式データ)に変換された広告素材が所定の審査条件に合格する場合、当該PDFに対応する第1形式データを印刷会社装置40へ出力することができる。広告素材の第1形式データを印刷会社装置40へ出力することにより、印刷物(紙媒体の広告)を制作することができる。
【0060】
上述の構成により、広告素材の中に紙媒体が含まれる場合でも、所定の審査条件に合格するか否かに応じて印刷物を制作することができ、紙媒体を含む広告素材の管理を行うことができる。
【0061】
図11は本実施の形態の広告情報管理装置50による審査機能の第2例を示す模式図である。
図11に示す審査要求画面221は、媒体社端末装置20の表示パネル24に表示される。媒体社端末装置20は、複数の広告代理店から入稿された広告素材を広告情報管理装置50にアップロード(送信)して、広告素材が所定の審査条件に合格するか否かの判定を要求することができる。審査要求画面221には、申込ID、代理店名毎に、広告主名、広告内容、入稿素材、広告素材の種類(映像の場合には、例えば「デジタル」、紙媒体の場合には、例えば「紙」など)、アップロードアイコン222が表示される。媒体社の担当者は、広告代理店から入稿された入稿素材の一覧の中から、広告情報管理装置50による自動審査を行う入稿素材を選択して、広告情報管理装置50に送信することができる。
【0062】
図12は本実施の形態の広告情報管理装置50による審査機能の第3例を示す模式図である。
図12に示す審査結果一覧画面231は、媒体社端末装置20の表示パネル24に表示される。審査結果一覧画面231には、例えば、ID、代理店名、入稿素材(映像又は紙媒体)、審査結果、信頼度、審査結果の詳細画面を表示するためのアイコン232、フォーマット判定、フォーマット変換、審査完了通知を代理店端末装置10に送信するためのアイコン233などが表示される。
【0063】
すなわち、制御部51は、複数の広告代理店毎に入稿された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かの合否情報(
図12の例では、審査結果がOKとその信頼度、及び審査結果がNGとその信頼度)の一覧を媒体社端末装置20に出力することができる。これにより、複数の広告代理店毎に取得した複数の広告素材のうち、審査結果がOKの広告素材については、手作業による確認作業(審査条件に合格しているか否かの確認作業)を必要としないので、手作業による確認作業を必要とする広告素材と、手作業による確認作業を必要としない広告素材とを区別することができ、広告素材の審査時間を短縮化することができる。
【0064】
また、制御部51は、広告素材が審査条件に合格しないと判定された場合、複数の広告代理店毎に判定結果の信頼度を媒体社端末装置20に出力してもよい。これにより、媒体社の担当者は、不合格判定の信頼度(確率)が低い場合には、広告素材に不適切な表現が含まれている可能性は低いとして手作業による審査業務を省略することができ、広告素材の審査時間を短縮化することができる。また、不合格判定の信頼度が高い場合には、広告素材に不適切な表現が含まれている可能性が高いとして、当該広告素材に集中して確認作業を行うことができ、広告素材の審査時間を短縮化することができる。
【0065】
図12の例で、審査担当者が、IDがM1の入稿素材(D0001)の審査結果がOKであり、審査結果の信頼度が90%であるから、信頼できると判断した場合、審査完了通知のアイコン233を操作することにより、広告代理店AAAの代理店端末装置10に審査完了通知が送信される。なお、審査結果OKの信頼度が、どの程度であれば広告代理店に対して審査完了を通知するかは、媒体社の担当者が適宜決めることができる。
【0066】
また、予め所定の閾値(例えば、90%)を設定しておき、学習モデル59が、合格判定の確率が所定の閾値以上の審査合格を出力した場合、審査完了(審査合格)通知を自動的に代理店端末装置10に送信してもよい。
【0067】
上述の構成により、広告素材の内容を手作業で確認することなく、広告代理店に審査合格を通知することができるので、担当者の作業効率を向上することができる。
【0068】
フォーマット判定がNGの入稿素材(
図12の例では、D0002)のフォーマット変換アイコンを操作することにより、フォーマット変換を行うことができる。
【0069】
また、学習モデル59が、PDF形式の広告素材が所定の審査条件に合格する合格情報を出力した場合、制御部51は、PDFに変換する前の第1形式データを印刷会社装置40へ出力することができる。これにより、紙媒体の広告が所定の審査条件に合格すると判定された場合、印刷処理が可能な画像データが印刷会社装置40へ出力されるので、紙媒体の広告の印刷までの業務の効率を良くすることができる。
【0070】
次に、審査結果の詳細情報について説明する。
【0071】
図13は本実施の形態の広告情報管理装置50による審査機能の第4例を示す模式図である。
図13に示す審査結果詳細画面241は、媒体社端末装置20の表示パネル24に表示される。
図13の例では、入稿素材がD0005、審査結果がNG、審査結果の信頼度が90%の場合について図示されている。すなわち、
図13の審査結果詳細画面241は、
図12の例において、IDがM5、広告代理店がEEEの入稿素材D0005の審査結果について詳細画面を表示するためのアイコン232が操作されることによって、表示される。
【0072】
広告情報管理装置50の処理部58によって、入稿された映像(入稿素材:D0005)が審査条件に不合格であると判定された場合、映像のどの箇所に不適切な広告表現があるかを、画像領域242と音声・文字領域243で表示することができる。画像領域242では、映像の最初から最後までのフレームが順番に表示され、不適切な描画があるフレーム(複数フレームでもよい)244、245が識別可能に表示される。フレーム244とフレーム245とでは、審査結果がNGの信頼度に応じて表示態様が異なる(便宜上、図では、模様を異ならせている)。例えば、審査結果がNGの信頼度が高いフレームを濃く表示すること、あるいは際立って目立つ色(例えば、赤色)とし、審査結果がNGの信頼度が低いフレームを薄く表示すること、あるいは多少目立つ色(例えば、黄色)とすることができる。
【0073】
また、担当者が、フレーム244に対して、所定の操作(例えば、クリック、ダブルクリックなど)を行うと、フレーム244のサムネイル(画像情報)を表示することができる。また、サムネイルの表示態様は、審査結果の信頼度に応じて、異なるようにしてもよい。例えば、信頼度の高いサムネイルは、枠を付けて強調表示し、あるいは目立つ色を付与してもよい。これにより、担当者は、実際に画像で不適切な描画を確認することができる。サムネイルの表示は、図示していないが、フレームの近くにポップアップ画面で表示してもよく、審査結果詳細画面241内の所定領域にサムネイル用の領域を予め設けていてもよい。
【0074】
担当者が、スライド248をフレーム244の位置に移動させると、理由説明画面250に、フレーム244の位置(例えば、映像の開始時点からの経過時間:図の例では、2分40秒)、フレーム244に関する審査結果NGの信頼度(図の例では、90%)、審査結果がNGとなる理由(図の例では、肌の露出)などが表示される。審査担当者がスライド248をフレーム245の位置に移動させると、理由説明画面250には、フレーム245についての同様の情報が表示される。
【0075】
音声・文字領域243では、映像の最初から最後までのフレームが順番に表示され、不適切な音声又は文字があるフレーム(複数フレームでもよい)246、247が識別可能に表示される。フレーム246とフレーム247とでは、審査結果がNGの信頼度に応じて表示態様が異なる(便宜上、図では、模様を異ならせている)。例えば、審査結果がNGの信頼度が高いフレームを濃く表示すること、あるいは際立って目立つ色(例えば、赤色)とし、審査結果がNGの信頼度が低いフレームを薄く表示すること、あるいは多少目立つ色(例えば、黄色)とすることができる。
【0076】
担当者が、スライド249をフレーム247の位置に移動させると、理由説明画面251に、フレーム247の位置(例えば、映像の開始時点からの経過時間:図の例では、3分20秒)、フレーム247に関する審査結果NGの信頼度(図の例では、90%)、審査結果がNGとなる理由(図の例では、「世界一の」の表現)などが表示される。担当者がスライド249をフレーム246の位置に移動させると、理由説明画面251には、フレーム246についての同様の情報が表示される。また、「世界一の」などの文字情報の表示態様は、審査結果の信頼度に応じて、異なるようにしてもよい。例えば、信頼度の高い文字情報は、枠を付けて強調表示し、あるいは目立つ色を付与してもよい。
【0077】
なお、フレーム毎の審査結果NGの信頼度が異なる場合、各フレームについての信頼度の平均を入稿素材全体の審査結果NGの信頼度としてもよく、各フレームについての信頼度のうち、最も信頼度の低いものを入稿素材全体の審査結果NGの信頼度としてもよい。
【0078】
上述のように、処理部58は、取得した映像を構成する複数のフレームのうち審査条件に合格しないフレームを識別する識別情報を出力することができる。識別情報は、
図13に示すように、フレームに色、模様を付してもよく、フレームの枠を強調表示してもよく、フレームの上部又は下部にマークを付してもよい。映像の長さ、フレームレートは予め設定されているので、審査条件に合格しないフレーム(連続する複数のフレームでもよい)が分かれば、例えば、映像の開始から何秒後のフレームに不適切な表現があるか容易に把握することができる。
【0079】
紙媒体の広告素材が所定の審査条件に合格するか否かの判定を、媒体社の担当者による手動判定ではなく、広告情報管理装置50の処理部58が行う場合、その審査結果の詳細も、
図13のような審査結果詳細画面で表示することができる。この場合、広告素材の画像を表示するとともに、例えば、「世界一の」の表現が画像中に存在するときは、「世界一の」の画像上での位置を表示すること、審査結果の信頼度を表示することができる。また、広告素材の画像中に「肌の露出」がある場合、「肌の露出」の画像上での位置を表示すること、審査結果の信頼度を表示することができる。
【0080】
図14は本実施の形態の広告情報管理装置50による進捗管理機能の一例を示す模式図である。
図14に示す進捗画面261は、媒体社端末装置20の表示パネル24に表示される。制御部51は、複数の代理店毎に広告素材(例えば、紙媒体又は映像)の掲出報告までの進捗状況の一覧を媒体社端末装置20に出力することができる。
図14に示すように、進捗状況は、例えば、映像が所定のフォーマットであるか否かの判定結果(
図14の例では「フォーマット」)、広告素材が所定の審査条件に合格したか否か(
図14の例では「入稿審査」)、映像の広告が配信されたか否か(
図14の例では「広告配信」)、紙媒体の広告が印刷完了したか否か(
図14の例では「印刷完了」)、掲出完了したか否か(
図14の例では「掲出完了」)等のイベントを含めることができる。これにより、広告素材の掲出報告までのプロセスの進捗状況を代理店毎に管理することができる。
【0081】
図15及び
図16は本実施の形態の広告情報管理装置50による処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上、処理の主体を制御部51として説明する。制御部51は、メディア選択受付処理を行い(S11)、広告申込受付処理を行う(S12)。制御部51は、素材入稿処理を行い(S13)、入稿された広告素材の中に映像データがあるか否かを判定する(S14)。
【0082】
映像データがある場合(S14でYES)、制御部51は、映像データのフォーマットが所定のフォーマットであるか否かを判定し(S15)、所定のフォーマットでない場合(S15でNO)、映像データのフォーマットを変換し(S16)、後述のステップS17の処理を行う。
【0083】
映像データがない場合(S14でNO)、あるいは映像データのフォーマットが所定のフォーマットである場合(S15でYES)、制御部51は、紙媒体用の画像データの有無を判定し(S17)、画像データがある場合(S17でYES)、画像データをPDFに変換し(S18)、後述のステップS19の処理を行う。
【0084】
紙媒体用の画像データがない場合(S17でNO)、制御部51は、目視による審査を実施するか否かを判定する(S19)。なお、目視による審査を実施するか否かは、予め設定しておくことができる。目視による審査を実施する場合(S19でYES)、制御部51は、媒体社端末装置20からの審査結果を受け付ける処理を行い(S20)、後述のステップS21の処理を行う。なお、審査条件に合格するとの審査結果を受け付けた場合、制御部51は、PDFに変換する前の画像データを印刷会社装置40へ出力することができる。
【0085】
目視による審査を実施しない場合(S19でNO)、制御部51は、処理部58による自動審査を行い(S21)、広告素材の審査結果を出力し(S22)、審査結果を媒体社端末装置20へ送信する(S23)。制御部51は、進捗管理処理を行い(S24)、進捗状況を媒体社端末装置20へ送信する(S25)。制御部51は、処理を終了するか否かを判定し(S26)、処理を終了しない場合(S26でNO)、ステップS11以降の処理を続け、処理を終了する場合(S26でYES)、処理を終了する。
【0086】
本実施の形態の広告情報管理装置50は、CPU(プロセッサ)、GPU、RAM(メモリ)などを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、
図15及び
図16に示すような、各処理の手順を定めたコンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAM(メモリ)にロードし、コンピュータプログラムをCPU(プロセッサ)で実行することにより、コンピュータ上で広告情報管理装置50を実現することができる。コンピュータプログラムは記録媒体に記録され流通されてもよい。広告情報管理装置50又は他のコンピュータで生成した学習モデル59及びそれに基づくコンピュータプログラムを、ネットワーク1を介して、媒体社端末装置20に配信してインストールしてもよい。
【0087】
本実施の形態の広告情報管理方法は、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得し、取得された第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換し、前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて前記第1形式データを印刷会社装置へ出力する。
【0088】
本実施の形態の広告情報管理装置は、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得する取得部と、取得した第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換する変換部と、前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて前記第1形式データを印刷会社装置へ出力する出力部とを備える。
【0089】
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得する処理と、取得された第1形式データを前記第1形式データと異なる第2形式データに変換する処理と、前記第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて前記第1形式データを印刷会社装置へ出力する処理とを実行させる。
【0090】
広告情報管理方法は、広告素材の第1形式データを代理店装置から取得する。代理店装置は、広告代理店の担当者が使用する情報処理装置である。広告代理店は、例えば、広告の空枠の確認、広告の申込、広告主からの映像や画像などの広告素材の入稿などの業務が行われる。
【0091】
広告素材は、例えば、デジタルサイネージのように、表示装置などに表示される映像(動画及び静止画など)、ポスターやフィルムなどの紙媒体(印刷物)を含む。第1形式データは、印刷処理が可能な画像データ(ビットマップ画像やベクトル画像)の制作、編集及び加工等を行う際に用いられるデータ形式である。
【0092】
広告情報管理方法は、取得された第1形式データを第1形式データと異なる第2形式データに変換する。第2形式データは、第1形式データのように、ビットマップ画像やベクトル画像などの制作や編集等に用いられる専用のデータ形式でなく、ソフトウェア、ハードウェア、オペレーティングシステムに関係なく、文書や画像を確実に表示することができるデータ形式であり、例えば、PDF(Portable Document Format)とすることができる。
【0093】
広告情報管理方法は、第2形式データに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するか否かに応じて第1形式データを印刷会社装置へ出力する。所定の審査条件は、広告素材に含まれる画像又は文字が広告表現上、適切な表現であるか否かの条件とすることができる。不適切な表現が含まれていない場合には審査条件に合格する(合格となる)。所定の審査条件に合格するか否かの判定は、目視による手動判定でもよく、機械が自動的に判定してもよい。例えば、所定の審査条件に合格する場合には、広告素材の第1形式データを印刷会社装置へ出力することにより、印刷物(紙媒体の広告)を制作することができる。
【0094】
上述の構成により、広告素材の中に紙媒体が含まれる場合でも、所定の審査条件に合格するか否かに応じて印刷物を制作することができ、紙媒体を含む広告素材の管理を行うことができる。
【0095】
本実施の形態の広告情報管理方法は、変換された前記第2形式データを媒体社装置へ出力する。
【0096】
広告情報管理方法は、変換された第2形式データを媒体社装置へ出力する。媒体社装置は、例えば、媒体社の担当者が使用する情報処理装置である。媒体社は、広告配信の管理を行う管理業者であり、媒体社装置では、広告の空き枠管理、広告の申込の管理、広告素材に不適切な表現が含まれていないかの審査、広告素材(紙媒体を含む)のスケジュール管理などの業務が行われる。
【0097】
上述の構成により、媒体社では、紙媒体用の専用の制作アプリケーションがインストールされていない装置でも紙媒体の広告素材(画像)を簡単に表示することができ、広告素材の審査を簡単に行うことができる。
【0098】
本実施の形態の広告情報管理方法は、車両広告、駅広告及びデジタルサイネージ広告の少なくとも一つを含む広告メディアの選択を受け付け、前記第2形式データに対応付けて前記広告メディアの選択結果を前記媒体社装置へ出力する。
【0099】
広告情報管理方法は、車両広告、駅広告及びデジタルサイネージ広告の少なくとも一つを含む広告メディアの選択を受け付ける。広告メディアは、車両広告、駅広告及びデジタルサイネージ広告の他に、例えば、屋外広告、バス広告、ネット広告、マス広告などを含めることができる。また、車両広告には、中づり、まど上、ドア横、ドア上、つり革、ステッカーなどが含まれる。なお、車両広告は、これらに限定されるものではなく、例えば、車両ビジョンなどを含めることもできる。
【0100】
広告情報管理方法は、第2形式データに対応付けて広告メディアの選択結果を媒体社装置へ出力する。広告メディアの選択結果には、選択の結果、掲出場所に応じて決定される印刷物のサイズ(縦横の寸法)などが含まれる。これにより、媒体社は、同じ広告内容(同じ意匠)であっても広告の掲出場所の違いによるサイズの違い等を考慮して所定の審査条件に合格するか否かを判定できるので、審査の効率を高めることができる。
【0101】
本実施の形態の広告情報管理方法は、広告素材の第3形式データを代理店装置から取得し、取得された第3形式データの広告素材が所定の審査条件に合格するかを判定する。
【0102】
広告情報管理方法は、広告素材の第3形式データを代理店装置から取得し、取得された第3形式データの広告素材が所定の審査条件に合格するかを判定する。第3形式データは、表示装置などに表示される映像(動画及び静止画など)のデータ形式である。これにより、デジタルサイネージのように、表示装置などに表示される映像についても、所定の審査条件に合格するか否かを判定することができ、紙媒体を含む広告素材の管理を行うことができる。
【0103】
本実施の形態の広告情報管理方法は、取得された第3形式データが所定のフォーマットであるか否かを判定し、前記所定のフォーマットでない場合、前記第3形式データを前記所定のフォーマットに変換し、前記所定のフォーマットに変換された広告素材が前記所定の審査条件に合格するかを判定する。
【0104】
広告情報管理方法は、取得された第3形式データが所定のフォーマットであるか否かを判定する。フォーマットは、映像(動画及び静止画)を構成するためのファイルの情報であり、例えば、ファイル名(ファイル形式)、圧縮方式、動画ビットレート、フレームレート、解像度、音声、音声ビットレート、周波数、チャンネル、動画の長さなどの情報を含む。映像を配信する場合のフォーマットは、所定のフォーマットに定められているが、広告主が制作する映像のフォーマットは、必ずしも配信用のフォーマットと一致しない場合がある。
【0105】
広告情報管理方法は、取得された第3形式データが所定のフォーマットでない場合、第3形式データを所定のフォーマットに変換し、所定のフォーマットに変換された広告素材が所定の審査条件に合格するかを判定する。これにより、フォーマットの修正を必要とする映像については、所定のフォーマットに変換されて審査条件に合格するか否かを判定することができ、作業効率を向上することができる。
【0106】
本実施の形態の広告情報管理方法は、前記第1形式データ及び前記第2形式データの少なくとも一方のデータを学習モデルに入力し、前記学習モデルは、前記少なくとも一方のデータが前記所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を出力する。
【0107】
第1形式データ及び第2形式データの少なくとも一方のデータを学習モデルに入力し、学習モデルは、少なくとも一方のデータが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を出力する。学習モデルは、多層のニューラルネットワーク(深層学習)を用いることができ、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)及びリカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いることができるが、他の機械学習を用いてもよい。学習モデルは、第1形式データ及び第2形式データの少なくとも一方のデータ及び所定の審査条件に合格するのか否かを示す合否情報を学習データとして用いて生成することができる。
【0108】
これにより、紙媒体の広告(画像及び画像に含まれる文字)が所定の審査条件に合格するのか否かを自動的に判定し、合否情報を出力することができる。
【0109】
本実施の形態の広告情報管理方法は、前記学習モデルは、画像又は映像を教師データとし、さらに前記画像若しくは該画像に含まれる文字、又は前記映像に含まれる画像、文字若しくは音声の少なくとも一つが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を教師データとして学習されている。
【0110】
学習モデルは、画像又は映像を教師データとし、さらに画像若しくは該画像に含まれる文字、又は映像に含まれる画像、文字若しくは音声の少なくとも一つが所定の審査条件に合格するか否かの合否情報を教師データとして学習されている。これにより、紙媒体の広告及び映像の広告が所定の審査条件に合格するのか否かを自動的に判定し、合否情報を出力することができる。
【0111】
本実施の形態の広告情報管理方法は、前記学習モデルが、前記第2形式データの広告素材が前記所定の審査条件に合格する合格情報を出力した場合、前記第2形式データに変換する前の第1形式データを印刷会社装置へ出力する。
【0112】
学習モデルが、第2形式データの広告素材が所定の審査条件に合格する合格情報を出力した場合、第2形式データに変換する前の第1形式データを印刷会社装置へ出力する。これにより、紙媒体の広告が所定の審査条件に合格すると判定された場合、印刷処理が可能な画像データが印刷会社装置へ出力されるので、紙媒体の広告の印刷までの業務の効率を良くすることができる。
【0113】
本実施の形態の広告情報管理方法は、複数の代理店毎に広告素材が前記所定の審査条件に合格するか否かの合否情報の一覧を出力する。
【0114】
広告情報管理方法は、複数の代理店毎に広告素材(例えば、紙媒体の広告と映像の広告)が所定の審査条件に合格するか否かの合否情報の一覧を出力する。これにより、複数の代理店毎に取得した広告素材のうち、所定の審査条件に合格したものは手作業による確認作業(審査条件に合格するか否かの確認作業)を必要としないので、手作業による確認作業を必要とする広告素材と必要でない広告素材とを区別することができ、広告素材の審査時間を短縮化することができる。
【0115】
本実施の形態の広告情報管理方法は、複数の代理店毎に広告素材の掲出報告までの進捗状況の一覧を出力する。
【0116】
広告情報管理方法は、複数の代理店毎に広告素材(例えば、紙媒体の広告と映像の広告)の掲出報告までの進捗状況の一覧を出力する。進捗状況は、例えば、映像が所定のフォーマットであるか否かの判定結果、広告素材が所定の審査条件に合格したか否か、映像の広告が配信されたか否か、紙媒体の広告が印刷完了したか否か、掲出完了したか否か等のイベントを含めることができる。これにより、広告素材の掲出報告までのプロセスの進捗状況を代理店毎に管理することができる。
【符号の説明】
【0117】
1 ネットワーク
10 代理店端末装置
20 媒体社端末装置
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 表示パネル
25 表示処理部
26 操作部
40 印刷会社装置
50 広告情報管理装置
51 制御部
52 通信部
53 メモリ
54 フォーマット判定部
55 審査DB
56 データ形式変換部
57 フォーマット変換部
58 処理部
59 学習モデル
60 審査結果出力部